【写真】ABEMAの会議室とチャトリCEOの自宅が結ばれてインタビューは行われた──後ろの蘭が立派過ぎる…… (C) MMAPLANET
昨日26日(火)、東京都渋谷区のABEMAタワーとシンガポールがZOOMで結ばれ、チャトリ・シットヨートンONEチャンピオンシップCEO兼会長のインタビューが行われた。
31日(日)にABEMAで中継されるプロ修斗公式戦の番組内でチャトリCEOインタビューの一部が放送される(※後日YouTubeで完全版もアップ予定)わけだが、ここでは先取り情報としてインタビューの一部を公開したい。
※チャトリCEOが日本語を話した箇所は太字になっています。
──シンガポールはロックダウンが続いていますが、ジムで汗を流すことが日課だったチャトリさんは、練習が恋しくないですか。
「もう2カ月間、ウチにいます。ワン・モア・マンス、ウチにいないといけないです。シンガポール政府は少しづつ経済活動を再開させているけど、今もまだ皆が家にいないといけないんだ。オフィスでないと仕事ができない人以外は、ステイホームを命じられている。2カ月間、ずっと家にいたけど、先週の政府の発表でもう1カ月延びてしまったよ。外出はスーパーマーケットのみ許されている状態なんだ。
でも自宅にムエタイの練習に必要な用具……サンドバッグを持ってきたし、柔術マットとダミーがあるから毎日練習しているよ。ジムでやっていることをホームワークにしている。もちろんジムでの練習は恋しいけど、この現状でもムエタイと柔術の練習は毎日の日課さ」
──チャトリさんらしいですね。ところで現状、ONEチャンピオンシップも3カ月間行われていません。今後の見込みはどのように考えていますか。
「すぐにビッグアナウンスメントを行うよ。過去2カ月間、私とスタッフは総力を挙げて動いてきた。それは来年のスケジュールも含めて、ね。世界各国の政府と調整を続けてきたんだ。活動再開に向けて、ずっと動きてきたから再開の準備は整っている。もう少しすれば明らかにできるから」
──4月には日本でRoad to ONEが行われました。また5月31日にはプロ修斗が無観客TVマッチで開かれます。日本のファイターや関係者が格闘技の再開に向けて動いてきたことをどのように思っていますか。
「ABEMAのキタノ・サンを始めスタッフの皆さん、修斗のサカモト・サン、日本の格闘技関係者の皆がRoad to ONEを開き、また活動を続けているガッツと勇気にこれ以上ないぐらい感謝しているよ。
同時に世界中のアスリートたちは厳しい時間で、我慢を続けている。この地球規模の危機は100年に1度の出来事なんだ。100年に1度、だ。世界中がロックダウンされ企業の倒産、公的私的問わずして銀行も破綻している。不運にも自殺者の数も急激に増えてきた。米国なんて、この4週間の自殺者の数が。過去1年間の数を上回ってしまっているんだ。たったの4週間で……だよ。
加えて失業者が3000万から4000万人に膨れ上がる勢いだ。この危機的情報は、世界中の人達に深刻な影響を与えようとしている。そのなかで私はチームの皆に、リーダーとしてこう言っているんだ。『今、泣き言を言い、弱音を吐くだけなのか? それとも人々を奮い立たせるのか?』ってね」
──……。
「ONEがどれだけのことをデキるのかを世界に示す、そんな機会にしようじゃないか。今こそ、世界の人々を勇気づける時なんだよ。過去2カ月間、イベントがない状況でも私のチームは全力で働いてきた。毎日ZOOM会議を行い、オンラインで日々起きる問題に対して話し合い、来るべき再開の日に向けて準備してきたんだ。
この危機的な状況にあって、誰もが困難と向き合っている。でも、この困難は一時的なモノだし、世界中の誰もが同じ状況にいるんだ。だからこそ一人ひとりが今、何ができるのか。優しさや愛をどれだけ持てる人間であるのか。人として、どれだけ思いやりを持てるのかを示す機会だ。人間力を見せる時なんだよ。
この世界について……色んなメデイアが悲観的な出来事を発信しているなかで、美点、愛を見ることができるじゃないか。医療従事者の患者に対する美しい心や愛、隣人同士が支え合ったり、家族は家で過ごすことで家族愛を確かめ合ってきた。こうした話が世界中で見られている。自然環境でいえば、大気汚染が過去100年では見られなかったほどに改善されている。
地球が健康を回復しようとしている。世界的な危機のなかで、そんな素晴らしいことも起こっているんだよ。この危機を乗り越えた時、人間はより良くなり、世界中がより良くなっている。ONEチャンピオンシップは、ハッシュタグを#WEAREONEとしてきた。今こそ、私達は一つであることを示そうじゃないか」
──力強い言葉、ありがとうございます。その言葉、世界に伝えたいです。5月31日のプロ修斗の大会に関わっている関係者も、チャトリさんの言葉を聞くとさらに気持ちを強く持つことができると思います。
「凄く楽しみだよ。サカモト・サンはとても尊敬できる人物で、今や僕らはブラザーだ。私と彼にはずっと格闘技に関わってきたという共通点がある。修斗が活動を再開することは、とても嬉しいよ。修斗とONEはこれからも手を取り合っていくんだ」
──ではONEが活動を再開した時、真っ先に試合を組んでみたい日本人選手は誰になりますか。
「拳の回復具合が分からないんだけど、常に最高の試合をするユーヤ・ワカマツの試合は見てみたいね。イツキ・ヒラタもそうだ。ヨシヒロ・アキヤマも大好きな選手の1人だよ。それにユーシン・オカミ、ヨシタカ・ナイトー(内藤のび太)、サルタ(猿田洋祐)、日本には素晴らしいファイターが揃っている。もちろん、シンヤもね。1年以内に日本人の世界王者が誕生することを願っているよ。
ただキックボクシングは少し難しいね。ONE Super Seriesには世界最高レベルのキックボクサーとムエタイ選手が集まっている。日本はまだ一段下にある。スーパーシリーズの日本人選手には、そこまで大きな将来を想像することはできないけど、MMAの未来は開けていると言えるよ」
<この項、続く>
■ プロ修斗公式戦対戦カード
<修斗暫定世界バンタム級王座決定戦/5分5R>
岡田遼(日本)
倉本一真(日本)
<修斗女子スーパーアトム級王座決定T準決勝/5分3R>
黒部三奈(日本)
大島沙緒里(日本)
<修斗女子スーパーアトム級王座決定T準決勝/5分3R>
杉本恵(日本)
中村未来(日本)
<ライト級/5分3R>
SASUKE(日本)
西浦ウィッキー聡生(日本)
<バンタム級/5分3R>
清水清隆(日本)
小堀貴広(日本)
<フェザー級/5分3R>
石井逸人(日本)
齋藤翼(日本)
<ライト級/5分2R>
木下タケアキ(日本)
西川大和(日本)