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【Grachan Herios】1年のトリを飾る新イベントでTSUNE×伊藤、林RICE×ダリのW王座戦が決定

【写真】今年2月に交わされた約束が果たされる(C)SHOJIRO KAMEIKE

15日(日)に東京都江東区のTFTホール500で開催されているGrachan70の中で、12月22日(日)に「GRACHAN Presents:HERIOS」がTFTホールにて行われることが発表された。
Text by Shojiro Kameike

併せて同大会の決定カード=バンタム級とライト級のタイトルマッチも発表されている。バンタム級は王者TSUNEが伊藤空也を挑戦者に迎え、ライト級はチャンピオン林RICE陽太にロクク・ダリが挑む。


HERIOSについて、GRACHAN実行委員会から届いたプレスリリースには、次のように記されている。

「GRACHAN Presents: HELIOSは、GRACHANが長年にわたり築き上げてきた歴史と闘志を象徴する、年に一度のスペシャルイベントです。「HELIOS」はギリシャ神話に登場する太陽神を意味し、選手たちが限界を超え、輝きを放つ姿を象徴しています。
この大会には、年間を通じてGRACHANで選ばれた精鋭たちが出場し、最高峰の戦いを繰り広げます。彼らは勝利への激しい戦いを経て、この特別な舞台に立つことを許された選手たちです。HELIOSでは、勝者が栄光を手にし、新たな伝説がここで生まれることでしょう。
圧倒的なスリルと挑戦的なバトルが展開され、HELIOSという名にふさわしい、最高の格闘技イベントをお届けします。GRACHANの新たな時代の幕開けに、ぜひご注目ください。」

GRACHANの新たな時代の幕開け――その兆しは、実は既に発表されている2025年の大会スケジュールにも表れていた。来年は年2回の大阪大会、そして初進出となる福岡大会はもちろん、東京大会がいずれもTFTホール500で行われる。そんななか、年末の東京大会のみ、会場が「TFTホール1000」となっている。東京都江東区有明のTFTビルには席数が異なる3つのホールがあり、12月大会のみ通常よりも大きな「TFTホール1000」を使用するのはなぜか。その理由が今回の発表で明らかとなった。

アマチュア大会=GRACHANチャレンジからプロへ、そして通常の大会で経験を積み、結果を残した選手が年末のHERIOSへ――。もちろん、この流れの軸にあるのはベルトを巡る戦いだ。今回すでに2階級のタイトルマッチが発表されており、さらにベルトに関わる試合が決定することは間違いない。さらにHERIOSを経て、豪州Eternal MMAなど海外イベントへの進出も大いに考えられる。

今年2月の大阪大会で並んだ両者(C)SHOJIRO KAMEIKE

そんなGRACHANの新機軸を象徴するのが、TSUNE×伊藤空也のバンタム級タイトルマッチだろう。今年2月の大阪大会でTSUNEが手塚基伸を下してベルトを巻いた直後、伊藤がケージイン。新王者への挑戦をアピールした伊藤は、6月にロッド・コスタを下してEternal MMAバンタム級のベルトを獲得し、改めてTSUNEに挑むストーリーラインが繋がった。挑戦者の伊藤はGRACHAN71のケージに登場し、「本来は僕が持っていたベルトを獲り返しに行きます」と意気込みを語っている。対する王者のTSUNEも「最高の試合を会場に観に来てください」とアピールした。

また暫定ライト級王者の林RICEも、今年4月に韓国ROAD FCでパク・シウォンに敗れて以来の復帰戦となる。正規王者の原口伸がベルトを返上し、改めて林RICEがダリと防衛戦を行うことに。挑戦者のダリとは2022年12月に一度対戦しており、その時はダリが判定勝ちを収めている。林RICEにとっては王座防衛とリベンジを賭けた一戦だ。この敗北から5連勝し、王者にまで上り詰めた林RICEが韓国での戦いを経て、どのような試合を見せるか。対するダリはGRACHAN71でケージインし、「もう一回GRACHANのチャンピオンになります。試合は1Rで終わらせます」と挨拶した。

10月5日に千葉で行われるPOUNDOUTでは、中村京一郎×鍵山雄介というGRACHANフェザー級のランカー対決も組まれている。王者の小島勝志がベルトを返上したなか、この試合の勝者もまたHERIOSに関わってくるのか見逃せない。

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45 Grachan Grachan70 MMA MMAPLANET o Wardog YouTube   ライカ 今村豊 土屋諒太

【Grachan70】Wadrog新代表・今村豊が語る自身の活動と土屋諒太「陸自で徒手格闘をやっています」

【写真】今村と奥様の美紀さん。「ジムは嫁さんがつくった」という言葉の意味は――衝撃の事実も発覚する(C)SHOJIRO KAMEIKE

18日(日)、大阪府豊中市の176BOXで開催されるGrachan70で、今村豊が有田一貴と対戦予定だったが今村が負傷欠場に。代役として土屋諒太が有田と対戦する。
Text by Shojiro Kameike

今村は現役のMMAファイターであると同時に、7月からMMA大会Wardogの代表に就任した。建築業を営みながら現役ファイター、プロモーター、そしてジム(ポーラージム大阪)運営と、それぞれ活動していくことに。代表就任後、第一弾大会となった7月28日のWardog48とWardog49(昼夜興行)を終えた今村に、今後の活動と土屋諒太について訊いた。


選手、プロモーター、ジム、建築業を全部やる――そう思いました

――ワードッグ新代表に就任し、今村体制の第1回大会が終わったことを受けてのインタビューとなります。

「ありがとうございます。ただ実質的には次回の第50回大会(10月27日、大阪世界館)が、僕がやる最初のワードッグになります。Wardog48とWardog49は、もともと柿原勇気会長が段取りを進めていたんですよ。マッチメイクも5割ぐらい進めていて。それが急きょ、僕に連絡が来て……」

――6月30日、柿原さんがSNSで「一身上の都合により格闘技界より身を引く」と発表しました(その後、7月30日にワードッグの海外渉外として復帰)。本当に「急きょ」でしたね。

「そうなんですよ。僕は日中、建築の仕事をしていて。現場にいる時に柿原会長から電話があって『ワードッグの代表を引き継いでほしい』と。『細かいことは後々説明するから』ということで、ひとまず引き受けました。それが大会(7月28日)の1カ月前ぐらいですね。

代表として初めて携わった7月28日のWardog。今村本人はかなり緊張した表情だ(C)WARDOG

そのあと柿原会長と話をしながら、まずマッチメイクは5割ぐらい進んでいるから、残り5割を僕がやっていく。あとは事務所に通い、話を詰めていきました。あとは大会当日、役割分担と会場の動きを確認しながら、ずっとやってきているスタッフの方に分からないことを聞いていきました」

――柿原さんから電話があった時点で、今村選手は8月18日のGrachan出場が決まっていました。選手として試合を向けて練習しながら、大会の準備を進めなければいけない状況に……。

「周りからも『無理や』と言われました。でもグラチャンの試合は、ワードッグの代表になる前から決まっていたことですからね。ワードッグ代表就任が発表されたあと、グラチャン代表の岩﨑ヒロユキさんから連絡をいただいたんですよ。『ワードッグの代表になったら、選手としてはどうするの?』と。僕は選手を続けたいし、ジムの代表としてグラチャンにも選手を出させてほしいと伝えたら『あぁ良かった』と言ってもらえました。

ただ、葛藤はありました。僕は戦い続けたい。でも選手とワードッグ代表、どちらも中途半端になるんじゃないか。そう考えていたら、今回グラチャンは欠場になってしまって……」

――はい。今回はグラチャン出場選手としてインタビューをお願いしていたのですが、日時は決まったあとにグラチャンサイドから今村選手の負傷欠場が発表されました。

「いろいろと、すみません……。もともとヒザを怪我していて、『これは――』と思って病院に行ったタイミングで岩﨑さんに連絡しました。診断としてはヒザの内側靭帯が損傷していて、申し訳ないですが今回は出場を見送ることにしました」

――やはり選手兼プロモーターは難しい面があります。柿原さんから電話があった時、どちらを選ぶかという考えはなかったですか。

「全部やる――そう思いました。選手、ワードッグ代表、あとはジムもそうですし、建築業の会社もやっていて。どれも中途半端な形ではなく、全て自分が先頭に立ってやっていくとしか考えていませんでした。

でも正直、ワードッグ代表を引き受けたあとに『これ全部できるんかな?』とは思いました(苦笑)。おかげさまで建築業のほうも忙しくさせてもらっていますし、ジムも会員さんが増えて自分の練習時間を確保するのも難しい。そんななかでワードッグのマッチメイクに関して電話が鳴り止まない。『これはどうするかな……』と、いろいろ考えました。

Wardog代表の仕事としては、まず次の第50回大会をイチから進めることで、何をやれば良いのかノウハウは分かる。そうすれば少しずつ状況は改善されるでしょうし、そのうえで今までどおり試合には出続けたいです。そして選手としても結果を残したいですね」

――試合に出るだけなら、出られる。しかし試合に出て勝つことができるか、勝つための練習を続けられるかどうか。

「そうなんですよ。ただ出るだけやったら、誰も自分の試合なんか見てくれないし、見てくれる人の心にも響かないと思います。やっぱり選手として結果を残すために、練習して自分を上げていかないといけないですからね。

だから選手としても毎回、前の試合を超えていかないといけないです。『これだけやっていても、これだけのクオリティを出してきたぞ』みたいな。選手としての活動は、Wardog代表という立場は関係なく、やり続けたいです」

次のワードッグでは僕の色もハッキリ出さないといけない

――実際のところ選手、プロモーター、ジム、そして建築業をどのように回していくのでしょうか。

「建築業もジムも一人でやっているように見えて、実は嫁さんが7割ぐらいやってくれています。大会も嫁さんのサポートあってこそ、なんですよ。このジムをつくったのも嫁さんなんですよ」

――……というと?

「実はこのジム、もともとスケルトンやったんです。それを嫁さんがイチから――」

――えっ!? 一人でこのジムを組み立てたということですか。

「はい(笑)。もうプラモデルみたいに組み立てていました。僕は何もやっていません」

美紀 YouTubeを見ながら、入口や壁など全部つくっていきました。マット貼りも。

――信じられないです! もともと建築業も手伝っていたのでしょうか。

ジムのビフォー・アフター。驚きしかない……

「いえ。本当にイチから、というよりゼロからジムを組み立ててくれて。今では嫁さんにジム制作の依頼があるぐらいです(笑)」

――もう内助の功というレベルではないですね。

「嫁さんが後ろにいてくれるおかげで、自分も4つの仕事を回していける自信があります」

――そして7月7日にはグラジエイターのケージで、ワードッグ代表の就任挨拶をしました。

「あれは緊張しましたね……。最初に櫻井会長(櫻井雄一郎グラジエイター代表)から『挨拶してください』と言われた時は、『挨拶はワードッグでやります』と断ったんです。でも結局、挨拶することになって――嫁さんに原稿をつくってもらっても、もう緊張で全然覚えることができなくて(苦笑)」

――初めての就任挨拶をグラジでしてしまうと、どうしてもワードッグがグラジのフィーダーショーか、あるいは下部組織のような印象も与えかねません。

「……仰っていることは分かります。実際に周りからも、その意味合いのような連絡が来ました。僕というかワードッグは独立した大会であり、ウチで育った選手はグラジエイターさんも含めて、いろんな大会に出ていきます。どことはお付き合いして、どことはお付き合いしないということはありません。次のワードッグでは僕の色もハッキリ出さないといけないと思っています」

――さらに言えば今村豊というファイターとワードッグ代表という立場、さらにポーラージム大阪、建築業のほうは各々独立したものでしょう。それでも、どうしても同じものだと思われてしまいます。

「ワードッグ代表が他のケージで戦って、負けたら――ということですよね。それも分かります。選手としては今までと違う捉えられ方をされるのも仕方ないです。ひとつ言えるのは、僕は自分のファイトショーツにジムや会社の名前を入れていません。もちろんワードッグの名前も入れない。ファイトショーツに入れているのは、もともとの所属である宇留野道場の名前だけで。戦う時は今村豊という一人の選手やということです」

――なるほど。ワードッグ代表としては、今後は大会をどのようなものにしていきたいですか。ワードッグの王者クラスは、他プロモーションに出撃していくとの話も聞いてきます。

「王者クラスは、ほぼほぼ次の試合が決まっていますね。自分もファイターやから分かるんですよ。ワードッグで勝った選手は、どんどん上の大会に出ていきたい。その気持ちを止めることはできません。でもそのぶん、新しい選手も出てきます。ワードッグで勝った選手が他の大会で戦っていることもバンバンSNSで宣伝していく。そうすることで、『勝ったら行けるんや』と思った若い子たちが、もっとワードッグに出てくれる。そういう若い子が戦う機会も増やしていきたい、というのが自分の考えです」

自衛隊出身のエグいポテンシャルを持つ選手が……

――8月18日のグラチャンは欠場となりましたが、代役としてポーラージム大阪の土屋諒太選手が有田一貴選手と対戦します。土屋選手がどんなファイターなのか紹介をお願いします。

「ワードッグで2戦2勝のストライカーです。ウチに来る前は東京でプロボクサーをやっていました。あと陸上自衛隊で徒手格闘もやっています」

――徒手格闘ですか! 格闘代理戦争で優勝した中村京一郎選手が、海上自衛隊時代に徒手格闘を学んでいたそうですね。

4月のWardogデビュー戦では、エグい右アッパーを連発していた土屋。徒手格闘を学んでいるのは興味深い

「そう言われたら、中村選手の構えと似ているかもしれません。雰囲気も他の選手とは違いますし。今は昼に徒手格闘の練習をやって、夜はウチのジムに来ています。まだ入会から間もないですけど、めちゃくちゃセンスがある子なんですよ。パンチのセンスは凄いです。ウチには面白い選手がいっぱいいますよ」

――大搗汰晟選手は第1空挺団の出身ですよね。

「そうです、そうです。汰晟の他にも自衛隊出身の選手がいます。周りに駐屯地があるわけじゃないんですけど、なぜか自衛隊出身のエグいポテンシャルを持っている選手が来ていますね(笑)。このジムはまだ立ち上げて1年ですけど、これからどんどん伸びてくると思うので、よろしくお願いします!」

■視聴方法(予定)
8月18日(日)
午後12時30分~GRACHAN放送局

■GRACHAN70 対戦カード

<ウェルター級/5分2R+ExR>
青木忠秀(日本)
能登崇(日本)

<ウェルター級/5分2R+ExR>
大道翔貴(日本)
上田拳翔(日本)

<フェザー級/5分2R+ExR>
八木匠(日本)
藤田大地(日本)

<バンタム級/5分2R+ExR>
徳弘拓馬(日本)
堀之内蒼斗(日本)

<バンタム級/5分2R+ExR>
有田一貴(日本)
土屋諒太(日本)

<ライト級/5分2R+ExR>
富田善樹(日本)
加々田優人(日本)

<フライ級/5分2R+ExR>
村松竜眞(日本)
粂大樹(日本)

<バンタム級/5分2R+ExR>
中嶋紳乃介(日本)
野村伶生(日本)

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【Grachan70】大阪大会のメインで青木忠秀が再起戦。能登崇を迎え撃つウェルター級サバイバルマッチ

【写真】地元・大阪でメイン出場の青木(C)SHOJIRO KAMEIKE

25日(火)、GRACHAN実行委員会より8月18日(日)に大阪府豊中市の176BOXで開催されるGRACHAN70の対戦カードが発表された。今大会のでは青木忠秀が地元・大阪で、北海道の能登崇を迎え撃つ。
Text by Shojiro Kameike

青木は現在Grachanウェルター級1位で、今年3月に同級王座決定トーナメント決勝で桜井隆多に敗れて以来の再起戦となる。ここで能登を下し、再び桜井と相まみえることはできるか。あるいはランキング4位の能登が、1位の青木に勝利して王座挑戦となるか。


青木といえば2022年のプロデビューから4戦目まで、1つの引き分けを挟み3つの勝利は全てKO勝ちというストライカーだ。小学校の時に野球を始めたという青木は、大学生の時に野球から格闘技に転向した。野球のポジションはピッチャーで、桜井戦前のインタビューではピッチャーが球を投げる動作と、格闘技でストレートを打つ際の動作の類似性を説明してくれた。

その言葉どおりのKO勝利を見せていた青木だったが、桜井戦で無敗街道はストップする。試合では右ストレートを上下に散らして攻め込むも、徐々に桜井ペースとなり、接戦から組み伏せられて敗れた。かといって青木が寝技を苦手としているわけではない。桜井を相手にテイクダウンを奪う場面もあったが、削り合いから相手のペースに持ち込まれたのは、やはりキャリアの差というべきか。

(C)GRACHAN

青木と対戦する能登は現在3連敗中も、今年5月のロクク・ダリ戦ではスタンドでダリにペースを許さず、延長戦に持ち込んでいる。青木にとってスタンドの打撃戦は望むところだと思われるが、能登がダリ戦で見せたパンチから組みつく展開は、長い青木のリーチを潰す可能性もありうる。

能登は延長戦で、ダリのテイクダウン&トップキープに敗れた。つまり青木にとっては、自身が桜井戦で受けた削り合いで活路を見出すことになるか。あるいは能登がスタンドで青木を削ることになるのか。共に前戦の経験をどう生かすかが問われるサバイバルマッチだ。


■視聴方法(予定)
8月18日(日)GRACHAN放送局

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