カテゴリー
Grachan45 J-CAGE Report ブログ 小島勝志 拓MAX

【Grachan45】ちょっとしたWardog旋風?? フェザー級チャンプ拓MAXもRNCで小島からタップを奪う

【写真】この次の試合の鈴木とともに、Wardog王者がグラチャンで2連勝に(C)MMAPLANET

20日(日)、東京都大田区の産業プラザPIOでGrachan45が開催された。ここではWardogフェザー級チャンピオン拓MAX✖小島勝志戦を振り返りたい。

<フェザー級/5分2R>
拓MAX(日本)
Def.1R3分55秒by RNC
小島勝志(日本)

距離を詰めて左から右を狙う拓MAXに対し、小島が右ハイを放つ。怯まず前に出た拓MAXは、左ジャブから右アッパー。一旦距離を置くと、小島の右ローをキャッチし右を当ててトップを奪う。

クローズドガードで固める小島、ブレイクが掛かり試合はスタンドへ。直後のパンチの交換で姿勢を乱した拓MAXが下になるが、すぐに立ち技の展開に戻り、拓MAXがクリンチからテイクダウンに成功する。

拓MAXはスクランブルに持ち込もうとした小島の左足を挟み、左でパンチを入れる。背中を見せた小島に対し両足をフックしてパンチを入れ、RNCへ。小島の背中が伸びると、再びパンチを落とし絞めをセットアップしなおした拓MAXが一本勝ちした。


カテゴリー
Grachan45 J-CAGE Report ブログ 岸本篤史 鈴木一史

【Grachan45】Wardogライト級王者、42歳──鈴木一史が岸本篤志を腕十字で下す

【写真】42歳、過去3年間でGrandslam、グラチャン、Wardogと負け知らず、今回の試合で8連勝とした (C)MMAPLANET

20日(日)、東京都大田区の産業プラザPIOでGrachan45が開催された。ここではWardogライト級チャンピオン鈴木一史✖岸本篤志を振り返りたい。

<ライト級/5分2R>
鈴木一史(日本)
1R3分31秒by腕十字
岸本篤志(日本)

右手前の構えの岸本に対し、左手から足に触りに行って右のオーバーハンドを狙う鈴木。さらにローから右を当てると、距離を取り直す。岸本も左ボディを入れる。これは効いたか、体が固まり下がった鈴木を追いかける。

ここで鈴木が右オーバーハンドを見せ、組んでいく。先にケージに押し込んだのは岸本だが、鈴木の首相撲に離れる。

シングルからクリンチに出た鈴木はボディロックテイクダウンを決めると、即マウントへ。ケージ際に移動し、岸本が腹ばいになりつつ立ち上がろうとすると鈴木がステップオーバーして、腕十字へ。

腹ばいから腕を剥かせようとする鈴木に対し、岸本が体を越そうとした動きを利用して上を迎える。そのままの勢いで上体を起こしてきた岸本の頭を刈って、鈴木はクラッチを外しに掛かる。

もう一度、体を越えて逆側に岸本が回ろうとしたところで左腕が伸びて試合は決した。


カテゴリー
Grachan45 J-CAGE Report ブログ 小谷直之 植田豊

【Grachan45】デビュー20周年の小谷直之、盤石の試合運びで植田豊から完封判定勝ち

【写真】盤石の試合展開で勝利の小谷は、「今年でプロデビューから20年。コロナなので、来年──グラチャンの横須賀大会で20周年記念大会をお願いします」と話した (C)MMAPLANET

20日(日)、東京都大田区の産業プラザPIOでGrachan45が開催された。ここではセミの小谷直之✖植田豊戦の模様を振り返りたい。

<ライト級/5分2R>
小谷直之(日本)
Def.3-0
植田豊(日本)

サウスポー同士、小谷がまず右ローを蹴る。接近戦から組んだ植田が小谷をケージに押し込む。左腕を差しあげて体を入れ替えた小谷は、ボディロックに頭を抱えに来た植田に右のパンチを入れる。

小外で倒した小谷が、起き上ろうとした植田のバックを取る。ケージもたれて逃れようとした植田の正面に回り、マウントのように座った小谷は右足を挟んで固定し、パンチを打っていく。

左ヒザをついても立ち上がることができない植田だったが、やがてダブルアンダーフックにとりポジションを入れ替えつつスタンドへ。小谷が払い腰に耐えたところで初回が終わった。

2R、打撃戦から近づいた両者、胸を合わせると植田の投げを耐えた小谷が左腕を差してケージに押し込んでいく。態勢を入れ替えようとした植田の動きを潰した小谷が小外掛けを決める。

ハーフから潜りを潰された植田だが、右腕を差して体を起こしてスイープを狙う。小谷は立ち上がって離れ、パンチの交換のあとでダブルレッグでテイクダウンを決める。

ここでも植田をハーフからリバーサルを狙うが、抑えられて背中をマットにつける。小谷はエルボーを落とし、左のパンチを入れると植田は背中を向けそうになる。必死で上を向いた植田だが時間となり、落胆した表情で小谷のウィナーコールを聞いた。


カテゴリー
Grachan45 J-CAGE Report ブログ 伊藤空也 獅庵

【Grachan45】カーフが効いた獅庵を、徹底して削った伊藤空也がグラチャン・バンタム級王者に

【写真】殴り合いの気持ちのテイクダウン奪取──気迫のファイトだった(C)MMAPLANET

20日(日)、東京都大田区の産業プラザPIOでGrachan45が開催された。ここではメインのGrachanバンタム級王座決定戦、伊藤空也✖獅庵戦の模様を振り返りたい。

<Grachanバンタム級王座決定戦/5分3R>
伊藤空也(日本)
Def.3-0
獅庵(日本)

ジャブ、右ストレート、ワンツーなどのパンチの交換のなか、獅庵は左ミドル、伊藤は左インサイドローを入れて右をブロックする。獅庵のボディ打ちは当たりが浅く、踏み込んで伊藤が前足でのハイキックを繰り出す。

これを獅庵がかわし、互いに左ローを蹴る。と、続く伊藤の右カーフで獅庵の体がよろける。獅庵は踏み込んで右を放つが、ここでも体が流れてしまう。

カーフで踏ん張りが効かなくなったか。伊藤は右カーフだけでなく、獅庵の蹴りに合わせて左のインサイドローを左ヒザ裏に蹴り抜く。バランスを崩し、下がった獅庵に組みついた伊藤だが、獅庵がいなして離れると右ストレートを放つ。

しかし左足は突っ立ったままで、踏み込めていない。左足に攻撃を重ねる伊藤に対し、獅庵のパンチはどうしても大振りになってしまう。

ダブルレッグでテイクダウンを決めた伊藤は、スクランブルも制し打・組ともに試合をリードしバックに回る。獅庵も胸を合わせた立ち上がりながらニータップへ。

伊藤はケージを背にして耐えると、離れて打撃戦へ。どうしてもバランスが崩れる獅庵に対し、右カーフを蹴り、スピニングバックフィストには左ストレートを合わせた伊藤が初回をリードした。

2R、獅庵の左ハイの直後に右カーフを入れた伊藤。左足が完全に効かされた獅庵は飛び込むような右を振るい、距離を詰めていくも至近距離ですら伊藤が左足を狙って蹴りを入れる。

左ローで姿勢を乱しながら、意地の右オーバーハンドを入れた獅庵の左フックはフォアアーム・ラリアットのように伊藤の側頭部を捕え、伊藤の腰が落ちる。

踏み止まった伊藤はカーフだけなく、右ローで太腿を蹴り上げ、左インサイドローで徹底して左足を削っていく。ここでのシングルを切り、がぶった獅庵に対し、伊藤は立ち上がって離れると右ローを蹴っていく。

左から右を被弾しながら右ヒザを放った獅庵だが、伊藤は右ストレート当てて首相撲からヒザ、離れてワンツー、さらに左を伸ばす。ケージに詰まった獅庵にテンカオを入れた伊藤はヒザを返されても、右フックにダブルレッグを合わせてテイクダウンに成功する。

バックを譲って立ち上がった獅庵はキムラに取るが、そのセットアップを利して伊藤がダックアンダーのような形からテイクダウンし、上を取り切る。

獅庵はクローズドガードからヒジを入れ、ラウンド終了に。立ちあがった獅庵はすぐにコーナーに戻らず、一度動きを止めてから歩き出す。明らかに痛みを見せないための一呼吸、勝負を諦めてない気持ちが伺えた。

最終回、あとのない獅庵が思い切りパンチを振るい、乱打戦に持ち込もうとする──と思いきやテイクダウンを狙いトップを取ることに成功する。

ウィザーの伊藤は内股気味に小手を効かせスクランブルに持ち込むと、ダブルからシングルに移行してリバーサル。

ここからバックに回り、寝技に持ち込んだ伊藤に対し獅庵は背中を取られた状態でシングルへ。ボディロックから体重をかけてトップを取った伊藤は、獅庵の起き上りながらのニータップには、冷静に距離を取る。

打撃戦から伊藤がダブルレッグ、右ヒザを合わせた獅庵は尻もちをつかれ、バックを譲って立ち上がる。

正対されるとヒザを突き上げた伊藤は時間が少なくなり、左右のパンチを思い切り振るう獅庵のフックを打たれる。

直後にダブルでケージに押し込んだ伊藤は、エルボーを落とされながらもダブルで獅庵を担ぎ上げ肩の上に乗せると、豪快にスラムを決める。

打撃の打ち合いでなく、インパクトのある上の取り方で試合を締めた伊藤は、Braveでの練習の成果を見せ、新バンタム級王者に輝いた。

ベルトを巻かれ、リングガールと協賛スポンサーの代表との記念撮影後に、宮田和幸がケージインし、並んで写真となると伊藤は涙を堪えることはできなかった。

■ Grachan45計量結果


カテゴリー
Grachan45 J-CAGE News ブログ 伊藤空也 小谷直之 岸本篤史 植田豊 獅庵 鈴木一史

【Grachan45】試合スタートまで、あと1時間。プロは計量全員がクリア、抗原検査は全てが陰性に

【写真】計量と同時に行われた抗原検査を受ける、小谷直之。忘れがちだが、検査をしてくださる医療従事者の方は常にリスクがある。改めて感謝だ (C)GRACHAN

試合開始まで、あと1時間──20日(日)、東京都大田区の産業プラザPIOで開催されるGrachan45の計量が19日(土)に渋谷区のGグローバル本社で新型コロナウィルス感染予防のために時差を設けて行われた。

プロ選手に体重オーバーはなかった計量結果は以下の通りだ。


また、同時に行われた抗原検査はセコンド、選手ともに全員が陰性だった。

■視聴方法(予定)
9月20日(日・日本時間)
午後1時30分~FITE

■ Grachan45計量結果

<Grachanバンタム級王座決定戦/5分3R>
獅庵:61.1キロ
伊藤空也:61.2キロ

<ライト級/5分2R>
植田豊:70.4キロ
小谷直之:70.7キロ

<ライト級/5分2R>
岸本篤志:70.5キロ
鈴木一史:70.8キロ

<フェザー級/5分2R>
拓MAX:65.5キロ
小島勝志:66.1キロ

<ウェルター級/5分2R>
竹川光一郎:77.0キロ
川中孝浩:77.1キロ

<バンタム級/5分2R>
今村豊:61.6キロ
高橋謙斗:60.8キロ

<フライ級/5分2R>
石綱テツオ:57.0キロ
宮内拓海:56.3キロ

<ライト級/5分2R>
阿仁鬼:70.2キロ
藤村健悟:70.5キロ

カテゴリー
Grachan45 Interview J-CAGE ブログ 伊藤空也 獅庵

【Grachan45】獅庵とバンタム級王座決定戦、伊藤空也─02─「自分の我を出して、打撃ばかりにならない」

【写真】ストライカーではなく、打撃の強いウェルラウンダーというファイトができるか (C)MMAPLANET

20日(日)に東京都大田区の産業プラザPIOで開催されるGrachan45のメインで、獅庵とGrachanバンタム級王座決定戦を戦う伊藤空也インタビュー後編。

これから先に進むために、今回のタイトルを必ず獲らないといけない通過点と断言した伊藤。Braveでの日々が、彼に自信と自覚を与えた。

<伊藤空也インタビューPart.01はコチラから>


──Braveで練習するようになり、どういう部分で違いを感じましたか。

「それぞれの局面のレベルの高さですね。レスリングだけでなく、打撃にしても。当然のようにレスリングは一から教わりました。強い選手が多くて、そのなかで食らいついていくという状況はやはり地方で練習をするのとは違うかと思います。ここで練習していれば、間違いなく強くなると思いました」

──Braveで練習するようになり、伊藤選手のMMAの変化した点はどこになるのでしょうか。

「僕も一応、空手出身なので打撃で勝負していた部分があったのですが、その打撃に関して際が良くなったと思います。それは組みが成長したので、打撃を思い切って使うことができるようになったからで。

以前は寝かされたら最後だっていう感じで戦っていたのですが、今は寝てからでも勝負できると思えるようになりました。宮田先生にグラップリングを指導してもらえるようになり、選定は本当に寝技も強くて……」

──鈴木隼人選手が引退し、坂巻魁斗選手が他のジムに移りました。体格的にも良い練習パートナーだったと思うのですが、この辺りの影響はないですか。

「先輩がいなくなったのは、寂しいです。目標だったので。でも、甘えるのではなくて自分たちがしっかりとやっていかないといけない、強くならないといけないと思っています」

──打撃重視からMMAとして幅を広げてきた。そういう部分で対戦相手の獅庵選手と重なる部分もありますね。

「実はそう思っていたんです。ファイトスタイルだけでなく、大阪ですけど色々と苦労して格闘技をやってきたと聞いていますし。背負うモノとか、重なってくることはあります。ケガで苦しんできたという部分も含め。

だからこそベルトを獲るという気持ちは強いと思います。そこは僕も同じです」

──Braveの一員として、このような試合がしたいというのはありますか。

「打撃だけじゃないというのは見せたいです。レスリングから寝技まで対応できる、全てを出して戦いたいです」

──レスリングや寝技に自信がついたことで、逆に打撃とのバランスが狂うということはないでしょうか。絶対に立って戦うんだと思って試合をしてきたときと比較して、できることが増えたので。

「自分の我を出して、打撃ばかりにならないこと。その方が気を付けたいです。レスリングをやるべきところで、レスリングで勝負できるように」

──このタイトル戦後、どのようなキャリアの積み方を考えていますか。

「BraveにはRIZINに出ている選手も多いので、セコンドとかで会場へ行くとやはり憧れる気持ちは大きくなります。いつかRIZINに出たいという気持ちはあります。

ただ出るのがゴールじゃないです。盛り上がっているバンタム級のトップと鎬を削り合える選手になっていきたいです。その前にグラチャンでベルトを獲らないといけないです。ここは通過点と思って、今やるべきことをやりぬく。その繰り返しで、トップの選手に勝てるようになろうと思います」

■視聴方法(予定)
9月20日(日・日本時間)
午後1時30分~FITE

■ Grachan45対戦カード

<Grachanバンタム級王座決定戦/5分3R>
獅庵(日本)
伊藤空也(日本)

<ライト級/5分2R>
植田豊(日本)
小谷直之(日本)

<ライト級/5分2R>
岸本篤志(日本)
鈴木一史(日本)

<フェザー級/5分2R>
拓MAX(日本)
小島勝志(日本)

<ウェルター級/5分2R>
竹川光一郎(日本)
川中孝浩(日本)

<バンタム級/5分2R>
今村豊(日本)
高橋謙斗(日本)

<フライ級/5分2R>
石綱テツオ(日本)
宮内拓海(日本)

<ライト級/5分2R>
阿仁鬼(日本)
藤村健悟(日本)

カテゴリー
Grachan Grachan45 J-CAGE Special ブログ 岩崎ヒロユキ

【Special】WithコロナのJ-MMA─03─Grachan岩崎ヒロユキ代表に訊く「考えれば、考えるほど出てきます」

【写真】アイデアで勝負してきたGrachan、コロナ禍でも考えるということに変わりはない(C)MMAPLANET

COVID19のパンデミック、地球はニューノーマルの時代を迎えた。日本でも4月と5月の緊急事態宣言を経て、6月から経済活動が再開も、事態が終息することはない。

MMA界はかつてない状況のなかを生き抜く努力をしている。MMAPLANETでは各MMA大会の主要人物に新型コロナウィルス感染に関しての現状とこれからを尋ねた。

3人目は──3月1日以来のイベントを20日(日)に東京都大田区の産業会館PIOで開くGrachanの岩崎ヒロユキ代表の話を訊いた。


──グラチャンは3月1日に大会を開いて以来、実に半年振りの活動再開となります。

「うちの会社としてイベントが中心ですので、グラチャン、おやじファイト然り、アジア戦略を掲げて昨年1年で種まきをしてきたモノがストップしてしまいました。

今回イベントを開くのに根拠はないんです。根拠はないのにやって良いのかという部分なのですが……以前、入院中にとある大会で勇気をもらいました。提供している側が、格闘技から勇気をもらうってなかなかないことだと思うんです。そこで『俺、感動したな』って。

だったら作り手の僕が、1人でも多くの人に感動を与えないとなっていうメッセージを貰ったんです。それがやるっていうきっかけですね……腹を括ってやろうという」

──その件がないと、活動再開はもっと先になっていたかもしれないですか。

「やっていたとしても、あやふやの意志だったかもしれないです。やはりパンクラスで大会当日に中止とかなると、心のブレが起きたかもしれない。でも、今の僕にブレはないです」

──屋内のイベントでお客さんを入れている。格闘技にしても日本、そしてより少ない数でポーランド、ドイツ、タイの大会ぐらいかと思います。

「日本の大会が限定でも客入れが真っ先に始まったのは感染状況と医療体制の現状において、国のガイドラインに則しているのはあるとしても、やはり無観客で活動が維持できるだけの企業やTVの後ろ盾などがないからですよね。

UFCやONEはいうに及ばず、韓国でAngel’s Fightの方々とミーティングをしている時も、日本はお金が格闘技に回ってこない。それを感じました」

──だからこそ、感染予防対策という部分が重要になってきます。

「そうですね。まず試合数ですね。試合数が増えるとリスクが増えます。山崎レフェリーが歯科医で、ずっと気付いたことを意見交換してきました。

真剣に考えれば、考えるほど色々と出てきます。それが精いっぱいすることだと思います」

──岩崎さんが今大会に向けて、どのような取り組みを行ってきたのかをお伺いさせてください。

「まず前日計量を、出場選手が一つの部屋に集まって行うということを考え直しました。場所も従来は新宿のパセロさんにお借りしているのですが、何かしらあると迷惑が掛かります。それは産業会館PIOも同じです。

何かあった時に誰にも迷惑をかけない場所はどこになるかと考えた時、それならウチの事務所でやろうと……そういうことにしました。そこで時間差を設けて、計量も行います。20分で時間を割って選手とセコンド1人ずつに来てもらって。計量にはドクターに立ち会ってもらって抗原検査を行います」

──前日に抗原検査ですね。

「ハイ。そこで陽性だった選手は当然、試合出場はできないです。セコンドが陽性だった場合は、代わりのセコンドに就いてもらいます。

リングに入れるのは検査で陰性だった選手とセコンドだけです。陽性だった人は、そこから保健所に連絡をしてPCR検査という運びになるでしょうし、当然のように自宅待機をしてもらい自己隔離になるので、会場には来ません。

代わりのセコンドの検査は大会当日になってしまいますが、会場入りする前に抗原検査を受けてもらいます」

──そうすることで仮に抗原検査で陽性だった人がいても、大会を開くことはできると。

「ウチは抗体を何度もできないですしね。PCRもそこまで態勢んが整っていないなか、抗原検査を前日に行うことが現状でのグラチャンでの最善策です」

──マスク着用、手指消毒、密を避けて旅行に行きましょう。外で食事をしましょうという社会のなかで、客席を減らして検温、消毒をし、マスクをつけての観戦。Go Toトラベルがあるのだから、そのようにプロモーターがビジネスをすることも認められて然りだと私は考えています。

「MMA界には大会中止という前例ができました。そこから業界全体で学ぶ必要があります。お客さんに関しても来場されるファン全員の名簿作成に必要なフォームを創りました(※9月17日が締め切り)。

会場入口で記入内容の通知メールか、スクリーンショット画像をスタッフが確認致します。記入や送信ができない方は手書きで住所・氏名・連絡先をチケットの半券(回収される側)に持参してもらうか、当日会場で記入してもらいます。

結果、入場に時間を要してしまう可能性があるので、そこはお客さんに申し訳ないです」

──致し方ないことです。それがニューノーマルのグラチャンということですね。

「ケージサイドスタッフもマスクとフェイスシールドの着用義務があります。とにかく、この状況で最善を尽くして20日はイベントに臨むようにします」

カテゴリー
Grachan45 Interview J-CAGE ブログ 伊藤空也 獅庵

【Grachan45】獅庵とバンタム級王座決定戦、伊藤空也─01─「禅道会で先輩の試合を見てMMAへ」

【写真】キリッとした表情の伊藤 (C)MMAPLANET

20日(日)に東京都大田区の産業プラザPIOで開催されるGrachan45のメインで、伊藤空也が獅庵とGrachanバンタム級王座決定戦を戦う。

Braveの所属となって1年半、ここまでの経験の全てをぶつけるタイトル戦を前にして、長野県で歩み始めたMMAファイター人生を振り返ってもらった。


──伊藤選手は長野県の出身だと伺っています。

「ハイ。長野県諏訪市の出身です。」

──中央自動車道がかなり高いところを走っていて、諏訪湖が見える……諏訪ですか。

「ハイ。そうです(笑)」

──格闘技を始めたのも諏訪で、ですか。

「もともと子供の頃に空手をやっていました」

──長野で空手というと……。

「禅道会です。無理やり、親からやれって言われて保育園に通っている時からやらされていました」

──やらされていた(笑)。

「本当に嫌々やっていて……僕は運動音痴だったら親は習わせたかったのでしょうが、小学校の2年になったぐらいで一度、辞めたんです。でも中学生になるかどうかっていう頃に『このままで良いのかな』ってモヤモヤとして、打ち込めるモノがないかなって考えるようになって……」

──えらく早熟というか、真面目だったのですね。

「心のどこかで禅道会を茶帯で辞めたので……頑張って黒帯を巻きたいという想いがあったんだと思います」

──でも中学生になると部活動がありますよね。それでも再び禅道会でやりたいと思ったのですね。

「ハイ、格闘技もテレビで放送していた時代だったのでHERO’S、DREAM、UFCも見ていていたので宮田先生が戦っているのも当時から知っていました。ただ特定の選手ではなく、格闘技に憧れを持つようになっていましたね」

──先ほどは空手という呼び方をされていましたが、稽古は空手なのでしょうか。

「子供の頃は投げと抑え込みまである空手でした」

──なるほど、最初から打・投・抑という要素のある格闘技の稽古をしていたのですね。

「勝ち負けも分からずやっている感じでしたけど(笑)」

──そして中学になると、何をやるべきか分かってもう一度門を潜り、MMAへの道を進んだと。

「自分の場合は石岡(沙織)さん、石岡さんと結婚された青木(隆明)長野支部長、それにZSTで活躍していた矢島雄一郎選手達、先輩方のMMAの試合の応援に行き、影響を受けたのも大きいです」

──禅道会の所属選手は禅道会のトップを目指す、もしくはMMAファイターを目指す、どちらなのですか。

「2つに分かれていますね。禅道会の全日本を目指す選手、全日本で勝つ負けるにかかわらずプロを目指す道もありますし。僕も最初は全日本を目指していたのですが、さっきも言ったように先輩方のMMAの試合を見て……高校を卒業した時に、名古屋の公武道ファイトでプロの試合に出ました。

ただ首都圏の試合に呼んでもらえることはなくて、まず大阪のWardogに呼んでもらえるようになりました。Wardogでは今はカットマンとしてラウェイなんかでも活動されている永井(明広)さんが、中心になっていた時にチャンスをくれたのですが、永井さんは自分が同郷ということもあってのことだったと思います」

──それからはMMAの練習に専念してきたのですか。

「20歳になってからですね。稽古を続けていて、ある時にMMAに特化した練習が必要だと思うようになって」

──MMAの練習というのは道場のカリキュラムには?

「クラスとしてはなかったです。ただ、場所はありますし、MMAの練習をするときには道場で、そういう練習をしたい人間ととりあってやっていまいした。道場長も凄く理解があり、心の広い方だったので道場を自由に使わせてくださいました」

──地方でもできるという気持ちで戦う選手、首都圏に出て戦う選手。この2つがあり、結果的に伊藤選手は東京に出てきました。

「ハイ。向うでやっている時に、僕が思ったのはもっと揉まれないといけないということだったんです。試合に出ていて、そう思うようになりました。そして都内のジムに出稽古をさせてもらうようになり、宮田先生のBraveにお世話になるようになったんです」

──所属もBraveですし、引っ越して来たということでしょうか。

「ハイ。宮田先生から『内弟子が1人空いているけど』と言っていただき、お給料をもらってBraveの所属にさせていただきました」

──素晴らしい環境ですね。

「ハイ。禅道会の先生たちも快く送り出してくれて、去年からこっちでやっています」

<この項、続く>

カテゴリー
Grachan45 J-CAGE News ブログ 伊藤空也 桜井隆多 獅庵 長岡弘樹

【Grachan45】記者会見─01─Grand王座戦は桜井の負傷で来年6月に。伊藤空也「内弟子生活の集大成」

【写真】左から山本琢也、岩崎ヒロユキ代表、伊藤空也、阪本洋平が会見に出席した(C)MMAPLANET

7日(火・現地時間)、20日に東京都大田区の産業プラザPIOで開催されるGrachan45と、ライト級チャンピオン山本琢也およびフェザー級チャンピオン坂本洋平の今後に関する記者会見が渋谷区のグラチャンの運営するGグローバル本社で開催された。

まず会見の冒頭で岩崎ヒロユキ代表より同大会のメインに予定されていたGrandウェルター級選手権試合=チャンピオン桜井隆多✖チャレンジャー長岡弘樹の一戦は王者の負傷により取りやめられ、長岡が暫定王者となることが発表された。


グラチャンでは王座獲得から1年以内に防衛戦を行うという規定があるが、本日8日に手術を行う桜井は長期欠場が決定的だ。しかしながら長岡の桜井と戦いたいという強い要望により、グラチャンでは正規王者との契約を延長。来年度2021年の6月に桜井の回復を待って、両者の一戦が組まれることが決まった。「万全の状態で戦う」(岩﨑)ことを第一に、これだけの期間を置く説明がなされた。

今回の負傷→タイトル戦のキャンセル→来年の対戦について、両者からは以下のようなメッセージが届き、会見で読み上げられた。

桜井隆多
「この度は自身の怪我により、試合を楽しみにして下さっていた方々、対戦相手の長岡選手、また大会関係者の皆様に多大なるご迷惑をおかけし大変申し訳ございません。本来は1年以内に防衛戦をしなければベルトを返上する契約ですが、暫定王者になる長岡選手からの要望によりGRACHAN実行委員会で協議いただき、契約を6月大会まで延ばして頂きました。

長岡選手、GRACHAN実行委員会の皆様、感謝致します、有難うございます。8日に手術し、しっかりと治してまたベルトを懸けて最高な状態で長岡選手と闘いたいと思います。何卒宜しくお願い致します」

長岡弘樹
「昨年次期挑戦権決定戦に勝ち、それからは、この試合に向けて全てかけて準備してきたので本当に残念です。 ただ選手の怪我は誰にでもあることなので、仕方ないと思っています。桜井選手にはしっかり治してもらいお互いに万全の状態で戦いたいと思いますまた今回暫定王者に認定していただき光栄です。岩崎代表に感謝致します。
 
来年統一戦と言う形になりました。自分の全てを賭けて、この試合に挑み必ず桜井選手に勝って正規王者になりたいと思います」

続いて、会見に出席にしていた──Grandウェルター級選手権試合の消滅により、メインイベントでGrachanバンタム級王座決定戦を戦うこととなった伊藤空也が、「グラチャンに参戦するようになり3年目で、念願のタイトルマッチに辿り着きました。何が何でもベルトを獲りに行きます。(※所属するBRAVEの)宮田(和幸)先生には内弟子生活で1年半お世話になっているので、その集大成を試合で見せることができればと思っています」と意気込みを語った。

長野県諏訪市出身、禅道会所属選手としてMMAで戦ってきた伊藤は、一念発起して上京しBrave所属選手となり、ウェルラウンダーとして成長してきた。そんな伊藤とベルトを賭けて戦う獅庵からは、以下のような抱負が届いており会見で読み上げられた。

獅庵
「今回、コロナで大変な時期に大会を開いてくださり岩崎代表はじめ関係の皆様ありがとうございます。タイトルマッチをやらせてもらうことになり大変光栄です。必ずベルトを巻いてグラチャンを盛り上げていけるよう頑張ります。

対戦相手の伊藤選手はパンチも蹴りも勢いがあり、組でも凄くアグレッシブで良い選手です。バチバチの殴り合いで激しい試合になると思います。泥臭くてもなんでも良いので勝ちにこだわりチャンピオンになります。当日は楽しみにしていてください」

この後、会見は阪本のフェザー級王座返上、山本が階級を落とし12月にフェザー級王座防衛戦を戦うことが発表された。

※上記の件に関しては、後程詳細を掲載します。

カテゴリー
Grachan45 Interview J-CAGE ブログ 伊藤空也 獅庵

【Grachan45】岩﨑ヒロユキ代表自ら斬り込む──獅庵インタビュー「母親が亡くなる以上に怖いものはない」

【写真】 この時、獅庵の胸に去来していたものは……(C) MMAPLANET

9月20日(日)に東京都大田区産業プラザPIOで開催されるGrachan45。半年ぶりのイベントとなる同大会ではGRANDウェルター級選手権試合=桜井隆多✖長岡弘樹とともに、堀友彦が返上したバンタム級王座を賭けて伊藤空也と獅庵が対戦することが決まっている。

糸東流空手出身、打撃の勢いを誰もが認めていた獅庵だが、その打撃が荒くなり気味で一時期は黒星を重ねた。心機一転グラチャンに転じ、階級も変え再出発を図る裏で、彼は大切な存在を亡くしていた。

オフィシャルから、岩﨑ヒロユキ代表自らが聞き手を務めた獅庵インタビューをここで紹介したい。
Special Thanks to GRACHAN & Mr.Hiroyuki Iwasaki


──昨年12月大会でグラチャン初参戦しましたが、オファー来た時はどのよう心境でしたか。

「そうですね。最初、坂巻選手でオファーが来たときは、なかなか強い相手を当ててくるなと言う印象でした。強い選手ですし、正直苦手なタイプだったのでビビってはいました」

──ビビっていた?

「初参戦の時は様子見の選手かなと思ってはいたのですが……坂巻選手でしたので(苦笑)。

──私たちとしてはベルト狙いたいと聞いていたので、最初から強い相手のマッチメイクを組んで即戦力として考えていたんです。そもそも中山巧代表も苦手なタイプだなという話はしていましたね。ただし、ここを抜けたら新しい光が見えるんじゃないか──そんな話にもなりました。結果、勝利して中山代表も喜んでいたのではないでしょうか。

「はい。それまでは打撃にこだわって喧嘩みたいに、パンチを振り回すだけで戦って来たのが、あの試合では練習通りの戦い方が出来たので。冷静に戦えました」

──試合のオファーを出した時期は、色々大変だったと聞きました。

「ハイ。2019年9月ぐらいでした。最初の予定の選手から坂巻選手に変更になって、ちょうどその頃、闘病生活が続いていた母が亡くなった時期で。精神的にも落ちてしまい、試合を断ろうかなと思いましたが、今まで親元を離れて大阪に出てきてやっていて、母親が亡くなったからと試合を断るのもどうかと思って。

──お母様は獅庵選手が格闘技をしていることを心配していましたか。

「心配はしていたと思いましたし、辞めてほしかったかと思います。けど、その言葉は1度として辞めて欲しいと言われたことはなかったです。

だから、勝った時は自然と涙がこぼれてきました……。試合中に冷静になれたのも、母親が亡くなる以上に怖いものはない──そんな気持ちで試合に挑んでいたからだと思います。だからこそ、一皮むけて成長につながった気がします」

──次の試合に向けて、現在は誰と練習していますか。

「鍵山選手とか、平日は手塚君(第3第GRACHANバンタム級王者)とも練習していて、ドミネートされまくっています(笑)」

──獅庵選手は空手ベースで、デビュー当時から「天才現れる!」的な期待されていたと思いますが中々良い結果に恵まれませんでした。

「そうですね。当時は減量苦と練習環境があまり整っていませんでした」

──大阪でパンクラス✖ DEEPの対抗戦で、神龍誠選手と試合し敗北。あの時の黒星はキャリアアップに影響を与えたのではないかと。

「今更ですが、試合の1週間前の練習で右耳の鼓膜が破れて手術する、しないの話という状態でした。減量も試合当日に100グラムが落ちなくて……。走って何とか落として、メンタル的にも辛かったです。何より減量が辛かった。もちろん神龍選手は凄く強い選手で活躍もされていますので、それは敗因にはなりませんが。

──その後、フライ級からバンタム級に階級変えましたね。

「階級をあげて自分自身のスピードは遅くなりましたが、フライ級の時は身体に力もあまり入らずフワフワしていたので、下半身に力が入る感じが変わり良い感じです」

──フィジカル的にもバンタム級用に身体を作っている感じでしょうか。

「そうですね。1階級あげたのでフィジカル強化と持ち味のスピードと瞬発力を活かせる戦い方をしたいと考えています。正直、今までにないくらい、精度は上がってきてる感じがします」

──伊藤選手の印象は?

「元々1階級上の階級から落としてきた選手ですよね。しっかり勝ってきている選手なのと。体幹が強そうです」

──タイトル戦後ですが、チャンピオンになると大きい舞台に出ていきたいですか。

「そうですね。出たいですね。盛り上げる自信はあります。日本でも海外でも。ただどこの舞台でも自分のやることは変わりませんし、誰が見ても『アイツ凄いな!』って思ってもらう試合する自信はあるので。それが獅庵の良さと思っていますので、どこでも戦います!」