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【DEEP Osaka2024#03】須田萌里&サダエ☆マヌーフが語る大阪女子練習会「今の女子は気持ちが違います」

【写真】大阪府吹田市の『SCORPIONGYM SENRI』で行われている女子MMA練習会。(C)SHOJIRO KAMEIKE

22日(日)、大阪市の錦秀会 住吉区民センター大ホールでDEEP Osaka Impact2024#03が開催される。メインイベントでは須田萌里が韓国のイ・イェジと迎え撃ち、サダエ☆マヌーフは青野ひかると対戦することとなった。
Text by Shojiro Kameike

年齢もキャリアも違うサダエと須田は現在、須田が所属するスコーピオンジム千里で週1回行われている女子練習会で共に汗を流している。1ジム単位では選手が少ない女子MMA界において、こうした女子選手のみによる練習会は貴重だ。これまで東京を中心に関東では多く見られる女子練習会だが、近畿圏ではまだ珍しい。そんななか、互いに試合を控えた須田とサダエの取材のため女子練習会を訪れると――スパーが始まった瞬間、サダエが須田の顔面に右ストレートを直撃させていた。これぞ練習会だ。


「昔はファッションでMMAをやっている子もいたじゃないですか」(サダエ)
「一緒の大会に出る選手と一緒に練習できて助けられています」(須田)

――先ほど終わった練習会について、須田選手とサダエ選手にお聞きします。この大阪女子練習会は、いつ頃どのようにして始まったのでしょうか。

サダエ いつかな? だいぶ前から「練習会やらへん?」みたいな感じやったよね。

須田 そうですね、そういう話をいつ頃からし始めたかは覚えていないけど、練習会は3~4年前からやっています。

サダエ ちょうど萌里ちゃんがMMAの試合に出て、活躍し始めて――。当時は女子だけでMMAの練習をする環境がなくて。このスコーピオンジム千里は萌里ちゃんのお父さんのジムで、ここなら集まりやすいんじゃないか――と、徐々に集まるようになった感じですね。

――練習会の話が出る前から、お二人は交流があったのですか。いえば須田選手からするとサダエ選手は大先輩で。

須田 会場で会ったらご挨拶させていただいていました。メチャクチャ優しい方で。

サダエ だって萌里ちゃんからすれば、私はお父さんやお母さんの年齢やからね。実際、私は萌里ちゃんのお父さんより年上やし。昔の印象なんて覚えている? 私が最初に現役やった頃、まだ萌里ちゃんは小学生やったもん。

須田 一緒に練習し始めたのは、サダエさんが復帰する頃からですよね。その前の試合は動画で視ました。

サダエ 私は萌里ちゃんを見た時、「今は若くて強い子がいっぱいおるなぁ」と思ったんですよ。

――今日、練習会の参加者は9名でした。サダエ選手が2013年に一度MMAから離れる前、少なくともプロのレベルで練習できる選手が大阪に、これだけの人数はいましたか。

サダエ いない、いない。全然いなかったです。女子とMMAの練習ができる機会は、ほぼ無かったですから。昔は――誤解を恐れずに言うと、ちょっとファッションでMMAをやっている子もいたじゃないですか。

須田 ファッション!?

――アハハハ、言い切りますね。しかしその言葉が合っているかもしれません。

サダエ そうでしょ? 「ちょっと格闘技をやってみたい」と思ってくれるのは全然良いことで。そこまでの気持ちじゃなく「格闘技をやるのがカッコイイ」という気持ちのほうが大きい。憧れや「カッコイイ」で止まっている、という意味でのファッションですね。

でもこの練習会に来ているのは、カッコイイかどうかより強くなりたい子たちやから。「絶対に強くなりたい」という子たちが、人生を賭けて集まっていることが嬉しいです。

――今日の練習会でも若い選手が多い中に、サダエ選手と栗山選手が入ってくると、雰囲気もピリッと引き締まりますね。良い意味で。

サダエ ホンマに良い意味ですか? みんな私じゃなくて、葵ちゃんにビビッているんじゃないかな(笑)。

須田 ウフフフ。でもホンマに二人のおかげなんです。

サダエ ありがとう。私は私で、若い子たちの中に混ぜてもらっている立場やから。

須田 一緒の大会に出る選手と一緒に練習できて「助けられているなぁ」って思います。どんどん集まってくれて、モチベーションにもなっていますよね。最初は3~4人ぐらいだったけど、葵ちゃんがいっぱい誘ってくれて。

サダエ そうそう。葵ちゃんが脅して連れてくる感じで。

――先ほどから栗山選手をネタにしすぎですよ(笑)。

大阪女子練習会のキーパーソーン、栗山葵

サダエ アハハハ! どのジムにも女子選手が1人か2人はいるんですよ。そういう人たちの中でも声を掛けてもらって、どんどん増えていきましたね。

――練習会の内容は技術よりもスパーが中心なのですか。

須田 はい。お互いジムで練習してきたことを、この練習会で出し合います。やっぱり男子選手が相手やと、できないこともあるので。それが女子選手同士なら、実戦に近い形で練習してきたことを試し合えますから。

サダエ 女子選手同士のほうが、いらん怪我もせぇへんしね。男子とだけ練習していたら、どうしても怪我が増えていくし。

須田 確かにそうですね。

「サダエさんは際の攻防とかで相手の隙を突くのがすごく巧くて」(須田)
「自分が勝てるところで勝負せんと。勝負は常に油断できない」(サダエ)

――練習会のスタートを仕切るのは須田選手でした。

須田 一番下っ端が、スミマセン(苦笑)。

サダエ ここは萌里ちゃんのホームやしね。それに格闘技は年齢制じゃないから。萌里ちゃんが中心になって、どんどん進めてほしい。

――今日の参加メンバーの中でも、年齢では須田選手が一番下になるのですか。

須田 一番下……ですよね。

サダエ そうね。萌里ちゃんはまだ20歳やから。

須田 一番年齢が近い選手でも23~24歳ぐらいとか。

サダエ ここに来ている子はほとんどが二十代で。それがまた良いんですよ。

――ということは、皆さんにとって妹のような……。

サダエ 私が?

――違います(笑)。

サダエ 私はもうお母さんやなぁ。「みんな、これから色んな人生があって、いろいろ経験していくんやなぁ。頑張って!」という目線で見ていますよ(笑)。

――そのサダエ選手も練習会のスタート直後はウォーミングアップや打ち込みをしていて、須田選手とのスパーが始まると、いきなり右ストレートをブチ込んでいました。

サダエはアップからこの表情——練習とは言え勝負だ。この右ストレートの直撃だけで、練習会の方向性が理解できる

サダエ 萌里ちゃんはオールラウンダーで、かつ寝技で勝負したいタイプじゃないですか。私はその寝技に付き合いたくない。そうなったら、どうしても距離が近くなるとパンチを当てて離れたくなるんですよ。

須田 サダエさんは際の攻防とかで相手の隙を突くのがすごく巧くて。

サダエ あぁ、それは狙うね。そこを取っとかんと、コッチが勝てるところがないから。もう動きもスピードもパワーも、若い子には勝てへん。そこはいつも狙っているし、自分が勝てるところで勝負せんと。勝負は常に油断できないから、そういうタイプと練習することで萌里ちゃんたちが勉強になってくれたら良いかなって。

須田 そうですね。いつも気を抜いているところにパンチをもらって「ウワッ!」ってなります(苦笑)。

サダエ でもそのあとに逆襲されるから(笑)。やっぱりそのあたりは強いですよ。凌いだあとに何をするか。どうやって自分の得意なところに持っていくか。それが何歳になってもMMAの面白いところです。

――一方、須田選手はレスリングのバックコントロールを徹底している場面もありました。組みについては柔術のイメージが強かったので、意外な展開でした。

柔術&レスリングでグラウンドの安定感も増すだろう

サダエ いつも試合では、そんな展開になる前に極めているもんな?

須田 いえいえ、そういうわけじゃないです(笑)。前よりもっとレスリングを勉強するようになりました。

サダエ 今は逆に、極めるのを凌がれた時に次の展開をどうするのか――というところが苦手なのかなって思います。でもまだ若いから、そういうところも勉強して上手くなっていくよ。どんどん強くなっているからね。

須田 ありがとうございます!

――ちなみに、お二人が一緒に練習を始めて以降、試合をすることは考えられなかったのですか。もし今でも対戦オファーが来たら……。

須田 え~っ、分からないです(苦笑)。やっぱり試合はしたくないですね。

サダエ 試合はしたくないよなぁ。親子で戦いたくはないです。

須田 アハハハ!

サダエ 確かにファイターとしてはライバルかもしれないけど、今は同じチームとしてね。昔は、そういう気持ちもありましたよ。一緒に練習していても、対戦する可能性があれば少し手の内を隠したりとか。でもこの年齢になったら「みんな頑張れ!」という気持ちしかなくて。

「大強敵に勝って萌里ちゃんにバトンを繋ぎます」(サダエ)
「こんなに試合が空いたのが初めて。成長したところを見せたいです」(須田)

――なるほど。次の試合に関する話の前に……須田選手は今年1月のBlack Combatでパク・シユンに敗れましたが、相手のグローブ掴みもあり試合後は問題が紛糾していたと思います。その後、Black Combatの件はどうなったのでしょうか。

須田 どうなったんでしょうね? 相手の選手も引退しちゃったみたいですし(※パク・シユンは今年3月の伊澤星花戦を最後に、自身のインスタグラムでMMA引退を発表している)。

サダエ えっ、そうなん!? なんか逃げられた感じやな。

――パク・シユンとの再戦の可能性もなくなったなか、復帰戦の相手として海外選手を希望したのですか。

須田 いえ、そういうわけじゃないんです。ただ、国内の選手はもう一通り対戦してしまったので……。

サダエ それはもう女子あるあるよね。萌里ちゃんとしても、次はベルトに絡んでいきたいでしょう。

須田 それはそうですね。

サダエ 伊澤さんは確かに強敵やけど、若い時にどんどん挑戦していったほうが良い。そして若い時にベルトを巻いたほうが良いよ。

――では須田選手、対戦するイ・イェジについて印象を教えてください。

須田 凄く体がゴッツイ印象があります。試合を視たけど、綺麗な打撃とレスリングが武器という感じですよね。MMAの試合は久しぶりで、こんなに試合が空いたのが初めてで緊張していますけど、楽しみです。その間もいっぱい練習していたので、成長したところを見せたいです。

――そしてサダエ選手は青野ひかる選手と対戦します。

サダエ 「なんで!?」って感じですよ。大強敵じゃないですか(苦笑)。でも、そういう強い相手と対戦できるのは感謝しています。勝って萌里ちゃんにバトンを繋ぎます。

――須田選手はメインイベントですからね。

最後はLOVE

須田 男子の試合もあるなかでメインって、ヤバくないですか……。

サダエ ヤバくないよ。3月の大阪大会も女子がメインでしたし、時代は変わりました。みんな強くて、ガツガツ来てくれるし。今の女子選手は気持ちが違いますよ。

■DEEP Osaka Impact2024#03 視聴方法(予定)
9月22日(日)
午後12時30分~ ツイキャスPPV

■DEEP Osaka Impact2024#03 対戦カード

<アマチュアフェザー級/3分2R>
石田拓己(日本)
三浦健人(日本)

<アマチュアバンタム級/3分2R>
原田泰志(日本)
梅本純平(日本)

<フェザー級/5分2R>
宜野座ケビン(ペルー)
小西澄斗(日本)

<フェザー級/5分2R>
松原聖也(日本)
前原泰輝(日本)

<バンタム級/5分2R>
大空斗(日本)
エダ塾長こうすけ(日本)

<フェザー級/5分2R>
三井俊希(日本)
藤田宇宙(日本)

<バンタム級/5分2R>
山﨑鼓大(日本)
カーレッジユウキ(日本)

<女子フライ級/5分2R>
樹季(日本)
山口恵(日本)

<女子49kg以下契約/5分3R>
須田萌里(日本)
イ・イェジ(韓国)

<フェザー級/5分3R>
三村亘(日本)
鬼山斑猫(日本)

<フェザー級/5分2R>
古根川充(日本)
牧野滉風(日本)

<ウェルター級/5分2R>
角野晃平(日本)
中門虎鉄(日本)

<女子49kg以下契約/5分2R>
青野ひかる(日本)
サダエ☆マヌーフ(日本)

<バンタム級/5分2R>
MG眞介(日本)
堂園悠(日本)

<フェザー級/5分2R>
桑本征希(日本)
延命そら(日本)

<フライ級/5分2R>
藤田健吾(日本)
飴山聖也(日本)

<メガトン級/5分2R>
KENNY中村・ザ・天才チンパンジー(日本)
竹内龍吾(日本)

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【DEEP OSAKA IMPACT2024#01】MANAと対戦、ストライカー栗山葵「攻めるためのレスリングも」

【写真】人柄とMMAの姿勢が伝わってくるかのような笑顔。次はヒョウ柄もお願いしますっ!!(C)SHOJIRO KAMEIKE

17日(日)、大阪市住吉区の錦秀会住吉区民センター大ホールで開催されるDEEP OSAKA IMPACT2024#01で、栗山葵がMANAと対戦する。
Text by Shojiro Kameike

栗山は2022年からスタートしたDEEP JEWELSのフライ級トーナメントでは中井りんに敗れ、ベルトに届かなかった。しかし2022年以降の敗戦は中井戦のみで、現在は2試合連続KO中だ。その栗山に、明らかに変わってきたファイトスタイルと、所属するスモーカージムの変化について訊いた。


――栗山選手といえば、どうしてもタトゥーとヤンチャ時代のお話が多いですね。

「アハハハ、どうしても多くはなってしまいますね。私もそれで売っていきたい、というわけじゃないんですけど(苦笑)」

――確かにタトゥーは目立ちますが、そのために苦労も多いだろうとは思います。

「一番はお風呂ですね。私はお風呂が大好きなんですけど、やっぱり入れない銭湯は多くて。入れたとしても、他の人の視線は強いです。あとは冠婚葬祭の時に隠し切れないと困るとか――私としては『しゃあないわ!』と思っていますね。自分が選んだことですし」

――栗山選手が格闘技を始めたのは25歳の時で、その頃にもうお仕事にも就いていたのですよね。

「はい。建築の仕事に就いたのは17歳の時でした。2年生の時に高校を辞めていて」

――17歳から今まで現場のお仕事をされていると、管理職も経験しているのではないでしょうか。

「職長(※建設現場における責任者)もやっていました。ただ、本気でMMAに取り組むために、ここ1~2年はあまり現場には出ていなくて。

2021年2月、杉山しずかさんに負けたじゃないですか。あの試合はMMAを始めて1年ぐらいで、ホンマに悔しかったんですよ。MMAのことを何も知らずに、恥ずかしい負け方をして。もっともっとMMAをやりこまなアカンと思いました。私も当時26歳で、MMAとの向き合い方を考えるなら、これが最後のチャンスや――と」

――杉山戦の前と後では、どのような点が一番大きく異なりますか。

「気持ちの面は変わっていないです。やっぱりMMAの知識や技術の面では違いますよね。今5~6年MMAをやってきて、ようやく分かることもあるじゃないですか。『あの時あのレベルで、よう試合に出ていたな』とか思ったり(苦笑)」

――もともとサッカーをやっていた栗山選手がMMAでは立ち技主体のスタイルを選択した。それは所属するスモーカージムのスタイルも関係しているでしょう。ただ、その場合「盛り上げるために立ち技で、打撃で試合をする」と考えるファイターも少なくないです。

「はい、そうですね」

――一方でスモーカージムの場合は意識が変わってきたと思います。試合でテイクダウンされると、応援団から「立て! 立て!」と声が掛かる。その中には「お前は立たな勝たれへんぞ!」という声が混ざっていました。

「そのとおりです。勝つために、打撃で倒すために――その気持ちは同じやと思います」

――そのためにジムの練習もスタンドが中心となるのですか。

「2年前ぐらい前までは、練習もスパーリング中心でした。3~4時間ずっとスパーリングしているような……。その練習が変わっていったのは、(萩原)京平君がRIZINに出始めてからです。『もっと組みの練習をせな勝たれへん』って、チーム全体で組みの練習に取り組むようになりました。壁際の攻防はもちろん、寝かされてもすぐに立てるように」

――それはジムに組みの指導者を招くようになったのでしょうか。それとも出稽古ですか。

「私の場合は、まず出稽古でした。関西のジムもそうですし、東京でも練習させてもらっています。京平君も岸本泰昭さんに教わったり、その内容をスモーカージムに持ち帰って確認していますね。私はカルペディエム芦屋のプロ練習に参加させもらい、そこで知り合ったパンクラス稲垣組の北方大地さんにも、レスリングを教わるようになりました」

――カルペディエム芦屋のプロ練習に参加しているのですか。他に女性はいますか。

「サダエ・マヌーフさんが来てはるぐらいで、基本的に男の人ばかりですね。東京だと同じぐらいの体格の女子選手も多いじゃないですか。今の自分がどれくらい通用するのか確認するために、東京でも練習させてもらっています。

レスリングの練習をしていて、打撃面についても気づくことがありました。組まれた時にテイクダウンのディフェンスをする。でも、その時点ですでに後手に回っているわけですよね。それはディフェンスのことだけを考える状態になっていて。もちろんディフェンスしたあとに打撃を当てることがベストやけど、守るためのレスリングばかりを考えていてはアカンって思うようになったんです。攻めるためのレスリングも学ばないといけないっていう自覚も生まれてきて」

――確かにスモーカージムの選手の試合も変わってきたと思います。ケージに押し込まれた選手が差し返して、逆に投げを打つ場面もあります。しかし仰る通り、まずケージに押し込まれないために何をするべきか。栗山選手の場合は圧倒的に蹴りの数が増え、まず蹴りで相手を下がらせてからパンチを当てるようになりました。

「最近それをメッチャ言われるんですよ。戦い方を考えるようになったのは、去年2月に中井りん選手に負けてからですね。以前は打撃に自信があったとしても、組まれるのが怖いから後ろ重心というか……構えも腰が引けていて。だから弱いパンチしか当てることができませんでした。でもレスリングを教わることで組みにも自信がついて、より前に出ることができるようになったとは思います」

――大阪でもスコーピオンジムで女子選手が集まって練習するようになりました。

「スコーピオンジムは毎週土日に女子練習会が行われています。今は私もテイクダウンディフェンス、倒されないことを重点的に練習していますけど、これからはシフトチェンジも必要になってくるとは思うんですね。先ほども言ったとおり倒されないだけでなく、寝かされても立ち上がること。あるいは寝技の攻防をしながら立ち上がること、ですね。ただただ寝技の攻防を嫌がっていては勝てないと思うので。

たとえば須田萌里ちゃんと練習していたら、私のほうが体格も大きいし、力だけで抑え込めるかもしれないです。でも、それじゃダメなんですよね。彼女の柔術の技術は高い。だから彼女の技に対して、私も技で対応しないと練習にならないじゃないですか」

――確かに、そのとおりです。

「カルペディエムでも、背中を着かされてから立ち上がる練習もしています。最初に岩﨑(正寛カルペディエム芦屋代表)さんから言われたのは、『まずは何回も繰り返して練習すること。そうしないと寝技は身に付かない』と。それからずっと打ち込みから続けていて。

それでスモーカージムの練習も変わってきました。スパーは出稽古先でやらせてもらう。ジムでは打撃もミット、組み技も打ち込みが中心になって。そういうことがホンマに大事なんやなって思うようになりましたね」

――さらにスモーカージムの選手の場合は、1Rに押されていてもインターバル中に、松山誠代表に気合いを入れられて2Rから復活するという。

「アハハハ! (桑本)征希は特にそういうタイプですね。インターバルのあとは明らかに動きが違う(笑)。他の選手もそうですし、やっぱりジムのファミリー感であり、信頼感があると思います」

――なるほど。次はMANA選手という、まさに今スモーカージムで取り組んでいることを証明するための試合は組まれました。

「MANA選手が柔道出身で、まず組んでくる選手ですからね。それは今までの試合も同じなので、MANA選手対策というよりは自分のレベルアップのほうが重要だと思っています。柔道ベースの選手対策は、前回の齊藤百瑚戦からやっていて――BLOWSにも出稽古に行かせてもらっているんですよ。そこで柔道出身の方に『ここはこうしたら、相手はこう来る』みたいなことを教わって、シチュエーションスパーもやらせてもらっています。

DEEPジュエルスのフライ級トーナメントでは中井りん選手に負けて、ベルトには届きませんでした。あの時よりも強くなっている実感があるんです。それだけの練習をさせてもらっていると思うので。今大会のメインで試合をするDEEPジュエルス王者の松田亜莉紗さんをはじめ、大島沙緒里さん、本野美樹さんなど同年代の選手が活躍しているなかで、私も早く追いつきたいです」

■視聴方法(予定)
3月17日(日)
午後2時00分~DEEP/DEEP JEWELSメンバーシップ、ツイキャス

■DEEP OSAKA IMPACT2024#01対戦カード

<女子フライ級/アマチュアSPルール 3分2R>
山口恵(日本)
中本飛鳥(日本)

<女子54キロ契約/アマチュアSルール 3分2R >
橋本葵(日本)
高橋沙羅(日本)

<女子アトム級/アマチュアSルール 3分2R>
セアリ(日本)
SAAYA(日本)

<ライト級/アマチュアSルール 3分2R>
中尾天丸(日本)
萩野王昇(日本)

<フライ級/5分2R>
綿谷誠(日本)
上谷章(日本)

<フェザー級/5分2R>
延命そら(日本)
藤田宇宙(日本)

<フライ級/5分2R>
井上暉也(日本)
飴山聖也(日本)

<バンタム級/5分2R>
江田塾長こうすけ(日本)
千種純平(日本)

<バンタム級/5分2R>
田中壱季(日本)
キャプテン禎(日本)

<女子ストロー級/5分3R>
松田亜莉紗(日本)
マドンナ・ザ・ロケット(タイ)

<女子フライ級/5分2R>
栗山葵(日本)
MANA(日本)

<フェザー級/5分2R>
瀧口脩生(日本)
銀グラップリングシュートボクサーズ(日本)

<ウェルター級/5分2R>
鈴木琢仁(日本)
角野晃平(日本)

<バンタム級/5分2R>
上田直毅(日本)
MG眞介(日本)

<バンタム級/5分2R>
内山拓真(日本)
山﨑鼓大(日本)

<メガトン級/5分2R>
ステファン“スマッシュ”(フランス)
竹内龍吾(日本)

<女子45.5キロ契約/5分2R>
古林礼名(日本)
上瀬あかり(日本)

<女子ミクロ級/5分2R>
ジャカ季美香(日本)
こゆき(日本)

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DEEP DEEP Osaka Impact2023#03 MG眞介 MMA MMAPLANET o キック 山﨑鼓大

【DEEP Osaka Impact2023#03】山﨑の打撃を受けるも、MGが気迫のテイクダウンからRNC葬

【写真】やや山﨑が優勢の展開で、MGが気迫のフィニッシュ(C)SHOJIRO KAMEIKE

<バンタム級/5分2R>
MG眞介(日本)
Def.2R3分34秒 by RNC
山﨑鼓大(日本)

サウスポーの山﨑が右腕を伸ばしてから左ミドルハイを放つ。MGも左で距離を測り、右ハイへ。山﨑は右サイドキックを繰り出すと、左のガードを固めて右手を伸ばす。MGは左関節蹴り、左サイドキックを見せながら距離を詰めていくも、山﨑が左ミドルと左ストレートでMGを下がらせた。ケージ中央に戻り、山﨑が左ハイ、左ロー、左ハイと蹴りを散らす。しかし残り2分でMGが右ストレートで山﨑の動きを止めると、右ハイ、右ストレート、左フックと追撃する。

山﨑はダブルレッグで組みつき、崩されるがボディロックでドライブしながらテイクダウンを奪ったハーフガードのMGに対し、左ヒジを連打する山﨑。MGはケージまで下がり、立ち上がる。ここで左腕を差し上げたMGが押し返すも、山﨑は差し返してケージに押し込む。残り30秒でMGが離れると、終盤に山﨑がパンチから左ひざを突き上げた。

最終回、山﨑の左ローにMGが右ストレートを合わせる。距離を取って前蹴りとローを打ち込む山崎が、さらに二段蹴りを繰り出した。MGが左右のパンチで山﨑にケージを背負わせると、山﨑が組みにいくがスクランブルから引き込んだ。セコンドの指示通り、すぐに立ち上がる山﨑。MGは右ストレートで山﨑のアゴを跳ね上げる。

MGが左右ローとミドルを散らし、山﨑の左をかわしてシングルレッグで組みついた。ケージ際からボディロックでグラウンドに持ち込んだMGは、パスしてサイドへ。アメリカーナを狙うも極められずマウント、さらにバックマウントを奪取する。パンチを連打し、左腕を山﨑の首に回したMGがRNCを極めた。


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DEEP DEEP Osaka Impact2023#03 MG眞介 MMA MMAPLANET o RIZIN UFC キシシ コナー・マクレガー マイケル・チャンドラー ライカ 三村亘 上荷大夢 八尋大輝 前薗渓 古林礼名 古根川充 山﨑鼓大 桑本征希 海外 濱口奏琉 瀧口脩生 牧野滉風 風我 飴山聖也

【DEEP Osaka Impact2023#03】5連勝を賭けた桑本征希戦へ、前薗渓─02─「まだ本当のMMAを知らん」

【写真】自信を実績に変えることができるか。前薗のキャリアに注目だ(C)SHOJIRO KAMEIKE

26日(日)、大阪市住吉区の錦秀会住吉区民センター大ホールで開催される「DEEP Osaka Impact2023#03」で、桑本征希と対戦する。
Text by Shojiro Kameike

MMAを始めてアマチュアも含めて全勝中の前薗は、現在24歳。そのテイクダウンとグラウンドコントロールを武器に、前回のDEEP大阪大会では4連勝中の瀧口脩生を肩固めで下した。DEEP大阪大会でも目立つ存在となった前薗に、次の試合と今後の目標について訊くと——時おり自信のある笑顔を浮かべていた。

<前薗渓インタビューPart.1はコチラ


――たとえばDEEP東京大会で「序盤」「中盤」「終盤」「メイン」と選手の層を分けた場合、今はどの層まで勝てると思いますか。

「う~ん、今の自分のレベルなら『中盤』かなって思います」

――前薗選手は今までMMAの打撃という面では証明できていない面もあるかもしれません。ただ、組み技が柔道でもレスリングでもなくMMAの組み技として成立しているように感じます。

「そこは意識しています。まず高校から大学に進学して、柔道からレスリングへと競技を変える時に、メチャクチャ試行錯誤しました。それは今も同じで、やっぱり柔道やレスリングからMMAに変わる時から、ずっと考え続けています。

でも、今はまだ感覚でやっているところも多いですね。試合の中で自分がどう組んでいるかというのも、記憶がないところもあって。それこそ東京でも大阪でも打撃が強い上位の選手を相手にどう組むのか、って考えると危ない部分もあるとは思います」

——特にMMAにおいて、ケージを使う攻防を意識してはいませんか。

「はい。僕はレスリングでグレコやったんで、フリースタイルのような綺麗に相手の足を刈るようなテイクダウンは苦手なんです(苦手)。まず相手の懐に飛び込んだら、ドドドッってケージまで持って行く。ケージに押し込めば、そこからはグレコの良さを生かせると思うので。そうしたケージの使い方というのは考えています」

――国内でも海外でも構いませんが、憧れのMMAファイターはいますか。

「MMAを始めるキッカケになったのは、エンターテイナーという部分でコナー・マクレガーです。格闘家として——アスリートとして憧れるのはマイケル・チャンドラーですね」

――もしマクレガーとチャンドラーが対戦していたら……。

「そうなるとヤバかったですね。『どっちを応援したほうが良いんだろう?』って(笑)」

――アハハハ。

「チャンドラーについては、体がガッチリしているじゃないですか。僕は体を鍛えるのも好きで。ライト級でそれほど身長は高くないけど、本来はレスリングをやっていてテイクダウンも強い。チャンドラーのファイトスタイルを参考にすることはあります」

——ではMMAをやるうえでの目標は、どこに置いているのでしょうか。

「ずっとRIZINに出るのを目標にしています。またRIZIN大阪大会があれば、ぜひ呼んでほしいという気持ちはありますね」

——今までRIZIN大阪大会の出場メンバーを見て、自分のほうが強いと思うことはありましたか。

「はい。もちろん全員ではないけど……。『自分のほうが——』と思うことは、たまにあります。それよりも早く今の自分のポジションから飛び出したい、という気持ちが強いですね。まずDEEPの東京大会を荒しに行きたいです」

——マクレガーやチャンドラーが戦っているUFCへ、と考えたことはないですか。

「そこまでは考えたことがないですね。何か現実味がなくて……。僕、まだMMAの試合で良いパンチをもらったことがないんですよ。だから正直言って、自分でも『まだ本当のMMAを知らん』と思っています。一回良いのを食らったら、『まぁこんなものか』となるかもしれないけど(苦笑)、とにかくホンマのMMAを知らんような気はしています」

——要は、マトモに打撃をもらうまえに倒しているということですね。

「まぁ、そういうことです(笑)」

——次に対戦する桑本征希選手は、関西でもストライカーに属します。その桑本選手の打撃で本当のMMAが……。いや、やめておきます。

「え、何ですか?」

——次の相手には打撃をもらわない、という顔をしていますよ。

「アハハハ、そうですか。まぁ、いつもどおり戦えば問題ないと思います。僕の中では前回、瀧口脩生選手に勝てた(7月、肩絞めで勝利)ことが凄く自信になっています」

——ちなみに東京在住の選手のほうが、東京大会に出やすいかもしれません。そのために泉佐野を離れ、関東でMMAをやろうとは思わなかったですか。

「そう考えたことはあります。でも今のところ、どこにも引っ越すつもりはないですね。やっぱり泉佐野が好きなので」

——泉佐野のどんなところが好きですか。

「住んでいる人たちの人柄——でしょうか(笑)。良い感じに発展していて、だけど都心ほど疲れる環境でもなく。別に買い物にも困らない場所なんですよ」

——泉佐野のご紹介、ありがとうございます。今、練習場所はこの吉田道場のみですか。

「基本はこのジムで、土曜日はたまに母校の大阪体育大学レスリング部で練習させてもらっています。おかげで組みについては、MMAでも問題なくやってこられていると思います。そういえば今回の大阪大会で、もともとメインで風我選手と対戦する予定やった濱口奏琉がおるじゃないですか。濱口は大学の後輩で、今もよく練習するんですよ」

——……という話を持ち出したことは、『コイツはメインに出るけど、実力は自分のほうが上なんだよなぁ』と思っているわけですね。

「いやいや、そんなことは——カワイイ後輩ですから(笑)」

——今、明らかにそういう顔をしていました(笑)。では最後に、次の試合への意気込みをお願いします。

「次の試合も、いつもどおりやって、戦績も5連勝にします。DEEP東京大会やRIZIN大阪大会に出られるよう、煌びやかなアピールできる試合をします!」

■DEEP Osaka Impact2023#03視聴方法(予定)
11月26日(日)
午後1時~ツイキャスPPV

<フェザー級/5分2R>
秋田良隆(日本)
藤田宇宙(日本)

<フェザー級/5分2R>
木村総一郎(日本)
森田敢流(日本)

<バンタム級/5分2R>
関本龍翔(日本)
田中壱季(日本)

<バンタム級/5分2R>
キシシ(日本)
キャプテン禎(日本)

<フライ級/5分2R>
マルザヘンペーソク(日本)
飴山聖也(日本)

<フライ級/5分2R>
松原聖也(日本)
上谷章(日本)

<バンタム級/5分2R>
井上暉也(日本)
千種純平(日本)

<フェザー級/5分3R>
三村亘(日本)
古根川充(日本)

<バンタム級/5分2R>
MG眞介(日本)
山﨑鼓大(日本)

<フェザー級/5分2R>
瀧口脩生(日本)
牧野滉風(日本)

<フェザー級/5分2R>
前薗渓(日本)
桑本征希(日本)

<ミクロ級/5分2R>
古林礼名(日本)
永易加代(日本)

<バンタム級/5分2R>
上荷大夢(日本)
八尋大輝(日本)

<ウェルター級/5分2R>
小林裕(日本)
角野晃平(日本)

<ライト級/5分2R>
泉彰洋(日本)
大野“虎眼”賢良(日本)

<アマチュアルール 49キロ/3分2R>
セアリ(日本)
SAAYA(日本)

<マチュアルール 58キロ/3分2R>
サナエ(日本)
山口恵(日本)

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【DEEP Osaka Impact2023#03】無敗の大阪在住ファイター、前薗渓─01─「このまま終わるのは嫌やった」

【写真】まだ24歳。テイクダウンとコントロールはDEEP大阪大会出場メンバーの中でトップクラスの前薗だ(C)SHOJIRO KAMEIKE

26日(日)、大阪市住吉区の錦秀会住吉区民センター大ホールで開催される「DEEP Osaka Impact2023#03」で、前薗渓が桑本征希と対戦する。
Text by Shojiro Kameike

前薗が所属する「格闘技 吉田道場」があるのは大阪府の南部にある街、泉佐野市だ。泉佐野市は和歌山市とも隣接しており、沖合には関西国際空港もあるため交通の要所ともいえる。
道場名から東京で吉田秀彦氏が立ち上げた吉田道場と混同されることもあるが関連性はなく、創立から22年以上が経つなど、その歴史は古い。吉田元貴代表がパンクラスでレフェリーを務めており、主宰する吉田道場も「パンクラス認可ジム」としても活動している。その吉田道場でMMAキャリアをスタートさせ、プロデビュー以降4連勝中の前薗に初インタビューを行った。


――今回は泉佐野市にある道場にお伺いしました。前薗選手は、生まれも育ちもこの泉佐野市なのですか。

「そうですね。ずっと泉佐野です」

――まずは、どのような経緯で格闘技を始めたのか教えてください。

「小学校5年の時に柔道の町道場に通うようになって。高校まで柔道で行かせてもらい、大学からレスリングを始めました」

――柔道の前は何かスポーツをやっていたのでしょうか。
「いえ、何もやっていなかったです」

――何もスポーツをやっていなかった状態から、なぜ小学5年生から柔道を始めたのでしょうか。

「ちょうど小5ぐらいから太り始めたんです(笑)。ダイエット目的で何か運動をしたくて、友達がやっていた柔道を選びました」

――中学に入り、町道場から部活動へ? 中高の実績を教えていただけますか。

「はい。中学は個人なら地区大会(泉南地区)からで優勝していて、団体も大阪府で3位になる学校でした。高校時代は大阪府でベスト8になっています」

――それだけの実績を誇りながら、なぜ大学からレスリングに転向したのでしょうか。

「自分の中では—―本当やったら全国大会に出ているイメージで、そこまでのレベルであれば大学でも柔道を続けていたと思います。でも想像していたような結果と違ったし、自分自身に対して納得できない負け方もあって」

――その後、大阪体育大学に進み、レスリング部に入っていますよね。大阪体育大学も柔道で進学したわけではなかったのですか。

「かといってレスリングで進学したわけでもなく(苦笑)。高校まで浪商学園(大阪体育大学浪商高校)やったんで、内部進学でした。あと当時の担任が浪商学園のレスリング部の顧問だったり、柔道を教わっていた先生も以前レスリングをやっていたりと、いろいろとレスリングの繋がりがあったんです。そういった先生たちにレスリング部を薦めてくれて。大学進学が決まってからレスリング部を選んだ、という感じです」

――内部進学とはいえ、体育大学に進むということはスポーツ関連の仕事や体育教師になりたいといった気持ちはあったのですか。

「いえいえ、そんな……ただの甘えです。『そのまま進学できるから良いかっ』みたいな感じで(苦笑)。ただ、教員免許を取ろうとは考えていました」

――なるほど。大学レスリングでは2020年の西日本学生選手権で、グレコローマン67キロ級を制しています。小5から高3まで8年ほど柔道をやっていて、大学から全く別競技であるレスリングを始めることに対して気持ちの整理はついていたのですか。

「正直、最初は複雑でした。柔道で実績を残せなかったからレスリングを始めた——『柔道から逃げた』と思われるんちゃうかな、って。実際にそういうことを言われたわけではないけど、僕の気持ちとしては『逃げた』と思われるのが嫌で。レスリングを始めるなら、ホンマにレスリングで結果を残さなアカンと思っていました」

――ただ、大学からレスリングを始めて西日本学生選手権で優勝するというのは、スピードとしては速いのではないですか。

「たまに大学から始めて西日本学生で優勝する選手はいるみたいですけど、僕は3回生の時に優勝したので若干早いほうだと思います」

――レスリングを始めた当初からグレコをやっていたのでしょうか。

「いえ、最初の試合はフリースタイルで——瞬殺されました(苦笑)。その大会でグレコも見ていて、グレコのダイナミックな投げ技を知って『先生、グレコをやってみたいです』と伝えました。先生からも『そうやな。グレコには柔道出身で強い選手がたくさんおる』と言われて」

――前薗選手は現在24歳ですよね。この吉田道場でMMAを始めたのは、いつ頃なのですか。

吉田道場内に掲げられているパンクラスのロゴ(C)SHOJIRO KAMEIKE

「大学4回生の時なので、22歳の時です。吉田道場に入ってから1年ぐらい経った頃にアマチュアの試合に出て、2022年にプロデビューしました。大学時代に就職活動をしていて、『せっかくの人生なのに、このまま終わっていくのは何か嫌やな……』と思ったんですよ。でも安定志向もあるから、何か仕事をしつつ格闘技で夢を掴みたいなって。今は正社員として働きながらMMAをやっています」

――教員免許は取得しなかったのですね。

「教育実習に行った時、『あんまり教えるのは向いていないな』と思いました(苦笑)」

――ちなみにアマチュアMMA時代の戦績というのは……。

「7戦して全て勝っています」

――そこからプロで4連勝し、フューチャーキングトーナメントでも優勝しているということは、MMAを始めて負けたことがないのですね。しかしプロの試合は大阪大会のみで、東京の大会に呼ばれていないのが不思議ではあります。

「そうですね。だから……なぜ東京の大会に呼ばれないのかな、という気持ちはあります。同じフューチャーキングで優勝した中務太陽選手は、次の東京大会(12月10日、DEEP Tokyo Impact2023#07)のポスターでド真ん中にいるじゃないですか。僕は今の時点でも、そんじょそこらの選手には負けない自信があります」

<この項、続く>

■DEEP Osaka Impact2023#03視聴方法(予定)
11月26日(日)
午後1時~ツイキャスPPV

<フェザー級/5分2R>
秋田良隆(日本)
藤田宇宙(日本)

<フェザー級/5分2R>
木村総一郎(日本)
森田敢流(日本)

<バンタム級/5分2R>
関本龍翔(日本)
田中壱季(日本)

<バンタム級/5分2R>
キシシ(日本)
キャプテン禎(日本)

<フライ級/5分2R>
マルザヘンペーソク(日本)
飴山聖也(日本)

<フライ級/5分2R>
松原聖也(日本)
上谷章(日本)

<バンタム級/5分2R>
井上暉也(日本)
千種純平(日本)

<フェザー級/5分3R>
三村亘(日本)
古根川充(日本)

<バンタム級/5分2R>
MG眞介(日本)
山﨑鼓大(日本)

<フェザー級/5分2R>
瀧口脩生(日本)
牧野滉風(日本)

<フェザー級/5分2R>
前薗渓(日本)
桑本征希(日本)

<ミクロ級/5分2R>
古林礼名(日本)
永易加代(日本)

<バンタム級/5分2R>
上荷大夢(日本)
八尋大輝(日本)

<ウェルター級/5分2R>
小林裕(日本)
角野晃平(日本)

<ライト級/5分2R>
泉彰洋(日本)
大野“虎眼”賢良(日本)

<アマチュアルール 49キロ/3分2R>
セアリ(日本)
SAAYA(日本)

<マチュアルール 58キロ/3分2R>
サナエ(日本)
山口恵(日本)

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DEEP DEEP Osaka Impact2023#01 MG眞介 MMA MMAPLANET o RYUKI YUKI キック サダエ☆マヌーフ ハンセン玲雄 ボクシング 中本龍平 山﨑鼓大 岩本達彦 平松翔 村上彩 松場貴志 牧野滉風 谷岡祐樹

【DEEP OSAKA IMPACT2023#01】平松翔と対戦、谷岡祐樹─02─「僕にできることは倒すことだけ」

【写真】やることが明確は選手は、迷いがないと思います(C)SHOJIRO KAMEIKE

2日(日)、大阪市の住吉区民センター大ホールで行われるDEEP Osaka Impact2023#01で、平松翔と対戦する谷岡祐樹のインタビュー後編。

MMAデビューから2戦目で初黒星を喫したものの、それ以降は3連勝で今回のメインイベントを務めることとなった。そんな平岡がMMAで勝ち星を重ねている裏には、あの男の存在があった――。

<谷岡祐樹インタビューPart.01はコチラから>


――谷岡選手のプロMMAデビューは2021年4月、宇都宮伍選手に判定勝ちを収めています。この時点でMMAのために必要な要素は、どれだけ準備できていましたか。

「レスリングと寝技も練習していましたけど、まだ4割ぐらいの状態だったと思います。だから見切り発車のデビューだったかもしれないです(苦笑)。周りからは『大丈夫やから』とは言われていました。でも、寝かされたらヤバイなっていう気持ちはあって。実際やってみたら、やっぱり練習と試合は違いましたね。あまり良い内容じゃなかったんですけど、勝てて良かったです」

――続く2戦目、MG眞介戦ではKO負けを喫しました。特にスタンドの打撃という自分自身のフィールドで、左フックをもらって失神KO負けというのは。

「キックボクシングの試合も含めて、失神KO負けは初めてでした。ずっと打撃をやってきましたけど、ボクシンググローブとMMAグローブの違いは大きかったですね。2戦目の時は、まだその違いがよく分かっておらず『同じやろ』って感覚でやっていて。あの試合で負けて悔しかったんですけど、負けて良かったかなと思っています。ここからMMAグローブに慣れるよう、しっかり練習することはできました。おかげで周りからも『MMAの殴り方になってきたなぁ』と言ってもらえています」

――もう一つ、リングとケージの違いはどうでしょうか。

「僕はケージのほうが好きです。僕たちのジムはリングもケージもなく、壁を使って練習していて。それだけ広い空間で練習することに慣れているんです。リングだと圧迫感がありますよね。もちろんキックボクシングをやっていたので、リングでも問題はないです。でも自分が練習でやっていることを生かすなら、もっと広い空間で試合をしてみたいと思っていました。いざケージで戦ってみると、メチャクチャやりやすかったです。

だから……ですかね。DEEP☆KICKに出ていた頃から、みんなに『キックボクシングらしくない』って言われていました(笑)。相手選手からも『(谷岡は)やりづらい』という声があったりとか。それは、キックボクシングの先生がそう指導してくださっていたわけじゃなく、練習環境にあったのかなと思います」

――現在は3連勝中で2戦はKO勝ち、そして今回はMMAで初めてメインイベントを務めることとなりました。

「良い形で来ることができていると思います。やっぱり年齢のこともあるし、今が勝負時ですね。MMAでは未熟者ですけど、そうそうメインに立てる機会もないと思うので、良い流れだと考えています。同じ階級で僕より格上の選手もいるし、ジムの先輩方を差し置いてのメインイベントなので、ちょっと緊張しますけど……」

――今大会には同じジムから、松場貴志選手も出場します。松場選手は谷岡選手のメイン出場について何か言っていますか。

「松場さんから何か言われることはないです(笑)。むしろ僕のほうが『なんで僕のほうがメインなんですかね……』と言ったら、『いやいや、自分は前回の試合で負けているから』と。松場さんはMMAのベルトを持っていて、試合経験も豊富で、ウチのジムに来てくださって本当に良かったです。メチャメチャ刺激をもらっていますし、いろんなことを教えてもらって、自分も強くなったという実感があります。

松場さんとスパーしているとスクランブルが巧いし、展開も速いから、自分が松場さんのスピードに付いていけないです。打撃も強いですけど、あのMMAレスリング力は、一緒に練習していて本当に心強い存在ですね」

――なるほど。では次の対戦相手、平松翔選手の印象を教えてください。

「僕がKO負けしているMG眞介選手にKOで勝った試合は会場で見ていて、強い選手やなと思いました。圧のかけ方も良いし、当て勘も良くて。昔から『いつか対戦するんやろうな』と見ていましたけど、こんなに早く試合することになるとは考えていなかったです」

――平松選手は前回のRYUKI戦こそKO負けを喫しましたが、その前はボディへの蹴りから顔面へのパンチに繋げて連続KO勝ちを収めています。平岡選手は真っ直ぐの打撃が強いのに対して、谷岡選手は距離を詰めてフックを当てるなどスタイルは対照的ですね。

「僕としては、やりやすい相手だと思っています。相手のほうが身長は高いですけど、僕も今まで身長が高い選手とばかり対戦してきたので」

――確かに谷岡選手はキックボクシング時代の60キロ級もそうですし、現在のMMAでもバンタム級の中では身長が高いとは言えません。将来的にフライ級へ転向する可能性はありますか。

「いえ、おそらくフライ級までは落とせないと思います。キックボクシング時代も、57~58キロで試合をしていたこともあったんですけど、60キロ級に転向して確実にパンチ力も上がりました。ジムでも『フライ級よりバンタム級のほうが、自分の力を生かせる』と言われているので、バンタム級が適正階級なんだろうと考えています」

――「メインイベントだから、こういう試合をしないといけない」と、普段の試合スタイルと違う試合を見せる選手もいます。谷岡選手のなかで、そのような意識はありますか。

「それはないです。というより、僕にできることは倒すことだけなので(笑)。メインであろうと、メイン以外でも、いつもどおり倒しに行きます。MMAのメインは初めてだし、3Rの試合も今回が初なんですけど、自分のスタイルは変わらないですね。ここでしっかりと自分の強さをアピールして、早くDEEPのベルトを獲りに行きたいです。

正直ベルトを獲るためには、もっともっと練習せなアカンと思います。トップ選手の試合を視ていても、『この選手とどう戦えばいいんやろう?』というのが明確に見えていなくて。まだ難しいです。でも、このまま勝って行けば辿りつけると思っています」

――では最後に、次の試合への意気込みをお願いします。

「相手が何をしてこようと、全て力でねじ伏せます。いつもどおり自分の試合をして、KOして気持ち良く帰ります!」

■視聴方法(予定)
4月1日(日)
午後2時00分~ツイキャス

■DEEP Osaka Impact2023#01対戦カード

<バンタム級/5分3R>
平松翔(日本)
谷岡祐樹(日本)

<バンタム級/5分3R>
増田拓真(日本)
牧野滉風(日本)

<フェザー級/5分3R>
岩本達彦(日本)
古根川充(日本)

<バンタム級/5分3R>
中本龍平(日本)
上荷大夢(日本)

<フライ級/5分2R>
松場貴志(日本)
早坂優瑠(日本)

<バンタム級/5分2R>
MG 眞介(日本)
山本哲也(日本)

<女子アトム級/5分2R>
サダエ☆マヌーフ(日本)
村上彩(日本)

<女子ストロー級/5分2R>
松田亜莉紗(日本)
純玲(日本)

<バンタム級/5分2R>
瀧口脩生(日本)
ハンセン玲雄(日本)

<フェザー級/5分3R>
前薗渓(日本)
佐藤勇駿(日本)

<バンタム級/5分2R>
山﨑鼓大(日本)
田中壱季(日本)

<ストロー級/5分2R>
多湖力翔(日本)
亮馬(日本)

<バンタム級/5分2R>
キャプテン禎(日本)
木村総一郎(日本)

<バンタム級/5分2R>
関本龍翔(日本)
千種純平(日本)

<フェザー級/5分2R>
森田敢流(日本)
入江一輝(日本)

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DEEP MG眞介 o   キック パンクラス ボクシング 上田祐起 中村晃司 修斗 前田吉朗 北方大地 山﨑鼓大 木戸脇広樹 林RICE陽太 潤鎮魂歌 藤原大地

『前田吉朗引退興行』試合結果


メインイベント 前田吉朗引退エキシビションマッチ 2分3R
前田吉朗(パンクラス大阪稲垣組/ENCOUNTER/修斗フライ級世界3位、第3代DEEPバンタム級王者、初代パンクラス・フェザー級王者)
vs.
1R キックボクシングルール 砂辺光久(reversal Gym OKINAWA CROSS×LINE/元パンクラス・ストロー級・フライ級・スーパーフライ級王者)
2R グラップリングルール 北方大地(パンクラス大阪稲垣組/パンクラス・ストロー級王者)
3R パンクラス旗揚げルール 稲垣克臣(パンクラス大阪稲垣組)

第7試合 セミファイナル DEEP ストロー級 5分3R
○潤鎮魂歌(HARVEST) 
×木戸脇広樹(GSB MACS)
判定3-0 (30-27/29-28/30-27)

第6試合 パンクラス ライト級 5分3R
○木村俊也(BLOWS)
×林RICE陽太(パラエストラ森ノ宮)
判定2-1 (29-28/29-28/28-29)

第5試合 DEEP バンタム級 5分2R
×藤原大地(UBF) 
○MG眞介(パラエストラ東大阪)
1R 2’03” KO (顔面への蹴り)

第4試合 パンクラス フェザー級 3分3R
×中村晃司(パンクラス大阪稲垣組)
○堂園 悠(修和館)
判定0-3 (28-29/28-29/28-29)

第3試合 パンクラス バンタム級 3分3R
○山﨑鼓大(BLOWS)
×上田祐起(Reliable)
判定2-1 (30-27/29-28/28-29)

第2試合 DEEP バンタム級 5分2R
×延命そら(TEAM FAUST)
○フェルナンド(Pitbull Brothers)
1R 2’30” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)

第1試合 DEEP フライ級(肘無し) 5分2R
○亮我(ゴンズジム)
×梅永海世(パンクラス大阪)
2R 4’03” 裸絞め

 遅ればせながら4月10日に大阪府・梅田ステラホールで開催された『前田吉朗引退興行』試合結果。メインイベントは前田が砂辺光久、北方大地、稲垣克臣とエキシビションマッチをしています。続きを読む・・・
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MG眞介 MMA MMAPLANET o キック 藤原大地

【Yoshiro Maeda RetirementMemorial Event】藤原大地、MG眞介の右ハイでショッキングなKO負け……

【写真】見事なKO勝ちを決めたMG(C)SHOJIRO KAMEIKE

<バンタム級/5分2R>
MG眞介(日本)
Def.1R2分03秒by TKO
藤原大地(日本)

サウスポーの藤原が左アッパー&右フックから組みつくと、ケージにMG眞介に押し込む。

ここから引き込んでストレートフットロック、最終的には藤原はリバーサルで上へ。

立ち上がったMG眞介のバックに回るも、前方に落とされてスタンドで仕切り直しに。

MG眞介は左から思い切り右で飛び込むと、上半身を下げた藤原に右ハイキック一閃。後方に倒れた藤原に追撃のパウンド。

勝負は決した。


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【Yoshiro Maeda RetirementMemorial Event】藤原大地─02─「やりたいと思ったことは、やったらいい」

【写真】本日行われた計量で、藤原大地は61.0キロ。MG眞介も61.15キロでクリアしている (C)FREEKS

10日(日)、大阪市北区の梅田ステラホールで開催される『前田吉朗引退興行』で、MG眞介と対戦する藤原大地のインタビュー後編。

ラーメン店の開業から会社の経営者となり、成功を収めている藤原大地が、今年に入ってMMAに復帰した。そんななかで届いた、かつてパンクラス稲垣組で苦楽を共にした前田吉朗の引退興行参戦のオファー。ここでは藤原が語る前田吉朗への熱き想い、そしてMMAに限らず人生で迷っているかもしれない人たちへのメッセージをお届けする。

<藤原大地インタビューPart.01はコチラから>


――精神面に関するお話がありました。一方、技術面に関して今も戦えるという自信のようなものは……。

「無いですよ(笑)。でも――自分がどこまでできるのか、っていうチャレンジなので。テレビで観ていても、今のMMAの技術ってすごいじゃないですか。技術面に関して、自分は全く追いついていないなって思います。でも自分がやりたくて、やっているので」

――格闘技をやりたいからやる。至ってシンプルですね。

「自分が出ることで、若い選手のチャンスを潰してしまうんじゃないか。そう考えたこともあります。今回はたまたま、前田吉朗の引退試合ということでDEEPからオファーをもらったんですけど、そうじゃなかったら出ていないかもしれないです。ただ、若い選手ではなく僕にオファーにあったというのは、まだ僕に魅力を感じてくれているんだな、と思ったんですよ。だから若い選手のチャンスを潰すということよりも、まだ自分にチャンスがあるならやってみようと考えました」

――やはり前田吉朗選手の引退興行というものに対して、想うものは大きいですか。

「それは大きいです。前田吉朗の引退興行じゃなかったら、このタイミングで試合していないですね。もっと間を空けたかったです」

――……。

「前の試合が1月末――中2カ月で試合をするのは、10代や20代前半の試合スパンだと思うんですよ。前田吉朗の引退興行でなかったら、そのままWardogで細々と、コツコツ試合していたと思います」

――前田吉朗選手は、藤原選手にとってどのような存在なのでしょうか。

「偉大な存在です。人しても偉大やし、身近なカリスマっていう感じですね。もう結婚もしてはるし、今の私生活は知らないですよ。でも昔の私生活はブッ飛んでいたんで。一緒にパチンコを打っていて、僕に良い当たりが出ると横で叫び出したりとか(笑)」

――アハハハ、ブッ飛んでいますね。

「でも本当に漢気がある人で。真剣な時は絶対に間違ったことを言わない。仲間想いで、誰よりも稲垣組のことを考えてきはった人なんで。それが今回こうして、同じケージの中に立てるっていうのは嬉しいですね。ホンマに……お疲れさまでしたって伝えたいです。負けたらマイクを持つこともできないかもしれないですけど(苦笑)」

――現在も前田選手と交流はあるのでしょうか。

「この間、前田吉朗の新しいジム(ENCOUNTER大阪)へ挨拶に行ったんですよ。そこで『何とか復帰して、吉朗さんの引退試合に間に合いました』と言ったら、『逆に、オレがよく待ったとは思わんか?』って笑われました。……そう言ってもらえて、すごく感慨深いです」

――熱い話です。その前田吉朗引退興行で対戦する、MG眞介選手の印象を教えてください。

「ムチャクチャ好青年やな、と思います。好青年なんやけど、試合になったら気合いを入れて、覚悟を持って戦うタイプなんかなって。こういう選手と試合できるのは、すごく嬉しいですね」

――MG眞介選手は年齢も藤原選手とはひと回り以上離れており、KO勝利も多いファイターです。

「怖いですよ(笑)。あと、対戦するのが自分で良いんかなっていう感じです。向こうからすれば、オイシイ相手でもないし。かといって自分も踏み台になるつもりはないので、ただ淡々と試合をするだけですね。殴られるのは嫌やなぁと思いながら(笑)」

――藤原選手としてはMMAに復帰し、今年からコンスタントに試合を行っていきたいのでしょうか。

「今はまだ減量末期なので、2度と試合したくないと思っています(笑)。たぶん試合が終わったらまた考える、っていう感じですね。これからどこまでモチベーションが続くのか、それは自分がやりたいかどうかだけの話やと思うんで。試合したいと思ったら、もっと試合を組んでくれって言うやろうし、試合したくなかったら『声かけんでくれ』っていう雰囲気になると思います(苦笑)」

――なるほど。最後に、MMAPLANETの読者の皆さんへ、試合への意気込みやメッセージをお願いできますか。

「メッセージ……やりたいと思ったことは、やったらいいですよ。いろいろ周りから言われても、自分の人生なので、やりたかったらやらないと。本当にやりたいことがあるのに、いろいろ言い訳をしてやらないのは損だよ、って伝えたいですね」

――藤原選手は、その想いでラーメン店を開業し、成功して再びMMAを戦うわけですね。

「そういう人生を送ってきているので、僕は幸せですよ。好き勝手やればやるほどシンドイけど、そのぶんメッチャ楽しいっていう、振り子のようなものやと思います。苦労すれば苦労するほど、楽しいことが待っている。どうせ苦労するなら、好き勝手やって苦労したほうがいいじゃないですか。ホンマにやりたいことをやっていたら、シンドイこともメチャクチャあります。でも絶対、そのぶん楽しいから」

■DEEP CAGE IMPACT in OSAKA2022視聴方法(予定)
4月10日(日)
午後12時30分~Twit Casting LIVE

■「Yoshiro Maeda retirement」視聴方法(予定)
4月10日(日)
午後4時30分~Twit Casting LIVE

■ DEEP CAGE IMPACT in OSAKA2022 計量結果

<フライ級/5分3R>
柴田MONKEY有哉:56.8キロ
渋谷カズキ:57.15キロ

<49キロ契約/5分3R>
パク・シウ:48.9キロ
古賀愛蘭:48.5キロ

<バンタム級/5分3R>
中本龍平:61.8キロ→61.7キロ
雅駿介:61.65キロ

<バンタム級/5分2R>
谷岡祐樹:61.45キロ
上荷大夢:61.6キロ

<フェザー級/5分2R>
瀧口脩生:66.2キロ
チハヤフル・ズッキーニョス:66.2キロ

<バンタム級/5分2R>
井上暉也:61.45キロ
金森功祐:61.7キロ

<フライ級/5分2R>
亮馬:56.85キロ
中山陸斗:57.1キロ

■「Yoshiro Maeda retirement」計量結果

<Yoshiro Maeda retirement exhibition>
前田吉朗:──キロ
稲垣克臣:──キロ

<Yoshiro Maeda retirement exhibition>
前田吉朗:──キロ
北方大地:──キロ

<Yoshiro Maeda retirement exhibition>
前田吉朗:──キロ
砂辺光久:──キロ

<ストロー級/5分3R>
潤鎮魂歌:52.2キロ
木戸脇広樹:52.15キロ

<ライト級/5分2R>
木村俊也:70.15キロ
林RICE陽太:69.85キロ

<バンタム級/5分2R>
藤原大地:61.0キロ
MG眞介:61.15キロ

<フェザー級/3分3R>
中村晃司:65.85キロ
堂園悠65.75キロ

<バンタム級/3分3R>
山﨑鼓大:61.6キロ
上田祐起:61.15キロ

<バンタム級/3分3R>
延命そら:61.5キロ
フェルナンド:61.35キロ

<フライ級/5分2R>
亮我:56.5キロ
梅永海世:56.75キロ

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【Yoshiro Maeda RetirementMemorial Event】MG眞介と対戦藤原大地─01─「昔の自分はただの若造」

【写真】38歳になった藤原大地。ZOOMの背景にもしっかりと──会社名をアピール。関西二郎系の雄と呼ばれるラーメン店を店舗展開する藤原大地が、稲垣組の先輩の引退興行で戦う (C)SHOJIRO KAMEIKE

10日(日)、大阪市北区の梅田ステラホールで開催される『前田吉朗引退興行』で組まれたDEEP公式戦で藤原大地がMG眞介と対戦する。

藤原は2003年にパンクラス稲垣組からプロデビューし、2008年9月のパンチィー山内戦を最後にリングを離れ、大阪・東淀川区でラーメン店『歴史を刻め』を開業した。その後、2011年に一度、ライジングオンでMMA復帰を果たすも、2012年以降はグラップリングマッチの出場のみとなっていた。

一方で、『歴史を刻め』は人気ラーメン店となり、藤原は『株式会社元気ですか』を設立。現在は系列店を含め11店舗を展開する経営者と活躍中だ。そんななかで、今年1月30日にWardogでMMAに復帰し、さらに今大会へ参戦することになった経緯とは?

試合直前、藤原がこの10年間について語る。


――今回は計量前日に取材を受けていただき、ありがとうございます(インタビューは4月8日に行われた)。しかも水抜き直前という状態で……。

「大丈夫ですよ。こちらこそ、ありがとうございます」

――藤原選手は今年1月に、Wardogの舞台で11年ぶりにMMAを戦い、せーた選手を相手に1R0分49秒で一本勝ちしています。続いて今回の試合に至るわけですが、なぜ再びMMAを戦おうと思ったのでしょうか。

「シンプルに『格闘技をやりたい』という気持ちがあったからですね。もともとWardogの柿原勇気代表とは、古くからの付き合いなんですよ。2008年――パンクラスに出場している頃から、僕はラーメン屋をやりたいという夢があり、柿原代表は自分のジムを出すことと、自分の大会を開くという夢があって。お互いに夢を叶えて今に至り、そこで僕は柿原代表のジム(U.B.F)と大会でお世話になろうと思った次第です」

――ラーメン店『歴史を刻め』を開業した当初から、MMAは続けるつもりだったのでしょうか。

「いえ、もう格闘技はやらないつもりでした。それでもお店を始めてから、2011年にライジングオンでMMAに復帰しています。そのあとはグラップリングの試合に、チョコチョコ出るというぐらいでした。やっぱり格闘技が好きなんですよね。

ライジングオンの頃は現場、お店で仕事をしながら試合をしていたんですけど、ラーメン屋も店舗展開が始まって(系列店も含めて11店舗を展開)、今は会社の経営に専念している状態です。そこでもう一度、格闘技をやるタイミングはどこなんだろうかと考えていたんですけど……。コロナ禍の影響で一昨年から融資を受けやすくなって。

とにかく会社にキャッシュを置いておかないと、会社が回らなくなる可能性があるので、たくさんお金を借りたんです。すると今はキャッシュに余裕がある状態で、もう一度格闘技をやるなら、まだキャッシュがあるうちに……と思いました」

――それだけ、この10年間は再びMMAをやりたいという気持ちを抱えていたのですね。

「はい。もちろん、もう格闘技はやらないという選択肢もありました。でもRIZINとかを見ていると、何か気持ちが上がってきたんです(笑)。特に自分が戦っていたバンタム級が盛り上がっていて、刺激になりましたよ。やっぱり階級が同じやと、自分と重ねて見てしまいますね。今のパンチは僕なら食らっているな、とか。今のタイミングやったら、自分はこうするなとか」

――なるほど。

「その中で、昔の自分ではなく今の自分が試合に出たら、どうなるのか。体力的なことや技術的なことではなく、精神面に関して試してみたくなったんです。自分で商売をしてきて、すごくシンドイこともありました。それを乗り越えた今、だいぶ精神的に強くなったんじゃないかな、って思ったんですよ。

昔、格闘技をやっていた頃の自分はただの若造じゃないですか。やっぱり落ち着きもないし、自分を大きく見せようとするし、相手にかみつくし……(苦笑)。でも今の自分が試合に出ると、どんな動きができるのか、そして精神面はどうなんやろうなって」

――そんな昔の自分自身を、今見ると……。

「ビビってんのに、そんなに強がらんでいいやん、って(笑)。自分は人一倍怖がりだと思うし、怖がっていることを隠すために虚勢をはっていることが、すごく分かります。でも会社を経営していたら、どれだけ虚勢をはっても結果は結果ですからね」

――ラーメン店を経営しながらグラップリングマッチに出ていた当時の練習環境は、どのようなものでしょうか。

「試合の1カ月前から2、3回練習してグラップリングマッチに出たりとか……そんなレベルです(苦笑)。27歳の時にライジングオンで復帰した時は、下新庄のお店の2階を改造して、練習できるようにしていました。6畳一間の壁に畳を貼り、床はジョイントマットを敷いたところに、深夜2時から練習できる人を集めて」

――ラーメン店の現場の立ちながら、仕事と練習の両立はできていたのですか。

「いえ、できなかったです。でもその限られた環境で、どれだけできるのか。それは僕次第やと思っていたんで。その中で最大限のことはできたかなと思います」

――その頃から、練習環境や練習内容は変わってきているのですか。

「正直、当時のほうが練習できていたんじゃないかなと思いますね。抱えている従業員の数も、当時とは全く変わってきたので。今は従業員がパート、アルバイト含めて60人以上います。そこで少し問題が起こっても、僕が出ていかなアカンこともありますし。従業員の悩みを聞いたり、店舗回りもある。銀行に行ったり、業者さんとのやり取りもあります。

それと今の立場になってからなんですけど、経営者の会みたいなものに参加していて、そこの中の役割もあるので。だから、ホンマにその隙間の時間で練習するしかないんですよ」

<この項、続く>

■DEEP CAGE IMPACT in OSAKA2022視聴方法(予定)
4月10日(日)
午後12時30分~Twit Casting LIVE

■「Yoshiro Maeda retirement」視聴方法(予定)
4月10日(日)
午後4時30分~Twit Casting LIVE

■ DEEP CAGE IMPACT in OSAKA2022 計量結果

<フライ級/5分3R>
柴田MONKEY有哉:56.8キロ
渋谷カズキ:57.15キロ

<49キロ契約/5分3R>
パク・シウ:48.9キロ
古賀愛蘭:48.5キロ

<バンタム級/5分3R>
中本龍平:61.8キロ→61.7キロ
雅駿介:61.65キロ

<バンタム級/5分2R>
谷岡祐樹:61.45キロ
上荷大夢:61.6キロ

<フェザー級/5分2R>
瀧口脩生:66.2キロ
チハヤフル・ズッキーニョス:66.2キロ

<バンタム級/5分2R>
井上暉也:61.45キロ
金森功祐:61.7キロ

<フライ級/5分2R>
亮馬:56.85キロ
中山陸斗:57.1キロ

■「Yoshiro Maeda retirement」計量結果

<Yoshiro Maeda retirement exhibition>
前田吉朗:──キロ
稲垣克臣:──キロ

<Yoshiro Maeda retirement exhibition>
前田吉朗:──キロ
北方大地:──キロ

<Yoshiro Maeda retirement exhibition>
前田吉朗:──キロ
砂辺光久:──キロ

<ストロー級/5分3R>
潤鎮魂歌:52.2キロ
木戸脇広樹:52.15キロ

<ライト級/5分2R>
木村俊也:70.15キロ
林RICE陽太:69.85キロ

<バンタム級/5分2R>
藤原大地:61.0キロ
MG眞介:61.15キロ

<フェザー級/3分3R>
中村晃司:65.85キロ
堂園悠65.75キロ

<バンタム級/3分3R>
山﨑鼓大:61.6キロ
上田祐起:61.15キロ

<バンタム級/3分3R>
延命そら:61.5キロ
フェルナンド:61.35キロ

<フライ級/5分2R>
亮我:56.5キロ
梅永海世:56.75キロ

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