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45 AB Gladiator Gladiator Challenger Series02 Gladiator CS02 Gladiator027 Gladiator028 LFA MMA MMAPLANET o Progress Road to UFC UFC YouTube アドニス・セビジェーノ エド・ソアレス ソドノムドルジ・プレブドルジ ダギースレン・チャグナードルジ チハヤフル・ヅッキーニョス パク・サンヒョン パン・ジェヒョク 上久保周哉 中川晧貴 木村柊也 松嶋こよみ 水野翔 河名マスト 田中路教 石田拓穂 長谷川賢

【Gladiator028】フェザー級T準決勝2試合が発表。松嶋こよみは上久保周哉と共にLFA契約でOut、水野がIn

【写真】昨年6月の激闘が再び繰り返されるのか。ヅッキーニョスは真価が問われる一戦だ (C)MMAPLANET

13日(金)、10月6日(日)に大阪府豊中市の176BOXで開催されるGLADIATOR028でフェザー級挑戦者決定トーナメント準決勝=ダギースレン・チャグナードルジ×チハヤフル・ヅッキーニョス、パン・ジェヒョク×水野翔の2試合の実施と、松嶋こよみ&上久保周哉がLFAと契約を結んだことが発表された。
Text by Manabu Takashima

河名マストが持つGLADIATORフェザー級王座への挑戦権が賭けられたトーナメントは、7月のGLADIATOR027でヅッキーニョスは中川晧貴を、ダギースレンはアドニス・セビジェーノとの厳しい一戦を紙一重のスプリット裁定で下し準決勝進出を確定させていた。


一方、同じく7月に行われたGLADIATOR CHALLENGER SERIES02でソドノムドルジ・プレブドルジをヒザ蹴りで倒した松嶋は、その後LFAとの契約が締結され同トーナメントから離脱。石田拓穂を破った倒したパン・ジェヒョクは、リザーブ戦で勝利した水野と相対することが決まった。

同リリースによると、松嶋は同じくGLADIATOR CS02でProgressフェザー級王座を獲得した上久保周哉と共にLFAとサインし、現在は米国ビザ取得に向け動いているということ。ビザが取れ次第、マッチメイクが進むということだが両者とも11月か12月にはLFA初陣を希望しているということだ。

両者の契約を仲介したPROGRESS実行委員会の長谷川賢に今回の契約内容を尋ねると「契約は3年で6試合契約。この間、ビザがあるということでUFCのショートノーティス出場のリストに、両者の名前が加わるという利点がある」とのこと。

また田中路教が経験した試合が組まれないという状況になった場合は、日本国内で戦うことは許容されるという。

Road to UFCで敗れた河名の進退も気になるところだが、まずは挑戦権を賭けたサバイバル戦。ヅッキーニョスは昨年6月に同王座決定T準決勝でダギースレンと対戦しており、スプリットでダギースレンに下っている。それからも河名マスト戦にTKO負けを喫しながら、国際戦を含め経験値を高めてきた。まさに、この間の成長をぶつける一戦となる。

加えてダギースレンとパン・ジェヒョクは王座決定トーナメントに進出した者同士(ダギースレンの計量失敗で王座はパン・ジェヒョクのモノとなり、ワンマッチで対戦。パン・ジェヒョクが判定勝ちを収めている)だ。Road to UFCの準決勝全敗は日本が中国、韓国に遅れを取った現状を如実に表した緊急事態──リザーブ戦から勝ち上がった水野、リベンジを誓うヅッキーニョスが意地の決勝再戦を阻止できるか。

また水野と同様にリザーブ戦でハンセン怜雄からTKO勝ちしたパク・サンヒョンだが、計量失敗ということで代替出場の権利を失っている。そのサンヒョン、今大会で木村柊也戦のオファーがあったものの──そのハンセン戦で足の指を骨折しており、ようやくギブスが外れた状態ということで「今回ばかりは、試合を戦えるコンディションは作れない」と出場できず。相変わらず日本勢では対戦相手が決まらない木村の5月大会以来のグラジ出場はあるのか。追加カードの発表を待ちたい。

なおLFAと契約した両者、2人を迎え入れるエド・ソアレスLFA代表。トーナメント準決勝で戦う4選手がリリースに寄せたコメントは以下の通りだ。

エド・ソアレス
「LFAが日本のトップファイターである松嶋こよみと上久保周哉とサインできたことに興奮を隠せないです。日本を代表するエキサイティングな選手との契約は、我々LFAが世界中でファイター達の発掘に力を入れている証といえます。また両者のとの契約はLFAが世界で一番の人材発掘&育成団体として、もう一歩前進したことを意味しています」

松嶋こよみ
「フェザー級挑戦者決定トーナメント参戦中でしたが、LFAとの契約が決まりました。GLADIATORで試合をしたことでこういったチャンスを手にできました。そして快く送り出していただいた関係各位の皆様ありがとうございます。新しいUFCに繋がる道を切り拓いていけるように精進します。応援よろしくお願いいたします」

上久保周哉
「この度多くの方のご尽力の下LFAとの契約書にサインしました。少しでも厳しい道を選ぼうと思っての判断です。毎日積み上げてきたものが自分自身を作ります。今日の自分を明日に繋げる為に過ごしてきました。厳しい相手との試合の日の自分に繋げる為に懸命に1日1日を過ごして備えます」

トーナメント準決勝出場選手のコメントは以下の通りだ。

チハヤフル・ヅッキーニョス
「ダギースレン選手にはいつかもう一度挑戦したいと思っていたので、今回早くも実現しとても嬉しいです。前回は負けましたが、実力は拮抗していたと思います。お互いファイターとして成長した今、どんな試合をお見せできるか楽しみです。僕はあれから5試合を戦い、濃い時間を送ってきた自信があります。それをすべてぶつけて今度こそ倒し、決勝に進みます。ダギースレン選手、前回を超える激しい試合をしましょう! SEE YOU SOON!!!」

ダギースレン・チャグナードルジ
「こんにちは! 今回の試合はこれまでの経験を活かし、新たな一面を引き出せる、華やかな戦いになると思っています。練習も順調で、過去の試合で反省した点を改善してきました。対戦相手には、『どちらがより努力してきたか、皆さんと一緒に見届けてください!』と伝えたいです。応援してくださる皆さんへ、素晴らしい試合をお見せできるよう、全力で頑張ります! ありがとうございます」

水野翔
「まずは、この様なチャンスを頂きありがとうございます。ただ、代わりに入っただけじゃなく俺がこのトーナメント優勝します。練習仲間や応援してくれる方々に感謝をして、試合は覚悟を決めてします。この試合は俺が勝たないとおもろく無いと思うので絶対に勝ちます!」

パン・ジェヒョク
「今回の相手はステミナもパワーもあるので、注意してトレーニングしています。万全を期し、二度と後悔する事なく、綺麗にトーナメント優勝してベルト取り戻します。今回のトーナメント出場が決まった時から、期待していた松嶋こよみ選手との試合が叶わなかったのは残念の極まりないですが、LFAで戦うチャンスを生かしてUFCにステップアップして欲しいです。自分もGLADIATORのベルトを手見上げにステップアップをするので、UFCで戦おう」

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AB Gladiator Gladiator Challenger Series02 Gladiator027 MMA MMAPLANET o ONE ROAD FC UFC UFC ABC07   アドニス・セビジェーノ オトゴンバートル・ボルドバートル ガントゥルム・バヤンドォーレン ジャダンバ・ナラントンガラグ ダギースレン・チャグナードルジ パク・ヒョンソン ボクシング 中村倫也 海外 荒井順一 長谷川賢 食事

【A Memorial Writing】追悼文、モンゴルと日本MMA界の架け橋。荒井順一さんを偲んで

【写真】7月7日GLADIATORの打ち上げの席。左からマーク・サンジャオ、筆者、荒井さん、アドニス・セビジェーノ。右列は前から2人目がオトゴンバートル、ダギースレン、トンガー、そしてUFCフライ級ファイターのパク・ヒョンソン。写真を撮ってくれたのはマーク・サンジャオ夫人 (C)MARK SANGIAO

「些細なことで恐縮ですが、『シャンダス×ラカイ対決は、エンフオルギルがブーミナアンを下し通算対戦成績を6勝0敗に』と書かれていますが、正確には7勝0敗です。(記事を修正して欲しいということではありません)

シャンダスの選手で初めてチーム・ラカイの選手と戦ったのはバットゲレルで、2012年3月30日のLegend FC 8でJasor Ablasiという選手と試合をしました。本当に些細なことで申し訳ありません」

日曜日の朝8時前、LINEにモンゴルの荒井さんからメッセージが入った。「いえ。ありがとうございます。記事も修正させて頂きます」と返信をしたのだが、実際に書き直し終わったのは午前10時11分だった。

言い訳がましいが、この日は午前1時からUFC ABC07の速報があり、メインの記事をアップし終わったのが午前7時22分。直ぐにベッドに潜りこみ、約30分後に荒井さんからのメッセージの着信音で一瞬目が覚め、返信こそしたが──そのまま眠りに落ちた。

3時間後に起きて、記事を訂正したとき「ああ、あの香港の大会で荒井さんに会っていたな」と思い出した。

自分が初めて荒井さんにお会いしたのは、その1年4カ月ほど前の2010年の12月30日だった。

戦極のリングで横田一則を破ったジャダンバ・ナラントンガラグを見て、インタビューを申し込むことを決めた。しかも、大会終了後からホテルに戻るまでの時間に。加えてやけにナラントンガラグがオーバーフックを使うことに興味を持ち、『モンゴル相撲流MMAで使えるテイクダウン』という技術モノまでリクエストをすると、試合後にも関わらず控室で
実践してくれたナラントンガラグは「これから、自分のことはトンガーと呼んでください」と笑顔を見せていた。

この時、通訳をしてくれたのが荒井順一さんだった。主催者が雇った通訳の方ばかりだと思っていたのだが、モンゴル在住でトンガーの格闘技の先生だという。荒井さんが昭和の日本人気質の持ち主であることは、訳をして下った時の単語の選択や言い回し、なにより取材以外での佇まいからすぐに分かった。

その後、上に記したLegend FCの香港大会、2013年4月に同じくLegend FCのマレーシア大会。2014年8月のドバイでの再開以降はトンガーがONEで戦うのに伴って、2015年11月のシンガポール、2018年7月のクアラルンプール、2019年4月のマニラとほぼ年に1度の割合で荒井さんとは顔を合わせていた。

また日本に来日したモンゴル人選手のインタビューのために、メッセンジャーで通訳をしたくれたこともある。

より荒井さんと言葉を交わすようになったのは、意外にもコロナ禍になってからだ。現地取材ができない期間に、MMA界にリモート取材という新たな慣例が設けられるようになった。

この頃になるとトンガーはトンガーで自分の道場を持ち、荒井さんもイレードゥイMMAクラブという自らの城を構えるようになっていた。イレードゥイで育ちONE Warrior SeriesからONE本戦出場を決めたプレウ・オトゴンジャガルのリモート取材も当然のように荒井さんがサポートをしてくれた。

さらに2022年の秋に長谷川賢から「日本人を強くしたい。その一環としてGLADIATORに日本人選手と切磋琢磨できる外国勢を招聘したい」と相談され、荒井さんを紹介した。2023年1月、ウランバートルの各ジムを回りトライアウト的に練習を視察する長谷川を同行取材した。この時、初めて荒井さんと、彼が生活拠点を置く国で会う機会が訪れた。

以降、GLADIATORにはモンゴル人ファイターは継続参戦し、プレビューインタビューの際には通訳ばかりか、現地で携帯を使って煽り映像の撮影まで荒井さんは助けてくれた。

去年の5月には中村倫也とモンゴルを訪れ、MMAジムだけでなくモンゴル相撲の技術交流などの動画も制作できた。1日に3カ所も回り、それぞれのジムで所属トップ選手が集まり、学校施設に行ってモンゴル相撲の練習に参加できたのも、昭和の男・荒井さんがいてくれたからだ。

いつ何時、どこであろうが下ネタ三昧の自分も、荒井さんの前だけはそ禁句だった。話題はMMA。強くなることもそうだが、人間として正しく導く。それが荒井さんのファイターとの付き合い方だった。冬は氷点下30度になるウランバートルで生きる荒井さんは、自分のようなおちゃらけた雰囲気は一切なく、必要なこと以外は口にしない人だった。

先月の7日、GLADIATOR027にシャンダスMMAからダギースレン・チャグナードルジとオトゴンバートル・ボルドバートルが来日した際、トンガーが「先生、セコンドは2名です。久しぶりに先生と日本に行きたい」と声掛けし、荒井さんが大阪にやってきた。日本で荒井さんに会うのは、トンガーの初インタビュー以来、13年と7カ月振りだった。

昨年8月に荒井さんは一番弟子のプレウを亡くし、ひどく意気消沈していた。今年の6月にウランバートルを訪れた時も「今でもプレウの試合を見ることができないんです。彼のことを思い出すと……」と涙ぐむこともあった。

「だからトンガーが太り過ぎていて、心配で。モンゴルの食事は塩分が多く、動物性たんぱく質と糖質ばかりなので。ヒザが悪くて運動ができないから、酒を控えさせないといけないです」と話していた荒井さんだが、GLADIATOR終了後の打ち上げの席で珍しく砕けた表情を見せ、雄弁に色々と話しをしていた。

とはいっても戦い終わってノーサイド的なシャンダムMMA勢とチーム・ラカイ然の間を取り持ち、モンゴル語と英語のやり取りをずっと続けていたようなものだが、その表情は心の底から嬉しそうだった。

もうそろそろお開きだという頃になってトンガー、荒井さん、自分、そしてマーク・サンジャオが4人で何度もジョッキにビールを注ぎ、一気飲みをした。そう、これぞ昭和の男の酒の飲み方だ。

翌朝、朝の8時前に新幹線に乗り帰京中に「今、我々は関空で飛行機を待っているところです。試合前は関係者、特に相手陣営と話すことは余りありませんので、昨日のような打ち上げは関係者や相手陣営と話せる良い機会でした。また、高島さんとも再会でき、今回の日本滞在は有意義なものでした」という連絡が入った。

その4日後にはGLADIATOR Challenger Series02に来日したモンゴル勢の奮闘ぶりで連絡を取り合った。それからも韓国籍を取ったナンディンエルデンがボクシングの試合に出てKO負けをしたことで「彼が8月31日にRoad FCの試合に出るのは危ないです」と格闘技の安全面に対する意識の低さを指摘する──らしいメッセージが届き、意見交換をさせてもらった。

7月28日には去年の1月にONEのグラップリングでマキシー・ムスメシと対戦し、ヒールにタップをせず、大けがを負ったガントゥルム・バヤンドォーレンが8月10日に中国で試合をすることを教えてくれた。その際の連絡では「ONEとの契約は大丈夫ですかね。何もなければ良いのですが。試合を組めないのであれば団体はリリースすべきだし、選手も契約書にしっかりと目を通さないといけないです」とファイターを心配しつつ、自覚することを促す学校の先生のような言葉で締めくくられていた。

冒頭にあった日曜日のLINEでのやりとり──自分の最後のメッセージが既読になったのは、まさに記事をアップした午前10時11分、モンゴルでは朝の9時11分のことだ。

その3時間後に、荒井さんは亡くなった……。FBに荒井さんの死を投稿したトンガーから、わざわざ日本語でその詳細を教えてくれる連絡が入った。

「高島さん……高島さんに、こんなに悲しいお知らせをする自分を許してください」という言葉と共に。

なんでなん? なんで? こないだ──一緒に酒を飲んで、笑って──初めて、俺の下ネタも聞いてくれたやん!

荒井さん!! おかしいって。そんなにプレウとミット打ちがしたかったんか?  もう50代も半ばの同い年のオッサンを、ここまで泣かせてどういうつもりやねん。

でも、何も嬉しくはないが最後の連絡がシャンダスとラカイの通算成績の訂正だったのは、いかにも荒井さんらしい。

日本語表記が難しいモンゴル人ファイター達、MMAPLANETは荒井さんがいてくれたから、どこよりも正確なカタナカ表記に出来ているはず。でも、これからはどうすんねん……なんて言わないようにする。トンガーが「先生のためにも、モンゴルの選手が強くなれるよう尽くします」と言ってくれたように、悲しむだけ悲しんで前を向くから。

今、自分の手元には今月からMMAPLANETで書いていこうと思っていた「アジアの猛者」達のインタビュー素材が10人分ほどある。モンゴル人選手の通訳をしてくれたのは、荒井さんだ。これが荒井さんとの最後の共同作業──渾身の力で書く。

教師のような荒井さんと、任侠の親分のようなトンガー。2人との出会い、この縁を忘れずに──チンギス・ハンの末裔が世界に出ていく姿を、自分は追いたいと思う。

荒井さん、あなたの思い描いたモンゴルのMMA界の成長、モンゴル人ファイターの海外進出が少しでも現実に近づくように、自分も協力させてもらいます。これまで、本当にありがとうございました。
Text by Manabu Takashima

追伸
荒井さん、訂正した記事──読んでくれていたかな。

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【Gladiator CS02】竹内稔のProgress王座に挑戦、上久保周哉「MMAで勝てる戦い方で、勝ちます」

【写真】上久保にとってグラップリングは遊びではなく、Part of MMAの真剣勝負 (C) RANK5/ GYO DOK LEE

今日12日(金)に会場非公開、無観客&配信専門大会として開催されるGLADIATOR CHALLENGER SERIES02「Matsushima vs Sodnomdorj で上久保周哉がProgressフェザー級チャンピオン竹内稔に挑む。
Text by Manabu Takashima

昨年のRoad to UFCはベスト4に終わり、12月にGLADIATORで再起した上久保は2月のGLADIATOR CS旗揚げ戦で強豪から勝利を挙げて、Road to UFC再挑戦を狙っていた。しかし、股関節が悲鳴をあげガブリエル・シウバ戦は流れ、Road to UFC再出場はならなかった。

そんな上久保はUFCに向けて、LFAからステップアップを果たすことを決めた。北米ナンバーワン・フィーダーショーでの厳しい戦いに向けて、試運転のグラップリング王座戦を戦う。このグラップリングマッチは、キング・オブ・アナコンダ=竹内の一発の強さを認めた上で、自身のMMAを貫いて勝利を得ることができるか──という勝負論ある戦いとなる。


こんなに体が痛くても、UFCという強さのラインを求めるからこの練習ができる

――竹内稔選手の持つProgressフェザー級王座に挑戦。なんとも意外で、そして楽しみな一戦──なのですが、なぜ?と思ってしまう戦いが決まりました。

「そうですね、実はRoad to UFC出場を目指して2月のGLADIATOR CHALLENGER SEREISでLFAのガブリエル・シウバと戦うことが決まっていました。それが正式発表の前に股関節のケガで戦うことができなくなって。最初は片側だったのが、両側を傷める状態になりました。試合が決まってから痛みがだんだんとひどくなっていって。蹴りが使えなくなり、パンチのミットにも支障が出て。一番酷い時は普通に歩くのも15分間が限度という感じになり、試合ができるコンディションではなくなってしまいました。

試合はやりたかったです。それはRoad to UFCに向けて、強い相手に勝つことは必要だったし。でも、その体にできなかった。練習ができないのに試合をするのか。同時に試合をしないと次に繋がらない。ブラジルから選手を呼んでもらって、長谷川さんが色々と動いてくれた。そこまでしてくれているのに、この試合をしないで良いのかという想いもありました。様々なチャンスを棒に振るのかと」

──でも戦える状態ではなかったと。それで終わりでなく、次を考えてのことなら戦わなくて正解かと思います。結果、4月ぐらいまで練習はできていなかったと聞いていますし。

「かなり練習はしなかったです。ただ、しなくても良くなるものではなくて。放っておいて完治するものでなく、できるだけより良い状態を保つために努力をするというのが現実で」

──人工関節を入れる必要があるかもという話を聞いた時には、絶望的な気持ちになりました。

「そうですね……。入れるとすれば、引退してからですね。痛みがマシになっても、これまで通りに動けないと意味がないですし。それ以前に歩くにも痛い、起きるのも痛いという状態でした」

──現状というのは?

「切らないで治療を進め、2月と比べるとそれは良くなりました。練習中も気は使っていますけど、MMAファイターなんだから、ケガをしていない関節の方が少ないですよ(笑)」

──2月の試合がなくなった時点で、Road to UFCは諦めていたのでしょうか。

「ほとんど諦めていたけど、名前が出揃うまでは出場した場合のことは考えていました。出られた時のために、やれる治療を全部やることにして。そういう準備はしていました」

──結果、出場権は与えられませんでした。

「あの時は正直、2月に試合をしておけばという気持ちにはなりました。でも、やっていると5月に戦うことはできなかったかもしれないですしね。短期間の連戦はきつかったと、今は思っています」

──その状態でシウバ戦をクリアしたとしても、手負いが過ぎる上久保選手とユ・スヨンの試合など、見たくないと正直に思います。

「う~ん、Road to UFCに関しては、如何に良いコンディションを保つことができるのか。そこが大きいですからね。あの時の自分では、上手く創れなかったと思います」

──その結果がGLADIATOR CHALLENGER SERIESでPROGRESSのタイトル戦になったというのは?

「Road to UFCがなくなってから、今後に関してはLFAやあそこと並ぶ場所で戦っていこうと考えていました。その方が、情熱を向けることもできるし、結果を残せば目標にも自ずと近づくので。そこでLFAに向けて長谷川さんが動いてくれて。

と同時に現状としては、治療も続けてきて練習スケジュールも色々と変えました。ケアに当てている時間も多いし、補強も増やしています。ただLFAを本番だとしたら、本番に向けて試運転がしたい。半年以上、試合間隔が空いているので。実際に自分がどれぐらい動けるのか、半信半疑で。MMAスパーリングも再開したのですが、まだまだトライすることもありますし」

──それ故のグラップリングマッチと。

「LFAという強い選手が立ち並ぶところでやるために、どこかのタイミングで実戦に近い試合経験がしたかった。グラップリングを実戦に近いという表現は、違っているかもしれないけど、MMAでないMMA的な試合がしたかったということです。

練習と試合で掴める感覚は全然違います。相手が対策をしてくることを越えていく必要があり、こちらが立てた作戦も当たるのかということもありますからね」

──UFCへの挑む姿勢というファクターがなくても、竹内選手と上久保選手の組み技戦はワクワクします。特にMMAグラップラーである竹本啓哉選手をアナコンダで仕留めたチャンピオンですし。

「一発のサブミッションを持っている選手……ブルーノ・プッチは一応そういう相手でしたけど、そういう相手とMMAでやってこなかった。でも、いずれ必要になってくる。そういう相手に自分のやりたいことをやらないといけないので」

──打撃がないので、失敗しても下になって殴られることはない。その状況で、竹内選手の仕留める力はより脅威になりませんか。

「ケージの中では、ある程度……一発を持っている柔術を封じ込めることはできる。まぁ僕が得意とする場所でやるから。一発は持っているかもしれないけど、普通にオープンなマットでやるのとは全然違うと思っています」

──ケージがあれば、頭を下げることができるのですか。竹内選手のアナコンダをセットするまで誘導する力と判断力に対し、ケージがあることで対抗できると?

「う~ん、まぁ偶然スパッと極まるようなことは起きないです。竹内選手はアナコンダが強いことが分かっているので。そこを考えて、MMAを見据えたグラップリングをしたいです。トップコントロールをしっかりとしたいと思います。そこで一本を取りたいという気持ちも、チョットあったりはするし。

勝つために正しい選択を瞬間、瞬間でできるのか。一本を取れそうな誘惑を我慢して、やるべきことができるのかという部分が大切になってきます。まずはポジション、万が一が起きないように自分の心を強くすることが大切です。

同時に……グラップリングでMMAファイターがトップにいて、『MMAなら俺が勝ちだ』ということは言いたくなくて。あの言い方は好きじゃないと常々思っているのですが、その腹積もりではいないといけないのも確かです。

ただ竹内選手がクローズドの中に僕を入れ続けて、『俺の勝ちだ』と思うのは自由です。けど僕はMMAファイターだからMMAで勝てる戦い方で、勝ちます」

──そこも「UFCを目指さないと、頑張れない」という名言通りですか。

「言うとUFCからするとRIZINと一緒で、僕なんていなくても問題なく回り続けることができる場所です。でも、あそこにジャンプするとジョゼ・アルドが復帰した世界線に立つことができるんです。その魅力には、なかなか抗うことはできないです。

だってこんなに体が痛くても、UFCという強さのラインを求めるからこの練習ができる。体が痛くても『別にUFCファイターなら、こんなぐらいやっているだろう』と思わされるので、続けることができます」

──なるほど、です。グラップリング戦を経て体と相談もあるかもしれないですが、その後はどのように考えていますか。

「LFAで同じように厳しい相手と厳しい試合をして、勝ちたいです。なので、そこを照準にした練習をしたい。体が持たなくなるかもしれないので、できるだけ早い内に勝負を賭けたいと思っています。UFCなのか、Road to UFCなのか、そこに通じる道は自分で創ります」

■視聴方法(予定)
7月12日(金)
午後6時30分~ THE 1 TV YouTubeチャンネル

■ Gladiator CS02対戦カード

<Gladiatorフェザー級挑戦者決定T準決勝/5分3R>
松嶋こよみ:66.05キロ
ソドノムドルジ・プレブドルジ:66.15キロ

<Gladiatorフェザー級王座決定T準決勝/5分3R>
パン・ジェヒョク:66.3キロ→66.3キロ→66.25キロ
石田拓穂:66.15キロ

<Progressフェザー級選手権試合/5分3R>
[王者]竹内稔:65.6キロ
[挑戦者] 上久保周哉:65.25キロ

<バンタム級/5分3R>
テムーレン・アルギルマー:61.35キロ
南友之輔:61.6キロ

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【Gladiator CS02】夢を追える最後の機会、その一。松嶋こよみ「僕にとって格闘技は呪いみたいなもの」

【写真】呪い──何があっても、ついて回るということか (C) RANK5/ GYO DOK LEE

本日12日(金)に会場非公開、無観客&配信専門大会GLADIATOR CHALLENGER SERIES02「Matsushima vs Sodnomdorj が開催され、イベント名にあるように松嶋こよみが、ソドノムドルジ・プレブドルジと戦う。
Text by Manabu Takashima

Road to UFC準決勝の敗退、今年1月にはTOPBRIGHTSでカルシャガ・ダウトベックにKO負けを喫した。

32歳の松嶋にとってMMAを続ける理由であるUFCが、どんどん遠ざかっていく。そこも踏まえた上で松嶋がGLADIATOR CHALLENGER SERIESでの再起戦に挑む。当然、引退も考えていた彼にMMAを続ける理由と、これからについて話を訊いた。


――GLADIATOR CHALLENGER SERIESに出場、しかも盟友の河名マスト選手が持つフェザー級王座への次期挑戦権が掛ったトーナメント準々決勝です。その前にダウトベック戦の敗北後、松嶋選手はどのようなことを考え、そして実戦の場に戻って来ることになったのでしょうか(※取材は5月31日に行われた)。

「もちろん辞めることもそうだし、どう生きていくのか。本当に格闘技ばかりやってきて、格闘技がなければ死んでも良いと思ってやってきました。そのなかで、ダウトベック戦は辞めるべきだ──というような試合でした。

じゃぁ、死んで良いのか。どうやって生きていくんだ、と。僕にとって格闘技は呪いみたいなものなんで。この呪縛からは逃れることはできない。だから、もう1回頑張ろうと」

──「もう辞めよう」と言った人は周囲にいましたか。

「いなかったですね。ただ、自分の判断です。誰かに言われて続けるものでも、辞めるものでもない。自分がデキると思ったのか……そこは分からないですけど、『やりたい』と思ったので、そこが一番です」

──続けることは可能だと思います。ただし、これまでと同じ目標を持ち続けることは簡単ではないかと。

「辞める、辞めない。UFCを目指す、諦めて他の道を進む。頑張ってお金を稼ぐ。そういう段階がありました。最初は辞めるか、続けるか。1月はそうで。続けるなら生活のことも考えないといけない。30歳も過ぎて、毎月ギリギリの生活をして、将来どうなるのか。親孝行もできないまま、その日暮らしのような生活で良いのか。

それでも格闘技を続けるなら、UFCを目指す。その気持ちを変えることはできなかったです。UFCを目指さないMMAファイター人生は……考えられなかった。そこが変わるなら、辞めるという選択になっていたはずです」

──年齢、戦績を考えると厳しい状況です。

「UFCに到達する云々の前に、目指す戦いをすること。多分、Road to UFCはもう出ることができない。そのなかであるなら海外の団体でやっていくこと。でも、国内で負けているから日本で勝ってから欧州でも中東でも、その道を模索する。

そのなかで今回のオファーを頂いたので、それは僕にとっては凄く有難い話でした」

──つまりはグラジがLFAと提携したということですね。

昨日、松嶋もソドノムドルジも問題なく計量を終えている

「もちろんです。

それがなければ、出ていないと思います。実は一度、ONEから離れた時にLFAからは跳ねられているんです。『おお、いいね』という感じで終わって。今回もLFAと契約できたとしても、試合を組んでもらえるのかは分からない。でも、そのチャンスを逃すのは勿体ない。LFAで勝つことがUFCに近づくことなので、この機会を逃す手はなかったです」

──その選択をすると同時に、パンクラスイズムを離れてimaginaryに所属することになりました。

「そこは気持ち作りという部分がありました。自分ですべての責任を取りたい。自分でやっていることを他の何かのせいにしたくない。自分で選んで、自分で練習環境を創って戦っていく。実際にMMAは1人で戦うもの。そのなかで住村(竜市朗)さんであったり、岳(大宮司)さん、良太郎さんがサポートをしてくれるのですが、責任は自分で負いたい。

それがイズムを離れて、やっていこうと決めた理由です。北岡(悟)さんは僕を自由にやらせてくれていました。そのうえで、練習スケジュール、移動時間を考えて自分でやっていくということを伝えさせてもらいました」

──そこに、これからの道筋も見えてきたと。

「そうですね、それこそ海外の大会でスクランブルでも出ていこうと思っていましたが、やはりこういう準備期間が持てて見えていると違ってきます。ONEやRoad to UFCの時も当然そうでたしたが、DEEPで3日前に相手が代わって──ブラジル人相手を戦うということで、準備をしてきて。そこがスッと抜け落ちてしまった。

その経験がトラウマになったのか、『これ、相手こないんじゃないか』とか、勝手なことまでダウトベック戦では考えてしまって……。もうただの言い訳ですよね。今から振り返ると、そんなことを口にして自分に妥協をして」

──まぁ、そうですよね(苦笑)。それこそ既に居着いてしまっている。

「だから、今回はもう絶対に妥協をせずに創り直します。今のMMAは対戦相手が代わることなんて、込みでいないと。結果、ダウトベック戦でも劉獅戦でも相手に勝つことを考えていたんですよね。

Road to UFC以降は、自分でなく相手に勝つことばかり考えて。それ以前に自分に勝たないといけないのに。今は精神的に、自分に勝つこと。まずは練習で自分に勝つことを意識して練習しています」

──そういう言葉が聞かれたので敢えて口にさせてもらいますが、ダウトベック戦の松嶋選手の動きは……。戦っている際中から、自身のエネルギーを自らの動きでボコボコこぼしているように見えました。末端のことだけ意識して、軸がぶれているのではないかと。

「自分でもあの時の精神状態が、何だったのか分からないです。練習でも、ずっと言われていたことを改善できなかったとか。最後まで、動き切れなかった。今からすると、何がダメだったのかは分かります。

劉獅戦は左手がヘルニアの影響か、ほぼ力が入らない状態だったんです。あれでもとのブラジル人と戦っていたら、どうなっていたのか。それでもコンディションだけで、試合は決まるわけじゃない。良くても負けることがあり、悪くても勝てることもある。

だからこそ普遍的なモノをいかに、こなせるのかということなんだと。それこそ型も変わっていくけど、変わらない部分がある。そこをしっかりとやり通せるのかと。そこを思い出しました」

──普遍性こそ、再現性だと。

「ハイ。そういう部分を自分のなかで失っていました。今回は1月の負けから自問自答して、今に至っています。だからといって何が変わったのかは、分からない。でも、自分に納得して挑みたいです」

──サバイブするために、悪い結果の要因を外に求めることは必要だと思います。ただし、サバイブしたなら我が身を振り返ることが大切になってくる。

「その通りですね。自分を理解することと、追い込むことは違う。僕は追い込む方で、それで闇に落ちる。そういう部分を住村さんの存在が緩和してくれています(笑)。本当に有難いです」

──だから自分に勝つというところまで、精神状態を持って来ることができるようになったのですね。

「ハイ。自分をどうやって高めていくのか。それは現状、対戦相手の分析よりも意識しています」

──UFCを目指すと、LFAですらフィニッシュ絶対です。勝利ではなく。フィニッシュが目的になります。

「今は毎回の練習に集中していて、試合のことはこれから考えていくことになると思います。練習のなかで、どういう流れだと倒せるのか。どういう動きで、そうなるのか。そこの感覚を掴んで、パーツを集めていくことになります。ドロドロのなかでやっていけることを身に着けたうえで、フィニッシュすることの大切さを忘れないようにします。

とにかく勝たないと始まらないので、勝ちます。UFCに行く自信はないです。自信はないけど、諦められない。だからこそ、そのために準備をしないといけない。つまりは今の試合、次の試合も大事で。ずっと変わらずにやっていくしかない。

もう32歳になり、体力が落ちていることを感じることも出てきました。だからって諦めない。この格闘技の呪いを受け入れて頑張っていきます」

──格闘技は呪いなのですね……。

「あぁ、そういう悪い意味じゃないです。良太郎さんにも『やりきって、MMAをやって良かったと思って辞めて欲しい』と言ってもらっていて。MMAをやってきたことで、素晴らしい出会いがあった。なんだろう、格闘技の呪いは幸せな呪いなんです(笑)」

■視聴方法(予定)
7月12日(金)
午後6時30分~ THE 1 TV YouTubeチャンネル

■ Gladiator CS02対戦カード

<Gladiatorフェザー級挑戦者決定T準決勝/5分3R>
松嶋こよみ:66.05キロ
ソドノムドルジ・プレブドルジ:66.15キロ

<Gladiatorフェザー級王座決定T準決勝/5分3R>
パン・ジェヒョク:66.3キロ→66.3キロ→66.25キロ
石田拓穂:66.15キロ

<Progressフェザー級選手権試合/5分3R>
[王者]竹内稔:65.6キロ
[挑戦者] 上久保周哉:65.25キロ

<バンタム級/5分3R>
テムーレン・アルギルマー:61.35キロ
南友之輔:61.6キロ

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45 Gladiator Gladiator Challenger Series02 Gladiator CS02 MMA MMAPLANET o Progress YouTube ソドノムドルジ・プレブドルジ チハヤフル・ズッキーニョス チャンネル テムーレン・アルギルマー パン・ジェヒョク 上久保周哉 修斗 南友之輔 大尊伸光 松嶋こよみ 河名マスト 海外 田中有 石田拓穂 竹内稔

【Gladiator CS02】石田拓穂、トーナメント準々決勝のパン・ジェヒョク戦は「一番ハズレですよね」

【写真】石田は計量を66.15キロ(※1ポンド許容あり)でクリア(C)RANK5/ GYO DOK LEE

12日(金)に会場非公開で無観客&配信大会のGLADIATOR CHALLENGER SERIES02「Matsushima vs Sodnomdorj」が開催される。そのなかでフェザー級次期挑戦者決定トーナメント準々決勝が行われ、石田拓穂が前フェザー級王者のパン・ジェヒョクと対戦する。
Text by Shojiro Kameike

2020年2月にグラジでプロデビューした石田は、ここまで修斗大阪大会とグラジでキャリアを重ねてきた。昨年3月には約2年半ぶりのグラジ参戦で、チハヤフル・ズッキーニョスに逆転KO負け――わずか1分弱の試合ではあったが、フィニッシュ直前まで石田が優勢であった。今回のトーナメント出場について、本人は「人数合わせかと思った」というが、だからこそトーナメントを盛り上げるという意気込みを語ってくれた(※取材は6月5日に行われた)。


ここ1年は打撃に重点を置いてきた

――MMAPLANETでは初のインタビューとなります。石田選手も他のリライアブル所属ファイターと同様、地元の繋がりでジムに入ったのでしょうか。

インタビュー時の石田(C)SHOJIRO KAMEIKE

「いえ。他の人は神戸の長田出身が多いけど、僕は兵庫県でも小野市という田舎の出身です。ただ、柔道時代に有(田中有)と仲が良くて。僕は柔道で大学に行って、卒業後は1年ぐらい東京で働いとったんですよ。その時、SNSで有が東京でMMAの試合に出ることを知って。あれは大尊伸光選手と戦った時ですかね(2018年9月、田中がKO負け)。

もともとMMAに興味はあったけど、生で観る機会がなくて。そこで有の試合を観た時に、負けたけど『めっちゃカッコエェな。俺もやりたい』と。どうせなら仕事を辞めて地元に帰ろうと思って、有がおるリライアブルに入りました」

――大学はどこへ?

「山梨学院大学です。高校の時は近畿大会で優勝して、大学に行ったんですけど……。大学は1年から3年までヒザを怪我して、復帰して怪我をして――という繰り返しで。4年の時にようやく団体戦に間に合ったという感じです。大学時代に全国大会に出たのは、その最後の試合ぐらいですね」

――柔道から離れたあとに田中選手の試合を観て「MMAをやりたい」と思ったのは、「柔道でやり切ることができなかった」という気持ちがあったのでしょうか。

「その気持ちは絶対にあったと思います。柔道も長いことやっていて、辞める時は『もうエェわ』とう感情でした。でも、よくよく考えたら――柔道やり切っていないし。それで有の試合を観て、自分の中でまた火がついた感じです。リライアブルでMMAを始めたのは23の時ですね。グラジでプロデビューする1年前です」

――その1年間はアマチュア修斗に出ていたのですか。

「はい。アマ修にはウェルター級で出ました。重たい階級は人数が少ないから、すぐ全日本に出られるんじゃないかと思って(笑)。全日本選手権で3位になってプロ昇格しています」

――2020年から2021年にかけてグラジと修斗で4連勝を収めています。しかし今年3月のチハヤフル戦まで1年以上も試合が空いたのは、何か理由があったのですか。

「海外で試合を組んでくれるという話があって、ずっと待っていたんですよ。去年の10月にウズベキスタンのタシュケントで開催される、NAIZA FCで試合が組まれて。だけど相手が計量オーバーで試合できなかったんです(※対戦予定だったシャクゾドベク・ズマノフが計量をクリアできず)」

――1年ぶりの試合で、ウズベキスタンまで行って試合不成立とは……。

「試合が決まった時は『ヨッシャ!』という感じで、かなり練習で追い込みました。でもいざ向こうに行ったら、相手が計量オーバーで……」

――キャッチウェイトで試合を行う話は出なかったのですか。

「それが――キャッチウェイトはキャッチウェイトですけど、『違う相手を用意する。ウェルター級でデビュー戦の選手と対戦してくれ』と言われたんですよ(苦笑)。さすがに周りからも『そんなの怪我するだけやから』って止められましたね」

――NAIZA FCの試合消滅後、復帰戦となったチハヤフル選手との試合ではKO負けを喫しました。あの黒星については、どのように受け止めていますか。

「負けて落ち込んだりはしなかったです。自分が『かっこつけたろ』と思ったせいで、あの結果に転がってしまいました。僕は本来、組みから試合をつくっていくタイプで、打撃も自分から倒しに行くものじゃないんです。イライラさせて、相手が振ってきたところに組みに行く。

でもチハヤフル選手と向かい合ったら相手の打撃も怖くないし、自分の距離でもあったので『これは行けるな』と思ったんですよ。いつもの試合やったら、スクランブルの中で組みに行けている。でもチハヤフル選手は河名マスト戦で、同じような展開で倒されとったじゃないですか。だから自分も『もうちょい殴ったら倒れんちゃうかな?』と打ち合いに行って。代表(田中淳リライアブル代表)からも『行き過ぎや』と言われました」

――そんななかで、フェザー級トーナメント出場のオファーが来るのは意外でしたか。

「意外でした。もともとライト級で試合をしていて、フェザー級はチハヤフル戦が初めてやったんですよ。だからトーナメントと言われても、評価してくれているのか、人数合わせで入れてくれたのか(笑)」

――ライト級時と比べて、フェザー級戦で動きは変わりましたか。

「ライト級の時は減量がなく、計量当日の朝に測って300グラムや500グラムのオーバーっていうぐらいで。そこから厚着して散歩していたら、リミットまで落ちているような感じでした。フェザー級に落とそうと思ったのは、NAIZA FCがキッカケなんです。海外でフィジカルが強い外国人選手と対戦するなら、ライト級やと危ないなと思って。

だからフェザー級でも、そんなに減量はキツくないです。チハヤフル戦は試合時間が短かったけど、ライト級時代と変わった感じはなかったですね。あの試合では組んでないから、まだ分からない部分もありますけど……」

――チハヤフル戦では、ライト級時代よりも打撃のスピードとキレは増していたように感じます。

「あぁ、そうなんですね。それは階級を落とした影響もあると思いますけど、ここ1年は打撃に重点を置いてきたんです。打撃ができんと組みつくこともできない。相手をイラつかせたり、『コイツ打撃が強いんちゃうか』と思わせたほうが、組みに行くタイプとしては有利じゃないですか。そのために打撃を練習してきました」

僕がフィニッシュしたら、バーンと一気に名前が上がる

――ではトーナメント初戦の相手、パン・ジェヒョクの印象を教えてください。

「一番ハズレですよね」

――……ハ、ハズレ!?

「だって今回の出場メンバーで、一番強いじゃないですか。日本のトップファーターは誰もパン・ジェヒョクをフィニッシュすることができていなくて。判定決着でもハッキリと負けたのは、前の河名戦だけやと思うんです。それだけ強いからこそ、一番オイシイ相手でもありますよね。これで僕がフィニッシュしたら、バーンと一気に名前が上がるので」

――パン・ジェヒョクを下したら、いきなりトーナメント優勝候補になります。

パン・ジェヒョクも66.25キロでクリアしている(C)RANK5/ GYO DOK LEE

「あんまりトーナメント優勝とかは考えていないんですよ。出ている選手はみんな強いから、自分としては1試合1試合、しっかり戦うだけで。

パン・ジェヒョクはテイクダウンディフェンスを見ると、体のバランスが良いなと思います。でも今まで対戦した相手は、みんなレスリングのテイクダウンですよね。僕の柔道式のテイクダウンは、他とは違います。僕は壁レスの仕方が変で」

――変、というのは?

「みんな壁レスになると、ガッチリとクラッチして倒しに行きますよね。僕は柔道の足払いを生かして攻めていくタイプなんです。だからパン・ジェヒョクにとっては、今までのレスラータイプとは違う攻め方やと思います。

相手は打撃のバランスが良いから、ジャブにレスリングのような足へのテイクダウンを合わせても倒せんやろう、と思っているんですよ。だから相手の嫌なことをしながら、組みに行きたいです」

――なるほど。

「このトーナメントでは、僕はダークホースですよね。だからこそ盛り上げたいです。面白くない試合はしないので、皆さん配信を視てください。自分はやります!」

■視聴方法(予定)
7月12日(金)
午後6時30分~ THE 1 TV YouTubeチャンネル

■ Gladiator CS02対戦カード

<Gladiatorフェザー級挑戦者決定T準決勝/5分3R>
松嶋こよみ(日本)
ソドノムドルジ・プレブドルジ(モンゴル)

<Gladiatorフェザー級王座決定T準決勝/5分3R>
パン・ジェヒョク(韓国)
石田拓穂(日本)

<Progressフェザー級選手権試合/5分3R>
[王者]竹内稔(日本)
[挑戦者] 上久保周哉(日本)

<バンタム級/5分3R>
テムーレン・アルギルマー(モンゴル)
南友之輔(日本)

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【Gladiator CS02】南友之輔と対戦、テムーレン・アルギルマー「俺を指名してきた南は面白いヤツ」

【写真】イケイケ風だが、日本で得たファイトマネーでタイガームエタイで練習を行うなどMMAに対して一途なテムーレン (C)MMAPLANET

明日12日(金)に会場非公開、無観客&配信専門大会として開催されるGLADIATOR CHALLENGER SERIES02「Matsushima vs Sodnomdorj 」。同大会のオープニングファイトでテムーレン・アルギルマーが南友之輔と対戦する。
Text by Manabu Takashima

前のGLADIATORバンタム級王者は、昨年4月に初来日し2戦目で王座奪取とグラジにモンゴル旋風を巻き越した。しかしながら、9月に竹本啓哉にベルトを明け渡すと12月には竹中大地にRNCで一本負け。そんなテムーレンをキャリア3勝のルーキーが5月大会で勝利を収めた直後にコールアウトした。

7カ月振りの来日で、血気盛んなスーパールーキーの挑発をテムーレンはどのように捉えているのかをウランバートルのシレンベーリ・ファイティングセンターで訊いた。


――去年の12月以来、7カ月ぶりの来日が決まりました。今の気持ちを教えてください(※取材は6月7日に行われた)。

「日本でまた戦えることが凄く嬉しくて、言うと天に上るような気持ちだよ。体調も良くて、必死に練習をしているよ」

──5月15日に、Falcons FNのシネバートル・バットエルデネ戦をショートノーティスで受けたのは、それだけ試合を欲していたからですか。

「練習をずっと続けていたし、体調も問題なかった。だから1週間前のオファーでも戦うことにしたんだ。実戦から遠ざかっていて試合がしたかったからね」

──結果が伴わなかったことに関しては、どのように思っていますか。

「そりゃあ残念だよ。でも去年、日本で4試合戦うことができて、色々な経験を詰めたことは凄く大きかった。減量方法も自分で試行錯誤して、改善して計量ミスをすることもなかったし、様々な面で経験を積むことができていると思っている。それが自信にもなっているよ」

──連敗を喫したことで来日の機会が途絶えるという不安はなかったですか。

「当然、毎試合勝つつもりで戦っている。でも、戦略が上手くハマらなかったり、ちょっとしたボタンの掛け違いで生じたズレを修正できないで負けることもある。勝負だし負けることもあって然りだ。連敗したから日本でもう戦えないというネガティブな気持ちになることはなかった。自分にできることは練習をして強くなること。そうすればGLADIATORに呼ばれることがなくても、違う道は開けるものだから」

──結果、オファーがありました。そして、対戦相手の南選手はキャリア3勝0敗。そんなルーキーからコールアウトがあったことをどのように捉えていますか。

「自分が彼の立場でも、同じようにしていたはず。だから、そこは気になることはないよ。ファイターはチャンピオンになりたいのだから、立ち塞がる相手をぶちのめして前に進む。それが選手としてあるべき姿だ。だから、俺を指名してきた南は面白いヤツだと思った。ただ、相手を間違っているけどね」

──まさに「テムーレンに勝ったら、王座に挑戦」と言っていて、それこそ南選手が描いている青写真です。

「俺と戦いたいと言ったことをミナミは後悔することになるよ」

──では南選手の印象を教えてください。

「試合映像をチェックしたけど、ミナミのレベルには俺に達していない。どういう武器があるのかも、分からない。俺より下の選手、ハッキリ言えばそういうことだよ。全局面でヤツより上だ。立ち技、レスリング、寝技、スタミナ、ファイトIQ、全ての面で俺が上回っている。

シレンベーリの練習仲間たち。左から今大会で松嶋と戦うソドノムドルジ・プレブドルジ、テムーレン。RIZINに参戦経験があり、21日にFury FCで戦うバータル・アズジャブハラン。GladiatorからONE FFに向かったバットオチル・バットサイハン。そして右端がツェルマー・オトゴンバヤル

まあ、しっかりと練習をしてケージに入ってきて欲しい。

俺の過去の試合を見て研究しているだろうけど、もうあの頃と今は違う。それだけ激しい練習をしてきたし、今も続けている。ミナミは自分で口にした言葉が現実になるように、頑張って欲しい(笑)」

──7カ月振りの日本でのファイトで、何をファンに見せたいと考えていますか。

「日本で4試合戦って、俺を応援してくれる人もいた。そういう人達に激しい試合を見せたい。どの道、勝つのは俺だから。俺の夢はMMAを続けて、大きな舞台で戦うこと。そのために激しい練習の日々を送っている。当然、障害になるモノは払いのける。そこはミナミも覚悟をしてほしい」

──この試合の5日前に竹本啓哉選手の持つGLADIATORバンタム級王座に竹中大地選手が挑戦します。試合予想をお願いします。

「タケナカが勝つ。タケナカは攻撃的で、打撃の当て勘が良い。タケモトは戦略を立てて、その戦いを積みかさねていくタイプだ。見ている人にとって、面白くない試合をする。俺はより攻撃的なタケナカが勝つと思う」

■視聴方法(予定)
7月12日(金)
午後6時30分~ THE 1 TV YouTubeチャンネル

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【Gladiator CS02】上久保周哉の挑戦を受けるプログレス王者、竹内稔「首を抱えれば絶対に極められる」

【写真】冷静と情熱のあいだ――アナコンダを極める時の熱量が凄い竹内 (C)SHOJIRO KAMEIKE

12日(金)に会場非公開で開催される無観客&配信大会のGLADIATOR CHALLENGER SERIES02「Matsushima vs Sodnomdorj」で、PROGRESSフェザー級王者の竹内稔が上久保周哉の挑戦を受ける。
Text by Shojiro Kameike

竹内にとっては今年2月に代名詞のアナコンダチョークで竹本啓哉を下し、巻いたベルトの初防衛戦となる。ケージ戦の経験は上久保のほうが圧倒的に多い。しかし竹内はケージでアナコンダを極める自信を深めているようだ。ロータス世田谷で一緒に練習することもある上久保を、誰もが来ると分かっているはずのアナコンダで仕留めることができるのか。そんな竹内がアナコンダと、上久保の強さについて語る。


壁ありのほうがアナコンダに入るバリエーションは多い

――5月11日のADCCアジア&オセアニア二次予選では、66キロ級3回戦敗退で世界大会出場は成りませんでした。まずADCC予選の感想を教えてください。

「ちょっと思い通りに体が動かなかったというか、自分がミスをしてしまいました。確かに相手は強かったけど、メチャクチャ強いという感じでもなくて。もうちょっとうまく考えて戦えば、勝てたのかなって思います」

――体が動かなかった、というのはコンディションの問題でしょうか。

「調子は良かったです。3回戦は試合中に焦ってしまったんですよ。まずノーポイントの時間に自分がスイープできて、『これならまたスイープできるかな』と思いました。そのあとポイントが入る時間になると、自分がパスを狙った時にスイープされて。相手にポイントが入って『ヤバイッ!』と焦ってしまい、プランが全て崩れてしまいました。さらに自分が不用意にバックを狙った時、逆に相手にバックを奪われました。そこで焦ることなく、もっと考えて戦っていれば――と思っています」

――――ADCCルールの特徴の一つが、前半はノーポイントで後半からポイントが入るというものです。日本ではADCCルールの試合を経験する機会がなく、そのルールが体に染みついていないという問題点はありせんか。

「それはあると思います。結局『ポイントを取られても一本で勝てばいい」と考えてしまうんですよね。だけど相手はヌルマゴ軍団出身で、メチャクチャ力が強かったんです。アナコンダを狙っても力で跳ね返されてしまうような感じでした。

アナコンダを極めることができないなら、スイープとかポイントを取りに行けば良かったです。でも切り替えることができず、自分はスイープされ、アナコンダを極めることもできず焦っていました。その状態で残り2分になっていて、巻き返すのは難しかったですね」

――昨年11月の1次予選ではアナコンダを極めまくっていただけに、2次予選では警戒されていたのでしょうか。

「3回戦の相手は、それほど僕のことを知らなかったと思います。だから自分も『『アナコンダを極めることができるだろう』と考えてしまったんですね』

――やはり竹内選手の中で、アナコンダには絶対的な自信があるのですね。

「首を抱えれば絶対に極められると思っています。100パーセントと言ったら言い過ぎですけど……、95パーセントは極めることができます(笑)」

――まだ修斗でプロデビューする前に修斗グラップリングの大会で、初めて竹内選手がアナコンダを極めるところを見てから十数年が経ちます。以降もずっとアナコンダを極めているなかで、取り方は変化してきましたか。

「昔はそこまでレスリングができず、完全にカウンター待ちでした。今は組手で崩し、相手の頭を下げて首系を取りに行くという技術も身につけました。入り方のパターンは、かなり増えています」

――3月3日の峯岸零弥戦(Level-G、サブオンリーで判定負け)のように、相手がボトムになった場合は?

「峯岸戦は不完全燃焼でした(苦笑)。やはり相手が下になった状態では難しいですね。やはりカウンタータイプではあるので、相手が攻めて来るかスクランブルになった時に取るのが70パーセント、自分から攻めて取るのが30パーセントぐらいです」

――では2月にプログレスのベルトを獲得した竹本戦は、相手がシングルレッグで入ってくるように誘いこんだのでしょうか。

「いえ、それが……完全に警戒してテイクダウンに来ないと思っていたけど、来たので確実に仕留めました」

――えっ!? 竹内選手から誘ったわけではないのですか。それは意外です。

「どういうことですか?」

――竹本選手に訊いたところ、シングルレッグに行くように誘い込まれたような感覚があっていたそうです。

「いえいえ、そんなことはないです」

――えっ、えぇ……。普通は竹内選手のアナコンダを警戒して、シングルレッグで入るのは躊躇しますよね。それでも相手がシングルレッグで組んでくるのは……。

「そういう試合、よくあるんですよ。ADCCでも、アナコンダが来るのは分かっているはずなのにテイクダウンを狙ってきて。もしかしてテイクダウンしやすいと思われているのでしょうか(笑)」

――自分でも気づかないうちに相手を誘い込んでいるのは、もう魔性のアナコンダですよ。

「アハハハ。練習だと、相手がテイクダウンに来ることは少ないです。でも試合だとシングルレッグで入ってくるのは、やっぱり焦りがあるからじゃないですか。試合では自分からアクションを起こしていかないといけない、という気持ちが出てきますよね。それが焦りにつながって――とは考えます」

――カウンターが7割、自分から攻めていくのが3割というのは狙っている数字なのですか。それとも結果的に、自然とその割合になっているのか。

「自然とその割合になっているんだろうと思います。ただ、自分がずっと待っているわけではないです。僕が攻撃して、さらに攻撃して、相手が出てきたところを狙います」

――それを「誘っている」というのです(笑)。ではグラップリングにおいて、アナコンダなど首系以外の技を極める割合はいかがですか。

「今はボディロックでテイクダウンしてくる選手が多いじゃないですか。首系以外だとボディロック・テイクダウンへのカウンターがあります。試合ではあまり極まったことはないけど、練習では極まっていますね。プログレスの場合は、ケージに押し込んでテイクダウンを狙ってきた時のカウンターを考えていて」

――マットやリングの時とは違う取り方を考えているのですね。

「自分の中ではケージのほうが極めやすいと思っています。今までケージグラップリングの経験は少ないですけど、練習は壁ありでやっていますからね。壁ありのほうがアナコンダに入るバリエーションは多いですよ」

ポイントがあることで攻防が生まれ、取りやすくなる

――その壁ありの練習を、ロータスで上久保選手ともやっているのですか。

「そうですね。上久保選手とは2~3週間に1回、練習で会っていました(笑)。試合が決まってからは、練習で組むのは止めています。試合1カ月前になって、上久保君がロータスに行く曜日は外しました」

――では上久保戦のオファーが来た時は、やりづらいと思いましたか。

「試合したいか、したくないかと訊かれれば――まぁ、アハハハ。練習して強さも分かっていますからね。試合を視れば分かるとおり、上久保選手のファイトスタイルって試合すると削られるじゃないですか。普段一緒に練習していなくても、対戦したくない相手です(苦笑)。

とにかく相手の光を消すのが巧いですからね。さらに試合時間が5分3Rで、上久保選手はスタミナもメチャクチャありますし。だから対戦したくないです」

――先ほどから「対戦したくない」を連呼しています(笑)。

「アハハハ。上久保選手については、みんなそう思うでしょう。本当に強いですから。今まで対戦してきた中でも、特に極めづらい相手です。上久保選手は出力がずっと一定なんですよ。だから練習していると、後半のほうはもう嫌になってきます(笑)。

もう本当に凄いですよ。最初ガーッと来て、そのペースがずっと続く。だからどこかで落ちると思うじゃないですか。でも一度上がったら、ずっと出力が同じで。強弱がないから本当にキツイです」

――竹内選手が得意とするカウンターは、そんな強弱の間を探りながら、その瞬間だけ最大出力を当てていくものですよね。上久保選手の出力の出し方とは真逆といいますか。

「そうかもしれないですね。その上久保選手の攻略法を今、考えているところです。自分としても今までと同じ戦い方+、新しいものを考えないと勝てないと思います」

――対して上久保選手は今までの試合とは違い、何か変えてくるでしょうか。

「変えてこないんじゃないですかね? というのも、僕がやることは向こうも分かっていると思うので。少し変えてくるかもしれないけど……どうなんだろう、という感じですね」

――その点はプログレスのルールも大きく関わってくるように思います。ケージグラップリングで、引き込むと相手にポイントが入る。一方でグラウンドになると、ボディロックで抑え込むことは反則となります。

「ケージだと押し込めるし、そこでテイクダウンできると思います。ルールの部分で不利になることはないかな、と。ただ、今回の試合はポイントも重要になってくるので、あまり自分にとってマイナスになることはやりたくないですね。

ただ、自分としてはポイント制のほうが面白い試合になると思います。サブオンリーだと峯岸戦のような試合になってしまうかもしれません。ポイントがあることによって攻防が生まれて、一本を取りやすくなるとも思いますし」

――なるほど。

「たとえばADCCだと、延長戦になるとボトムになったらマイナスポイントになります。すると必ずテイクダウンを奪いに来るので、自分も首系を狙いやすくなる面はありますね。

ただ、上久保選手も一本を取る力がありますからね。自分がいつもどおり狙いに行くと、反対に極められてしまうかもしれない。細かいことは言えませんが、今までと完全に同じ戦い方だと厳しくなってしまう。上久保選手が強いことは十分に認識しています。それでも僕が一本勝ちしますよ」

■視聴方法(予定)
7月12日(金)
午後6時30分~ THE 1 TV YouTubeチャンネル

■ Gladiator CS02対戦カード

<Gladiatorフェザー級挑戦者決定T準決勝/5分3R>
松嶋こよみ(日本)
ソドノムドルジ・プレブドルジ(モンゴル)

<Gladiatorフェザー級王座決定T準決勝/5分3R>
パン・ジェヒョク(韓国)
石田拓穂(日本)

<Progressフォークスタイルグラップリング・フェザー級選手権試合/5分3R>
[王者]竹内稔(日本)
[挑戦者] 上久保周哉(日本)

<バンタム級/5分3R>
テムーレン・アルギルマー(モンゴル)
南友之輔(日本)

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【Gladiator CS02】真価が問われるテムーレン戦へ、南友之輔「相手が今までより強いんで、力でへし折る」

12日(金)に会場非公開で開催される無観客&配信大会GLADIATOR CHALLENGER SERIES02「Matsushima vs Sodnomdorj」にて、南友之輔がテムーレン・アルギルマーと対戦する。
Text by Takumi Nakamura

全空連・WKFルールの空手では各世代で日本代表として活躍し、パリ五輪での空手不採用を受けてMMAの道を選んだ南。5月の秋田良隆戦に勝利後、元GLADIATORバンタム級王者テムーレンとの対戦をアピールし、デビューから10カ月&キャリア5戦目にしてテムーレン戦が実現することとなった。

大きな目標=UFC参戦に向けて「UFCにつながる試合を一つ一つクリアしていきたい」という南にとってターニングポイントになりうるテムーレン戦。この大勝負に向けた心境を語ると共に、MMAにおける打撃論についても語ってくれた。


──南選手も対戦を望んでいたテムーレンとの一戦が決まりました。5月の試合後に対戦アピールのマイクもありましたが、正式に試合が決まった時はどんな心境でしたか。

「最初、僕が(対戦アピールを)言った時に、テムーレンがInstagramのストーリーでやるぞみたいな感じの投稿していたらしくて、それをGLADIATORの櫻井(雄一郎)会長に聞いて、決まるんかなという気持ちではいました。だから正式に決まった時も『決まった!』というよりも『いよいよ決まったな』でしたね」

──テムーレン戦をアピールした一番の理由は何だったんですか。

「正直、自分は強い人とやりたいという気持ちがあって、テムーレンは元チャンピオンで、それが明確じゃないですか。しかも自分はこれから世界と戦っていきたいと公言していて、それだったら外国人、元チャンピオンが一番分かりやすい。それでテムーレンがいいなって感じです」

──南選手は伝統派空手の輝かしい実績を持ってMMAに転向して、なかなか試合を受けてもらえない、対戦相手が決まるのに時間がかかっていたように思います。

「そうなんですよ。全然相手が決まらんし、相手が決まっても対策とか練ってモチベーションがめっちゃ上がったみたいな相手じゃなくて、勝たないといけないみたいな雰囲気の相手だったり、僕が挑戦を受けるみたいな立場だったんです。まだデビューして4戦以下なのに(苦笑)。だからテムーレンはやっと自分の実力が分かるような相手かなと思います」

──ある意味、南選手にとっては本当のMMAキャリアのスタートのような試合ですね。テムーレンは自分のポテンシャルも出し切って、戦術も必要な相手だと思いますが、試合が決まってからどんな練習に力を入れていますか。

「試合が決まる前から、テムーレンとは同じ大会に出ることが多かったんで、ざっくり試合は見ていたんですよ。試合が決まってからちゃんと映像を見て、相手はこれがあるからこうしようというよりも、ここだけは気をつけて自分の持っているものをどう活かすか。そこを考えてやっていますね」

──テムーレンは手足の長さや一発の重さなど日本人はないものを持っている選手だなと思います。

「空手時代にモンゴル人と戦ったことはないんですけど、結構ヨーロッパの選手と国際大会でやってきたんで、外国人と肌を合わせた感覚はあります。だから外国人選手の体の強さや手足の長さ、国際戦の経験がない選手よりもイメージはしやすいのかな。そこをもとにだいたいのイメージを組み立ててっていう感じですね」

──空手とMMAではルールが違いますが、日本人選手と外国人選手ではどこに違いを感じますか。

「なんか“硬い”って感じですね。外国人でもフィジカルが弱い選手もいるんですよ。ただ(フィジカルが)強いヤツは『細いのに強いわ』みたいな。イメージ的には一瞬壁があるような感じです。僕も空手時代からフィジカルが強い方やったんで、これは勝てんわって思うことはなかったんですけど、相手とぶつかったときに結構『ゴーン!』と衝撃を感じることはありました」

──試合としてはどんな展開を想定していますか。言える範囲で教えてください。

「打撃で倒すのはもちろんなんですけど、そんな倒そう倒そうというよりも、自分が持っているポテンシャルや考えていることを、ちゃんと再現してイメージ通りにできれば、自然とKOに繋がるなって感じなんで、そんな今までと変わらずです。ただ、今までは駆け引きをしてくれない相手が多かったんで、正直(試合を組み立てるのが)難しかったんです。でもテムーレンは駆け引きしてくれる相手だと思うので、そういう意味では案外すぐ倒せるんじゃないかなというのがあります」

──今までは相手が南選手のことを警戒しすぎて技術の交換やキャッチボールがなかったのですか。

「そうなんですよ。僕が一方的に攻めているんですけど、相手に守りに入られるとリアクションがないから、結構やりづらかったというのが正直な感想で。相手は完全にケージを背負って、1発だけ狙ってガツーン!と来るみたいな。それはそれでその一発に気をつけなきゃいけないから戦いづらいんです(苦笑)」

──それでいて会場の雰囲気としては「南、行けよ!」という空気になって。

「まさにそれですね。自分で自分の試合を見直して『こいつ全然倒さんよな』と思っていました(苦笑)。そういう意味でテムーレンは技の駆け引きをしてくれるし、結構パンチを振ってくるじゃないですか。だから見ている方は面白いと思います。自分でもそういう相手の方がしっかり見えるし、僕の持ち味も出るかなと思います」

──話を聞いていると、相手がテムーレンだからこそ、南選手が持っている引き出しやできることをもっと試合で出せそうですね。

「相手の強さやレベルが上がると、一番いいパフォーマンスや技を出さないといけないし、今までよりももっと高いものを見せられるんじゃないかなと思います」

──そこを含めて試合自体も楽しみですか。ワクワクするというか。

「そうですね。どんな感じになるんだみたいな。で、最初のリングの中央の取り合い、そういうところから楽しんでいきたいです」

──取材前の練習を見ていると、組みと打撃のミックス、打撃からの組み、組みから打撃など、そういった部分を意識しているように見えました。

「例えば今までの僕は自分からタックルに行くことは少なかったと思うんですけど、もっとシンプルに打撃と組み、組みと打撃という上下の動きは練習しているんで、それを見せられたらいいなと思っています」

──MMAに転向してレスリングや寝技の練習も好きになりましたか。

「そうですね。最初はやられてばっかりで、やらないといけないからやってるぐらいだったんですけど、今はもう自分から行って楽しく、こんなんもできるわとか、頭で考えることもできるようになりました」

──先ほどの打撃の話にもつながるかもしれませんが、BRAVEにはレスリング出身の選手も多いので、練習でも技術の攻防ができますよね。

「確かにそうかもしれないですね。自然とそういう練習ができているかもしれないです」

──この試合は南選手にとって初の国際戦かつ元王者との対戦で、ターニングポイントになる一戦だと思います。どんな試合だと位置づけていますか。

「別に普段とそんな変わらず、気負うこともなく。ただ勝ったら…というか、勝たないと先は見えてこないんで。なんで勝つことしか考えてないですね。もちろん心の内では『やったんぞ!』って気持ちもありますけど、いつも通り準備して、いつも通り挑む。ただ相手が今までよりも強いんで、しっかり力でへし折ってやろうと思っています」

──南選手を取材していて、もともと持っている目標設定が高いところにあって、そこから逆算してキャリアを考えている印象があります。例えばUFCや海外で活躍するためにどういうキャリアを積まなければいけないかを考えているというか。

「そうかもしれないですね。ここをクリアしないとRoad to UFC(RTU)に出ている中国の選手たちには絶対に勝てないと思うし、ここをクリアしないと自分が目指す場所には辿り着けない。なので、ここは絶対にクリアしないとなと思っています」

取材日に伊藤空也がEternal MMA王座獲得を報告。海外で戦う選手が身近にいることが南にとって刺激になっている。(C)PROGRESS

──BRAVEには海外のプロモーションでも試合をしている選手が多いですが、刺激を受けることも多いですか。

「多いですね。(原口)伸さんがRTUに出ていて、(伊藤)空也さんがEternal MMAでチャンピオンになって、すごい環境で練習できているんだなと思います」

──またGLADIATORからも河名マスト選手がRTUに出ていて、色んなものが繋がっていますよね。

「最初はGLADIATORという関西の団体で、海外の選手も呼んでるしぐらいの感覚だったんですけど、今はもうそれこそ河名選手が(RTUに)出たり、道が明確になってきているんで。それがすごくいいところだし、取り組みやすいですね」

──南選手のこれからのMMAファイターとしての理想像はどんなものがありますか。

「BRAVEに来たのが去年の3月なんで、まだ1年半くらいなんですよ。だからまだまだMMAファイターとしてできないことはたくさんあります。そのなかで今は打撃で圧倒できるところまでとりあえず行って、レスリングやグラップリングは徐々にできてくる部分ではあると思うんで。結果的にレスリングとグラップリングもできている状況に持っていきたいですね。グラフでいったら最初は打撃のところだけ飛び抜けているのが、だんだんと円に近づいていくイメージです。そのうえでKOを狙っていきたいです。海外だとコナン・マクレガーとかショーン・オマリーみたいに極めもできるけど、倒して勝つみたいな選手がいいですね」

──純粋な打撃だけで言えば、南選手はMMAファイターのなかでもトップの実績がある選手だと思います。MMAファイターの打撃のレベルは高いのか。またMMAという枠の中で使える打撃を使っているのか。どう見ているのかを聞いてみたいです。

「正直、距離感や駆け引きは空手の選手の方が強い、優れていると思います。MMAはレスリングもあるから、打撃の駆け引きを誤魔化すわけじゃないですけど、そこをやらずにレスリングに持っていけるところはありますよね。もちろん打撃の駆け引きを上手く使う選手もいますが、洗練されているという意味では空手の方が洗練されていると思います。例えば僕らは打撃を効かせるとかじゃなくて、触ることが必要な競技なんですよ。触られた時点で相手のポイントになっちゃうし、それを判断するのが審判だから、見ている審判に対してどう見せるかを意識しなきゃいけないんです」

──当てる・当てないではなくて、審判に触っているように見せる・見せないのレベルということですね。

「はい。審判の目線まで意識して動いて、その部分で相手と勝負して上回らないといけない。それと比べたら、MMAは基本的に自分と相手の打撃の交換で、審判の目は多少意識しても触る・触らないのレベルではないじゃないですか。そういう意味では空手と比べると頭を使わず、自分がやることを整理しながら戦えると思います。MMAは下(組み)を意識すればいいくらいなんで」

──審判にどうジャッジされるかを意識しながら戦うというのは相当神経を使いそうですね。

「仮に相手の攻撃を避けたとしても、それが当たっているように見えたらアウトだから、審判に避けたことが分かるように避けないといけない。そういう意味でMMAは当たっていなければOK、ギリギリでも避ければOKだから全然違いますよね」

――そこまで意識して戦っていた南選手からすると、仮にもらってもダメージを受けなければいいというMMAは幅が広がりますか。

「あとはそこの微調整ですね。さっきは避ける方の話をしましたけど、当てる方は当てる方で審判にアピールしないといけないから、わざと動きを大きくして当てるアピールするわけですよ。MMAはコンパクトに当てて、ギリギリで避けるから、そこの調整はめっちゃ必要だし、今もやっている最中ですね」

──例えば自分の攻撃でMMA用に微調整した部分はどこですか。

「空手は単発単発の競技なので、別に打ち合いが好きなわけじゃないんです。だから打ち合いに入る一瞬でヤバいポイントを作って、打ち合いになる時間でいかに当てるかを意識していいます」

──こちらが外から見ているものと南選手が試合をやりながら見ている世界は違うようね。

「ああそうですね。もしかしたらそういうズレはあるかもしれないです。でもシンプルに空手の速い打ち込みだけでは勝てなくなってくると思うので、近いところでの勝負だったり、そういうものをこれからは覚えていかないと。あいつはここの攻防ができないじゃなくて、あいつはここの攻防も強いと思われるようになりたいです」

──MMAには色んな選択肢があるなかで、南選手は海外での戦いを見据えていると思います。世界で戦うことへの想いを聞かせてもらえますか。

「やるからには世界一になりたい。世界一になるためには、UFCに行かないといけない
そういう感覚ですね。何が正解かは分からないですけど、UFCにつながる試合を一つ一つクリアしていきたいです。次テムーレンに勝って、GLADIATORのタイトルマッチをやらせてもらえるなら、そこを勝つことで色んな景色が見えてくると思うんですよ。大雑把にではなくて、一つの明確な目標があって、そこに向けてどういう道筋を選んでいくか。それを自分で選択していきたいですし、その選択を作るためにも勝ち続けていきたいと思います」

──それではテムーレン戦を楽しみにしているファンのみなさんにメッセージをお願いします。

「打撃で圧倒して、触らせずシンプルに倒すところを見せられたらなと。あとは新しい、こんなこともできたんや、こういう打撃、こういう組み方、そういうことできたんやっていうのを見せられるように、しっかり勝ちます」

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【Gladiator027 & Gladiator CS02】南友之輔、テムーレン戦決定。Fe級T補欠戦でハンセン×パク&水野×田口

【写真】デビュー10カ月で、国際戦を戦うことが決まった南(C)MMAPLANET

27日(木)、Progress実行委員会より7月12日(金)に会場非公開で開催される無観客&配信大会GLADIATOR CHALLENGER SERIES02「Matsushima vs Sodnomdorj 」でバンタム級3回戦=テムーレン・アルギルマー×南友之輔戦が組まれることが発表された。
Text by Manabu Takashima

また26日(水)にはGLADIATORより同7日(日)に豊中市の176BOXで行われるGLADIATOR027でフェザー級挑戦者決定トーナメント・リザーブ戦としてパク・サンヒョン×ハンセン怜雄、水野翔×田口翔太の2試合と全15試合のラインナップが明らかとなっている。

全空連、WKFルールの空手で中学・高校・大学の各世代で日本代表に名を連ねていた南は、パリ五輪に空手が採用されなくなりMMAを目指すように。宮田和幸氏率いるBRAVE GYMの門を叩き昨年9月にMMAデビューを果たした。


小松祐貴を3分19秒でKOして初陣を飾ると、12月の健太エスペランサ戦は3-0の判定勝ち。今年2月のGrachan67 における徳弘拓馬戦では450グラムオーバーで計量失敗。勝っても試合不成立という状況下で、右ストレートでカットに追い込み僅か46秒でレフェリーストップも──規定通りノーコンテストとなっている。

その後、5月のGLADIATOR026で秋田良隆を初回終了間際に鉄槌の連打で破ると、ケージの中からテムーレンをコールアウトしていた。テムーレンもSNSでこれに呼応し、両者の対戦実現への機運が高まっていく。

テムーレンは去年の3月に初来日し、当時のGLADIATORバンタム級王者の神田周一をスラムからパウンドアウトという鮮烈な日本デビューを飾ると、2カ月後には神田を返り討ちしバンタム級のベルトを巻いた。

しかし9月には竹本啓哉に敗れ、12月には竹中大地にRNCで敗れるなど、壁にぶち上がっていた。そんなテムーレンに対戦要求をした南は年内の王座奪取を公言しており、ステップアップするための格好の標的としてテムーレン戦を望んでいた。半面、師匠の宮田氏は南のキャリアアップには慎重な姿勢を持っていたが、本人の意志の強さに折れるような形で、「なら、やってこい」と背中を押すようになったという話も伝わってくる。

対してテムーレンといえば、南の対戦要求に応えた直後にFalcon FCへのスクランブル出場を決める。しかしながら急激な減量でカツカツとなっていたボディは、2R以降を戦うだけのエネルギーを保有しておらず、シネバートル・バットエルデネに逆転で判定負けを喫している。

勢いは完全に南にある。とはいえBRAVEで原口兄弟らレスラーに鍛えられる南ではあるが、そこは宮田氏が危惧するように絶対的に経験値は足りていないのも事実だ。2戦目&4戦目を見る限り、相手が下になる選手だったこともあり寝技の展開を捌くことには成功していたが、トップ系のファイターへの対応力は未知数だ。

つまりテムーレンに組みの展開に持ち込まれると、跳ね返せずにコントロール&パウンドという攻撃を受ける可能性は十分にあるということ。と同時にアグレッシブ、パワフル&スラッピーなテムーレンの打撃に対して、前に出てくる相手だからこそ南の間合いを取る能力と、踏み込みの速さという武器が最大限に生きることも絶対だ。

無敗のファイターだけが持つ真っ新な勢いと、だからこそ見えていない欠点。この両方を併せ持つ南と後がないテムーレンの戦い、初回4分までに南が決めることができるのか。その辺りがこの両者の対決の分水嶺になるやもしれない。

2月スタートのフライ級王座決定トーナメントのようにアジアのフィーダーショーを目指すGLADIATORでは、ステップアップを図る選手のトーナメント離脱に関して、もろ手をあげて歓迎しているという事実がある。

よって今回のフェザー級挑戦者決定トーナメントも、トーナメント戦特有の勝者の負傷欠場だけでなく勝者のステップアップという事態も考慮しリザーブ戦が組まれた。チハヤフル・ズッキーニョスに敗れているハンセン怜雄とパク・サンヒョン、中川晧貴に判定負けを喫した水野翔にとってはトップ戦線に割り込む資格を争うサバイバル戦という見方ができる。

いうと代替出場がなるかは誰にも分からない。とはいえトーナメント出場3選手がグラジのフェザー級戦線の1部リーグファイターとすれば、今回のリザーブ戦で勝てば──トーナメント初戦敗退組と入れ替え戦に挑む資格を得ることができる。それだけにリザーブ戦から白熱の勝負が繰り広げられるだろう。

なおプレスリリースに寄せられた6選手の今回の試合に向けての抱負は以下の通りだ。

テムーレン・アルギルマー
「久々にGladiatorで試合が出来ることになり、とても嬉しくてワクワクしている。相手の南選手は5月大会で私に対戦要求をしていたが、彼はまだ私のレベルには達していない。7月12日の対戦を楽しみにしているので、しっかり練習してきて欲しい。試合当日、彼は悪夢を見ることになるだろう」

南友之輔
「自分のポテンシャルを引き出してくれる相手と試合できるのを楽しみにしています。最高のKOを見せられるよう当日まで準備します」

ハンセン怜雄
「今回の試合はトーナメントの補欠戦なので、勝ってもトーナメントに出られるかはわからないですが、トーナメントに出られれば優勝出来ると思っています会場で観ている人にもそう思ってもらえる試合をします。今大会はフェザー級の試合も多いですが1番面白い試合をして勝ちます!」

パク・サンヒョン
「先ず、グラジエイター26の敗北にも関わらず、7月7日の大会にもお声がけ下さったGLADIATOR関係者の方々、誠にありがとうございます。前回はズッキーニョス選手との試合に自信を持って応じましたが、準備期間が短いせいなのが、体が思う通りに動かず負けでしました。私を信じてチャンスを下さった方々には申し訳が無い結果で本当にすみませんでした。今回の相手、ハンセン選手は打撃が得意なストライカーです。自分も一応、打撃に自信があるストレイカーの端くれなので良い試合になるかと思います。精一杯頑張りますので応援宜しくお願い致します」

水野翔
「今回フェザー級トーナメント補欠戦ですが、ここでしっかり勝ってトーナメントにいつでも出られるように準備します。デビュー4連勝から前回、初めての負けを経験しましたがまだまだ勢いは止まっていません!」

田口翔太
「この度はフェザー級トーナメントの補欠戦出場の話を頂きありがとうございます。選ばれたからには必ず勝利し自分がダークホース的存在になれるようしっかりと結果を出します。当日はKO決着にて自分が勝ち取ります」

■Gladiator027視聴方法(予定)
7月7日(日)
午後12時30分~ THE 1 TV YouTubeチャンネル

■Gladiator Challenger Series02視聴方法(予定)
7月12日(金)
午後6時30分~ THE 1 TV YouTubeチャンネル

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【Gladiator CS02】松嶋こよみと対戦、ソドノムドルジ・プレブドルジ「自信が無かったら試合は受けない」

【写真】日本で戦うことに、希望で目をキラキラと輝かしていたソドノムドルジ (C)MMAPLANET

7月12日(金)に会場非公開、無観客&配信専門大会=GLADIATOR CHALLENGER SERIES02「Matsushima vs Sodnomdorj 」が開催され、GLADIATORフェザー級挑戦者決定トーナメント準々決勝で、モンゴルのソドノムドルジ・プレブドルジが松嶋こよみと対戦する。
Text by Manabu Takashima

ソドノムドルジは前Gladiatorバンタム級王者テムーレン・アルギルマーと同様にマザーライ・ファイトセンターとシレンベーリ・ファイトセンターという2つのジムで練習をし、初来日に備えていた。

キャリア5勝2敗、モンゴルではMGL-1FCライト級のベルトを巻いていたこともあるソドノムドルジに今回の試合について話を訊いた。


――松嶋こよみ選手と約1カ月後に戦うことが決まりました(※取材は6月7日に行われた)。今の調子はいかがですか。

「体調に関してはずっと練習を続けているし、凄く良いよ。今回、マツシマのようなONEでタイトルマッチに出場したファイターと戦うことは凄く光栄で。彼と戦うことで今、自分がどれぐらいのレベルにあるのかが分かる。そういう機会を与えてくれたGLADIATORに感謝の気持ちでいっぱいだよ」

──当初は松嶋選手の相手は違う国の選手が予定されていたのが、合意を得ることができずに急遽ソドノムドルジ選手に声が掛ったと聞きました。

「マツシマは経験豊かで、本当に強い選手だと思っている。さっきも言ったけど、そういうファイターと戦って自分のレベルが知りたい。僕がこれまで戦っていた相手は、ワールドクラスのファイターじゃなかった。だから勝っても、自分の力が分からなくて。今回、マツシマと戦うことで世界のなかで、自分の位置がどこにあるのかが分かるから、話が来た瞬間に『戦う』と即答したよ」

──これまでライト級で戦っていましたが、今回はフェザー級のオファーです。

「僕はこれまでライト級で戦ってきたけど、元々外国で戦う機会を得られた時はフェザー級で戦うつもりだった。中国で試合をした時もフェザー級が良かったけど、ライト級のオファーだった。今回フェザー級で戦うというのは僕のなかでは考えていた通りの流れになったと思っている」

──ではソドノムドルジ選手の格闘技歴を教えてもらえないでしょうか。

「僕はアルハンガイ県(元関脇の逸ノ城の出身県)のチェロット村で生まれ育った。凄く田舎だから何かスポーツに打ち込むにはハードルが高い場所だったんだ。選択肢がなくて、子供の頃からモンゴル相撲をやり、いつかはモンゴル相撲で成功したいとは思っていた。

ただ少ししてから柔道の練習ができる場所を見つけて、柔道の試合だけでなくサンボの試合にも出ていた。高校に進学する時に兄から『お前はモンゴル相撲や柔道の才能があるから、スポーツで身を立てろ。ウランバートルの柔道の強豪校に進め』って言われ、柔道を続けるためにウランバートルに出てきたんだよ」

──では、柔道での戦績というのは?

「アルハンガイ県の青年の部で銅メダル、高校ではウランバートル市の大会で銅メダル。最高の結果は全国大会で銀メダルだった」

──全国2位は十分に立派かと。

「柔道で成功をしてオリンピックに出たい。そういう夢を持っていたけど、高校卒業が近づいた時……実は僕はこのシレンベーリ・ファイトセンターの近くに住んでいて、よくMMAの試合をTVで視るようになっていたんだ。その時に柔道を続けるより、このスポーツをやってみたいと思うようになった。

そして高校を卒業して間もない頃、ジムの看板にTVでMMAを視た時に試合に出ていたダムランプレウ(バーサンフー)先生の姿があって。練習を見学させてもらうと、ジムの代表ノフルバット先生が『興味があるなら、やってみたらどうだ?』と言ってもらい、MMAを始めたんだ。その時からMMAへの気持ちが強くなって、柔道を続ける気はしなかったよ」

──試合でもパンチを強振して、強気のファイトを展開していますね。

「僕はグラップラーだよ。一番好きな選手は、カビブ・ヌルマゴメドフで。その影響もあって、組んで倒してコントロールするというのが自分のファイトスタイルだと思っている」

──では、松嶋選手とどのような試合をしたいと考えていますか。

「とにかく自分がどのようなレベルにあるのかを確認したい。それがこの試合に向き合う時、一番の力になる部分で。だからこそ打撃もグラップリングも駆使して戦いたい。ただ、自然と組みの展開になるかと思う」

──チームメイトのテムーレンから、日本で戦うことに関してアドバイスを貰っていますか。

「僕は2018年にここで練習するようになったけど、テムーレンの方が半年ほど前から在籍していて。それ以来、私生活でもずっと仲が良いんだ。今回、僕が日本で戦うことができることをテムーレンは自分のことのように喜んでくれた。テムーレンだけでなく、バットオチル・バットサイハンも日本で戦う機会を得ることができて、正直羨ましいなって眺めていたんだ(笑)。

でも今回、一緒に日本に行けることになって凄く嬉しい。テムーレンからは気候が違うから、最後の体重調整の仕方が変わってくる。そこを調整方法もアドバイスしてもらって、そこは本当に助けてもらっているよ」

──では改めて松嶋選手との試合に向けて、意気込みの方をお願いします。

「自信がなければ、このオファー──試合は受けなかった。100パーセント、僕が勝つつもりで練習をしている。マツシマは経験が豊かでも手が2本、足が2本。同じ人間なので何も恐れることはないからね」

■視聴方法(予定)
7月12日(金)
午後6時30分~ THE 1 TV YouTubeチャンネル

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