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【Column】パク・ソヒ✖デニス・ザンボアンガの裁定を審議するということについて、ちょっと考えました

【写真】ONE73のサゲッダーオ✖マ・ジャワン。ミャンマーでの一戦は、ONEの歴史で勝敗が入れ替わった唯一の例だ(C)MMAPLANET

9月3日に開催されたONE Empower、女子アトム級ワールドGP準々決勝のハム・ソヒ✖デニス・ザンボアンガ戦の裁定に関して、「コンペティション・コミッティーが審査し、検討する」という旨の発表をチャトリ・シットヨートンがSNSで行った。

MMAPLANETに於いても──この2-1でハム・ソヒが判定勝ちした裁定は、あり得ないと書き記した。簡単にいえば打撃で大差なく、テイクダウンとトップコントロールをしたザンボアンガの負けはMMAとしてないと感じたからだ。

ONEはダメージ、ニアフィニッシュを最重視しており、テイクダウンは言ってしまえばスプロールすれば帳消し、あるいは下になったままの選手がパンチやエルボーを下から打てば効果的とされないという見方もできる。

とはいえ、この試合ではダメージやニアフィニッシュという部分で、ハム・ソヒが明白にリードしていたわけではない。顔の傷を評価対象にするのは無理がある。個人的にダメージと傷、有効打と腫れ具合はイコールだとは思っていない。

そして裁定に関して、色々な意見が出ることは正しい。だからジャッジは3人いる。3人が下した結果で勝敗が決まる。それが定められたルールだ。

過去、ONEにおいて自分が記憶している限り、裁定が覆ったのは4度ある。最初は2012年にシャノン・ウィラチャイが、ミッチ・チルソンをサッカーボールキックで破った一戦だ。後日、裁定が覆りノーコンテストになっている。この試合に関して、多くの試合結果をまとめているサイトではイリーガルキックとなっているが、当時のONEはサッカーボールキックを認めており、なぜ結果が変わったのか恥ずかしい限りだが自分は失念してしまっている。

2度目は2018年6月29日、サゲッダーオ・ペットパヤータイ✖マー・ジャワン戦。前者が後者を3-0で下したが、敗者側の抗議を受けてマー・ジャワンの勝利となり白・黒が入れ替わった。

3度目はキックだが、2019年のフェザー級GPでペットモラコット・ペッティンディーアカデミーが判定勝ちも、レフェリーが首相撲を適正に裁かなかったという理由でジョルジオ・ペトロシアンから挙げた勝利がノーコンテストになった。

4度目は記憶に新しい今年4月のエディ・アルバレスとユーリ・ラピクスの一戦だ。エディのパウンドが後頭部だったと判断したレフェリーが、反則負けの断を下した。が、ノーコンテストに変更された。

上記4試合中、ウィラチャイ✖カーン、ペットモラコット✖ペトロシアンの2試合は再戦が組まれた。

今回、裁定が覆れば5度目ということになる。従来のMMAに通例でいえば、ドラックテストの結果を受けて、陽性のファイターの勝利が取り消される以外では、一度下った裁定が覆ることはほぼない。

その常識が覆ることに違和感を覚えることもあるが、まぁケージの中やリングの上での裁定は暫定結果で、問題があれば裁定は変わるという方法論をONEが用いるのであれば、それはそれで良いだろう。

とはいえ、ここで浮上したコンペティション・コミッティーの存在と、その構成メンバー、どのような執り行いがあったのは明白になる必要がある。ここのが不透明だと、委員会に興行運営陣が噛むことで──公正でないという見方もされて然りだ。その意見も分かる。と同時に興行論と競技運営論を混同しないのであれば、興行側の人間が試合を裁くことに関係するのもありだと思っている。

それがONEであればマット・ヒュームであり、日本だと梅木さんだ。興業団体関係者及びジム関係者が審判団に入ることで公平性を欠くという意見は、自分も長らく信奉してきた。サッカーで横浜マリノスの関係者が審判団にいないように。阪神タイガースの選手のフィジカルを指導している人物が、審判団に属していないのと同じように。

この考えに変化が加わったのは、MMAのような進化や変化が激しいスポーツで、一切選手と関わらない、普段はMMAから離れた人物には攻防は理解できないことに気付いたからだ。第三者機関なら良いというのであれば、米国のようにコミッションから派遣されたキックしかみたことがないジャッジが、あり得ない判定をしても良いことになる。

レフェリーはMMAを知るために、実際に練習をする方が逆に正しいとさえ感じている。最近では試合経験のあるリタイア組が、レフェリーを務めるケースも増えてきた。彼らの中には後進の指導に当たっている者も当然のように存在している。だからONEの競技委員会が、ONEの組織内にあっても──興行論とは一線を画した存在であれば──構わない。

その一方で、裁定を見直すことができる権利はONEという舞台で戦う選手全てに平等に与えらなければならない。そのように思えないから今回の件は判定には異論を捉えている人々からも非難されるているのだろう。

自分は本来、『審判だって人間。ミスはある。MMAはヒューマンスポーツ、一度下った裁定は覆られない』という考えた方だけれども、注目度の高さ、視聴者の抗議の声、SNSの反応に依り、特定の人物が「これは見直すべきだろう」ということで審議対象になるのはなく、全選手に与えられて権利で、全選手がその権利を行使できるなら、再審議はあっても良いかとも思う。


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Interview News ONE ONE Empower デニス・ザンボアンガ ハム・ソヒ ブログ

【ONE Empower】試合後の会見で涙を見せたザンボアンガ。ハム・ソヒは「左だけで戦ったのは作戦の一部」

【写真】 元は黄色だったハム・ソヒのファイトウェアが、ザンボアンガのバッティングによる返り血でオレンジ色に染まってしまっている……(C)ONE

3日(金・現地時間)、シンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムで開催されたONEにとって初めてとなるオンリー女子イベント= Empowerが開催された。

メインでシィオン・ヂィンナンが ミシェル・ニコリニを判定で下しONE世界女子ストロー級王座に防衛し、この日開幕した女子アトム級GPはハム・ソヒ、スタンプ・フェアテックス、リトゥ・フォーガット、平田樹の4名が勝ち残り、補欠戦では山口VV. 芽生がジュリー・メザバルバに判定負けを喫している。

GPではザンボアンガの右目の周囲が腫れているということはあったものの、打撃で明確な差が見られず、2度のテイクダウンと最後はトップコントロールを許したハム・ソヒが判定勝ちしたことがファンの間でも論議の対象となっている。

試合後のリモート会見では先に登場したザンボアンガは、裁定に納得がいっておらず「彼女の攻撃で驚かされたものは何もない。コントロールして、打撃も打ち合った。次に戦えるならサブミッションを仕掛けてフィニッシュする。誰が勝ったか皆分かっているはず。私は全てを出して戦った。彼女は何もしていない。私は何もダメージも負ってない」というと、涙がこらえられなくなる場面も。

「私は打撃だって入れていた。勝ったと信じている」と懸命に言葉を続けたザンボアンガに続き、リモート会見を行ったハム・ソヒは、「この判定結果が問題になることが分かりません。顔を見てください。顔が結果を表しています。この裁定を疑問に思う人は、ONEのルールをもっと勉強する必要があると思います。デニス・ザンボアンガ選手が判定に納得がいっていないなら、彼女は先にONEのルールを勉強すべきです。彼女がルールを分かっていたら、この裁定に同意するでしょう」とコメントした。

以下、MMAPLANETが質問の機会を得たやりとりを再現したい。


──(※日本語で)おめでとう。お疲れ様。

「ありがとございます(笑)」

──ハム・ソヒ選手は個人的に過去10年、どのような時も取材依頼を受けてくれました。ただし、今回は初めて『試合に集中したいので』ということで、個別取材の機会がありませんでした。そして計量に苦労したという話も耳にしています。さらに今夜の試合、左手一本で戦っていました。コンビネーションすら使っていないです。何か試合前から体調不良、ケガをしていたということはないですか。

「う~ん……。正直なところ、今回が初めてのONE出場でハイドレーションテストは過去の減量とは全く違うモノでした。だから、これまでにできていたこともできないということがありました。ハイドレーションと計量は昨日で終わらせるつもりだったのですが、パスをしたのは今朝でした。リカバリーの時間は十分になかったです。

これも正直にいいますが、試合では100パーセントのコンディションではなかったです。左のパンチしか使っていないという質問ですが、それは作戦の一部でした。対戦相手の動き、彼女がどのように戦いたいのかを考えたうえでのメソットです。そして練習中から練ってきた動きでした」

──韓国に次ぎ、応援する人が多い日本のファンにメッセージをお願いできますか。

「(※※日本語で)応援してくれて、本当にありがとございます。私が……いつか……日本で試合をやることが分からないけど、応援よろしくおねがいします」

──カムサハムニダ。

「フフフ、ありがとございます」

なおONEでは準決勝のマッチアップをファン投票で決定することを発表しており、見たいカードを実現するための一票はコチラから投票できる。

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MMA ONE ONE Championship ONE Empower   ジュリー・メザバルバ スタンプ・フェアテックス 平田樹

『ONE: Empower』試合結果/女子アトム級ワールドGP準決勝の組み合わせはファン投票で決定

ONE: Empower results: Xiong Jing Nan outpoints Michelle Nicolini to defend title(MMAFighting)
・Xiong Jing Nan def. Michelle Nicolini via unanimous decision
・Seo Hee Ham def. Denice Zamboanga via split decision
・Stamp Fairtex def. Alyona Rassohyna via split decision
・Ritu Phogat def. Meng Bo via unanimous decision
・Itsuki Hirata def. Alyse Anderson via unanimous decision
・Julie Mezabarba def. Mei Yamaguchi via unanimous decision

Kickboxing
・Anissa Meksen def. Cristina Morales via TKO (punches) - Round 2, 2:27

Muay Thai
・Jackie Buntan def. Daniela Lopez via unanimous decision


【One Empower】VV.Mei、メザバルバの強固な制空権を崩せず。ヒザとヒジを受け補欠戦で敗北(MMAPLANET)

【ONE Empower】平田樹、しっかりと投げから抑えアンダーソンを3-0で下し──準決勝へ(MMAPLANET)

【ONE Empower】初回にアッパーでダウン奪われたリトゥ、魂のクシュティ&パウンドで逆転勝ち(MMAPLANET)

【ONE Empower】組みで受けの強さ、寝技で攻めを見せたスタンプがラソヒーナにリベンジ(MMAPLANET)

【ONE Empower】これはもう恐怖判定。ダメージ無し、TD決めたザンボアンガがハム・ソヒに敗れる(MMAPLANET)

【ONE Empower】徹底して組みを警戒、パンチを当てたヂィンナンがニコリニに判定勝ち防衛(MMAPLANET)

 9月3日にシンガポール・インドアスタジアムで開催された『ONE: Empower』の試合結果。メインイベントの女子ストロー級タイトルマッチはション・ジンナンがミッシェル・ニコリニに判定勝ちし王座防衛。女子アトム級ワールドグランプリ1回戦はハム・ソヒ、スタンプ・フェアテックス、リトゥ・フォガット、平田樹が勝利し準決勝に進出。リザーブマッチに出場した山口芽生はジュリー・メザバルバに判定負けしています。


 準決勝の組み合わせはファン投票で決定します。続きを読む・・・
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MMA ONE ONE Empower

【ONE Empower】徹底して組みを警戒、パンチを当てたヂィンナンがニコリニに判定勝ち防衛

<ONE世界女子ストロー級(※56.7キロ)選手権試合/5分5R>
シィオン・ヂィンナン(中国)
Def.3-0
ミッシェル・ニコリニ(ブラジル)

小さく構えたヂィンナンが鋭い左フック、右ストレート、そしてローを見せる。遠い位置からシングルに出たニコリニは、殴られながらディープハーフを狙い──立たれても組んだまま立ち上がり引き込む。バタフライガードから離れて立ち上がったヂィンナンが右を伸ばす。続く左ミドルをキャッチして組みついたニコリニは、ここも引きこむがヂィンナンは寝技に付き合わず立ち上がってローを蹴る。

レフェリーがニコリニを立たせ、ヂィンナンがワンツーを繰り出す。と、右ストレートを受けたニコリニがダウン。足を捌いて鉄槌を落とすヂィンナンが離れて、試合はスタンドに戻る。残り1分、追い込まれニコリニは組めずに蹴られると、引き込んでもタイトにガードを取れずスタンドに戻される。最後に蹴りを掴んだニコリニがバックに回ってテイクダウンも、すぐにヂィンナンが立ち上がり時間となった。

2R、ローを蹴ったヂィンナンは、右ストレートを当てる。足と顔面を攻められるニコリニはテイクダウンも切られる。ローで崩れたニコリニは、立ち上がり際にサッと離れるヂィンナンの前に、打開策がないか。ヂィンナンは右オーバーハンド、ローをキャッチしたニコリニは足関節狙いで、外掛けからストレートフットロックへ。

ロールして足を抜いたヂィンナンが立ち上がる。ニコリニは大きく口を開けている。アクションが少ないという指示を受けた両者、ローから左を打たれたニコリニは何とかラウンド終了まで持ちこたえた。

3R、左ジャブから右を伸ばすヂィンナン。打撃の受けは危ないが、近い距離でニコリニは組みたい。ヂィンナンはボディを連続で打ち抜くと、左ローが急所に入り試合が中断する。直ぐに再開され、ヂィンナンはワンツー&ロー、続くミドル憎んだニコリニがバックへ。胸を合わされると、ニコリニがジャンピングガ―ドを見せる。

クローズドを取られていることで、トップにもいかずケージに押し込み、体をゆするヂィンナンに対し、ニコリニが背中をつける。ガードを上げていくニコリニは、パスを許しつつ何かを狙っているか。足を戻したニコリニはケージに押し込まれ、窮屈な状態でオモプラッタから腕を極めにいったところで時間となった。

4R、左ローを蹴ったヂィンナンが、ダブルレッグをかわす。続いてヂィンナンが右カーフを蹴る。ニコリニは組めずに、立ち上がるという展開を2度繰り返す。ヂィンナンも組まれるのが嫌で、距離はパンチでなくローだ。組まれて離れるヂィンナンは、左を入れる。倒すよりも、組まれたくない選択のチャンピオン──アイポークがあったとニコリニがアピールして、試合が止まる。リスタート後、アッパー受けたニコリニが引き込み、ヂィンナンが離れる。またアイポークがあったとアピールするニコリニも、パンチでは倒されないとばかりに近づくが、徹底して組みを警戒されジャブやローを蹴られる展開となった。

最終回、パンチの数、コンビネーションが増えたヂィンナン。ただし、組まれないことが主体であることは変わらない。胸を殴るとレフェリーに伝えるニコリニは、右を当てて組みつくと引き込む。頭がケージの中を向いており、三角からオモプラッタを狙うが、ヂィンナンが立ち上がる。

テイクダウン狙いを着られ、背中から殴られたニコリニがガードを取り、ヂィンナンは少し殴って立ち上がる。残り1分、ここもアイポークがあると抗議したニコリニ。最後の30秒、もう逆転はないだろうがニコリニは立ったまま、文字通りパンチを受け流し試合終了となった。

額にタンコブが見えるニコリニは、0-5で敗れ納得の笑顔を見せ、ヂィンナンは「チャイナ・パワー」と叫んだ。


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ONE ONE Empower Report デニス・ザンボアンガ ブログ ミシェル・ニコリニ

【ONE Empower】これはもう恐怖判定。ダメージ無し、TD決めたザンボアンガがハム・ソヒに敗れる

<女子アトム級(※52.2キロ) ワールドGP準々決勝/5分3R>
ハム・ソヒ(韓国)
Def.2-1
デニス・ザンボアンガ(フィリピン)

サウスポーのハム・ソヒが左ストレートを当てる。ザンボアンガの前進に距離を取り直したハム・ソヒは、ジャブの叩き合いから組まれヒザを入れる。ケージに押し込んだザンボアンガは、ボディロックからテイクダウンを狙う。金網を使って耐えたハム・ソヒは。正対してきたザンボアンガの頭を押してパンチを打っていく。

首相撲でヒザを入れたハム・ソヒだが、ザンボアンガも頭をつけてボディチェンジ──ダブルレッグへ。シングル、ダブルにしっかりと対応するハム・ソヒに対し、ザンボアンガもヒザを入れる。残り1分、ザンボアンガが押し込んだ状態が続き、ハイクロッチもウィザーで耐えたハム・ソヒだが、最後の最後にボディロックで尻もちをつかされた。

2R、サンボアンガが右を伸ばす。ハム・ソヒは左を入れ、ザンボアンガが右を返す。左から組みに行ったハム・ソヒ、切ったザンボアンガの組みをハム・ソヒも防ぐ。ハム・ソヒの左、ザンボアンガの右が交錯する。サンボアンガは臆することなくハム・ソヒと立ち合い、右を伸ばす。最小限のステップでかわすハム・ソヒは、左を当てる。ザンボアンガは右を返し、ハム・ソヒがダブルレッグを防ぐ。直後にダブルレッグから走ったザンボアンガが、テイクダウンを決める。

ハム・ソヒもすぐに立ち上がるが、ケージに詰められた状態が続く。必死でダブルレッグを防ぐハム・ソヒは、ヒザをボディに2つ受け、エルボーを打たれる。残り30秒でレフェリーがブレイクを命じる。ハム・ソヒの左、ザンボアンガの右とこれまでと同じ交錯が見られタイムとなった。

最終回、叩き合いからハム・ソヒが左、かわしたザンボアンガの右も当たらない。左と右を打ち合い、ザンボアンガが前蹴りを入れる。どちらもミドルを蹴らない展開のなか、ザンボアンガが左ジャブを届かせる。ハム・ソヒも左フック、右を返したザンボアンガはこの回は組みにはいかない。

コンビネーションがなく、ほぼ左だけで戦うハム・ソヒ。その左を振るって前に出ると、ザンボアンガも右からダブルレッグを仕掛け、両者の頭がぶつかる。ハム・ソヒは左目尻を切り、ザンボアンガは額から流血が見られる。

ザンボアンガにドクターチェックが入る。長引く中断後、再開するとザンボアンガ右を振るって前に出て、ダブルレッグからリフトアップしてテイクダウンを決める。ハーフからクローズドを取ったハム・ソヒだが、このままでは判定で厳しくなる。流血のザンボアンガがパンチを落とす。ハム・ソヒの顔が返り血で真っ赤に染まる。

サンボアンガはガードの中で、細かいパンチを落とし続ける。ハム・ソヒも下からパンチを入れるが、反撃ならず時間に。

ハム・ソヒのコスチュームが真っ赤になっているなか、ジャッジの裁定が読み上げられる。と、判定はスプリットに割れ──なんと、ハム・ソヒに凱歌が挙がる。この裁定は理解不能。パンチのヒット数に差があったのかもしれない。ただし、ダウンを奪ったわけでも、ザンボアンガにダメージもなかった。頭が当たった時も、ザンボアンガに非があるという指示も見られなかったはずだ。この試合展開でテイクダウンとトップが評価されないのであれば、これはもうMMAではない──ミステリー裁定、いや恐怖判定だ。


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MMA ONE ONE Empower アリョーナ・ラソヒーナ スタンプ・フェアテックス

【ONE Empower】組みで受けの強さ、寝技で攻めを見せたスタンプがラソヒーナにリベンジ

<女子アトム級(※52.2キロ) ワールドGP準々決勝/5分3R>
スタンプ・フェアテックス(タイ)
Def.2-1
アリョーナ・ラソヒーナ(ウクライナ)

リベンジを誓うスタンプは、鋭い左前蹴りを見せ、左ローを蹴る。ローを続けるスタンプに対し、ラソヒーナはケージ中央を取ってなかなか動かない。と、左を見せて一気に組んだラソヒーナが、一度は体を預けて耐えたスタンプをシングルで倒す。スクランブルでギロチンに出たラソヒーナだが、スタンプが立ち上がって頭を上げて耐える。直後に首投げを決めたラソヒーナが、袈裟で抑えてパンチを打ちつける。スカーフホールド気味に絞め、必死に頭を抜いたスタンプが立ち上がるとギロチンで、がぶってヒザを顔面に突き上げる。

スタンプはシングルを潰してヒザをボディに入れると、バックに回ってRNCへ。左腕も足でフックされているラソヒーナだが、スタンプはやや頭の位置が高く絞めを極めきれない。それでも腕を入れ替えて絞めを狙い続けたスタンプが、盛り返して初回終了を迎えた。

2R、右ミドルハイを見せたスタンプ。ラソヒーナもミドルを蹴り返す。ローに縦ヒジ、続いて左ジャブを伸ばしたスタンプは、右ミドルハイを蹴る。ローにワンツーを放つラソヒーナが、左ボディ。すると2分20秒も経過して、スタンプがマウスピースを忘れていることに気付く。

リスタート後、ラソヒーナはボディから左フック、ヒザ蹴りにもダブルレッグを決める。足関節狙いから蹴り上げたラソヒーナに対し、立ち上がったスタンプがローを蹴る。レフェリーがラソヒーナを立たせる。ラソヒーナはワンツーフックで前に出て、左ハイを蹴っていく。スタンプは右を当て、エルボーを冷静に入れる。ミドルハイで体を起こされたラソヒーナだが、右ストレートを当てる。左ミドルを蹴られ、組んだラソヒーナだがスタンプが崩して上を取る。エルボーからパンチをスタンプが狙ったところで時間となった。

最数回、テイクダウン狙いを潰したスタンプが上をとり、スクランブルもバックを伺うとラソヒーナが引き込む。背中の後ろで右手を掴んで、パンチを落とすスタンプ。掴まれていた手を振りほどいたラソヒーナだが、ハーフで下の状態が続く。クローズドを取ったラソヒーナは、腰を切ると足をすくって腕十字へ。体を跨いで防いだスタンプがトップへ足関節狙いにも、しっかりと座ったスタンプがパンチを連打する。ヒジを落としたスタンプが立ち上がる。

残り1分、ラソヒーナはレフェリーにスタンドに戻され肩で息をしている。ここから大きな動きはなく、最後にラソヒーナがスピニングバックフィストもクリーンヒットはせず、時間と同時にテイクダウンに。ジャッジの裁定は割れ、スタンプは勝利者コールに涙を見せそうになりつつ、勝利の舞いを見せた。


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MMA ONE ONE Empower モン・ボー リトゥ・フォーガット

【ONE Empower】初回にアッパーでダウン奪われたリトゥ、魂のクシュティ&パウンドで逆転勝ち

<女子アトム級(※52.2キロ) ワールドGP準々決勝/5分3R>
リトゥ・フォーガット(インド)
Def.3-0
モン・ボー(中国)

ジャブを伸ばす両者。モン・ボーが左ローを蹴り、リトゥの左ジャブに左ローを続ける。リトゥのシングルレッグは遠く、モン・ボーが切ってパンチを落としながら足を抜く。続くリトゥの踏み込みに、モン・ボーは頭が当たったとアピールして試合が中断する。再開後、また頭から入っていったリトゥは、シングルからバックに回る。モン・ボーが胸を合わせると、いなしたリトゥはヒザを入れ自ら離れる。

モン・ボーは右ストレートを当て、リトゥは続く右にダブルレッグもアンダーフック&スプロールで倒せない。スタンドに戻り、荒い右フックで前に出るリトゥだが、直後にモン・ボーの右を受け、動きが止まるとアッパーからパンチを纏められダウンする。シングルを切り、ヒザを入れ、立ち上がってもエルボーを入れたモン・ボーは、倒れたリトゥからマウント奪い腕十字へ。

腹ばいのまま腕を伸ばされたリトゥだが、腕を抜いてバックに回るとテイクダウンを決めパウンドを落としたところで時間となった。

2R、テイクダウン狙いを切ったモン・ボーが右を当てる。続いてアンクルピックからファイヤーマンキャリーの連係でテイクダウンに成功したリトゥは、腕十字を防いでパスを決める。サイドで抑え、エルボーを連打するリトゥ。モン・ボーがシンブルも、リトゥは譲らずサイドバックからヒザで顔面を狙う。ついに嫌がったモン・ボーが引き込むとボディからパンチをリトゥは連打する。

ハーフに戻されてもエルボー、パンチを続けるリトゥは足を抜いて顔面にヒザを連続で入れ、クルスフィックからパンチを連打する。モン・ボーも腕を抜いて立ち上がり、時間は残り90秒に。距離を取るリトゥは、息を整えているか。モン・ボーもダメージの回復に努める。距離が近づくと、リトゥは右オーバーハンドを入れて、イーブンに持ち直した。

最終回、リトゥのテイクダウン狙いに、モン・ボーの前蹴りが顔面に当たる。後方に倒れたリトゥだが、ガードを取手から立ち上がりシングル、ハイクロッチでテイクダウンを奪う。サイドを取ったリトゥはパンチ、ヒザをワキ腹に蹴り込む。さらにエルボーをワキ腹に連打するリトゥは、ブリッジを潰しヒジを続ける。続いて顔面にヒジ、そしてヒザを入れたリトゥは足を戻させず、ブリッジも許さない。

残り2分、ケージ際に移動したモン・ボーだがスクランブルに持ち込めず、サイドで抑えられた時間を続く。エルボーをワキ腹に落とし続けるリトゥは、ハーフに戻されてからはパンチを顔面に纏め時間を迎えた。

初回にアッパーでダウン奪われたリトゥだが、魂のレスリング=コシュティ&パウンドで反撃──結果、ジャッジは3者ともリトゥを支持。モン・ボーも笑顔を浮かべて、リトゥと抱き合った。


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MMA ONE ONE Empower   アリス・アンダーソン 平田樹

【ONE Empower】平田樹、しっかりと投げから抑えアンダーソンを3-0で下し──準決勝へ

<女子アトム級(※52.2キロ) ワールドGP準々決勝/5分3R>
平田樹(日本)
Def.3-0
アリス・アンダーソン(米国)

KRAZYBEE所属とコールされた平田が、タッチグローブを拒否する。試合開始時にはグローブを合わせた平田がジリジリと前に出てロー、そこにアンダーソンがワンツーを振るう。ワンツーに右オーバーハンド、さらに前蹴りを見せた平田に対しアンダーソンが先に組む。左宇腕を差し合った両者、ケージを背負った平田は払い腰を防がれたが、 ボディロックテイクダウンを奪う。

アンダーソンはクローズドガードを取り、平田はケージに押し込む。アンダーソンはハイガードからワキをすくっていく。三角狙いのアンダーソンに右のパンチを落とす平田が、エルボーも入れる。ハイガードも窮屈な姿勢だった、アンダーソンが三角へ。下からエルボーを入れると、平田も肩を押し込んでトライアングルから抜けて立ち上がる。ローを続ける平田、アンダーソンは背中をつけたままで時間となった。

2R、アンダーソンのワンツーを額で受けた平田が前蹴りを見せる。スピードは平田の方が速いか。アンダーソンの蹴りに、平田は右オーバーハンドへ。近い距離でパンチを振るい組んだ平田は、右腕を差すと払い腰で投げる。そのままサイドで抑えた平田に対し、足を上げて三角狙いのアンダーソンだが、これは無理がある。スクランブルにがぶってヒザを蹴った平田は、引き込んだアンダーソンをサイドで抑える。

アンダーソンは後方回転で足を振り上げて横三角狙いも、落とした平田がしっかりとサイドで抑える。平田はエルボーを入れ、肩パンチ。アンダーソンは下からヒザを入れるが、後頭部に辺りレフェリーが注意する。平田は引き続きエルボー、ヒザを入れてアンダーソンを圧倒する。またも後方回転で足を掛けようとするアンダーソン──つまり、足を戻すことができず自信の柔術は平田に封じ込まれたまま時間となった。

最終回、ダブルレッグを潰された平田は背中を見せて距離を取り直す。アンダーソンはパンチを纏める。平田は頭を下げて右を振るって距離を取り直す。ローから右のカウンターを入れた平田は、スピニングバックフィストを避けた直後に右オーバーハンドを被弾しダウンをする。

すぐにシングルで起き上り、ケージに押し込んだ平田は大内から内股で投げ切る。後方回転から上を取りがぶったアンダーソンに対し、平田もすぐに起きあがり払い腰も防がれ、胸を合わされる。ここでも平田は腰の乗せて投げを狙うも、アンダーソンが耐えて正対する、このタイミングでケージに押し込んだ平田は、投げ切れず押し込み返されるが、左をおっつけてからヒザを入れて、再びケージに押し込みついに投げを決める。平田がサイドで抑え、力尽きたように足を戻せないアンダーソンはそのまま時間に。

ダウンは1度奪われたが、投げから抑えてえヒザ蹴りなど試合した平田が3-0の判定勝ち──も、渋い表情で勝者コールを受けた。


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MMA ONE ONE Empower ジュリー・メザバルバ

【One Empower】VV.mei、メザバルバの強固な制空権を崩せず。ヒザとヒジを受け補欠戦で敗北

<女子アトム級(※52.2キロ) ワールドGP補欠戦/5分3R>
ジュリー・メザバルバ(ブラジル)
Def.3-0
山口VV.芽生(日本)

10センチ背の高いメザバルバが、左ジャブを伸ばす。VVは頭を動かすがジャブから右アッパーを被弾する。VVのジャブを叩くメザバルバは左フックをかわして、右フックを届かせる。VVはテイクダウンのフェイクを見せるも、メザバルバは右を伸ばして、ステップインに左を合わせる。さらに近距離でヒザをボディに突き上げたメザバルバが、自分の距離で戦い左をヒットする。VVも右を当てて前に出ると、メザバルバは笑顔を浮かべた。

ジャブから右ストレート、待っても、詰めてもパンチを当てることができるメザバルバが飛び込んで左、さらにヒザを狙ったところで初回が終わった。

2R、ジャブから右を伸ばし、リーチの差をしっかりと使って戦うメザバルバは、テイクダウン狙いを切ってヒザを突き上げる。メザバルバは左ジャブ、リードフックに右ストレートやアッパーを使い分け、テイクダウンは切ってヒザも的確な攻撃を続ける。、VVは厳しい状態のなかで、ステップインから右ストレートを当てる。近い距離でのフックのコンビに対し、冷静にヒザを繰り出すメザバルバが、首相撲からヒザでなくワンツーを打ち込む。残り2分を切り、VVは初めて組んでケージにメザバルバを押し込むも、ヒザを受ける。

VVは頭をつけてもショートエルボー、オーバーフックで距離を創るとヒザを狙う。左腕を差したVV、右のパンチを顔面に入れるもメザバルバはヒザ、ヒジを見せて離れるとスーパーマンパンチを狙ったところでラウンド終了を迎えた。

最終回、VVもパンチを貰わず、前に出てパンチを放つシーンもあったが、右ストレートや左フックを受け、組んでケージへ。ここも右腕でワキを差されたメザバルバだが、オーバーハンド取り、テイクダウンを許す気配はない。VVは細かいパンチやヒザを見せて、メザバルバを金網に押し込み続ける。残り2分30秒、体を入れ替えたメザバルバはヒザからヒジを入れて離れる。さらに右ロー、左で踏み込みを迎え撃つとメザバルバはVVの懸命にステップインに左右のパンチを打ち込む。

VVはここもケージには押し込めるが、ここからテイクダウンを取れない。メザバルバは体を入れ替えてヒザ蹴り。VVも即押し戻すが、メザバルバがここもヒザからヒジを入れて離れる。離れても組んでもVVは劣性のまま時間を迎えた。

結果、メザバルバが3-0の判定勝ち。VVの人生大逆転のGP制覇は補欠戦敗退で潰えた。


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【ONE Empower】ヂィンナンに挑戦、ミシェウ・ニコリニ「柔術で勝つとかは、関係ない」

【写真】挑戦者、でも女王の風格(C)MMAPLANET

本日3日(金・現地時間)、シンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE「Empower」のメインで、ムンジアル黒帯8冠&DACC優勝のミシェウ・ニコリニが、ONE世界ストロー級王者シィオン・ヂィンナンに挑戦する。

組み技で彼女に比肩する選手はONEには存在しない。それでもMMAを戦う彼女にとって柔術は、勝つための一つの要素であることを明言した。

鍵は打撃。そんな世界挑戦を前にニコリニに話を訊いた。


──シンガポール入りして、今の調子はいかがですか(※試合は8月27日に行われた)。

「全てにおいて良い感じね。2日前にシンガポールに着いて快適に過ごしているわ。ホテルのバブルにいて、外出はできないけど問題ない。トレーニングもできているし、今もプールで泳いできたばかりなの。ファイトウィークだし、これで十分よ」

──フラストレーションはなさそうですね。

「この状況だしね。外をで出歩くことがショーを開くことに対して、どれだけ危険かは分かっているから。私はブラジルに住んでいるし、COVID19と向き合うには本当に色々な制約があることを経験してきたわ。シンガポールで試合をする。そのために必要な感染予防対策に従うのは当然の話よ」

──さすが大人ですね。ブラジルでは、大変なことを乗り越えてきたかと思います。

「そうね。今は練習も自由になったわ……でも、ようやくね。ブラジルでは国民の大体50パーセント以上がワクチン接種を済ませたから、よりオープンになってきていて。人々も以前のような生活を求めてワクチン接種を受けているわ」

──つまり、ワクチン接種が進むまで多くの制限があったということですね。

「今でも自主的に信頼のおける少人数のグループで練習をしているけど、街中はよりオープンになっているわ。1年半前、ブラジルでコロナ感染が爆発的に広まる前に、私はタイトル挑戦が決まっていて。パンデミックが始まった時も、懸命に練習だけは続けていたの。ずっとトレーニングパートナーと2人っきりで。来る日も、来る日も何カ月間と、彼女と2人で練習を続けたわ。8カ月前に練習場所が開放されるまで」

──パンデミック後、ブラジル国内でグラップリングの試合に出るようなこともなかったのでしょうか。

「ブラジルでは今年になるまで、ほとんどコンペティションが行われていなかった。私にとって、今回のタイトル戦はCOVID19が広まってからは初めての試合よ」

──今大会はONEで初めての女子だけのイベントになります。

「アメージングね。このショーのヘッドライナーになれて、凄く嬉しいわ。何より、本当に素晴らしい選手が揃っていることが最高ね。アトム級GPがあって、私はストロー級。アトム級のように層が厚いということはないけど、シィオン・ヂィンナンがいて、アンジェラ・リーもチャレンジした。これからストロー級にも強い選手が集まってくると思うわ。そうそう、名前は忘れたけど良い日本人選手(※三浦彩佳)もいるし。あの子も凄く良い選手だし、これからはストロー級の戦いも面白くなってくるはず。私自身、楽しみでしょうがない気持ちね」

──ではその頂点にあるチャンピオン、シィオン・ヂィンナン選手の印象を教えてください。

「個人的には知り合いじゃないんだけど、皆からとても良い人だと聞いているわ。打撃はもちろん、グラウンドゲームもできるし、上手く試合をまとめることができる選手ね。動きも速い。とても尊敬しているけど、ケージのドアが閉められたら倒すべき相手。どうなるのか、楽しみにしてほしいと思っている」

──いくら彼女が寝技ができても、ミシェルの寝技と比肩できる選手はONEにはいません。とはいえ、あのストライカーを相手にどれだけに寝技に持ち込むことができるのか。テイクダウンが鍵を握ってくると思いますし、そのためには打撃も必要です。

「ブラジルでずっと打撃の練習をしてきたわ。去年、シィオン・ヂィンナンと戦うことが決まってから。私のスタンドゲームは成長した。でもパンチを打たなくて、柔術に持ち込めるならそうするわ(笑)。彼女と私の距離が近づいた時、何かが起こるから。そこは期待してほしいわ」

──グラップラーが序盤からテイクダウン&コントロールしても、フィニッシュできないと疲れてガスアウト状態に陥るという試合は幾千と行われてきました。

「大丈夫よ。5Rのスパーリングを2度、3度と1日に行ってきたから、スタミナには問題はない。全てで、上手く仕上げることができてから。スタミナがどれだけもつか。多くの人はスタミナをつけるために走れというわ。でもファイターのスタミナはランニングではなくて、スパーリングで養われるもの。リアルなシチュエーションでのスパーリング、ケージのなかで起こる全てのことを予想し、全ての動きを使ったスパーリングでしかMMAファイターのスタミナは創れないと私は思っているの。

なにより、今回の試合にむけてデミアン・マイアとずっと練習してきて、ずっとアドバイスを受けてきたの。動き、技、思考とあらゆる面でデミアンはリードしてくれて。ずっとストライカーやレスラーと戦ってきたから、私にとってデミアン以上に参考になる選手はいないわ。彼は私のアイドルよ」

──デミアン・マイアは今も、そしてこれからもケージのなかで最高の柔術家です。ただし、彼はUFCで戦ってきました。ONEではグラウンドのヒザがあります。ここはどのように捉えていますか。

「グラウンドでのヒザは、私にとって追い風よ。寝技でのオプションが増えるし。使われることより、使う機会が断然多いはずだしね」

──ではデミアンのように引き込むことも考えていますか。

「デミアンのように引き込むのではなくて、私の戦い方として引き込むことはあるでしょうね。とにかくタイトに戦って、アタックすることが私を勝利に導いてくれることは確かよ」

──ところでミシェウは柔術の優秀性を示すためにMMAで戦う……という気持ちを持っていますか。

「ノー。そんなことは考えていないわ。私にとって本当に柔術は大切なものよ。簡単に身につくものじゃない。だからといってMMAを戦う上で、柔術は全てじゃない。私自身MMAを戦う時は、他のスタイルのトレーニングにより時間を割いているし。ボクシング、ムエタイ、レスリング、テコンドー、それらを混ぜた練習を、ね。

もちろん私は柔術のトレーニングをストップすることはないし、試合前以外は道着を着た練習も週に2、3度続けている。道着を着ることで、細かなディティールを知ることができるし、絶対に欠かせないわ。繰り返すけど、私にとって柔術はとても大切なもの。私は生涯、柔術家よ。

それは変わることはない。でも、打撃で勝つのか、柔術で勝つのか──とか、そういうのは関係ないの。勝つことが最大の目標だから、勝ち方にはこだわらない。ボクシングが成長しているから、そこを見せて勝ちたいとも決して思わない。私がウェルラウンダーだと試合で証明したいなんて考えていないし。チャンスがあれば柔術に持ち込んで、柔術で倒す。それで勝てるから。試合は勝つために戦うのよ。」

──ミシェル。色々と興味深い話、ありがとうございました。

「アリガト。日本の皆が私の試合を楽しんでくれることを願っているわ」

■視聴方法(予定)
9月3日(金・日本時間)
午後8時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後8時30分~ONE Super App

■ONE Empower 対戦カード

<ONE世界女子ストロー級(※56.7キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]シィオン・ヂィンナン(中国)
[挑戦者] ミシェル・ニコリニ(ブラジル)

<女子アトム級(※52.2キロ) ワールドGP準々決勝/5分3R>
ハム・ソヒ(韓国)
デニス・ザンボアンガ(フィリピン)

<女子アトム級(※52.2キロ) ワールドGP準々決勝/5分3R>
アリョーナ・ラソヒーナ(ウクライナ)
スタンプ・フェアテックス(タイ)

<女子アトム級(※52.2キロ) ワールドGP準々決勝/5分3R>
モン・ボー(中国)
リトゥ・フォーガット(インド)

<女子アトム級(※52.2キロ) ワールドGP準々決勝/5分3R>
平田樹(日本)
アリス・アンダーソン(米国)

<キックボクシング女子アトム級/3分3R>
アニッサ・メクセン(フランス)
クリスティーナ・モラレス(スペイン)

<ムエタイ女子ストロー級/3分3R>
ジャッキー・ブンタン(米国)
ダニエラ・ロペス(アルゼンチン)

<女子アトム級(※52.2キロ) ワールドGP補欠戦/5分3R>
VV.Mei(日本)
ジュリー・メザバルバ(ブラジル)

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