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【DWCS S08 Ep07】85勝7敗の潰し合い。UFC戦士越えを果たした究極の勝利至上主義=クーチに注目

【写真】一発勝負で、クーチがどのようなファイトを選択するか (C)Zuffa/UFC

24日(火・現地時間)にネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXで開催されるDWCS S08 Ep07。残念ながら日本人ファイターが2週連続で敗れたUFC直下型登竜門の戦い。今週も世界最高峰との契約を目指し、7カ国から10選手が集結する。
Text Manabu Takashima

オープニングファイトでは、コンテンダーシリーズでありながらブラジルの同朋対決となった女子ストロー級のホージー・コンセンサォン×アレクシア・タイナーラを筆頭に、今週の出場選手はレコードの綺麗なファイターが多い。出場10選手の通算戦績は85勝7敗となっている。


なかでもコメインのウェルター級マッチで、ルーマニアのダニエル・フルンザと戦うベラルーシのワジム・クーチは、17勝1敗という戦績を誇る。ばかりか2022年12月にはBRAVE CFで、元UFCファイターで10月にはオクタゴン再デビューが予定されているイズマイル・ナルディエフをスーパーウェルター級戦ながら1RKOで葬っている。

既にUFCファイタークラスの力があることを結果で示しているクーチ。フランスでMMAが合法化される以前に、パウンド無しMMAとして活動していた100% Fightのウェルター級王者で、アマMMAという言い方もできるパンクラチオンでは3度の欧州王者、世界大会でも準優勝という結果を残している。

プロMMAと並行して、アマのパンクラチオンを戦い続けてきたクーチは、アマチュアイズムが体にしみ込んでいる戦い方を見せることがある。それが決して無理をしない、リードを守り切るスコアリングMMAだ。ラウンドをリードしていると、攻勢であっても残り10秒でフィニッシュを狙わないばかりか、攻撃を止めて大逆転を芽を摘んでしまう。

もちろん、この戦い方ではコンテンダーシリーズでは勝っても契約できなことは十分に考えられる。究極の勝利至上主義者クーチだが、それでいて5つのKO勝ちと7のサブミッション勝利を挙げている。

UFC前夜という戦いで、LFAで2連勝中のフルンザを相手にし、クーチがどのような選択をするのか非常に興味深い。

■視聴方法(予定)
9月24日(水・日本時間)
午前9時~UFC FIGHT PASS

■ DWCS S08 Ep07対戦カード

<ヘビー級/5分3R>
ベイリー・ショーンフェルダー(米国)
ダニーロ・ヴォイエヴォドキン(ウクライナ)

<ウェルター級/5分3R>
ダニエル・フルンザ(ルーマニア)
ワジム・クーチ(ベラルーシ)

<フェザー級/5分3R>
フランチェスコ・マッツェオ(イタリア)
ケヴィン・クリスチャン(米国)

<フェザー級/5分3R>
ケヴィン・バジェホス(アルゼンチン)
キャム・ティーグ(米国)

<女子ストロー級/5分3R>
ホージー・コンセンサォン(ブラジル)
アレクシア・タイナーラ(ブラジル)

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【RIZIN48】サトシに挑戦、日本♡=ルイス・グスタボ「チャンピオンになり、防衛戦でパトリッキーを倒す」

【写真】通訳をしてくれたロイベ・デ・オリベイラ・ネイトと。ロイベは2023年に修斗で2度来日をしている (C)MMAPLANET

29日(日)、さいたま市さいたまスーパーアリーナで開催されるRIZIN48でルイス・グスタボがホベルト・サトシ・ソウザの持つRIZINライト級のベルトに挑む。
Text by Takashima Manabu

古くはVale Tudo Japan時代からブラジルは日本のMMA界が戦いを挑んできた先駆者であり、PRIDEの時代は多くのスーパースターを生み出した。日本との親交が深く、ある意味歴史を共に紡いできたMMA王国だが、現状──UFCとの契約下にある選手が110名を超えるのに対し、RIZINでレギュラーとして活躍しているファイターはグスタボただ一人だ。

2018年の初参戦からRIZIN一筋で戦ってきたグスタボ。日本へのリスペクトは頭抜けているといっても過言でない彼が、タイトル挑戦への想いを──日本への想いの強さと共に熱く語った。


──サトシ選手への挑戦が、3週間後に迫ってきました(※取材は6日に行われた)。今の気持ちを教えてください。

「ずっと1年間、この時を待っていたのでタイトルに挑戦できることが嬉しくてたまらない。早く日本に行って、試合の日を迎えたくてウズウズしているよ」

──正式にタイトル戦のオファーがあったのは、いつ頃だったのでしょうか。

「最初に話があったのは2月のホリエ戦のあとで、それから正式決定まではしばらく時間があったけど……きっとサトシがナカムラとの試合があったからだろう。コロナパンデミックが起こり、僕のMMAファイター人生も大きな影響を受けた。RIZINが活動を再開して4試合を戦い、ようやくタイトル挑戦権を得ることができたんだ。オファーを貰った時には『絶対にこの機会を逃すわけにはいかない』って思ったよ。RIZINライト級王座は、僕のモノになる」

──ブラジルはバーリトゥード時代から、常にMMA大国でした。そして日本のMMA界とも深い繋がりがあります。その一方で現状、ブラジルの若い選手はLFAブラジル大会に代表されるフィーダーショーからUFCを目指すのが本流で、日本で戦う選手は少なくなっています。そのなかでルイスがRIZINに拘り続けてきたのは、なぜでしょうか。

「まず僕にとって日本は第二の故郷だ。僕は日本でキャリアを続け、日本で引退したい。日本で戦った最初の試合から、ファンは僕を受け入れてくれて凄く歓迎してくれた。日本で戦うことは凄くエモーショナルなことで……これは僕に限った話じゃないはずだ」

(通訳をしてくれた)ロイベ・デ・オリベイラ・ネイト 本当にそうだ。例えRIZINでなくても、僕自身は修斗で戦った時も日本で戦えることに凄く感激して、感情的にすらなっていた。あのファンのファイターへの接し方、尊敬をしてくれる姿って、他では本当にないことなんだ。

「だから、僕は日本だけで戦っていきたい。日本でキャリアを終えたいんだ。そして、そのまま日本に住みたいぐらいだ。その一方で今のブラジルの若いファイターはUFCで戦いたいというのが一番で、僕らの上のジェネレーションのように日本で戦いたいという風ではないのが実情なんだ。上の世代の選手は日本でヴァンダレイ・シウバたちが活躍していたのをテレビで見ていたから、日本への想いが強い。

でも、僕が今回RIZINのチャンピオンになることでブラジルの若い世代のファイターも、もっと日本に行って戦いたいと思うようになるはずだ。しっかりと僕の名前をRIZINのリングに刻むことで、この状況も変わり日本で戦いたい選手が増えるようになる」

──UFCや北米で戦うのに比べて、RIZINのイベント数は限りがありますが、ルイスはそこでレギュラーの座を手にできました。

「凄くラッキーなことだと自覚しているよ。RIZINはだいたい年に8イベントが開かれ、2度は僕も試合も組まれている。それは日本のファンが僕の試合を見たいと思ってくれているからで。本当にファンの皆には感謝しているよ。

しかも去年の12月から今年の2月までの3カ月間、カルペディエムで柔術の指導とプロフェッショナル・トレーニングを積むことできた。本当に素晴らしい日々だったよ」

──言葉だけでなく、文化の違いもブラジルと日本は大きいです。日々の生活で戸惑うことはなかったでしょうか。

「日本の人達はとても親切だし、日本食が好きだから何も問題はなかったよ。イソマルスイサン(磯丸水産)は、本当に美味しいフードばかりだった(笑)。

それに僕はアスリートだ。普段から規律正しく……いうとブラジルでは堅苦しいと感じられるほど健康的な生活をしている。夜は早く寝て、朝は早く起きる。しっかりと栄養を考えた食事を摂り、思い切りハードな練習を繰り返す。何も派手な生活をしているわけじゃないし、それは日本でも同じだった。日本にいてブラジルが恋しかったのは、家族や友人と会えなかったことだけだよ」

──なるほどです。ファイターがファイターらしく生きていると、派手に出歩くこともないと。これほど日本好きなルイスですが、試合前に日本に少し長く滞在して時差の調整などを行おうと思うことないですか。ロングフライトがあるだけでも、ディスアドバンテージかと思うのですが。

「ブラジルから日本に向かうことが、ディスアドバンテージだとは思っていないよ。そりゃあ2週間前から日本に滞在できると最高だろう。でも、そんなこと言ってもしょうがない。だから考えもしない。ただ伝えられたスケジュールに従い、計量をパスして戦う。それだけだよ。40時間のフライトがあっても、しっかりと体重を落とす。そしてファイトを楽しむんだ。

それにチーム全員で日本に早く行って準備できれば良いけど、そうでないならブラジルでギリギリまでトレーニングした方が良いと思っている。それはいつの試合もそうだし、タイトル戦だからといって何か違うことをしようとは考えなかったよ」

──サトシはMMAというスポーツにおいて、最高のグラップリング技術を持っています。とはいえ寝技は、MMAでは一つの局面でしかないという考え方もできます。改めてMMAファイターとしてのサトシの印象を教えてもらえますか。

「今回の試合はクラシカルなグラップラー×ストライカーの戦いだ。確かにサトシは優れたグラップラーだけど、MMAファイターとして他の局面は特にコレといって特筆すべきモノではない。それに僕自身、テイクダウンされても柔術を駆使して防げば良いだけだよ。この試合のためじゃなくて、ずっと柔術をやってきたから。

僕はただのストライカーじゃない。でも、さっきも言ったように今回の試合はグラップラー×ストライカーという図式が成り立っている。サトシが僕をテイクダウンしたくて組みついてくるなら、殴ってKOするだけさ」

──サトシは3月の中村K太郎戦のハイキックからのKO勝ちだけでなく、パンチでKO勝ちも過去にしています。それでも彼の打撃は、特に気になるモノではないですか。

「重ねて、サトシの打撃は印象深いモノではないと断言する。僕はコンプリートファイターだから、どの局面でも戦えるけどサトシの打撃に対して特別な準備をする必要はないよ。まぁ打撃戦を挑んでくるというなら、好きにすれば良い。僕はマイク・タイソンと向き合って、殴り合うことだって平気だから(笑)」

──では日本好き、そしてRIZINラブのルイスにとってRIZINライト級王者がBellatorのパトリッキー・フレイレ、AJ・マッキーに敗れていることをどのように思っていましたか。

「だからこそ僕は9月29日にチャンピオンになり、防衛戦でパトリッキー・フレイレを倒すつもりだよ」

──ルイス、今日はインタビューを受けていただきありがとうございました。最後に日本のファンにメッセージをお願いします。

「常に言って来たことだけど、本当に心の底から日本のファンに感謝している。皆の存在があるから、日本で戦うことがモチベーションになっている。チケット代に値するような試合をするから、期待してほしい。

この試合を見てくれるファンの皆に初回から、KO勝ちを狙うことを約束する。今回の試合は、1R……5分間あれば十分だ。2Rは訪れない。初回KO勝ち、サトシをボコボコにするよ。会場では僕の名前を叫んで応援してほしい。アリガトゴザイマス」

■RIZIN48視聴方法(予定)
9月29日(日)
午後2時00分~ ABEMA、U-NEXT、RIZIN LIVE、RIZIN100CLUB、スカパー!

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【DWCS S08 Ep06】内藤由良出陣=コンテンダーシリーズ。マオリのタウ、アフガンのハッサンザダも要注目

【写真】既に存在感がありまくるアーロン・タウ (C)Zuffa/UFC

14日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXで開催されるDWCS S08 Ep06。
Text by Manabu Takashima

先週の岩﨑大河に続き日本から内藤由良が出場しアテバ・グーティエと対戦する今大会には、ケージ外のサイドストーリーが強烈なファイターが出場する。

それがオープニングファイトでダイラン・マンテーロと対戦するアフマッド・ハッサンザダだ。2021年8月、20年に渡りアフガニスタンに在留した米軍の完全撤退時、首都カブールの警察署で徒手格闘技を指導していたMMAファイターのハッサンザダは親米民主政権下側の人間とみなされ、タリバン武装勢力から命を狙われる状況に陥っていた。

実際に襲撃を受け、空港から国外への避難を図ったハッサンザダは警察署での身分と、MMAファイターであることを告げアフガンを去る軍用機の搭乗が許されたという壮絶な過去を持つ。


当時7勝1敗だったハッサンザダは、チーム・アルファメールに合流し2022年2月にLFAでデビュー。その年のコンテンダーシリーズに挑むも3RにKO負けを喫し、ステップアップはならなかった。その後、LFAでの再起戦でも判定負けを喫したがCage Warriors米国大会、Tuff-N-Uff(タフイナフ)で連勝し、再度の挑戦権を得た。

ムエタイベースの打撃、トップもボトムもこなすグラウンドと長い手足を武器としたスタイルのハッサンザダは、LFA初陣以外の勝利はTKO勝ちか一本勝ちを挙げているフィニッシャーだ。ただし、打と寝技の間にありMMAのコアといえるレスリングには課題が残っていたが、今では自らテイクダウンを仕掛けるウェルラウンダーに成長している。

対するマンテーロも昨年のコンテンダーシリーズで黒星を喫しておりセカンドチャンスに挑む同じ状況にあるファイターだ。今年のコンテンダーシリーズの特徴の一つが、マルコ・トゥーリオ、リズワン・クニエフ、ボグダン・グラッドら再挑戦組みの活躍と契約だ。ハッサンザダ、あるいはマンテーロの何れかがこの流れに乗ることができるか。

またメインに登場する豪州XFCのバンタム級チャンピオン=アーロン・タウも非常に興味深いファイターだ。マオリ族にとって高貴さの象徴と言われている顔へのタ・モコ(刺青)であるマタオラが一際目立つタウ。そのフィニッシュに至る殺傷能力の高さは、まさに神がかったよう。一心不乱に対戦相手を殴りつける姿は、狂気ささえ感じられる。

一見して南太平洋の民に見られる重厚ながら柔らかさのある肉体でなく、隆起した肩や上腕の太さは筋肉の鎧をまとっているようで、とにかく振り回し系のパンチが強い。また首相撲でなく、頭を押さえてのヒザ蹴り、組んでくる相手に対しての鉄槌等々、パワーあふれる攻撃力がタウの最大の持ち味だ。

対戦相手のエライジャ・スミスは2度のTUF出場、UFCとBellatorで合計3試合を戦っているギルバート・スミスと父に持つ親子鷹ファイターだ。テイクダウン&コントロールが軸にあるスミスだが、右はKOパワーを誇り接近戦も強い。それでいて寝技でもポジションを失う可能性もある腕十字を迷いなく仕掛ける思い切りの良さを持つ。

タウの粗さが勢いと化し、スミスを下がらせることができるのか。あるいはテイクダウンで釣っておいて、必殺の右の距離をスミスが構築することができるのか。KO必至のヘッドラインといえるバンタム級戦だ。

■視聴方法(予定)
9月18日(水・日本時間)
午前9時~UFC FIGHT PASS

■DWCS S08 Ep06対戦カード

<バンタム級/5分3R>
アーロン・タウ(ニュージーランド)
アライジャ・スミス(米国)

<ヘビー級/5分3R>
タリソン・テイシェイラ(ブラジル)
アルトゥル・ロピス(ブラジル)

<ウェルター級/5分3R>
ベンジャミン・ベネット(米国)
ジョーイ・ハート(米国)

<ミドル級/5分3R>
内藤由良(日本)
アテバ・グーティエ(カメルーン)

<ライト級/5分3R>
ダイラン・マンテーロ(米国)
アフマッド・ハッサンザダ(アフガニスタン)

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45 AB BELLATOR Bellator CS2024#05 LFA MMA MMAPLANET o PFL UAEW UFC アーチー・コーガン ウスマン・ヌルマゴメドフ エスラム・アブドゥル・バセット カヴァナウ キアラン・クラーク シネード・カヴァナウ ジョニー・エブレン ティム・ワイルド ファビアン・エドワーズ リア・マコート

【Bellator CS2024#05】英国&愛蘭連合✖世界のなかで、非英国対決。10勝0敗=コーガン×11勝0敗=ソウザ

【写真】無敗対決、名のある選手に勝ってきたコーガンだが、名前を挙げようとする強豪との対戦は初めてか (C)MMAPLANET

14日(土・現地時間)、英国はロンドンのOVOウェンブリーでBellator Champions Series2024#05「ロンドン」が開催される。
Text by Manabu Takashima

2週連続のBellator CSはサンディエゴから北米大陸&大西洋を横断し、英国はロンドンへ。メインは3月のBellator CS2024ベルファースト大会のシネード・カヴァナウ戦を肋骨の負傷で欠場したリア・マコートが、サラ・コリンズと戦う女子フェザー級の一戦だ。

コメインはPFL Challenger Seriesで本戦契約を勝ち取り、昨年は欧州シリーズを戦ったシメオン・パウウェルが、Bellatorの名がつくショーに初参戦。ドイツ在住のブラジル人ファイター=ハファエル・シャビエルと相対する。


Bellator CSは、そのフォーマットとしてBellator世界戦を組むのが前提だったが、イベント開催10日前にBellator世界ミドル級選手権試合=王者ジョニー・エブレン×挑戦者ファビアン・エドワーズ戦がキャンセルとなり、ローカル色の強さが浮き彫りとなる大会に。

ローカルといっても英国勢は押しなべて国際戦が並んでおり、アイルランド勢も加わると──その相手は豪州、ドイツ、リトアニア、ブラジル、エジプト、ウクライナと非常に国際色豊かだ。さながら英国&アイルランド連合✖ワールドというイベントのなかで、英国系が絡まない唯一のカードがアーチー・コーガン×マノエル・ソウザのライト級戦だ。

LFAでプロMMAをデビューし、3戦目でBellatorで戦うようになったコーガンはEagle FCの勝利を挟んでサークルケージで7連勝中、通算10勝0敗のファイターだ。ランペイジ・ジャクソンに憧れていたというコーガンは、コロラド州デンバーというマイルハイシティで育ち、大学ではさらに標高が高いワイオミングでカレッジレスリングに勤しんでいたスタミナ・モンスターだ。D-1レスラーで当然のようにレスリングは強いが、打撃勝負を挑む度胸がさらにコーガンのテイクダウン&コントロール能力をレベルアップさせている。

対戦相手のソウザは、コーガンを上回るデビュー以来の戦績は11連勝を誇る。

今大会でもメインカードに登用されたティム・ワイルドを相手に、初回KO勝ちしているソウザの実力は折り紙付きだ。今回の無敗対決を勝利したとしても、ウスマン・ヌルマゴメドフへのタイトルチャレンジャーになれるとは思えないが、この両者──順番を待ってサークルケージでのタイトル戦よりも、デカゴンのライト級ロースターに加わるところも見てみたい。そんな風に思わせる新鋭の潰し合いだ。

(C)UAEW

この他、UFCから転じるマーク・ディアキシー。UAEWアラビア・ミドル級王者エスラム・アブドゥル・バセット。

キャリア9連勝でサークルケージ9連勝というBellator欧州の秘蔵っ子キアラン・クラークが気になる選手が揃っている。

そのクラークは戦績12勝3敗のスパニッシュ・ファイター=セベンスイ・ルイとの試合が組まれた。

そろそろ上の相手との対戦が望まれるクラークが、その期待値をさらに上げるファイトができるのか。国際的な舞台で進出し始めたスペイン人MMAファイターのルイがアップセットを起こすか。人勢育成か、品評会か。そんなBellator CSロンドン大会だ。

■視聴方法(予定)
9月8日(日)
午前0時45分~ U-NEXT

■Bellator CS2024#05対戦カード

<女子フェザー級/5分3R>
リア・マコート(英国)
サラ・コリンズ(豪州)

<ライトヘビー級/5分3R>
シメオン・パウウェル(英国)
ハファエル・シャビエル(ブラジル)

<ライトヘビー級/5分3R>
ルーク・トレイナー(英国)
ローリナス・ウルボナビチス(リトアニア)

<ライト級/5分3R>
マーク・ディアキシー(英国)
ティム・ワイルド(英国)

<ライト級/5分3R>
アーチー・コーガン(米国)
マノエル・ソウザ(ブラジル)

<ミドル級/5分3R>
マイク・シップマン(英国)
エスラム・アブドゥル・バセット(エジプト)

<175ポンド契約/5分3R>
ジョセフ・ルシアーノ(豪州)
スティーブン・ヒル(英国)

<バンタム級/5分3R>
キアラン・クラーク(アイルランド)
セベンスイ・ルイ(スペイン)

<ライト級/5分3R>
デラグ・キャリー(英国)
ドミトリー・フリツェンコ(米国)

<女子フェザー級/5分3R>
イマン・アルマダフ(英国)
ダイアニ・シウバ(ブラジル)

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45 AB BELLATOR DWCS LFA LFA192 MMA MMAPLANET o Road to UFC UAEW UFC アイザック・トムソン アジス・オソルベク・ウウル エジソン・バルボーサ カーロス・ヘルナンデス ケヴィン・ボルハス ジャスティン・スコッギンス フィリッピ・エスティビス マーク・クリマコ ユライア・フェイバー ヴィクトル・ジアス 上久保周哉 松嶋こよみ 鶴屋怜

【LFA192】RTU=マーク・クリマコ×DWCS=ヴィクトル・ジアス。バンタム&フェザー級も見逃せない

【写真】Road to UFCからUAEW、そしてLFA。UFCを目指し、流離いつつLFAに戻ってきたクリマコ (C)MMAPLANET

13日(金・現地時間)、カリフォルニア州サンタクルーズのカイザー・パーマネンテ・アリーナでLFA192「Climaco vs Dias」が開催される。
Text by Manabu Takashima

メインでは昨年のRoad to UFCフライ級準決勝で鶴屋怜に判定負けを喫したマーク・クリマコが地元といって良い北カリフォルニアのサンタクルーズで、ヴィクトル・ジアスを迎え撃つ。


ヒザの負傷で万全でなかったとはいえ、クリマコは鶴屋にとってUFCデビュー戦のカーロス・ヘルナンデスと並びフィニッシュできなかった対戦相手だ。加えてヘルナンデスよりも拮抗したファイトになっていた。

そんなクリマコにとって北カリフォルニアで試合は2018年5月のBellatorサンノゼ大会以来、実に6年4カ月振りとなる。Road to UFC後はUAEWで南アフリカのフライ級の新鋭トゥメロ・マニアマラにスプリット判定勝ちして以来の実戦となる。

対するジアスは柔術黒帯でマルロン・モラレスやエジソン・バルボーサと同郷のファイターで、両者を追ってATT所属となっている。クリマコが10勝3敗なのに対し、ジアスは10勝2敗でTitan FCでフライ級王者となり、昨年のコンテンダーシリーズに出場している。しかし、ペルーのケヴィン・ボルハスに判定負けを喫してUFCとの契約はならなかった。

それでも今年の6月にはジャスティン・スコッギンスをRNCで破り、LFAから世界最高峰を目指すことを選んだ。いってみるとRoad to UFCとDWCSで躓いたファイター同士が、ノンタイトルの今後を大きく左右する一戦に挑むことになる。

また本日、松嶋こよみと上久保周哉のLFAとの契約が発表されたが、そうなるとフェザー級とバンタム級はマストウォッチとなる。

コメインで組まれたキルギスのアジス・オソルベク・ウウルとブラジルのフィリッピ・エスティビスのバンタム級戦は前者の計量失敗で138ポンドのキャッチウェイト戦で実施される。

フェザー級ではチーム・アルファメール所属のダウンアンダー=アイザック・トムソンがイズラエル・デルガドと戦う。

プロ3戦目からLFAで戦うトムソンは、まだ22歳ながらユライア・フェイバーがその将来性の太鼓判を押す完成度の高いウェルラウンダーだ。しかし、4月のシャヒーン・サンタナにまさかのスプリット判定負けを喫している。この一戦に敗れ、コンテンダーシリーズ出場を逃したといっても過言でないトムソンの再起戦──対戦相手のデルガドを含め、松嶋の対戦相手になる可能性があるだけに、上記の138ポンド契約戦となったオソルベク・ウウル×エスティビスと共に見逃せない。

オロルベク・ウウル×エスティビス戦以外もミドル級のランデル・ウォレス×ヘナト・ヴァレンチ、女子ストロー級のケンドラ・マッキンタイヤー✖クリスザイダ・アデームスも共に前者が体重をリミットまで落とせず契約体重マッチとなっている。

6試合のメインカード中3試合がキャッチ戦、常にそうではないが体重超過率は高い──それもLFAの現実として知っておく必要があるだろう。

■視聴方法(予定)
9月8日(土・日本時間)
午前11時00分~UFC FIGHT PASS

■ メイン対戦カード

<フライ級/5分3R>
マーク・クリマコ(米国)
ヴィクトル・ジアス(ブラジル)

<138ポンド契約/5分3R>
アジス・オソルベク・ウウル(キルギス)
フィリッピ・エスティヴィス(ブラジル)

<189.6ポンド契約/5分3R>
ランデル・ウォレス(米国)
ヘナト・ヴァレンチ(ブラジル)

<フェザー級/5分3R>
アイザック・トムソン(豪州)
イズラエル・デルガド(米国)

<116.8ポンド契約/5分3R>
ケンドラ・マッキンタイヤー(米国)
クリスザイダ・アデームス(米国)

<ミドル級/5分3R>
テオ・ヘイグ(米国)
ディラン・ダイビッツ(米国)

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45 AB Gladiator Gladiator Challenger Series02 Gladiator CS02 Gladiator027 Gladiator028 LFA MMA MMAPLANET o Progress Road to UFC UFC YouTube アドニス・セビジェーノ エド・ソアレス ソドノムドルジ・プレブドルジ ダギースレン・チャグナードルジ チハヤフル・ヅッキーニョス パク・サンヒョン パン・ジェヒョク 上久保周哉 中川晧貴 木村柊也 松嶋こよみ 水野翔 河名マスト 田中路教 石田拓穂 長谷川賢

【Gladiator028】フェザー級T準決勝2試合が発表。松嶋こよみは上久保周哉と共にLFA契約でOut、水野がIn

【写真】昨年6月の激闘が再び繰り返されるのか。ヅッキーニョスは真価が問われる一戦だ (C)MMAPLANET

13日(金)、10月6日(日)に大阪府豊中市の176BOXで開催されるGLADIATOR028でフェザー級挑戦者決定トーナメント準決勝=ダギースレン・チャグナードルジ×チハヤフル・ヅッキーニョス、パン・ジェヒョク×水野翔の2試合の実施と、松嶋こよみ&上久保周哉がLFAと契約を結んだことが発表された。
Text by Manabu Takashima

河名マストが持つGLADIATORフェザー級王座への挑戦権が賭けられたトーナメントは、7月のGLADIATOR027でヅッキーニョスは中川晧貴を、ダギースレンはアドニス・セビジェーノとの厳しい一戦を紙一重のスプリット裁定で下し準決勝進出を確定させていた。


一方、同じく7月に行われたGLADIATOR CHALLENGER SERIES02でソドノムドルジ・プレブドルジをヒザ蹴りで倒した松嶋は、その後LFAとの契約が締結され同トーナメントから離脱。石田拓穂を破った倒したパン・ジェヒョクは、リザーブ戦で勝利した水野と相対することが決まった。

同リリースによると、松嶋は同じくGLADIATOR CS02でProgressフェザー級王座を獲得した上久保周哉と共にLFAとサインし、現在は米国ビザ取得に向け動いているということ。ビザが取れ次第、マッチメイクが進むということだが両者とも11月か12月にはLFA初陣を希望しているということだ。

両者の契約を仲介したPROGRESS実行委員会の長谷川賢に今回の契約内容を尋ねると「契約は3年で6試合契約。この間、ビザがあるということでUFCのショートノーティス出場のリストに、両者の名前が加わるという利点がある」とのこと。

また田中路教が経験した試合が組まれないという状況になった場合は、日本国内で戦うことは許容されるという。

Road to UFCで敗れた河名の進退も気になるところだが、まずは挑戦権を賭けたサバイバル戦。ヅッキーニョスは昨年6月に同王座決定T準決勝でダギースレンと対戦しており、スプリットでダギースレンに下っている。それからも河名マスト戦にTKO負けを喫しながら、国際戦を含め経験値を高めてきた。まさに、この間の成長をぶつける一戦となる。

加えてダギースレンとパン・ジェヒョクは王座決定トーナメントに進出した者同士(ダギースレンの計量失敗で王座はパン・ジェヒョクのモノとなり、ワンマッチで対戦。パン・ジェヒョクが判定勝ちを収めている)だ。Road to UFCの準決勝全敗は日本が中国、韓国に遅れを取った現状を如実に表した緊急事態──リザーブ戦から勝ち上がった水野、リベンジを誓うヅッキーニョスが意地の決勝再戦を阻止できるか。

また水野と同様にリザーブ戦でハンセン怜雄からTKO勝ちしたパク・サンヒョンだが、計量失敗ということで代替出場の権利を失っている。そのサンヒョン、今大会で木村柊也戦のオファーがあったものの──そのハンセン戦で足の指を骨折しており、ようやくギブスが外れた状態ということで「今回ばかりは、試合を戦えるコンディションは作れない」と出場できず。相変わらず日本勢では対戦相手が決まらない木村の5月大会以来のグラジ出場はあるのか。追加カードの発表を待ちたい。

なおLFAと契約した両者、2人を迎え入れるエド・ソアレスLFA代表。トーナメント準決勝で戦う4選手がリリースに寄せたコメントは以下の通りだ。

エド・ソアレス
「LFAが日本のトップファイターである松嶋こよみと上久保周哉とサインできたことに興奮を隠せないです。日本を代表するエキサイティングな選手との契約は、我々LFAが世界中でファイター達の発掘に力を入れている証といえます。また両者のとの契約はLFAが世界で一番の人材発掘&育成団体として、もう一歩前進したことを意味しています」

松嶋こよみ
「フェザー級挑戦者決定トーナメント参戦中でしたが、LFAとの契約が決まりました。GLADIATORで試合をしたことでこういったチャンスを手にできました。そして快く送り出していただいた関係各位の皆様ありがとうございます。新しいUFCに繋がる道を切り拓いていけるように精進します。応援よろしくお願いいたします」

上久保周哉
「この度多くの方のご尽力の下LFAとの契約書にサインしました。少しでも厳しい道を選ぼうと思っての判断です。毎日積み上げてきたものが自分自身を作ります。今日の自分を明日に繋げる為に過ごしてきました。厳しい相手との試合の日の自分に繋げる為に懸命に1日1日を過ごして備えます」

トーナメント準決勝出場選手のコメントは以下の通りだ。

チハヤフル・ヅッキーニョス
「ダギースレン選手にはいつかもう一度挑戦したいと思っていたので、今回早くも実現しとても嬉しいです。前回は負けましたが、実力は拮抗していたと思います。お互いファイターとして成長した今、どんな試合をお見せできるか楽しみです。僕はあれから5試合を戦い、濃い時間を送ってきた自信があります。それをすべてぶつけて今度こそ倒し、決勝に進みます。ダギースレン選手、前回を超える激しい試合をしましょう! SEE YOU SOON!!!」

ダギースレン・チャグナードルジ
「こんにちは! 今回の試合はこれまでの経験を活かし、新たな一面を引き出せる、華やかな戦いになると思っています。練習も順調で、過去の試合で反省した点を改善してきました。対戦相手には、『どちらがより努力してきたか、皆さんと一緒に見届けてください!』と伝えたいです。応援してくださる皆さんへ、素晴らしい試合をお見せできるよう、全力で頑張ります! ありがとうございます」

水野翔
「まずは、この様なチャンスを頂きありがとうございます。ただ、代わりに入っただけじゃなく俺がこのトーナメント優勝します。練習仲間や応援してくれる方々に感謝をして、試合は覚悟を決めてします。この試合は俺が勝たないとおもろく無いと思うので絶対に勝ちます!」

パン・ジェヒョク
「今回の相手はステミナもパワーもあるので、注意してトレーニングしています。万全を期し、二度と後悔する事なく、綺麗にトーナメント優勝してベルト取り戻します。今回のトーナメント出場が決まった時から、期待していた松嶋こよみ選手との試合が叶わなかったのは残念の極まりないですが、LFAで戦うチャンスを生かしてUFCにステップアップして欲しいです。自分もGLADIATORのベルトを手見上げにステップアップをするので、UFCで戦おう」

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【DWCS S08 Ep06】満を持してコンテンダーシリーズ参戦、内藤由良「日本人は日本人としての強さもある」

【写真】 (C)TAKUMI NAKAMURA

17日(火・現地時間)米国ネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXで開催されるDWCS S08 Ep06で、内藤由良がアテバ・グーティエと対戦する。
Text by Takumi Nakamura

6月30日のPancrase345で、ディラン・オサリバンの代役アリ・カラダギィにマウントからのエルボーでTKO勝ちを収め、Dana White’s Contender Series=DWCS出場のチャンスを掴んだ内藤。カラダギィ戦が約2年3カ月振りの実戦だったが、この試合に勝ったことで一気にUFCへのチャレンジが動き出した形だ。

日本人にとって重量級=ミドル級という階級でUFCを目指す内藤は、DWCS参戦が自身のキャリアをかけた挑戦であるとともに、自分が結果を出すことで日本の重量級そのものを盛り上げたいと語った。


改めて格闘家は試合しないと先に進まねえなって

――6月のアリ・カラダギィ戦後にDWCS出場が決まりましたが、どういった経緯で参戦が決まったのかを教えていただけますか。

「もともと自分はアメリカのマネジメント会社のアーセナル(スポーツマネジメント)と契約していて、ブライアン・オルテガやダスティン・ポイエーと同じマネージャーさんにお願いしているんですけど、去年からDWCSに入れてもらえるかもしれないという話はあったんです。それ以外にもLFAで数試合してから直接(UFCと)契約(を目指す)とか、色々と話はあったんですけど、上手く決まらないままズルズルと来ちゃっていて。それでDWCSに出るんだったら6戦やるのが基準という話があると聞いて、もう1戦やってくれということになって、今年6月にパンクラスで試合をすることになったんです。試合間隔も空いていたので、一度パンクラスで試合をやることにして、そうしたら試合後にDWCSから正式にオファーが来た、という感じですね」

――今UFCにチャレンジする日本人も増えていますが、軽量級だったらRord to UFC(RTU)という道がありますが、内藤選手の階級=ミドル級では明確な道がない状況でしたよね。

「そうなんですよ。RTUでもライトヘビー級のワンマッチが組まれたこともあったので、ミドル級でもそういうチャンスが巡ってこないかを待ってみたり、UFC FIGHT PASSで試合を配信している大会、UAE Warriorsみたいなフィーダーショーに出ることも考えたり……どうやったらUFCに出られるんだろうというのを色々と考えていました。そういうなかでマネージャーがUFCに精通してる方だったので、今回スムーズに話が決まってくれて良かったです」

――試合間隔が空いたのは、どの路線でUFCを目指すかを悩んでいたことも理由だったのですか。

「特に明確な理由があったわけじゃなくて、結果的にそうなったって感じですね。実際に何度かLFAからもオファーをもらっていて、いつでも行ける準備をしていて、内々で相手も決まっていたけど流れて…みたいなことが何度かあって。それで2年空いちゃったって感じです」

──ステップアップするための場が、海外。日本国内にミドル級の需要はほとんどないということは、関係していますか。

「分母が少ないですからね。ただ、そこが関係しているとすれば、それはこれからのためです。自分がUFCで活躍して、ミドル級でも日本人はやれるということを見せる。そしてパンクラスからUFCに行けるルートがあるということを示す。パンクラスのミドル級で実績を創れば、UFCへの道が開けるという道を創りたいと思っています」

――6月の試合は当初ディラン・オサリバンとの対戦を予定していて、直前でカラダギィに変更になるという形でしたが、あの試合に勝ったことで道が拓けたようですね。

「はい。改めて格闘家は試合しないと先に進まねえなってことを感じました」

――カラダギィ戦が終わってから、すぐに練習を再開したのですか。

「試合が終わった週の金曜日には練習に出て、スパーリングにも参加していたので、あまり休んでる感じはなかったですね。ダメージもなかったですし、減量終わりで身体の調子も良かったです。6月に試合をした流れのままいこうと思って練習はすぐに再開しました」

──アリ・カラダギィはMMA初戦のキックボクサーでした。王座を獲得したロッキー川村2選手を含め、これまで戦ってきた相手だと、内藤選手の実力が北米で通用するのか測ることが困難だというのは正直あります。そこも踏まえて、ご自身のパフォーマンスにどれだけの自信を持てていますか。

「良い意味で、怖いモノなしという気持ちでいます。接戦の経験がないし、自分がどれだけやれる分からないことが不安じゃなくて。行けるんじゃないかと思っています。GENもそうですし、ずっと高いレベルで練習をさせてもらってきて。それにハンディントンビーチで、マネージャーがミドル級の選手を集めてくれて、今はUFCファイターになったアントニオ・トロコリとかとも練習もしてきましたし。ロッキー川村戦より、強くなっていることは実感できていたので。日本で強い選手と戦っていないとかは気にしていないです」

――SNSにもアップされていたように、GENスポーツパレスで練習を始めて4年になるそうですね。

「はい、今はGENをメインで練習しています」

――GENには日本の重量級のトップ選手たちが集まっていますが、GENで練習することは自信につながる・不安はなくなりますか。

「重量級の選手が集まる場所がGENしかないという現状もあると思うのですが、三上ヘンリー(大智)君、ちょっと階級は下ですけどDEEPに出ている岩倉優輝君、上田幹雄選手も20代ですし、最近は若い選手も少しずつ増えています。あとは年齢が上の選手たちも、あの人たちが海外で経験してきたことは本当に本物だと思うので、そういう経験を教えてもらったり、海外での過ごし方や外国人選手や特徴を教えてもらったり、そういうことを知ることができる場になっているので、自分としてはすごくいい環境ですね」

――去年12月に岡見選手が復帰戦をやる前にインタビューさせてもらったんですけど、そのときに内藤選手の名前を挙げていて「若い選手たちと練習して、彼らからも刺激や力をもらう」と言っていました。内藤選手は岡見選手からどんなものを得ていますか。

「岡見さんは世界のトップで戦ってきた人なんで、一番知識も持っていますし、UFCがどんなところかというのはあの人が誰よりも分かっていると思います。技術的な面でもMMAが上手くて、特に壁レスとか、そういう面ではこの4年間であの人からたくさん学んできましたね」

──重箱の隅を突くようで申し訳ないのですが、そのGENの先輩方と内藤選手や新世代フィターが描く成長の放物線は違っている部分があるかと感じます。

「そこで感覚的なズレが出てくるということですね。それは過去よりも、これからですね。海外での練習を増やすだとか、若い選手は一同に会して練習をするとか。それで海外で戦っていくようになれば。世界を目指しているなら、岡見さんが創ってきたGENを新しくしていくのも若い選手の役割だと思います」

──そういうなかで対戦相手のアテバ・グーティエにはどんな印象を持っていますか。

「とにかく“フィジカル!”という感じですよね。そのなかでもストライキングのフィジカルという感じで、典型的なアフリカ系の選手だなという印象があります。ただ戦績が少ない分、雑なところや打撃に偏っているところがあるので、穴は結構ありますよね」

――試合映像を見る限り、それらの穴を勢いとフィジカルでごまかしている印象もあります。

「そうですね。自分は毎週DWCSは見ているんですけど、ミドル級くらいの試合になると、打撃と寝技どちらかに偏っていることもある。フィーダーショーのチャンピオンやトップクラスでもそうなんですよ。前回のパンクラスで対戦予定だったオサリバンの過去の試合でも、対戦相手があまり参考にならないレベルの試合もあったので、ミドル級ってそういう階級なのかなと思いました。自分も含めてそう思われているとは思うんですけど」

──コンテンダーシリーズに出ている選手は、ほぼほぼそういう選手ですよね。対戦相手の力量など測れないです。

「そうなんです。どういう選手が相手だったのか分からないけど、圧倒して勝っている。でも蓋を開けてみるまで分からないですよね」

――今の話を聞いていても冷静に対戦相手や周りのことも分析されているなと思うのですが、グーティエ対策はできていますか。

「そうですね。グーティエの試合映像もしっかり見て、立てた作戦を遂行するための練習をずっとキャンプで続けてきました」

UFCで活躍できる重量級の日本人がここにいるっていうことを証明していきます

――これからはそういった経験やキャリアのすべてをぶつけるチャレンジが始まると思いますが、ワクワクしていますか。

「いやあ、ホントに楽しみですね。自分がどこまで通用するのか。もちろん上に行く自信しかないし、いつかは壁に当たることもあるとは思うんですけど、世界一の団体にチャレンジして、自分がどの位置にいるのかも確認したいです」

――内藤選手には重量級の日本人として期待される部分も大きいですが、重量級でも日本人は通用するところを見せたいですか。

「そうですね、僕は重量級でもやれると思います。結局戦うのは同じ人間ですし。もちろんフィジカル差とか遺伝的な違いはあると思うんですけど、日本人は日本人としての強さもあると思うので。体の柔らかさとか忍耐力とか。

外国人はすぐに心が折れちゃったりする選手もいると思うんですけど、そういうところは日本人の方が優れていると思っていますし、フィジカルじゃないところでしっかり制していくのがMMAの面白いところだと思うので、自分がやってきたこと、どれが正解っていうものはないと思うんですけど、色々と試したいですね」

――ちなみに内藤選手はレスリング出身ですが、オリンピックは見ていましたか。

「めちゃめちゃ見ていて、すごく刺激になりましたね。あれだけメダルを取っていたのは日本人の強さというか、コツコツやることの強さというか。自分と同世代や少し下の世代で、自分の目で見てきた選手たちも多かったので、その選手たちの活躍をオリンピックで見られたことはすごく嬉しかったです」

――競技は違えど自分でもやれるんだという気持ちになりましたか。

「なりましたね。特に重い階級、74キロ級で高谷大地くんが銀メダルを取ったんですけど、あの階級でメダルを取れるんだというのもありましたし、86キロの石黒隼人も準々決勝で負けはしちゃいましたけど、世界で通用するレスリングを持っているので、不可能はないんだなと思いました」

――日本のファンに対して、どんな試合を見せたいですか。

「やっぱり重量級でもやれるよってところを見せたいですし、今後もっと日本の重量級が盛んになって欲しいので、そのきっかけになれればいいなと思います。自分が小さい頃は岡見さんがそういう姿を見せてくれていたし、僕が結果を出すことで今後MMAをやりたいと思う重量級の選手が増えると思うんですよ。それこそレスリングや柔道の重量級の選手たちが引退して終わりじゃなくて、MMAという道もあるよということを示したいなと思います」

――なるほど。他競技からMMAに転向する選手が増えれば練習仲間も増えるし、日本の重量級全体のレベルも上がりますよね。

「はい、そうやって日本の重量級がもっと盛り上がるんじゃないかなって思います」

――それでは最後にファンの皆さんにもメッセージをいただけますか。

「しっかりDWCSでフィニッシュして勝って、UFC契約を勝ち取って、そこからUFCで活躍できる重量級の日本人がここにいるっていうことを証明していきます。皆さん応援よろしくお願いします!」

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