【写真】有言実行がマスト──厳しい戦いは覚悟のうえだ (C)TSP
28日(金・現地時間)に、シンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE Only the Braveで、ジャレッド・ブルックスと対戦する箕輪ひろばインタビュー後編。
修斗の世界チャンピオンの強さを示すために目指す、ONE世界ストロー級のベルト。箕輪は「ONEストロー級チャンピオンが、世界で一番」とそのベルトの価値を断言する。世界王者ジョシュア・パシオに挑戦するために落とすことはできないブルックス戦に向けて、箕輪は打・投・極の回転で勝負する。
<箕輪ひろばインタビューPart.01はコチラから>
──修斗のチャンピオンの強さを示すためにONEストロー級で世界を獲る。そのためにジャレッド・ブルックスに遅れをとることはできません。改めて1度は流れたブルックス戦が決まったのは、いつ頃だったのでしょうか。
「12月の半ばだったと思います。最初はボカン(マスンヤネ)だったのが、ボカンは南アフリカなのでオミクロン株の影響でシンガポールが入国制限をしていて(※12月27日に制限を解除)、試合ができなかったので」
──今回、試合前に強化週間が重なっていましたが、その間に出稽古の方は?
「行っていなかったです。プロ志望だった子が辞めていくのは、技術面ではなくて体力面で僕のレベルに合わせた練習についていけないからなんです。そこを乗り越えられる選手の子たちは、強化週間に出て良い練習ができていると思います。あの間、僕は僕で良い練習ができました。
普段、トライフォース赤坂でスパーリングをしている時間は、強化週間中もスパーリングに当てて。場所が変わっただけで、やっていることはそんなに変わっていなかったです」
──……。
「確かに出稽古で練習している選手たちほど、合宿に集まってきている子たちは強くないです。だからこそ、ブルックス戦を想定して自分で色々とはめ込んで練習してきました。あと年末年始は代表がずっと練習に来てくれるので、阿部代表と色々と話し合えてブルックス戦のことを考えることができました。
合宿は5日に終わったので、それからはトライフォース赤坂さん……出稽古はトライフォースだけですね。ただ東洋大学のレスリング部のコーチと選手がウチに来て、レスリングを教えてくれるんです。今日も今から、東洋でインカレに出ている人たちとの練習です」
──あぁ、箕輪選手が出向くのではなくて、来てくれる環境になったのですね。
「そうですね。これだけ良いジム、施設を整えた理由はそこにあったんです。その辺りのことを考えて、ジムのプロデュースは僕の方で色々とやらせてもらっている形です。自分の練習をしやすい環境、それとジュニアが参加しやすいプログラムを今、やっています」
──大したモノです。ところでリト・アディワン戦を見て、ブルックスをどのように思いましたか。
「普通に強いです。いつも試合前のインタビューで、相手ことを尋ねられても自分は『強い』としか言ってこなかったですよね(笑)。やっぱりONEに参戦してくるストロー級の選手は皆、強いです」
──単純に比較できないですが、箕輪選手は腕関節が危なかったスプリット判定勝ちで、ブルックスは肩固めの一本勝ちをしています。それだけでもブルックスは強いという印象を持ちます。
「間違いなく強いです。ただ僕としては、僕の試合を見たからあれだけレスリングに振ることができたんでしょって言いたいです。僕とアディワンの試合を見ていなければ、もっと探る必要があったはずです。強いなって思ったのと同時に、『俺とアディワンの試合をメチャクチャ研究してきたな』って感じました。アディワンがテイクダウンを切れない、腰が強くないと分かっていた試合でした。
僕と戦うまで、アディワンは腰が強いと思われていたはずなので。腰が強いハードパンチャー、バケモノだっていうイメージがあったけど、僕との試合があったのでそれほど腰も強くない、寝技の技術もあまりないということが分かって、ブルックスはあの試合ができました」
──要約すると、あの一本勝ちは箕輪ひろばが創ったと。
「まぁ、そうですね。僕はあの試合が出る前に、ああいう風にハメることができたんで。仮にブルックスが、あの試合を見て僕を研究しているなら『あんまり侮んなよ』って話です」
──そこまで言い切れるのは? 絶対に負けないという部分はどこだと思っていますか。
「ブルックスはレスリングがメチャクチャ強いと思います。それで言うなら、僕は根っからの修斗スタイルで打・投・極の回転という部分で総合を10年以上やってきたので。北米スタイルに対応できるMMA能力は、僕や今出てきている若い世代はかなりあると思っています。そこがブルックスに優っている要素ですよ」
──ブルックスの方が世界ストロー級王者ジョシュア・パシオよりも強いという声もよく聞かれます。
「格闘技って三段論法は成り立たないと思うんです。そこは直接対決をしないと分からない部分があるはずです。ただ、僕とブルックス、パシオは三つ巴になる可能性もありますし、それこそ本当に勝ったり、負けたりがあると思うので、この3人で誰が強いかは戦ってみないと分からないです」
──つまり箕輪選手はパシオ、箕輪、ブルックスがONEストロー級の三強だと。
「あとボカンも、ですね。ボカンとパシオ、ブルックス、僕です。アディワンも入って来るかと思っていましたけど、僕とブルックスに負けて完全に穴が見えましたのでこの4人です」
──ONEのストロー級は正味、世界一ですね。ストロー級で、世界中から選手が集まっているのはONEだけなので。
「競争率はめちゃくちゃ高いです。これから下の選手もバンバンチ力をつけてくるだろうし。ただ、そこと今いった4人は一線を引いてほしいです。ONEのストロー級チャンピオンになったヤツが、世界で一番強いと思っています。そのトップ戦線で自分は戦えている──この1年が勝負……というか、一番になります。タイミングによるかと思いますが、この試合で勝った方がタイトルに挑戦することになるはずです。既に(三浦)彩佳さん、それと若松選手と世界挑戦が現実となっていて、今年は日本人の世界戦ラッシュが来るんじゃないかと。
よくONEは日本人選手に強い選手を当てて潰しに来ているという話を聞きますが、そういう風に思わせてしまっていることが申し訳ないです。僕らが強ければ、そんな風に思われないですから。僕らの力不足で潰しにきていると思われるようになっている。だから勝ち続けて、日本のファンの皆さんに安心してもらうようにしたいです。逆に『日本人、舐めんなよ』って皆が思ってくれるようにしないといけないです」
──絶好の機会ですね、ブルックス戦は。
「まぁメチャクチャ強いことは分かっています。でも勝つことが絶対条件で、レスリングの展開でも、ボクシングの展開でも負けないということは考えながらやっています」
■放送予定
1月28日(金・日本時間)
午後7時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後7時30分~ONE Super App
■ONE Only the Brave対戦カード
<キック・フェザー級ワールドGP準決勝/3分3R>
シッティチャイ・シッソンピーノン(タイ)
ダビット・キリア(ジョージア)
<キック・フェザー級ワールドGP準決勝/3分3R>
ジョー・ナタウット(タイ)
チンギス・アラゾフ(アゼルバイジャン)
<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
キム・ジェウン(韓国)
タン・カイ(中国)
<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
スーパーガール・ジャルーンサックムエタイ(キルギス)
ラスラン・エミルベク(キルギス)
<キック・ヘビー級/3分3R>
ラーデ・オバチッチ(セルビア)
フランシェスコ・エクシャジャ(アルバニア)
<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
箕輪ひろば(日本)
ジャレッド・ブルックス(米国)
<キック・フェザー級ワールドGP補欠戦/3分3R>
イヴァン・コンドラチェフ(ロシア)
ドビダス・リムクス(リトアニア)
<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
和田竜光(日本)
ワン・シュオ(中国)
<ウェルター級(※77.1キロ)/5分3R>
手塚裕之(日本)
エジソン・マルケス(ブラジル)
<キック・108キロ契約/3分3R>
ポール・エリオット(英国)
アンダーソン・シウバ(ブラジル)
<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
プレウ・オトゴンジャルガル(モンゴル)
ミカエル・デ・ジェズウス(ブラジル)