【写真】戦績は5勝1敗。この手のファイターは、日本にはいてなかなか戦う機会はないはず。有川にとっては試練──だけに、勝てば大きな自信を手にできるファイトになる(C)MMAPLANET
30日(日)、立川市の立川ステージガーデンで開催されるPancrase333でコルトン・キエルバサが有川直毅と対戦する。
キエルバサは1月20日のONE FF01で藤沢彰博と対戦。ベリートゥベリー・スープレックスからポジション奪取──RNCで秒殺した。ONEフライ級戦線に面白い選手が現れたと思っていると、今回のパンクラスでのファイトが決まった。
藤沢戦では投げ、ポジション、極めという流れのなかで力強さを見せつけたキエルバサとは、どのようなファイターなのだろうか。タイを拠点に戦う、アメリカン・レスラーのファイター人生に迫った。
──コルトン、日曜日の試合に向けて東京には今朝、入ったそうですね(※取材は26日に行われた)。
「バンコクを昨日の夜の10時に出て、午前6時に着いた。これからワークアウトだけど、ホテルにチェックインしてからは昼寝をしていたよ。時差が2時間なのは楽だし、体重も落ちてきている。とても良い感じだよ」
──初来日、日本のファンにはまだ馴染のないコルトンですが、1月20日のONE FF01で藤沢彰博選手を下し、ベリートゥベリーのような投げからポジションを奪取してRNCで一蹴。インパクトのある勝利でした。ただONEのルンピニー大会だったので、コルトンの目標はONEで戦っていくことかと思っていました。
「理由はないもないんだ。あの試合は1試合の単発契約だったから。そして、日本で戦う機会を得られたんだから、ここで戦うよ。もともとアメリカ海兵隊で日本に住んでいたことがあったから、日本で試合をすることは特別だよ」
──おお、どこのベースで生活していたのですか。
「横須賀だよ」
──すぐ近くじゃないですか!!
「2016年に5カ月間、横須賀にいて。その時はMMAのジムで練習することはなかったけど、軍でもレスリングを続けていた。元々、米国ではフォークスタイルとグレコをやっていて。フォークスタイルはMMAに転向するには、一番適したスタイルだと思う。ハイスクールを卒業し、カレッジに進んでレスリングをするという選択もあったけど……。僕はパーティー野郎だったから、カレッジに行くとそういう生活に浸りそうだって思ったんだ。きっとレスリングに集中できないって。それもあって海兵隊に入隊した。軍ではグレコを続けたよ。
海兵隊には4年いて、MMAファイターになることを決めた。そして除隊後は米国に戻らず、打撃を学ぼうとタイへ向かったんだ。チェンマイのチーム・クエスト・タイランドで練習している時に、今回コーナーマンをしてくれるクリス・カーシュに会った。クリスはドイツからやってきたんだけど、彼のように良い選手がチェンマイにはたくさんいた」
──MMAを学ぶには米国の方がより充実した環境があり、戦う機会も多いかと思うのですが。
「僕にはレスリングのベースがあり、グラップリングよりもムエタイを学ぶべきだと思ったんだ。でも、ずっと住む予定ではなかった。それがもう5年も住んでいる(笑)」
──ずっとチェンマイで?
「チェンマイに2年間、それからバンコクに2年少し住んだ。バンコクではマロック・ジムに所属していたよ。グラップリング中心で、良いチームだった。今はプーケットのサウスサイドMMAで練習しているんだ。まだ新しいけど、凄く良いジムだよ」
──この間、コロナが起こりタイでは公にはジムは閉鎖状態だった時期も長かったと思います。その時も帰国しなかったのですね。
「それは考えた。でも、米国の方が酷い状態だったから。タイの方がリラックスしているし、皆が普段から用心していた。ただし試合の機会がなかったから米国やヨーロッパで戦うことも模索している時に、タイがオープンになったからそのままタイで戦ってきたんだ。
ONE FFでアキヒロと戦った時は、もっとONEで戦いたいと思っていた。ルンピニーショーは、今やタイで一番大きなショーでアジア在住のムエタイファイターは、誰もがこぞってあの場で戦いたいと思っているからね。ただ、さっきも言ったようにパンクラスで戦う機会を得た。だからパンクラスで僕は戦う」
──ところでマロック・ジムは一時期、有望な選手が集まり注目されていましたが、多くの選手がジムを離れたとデニス・ザンボアンガから聞きました。
「僕はマロックに残っていた最終メンバーの1人だよ。デニスやドレックスより後に、チームを離れた。今、マロックに残っているのはジェレミー(ミヤド)だけじゃないかな。チーム・クエスト・タイランドもバラバラになり、その時も僕は最後まで残った1人だった(笑)。クリスは今もバンコクにいて、この試合のために再合流したんだよ」
──色々あってもタイを拠点にするのは変わりないのですね。
「ガールフレンドもいるし、現時点で米国に戻ることは考えていないよ。もし、試合があるなら喜んで米国でも戦うけどね。それにパンクラス、日本で戦えることが凄く嬉しい。パンクラスの過去のショー、対戦相手に関してもリサーチはしっかりしてきたよ」
──ところでムエタイを学ぶために始まったタイでの生活ですが、試合ではレスリング&グラップリングで圧倒的な強さを見せていますね。
「打撃に関しては、十分に使える。モノにしたと思っている。素晴しいボクシング・コーチとずっと練習してきたからね。ただファイトはよりイージーに、そしてケガをしないように戦うべきだ。その局面になったら打撃でやりあうけど、必要がないならテイクダウンからサブミットする」
──では有川選手の印象を教えてください。
「う~ん、まぁ試合に関して対戦相手云々ではないから。僕の戦い方はシンプルで何も秘密にすることはない。テイクダウンして戦う」
──押忍。パンクラスのファンはテイクダウン、コントロール、そして極めを堪能できるはずです。
「そうだと嬉しいよ(笑)。そうなって欲しい。これから体重をしっかりと落として、そんなファンの前で戦うことが楽しみでならないよ。僕のやることは変わらない。ゴールは勝利を掴むこと。打撃をより使うような試合になるのは、それが必要になるから。僕のスタイル、戦い方は変わらない。ゲームプランは、テイクダウンして戦うこと。同じだよ」
──では、ここからのキャリアアップをどのように考えていますか。
「分からない。できればRIZINで戦いたいけど、どうなるのか。僕がMMAファイターになったのは、110パーセント集中した自分がどれだけ強いのか、どれだけやれるのか。それを知りたかったから。今もその想いは変わりないよ」
■視聴方法(予定)
2023年4月30日(日)
午後2時00分~ PANCRASE YouTube メンバーシップ、TIGET
午後1時00分~ ABEMA PPV ONLINE LIVE、U-NEXT
■視聴方法(予定)
2023年4月30日(日)
午後2時00分~ PANCRASE YouTube メンバーシップ、TIGET
午後1時00分~ ABEMA PPV ONLINE LIVE、U-NEXT
■Pancrase333対戦カード
<ライト級KOP王座統一戦/5分5 R>
[王者] 久米鷹介(日本)
[暫定王者] アキラ(日本)
<バンタム級KOP王座統一戦/5分5 R>
[王者] 中島太一(日本)
[暫定王者] 田嶋椋(日本)
<ストロー級QOPC/5分5R>
[王者] KAREN(日本)
[挑戦者]ソルト(日本)
<フライ級QOPC/5分5R>
[王者] 端貴代(日本)
[挑戦者] NØRI(日本)
<バンタム級/5分3R>
井村塁(日本)
石井逸人(日本)
<フェザー級/5分3R>
亀井晨佑(日本)
パン・ジェヒョク(韓国)
<バンタム級/5分3R>
田中路教(日本)
笹晋久(日本)
<女子ストロー級/5分3R>
藤野恵実(日本)
エジナ・トラキナス(ブラジル)
<ライト級/5分3R>
松本光史(日本)
ヌルジャノフ・ルスタムベック(キルギス)
<フライ級/5分3R>
有川直毅(日本)
コルトン・キエルバサ(米国)
<ライト級/5分3R>
粕谷優介(日本)
葛西和希(日本)
<ライト級/5分3R>
松岡嵩志(日本)
岡野裕城(日本)
<バンタム級/5分3R>
ジェイク・ムラタ(日本)
矢澤諒(日本)
<女子ストロー級/5分3R>
高本千代(日本)
重田ホノカ(日本)
<フェザー級/5分3R>
渡辺謙明(日本)
平田直樹(日本)