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Eternal MMA85:メインイベント・ロッド・コスタ vs. 伊藤空也

バンタム級タイトルマッチ5分5R。

王者コスタはMMA8勝6敗だが、Eternalでの負け(4敗)はすべてフェザー級。35歳。

伊藤は2021年に手塚に敗れGRACHAN王座から陥落したが、その後は5連勝中。27歳。

両者オーソドックス。カーフを蹴る伊藤。左フック。またカーフ。じわじわ詰めてくるコスタだが、間合いには入らない。コスタもカーフを蹴る。左フックをヒット。またじわじわと出てきたコスタだが、様子見なのか手を出さない。両者牽制のカーフキックを蹴り合う。伊藤キックのカーフを手で払おうとしたコスタ。伊藤飛び込んで右をヒット。左ハイは腕にヒットした。詰めてジャブのダブルから右を入れる伊藤。残り1分20秒でコスタタックル。ケージ際で尻もちを着いた伊藤の両足を束ねてレッグマウント。立とうとする伊藤だが、コスタは肩で上から体重をかけて立たせない。しかしコントロールするだけ。残り10秒を切ってケージで立った伊藤。ホーン。

1R打撃のヒットではやや伊藤。残り1分のコスタのコントロールを優勢と見るかどうか。

 

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【Eternal MMA85】バンタム級王者コスタと対戦、伊藤空也「海外で結果を出すことへの挑戦」

【写真】オーストラリア入り後の伊藤。キャリア2度目の海外挑戦でEternal MMAのベルトに挑む。 (C)KUYA ITO

8日(土・現地時間)オーストラリアはパースのHBFスタジアムで開催される「ETERNAL85」にて、伊藤空也がロッド・コスタの持つEternal MMAバンタム級王座に挑む。
Text by Takumi Nakamura

昨年12月の「GRACHAN66」で田中智也を下し、Grachanバンタム級王座への挑戦が内定している伊藤に思わぬチャンスが舞い込んできた。Grachanと協力体制にあるEternal MMAでのタイトル挑戦だ。

デビュー当初から海外での試合、ユニファイドルールで戦うことにこだわりを持っていたという伊藤にとっては、今後のキャリアを左右するであろう重要な一戦だ。オーストラリアに出発する前日(6アg津)に伊藤に話を訊いた。


――Eternal MMAでバンタム級王座挑戦が決まった伊藤選手です。オファーが来たのはいつ頃だったのですか。

「2カ月前くらいですね。最初に話が来たときはびっくりしました。Eternal MMAはUFCファイトパスでも視聴できる大会で、BRAVEジムのみんなも知っているような大会なので、断る理由がないですよね。本当にチャンスだし、ぜひやらせていただきます、という感じでした」

――伊藤選手は昨年12月の「GRACHAN66」で田中智也選手に勝利し、TSUNE選手が保持するGrachanバンタム級王座に挑む流れもあるなかで今回の試合が決まりました。タイトル戦の前に試合をしたいという希望もあったのですか。

「そうですね。タイトルマッチがだいぶ先(2024年12月)になるという話を聞いたので、それまでに試合をしたいと思っていました。今回の試合はGrachanとEternal MMAが協力関係にあって、岩﨑(ヒロユキ)代表経由でいただいたオファーだったので、そこは調整してもらった感じですね。ただタイトルマッチになるとは思っていなかったので、そこはびっくりしました」

――思わぬ形で舞い込んだチャンスだと思います。海外で試合をするという部分もモチベーションになっていますか。

「はい。そういう喜びもあったし、あとはもう本当に集大成というか。今自分がやっていることを試すいい機会かなと思っています」

――伊藤選手にとっては2020年のBrawl以来の海外遠征です。当時と今のキャリアでは海外に出ることの意味合いも変わると思います。海外の大会に出る、海外で実績を残すことは伊藤選手の中のずっと目標にはあったのですか。

「僕がMMAをプロでやり始めたときは、まだRIZINもなかった時代で。UFC、ONE Championshipが盛り上がったときだったので、どうしても世界標準というものを見て、そこを目指していたんですよね。それもあってユニファイドルール、ケージでの試合にずっとこだわってきました」

――海外挑戦は伊藤選手にとって原点でもあるんですね。

「今回タイトルマッチということもあって、自分がどれだけ世界に通用するのかを試せる試合で、その部分でも僕にとっては意味のある試合です。しかもUFCファイトパスで中継される大会のメインイベントをやらせてもらうということで、今まで以上に注目されるだろうし、その中で自分の試合を見せられればなと思います」

――対戦相手のロッド・コスタにはどんな印象を持っていますか。

「一通りファイトパスで試合を見て、これぞ柔術家と言える正統派の落ち着いた戦い方をする選手だと思います。基本的には組んで寝かしたいんでしょうけど、全然下になっても苦にしないとタイプですよね」

――決してきれいな打撃ではないですが、積極的に手数も出すイメージです。

「僕の見た感じの印象なんですけど、それも作戦でやってるんだろうな、と。多少打撃はもらってもかまわないという感覚で戦っている気がします。最終的に組めればいいというか。柔術黒帯でMMAのチャンピオンという部分もあるだろうし、5分5Rにも慣れているでしょうね。最終的に組めば絶対に勝てるという自信を持っているように思います」

――勝ちパターンがはっきりしている選手ではあると思います。

「そうですね。だからそこを凌げばチャンスが来るだろうし、穴はスタンド(打撃)だと思います」

――レコード的にも比較的敗戦も多いキャリアだと思います。

「もともと一階級上のフェザー級でやっていて、その時の負けが多いんだと思います。あとは負けていてもフィニッシュさせないというか、柔術家らしい粘り強さはありそうです」

――サブミッション対策と打撃でどう組み立てるかがポイントだと思うのですが。どのような準備をしてきましたか。

「今回はユニファイドルールなので、RIZINとは全く違いますよね。極論5分5Rのうち3つ取れば勝てるわけで。当然コスタの穴は打撃で、そこに対する対策は練ってきました」

――言える範囲でどういった対策を練ってきましたか。

「BRAVEのタイ人トレーナーからムエタイの細かい打撃を教わったり、ボクシングもやったり、クリンチ際の攻防も練習してきました。あとは今回の試合で言えば柔術とノーギのグラップリングにも力を入れて、トライフォース池袋さんに練習に行かせてもらって、徹底的に柔術家の寝技がどういう流れ・動きなのかをやってきました」

――寝技が強いMMAファイターと純柔術家では質が違いますか。

「全然違いますね。レスラーがやるグラップリングはやっぱり多少フィジカルや身体能力で持って行っちゃう部分があって、逆に柔術家はピュアな寝技のスキルが高くて強い。そこを肌感覚で触れておくことは十分にやってきました」

――5分5Rという部分はいかがでしょうか。

「相手を変えながら階級が上の選手と5R用の練習をやってきたし、コスタに似たタイプの選手とも練習してきたので、実戦的な練習はしっかりできたと思います。あとはそれをそのまま本番でやればいいのかなって感じです。長丁場の難しさはあると思いますが、試合が進めばダメージや打撃の蓄積もあると思うし、後半に倒すチャンスが来る。前半にポイントをリードされても逆転する可能性があると思います。5分5Rは初ですが、シュートボクシングの3分3R延長無制限Rの方がきついですよ」

――Eternal MMAでベルトを巻くことになったら今後のキャリアアップにもつながると思います。そこは意識していますか。

「僕のキャリアとしても箔がつく試合だと思うので、しっかり勝って、次に繋げられるように。そういう試合になればと思ってますね。正直あまりベルトは意識していなくて、ユニファイドルールの5分5Rでコスタ選手に勝つことにフォーカスしています」

――今後も海外では試合を続けていきたいですか。

「僕がチャンピオンになったら当然防衛戦もあるわけで、そうなるとオーストラリアに行くことも増える。オーストラリアの選手やそれ以外の国の選手と戦っていくことになると思います。そこで勝ち続けてUFCとの契約が繋がればいいですよね」

――やはりMMAファイターとしてUFCにはチャレンジしたいですか。

「はい。UFCはもちろん、今はいろんな海外の団体があるので、どれだけ自分が海外で結果を出していけるのか。そういう挑戦でもあると思うし、今回がその第一歩になると思います」

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45 Grachan Grachan69 MMA MMAPLANET o 藤村健悟

【GRACHAN69】ビラルがハーフネルソンで藤村の首&右肩に圧力をかけ続け、アメリカーナでフィニッシュ

<ライト級/5分2R>
芳賀ビラル海(日本)
Def.1R4分56秒 by アメリカーナ
藤村健悟(日本)

藤村が右縦蹴りを放ち、足を滑らせた。距離を詰めたビラルに対し、藤村がダブルレッグから背中を着かせる。下からハーフネルソンで右肩を抱えるビラルは、藤村の腰にカカトを叩きつけていく。藤村は腰を上げて体重を前にかけていくと、ビラルがクローズドガードで固める。ハーフネルソンで絞り上げながらリバーサルしたビラルは、そのままマウントを奪い、ハーフネルソンで藤村の首に圧力をかける。耐える藤村だったが、残り10秒でビラルが右腕へのアメリカーナに切り替えて右肩を捻るとタップした。勝利したビラルはGrachanライト級王座への挑戦をアピールした。


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45 Grachan Grachan69 MMA MMAPLANET o ルクク・ダリ 能登崇

【GRACHAN69】ルクク・ダリが延長RのTD&トップキープで能登との接戦を制す

<ウェルター級/5分2R>
ルクク・ダリ(コンゴ)
Def.3-0
能登崇(日本)

サウスポーの能登に対し、ダリが左を見せながら構えをスイッチする。サウスポーのダリが右ジャブと右フック、能登は左ローを蹴る。ダリが左のロングフックを見せ、オーソドックスに戻すと左の前蹴り。能登は左のインロー、左ストレートを当てる。ダリはサウスポーにスイッチし、能登の左ローに左ストレートを狙う。ともに距離を測る時間が続くなか、お互いの左ストレートが交錯。終了間際、ダリが左のロングフックを放つも当たらない。

2R、ここもダリはサウスポーに構えて前に出る。能登が左ストレートから飛び込んで組みつくと、ダリは離れ際の右フック。距離が離れると能登はジャブと左ロー、左ストレート。ダリは能登にケージを背負わせて左フックからダブルレッグでテイクダウンする。能登はケージに体を預けて立ち上がると態勢を入れ替え、ダリのボディにヒザ蹴りを入れる。

ダリも能登をケージに押し返し、ダブルレッグでテイクダウンを狙うが倒せない。お互い右腕を差した状態から、能登がダリをケージを押し込む。ダリも小手を巻いてテイクダウンを阻止しつつ、態勢を入れ替えるとダブルレッグを狙う。どちらもテイクダウンを奪えないまま試合終了。ジャッジ1名が能登を支持したものの、残り2名はイーブンとしたため試合は延長戦へ。

延長R、オーソドックスに構えるダリ。能登はインローを蹴り、ダリは右フックを打つ。ダリはサウスポーに構え、右フックと左ストレートを打つが当たらない。ダリがワンツー、能登は左ローを出す。ダリは能登のローをキャッチして左ストレート、そのままテイクダウンを奪うとハーフガードでトップキープする。

能登も足を戻すが、ダリのトップキープを崩せない。残り1分、ダリはインサイドガードでトップキープしてパンチを落とし、能登も下からパンチを返す。ダリは一度立ち上がって飛び込むような左のパンチを落とし、その後はトップキープしてラウンドを終えた。このTD&トップキープでダリが能登から延長判定3-0で勝利を収めた。


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45 Grachan Grachan69 MMA MMAPLANET o 鍵山雄介 高橋孝徳

【GRACHAN69】ケージ際のテイクダウン&初回のマウント奪取で優勢。高橋が鍵山を判定で下す

<フェザー級/5分2R>
高橋孝徳(日本)
Def.3-0
鍵山雄介(日本)

ムエタイスタイルで、サウスポーの鍵山にケージを背負わせる高橋。首相撲からケージに押し込むが、四つで組んだ鍵山が体勢を入れ替える。鍵山はコツコツとヒザを打ち込むながら左右に揺さぶる。鍵山がダブルレッグに切り替えると、カットした高橋がケージに押し込んだ。ケージ際の差し合いから鍵山がダブルレッグへ。スプロールからガブった高橋はバックに回る。立ち上がった鍵山をケージに押し込んだ高橋がヒザで削る。両者の動きが止まると、レフェリーがブレイクをかけた。

再開後、パンチを振るう鍵山のボディに高橋が右テンカオを突き刺す。ボディロックからグラウンドに持ち込んだ高橋がパスを仕掛ける。鍵山が絡めてきた足を逆に利用し、固定して背中を着かせた高橋がマウントを奪う。鍵山のブリッジに合わせてバックを狙った高橋。鍵山は立ち上がるもケージに押し込まれてしまう。ボディロックから足を崩しにかかる高橋は、そのままケージに押し込み続けた。

2R、鍵山が左ミドルから右フックを振るう。ブロックした高橋に対し、ひと呼吸おいてから左ハイ→右フックを当てた。鍵山は続いてダブルレッグで飛び込んだが、スプロールからケージに押し込まれる。鍵山が体勢を入れ替えると高橋が離れた。距離が近づくと高橋が四つで鍵山を押し込んでいくも、レフェリーがブレイクをかけた。再開後、またも高橋はケージ際に持ち込み、ボディロックから小外刈りでグラウンドに持ち込む。すぐに立ち上がる鍵山にも疲労が見える。両者の動きが止まり、ブレイク。再開後、やはり高橋はケージ際に持ち込み鍵山の動きを封じる。ボディロックからダブルレッグへ、さらにボディロックに戻した高橋。鍵山も押し返して投げを見せるが、これを防いだ高橋が押し込みきった。

裁定はユナニマスで高橋の判定勝ちを収めた。


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45 AB ABEMA DREAM FAW2024#03 Gladiator Grachan MMA MMAPLANET o RIZIN Road to UFC Special UFC ギレルメ・ナカガワ シャーウス・オリヴェイラ チャンネル トミー矢野 パンクラス ミスター・ホンデ ライカ 中村京一郎 中村倫也 小島勝志 狩野優 鈴木崇矢

【FAW2024#03】代理戦争決勝でトミー矢野と対戦、中村京一郎「彼には柔術という逃げ道がある」

【写真】計量終了直後に見せた表情、どこまでもリラックス。そして余裕が感じられる(C)MMAPLANET

明日、17日(金)に会場未公開で開催される格闘代理戦争-THE MAX-決勝大会で、中村京一郎がトミー矢野と対戦する。格闘DREAMERS出身、デビュー戦は両国国技館のPOUND STROMにおける狩野優戦だった。その敗北から、始まったといっても過言でない中村のMMAファイター人生。
Text by Takumi Nakamura

初戦と準決勝の戦い振りもそうだが、前回の試合と今回の決勝戦について話す中村の言葉の一つ一つから、この2年の間、彼がどれだけMMAと向き合った来ていたかが伝わってきた。


──試合を3日後に控え、やはりリラックスしていますね(※取材は14日に行われた)。

「緊張はしていないです。試合まで、このままです」

──4月のギレルメ・ナカガワ戦は組みを切って、殴る。殴って組ませない。その流れが完全に出来上がってきたところで仕留めに掛かると、打撃で思わぬ反撃を食らいました。

「まぁ、僕の試合が無かったら代理戦争も盛り上がっていなかったと思います。そういう点でも流れが僕に来ている。パンチを被弾したのは……僕の練習相手は綺麗な打撃で、見やすいんですよ。それが久しぶりの喧嘩ファイトというのか、見えなかったです。『うわ、そこから来るのか!!』みたいに。汚い打撃を久々に食らいましたね。でも、あれって練習ではできないことなんですよね。

やっぱりボンサイは打撃に拘っていないからこそ、打撃を当てることができるんだと思いました。クレベルにしても、サトシにしても、ギレルメにしても」

──組み技に秀でていても、喧嘩ができるというか。

「ボディも顔も打って、心が折れるグラップラーも多いのですが……。本人も打撃ができないのが分かっているのに、打撃で来る。根性ありますよね。油断をしているつもりはなかったのですが、どこかで打撃では来ないという想いがあったのだと思います」

──日本のストライカーは組まれると終わりという状態にまだあると思っています。それが北米に行くと、ムンジアル優勝者や世界のトップクラスの柔術家に組ませない。柔術家が如何に勝つかという点に注目がいくのと、真逆の状態が続いています。その点で、中村選手とギレルメの試合は北米の構図になっている試合内容でした。

「シャーウス・オリヴェイラ、ジルベウト・ドリーニョ、ディアス兄弟もそうです。あれだけ寝技ができる柔術家が、打撃がメチャクチャ強い。なんなら寝技をしなくて勝つ。自分はUFCで勝つことを目標にしているので、組まれるのは当然だと思ってやっています。組まれたら、嫌だという思考でなくて。そこで切れずに、打撃戦に戻せないならMMAのストライカーじゃないです。

同時に彼らに組ませたら危ない。その意識を持ち続けています。練習で取られないようになっても、やはり戦う相手本人ではないです。今もトミー対策で、今成(正和)さんのところで解除方法を習っていますが、それが絶対でないという意識でいます」

──関節技と打撃は練習で100ではできないですし。

「打撃に関しては、トミーがそこを分かっているのかなって思っています。本気で殴られたことがない。何発か被弾すると、凄い恐怖を感じるはずです」

──それは足関節やサブミッションにも当てはまりませんか。

「今成さんは際どく攻めてくれるので、有難いです(笑)。それでも100ではないので、ビックリタップには気を付けないといけない。ただ、トミーも本来は上を取りたいはずです。MMAなんで。それが無理なら、足関節に来る。でも、僕は殴れるので」

──真剣の斬り合いのような攻防になりそうです。Kガードからのエントリーなど、殴られる覚悟で仕掛けてくると怖そうです。

「どういう流れになるのか……でも、Kガードを仕掛ける時間があるのか。確かに殴られる覚悟で仕掛けてくると厄介かもしれないですけど、効かさると本来の極めの強さも維持できないですからね。元気な状態の下と、効かされた状態は違うと思っています。トミーに関しては、もう倒すイメージはできています。僕も組みが強い人と練習していますから。

でも、そういう選手と戦えると思っていなかったので、格闘代理戦争に出て本当に良かったです。きっと、普通にMMAの団体で戦っていたらギレルメもトミーも試合ができなかった。いうと初戦のミスター・ホンデも含めて、全て国際戦を経験できているので」

──なるほど。本当にその通りですね。

「今後、世界に出ると道程にあってMMAはそれほどでも、柔術はしっかりとデキる選手と戦うことができた。戦績だけ見ると僕が一番上のようですが、彼らの格闘技歴は僕なんかより、ずっとあって。それだけ戦うことに慣れている。そういう選手と戦うことができて良かったです。3カ月連続で試合をすることもなかったと思いますし」

──なんだか、もう優勝したあとの言葉に感じられますが(笑)。

「そうですね。ここはしっかりと勝たせてもらいます。僕は本気でBMFのベルトが欲しいんです。そのために絶対にUFCに行く……。そのために生きています。でも、トミーってそこまでじゃないだろうって。

インタビューを読んだけど、スターになりたいとか言っている。スターになりたいなら、別にMMAじゃなくて良いだろうと思います。柔術をずってやってきて、ちょっとMMAにヌルッと入り過ぎたんじゃないかと。

MMAでスターになりたいけど、なれなくても柔術が残るんだろうし。僕はMMAしかない。彼には柔術という逃げ道がある。僕には、逃げ道はない。MMAだけで、人生を生きていくんです。お世話になった人に、MMAで恩返しをする。そういう俺と戦って、『お前、大丈夫か?』という気持ちはありますよ。気持ちの問題ですよ、そことは別に技術は存在しているので。ただ俺とは、覚悟が違うだろうって。

接戦になった時、その差は出ます。そういう覚悟がPOUND STORMで狩野(優)選手に負けた時に無かったから、僕には凄く分かるんです。今のように腹が括れていなかったから、ラスト30秒でタップした……」

──POUND STORMにおけるDREAMERS勢で、その覚悟があったのは中村倫也選手だけだったと思います。

「記者会見で……高島さんが狩野選手と岩﨑(大河)選手に『リスクしかない、やる意味のない試合をなぜ、受けたのですか』みたいな質問をしたんですよ」

──中村選手と、ヘンリー(三上大智)選手にとっては失礼極まりない質問ですね(笑)。

「ホント、あの時は『あんた、俺と話したこともないだろう?』ってムカついていたんです」

──スミマセン(苦笑)。

「でも今なら、ああいう風に思われていてもしょうがないと分かります。あの時の僕はヌルッとMMAをやっていた。倫也さんを筆頭に、格闘技で実績がある選手や(鈴木)崇矢みたいにやる気に満ちている連中が周囲にいて。それで自分が強くなっている気でいたんです。同じ電車に乗っているだけで、自分の荷物は違うのに、同じ風景を倫也さんと見ていると勘違いしていました」

──……。

「だから狩野選手に言っていたことは、もうその通りで。そりゃあ、そうだし。あの時の自分は、それだけ分かっていなかったんです。腹の括りようも甘くて、本当にヌルッとしていました」

──……。

「トミーは柔術が本当に強い。尊敬しています。さっきも言ったように試合で競い合って来た歴史も凄く長いし。でも、KIDさんやアーセンがいたからMMAをやっている気分になっている。あの時の自分と同じじゃないかなって。この試合で腹の括り方の違いが出ます。あの時の僕の経験を、今回の試合でトミーにしてもらいます。

逆にこの試合で負ければ柔術も辞める─ぐらいの覚悟だと、怖いですよね。でも、そんなこと思っていないから。そこは今の僕とは違いがあります」

──押忍。では今後に関してですが、どのようなプランを考えていますか。なんといっても、まだ2024年は7カ月も残っています。

「まずトミーと戦うことでKRAZY BEEに行くことができていなかったので、また練習環境を整えたいです。この間、本当にそれは感じました。まだ知らないので、米国で練習もしてみたいですし。

米国に行ったからって、強くなれるとは思ってはいないです。だいたい、言葉も通じない。食べるモノ、水も変わる。よほどの適応能力がないと、食べるって強さの根源ですよ。それが変わって、簡単に強くなれるなんて僕は思っていなくて」

──それは鈴木崇矢選手と、意見がぶつかりますね(笑)。

「アハハハ。だからこそ、行ってみたいんです。僕は行っていないから、分かっていないので。格闘代理戦争の間、試合間隔が短いからスパーリングでバカバカやることを減らして、調整もできました。凄く良い期間になっていて、自分の日本での練習環境は最高です。だから、経験として米国に行く必要があると思います。

実際、崇矢も強くなって帰ってきましたらね。何かあるのだろうし、それは経験したいです。強くなることに正解はないので、何でもトライしたいと思っています」

──では試合に関しては?

「優勝したら超RIZINという話が途中で出てきて……。まぁ、対戦相手にもよるんだけど……。ただ、スーパーアリーナのでっかいバージョンなんですよね。そこは倫也さんから、『そういう大観衆の前で試合をすることは、絶対に今後に生きる。RIZINに関しては好き嫌いはあっても、そこはあるよ。京ちゃんはUFCの雰囲気を知ったけど、試合をするのとセコンドは絶対に違うから』と言われて……。

あれだけMMAに掛けている倫也さんの言葉は、やはり重みが違って。それに、どアウェイ。そこを乗り切る練習になるかなと思っています」

──超RIZIN後も、まだ半年残っています。

「ハイ。来年のRoad to UFCに出るなら、国内のタイトルも必要で。Grachanでフェザー級タイトルを狙うというのもありますけど、チャンピオンの小島勝志さんは僕が山梨でMMAを始めた時のジムの会長なんです……。あとGLADIATORのチャンピオンは(河名)マストさんで練習仲間で。パンクラスは(新居)すぐるさんで、先輩だし(笑)。そうなると、戦う場所もしぼられてくるかなと思っています。

とにかく、僕はMMAファイターとしてまだまだです。だからRoad to UFC云々でなく、UFCで勝つためにBMFのベルトを取るためにグラップリングもレスリングも、打撃だってもっともっと強くなる必要があります。だから、まずは本当に自分がどう強くなれるのかを考えていきたいです」

──いやぁ、代理戦争のキャラ潰しになるかもしれないですが、全然傍若無人の若者でなく、口の聞き方も礼儀作法も心得ていますよね。ケージの中でカメラマンを手で払うとは、思えないです(笑)。

「いや、あれは……レフェリーも、カメラマさんに外に出てって言っているのに、ずっといるから(笑)。レフェリーの声が聞こえていたから、早く外に出てくださいって伝えたんですよ。でも代理戦争はカメラさんが下りてからも長い。そこは何とかしてほしいです(爆)」

──アハハハハ。

■視聴方法(予定)
5月17日(金)
午後7時~ABEMA格闘チャンネル

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45 DEEP Grachan MMA MMAPLANET NEXUS NEXUS35 o ブログ 瓜田幸造 磯部鉄心

【NEXUS35】ミドル級トーナメント出場、瓜田幸造「自分が戦う姿を一番届けたいのは佐山先生です」

【写真】インタビューでは年齢・キャリアを重ねたファイターだからこそ出てくる言葉が続いた(C)MMAPLANET

12日(日)、東京都新宿のGENスポーツパレスにて行われるFighting NEXUS vol.35のミドル級王座決定トーナメントで瓜田幸造が磯部鉄心と対戦する。
Text by Takumi Nakamura

10戦前後のキャリアの選手が大半を占めるトーナメントで、30戦を超える試合を戦ってきた瓜田。2012年4月のロシアでの試合から約10年間で1試合と活動休止状態だったが、2022年にGrachan無差別級トーナメントに出場してからは定期的に試合を重ねている。

自らの道場を持って弟子を育てるなかで格闘技への向き合い方も変わる一方、デビュー戦から変わることのない師へ想い。トーナメントを控える瓜田に話を訊いた。


――Fighting NEXUSのミドル級王座決定トーナメント出場が決まった瓜田選手です。トーナメントのオファーを受けた時の心境から聞かせてください。

「去年11月のNEXUSの時にマッチメイカーの渡部修斗くんから話をいただいて、久々にミドル級で試合ができるなと思いました。ようやくミドル級にも選手が集まるようになったんだなと」

――直近の試合では無差別級が多かったですが、ミドル級で試合をしたいという想いが強かったのですか。

「もともと僕はパンクラスやDEEPではミドル級で試合をやっていて、当時は選手も多かったんですよ。それからロシアでも試合をするようになって、2016年10月の試合(Grachan25×BFCvol. 2で川口雄介に判定負け)から約5年半ほどブランクがあって。2022年5月にGrachanさんで復帰したんですね。僕も試合から離れていたのですが、格闘技の流れとしてミドル級の選手が減っているのを感じていて、復帰戦のオファーを受けたときも『今ミドル級の選手っているんですか?』と聞いたら『ミドル級は選手がいないんです』ということで。ウェルター級まで体重を落とすのは無理だし『それだったら無差別級でやります』ということで試合を組んでもらっていました」

――ようやく適正階級で試合ができる、と。

「はい。ミドル級で試合することが楽しみではありますね」

――瓜田選手はご自身の道場を設立されて、今はそこが練習の拠点になっているのですか。

「そうですね。3年前に道場を立ち上げて、何とか自分の練習ができるようになったので環境はいいですね」

――試合間隔が空いたのは怪我や道場設立の準備が理由だったのですか。

「実は5年半前の川口戦も2012年4月にロシアで試合をしてから約4年半ほど空いていたんです。自分はプロレスの試合や自主興行もやっていたので、練習は続けていたのですが、特にオファーもなかったので、自分から売り込んで試合をするつもりはなくて。でも自分も道場を立ち上げて、道場の代表として試合をしたいという気持ちが芽生えてきて。Grachanさんに復帰したい旨をお話したらすぐに試合を組んでくれて、そこから本格的に復帰することになりました」

――格闘技の向き合い方も変わりましたか。

「ブランク前の試合と比べると気持ちが楽になった部分はありますね。今振り返ると、当時は自分の中で『こうしなきゃいけない』というものに勝手に縛られていたんだなと思います。試合を重ねていたこともあって、モチベーションを上げるためにはどうしたらいいんだろうと考えたり。自分の感情に任せて戦っていなかったと思います。逆に今はすごく自由に戦えていますね」

――何か変わるきっかけはあったのですか。

「川口戦が4年半ぶりの試合だったのに緊張しなかったんです。試合するうえでの緊張感はあったんですけど。その時に精神的に自由になれたんだなと感じました。試合は判定負けだったんですけど、その時に自分が持っているものを出して勝ったらうれしいし、それで負けたんだったらしょうがない・受け入れるしかないと思えて。一種の悟りというか、達観したというか。今はそういう気持ちで戦っています。試合があるなら戦うし、戦いたいから戦う、ですね」

――今大会はTHE BLACKBELT JAPANの磯部鉄心選手と対戦することになりました。

「基本的に自分がやれることをやれればという考えなので、相手の映像があれば見ますけど、その映像も“その時”のものじゃないですか。情報として頭には入れておきますが、それに対して対策を練るということはないですね」

――このトーナメントを通して、どんな試合を見せたいですか。

「道場の弟子たちにも自分が戦う姿を見せたいですし、結果がどうなるにしろ一番届けたいのは………やっぱり佐山先生ですね。佐山先生のおかげで私は今もこうして戦えています、と」

――佐山先生とは試合が決まるとお話することもあるのですか。

「年に数回『体調いかがですか?』という連絡はさせてもらっているのですが、先生がご病気されてからはなおさら先生に届けたいという気持ちは強くなりましたね」

――佐山先生に届く試合をしたいという気持ちは常に変わらないですか。

「そうですね。自分はいつも入場前に『佐山先生、見ていてください』と気持ちを入れてから入場するんですね。それは今も変わらないですし、掣圏真陰流はまだなくならないぞってところを見せたいです」

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【Gladiator026】MMA三戦目、木村柊也「対策をして試合でパフォーマンスを見せることが本当は得意」

【写真】取材時より9キロほど絞り、リカバリーは7キロほどを予定していると言う木村だった(C)MMAPLANET

本日5日(日)、豊中市の176BOXで開催されるGLADIATOR026。同大会で木村柊也が塩津良介と対戦する。
Text by Manabu Takashima

昨年12月のGladiator024での田口翔太戦でMMAデビュー、3月のGerachan68XBrave Figth31で2戦目=長男崇志戦と2試合連続初回KO勝ちを木村を修めている。合計試合タイムは驚異の1分58秒と、秒殺KO勝ちを飾っている。そんな木村は学生で全日本拳法総合選手権大会を2連覇した唯一の存在で、日拳史上最強の異名を持つ。

MMA三戦目に向け、まだ対戦相手が決まっていない状況でのインタビューで木村は調整&対策の大切さと、日拳のMMAでの生かし方、そして組み技の習得状況を話してくれた。既に一つの競技の頂点を極めた故の完成した格闘技観、木村柊也は半端なく只者でない感を醸し出している。


――プロ3戦目が5月5日のグラジエイターに出場する木村選手ですが、まだ対戦相手が決まっていないそうですね(※取材は4月4日に行われた)。

「相手が決まっていないので減量を始めることもできないですし、5月5日に戦うことは自分でも分かっているのですが、緊張感がないというのはあります。プロなので、もう少し早く相手が決まって欲しいです。プロだからこそ、2カ月や1カ月半をかけて相手の対策をして、その間の練習の成果をケージで出したいので。そういう部分で気持ちを入れるのが、大変だというのはあります」

――デビュー戦の時の準備期間は?

「ちょうど1カ月です。12月9日の試合で、11月9日にオファーがあり対戦相手も決まっていました。だから、すぐに減量を始めることもできました」

――対して3月のGrachanはライト級でしたが、それは対戦相手が決まらないということが影響していたのでしょうか。

「デビュー戦が終わって2日か3日後に、3月に試合ができることは決まっていました。それから他の試合が発表されても、自分は相手の候補すら名前は聞かされていなかったです。結局、試合の2週間前ぐらいに決まったのですが、ライト級というのが条件でした。

そこを自分が嫌うと、本当に対戦相手が見つからなくて試合ができないと思って受けました。今回も3月の試合後の1週間、10日後ぐらいに対戦相手込みでオファーはありました。自分も凄く嬉しくて『やります』と即答したのですが、その相手の選手がケガをしたみたいで……今、新しい対戦相手を探してもらっています」

――木村選手の評判の高さが、対戦相手が見つからないことに通じているのであれば、格闘競技の本質とは何かと考えてしまいます。

「自分は……そういう気持ちになったことがないので、分からないです。けど……それぞれがケージの中で自分の戦いを見せたいはずです。だから組みの選手は殴り合いをしたくなくて、自分とは戦いたくないとかあるのかと……」

――ならMMAでなく、グラップリングをしましょうよと言いたくなりませんか。

「いや、それはそういう風に思っているのかは分からないでので(笑)……う~ん、どういう気持ちでオファーを断るんですかね(苦笑)」

――と同時に日本拳法史上最強という肩書の持ち主です。いわば中村倫也級のルーキーだろうと。そうすると町道場でMMAを始めて2戦目や3戦目の選手に、木村選手と試合はさせられないと指導者が判断するのも致し方ないことかと。

「僕自身、プロ10戦ぐらいの人がどれぐらい強いのか見ていても分からないので、実際にケージの中に入って体感したいという気持ちはあります」

――押忍。ところで過去2試合では凄まじい勝ち方だけでなく、ヒヤッとする場面もありました。その辺り、どのように捉えていますか。

「自分としては、ヒヤッとすることはなかったです。決して殴られても殴り勝てば良いという考えではないですが、試合になると、視界が狭くなってしまって……デビュー戦の時はそうでしたね。

でも2戦目は慎重に行こうとして、インローから様子見をして『行けるな』と感じて仕留めに行きました」

――それが感覚で分かるものなのですか。

「そうですね。ある程度、分かりますね。20年やってきた日拳時代は向かい合った時に相手の距離、強さとか……苦手にしているところまで分かりました」

――危機察知能力もあるわけですね。木村選手がそのようになる試合をMMAでも早く見てみたい気もします(笑)。

「そういう強い人と戦う時こそ1カ月半、2カ月前のオファーが欲しいです。自分、相手の対策をして試合に出る……相手のことを知った上で、実戦でパフォーマンスを見せるのが本当は得意なんです。だから準備期間が欲しいというのはありますね」

――それが本当の木村柊也だと。

「そうですね、2週間前だと減量に集中しないといけないので。もっと準備期間があれば、もっと良いパフォーマンスを見せることができると思っています」

――「何が日拳最強だ。これはMMAだ」という感じの対戦相手が現れてほしいものです。

「それは僕も思っています。そして、そういう人を倒す自信もあります」

――おお!! ポイント制の日拳は、いえばずっと組みが続くことはなかったかと思います。そのなかでタイ人コーチとのミットや、首相撲……組みの打撃という練習をしていたことも気になります。

「ストライカーとしては、凄く良い練習になっています。テイクダウンを完全に切れなかった時、そこがヒジの距離だったりして。そこを知っているのと、知らないのでは全然違います。組みづらくなる技を教えてもらっています。そういう意味でも、凄く良い練習ができています」

――いわゆるゼロ距離。相手の組みへの対処で、日拳も一瞬の担ぎ技、崩し技はあったかと思います。その辺りの日拳の組みがMMAに生きることはありますか。

「あります。やりあっているなかで、一瞬力を抜くとか。そうやって相手を崩して、足を掛けるだとか。最後に決めるのは瞬発力。そういう部分で、凄く生きています」

――その日拳の瞬発力、持久力が大切なエレメントとなるMMAでいかに落とし込めるのか。楽しみです。

「戦っている時に100の状態を続けることは絶対に無理です。なので抜くところは抜く、その切り替えをしっかりとすることで5分間でも問題なく戦えます。パンチの当たらない距離で力をそんなに入れることもないですし、自分の距離に入った時だけ100パーセントの力で打ちます」

――そこがもう体に染みついているわけですね。

「そうですね。考えるのではなくて、その距離になった時に『当たる』という感覚で動いています」

――それはもう本能のようで、タイムラグがなくなりそうです。

「だからこそ自分の踏み込んで効かせる打撃を使い、相手が倒れなかった時は近い距離にいるのでムエタイの練習で身に着けた……あの距離でのミドル、ヒザ、ヒジを使えると思います」

――体の使い方は違うかと。

「ハイ。でも、戸惑うことは今のところはないです。基本は違うけど、やっていることは同じ。自分の持っているスタイルに、指導を受けたことを組み合わせるために調整をする。そのアジャストも自分の感覚です。

自分のスタイルがなくて、色々と教わったことを採り入れると試合で何をやれば良いのか分からなくなるはずです。まずは自分のスタイルを理解したうえで、色々と教えてもらう。だから自分の打撃に組み合わせる。そうでないと、教えてくれた人のスタイルになるだけです。自分のスタイルに、他に人のスタイルを嚙み砕いて採り入れる。それをずっとやっています」

――組み、寝技に関してはいかがですか。

「まずは基本です。打撃も足の位置、重心の位置という基本がなっていないと良いパンチは打てないです。現時点で組み技は基本通りにやっています。ここから自分のやりやすい動きが出てくるはずなので。そのために打ち込みをやって、スパーリングで確認しています。」

シングルやダブルに入られたときに、どう対応するか。何をやるかが決まっているので、それ以外の動きはしない。そうしていると自分でもなぜか分からないのですが、バランスが良くなっているように感じます」

――今日も原口伸選手のバックを正対していました。

「アレはたまたまです(笑)」

――ハハハハ。一つのスタイルを究めた強さが、本当に木村選手からは感じられます。では大阪でどのような試合をしたいのか、教えていただけますか。

「KOしか狙っていないです。判定は最初から考えていないので、試合が始まったら――相手の動きを研究して、一瞬にして落とす。それだけです。面白い試合をしていればチャンスが広がってくると思いますし、勝ち負けよりもまずは会場を沸かせる試合をしていきたいと思います」

■視聴方法(予定)
5月5日(日)
午後12時30分~ THE 1 TV YouTubeチャンネル

■GLADIATOR026対戦カード

<バンタム級/5分3R>
竹本啓哉:61.7キロ→61.65キロ
デッチプール:60.6キロ

<フライ級/5分3R>
山上幹臣:56.65キロ
今井健斗:57.1キロ

<フェザー級/5分3R>
中川晧貴:65.85キロ
水野翔:66.1キロ

<68キロ契約/5分3R>
チハヤフル・ズッキーニョス:68.35キロ
パク・サンヒョン:68.25キロ

<PROGRESフォークスタイルグラップリング64.4キロ契約/5分2R>
上田祐起:64.4キロ
江木伸成:61.75キロ

<フェザー級/5分2R>
木村柊也:66.15キロ
塩津良介:64.95キロ

<バンタム級/5分2R>
南友之輔:61.4キロ
秋田良隆:61.25キロ

<フライ級/5分2R>
古賀珠楠:57.15キロ
田中義基:56.85キロ

<ライト級/5分2R>
磯嶋祥蔵:70.4キロ
都市弦介:70.25キロ

<フライ級/5分2R>
大月宣樹:60.65キロ
カーヴィ:60.55キロ

<バンタム級/5分2R>
ルキヤ:60.0キロ
小見山瞬:61.35キロ

<フライ級/5分1R>
伊藤琥大郎:56.4キロ
塩谷尚也:56.0キロ

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45 AB Bloom FC01 F1 Gladiator Gladiator026 Grachan MMA MMAPLANET NavE o YouTube   アドニス・セビジェーノ オトゴンバートル・ボルドバートル チハヤフル・ズッキーニョス チャンネル デッチプール パク・サンヒョン ライカ 上田祐起 今井健斗 修斗 南友之輔 國頭武 山上幹臣 木村柊也 水野翔 江木伸成 竹本啓哉

【Gladiator026】計量終了 ズッキーニョスの相手がセビジェーノからパク・サンヒョンに変更

【写真】中川×水野、プログレス=上田×江木、木村&南のBRAVEゴールデンルーキー勢、この辺りのメンツの試合を楽しめると――よりグラジが面白くなる(C)MMAPLANET

明日6日(日)に豊中市の176BOXで開催されるGLADIATOR026の計量が同地のSMOKER GYMで行われた。
Text by Manabu Takashima

今大会ではメインでフライ級王座決定戦としてNavE×オトゴンバートル・ボルドバートルの一戦が組まれていたが、前者の負傷で7月7日大会に延期されている。そしてチハヤフル・ズッキーニヨスと対戦予定だったアドニス・セビジェーノが諸事情で来日できず、韓国のパク・サンヒョンと68キロ契約で対戦することに。

パク・サンヒョンは昨年11月のBloom FC01で持田哲兵を多彩な打撃で下したキャリア8勝5敗のストライカーだ。4月にRing Championshipのバンタム級トーナメント準々決勝で國頭武と戦うことが決まっていたが、減量中に倒れて病院に搬送されていた。

そのパク・サンヒョンは、アドニスが来日できないケースを想定してバックアップファイターとして主宰者が交渉を行い、試合がないケースもあるという状況下でこの一戦に向け調整してきたという。相当なハングリー精神を持ってグラジ初参戦となったパク・サンヒョン、ズッキーニョスと共に68キロ&500オーバーの契約体重戦のリミットをパスしている。


また9年5カ月ぶりの減益復帰となる山上幹臣は膚艶も良く、声が枯れるようなこともなく56.65キロで、これまた9年5カ月ぶりの計量をパスしている。

2月のGrachan大阪大会で計量失敗し、TKO勝ちもノーコンテストという結果になった南友之輔は大阪の自宅でしっかりと体重を落とし、BRAVEの同門&スーパールーキーコンビの木村柊也と共に滞りなく計量を終えた。

この他、日本人フェザー級サバイバル対決に臨む中川晧貴&水野翔の両者、フォークスタイルグラップリング対戦する上田祐起と江木伸成らも問題なく、明日の戦いに挑むこととなった。

そんななかメインでタイから来日したデッチプールと戦うバンタム級チャンピオン竹本啓哉は1度目の計量で50グラムをオーバーし、再計量パス日本記録を持つという異名通り――再計量で帳尻を合わせている。

しかし、第2試合のバンタム級でカーヴィと対戦予定だった新地魁夢は67.35キロと、リミットを6キロ上回る体重で即失格に。コブラ会の同門で計量に同行していた大月宣樹が、「アマ修斗出場に向けて、しっかり練習を積んでいる」と三島☆ド根性ノ助コブラ代表の判断もあり、試合前日にカーヴィとの対戦を承諾、計量も60.65キロで終えている。

■視聴方法(予定)
5月5日(日)
午後12時30分~ THE 1 TV YouTubeチャンネル

■GLADIATOR026計量結果

<バンタム級/5分3R>
竹本啓哉:61.7キロ→61.65キロ
デッチプール:60.6キロ

<フライ級/5分3R>
山上幹臣:56.65キロ
今井健斗:57.1キロ

<フェザー級/5分3R>
中川晧貴:65.85キロ
水野翔:66.1キロ

<68キロ契約/5分3R>
チハヤフル・ズッキーニョス:68.35キロ
パク・サンヒョン:68.25キロ

<PROGRESフォークスタイルグラップリング64.4キロ契約/5分2R>
上田祐起:64.4キロ
江木伸成:61.75キロ

<フェザー級/5分2R>
木村柊也:66.15キロ
塩津良介:64.95キロ

<バンタム級/5分2R>
南友之輔:61.4キロ
秋田良隆:61.25キロ

<フライ級/5分2R>
古賀珠楠:57.15キロ
田中義基:56.85キロ

<ライト級/5分2R>
磯嶋祥蔵:70.4キロ
都市弦介:70.25キロ

<フライ級/5分2R>
大月宣樹:60.65キロ
カーヴィ:60.55キロ

<バンタム級/5分2R>
ルキヤ:60.0キロ
小見山瞬:61.35キロ

<フライ級/5分1R>
伊藤琥大郎:56.4キロ
塩谷尚也:56.0キロ

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45 DEEP Grachan HEAT53 MMA MMAPLANET o YouTube ソン・ヒョンジョン チャンネル ユン・テスン ライカ 堀友彦

【HEAT53】ユン・テスンと王座決定戦、堀友彦「おっさんが逃げ回る試合なんて見ている人も面白くない」

【写真】タイトルマッチは3団体目、Grachanに続く2本目のベルト獲得なるか(C)MMAPLANET

27日(土)に名古屋市熱田区の名古屋国際会議場イベントホールでHEAT53「Evolution」が開催され、HEAT総合ルール・バンタム級王座決定戦で堀友彦がユン・テスンと対戦する。
Text by Takumi Nakamura

2022年11月に約4年ぶりの復帰を果たし、昨年8月には「HEAT vs AFC 対抗戦」に出場し、ソン・ヒョンジョンに一本勝ちした堀。この勝利をきっかけに今大会ではHEAT総合ルール・バンタム級王座決定戦のチャンスが舞い込んできた。試合に向かう姿勢もファイトスタイルも自然体。そんな堀が3団体目となるタイトルマッチに臨む心境を語った。


――昨年8月に続いてHEAT参戦が決まりました。この時期に試合をしたいという希望があったのですか。

「いえ、特には。話をもらってタイミングがよく決まった感じです」

――いつもの堀選手らしい自然体バージョンですね。前回のソン・ヒョンジョン戦は一本勝ちでしたが、あの試合を振り返っていただけますか。

「頑張りましたね(笑)。相手がすごい強そうだったんで、しっかり仕上げないとまた壊されちゃうと思って、気合いが入っていました」

――実際にヒョンジョン選手と戦ってみていかがでしたか。

「予想通りガツガツ来て、強いというか力もあって。僕のパンチが当たっても全く全く効いてなかったなと思いました」

――パンチが当たった感触、これは効いたなというものはあったんですか。

「一発だけあったんですけど、なんてことない感じでした(苦笑)。何事もなかったかのようにしていて、逆に殴られましたね。ただ僕としてはガツガツ来てくれてよかったです」

――堀選手はファイトスタイル的にガツガツ来る相手をコントロールするのも得意ですか。

「そうですね。僕自身そんなに踏み込みやスピードがある方じゃないのですが、自分からプレッシャーをかけたり、相手が来るところに合わせたり。前回はもともと相手がガンガン来てくれるタイプだったんで、そういう試合になりました」

――試合中にどこかで相手が失速する・コントロールできるという感触はありましたか。

「首(ギロチン系)は何回かいけそうでした。それこそ練習だと割と取れる感じに入っていて、得意と言えば得意なんですよ。でも相手がしっかり技を知ってる感じで対処されました」

――でも結果的にあの首へのプレッシャーがあったからこそm、最後はRNCで一本勝ちできた流れだったかなと思います。試合前には「KO勝ちしたい」と話していて、結果的に一本勝ちでした。

「もちろん一本勝ちもうれしいはうれしいですよ。でもやっぱり…KOしたいはしたいですよね(笑)」

――堀選手自身、前回の一本勝ちで自信になった部分はありますか。

「そうですね。ああいう体が強い選手にも勝てたわけですし、自分のやっていることも間違っていないなと。トータル的には分からないですけど、強くなってる部分はまだあるなと思いました」

――ヒョンジョン選手は堀選手に負けた後も2連勝していて、戦績的にも堀選手に負けた試合が唯一の敗戦(7勝1敗)なので実力のある選手です。

「僕もネットでヒョンジョン選手の戦績を見たときに『うわ、あれから勝ってる!』と思って、なんかちょっとうれしいです」

――試合の振り返りにもつながりますが、堀選手のように相手に合わせて戦うスタイルは年齢・キャリアを重ねても、しっかり強くなれるスタイルだと思います。

「そうかもしれないですね、僕は若い頃からフィジカルが強いわけでもないし、スピードがあるわけでもないし、一発があるわけでもない。でも色んな技術を全部ごちゃごちゃさせながら、最終的に勝つみたいな感じだったんで、それでこの年齢になってもできているのかなと思います」

――練習では若い選手たちに揉まれて、そういう環境もプラスになっているようです。

「かもしれないですね。20代中盤ぐらいの子たちと練習していて、やられちゃうこともあるんですけど、そういう時にもまだ悔しいなとか思うんで、それで頑張れている感じもありますね」

――今回の対戦相手=ユン・テスン選手にはどんな印象を持っていますか。

「結構、シャープ打撃を打つなという感じのストライカーですね。成績を見たらデビュー戦だけ負けて、それ以外はずっと勝ってるみたいなので、間違いなく強いだろうし、ああいうシャープの打撃はもらっちゃうと危ないなと」

――前回対戦したヒョンジョン選手と同じ打撃系ですが、パンチの質が違いますね。

「そう思います。前回の選手はパンチがキレるというかガツガツきて、相手に嫌な感じを与えて倒すタイプですけど、今回の相手は失神はさせられないけど、パッとフラッシュ(ダウン)を取るようなタイプだなと思っています」

――なぎ倒すよりも切れるタイプですね。

「もしクリーンヒットがあっても失神はしないと思うんですよ。でも膝をついちゃうとか、そういうことが起こりそうなので、そこを気をつけながらもらわないように。ただおっさんが逃げ回る試合なんて見ている人も面白くないと思うので、どこかで真正面から行ってみたいなと思ってます」

――しかも今回の試合はHEAT総合ルール・バンタム級王座決定戦です。こういうチャンスが巡ってきたことをどう思いますか。

「ありがたいですよね。前回HEATに出させてもらって、そこで勝って、今回こういう話をもらって。本当にありがたいです」

――堀選手の今の年齢やキャリアにおいて、ベルトはどういう意味があるものですか。

「どうだろう…」

――前回の試合前のインタビューはお子さんをセコンドに入れたり、家族のために自分が戦う姿やベルトを巻く姿を見せたいのかなと。

「今言われて思ったんすけど、それはあるかもしれないですね。Grachanのベルトを持っていたときは次男がまだ赤ちゃんだったんで、よく分かっていなかったと思うんですよ。だから今回ベルトを獲れたら、次男にベルトを見せてあげたり、持たせてあげたいなと思います」

――またあのインタビューでは「(格闘技を続けているのは)依存症みたいなもの」「自分自身が満足したい」と話していて、そういう姿勢の堀選手にタイトルマッチのチャンスが巡ってくるのも、不思議なものだなと思います。

「本当にそう思いますよね。タイトルマッチをやりたい・ベルトが欲しいと言っていても、一回もベルトに絡めないまま辞める人も多いので。そういう意味では恵まれてますよね。DEEP、Grachan、HEAT。3団体でタイトルマッチをやらせてもらっているので」

――今回はどんなファイトを見せて勝ちたいですか。

「攻めていきたいって感じですね。相手がシャープな打撃を持っているんで、それにびびって引いちゃうと、多分何もないままズルズルいっちゃうと思うので。何にせよ、とにかくはっきりした形で終わるように行かないとって感じですね」

■視聴方法(予定)
4月29日
午後3時00分~ HEAT オフィシャルYouTubeチャンネル

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