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45 AB F1 FAW2024#03 MMA MMAPLANET o キック トミー矢野 中村京一郎

【FAW2024#03】中村京一郎がトミー矢野の寝技を封じて判定勝利、トーナメント優勝を果たす

【写真】トーナメント3試合とも異なる試合展開。格闘代理戦争で強くなる。そして優勝を果たした中村だ(C)MMAPLANET

<フェザー級/3分3R>
中村京一郎(日本)
Def.3-0
トミー矢野(ブラジル)

サウスポーの中村がジャブと右フック。トミーは右ハイを蹴り、右ミドルと右ストレートを見せる。中村も左の三日月蹴りを返して、じわじわとプレッシャーをかける。トミーが前に出てくると中村は右フックを狙う。組みついたトミーが足関節を仕掛け、中村が背中を見せるとバックにつく。トミーは中村の動きに合わせてマウントをうかがいつつ、中村も足を入れて立ち上がる。そこにトミーがギロチンを狙い、頭を抜いた中村がパンチを落とす。ガードポジションのトミーが下から三角絞めを狙う。

2R、中村がけん制の右の前蹴り。トミーはシングルレッグに入って、自らガードポジションで引き込む。中村はインサイドガードでトップキープし、細かくパンチを落とす。トミーは下から中村の足をすくって展開を作ろうとするが、中村もすぐに反応して立ち上がる。試合がスタンドに戻ると、前に出る中村がトミーに左ストレートを放つ。最後はトミーがダブルレッグに入って、ガードに引き込んだところでラウンド終了となった。

3R、中村が前に出て左ミドル、右のカーフキック。トミーのシングルレレッグを切ると、引き込むトミーに中村が鉄槌を連打する。トミーもガードポジションから腕十字や足関節を仕掛けるが、中村が足を抜いて立ちあがって距離を取る。スタンドでの再開後、トミーが渾身のダブルレッグで組みついてケージに押し込むが、テイクダウンできない。中村は組み際に右フックを狙い、トミーに組みつかせない。このまま試合終了となり、中村が判定勝利を収めた。


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45 FAW2024#03 MMA MMAPLANET o RIZIN ヒロ・ヤマニハ 朝倉未来 秋元強真

【FAW2024#03】18歳の秋元がヤマニハをボディ攻撃でKOし、超RIZIN出場をアピール

JTTに移籍した秋元。まだ18歳で、MMAは5連勝中だ【写真】(C)MMAPLANET

<62.5キロ契約/5分3R>
秋元強真(日本)
Def.2R0分56秒 by KO
ヒロ・ヤマニハ(ブラジル)

「プロルール」として5分3R、ニーパットは着用せず試合が実施される。サウスポーの秋元に対し、ヤマニハが左右のローを打ち込む。秋元はヤマニハにケージを背負わせるが、ヤマニハもパンチを振りながら前に出る。ヤマニハのローの蹴り足をキャッチした秋元は、左ストレートを伸ばした。一気に距離を詰めたヤマニハに左ストレートを合わせる秋元だが、そのままケージに押し込まれてしまう。グラウンドに持ち込むヤマニハがバックに回るも、秋元が立ち上がった。バックコントロールを続けるヤマニハがパンチで削る。

秋元が正対したところでヤマニハのヒザが秋元の下腹部を捉え、ローブローとして秋元に休憩が与えられる。再開後、サークリングするヤマニハがローを散らす。秋元はボディへのストレートから顔面に繋げていく。秋元のワンツーをかわして回るヤマニハ。秋元もヤマニハの左右フックをよける。ヤマニハが中に入ろうとするところに秋元がパンチを合わせる。左ストレートから右フックを繰り出すと、ヤマニハは下がる一方に。ヤマニハが頭を下げたところに秋元が左ハイを狙った。ヤマニハは右目が腫れ始めている。

2R、秋元が距離を詰める。ガードを固めるヤマニハがジャブから組みついた。秋元はバックに回られると、すぐに離れる。左テンカオをボディに突き刺す秋元が、頭を下げるヤマニハのボディに左を打ち込み、マットに手を着かせた。立ち上がり右ハイを放つヤマニハに右ボディアッパーを突き上げ、ダウンした相手にパウンド連打を浴びせてKOした。

秋元は「下馬評は不利で、自分でも大丈夫かなと思ったんですけど、セコンドの未来さんにもいろいろ教えてもらいました」と語る。セコンドについた朝倉未来は「作戦どおりに動くことができる。メチャクチャ目が良い」と秋元を評した。秋元も「未来さんの前座で、相手は誰でも良いので試合を組んでください」と7.28超RIZIN出場をアピールした。


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45 AB FAW2024#03 MMA MMAPLANET o 中川海 中谷優我

【FAW2024#03】中谷が中川を終始グラウンドでコントロール、最後はアナコンダチョークで一本勝ち

【写真】このまま判定かと思われたが、最後の最後で中谷がフィニッシュした(C)MMAPLANET

<ライト級/3分3R>
中谷優我(日本)
Def.3R by アナコンダチョーク
中川海(日本)

サウスポーの中川がインロー。組んだ中谷がテイクダウンを奪うと、ハーフガードでトップキープする。中川のブリッジに合わせてサイドポジションに出ると、アームロックやノースサウスチョークを狙いつつ、トップキープする。立ち上がろうとする中川のバックについた中谷がRNCへ。これは極まらなかったもののバックキープしてラウンドを終えた。

2R、中川がインローからパンチをまとめる。中谷も必死に組みついてテイクダウンを奪う。ここも中谷がハーフガードでトップキープし、体を起こしてパンチを落とす。膝を抜いてマウントに移行すると、中川の顔を押してパンチを落とし、アームロックを狙う。残り10秒で中谷が腕十字を狙うが極まらない。

3R、中川がジャブをついて距離を取る。シングルレッグで組みついた中谷がテイクダウンを奪い、ハーフガードからパンチを落とす。中川がガードに戻して下から三角・腕十字を狙うと、中谷が亀になる中川をがぶってアナコンダチョークへ。そのまま中川からタップを奪い、一本勝ちを収めた。スペシャルマッチながら最後の最後に一本勝ちした中谷に対し、青木は「よくがんばりました、殻をやぶりました。おめでとう」と祝福しつつ「でもやっぱり向いてない」と言葉をかけた。


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45 FAW2024#03 MMA MMAPLANET o キック ギレルメ・ナカガワ 佐藤藏ノ介

【FAW2024#03】右ハイを効かせたナカガワ、テイクダウンされるもストレートフットロックを極める

【写真】(C)MMAPLANET

<フェザー級/3分3R>
ギレルメ・ナカガワ(ブラジル)
Def.1R1分16秒 by ストレートフットロック
佐藤藏ノ介(日本)

KO負けからわずか1カ月で試合に臨むナカガワに対し、サウスポーの佐藤が距離を詰める。左右のローから左ストレートを伸ばした。ナカガワも頭を振って左ジャブを突く。左右のローを散らす佐藤の顔面を、ナカガワの右ハイが捕らえた。追撃の右ストレートを受け、フラついて下がる佐藤にナカガワがパンチで襲いかかる。佐藤はダブルレッグからすくい上げてナカガワに背中を着かせた。

下になったナカガワは佐藤の左腕を取って両足を巻き付ける。ここから十字に移行しながら、ナカガワが左足をすくい、デラヒーバからの仕掛けではないもののカイオテハフットロックのような形でタップを奪った。

試合後「とても良い試合で、自分の柔術を見せることができました」と語ったナカガワは、試合のポイントとして右ハイキックを挙げた。


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45 FAW2024#03 MMA MMAPLANET o 向坂準之輔 笹崎健司

【FAW2024#03】TD&グラウンドで優位に立った笹崎が2Rにマウントパンチで向坂にTKO勝利

【写真】テイクダウン&組み技の差で笹崎が勝利した(C)MMAPLANET

<63.5キロ契約/5分3R>
笹崎健司(日本)
Def.2R by TKO
向坂準之輔(日本)

サウスポーの向坂がインローを蹴る、笹崎はインローと右フックを振って前に出る。向坂は距離を取りながらジャブを突くが、笹崎が強引に組みついて四つ組みからテイクダウンを奪う。笹崎は立ち上がってパンチを落とし、向坂も必死に組みついて距離を潰すが、笹崎が身体を起こしてパンチを落とし続ける。

2R、パンチのフェイントを見せる向坂が左ストレートを突き刺す。組みつこうとする笹崎を突き放して左ストレート・左の三日月蹴り・インローを蹴る。笹崎はダブルレッグに入り、向坂のバックを狙いつつマウントへ。笹崎がポジションをキープしながらパンチを落とし、向坂がパンチを浴び続けたところでレフェリーが試合を止めた。


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45 FAW2024#03 MMA MMAPLANET o キック 脇田仁

【FAW2024#03】脇田の右をかわして組みつくクサノ。2Rからテイクダウンに成功して判定勝利

テイクダウン後のコントロール力は流石のクサノだった【写真】(C)MMAPLANET

<63キロ契約/3分3R>
ガブリエル・クサノ(ブラジル)
Def.3-0
脇田仁(日本)

脇田が左関節蹴りから距離を詰める。クサノはケージを背負いながらサークリングし、ケージ中央に入ってから組みついた。左腕を差し上げてドライブしたクサノは、四つで組むとケージに押し込みながらヒザ蹴りで削る。上下に揺さぶるクサノに対し、脇田がウィザーで耐えるとレフェリーがブレイクをかけた。再開後、クサノはサークリングする。脇田の右ストレートをかわして組んだクサノが、再びケージに押し込んでいく。脇田がボディに左ヒザを突き刺す。クサノが左足を抱えようとしたがシングルレッグで組めず。レフェリーがブレイクをかけると、再開後に脇田がケージに押し込んだが、クサノが差し返して初回を終えた。

2R、初回よりもクサノが大きくサークリングする。脇田の右に左ミドルを合わせたクサノは、やはり距離を取りながら脇田の右をかわして組みついた。左腕を差し上げ、ケージに押し込みながら揺さぶるクサノ。脇田もウィザーから左腕を差し入れる。クサノも右を顔面に入れて削るもグラウンドに持ち込むことができない。レフェリーがブレイクをかけて再開されると、クサノが大きく回る。脇田は右ボディストレート、さらに前蹴りを突き刺した。クサノは脇田のカウンターを食らいながらも組みつき、ボディロックから遂にテイクダウンを奪った。脇田が下から足を上げていくも、クサノが振りほどく。脇田は逆側に足を組んで腕十字を仕掛けたが、これは潰された。

最終回もクサノが大きく回り、脇田の右をかわして組みつく同じ展開からスタート。しかしクサノがグラウンドに持ち込むのは早かった。背中を着かせたクサノは、ハーフガードの脇田にパウンドを連打を浴びせる。パスしてサイドに回ったクサノは、脇田のブリッジを左オーバーフックで防ぐ。

マウントに移行したクサノがパンチの連打を浴びせると、脇田が腕を伸ばした。さらにケージキックを狙う脇田に対し、トップを維持するクサノが右腕を取って腕十字を仕掛ける。これは腕を伸ばしに行かず、マウントをキープしながら鉄槌を落とし、残り10秒で脇田の左腕を取ったものの、十字で伸ばすには至らなかった。

判定はユナニマスでクサノの勝利した。


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45 AB ABEMA DEEP FAW2024#03 MMA MMAPLANET o RIZIN Special キック ギレルメ・ナカガワ チャンネル トミー矢野 ホベルト・サトシ・ソウザ ボクシング 中村京一郎 中村悠磨 中谷優我 所英男 朝倉未来 河村泰博 皇治 秋元強真 脇田仁 芦澤竜誠 雄貴 髙谷裕之

【FAW2024#03】中村×トミーの決勝以外にもJTT秋元×ヒロ・ヤマニハ。4月に3試合、脇田仁×クサノも注目

【写真】MMA2試合で勝利した月に、MMAグローブでキックルールに普通挑めるのか? 脇田仁に注目したい(C)MMAPLANET

16日(木)、都内某所で明日17日(金)に会場非公開で開催される格闘代理戦争-THE MAX-決勝大会の計量が行われた。
Text by Manabu Takashima

優勝賞金300万円が懸かった3カ月連続のハードなトーナメントも明日で終幕となる。

決勝に残った中村京一郎とトミー矢野の両者は、準決勝敗退ながらワンマッチ出場となる中谷優我、ギレルメ・ナカガワ、準々決勝で敗れた向坂準之輔らワンマッチ出場選手とともに計量をパスしている。


スペシャルマッチで組まれたヒロ・ヤマニハ×秋元強真の一戦も注目だ。代理戦争的にはホベルト・サトシ・ソウザ推薦のヤマニハと朝倉未来推薦の秋元。MMAマニアにとってはTHE BLACKBEL JAPANの離れてJTT入りをした17歳の新鋭が、キャリア35戦越えのRIZINベテランのヤマニハに挑むという形式になる。

3月にMMAPLANETが行ったインタビューで「朝倉未来選手は、MMAを始めたのがそんなに早くはなかったじゃないですか。だけどあそこまで昇り詰めていて――そんな朝倉選手を見て、自分もいけるんじゃないか」と秋元は話していた。いわば、自身がMMAファイターとしてやっていける根拠となる人間の下で新たなる一歩を踏み出すことになる。

「正直、舐められているといると思うので、明日は必ずKOします」という21歳下の言葉に、過去2戦で河村泰博、所英男を破っているヤマニハは鼻で笑う様な仕草を見せ、「悪夢を与える」と断言した。

4月の準決勝大会の皇治×芦澤竜誠対決の勝者対決=ガブリエル・クサノ×脇田仁は、コメントの際にクサノが脇田の名前を覚えておらず──わざわざ本人に確認を取るという挑発手段に出る。

この行為にも脇田は「何も思わないです。自分は試合をやるだけなんで」と冷静を装う。この脇田、4月は7日にDEEP名古屋大会、19日代理戦争準決勝大会、そして27日にはHEATと1カ月で3試合も戦っている。

特にHEATはスクランブル出場で、名門OISHIジム期待の新鋭=惺也とMMAグローブ着用のキックボクシングという過酷な戦いに挑んでいる。ボディを効かされ最後はミドルで敗れたものの5オンスのグローブで、ジュニア空手を4度制した神童と真っ向から打ち合いを挑む気持ちの強さに、クサノが気後れするようだと勝負の行方は分からなくなる。もちろん、組みの技術力の違いはあるだろうが、MMAはスタンドから始まる──という髙谷裕之理論もMMAの真理だ。3分間の短距離走、注目はやはりファーストコンタクトだ。

なお準決勝で中村に敗れたギレルメ・ナカガワは質疑応答で「柔術家として決勝はどちらが勝つと思いますが」という問いに、たっぷりと無言で時間を費やし──恥ずかし気に「柔術家として、柔術家が勝つと思う」と答えた。

これにはギレルメと激闘を繰り広げた中村は、「俺と違うんかーい」としっかりとズッコケて見せた。

■視聴方法(予定)
5月17日(金)
午後7時~ABEMA格闘チャンネル

■FAW2024#03計量結果

<フェザー級/3分3R>
中村京一郎:65.45キロ
トミー矢野:65.35キロ

<62.5キロ契約/5分3R>
秋元強真:62.4キロ
ヒロ・ヤマニハ:62.35キロ

<ライト級/3分3R>
中谷優我:70.75キロ
中川海:70.6キロ

<フェザー級/3分3R>
佐藤藏ノ介:65.4キロ
ギレルメ・ナカガワ:65.65キロ

<63.5キロ契約/5分3R>
向坂準之輔:63.2キロ
笹崎健司:63.4キロ

<63キロ契約/3分3R>
ガブリエル・クサノ:62.65キロ
脇田仁:62.95キロ

<67キロ契約/3分3R>
雄貴:66.85キロ
中村悠磨:66.7キロ

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45 AB ABEMA DREAM FAW2024#03 Gladiator Grachan MMA MMAPLANET o RIZIN Road to UFC Special UFC ギレルメ・ナカガワ シャーウス・オリヴェイラ チャンネル トミー矢野 パンクラス ミスター・ホンデ ライカ 中村京一郎 中村倫也 小島勝志 狩野優 鈴木崇矢

【FAW2024#03】代理戦争決勝でトミー矢野と対戦、中村京一郎「彼には柔術という逃げ道がある」

【写真】計量終了直後に見せた表情、どこまでもリラックス。そして余裕が感じられる(C)MMAPLANET

明日、17日(金)に会場未公開で開催される格闘代理戦争-THE MAX-決勝大会で、中村京一郎がトミー矢野と対戦する。格闘DREAMERS出身、デビュー戦は両国国技館のPOUND STROMにおける狩野優戦だった。その敗北から、始まったといっても過言でない中村のMMAファイター人生。
Text by Takumi Nakamura

初戦と準決勝の戦い振りもそうだが、前回の試合と今回の決勝戦について話す中村の言葉の一つ一つから、この2年の間、彼がどれだけMMAと向き合った来ていたかが伝わってきた。


──試合を3日後に控え、やはりリラックスしていますね(※取材は14日に行われた)。

「緊張はしていないです。試合まで、このままです」

──4月のギレルメ・ナカガワ戦は組みを切って、殴る。殴って組ませない。その流れが完全に出来上がってきたところで仕留めに掛かると、打撃で思わぬ反撃を食らいました。

「まぁ、僕の試合が無かったら代理戦争も盛り上がっていなかったと思います。そういう点でも流れが僕に来ている。パンチを被弾したのは……僕の練習相手は綺麗な打撃で、見やすいんですよ。それが久しぶりの喧嘩ファイトというのか、見えなかったです。『うわ、そこから来るのか!!』みたいに。汚い打撃を久々に食らいましたね。でも、あれって練習ではできないことなんですよね。

やっぱりボンサイは打撃に拘っていないからこそ、打撃を当てることができるんだと思いました。クレベルにしても、サトシにしても、ギレルメにしても」

──組み技に秀でていても、喧嘩ができるというか。

「ボディも顔も打って、心が折れるグラップラーも多いのですが……。本人も打撃ができないのが分かっているのに、打撃で来る。根性ありますよね。油断をしているつもりはなかったのですが、どこかで打撃では来ないという想いがあったのだと思います」

──日本のストライカーは組まれると終わりという状態にまだあると思っています。それが北米に行くと、ムンジアル優勝者や世界のトップクラスの柔術家に組ませない。柔術家が如何に勝つかという点に注目がいくのと、真逆の状態が続いています。その点で、中村選手とギレルメの試合は北米の構図になっている試合内容でした。

「シャーウス・オリヴェイラ、ジルベウト・ドリーニョ、ディアス兄弟もそうです。あれだけ寝技ができる柔術家が、打撃がメチャクチャ強い。なんなら寝技をしなくて勝つ。自分はUFCで勝つことを目標にしているので、組まれるのは当然だと思ってやっています。組まれたら、嫌だという思考でなくて。そこで切れずに、打撃戦に戻せないならMMAのストライカーじゃないです。

同時に彼らに組ませたら危ない。その意識を持ち続けています。練習で取られないようになっても、やはり戦う相手本人ではないです。今もトミー対策で、今成(正和)さんのところで解除方法を習っていますが、それが絶対でないという意識でいます」

──関節技と打撃は練習で100ではできないですし。

「打撃に関しては、トミーがそこを分かっているのかなって思っています。本気で殴られたことがない。何発か被弾すると、凄い恐怖を感じるはずです」

──それは足関節やサブミッションにも当てはまりませんか。

「今成さんは際どく攻めてくれるので、有難いです(笑)。それでも100ではないので、ビックリタップには気を付けないといけない。ただ、トミーも本来は上を取りたいはずです。MMAなんで。それが無理なら、足関節に来る。でも、僕は殴れるので」

──真剣の斬り合いのような攻防になりそうです。Kガードからのエントリーなど、殴られる覚悟で仕掛けてくると怖そうです。

「どういう流れになるのか……でも、Kガードを仕掛ける時間があるのか。確かに殴られる覚悟で仕掛けてくると厄介かもしれないですけど、効かさると本来の極めの強さも維持できないですからね。元気な状態の下と、効かされた状態は違うと思っています。トミーに関しては、もう倒すイメージはできています。僕も組みが強い人と練習していますから。

でも、そういう選手と戦えると思っていなかったので、格闘代理戦争に出て本当に良かったです。きっと、普通にMMAの団体で戦っていたらギレルメもトミーも試合ができなかった。いうと初戦のミスター・ホンデも含めて、全て国際戦を経験できているので」

──なるほど。本当にその通りですね。

「今後、世界に出ると道程にあってMMAはそれほどでも、柔術はしっかりとデキる選手と戦うことができた。戦績だけ見ると僕が一番上のようですが、彼らの格闘技歴は僕なんかより、ずっとあって。それだけ戦うことに慣れている。そういう選手と戦うことができて良かったです。3カ月連続で試合をすることもなかったと思いますし」

──なんだか、もう優勝したあとの言葉に感じられますが(笑)。

「そうですね。ここはしっかりと勝たせてもらいます。僕は本気でBMFのベルトが欲しいんです。そのために絶対にUFCに行く……。そのために生きています。でも、トミーってそこまでじゃないだろうって。

インタビューを読んだけど、スターになりたいとか言っている。スターになりたいなら、別にMMAじゃなくて良いだろうと思います。柔術をずってやってきて、ちょっとMMAにヌルッと入り過ぎたんじゃないかと。

MMAでスターになりたいけど、なれなくても柔術が残るんだろうし。僕はMMAしかない。彼には柔術という逃げ道がある。僕には、逃げ道はない。MMAだけで、人生を生きていくんです。お世話になった人に、MMAで恩返しをする。そういう俺と戦って、『お前、大丈夫か?』という気持ちはありますよ。気持ちの問題ですよ、そことは別に技術は存在しているので。ただ俺とは、覚悟が違うだろうって。

接戦になった時、その差は出ます。そういう覚悟がPOUND STORMで狩野(優)選手に負けた時に無かったから、僕には凄く分かるんです。今のように腹が括れていなかったから、ラスト30秒でタップした……」

──POUND STORMにおけるDREAMERS勢で、その覚悟があったのは中村倫也選手だけだったと思います。

「記者会見で……高島さんが狩野選手と岩﨑(大河)選手に『リスクしかない、やる意味のない試合をなぜ、受けたのですか』みたいな質問をしたんですよ」

──中村選手と、ヘンリー(三上大智)選手にとっては失礼極まりない質問ですね(笑)。

「ホント、あの時は『あんた、俺と話したこともないだろう?』ってムカついていたんです」

──スミマセン(苦笑)。

「でも今なら、ああいう風に思われていてもしょうがないと分かります。あの時の僕はヌルッとMMAをやっていた。倫也さんを筆頭に、格闘技で実績がある選手や(鈴木)崇矢みたいにやる気に満ちている連中が周囲にいて。それで自分が強くなっている気でいたんです。同じ電車に乗っているだけで、自分の荷物は違うのに、同じ風景を倫也さんと見ていると勘違いしていました」

──……。

「だから狩野選手に言っていたことは、もうその通りで。そりゃあ、そうだし。あの時の自分は、それだけ分かっていなかったんです。腹の括りようも甘くて、本当にヌルッとしていました」

──……。

「トミーは柔術が本当に強い。尊敬しています。さっきも言ったように試合で競い合って来た歴史も凄く長いし。でも、KIDさんやアーセンがいたからMMAをやっている気分になっている。あの時の自分と同じじゃないかなって。この試合で腹の括り方の違いが出ます。あの時の僕の経験を、今回の試合でトミーにしてもらいます。

逆にこの試合で負ければ柔術も辞める─ぐらいの覚悟だと、怖いですよね。でも、そんなこと思っていないから。そこは今の僕とは違いがあります」

──押忍。では今後に関してですが、どのようなプランを考えていますか。なんといっても、まだ2024年は7カ月も残っています。

「まずトミーと戦うことでKRAZY BEEに行くことができていなかったので、また練習環境を整えたいです。この間、本当にそれは感じました。まだ知らないので、米国で練習もしてみたいですし。

米国に行ったからって、強くなれるとは思ってはいないです。だいたい、言葉も通じない。食べるモノ、水も変わる。よほどの適応能力がないと、食べるって強さの根源ですよ。それが変わって、簡単に強くなれるなんて僕は思っていなくて」

──それは鈴木崇矢選手と、意見がぶつかりますね(笑)。

「アハハハ。だからこそ、行ってみたいんです。僕は行っていないから、分かっていないので。格闘代理戦争の間、試合間隔が短いからスパーリングでバカバカやることを減らして、調整もできました。凄く良い期間になっていて、自分の日本での練習環境は最高です。だから、経験として米国に行く必要があると思います。

実際、崇矢も強くなって帰ってきましたらね。何かあるのだろうし、それは経験したいです。強くなることに正解はないので、何でもトライしたいと思っています」

──では試合に関しては?

「優勝したら超RIZINという話が途中で出てきて……。まぁ、対戦相手にもよるんだけど……。ただ、スーパーアリーナのでっかいバージョンなんですよね。そこは倫也さんから、『そういう大観衆の前で試合をすることは、絶対に今後に生きる。RIZINに関しては好き嫌いはあっても、そこはあるよ。京ちゃんはUFCの雰囲気を知ったけど、試合をするのとセコンドは絶対に違うから』と言われて……。

あれだけMMAに掛けている倫也さんの言葉は、やはり重みが違って。それに、どアウェイ。そこを乗り切る練習になるかなと思っています」

──超RIZIN後も、まだ半年残っています。

「ハイ。来年のRoad to UFCに出るなら、国内のタイトルも必要で。Grachanでフェザー級タイトルを狙うというのもありますけど、チャンピオンの小島勝志さんは僕が山梨でMMAを始めた時のジムの会長なんです……。あとGLADIATORのチャンピオンは(河名)マストさんで練習仲間で。パンクラスは(新居)すぐるさんで、先輩だし(笑)。そうなると、戦う場所もしぼられてくるかなと思っています。

とにかく、僕はMMAファイターとしてまだまだです。だからRoad to UFC云々でなく、UFCで勝つためにBMFのベルトを取るためにグラップリングもレスリングも、打撃だってもっともっと強くなる必要があります。だから、まずは本当に自分がどう強くなれるのかを考えていきたいです」

──いやぁ、代理戦争のキャラ潰しになるかもしれないですが、全然傍若無人の若者でなく、口の聞き方も礼儀作法も心得ていますよね。ケージの中でカメラマンを手で払うとは、思えないです(笑)。

「いや、あれは……レフェリーも、カメラマさんに外に出てって言っているのに、ずっといるから(笑)。レフェリーの声が聞こえていたから、早く外に出てくださいって伝えたんですよ。でも代理戦争はカメラさんが下りてからも長い。そこは何とかしてほしいです(爆)」

──アハハハハ。

■視聴方法(予定)
5月17日(金)
午後7時~ABEMA格闘チャンネル

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