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F1 Gladiator017 MMA MMAPLANET o Progress   カルリ・ギブレイン フェルナンド レンジャーハント 中西テツオ 久保健太 井上啓太 八木敬志 土肥潤 大番高明 森戸新士 櫻井雄一郎 清水俊一 田中智也 神田T800周一 福島啓太 竹本啓哉 赤澤智哉 長田拓也

【GLADIATOR017】計量終了 ヘビー級&バンタム級のタイトル戦。渋いバンタム級&ライト級2試合に注目

【写真】今大会出場全選手と櫻井雄一郎グラジ代表(C)MMAPLANET

5月1日(日)、大阪府豊中市の176boxで開催されるGLADIATOR017の計量が30日(土)に同市のSMOKER GYMで行われた。

Gladiatorヘビー級チャンピオン大番高明が、カルリ・ギブレインの挑戦を受けるタイトル防衛戦、そして神田T800周一と福島啓太の間でバンタム級王座決定戦が組まれる同大会。

フェルナンド×田中智也、赤澤智哉×ビリー・フーカー、森戸新士×長田拓――也柔術家とMMAファイターの競演=Progress提供のフォークスタイル・グラップリングマッチ出場の6選手を加え、15試合=30選手中29人のファイターが本計量でクリアしている。


唯一、第1試合のバンタム級戦で小川隼人と対戦する大和が50グラムオーバーだったが、再計量で問題なくリミット以内まで体重を落としている。

タイトルマッチ以外にも竹本啓哉×エダ塾長こうすけ&土肥潤×清水俊一という渋いバンタム級グラップラー対決。

加えて6年5カ月ぶりの実戦復帰となるレンジャーハント×柔術とMMAの二足の草鞋を履く井上啓太、さらにDREAMERSから外敵というMMAファイター人生を選択した八木敬志×後藤陽駆という今後のタイトル戦線に関係してくるであろうライト級戦など、楽しみな試合が多いGladiator017出場、全選手の計量結果は以下の通りだ。


■ GLADIATOR017計量結果

<Gladiatorヘビー級選手権試合/5分3R>
[王者] 大番高明:113.3キロ
[挑戦者] カルリ・ギブレイン:105.7キロ

<バンタム級王座決定戦/5分3R>
神田T800周一:61.1キロ
福島啓太:61.2キロ

<バンタム級/5分2R>
竹本啓哉:61.2キロ
エダ塾長こうすけ:61.15キロ

<ライト級/5分2R>
井上啓太:70.05キロ
レンジャーハント:69.95キロ

<バンタム級/5分2R>
土肥潤:60.9キロ
清水俊一:60.95キロ

<フォークスタイル・グラップリング70キロ契約/5分2R>
フェルナンド:69.3キロ
田中智也:67.7キロ

<フォークスタイル・グラップリング73キロ契約/5分2R>
赤澤智哉:70.4キロ
ビリー・フーカー:72.35キロ

<フォークスタイル・グラップリング75キロ契約/5分2R>
森戸新士:74.25キロ
長田拓也:74.50キロ

<フライ級/5分2R>
中西テツオ:56.7キロ
久保健太:56.45キロ

<バンタム級/5分2R>
上荷大夢:61.55キロ
谷口武:60.75キロ

<ライト級/5分2R>
八木敬志:69.85キロ
後藤陽駆:69.95キロ

<バンタム級/5分2R>
佐々木陽太:60.95キロ
別所竜也:61.05キロ

<フェザー級/5分2R>
桑本征希:65.95キロ
伊賀GORI:65.55キロ

<フライ級/5分2R>
松原聖也:56.55キロ
尾崎聖太:56.55キロ

<バンタム級/5分2R>
大和:61.25キロ→61.2キロ
小川隼人:69.9キロ

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DEEP F1 Gladiator016 Gladiator017 MMA MMAPLANET o PRIDE UFC カルリ・ギブレイン キック 修斗 大番高明

【GLADIATOR017】メインでヘビー級王座防衛戦、大番高明「話を頂いたら─有難うございます。やります」

【写真】対戦相手が限られているがゆえに、試合の機会を逃すことがないヘビー級戦士(C)SHOJIRO KAMEIKE

5月1日(日)、大阪府豊中市の176boxで開催されるGLADIATOR016で同ヘビー級王者の大番高明がカルリ・ギブレインを挑戦者に迎え、ベルトの防衛戦を行う。
Text by Shojiro Kameike

旧体制グラジエイターでヘビー級のベルトを巻いていた大番は、新体制下でも初代同級王者に認定された。新生グラジエイターのヘビー級王者としては、今回が初防衛戦となる。

2007年にプロデビューした大番は、国内ヘビー級の中でもベテランの域に達した。今回、2年半ぶりにMMAを戦う大番に、ヘビー級での歩みと試合への意気込みを訊いた。


――試合前に恐縮なのですが、大番選手に以前から一つお聞きしたいことがありました。

「はい、何でしょう?」

――かつて大番℃-Boy高明というリングネームで試合をしていましたが、この℃-Boyとは一体何だったのでしょうか。

「アハハハ、ヒップホップが好きで、B-BOYという言葉をもじったものなんですよ。さらに℃を使ったのは、当時℃という文字を使っていたアイドルがいて。でもあれでシーボーイと読むのは難しかったですよね。リングネームをひねりすぎました(笑)」

――その℃-Boyをリングネームに入れていた頃は、修斗のミドル級(83kg以下、当時)で試合をしていましたよね。その大番選手がなぜ、ヘビー級に転向したのか……。

「最初は修斗のミドル級で、5試合ぐらいしました。新人王の頃は対戦相手がおったんですけど――これは各プロモーションに言えることで、国内では83キロの選手が少ないから試合がなくて。僕は普段100キロぐらいあるんですよ。そこでデモリッション・ウエストから、100キロの選手と試合しないかというオファーがあったので、1試合ヘビー級で戦ったんです。その試合で、100キロでも意外とやれるかな、と思って。そのあと前体制のグラジエーターで、戦闘竜選手と試合することになったんですよ」

――2011年9月に地元・広島で、かつてPRIDEにも出ていた戦闘竜選手と対戦していますよね。

「これはヤバいなぁと思って(笑)。自分はPRIDE世代で、メッチャPRIDEで見ていましたから。もちろん自分が噛ませ犬のようなポジションでしたけど、結果は120キロぐらいある戦闘竜選手にRNCで勝ったんですよ。そこからですね、減量せずに100キロぐらいでも戦えると思ったのは」

――当時、大番選手が戦闘竜選手と対戦することも意外でしたし、後に試合映像を見ても大番選手が勝利した瞬間の会場の盛り上がり様は凄まじかったです。

「メチャクチャ盛り上がっていましたよね。今でもあの試合のことを言われます。みんな噛ませ犬が勝つとは思っていなかったでしょうし(笑)。僕もまず戦闘竜選手と試合できるっていうのが嬉しかったし、自分のキャリアの中で大きな山場でした。もう10年経ちますけど、あの試合がなければ、たぶん今は格闘技をやっていないでしょうね」

――MMAを始める前から、体重は100キロあったのでしょうか。

「そもそも柔道をやっていたんですけど、その頃から普段は100キロ弱あって、試合は90キロ級に出ていました。アマチュア修斗に出始めた頃は、そこから減量して当時のクルーザー級(90キロ以下)で試合をしていたんですよ。でも、やっぱりクルーザー級は選手が少ないから、3年目ぐらいに83キロまで落として、プロ昇格しました。

それが当時から83キロは選手が少なくて……今はウェルター級(77.1キロ以下)でも試合が少ないじゃないですか。逆に、今はヘビー級選手のほうが試合しているイメージもありますよね」

――確かに現在はDEEPメガトンをはじめ、国内でもヘビー級の試合が増えていますよね。もともと柔道をやっていた大番選手が修斗からMMAを始めるようになったキッカケは何だったのでしょうか。

「柔道を中高で6年やっていたんですけど、中学校の時に外部コーチとして藤田先生が来ていたんですよ」

――藤田先生とは、藤田柔術の藤田善弘さんですか。

「そうです。僕にとって藤田先生は、もともと柔道の先生だったんです。藤田先生は町道場で子供たちに柔道の稽古をつけたり、学校の部活で顧問とは別の外部コーチとして来たりしていて。それで高校は弱小柔道部だったけぇ、自分が一番強かったんです。すると藤田先生が『大番、これでは柔道の練習にならんじゃろう? 俺らは夜に柔道とは別のことをやっとんじゃけど、やったら柔道に生きるけぇ』と誘われて行ったのが、今のパラエストラ広島の始まりですね。藤田先生が集めた仲間と総合格闘技や柔術の練習をして。そこで練習していると、柔道より面白くなってきて。それが高校1年生の終わりぐらいでした」

――パラエストラ広島の創成期ですね。当時の練習場所は、まだ公共施設だったのでしょうか。

「そうですよ。だから7時ぐらいから練習し始めて、9時半ぐらいになったら電気を消されるんです。電気を消されたら、みんな帰るという(笑)」

――アハハハ、古き良きエピソードです(笑)。

「結局、そっちの練習のほうが面白くなって。柔道は高校で終わりにして、アマ修斗に出始めました。それで修斗でプロになった、という感じですね」

――ミドル級からヘビー級に転向し、減量などは楽になったのでしょうか。

「減量は楽になりましたけど……相手もデカいから、プレッシャーは凄いですよね(苦笑)。83キロだったら、自分は割と背が高いほうだったんですよ。でもヘビー級では、相手が縦も横もデカいなって」

――グラジからIGFを経て、2016年3月にはPXCで現UFCファイターのロッキー・マルチネスとも対戦しています。

「ロッキーは、身長は高くないけど横はデカくて、やねこい(広島弁で「つらい」の意)相手でしたね」

――そのマルチネス戦は壮絶な打ち合いの末、KO負けを喫しました。ヘビー級は相手のサイズが大きくなるぶん、打たれるとダメージも溜まりませんか。

「でもミドル級でもパンチが強い選手はいますからね。ヘビー級はダメージが溜まるより、パンチを食らったら一撃で意識が飛ぶんですよ」

――なるほど……そうしたヘビー級での歩みについて、ご自身ではどう考えていますか。

「重量級は相手がいないんで、来た話を片っ端からやっちゃろう。そういう感じで試合をしていました。MMAに限らずキックも、ラウェイもやったし。ありがたいことに、当時のグラジエイターのプロモーターさんがIGFやグアム(PXC)、韓国(2016年10月にAngel’s FCでイム・ジェンスと対戦)の話をくれたりして。お話を頂いたら『有難うございます。やります』っていう感じでした。使ってもらえるなら、どんな試合でも」

――Angel’s FCから前回の新生グラジエイター参戦、2019年7月のホネル・マツダ戦までMMAの試合は行っていなかったのですよね。

「はい。それは単にオファーが無かっただけですね。あと当時は地元で自主興行をやっていました。広島の格闘技を盛り上げたくて。自分はMMAファイターですけど、使っていただけるなら何の試合でもいいです」

<この項、続く

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F1 Gladiator016 Gladiator017 MMA MMAPLANET o ROAD FC UFC パンクラス ビリー・フッカー フェルナンド フランキー・エドガー レンジャーハント 中西テツオ 中西哲生 久保健太 井上啓太 八木敬志 土肥潤 森戸新士 清水俊一 田中智也 神田T800周一 神田周一 福島啓太 竹本啓哉 赤澤智哉

【GLADIATOR017】福島啓太とバンタム級王座決定戦、神田周一「あの頃の価値観が根底にあるままです」

【写真】冬の時代=意外と純粋な時代。人によっては引きずっているという風に見るかもしれないが、夢を追い続けるってそういうことかと(C)MMAPLANET

5月1日(日)、大阪府豊中市の176boxで開催されるGLADIATOR016で、神田T800周一が福島啓太とGladiatorバンタム級王座を掛けて戦う。

2年2カ月前に取り逃したベルト、この間のグラジエイターでのファイト通じて自身のMMAの完成を目指すようになった神田にインタビュー。技術面、判定基準という話題の中で神田の明確な──あの頃のMMAを追求する姿勢が明らかとなった。


――福島選手とバンタム級王座を賭けて戦います。この王座ですが、2020年2月に竹本啓哉選手と王座決定戦で戦い敗れたベルトです。その竹本選手が、体重オーバーでタイトル剥奪となり、再び王座決定戦を戦うこととなりました。

「僕もグラジエイターに定期的に出場させてもらって2年以上になるのですが、竹本選手のことはずっと戦友であり、ライバルだと捉えていました。その彼がチャンピオンとして活動する姿を見るのは正直悔しかったです。でも、そんな彼があの失態でベルトを失った。自分が定期的に戦っている場所で、ベルトを持つ人間がああいう風になった時は悔しくて、もどかしかったです。自分が情けなかったですし。だからこそ、ベルトを獲ってしっかりと磨きたいと思います」

──1月大会で福島選手が、その竹本選手に判定勝ちを収めベルトを賭けて戦うことになりました。正直なところで、あの判定は最近の打撃有利的な部分が顕著になったようにも感じました。

「これは結構ぶっちゃけて言うと……僕はモニターをチラチラ見ながら、自分の試合が近いのでスタンバっていました。で、竹本がずっとバックを制していて。これは王座決定戦でまた竹本と戦うことになると思っていたんです。そこから集中しなおして、試合開始を通路の奥で待っていたら判定で竹本が負けて、ひっくり返りそうになりました(笑)」

──日本のMMAのジャッジの判断やブレイクの判断は、ずいぶんとストライカー寄りになってきたと思います。コントロールやポジション奪取は、ダメージを与えないということで評価が低くなった。もう、そういうモノになったと考えるしかないのかという想いもあります。神田選手はそういう裁定を意識することはありますか。

「僕の場合はゴールは一つ、サブミッションです。コントロールに関しては、パウンドとセットかなというのもあります」

──ただタメージのあるパンチを繰り出すと、上体を起こしてスペースを与えることになります。すると差されて立たれる。スクランブルに持ち込まれます。だからパウンドも難しいですよね。

「そう言った組み技が軽視されかねない今だからこそ、逆にクラシックなグラップリングにチャンスがあると思っています。寝かせ方もインスタントな格闘技をする人は、分かりやすい立ち方、逃げ方をしてくるかと思います。だからこそ、渋いゴールに誘う戦い方をしようかというのはあります」

──インスタントな格闘技、良い表現ですね。そこに神田選手がずっとやってきたことで打開したい?

「そうですね。僕は格闘技が冬の時代と言われた2010年代を何とかサバイブしてきた人間なので、やはりあの時代にやってきたことがベースになっています。僕のMMAは今時のちょっとインスタントで……ニータップといえばフランキー・エドガーでなく、朝倉未来選手になる世代とはチョット違うと自覚しています。制圧することこそ、格闘技だと思っている節が僕にはあるので(笑)」

──制圧。ドミネイターですね。話が振りやすくなりました(笑)。旧友、弥益選手の人気をどのように捉えていますか。

「嬉しいです。評価されて然るべき、面白いし勝っているし。しかも、やっていることは変わっていない。格闘技に対してはピュアなままですしね。言えば僕もサラリーマン・ファイターで、取捨選択をしないといけない子育てをしている人間です。だから参考にしているし、活躍が嬉しいです。その一方で、弥益の活躍は嬉しくても対比軸として不良カルチャーがあり、真面目なサラリーマンが戦う対比構造は陳腐だなと思っています。

弥益は素晴らしいと思っています。まぁマーケットの判断なんですけど、自分の信念というか。さっきの判定問題もそうですが、自分のMMAを追求する。タイトルマッチで勝ちたいというのも大きいですけど、インスタントに勝って人気者ごっこをしたいわけじゃないです。本当の強さに少しでも触れたい。自分がそういう存在になりたいという気持ちが強いです」

──人気的に冬の時代、皆がUFCを目指していた時代のMMAを神田選手は追及しているということですか。

「インスタントな格闘技人気が上昇したことで、若い人がMMAを始めたり、他競技から本気で転向してくるのは本当に良いことだとは思っています。これは本当です。とはいえ、僕の価値観は川尻選手がUFCで戦っていた時代にあります。日本はもう離されてはいたけど、北米を目指していたあの頃の価値観が僕の根底にあるままです」

──捉え方は違うのですが、K-PLACEの裁定方法から逆算した作り方も、十分に北米的でないでしょうか。

「僕もパラエストラ松戸で荻窪祐輔選手と練習していたことがあり、小池(義昭)代表が相当に熱心に指導されているジムだという印象を受けました。パンクラスでもランカーが多いですし、本当にきめ細かな取り組みをしていると思っています。でも、僕はここまでやってきたことを出すしかないです。ポイントゲームに長けている可能性もありますが、相手云々よりも自分がやってきたことをぶつける。そこが重要になってくるかと思います」

──つまりはテイクダウンして、コントロールすることを目指すファイトになるということでしょうか。

「そうです」

──とはいえ、だからこそ立ちの部分が大切になって来るかと思われます。

「僕も31歳になりますけど、立ち技に限らず技術の最終的な紡ぎ方、纏め方が分かってきました。組みなら差し、打撃ならワンツー。そこの完成度は上がってきている。その実感があるので、打撃も積極的にいけると思います。ざっくりした言い方になると、こっちから創っていこうと思います。あの強振を警戒しつつ、打撃と組みと自分の試合を創っていこうかと思っています。尻もちまでは行けるので、止まらずに攻め続けるとポジションも取れると思います」

──打撃が紡げて来ている要因は?

「それは冨樫健一郎選手との対話です」

──おおっ、冨樫選手ですか!!

「ハイ。冨樫さんと対話をするなかで、だんだん見えてきたというか。それこそ竹本戦の反省のようなモノが2年弱掛けて、この間の土肥戦で出てきたと思ったんです。長いストレート、下から突き上げるストレートであったり。僕が即効性を持って取り組めば、すぐに手に入れることができたモノかもしれないですけど、色々な人と戦いながら準備していくなかで、竹本戦でできなかったものが繋がって来るような感覚が最近多くて。そういった取りこぼした部分をしっかりと紡いでいけば、この年齢でも飛躍的に伸びることがあると実感できました。

ここまでやってきたことは福島選手にはハマりやすいかとは思っています。その理由は試合前には言えないですけど……。いつも通りのことを欲もかかず、慢心もせずカツカツとやっていけば勝てるのではないかと思っています」

──そうすれば磨きたいベルトも手に取れると。

「僕は自分が追及しているMMAを究めたいという気持ちが強いです。ただグラジのベルトに関しては……、ファイトマネーに関しても、高く評価していただいています。プロの試合に出ているのでお金もそうですけど、櫻井代表の姿勢ってコロナ対策という部分でもグラジエイターという格闘技イベントの在り方を選手に向けて、凄い熱量で話してくれたことがありました。関西であの規模のイベントを続けるって大変だと思います。そういうグラジエイターに感謝しているからこそ、このベルトを獲って磨きたいと思うんです」

──そのグラジエイターでプログレス提供試合のグラップリングマッチが組まれています。あの試みに関して、組み系MMAファイターの神田選手はどのように思っていますか。

「MMAファイターが強くなるという部分では、実は僕のような組み主体の選手が打撃なしでアレをやると遠回りになるかと思っています。ただ打撃系や、特にキッズですね。キッズにあの打撃のないMMAをしみ込ませていると、それこそ米国でカレッジスタイルのレスラーが強いように、これからの世代が強くなるのではないかというのが僕の考えです」

──なるほど、それは非常に興味深い発想です。

「僕らのような世代、練度になっているとMMAを強くするには、MMAをやるのが一番だと思います。でも、あのルールは見ていても面白くなりそうなグラップリングですし、しっかりと広めてほしいルールです。そういう動きがでてくるということはMMA、根本から見直す時期が来ているのかもしれないですね(笑)。

僕は金網に潜りますよ。名もなき技術と、そして金網を心中するつもりもあります」

──おお、でも心中しないのが一番ですので。タイトル戦後をどのように考えていますか。

「ベルトを磨くことと自分を磨くことは一致していると思います。団体の利害と個人の利害が一致するというわけじゃないのですが、さらなる挑戦をしていきたい。強い相手とやりたいです。ポスト・コロナが見えてきたので、グラジエイターに強い選手を呼んでほしい。僕、ホントにケージが好きなんです。だから、ROAD FCとかHEX FSとか挑戦したみたいです」

──おお、渋いところをつきますね。

「北米挑戦を高らかにできない、北米志向なんです」

──アハハハハ。

「だからそういう大会に挑戦して、グラジエイターのベルトも守っていきたい。グラジエイターが業界に一石を投じるイベントになり、そこを背負える選手になりたいと思っています」

■ Gladiator017対戦カード

<Gladiatorヘビー級選手権試合/5分3R>
[王者] 大番高明(日本)
[挑戦者] カルリ・ギブレイン(ブラジル)

<バンタム級王座決定戦/5分3R>
神田T800周一(日本)
福島啓太(日本)

<バンタム級/5分2R>
竹本啓哉(日本)
エダ塾長こうすけ(日本)

<ライト級/5分2R>
井上啓太(日本)
レンジャーハント(日本)

<バンタム級/5分2R>
土肥潤(日本)
清水俊一(日本)

<フライ級/5分2R>
中西テツオ(日本)
久保健太(日本)

<バンタム級/5分2R>
今村豊(日本)
谷口武(日本)

<ライト級/5分2R>
坪内一将(日本)
中西哲生(日本)

<ライト級/5分2R>
八木敬志(日本)
後藤陽駆(日本)

<バンタム級/5分2R>
佐々木陽太(日本)
別所竜也(日本)

<フェザー級/5分2R>
桑本征希(日本)
伊賀GORI(日本)

<フライ級/5分2R>
松原聖也(日本)
尾崎大和(日本)

<フォークスタイル・グラップリング75キロ契約/5分2R>
森戸新士(日本)
川崎聖太(日本)

<フォークスタイル・グラップリング73キロ契約/5分2R>
赤澤智哉(日本)
ビリー・フッカー(豪州)

<フォークスタイル・グラップリング67キロ契約/5分2R>
フェルナンド(ブラジル)
田中智也(日本)

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F1 Gladiator017 MMA MMAPLANET o UFC コンバット柔術 岩崎正寛 森戸新士 江木伸成 濱村健 生田誠 田村ヒビキ 神田T800周一 福島啓太 藤井章太 金原正徳 長田拓也

【Gladiator017】フォークスタイルGで長田拓也と対戦、森戸新士「柔術の試合とは全然違う疲れ方でした」

【写真】ケージとMMAグローブで、森戸がMMAファイターの壁になる。そんなグラップリングの将来像も楽しい(C)MMAPLANET

5月1日(日)、大阪府豊中市の176boxで開催されるGLADIATOR017にて、プログレス提供試合フォークスタイル・グラップリングマッチで森戸新士が長田拓也と対戦する。
Text by Shojiro Kameike

今年1月、GLARIATORのケージで初めて行われたプログレス提供試合に出場した森戸は、濱村健を相手に三角絞めを極めて勝利した。しかも引き込んで相手に2ポイントを献上しながら極め勝つのも、フォークスタイル・グラップリングルールの醍醐味であっただろう。今回もMMAファイターである長田との対戦となるが、そこで柔術家森戸はどんな試合を見せてくれるのか。MMAで強くなるためのルール――そんなプログレスルールで、柔術家としての強さを見せる森戸に、柔術とプログレスルールを並行して戦っていくことについて訊いた。


――最近は広島~山口の選手にインタビューすると、必ずといっていいほどお名前が出る森戸選手です。

「ありがとうございます(笑)。レオス柔術アカデミーを開いたのが、2020年2月ごろでした。まだスタートして1年数カ月なんですけど、MMAの強豪選手や柔術の黒帯選手が出稽古に来てくれて。あとは地方でやっている紫帯の選手とかも来てくれています。そうやってレオスを頼ってくれるのは嬉しいですね。僕自身の練習にもなりますし、お互いにメリットがあるなら、そういった練習会は続けていきたいです。選手が集まって、みんな良い環境で練習して――関東の選手に勝てるように。その意味では、良い流れができています」

――良い流れ……そうですね、それだけ各地方でも首都圏に劣らない練習環境が整いつつあるのだなと思います。

「僕も今、格闘技専業になったので柔軟に動けるようになったのかなと思います。でも柔術だけでなくMMAでも、地方だと専業の選手は少ないですよね。だから昼間にプロ練ができないんです。本当なら昼間にプロ練をして、夜は一般会員さんのクラス指導に集中する。そうすると僕も、より自分の練習に時間が割けるので、理想は昼にプロ練ができるようにしていきたいです。岩崎さんのところは昼にプロ練やっているんですよね?」

――岩崎正寛さんのカルペディエム芦屋は、そうですね。森戸選手がレオスで行われていることは、岩崎さんがカルペディエム芦屋で行われていることと重なる部分は多いです。

「関西まで行くと、中国・四国地方よりは専業の選手も多いと思うので、集まりやすいのでしょうね。ウチでいうと摩嶋(一整)さんが来るのは土曜日で、神田(T800周一)さんは仕事の都合で来られるのは別の曜日なんです。藤井章太さんは一緒にレオスで練習しているので、よく組めたりしているんですけど……バラつきがあるので、みんなが集まることができる環境になれば良いですね」

――そこで森戸選手に、レオスで練習している選手についてお聞きしたいと思います。まず摩嶋選手については、どのような印象を持っていますか(※取材は4月12日――摩嶋×金原正徳戦より前に行われていた)。

「摩嶋さんは、レオスを開いて数カ月ぐらいのタイミングから来られていて。でもクレベル戦のあとに『もっと組みたい』ということで、週1ペースで必ず組むようになりました。おかげで土曜日はメッチャ疲れるという(笑)。僕が協力できるのはグラップリングの面だけで、MMAのお話は難しいんですけど……摩嶋さんは対応力が凄くて。1回入った技は、もう次かその次の練習の時には入らなくなっています。だから僕も毎週、土曜日はどう摩嶋さんを攻略しようか考えているんですよ。摩嶋さんもUFCなどを見た技を練習でかけてきて、『これはどうですか?』ということを聞いてきたり。お互いに強くなることができているんじゃないかな、と思います」

――なるほど。次に5月1日(日)、福島啓太選手とのGLADIATORバンタム級王座決定戦を控える神田T800周一選手について教えてください。

「神田さん、ツイッターでイジっていますね(笑)。神田さんと定期的に練習するようになったのは最近の話なんですけど、それまでも僕が藤田柔術で練習している時に、神田さんが出稽古に来られたりとか。ただ、その時はギの練習でした。今レオスではギのクラスに参加してくれて、そのあと残ってノーギのスパーをしています。

神田さんは総合力に長けていますよね。ギの練習をしていると、僕も崩せたりするんです。でも距離が近くなると――MMAの距離になると、一気に強さを発揮します」

――MMAの距離ということはケージ際、ジムでいえば壁際の強さもあるのでしょうか。

「神田さんと壁の練習は、そんなにはやっていないんです。体重差もあるので。それでも壁際の技術は本当に巧いなと思います。まずポジションを取られても極めさせない技術が凄いんですね。そこから神田さんが逃げて、最終的には上を取っている。そういう展開が巧いので、さすがMMAの選手だなって思います」

――逃げて上を取る、神田返しについてはいかがですか。

「僕も神田返しは食らいました。柔術とは違うペースでスイープされるので、やりづらいです。相手が逃げると自分も疲れますし、MMAではそこに打撃が入ってくると考えたら、やっぱり怖いですよね」

――そしてもう一人、レオスでインストラクターを務める江木伸成選手が5月7日のHEATに出場し、コンバット柔術ルールで生田誠選手と対戦します。

「江木さんはすごくガードが強い選手ですね。摩嶋さんも江木さんと組んで、パスガードについては良い練習になっていると思います。もともと柔道をやっていたので立ちも強いですし、上を取った時のバランス感覚も良くて。それとMMAの練習もやっているんですよ」

――そうなのですか!

「藤井章太さんのMMAクラスにも参加していて、ノーギのテイクダウンにも力を入れています。だから総合的なグラップラーになってきていますよね。生田さんも柔術界のレジェンドで、ガードの強い選手ですから、その生田さんをどうパスするのかも見てみたいです」

――そう考えると、お互いガードの選手なのですね。

「江木さんは生田さんのセミナーを受けたことがあると言っていました。ガードについては、メチャクチャ生田さんの試合を参考にしているんですよ」

――その両者が対戦するとは、意外な事実です! ここで江木選手が勝てば……ある意味、師匠超えですね。

「アハハハ、でも簡単に超えられる壁ではないですからね。僕もどういう試合になるのか、本当に楽しみです。まず試合が始まって、どちらがどのポジションを取るのかは見どころです」

――では森戸選手ご自身の試合についてお聞きします。今年1月のグラジエイターにて、プログレスのフォークスタイル・グラップリングルールで濱村健選手に、三角絞めで一本勝ちしました。

「ケージを使ってガッツリ組んだのは、あの試合が初めてではなかったんです。でも……疲れました。やはり壁があるかどうかで、攻防が変わってくるので。マットで戦うノーギだと、壁際でテイクダウンを狙いに行くことがないですよね。だから僕も力の抜きどころとか、それほど分かっていなくて。1Rが終わった時に腕がパンパンになっていました。柔術の試合とは全然違う疲れ方でした」

――昨年12月に闘裸男で、田村ヒビキ選手とケージ・グラップリングを戦った時は、それほどケージ際の攻防が無かったですね。

「そうですね。あの試合は引き込んでもマイナスポイントはなかったので、すぐに引き込んでから足を狙いに行きました。あとはグローブもなかったので。僕としては、グローブがないほうが戦いやすいです(苦笑)」

――引き込みに対するマイナスポイントだけでなく、MMAグローブを着けて戦うのは素手だとケージに体の間に掌が入った時の負傷の防止のためで、プログレスのフォークスタイル・グラップリングの特徴です。

「あれはビックリしました(笑)。普段、MMAグローブを着けることがないので……掴む感覚も違いますし、グリップも疲れますから」

<この項、続く


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【GLADIATOR017】久保健太と対戦、中西テツオ─02─「好きだからMMAをやっている、それだけなんです」

【写真】1月の前回大会では 坪内一将を71秒RNCで下している中西(C)MMAPLANET

5月1日(日)、大阪府豊中市の176boxで開催されるGLADIATOR016で、久保健太と対戦する中西テツオのインタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

2014年にGLANDSRAMでプロデビューを果たした中西は、MMAで3連勝を収めたものの、2016年から2年近くもの間、勝利から遠ざかることに。そんな中西のキャリアを変えたキッカケが、2017年から始まる中国での戦いだったという。現在は3連続一本勝ちの中西は、新天地グラジエーターでどんな試合を見せるのか。インタビュー後編では、中国で体験したまさかの出来事と、自身の変化について訊いた。

<中西テツオ・インタビューPart.01はコチラから>


――中西選手は2017年10月からWLF(武林風)とGlory of Herosなど、中国で試合をしていますよね。

「中国では5試合しました。当時はみんながUFCに出たい、ONEに出たい、海外で試合をしたいと言っている時期で。単純に僕もそれに憧れて、海外で試合があるよと言われて『いいなぁ』と思いました(笑)。本当に何も深くは考えていなかったです。

僕の中では、中国で試合をしたことは楽しかったです。現地での移動時間が長かったり、いろいろトラブルがあったりして。でも、すごく良い経験ができました」

――トラブルとは?

「初めて行った時は、試合会場がチベット(馬爾康市…バルカム、四川省にあるアバ・チベット族チャン族自治州)だったんです。まず上海に着いてから飛行機を乗り継ぎ、さらに空港から会場まで車で10時間半ほどかかりました(苦笑)。山の中にある町なので、空気が薄くて。着いた瞬間に『アレッ?』と分かるぐらいでしたね。しかも、到着した日に地震が発生して大会も中止になったんです」

■九寨溝(シルツァデグ)地震
2017年8月8日21時19分(現地時間)、中国四川省のアバ・チベット族チャン族自治州九寨溝県で、マグニチュード7.0の巨大地震が発生した。大会開催が予定されていた馬爾康市は九寨溝県の南西に位置し、現地では8日と9日の2日間にかけて『武林龍中対.17』の開催が予定されていた。

「僕たちがいた地域では、それほど地震の影響はなかったんですよ。でも四川省から大会中止の指示があったようで……。直接の被害はなくても、そのままでは帰れなくなるかもしれないということで。初日はアマチュア大会で、2日目が僕たちの出場するプロ大会でした。アマチュア大会が行われた後に地震が発生して、翌日のプロ大会は中止になりました。あの時は、いろいろ辛かったです」

――なるほど……。その後も中国でMMAを戦った感想はいかがですか。

「僕としては、中国人選手はやりやすかったです。当時はまだMMAが、それほど確立されていなくて。キックボクサーがグラップリングを練習してMMAをやる──そういう印象がありました。だから日本人選手よりは戦いやすかったですね。

自分の中では1回目の試合(2017年10月、ニ・ゲダンに判定負け)が大きかったです。高地で、僕だけ5分3R戦ったんですよ。それで1Rに汗が全く出なくなって、チアノーゼになってしまいました」

――……それでも残り2Rを戦い抜いたのですか。

「はい。あの試合を経験したことで、自分の気持ちも変化したのかなと思いますね」

――その中国遠征を経て、2019年から再び国内で戦うことになります。その初戦として、2019年12月のグラチャン×グラジエーターの合同興行で、宮城友一選手に判定負けを喫しました。あの試合はストライカーの宮城選手を相手に組むことなく、打撃戦を選択した理由は何だったのでしょうか。

「宮城さんの試合映像を見て、打撃でもいけるなと思ったんです。宮城さんを倒して、国内でもアピールしてやろうと思って打撃戦を選びました。いま考えると――僕の中では良かったかなと考えています。あれだけ打撃戦ができたのは良かったです。打撃もやれるんだぞ、というのを見せることができたので」

――そして宮城戦以降は、打撃戦ではなく3試合連続一本勝ち、と。

「アハハハ、そうですね。いろいろ考えると、KOしたいという理想もあるんですけど、やっぱり勝ちたいっていう気持ちが一番なんです。相手の苦手なところを攻めようと考えると、組みに行くという結論になりますよね」

久保健太は昨年10月に鶴屋怜に敗れるまで、DEEPとパンクラスで4連勝中だった

――そして今回は久保健太選手との愛知県勢対決を迎えます。

「対戦相手を聞いて、ちょっとビックリしました。試合映像を見ると、打撃も組みもできるバランスの良い選手ですよね。試合では競り勝てる地力もありますし。実は7年ぐらい前に、一緒に練習したことがあるんですよ。当時の久保選手は、それほど強いイメージはなかったです。まだプロデビューもしていなかったですし。あれから7年経って、印象も変わっています」

――これが合同興行も含めると、グラジエーターでは3戦目となります。現在、中西選手がMMAを戦ううえでの目標を教えてください。

「本当に好きだからMMAをやっている、それだけなんですよね。2016年から2017年にかけて4連敗したことがあって、その時はMMAを辞めようかとも考えました。でも、やっぱり練習していると楽しくて。そこから中国で勝つことができ、これは辞められないなと思いました。そこからずっと、MMAは楽しもうと考えています」

――では最後に、MMAPLANETの読者の皆さんへ意気込みのほどをお願いします。

「自分のジムを立ち上げて、新しいキャリアを良い形でスタートさせることができました。選手としてもバリバリ上を目指していきますし、グラジエーターで勝ってベルトを巻きたいと思っています。今後もよろしくお願いいたします!」

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F1 Gladiator017 HEAT50 MMA MMAPLANET o ONE Progress コンバット柔術 ビリー・フッカー フェルナンド 修斗 前田吉朗 土肥潤 森戸新士 椿飛鳥 江木伸成 清水俊一 濱村健 生田誠 田中智也 神田T800周一 福島啓太 竹本啓哉 竹浦正起 葛西和希 赤澤智哉 長田拓也 長谷川賢

【GLADIATOR017】プログレスとコラボ第2弾は森戸新士×長田拓也など、フォークグラップリング3試合に

【写真】1月の試合で森戸は、引き込みで相手に2P献上ルールながら、リードした展開で引き込みから三角を極めた。今回はどのような試合になるか(C)MMAPLANET

21日(木)、PROGRESSより5月1日(日)に大阪府豊中市の176BOXで開催されるGladiator017内で3試合のグラップリング戦が組まれることが発表された。

長谷川賢率いるプログレスは「北米MMAとの差を埋めることを目標」にケージの中で米国カレッジスタイルレスリング=フォークスタイルレスリングのテイクダウン&リバーサルorスクランブルのポイント換算方式に、バッククラブのポイントとサブミッションを加えた──打撃のないMMAグラップリング・ルールセットだ。

柔術家もノーギながらスクランブルと極めを養え、ファイトマネーを得て実戦経験が積める。プログレスは自前のイベントを開催という形でなくMMAプロモーションのなかでグラップリングマッチに必要な資金を提供して試合を組むという形と取っている。

既にグラジエイターとは1月23日大会でコラボが実現しており、5月7日(土)のHEAT50でも生田誠✖江木伸成のコンバット柔術、竹浦正起✖椿飛鳥&レアンドロ草野✖濱岸正幸のフォークスタイルグラップリングがマッチアップされている。

そしてHEATの1週間前、グラジでも前回大会に続き3試合のプログレス提供組み技戦が決まった。


前回はサブオンリー・マッチが1試合組まれたが、今回は3試合ともフォークスタイルグラップリング戦となり、75キロ契約で森戸新士が長田拓也と対戦する。森戸は1月のグラジに続き連続で出場、前回はテイクダウンポイントでリードし最後は引き込み三角で濱村健から一本勝ちを手にしている。

昨年2月の葛西和希戦でテイクダウンからハーフ、スクランブルのバック狙いで前方に落とされて下になった長田。プログレスだと2-2のイーブンの攻防となる

昨年2月の葛西和希戦でテイクダウンからハーフ、スクだ、ランブルのバック狙いで前方に落とされて下になった長田。プログレスだと2-2のイーブンの攻防となる[/caption]今回も対戦相手はMMAファイターだ。

修斗、ONE Warrior Series、Road to ONEで戦ってきた長田は力強いテイクダウンが持ち味で、ポイント有り、ケージ際の攻防が興味深い一戦だ。

先日のJBJJF全日本ではライト級3位に終わったが、ノーギ&ケージというシチュエーションで森戸が強さを見せることで、間違いなくJ-MMAの強化につながる。

この他、競技柔術界からは京都のグラウンドコア所属の黒帯=赤澤智哉が出場し、修斗ジム神戸のビリー・フッカーと戦う。赤澤はJBJJF2019年アダルト茶帯ランク1位、2月の全日本マスター柔術では元MMAファイターの北田俊亮を下しマスター2フェザー級を制している。対するビリー・フッカーは修斗ジム神戸の柔術インストラクターで、古くは8年前にADCC JAPANの西日本オープンのアダルト・アドバンス77キロで優勝経験がある。

(C)SHOJIRO KAMEIKE

もう1試合はフェルナンドと田中智也のMMAファイター対決。

前者は10日の前田吉朗引退興行でパウンドでTKO勝ちたばかり、MMA4戦4勝の黒帯柔術家だ。一方、田中は柔術茶帯──北海道でキャリアを積み、直近の試合は昨年6月にGRACHANでヒールにより一本勝ちし9勝2敗のレコードを持つ。

GLADIATORバンタム級王座決定戦=神田T800周一✖福島啓太、
竹本啓哉×エダ塾長、土肥潤✖清水俊一というケージグラップラーのMMAファイトが並んだグラジエイターで組まれたフォークスタイルグラップリング戦。柔術家✖MMAファイター、柔術家✖柔術家、MMAファイター✖MMAファイターという顔合わせで、同じルールでもどのような試合展開になるか、非常に楽しみだ。


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F1 Gladiator017 MMA MMAPLANET o 中西テツオ 久保健太 修斗 日沖発 生田誠 透暉鷹

【GLADIATOR017】久保健太と対戦、中西テツオ─01─「ガリガリで、50キロぐらいしかなかった」

【写真】今の石綱テツオと呼んでしまいそうになる──中西テツオ(C)SHOJIRO KAMEIkE

5月1日(日)、大阪府豊中市の176boxで開催されるGLADIATOR017で、中西テツオが久保健太と対戦する。
Text by Shojiro Kameike

これがGRACHANとの合同興行を含めて、3度目のGLADIATOR参戦となる──以前は石綱テツオのリングネームで活動していた中西。2014年にGRANDSLAMでプロデビュー後は3連勝、しかも全てKOか一本勝ちという破竹の勢いを見せていた。

しかし2015年以降はなかなか勝ち星に恵まれなくなったなかえ、現在は再び3連続一本勝ちを収めている。インタビュー前編では、そんな中西がMMAを始めた経緯を訊いた。人との出会いが、人を強くする――。


――中西テツオ選手は以前、石綱テツオというリングネームで活動されていました。現在は本名で試合をしているのですね。

「はい。前のリングネームは、所属していた石綱MMAの石綱を本名のテツオに繋げた形です。今回、独立して自分のジムを立ち上げるにあたり、これからは本名で良いかなと思いました」

――石綱MMAでは、ジムの名前をリングネームにするルールがあったのですか。ムエタイなどでは、よく見られますが……。

「いえ、そういうことはないです(笑)。石綱は最初にジムがあった場所の地名で、僕がプロ第1号だったので、ジムの名前を広めたいと思って石綱をリングネームにしました。だから昔はよく言われました。代表は別の人なんですけど、石綱テツオが石綱ジムの代表なのかと」

――アハハハ。そんな石綱選手は、どのような経緯でMMAを始めたのでしょうか。

「最初は高校を卒業すると同時に柔術を始めたんですよ。そこからずっと柔術をやっていまして、その柔術道場で今の石綱MMAの林巧馬代表と知り合いました。そこで林代表が柔術を辞めて、瀬戸市に格闘技ジムを立ち上げようと。当時、瀬戸市にMMAのジムはなかったんです。そうやって石綱MMAを立ち上げたのが2013年頃ですね。僕はそこからMMAを始めました」

――では、なぜ柔術を始めたのでしょうか。

「一番近くにあった格闘技のジムが、トラスト柔術アカデミーだったからです」

――ということは、トラスト柔術の生田誠代表が、柔術の師になるのですね。

「はい。もともとはHERO’Sを見ていて、山本KID徳郁さんのファンだったんですよ。あの人を見て、カッコいいなぁと思ったし、今でも一番好きな選手です。それで格闘技が好きになり、高校を卒業した時に格闘技ジムを探したら、トラスト柔術にたどり着きました」

――それはMMAをやることを見据えて柔術を始めたのでしょうか。

「MMAをやりたい気持ちはありました。でも打撃に対する怖さというか……やっぱりテレビを見ていて、MMAは体がムキムキの人がやっている印象を持っていました。でも当時の僕はガリガリで、50キロぐらいしかなかったんですよ。そんな僕のようなガリガリがMMAをできるのかな、と。でもトラスト柔術の生田さんは技術を重視していて、柔術をやっていくうちに『僕でも格闘技ができるんだ』と思えるようになったんです」

――そこでMMAを始めたと。

「最初は石綱MMAが出来るということで、そこに乗っかっただけだったんです。特にMMAをやろうと決めたわけではなく、柔術以外の格闘技もやってみないなと思っただけでした。石綱MMAでは打撃の練習もできると聞いて」

――その時点で、打撃はムキムキのファイターがやるものというイメージは無くなっていたのでしょうか。

「そのイメージは無くなっていました。体つきは人それぞれなので……ムキムキな人もいれば、細い人もいる。柔術を通じて、そういう考えになったんです。それで石綱MMAが2012年に創設されて、僕は2013年ぐらいにMMAを始めることになりました」

――中西選手は2013年からアマチュア修斗に出ているので、石綱MMAでMMAを始めてすぐのことだったのですね。

「そのアマチュア時代に勝村周一朗に出会って、僕のMMAに対する価値観が大きく変わりました。勝村さんとの出会いは、僕にとってすごく大きかったです」

――プロデビュー戦がGRANDSLAM(2014年7月、駒沢孝行にKO勝ち)だったのは、勝村さんとのご縁だったのですか。

「そうなんです。アマチュアの頃から横浜グランドスラムで練習させていただいていて、勝村さんから大会に出ないかと言われて、『はい、お願いします!』と」

――以前に石綱MMAの透暉鷹選手にインタビューさせていただいた際、透暉鷹選手は林代表から日沖発さんのプライベートレッスンを受けるように薦められたと聞きました。その時も同じことを言ったのですが、ジムの代表であれば自分自身で選手の全てを見ようと考えることも当然だと思うのですが、そこで選手のために他の選択肢を実行できるのは凄いです。

「林代表自身、MMAを始めたのが僕と同じぐらいの時期なんです。それで僕に『自分は技術を知らないから、勝村さんのところへ練習に行ってこいよ』と。そこから横浜グランドスラムで練習させていただくことになりました。もともと石綱MMAは、瀬戸市にMMAの練習できる環境がないから、自分たちで作ろうと思って始まったものなんです。会員さんを集めてお金儲けをしようというものではなく、自分たちの練習場所を作るためでした」

――当時と比べて、現在の瀬戸市のMMA人口は変わりましたか。

「僕が始めた当時よりは、徐々に増えてきています。柔術をやっていた頃の先輩たちも独立してジムを立ち上げたりしていますし。僕も羨ましいなぁと思って、30代になってこれが節目だと思ってEQUIPO CERO(エキポセロ)を立ち上げました」

――ファイターとしてのキャリアに話を戻すと、GRANDSLAMでプロデビューして以降は3連勝を収めました。しかしファイトスタイルは、柔術感は少なかったですよね。

「最初からガッツリ上を取りに行っていました。やっぱり試合のたびに横浜グランドスラムへ練習させてもらいに行っていて。あとはガリガリだった体も、練習していくうちに筋肉がついてきていましたね。でも、2015年ぐらいから苦しい時期になりました。修斗で新人王を取れずに、なかなか勝つこともできなくて……。

今考えると、自分の考えが甘かったのかなと思います。練習の取り組み方とか。やっぱり最初に3連勝しちゃったので、これで良いのかなと考えてしまっていたんですよね。でも、そのあと中国で試合をするようになり、自分の格闘技人生も変わってきました。いろいろあって……」

<この項、続く>

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【Gladiator017】メインは大番✖ギブレインのヘビー級タイトル戦。神田✖福島でバンタム級王座決定戦

【写真】混戦バンタム級。組みで制した竹本が福島に敗れた一戦を目の当たりにして、神田の選択は?(C)MMAPLANET

30日(水)、GLADIATORより5月1日(日)に大阪府豊中市の176BOXで開催されるGladiator017の対戦カードが発表された。

メインではGLADIATORヘビー級チャンピオンの大番高明が2019年7月以来、2年10カ月振りのグラジ出場でカルリ・ギブレインを迎え撃ち防衛戦を行う。

コメインではバンタム級王座決定戦として神田T800周一✖福島啓太がマッチアップされた。


この他、バンタム級王座を計量失敗で剥奪され、再起戦では福島啓太に判定前を喫した竹本啓哉とエダ塾長こうすけ、土肥潤✖清水俊一という渋すぎるバンタム級マッチが並んでいる。

またライト級で王座を目指すことを明言しているMMAとブラジリアン柔術の二足の草鞋を履いたキャリアを積む井上啓太は、対戦相手探しが難航しているという話が伝わっていていたが──レンジャーハントと一戦が決まった。

かつて大宮ハントの名で修斗、グラジエイターで活躍してきたレンジャージム代表が、なんと6年5カ月振りに実戦の舞台に立つ。ひょうひょうとした井上が、喧嘩に強いタイプのハントを相手にMMAを見せることがデキるか。

そのライト級では井上に敗れて以来のグラジ参戦となる元DREAMERSの八木敬志が、後藤陽駆と戦うことも決まった。

WARDOGでチョモランマ1/2を下しウェルター級王座に就いている八木が、ライト級に階級を下げてもウェルター級同様のパワーファイトを発揮できれば、この階級の台風の目になる可能性は十分にある。それだけに八木がどのような体形で、どのような試合を見せることがデキるのか、注目だ。

さらに1月大会でグラジ初陣を一本勝ちで飾った中西テツオが、久保健太と戦うフライ級も気になるところで。フライ級王者NavEがRIZIN出場も完敗を喫し、宮地友一が修斗で惜敗するなど、フライ級のトップが他イベントで苦戦しているフライ戦線を揺り起こす中京対決in 大阪──となるか。

今大会も1月と同様にPROGRESSよりグラップリング戦の3試合の提供が予定されており、そのカードの発表も待ちたい。

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