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45 Eternal MMA85 MMA MMAPLANET o キック 伊藤空也

【Eternal MMA85】TDされても、マウントを取られても立って、殴った伊藤空也がバンタム級新王者に!!!!

<Eternal MMAバンタム級選手権試合/5分5R>
伊藤空也(日本)
Def.2-1:48-47.48-47.47-48
ロッド・ッコスタ(豪州)

鋭い右ローを蹴った伊藤。さらに前足でミドルを当てる。伊藤は右カーフ、コスタのスイッチに自らもスイッチを一瞬見せる。カーフを続ける伊藤は、ケージを背負った状態から前に出て右ハイ&右ローのコンビを繰り出す。コスタは右カーフを返し、両手で顔面を守る構えを崩さない。伊藤は腹と足を蹴り、左ジャブを伸ばす。ジャブ&右カーフの伊藤は、ジャブからアッパーを狙う。パンチ、蹴りとも手数で上回る伊藤が左ハイから左フック。右を返したコスタは、最初のダブルレッグでテイクダウンを決めると両足を束ねていく。

背中でケージを背負った形の伊藤は、ボディロックから足を刈られ左足を束ねられ状態が続く。左を差しても、アンクルピックに取られた伊藤、ラウンド終了間際に立ち上がったが初回はリードを許したか。

2R、伊藤は左ジャブ&右カーフ、そして左リードフックを振るう。コスタは前足を蹴られながらジリジリと前に出ると、飛び込んでヒザ&パンチからダブルレッグへ。右を差して耐える伊藤だったが、ボディロックの要領で前方に崩される。伊藤の背中をマットにつけさせたコスタはガードの中でコツコツとパンチを落とす。コスタは伊藤のガードを越えることができない状況が続き、ワキ腹を殴るにとどまる。伊藤はケージを背負って立ち上がり、そのまま30秒間ケージに押し込まれラウンドを失った──が、ダメージは全くないまま中盤を迎えることとなった。

3R、引き続きカーフ&ジャブの伊藤、左ハイを捌いたコスタが低い姿勢のダブルレッグで早々にテイクダウンを決める。ダメージはなくても、ポイントで劣勢になるためすぐに立ち上がりたい伊藤だが、コスタが右足を越える。左足も抜いてマウントを取ったコスタの腰を押すも、伊藤はエビから足を戻せない。徐々に上がったコスタがエルボーを打ちつける。伊藤の右腕を背中で取り、スクランブルに持ち込ませなかったチャンピオンが再びヒジを打ち下ろす。ケージキックから左腕を差してリバーサルに成功した伊藤がトップを奪取も、コスタがハイガードで下からパンチを入れる。

伊藤も肩を押し込み、パンチを打つと立ち上がって足を払ってパウンドを思い切り打ちこむ。一瞬のサイドから足を戻して起き上ったコスタは、ケージに詰まる。ここで伊藤はダブルレッグを選択し、コスタはギロチンを仕掛ける。伊藤が頭を抜いて、時間となった。

4R、ボディから顔面のコンビを続け、ケージにコスタを下げさせた伊藤。鼻の横をカットしたコスタは、かなり削られてきたようだ。伊藤も追い込みたいか、ケージに詰めた状態で時間を使ってしまう。ヒザ蹴りが急所に入ったと離れた伊藤。しかしレフェリーが押し返して試合続行を命じる。ここで離れて右、ジャブをヒットさせた伊藤はシングルレッグでケージに押し込まれる。コスタはダブルに切り替えて、テイクダウン。

それでも伊藤はケージを背負って立ち上がり、体を入れ替える。コスタも押し込み返し、ダブルレッグへ。またもテイクダウンを許した伊藤は、頭を抱えて立ち上がろうとするがヒザをついたままラウンド終了を迎えた。

最終回、まず左ジャブを当て、右を打っていった伊藤が飛び込んでエルボーを狙う。ワンツーでアッパーを振るった伊藤だが、直後にダブルレッグで尻もちをつかされる。ケージを使って立ち上がるとする伊藤の足を抱えて許さないコスタが、背中をつかせてハーフで抑える。ハーフバタフライも、背中をつかされて動きを制限された伊藤。コスタは右足を抜いてフルマウントに。しっかりと抑えたコスタはエルボーも、伊藤がブリッジからスクランブルへ。即ダブルレッグでケージに押し込んだコスタは、ヒジを落とされてもダブルレッグで上を取り切る。残り40秒、左足を刈られた伊藤は、その足を抜いて立ち上がると体を入れ替えてパンチのラッシュをかける。左右のフックを連続で打った伊藤は、残り5秒で間合いを取り直し、最後に左ミドルを蹴りタイムアップに。

テイクダウン、ポジションを許しはしたが、インパクト重視でいけば3Rから3回を取った可能性もある伊藤。ただし、12分以上グラウンドでコントロールを許しており、フルマークの判定負けも考えられる。

果たして──48-47を2票集めた伊藤が、Eternal MMAバンタム級のベルトをその腰に巻いた。倒されても、抑えられても立ち上がって殴った伊藤の快挙といえる王座奪取劇。「アイム・ベリーハッピー。エターナル、オーストラリア、アイ・ラブ・ユー。全て遂行しました。作戦通りです」と話し、遅かれ早かれ防衛戦を行いたいと宣言した。


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45 DEEP Eternal MMA85 MMA MMAPLANET o UFC アンソニー・ドリリッチ 猿飛流

【Eternal MMA85】強い。UFC行き──デモ。アンソニー・ドリチッチが、初回KOでフライ級王座防衛

<Eternal MMAフライ級選手権試合/5分5R>
アンソニー・ドリリッチ(豪州)
Def.1R4分57秒by KO
マックス・リアリ(香港)

MAXの名でDEEPに参戦経験のあるリアリが、3月に猿飛流を破りベルトを守ったドリリッチに挑戦。サウスポーのドルリッチに対し、リアリがワイドスタンスから右カーフを狙う。かわしたドリリッチが得意の左を伸ばして前へ。右から組んだリアリだが、ドリリッチが簡単に切る。続くテイクダウン狙いもしっかりと防ぎ、リアリの遠くからのテイクダウン狙いにも対処したチャンピオン。それでも飛び込んでの右を当てたチャレンジャーが、もう一度ステップインから右フックを当てる。この前に出てのパンチを被弾するドリリッチだが、単発なのが幸いし組まれても切っていく。と、カウンターの左をクリーンヒットさせたドリリッチはレアリの大振りの右をかわす。

リアリは右インローを2度、そして3度と当てる。続く前進にアッパーを突き上げたドルリッチは右ミドルに左を打ち抜き、ダウンを奪う。シングルから立ち上がったリアリだが、もう一発左を受ける。残り10秒を切り、左から右を打ち抜いたドリリッチが初回KO勝ちで2度目の王座防衛に成功した。

「UFC、俺は契約が必要だ。レッツゴー。準備をできている。サインしようぜ」と何度もUFCとの契約をアピールした。8月のパース大会、ドリリッチのUFCデビューはあるか。


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45 Eternal MMA85 MMA MMAPLANET o ウェズ・キャッパー キック デヴィッド・マルチネス ボクシング

【Eternal MMA85】キャッパーの左でダウンを喫するも、マルチネスがグラウンドで削りユナニマスで下す

<ライト級/5分3R>
デヴィッド・マルチネス(豪州)
Def.3-0:30-27.30-27.30-27.
ウェズ・キャッパー(豪州)

マルチネスが左ミドルから左ローへ。キャッパーを下がらせ、右スピニングバックキックを見せる。ケージ中央で距離を詰めたキャッパーが右ストレートを当てる。その後はサークリングを続けるキャッパーが左ジャブ、右ボディストレートから顔面へワンツーを伸ばす。時おりサウスポーにスイッチするキャッパーは、左右に回りながら左フック、右ストレートを当てていく。マルチネスがニータップで組みつき、ダブルレッグに切り替えてリフトからキャッパーに背中を着かせた。

キャッパーはスクランブルから立ち上がり、マルチネスをケージに押し込む。切り返したマルチネスは、右腕を差し上げてキャッパーを押し込み、引き倒してグラウンドへ。ハーフガードのキャッパーに対し、右腕を差し入れてパンチで削るマルチネス。キャッパーは潜りからスクランブルを狙うも、マルチネスがケージ際でバックに回った。右足を差し入れ、左手首を押さえたマルチネスは肩固めを狙う。体を起こしたキャッパーのバックに乗るも、キャッパーが前に振り落としてパンチを浴びせた。離れたキャッパーはアウトボクシングに戻り、サークリングから右ストレート、左フックを突き刺していった。

2R開始早々、キャッパーはサークリングへ。サウスポーにスイッチし、ワンツーでダウンを奪ったキャッパーは、組みつこうとするマルチネスを突き放した。しかし食らいついたマルチネスが、ダブルレッグからグラウンドに持ち込む。ハーフガードのキャッパーを右ヒジで削るマルチネス。キャッパーは右腕を差し上げ、ガードに戻したものの、その足を捌かれパスを許してしまう。キャッパーがケージに背中を着けてガードに戻すも、マルチネスがキャッパーの右足を抱えながら右の拳を打ち込む。再び背中を着いたキャッパーに、またも肩固め→バックを狙いつつ、ハーフガードになったキャッパーをエルボーと鉄槌で削り続けた。

最終回、やはりキャッパーがケージを背負ってサークリングする。左ジャブを突いて距離を測るマルチネスだが、続く右は届かない。キャッパーが左ジャブを突き刺す。距離を詰めたマルチネスが左ヒジをクリーンヒットさせ、さらにボディロックから後方に投げた。これまでと同様、ハーフガードを取るキャッパーをヒジと鉄槌で削るマルチネス。キャッパーは両目尻から出血しており、顔面は血に染まっている。亀の状態から腰を起こしたキャッパーからバックマウントを奪ったマルチネスが、四の字フックで右腕を首に回して絞め上げる。しかしキャッパーのアゴが入っており、凌いだキャッパーが仰向けになりスクランブルへ。

両者がスタンドに戻り、打ち合いを展開する。左腕で首相撲に持ち込んだマルチネスが左ヒジを連打し、さらにキャッパーをケージに押し込む。離れたキャッパーが距離を取ると、マルチネスも首相撲からヒザを突き上げる。左ジャブからサークリングするキャッパーを追うマルチネスが、右腕を差し上げてキャッパーをケージに押し込むも、突き放したキャッパーの右ストレートが上がる。残り10秒で打ち合いを展開して試合を終えた。

裁定はマルチネスがユナニマス判定勝ちを収めた。


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45 Eternal MMA85 MMA MMAPLANET o ジャック・ベッカー 松本光史

【Eternal MMA85】最終回の猛攻に最後まで粘った松本だが、ジャック・ベッカーに0-3で敗れる

<ライト級/5分3R>
ジャック・ベッカー(豪州)
Def.3-0:30-26.30-26.30-27
松本光史(日本)

HEATライト級タイトルコンテンダー、元Eternal MMAライト級王者でご当地ファイターのベッカーに大きな声援が集まる。圧を掛ける松本の右カーフで、ベッカーがバランスを乱す。カーフから左を振る松本だが、ベッカーも左ジャブをクリーンヒットさせる。ジャブを続けるベッカーは、一瞬のスイッチ。松本は腹を殴り、カーフを蹴る。ジャブを続けるベッカーも右ローを蹴り返し、右をヒットさせる。松本も右を入れ、組みのフェイクを見せる。

引き続き左ジャブのベッカーが、右アッパー、そして左ハイが松本の頭部をかすめる。直後にベッカーの右カーフで、姿勢を崩した松本は引き続き左足を蹴られる。サウスポーから左ハイを狙ったベッカーに対し、松本がステップインから右を当てる。残り80秒が過ぎ、ベッカーが右カーフを繰り返し、左フックをヒット。さらに右カーフのベッカーが初回を取った。

2R、松本の左足に触れてから、右を伸ばしたベッカー。初回と同様にジャブを伸ばす。松本は左ミドルを蹴られ、一瞬動きが止まったか。それでも前に出てくるベッカーにパンチを振るう松本が右を伸ばして前へ。ベッカーはジャブ、ボディを見てジャブ&右アッパー、さらに左リードフックを打ち込む。ジャブの相打ちから、右を伸ばした松本がジャブをダブルで振るう。ベッカーのシングルを切った松本が、ボディを続けワンツーを打っていく。

ベッカーが右ストレート、松本は左ジャブ、そして左フックを入れる。さらに蹴りから追い突きのように右を当てた松本だが、ベッカーは右を打ち返す。松本も右ボディを決め、ジリジリと前へ。ジャブで迎え撃ったベッカーは右ローから左というコンビを決める。ボディ後に左を顔面に伸ばしたベッカー、松本は右を狙う。ベッカーの右フックは空振り、互角で判断の難しいラウンドとなった。

最終回、まずベッカーが左ハイ。松本の蹴り足を掴んで殴り、右ハイを狙う。松本はジャブを被弾しても圧を掛け、右をヒット。ベッカーは右を正確に当てる。左リードフックの松本、ベッカーは右カーフを効かせる。下がり、回るようになった松本だが距離を詰めてフック──も、カーフを蹴られる。ベッカーも殴られても前に出る戦いを続け、一瞬の組み狙いにも対応する。そして首相撲からボディを殴り、離れた松本にパンチを振るうベッカーは、蹴り足をキャッチ即リリースして、右をクリーンヒットさせる。ケージに詰まった松本にパンチの追い打ち、前に出てきたところで飛びヒザを入れたベッカーがパンチ&ヒザと猛攻を仕掛ける。

腹も殴られ、追い込まれた松本はダブルレッグでテイクダウンを奪われると、パンチに背中を見せる。一度は背中をマットにつけた松本だが、もう一度バッククラブからマウントを許しパンチ&エルボーを落とされタイムアップに。

最終回をビッグラウンドとされた松本は0-3で敗れた。


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45 Eternal MMA85 MMA MMAPLANET o UFC ジャック・ベッカー パンクラス フランク・カマチョ 天弥 松本光史 海外

【Eternal MMA85】豪州で元王者ジャック・ベッカー戦へ、松本光史「答え合わせをするために強い相手と」

【写真】豪州西部、パースのスーパーマーケット前にて(C)KOSHI MATSUMOTO

8日(土・現地時間)、豪州パースのHBFスタジアムで開催されるEternal MMA85にて、松本光史がジャック・ベッカーと対戦する。
Text by Shojiro Kameike

松本は今年3月に天弥戦で敗れて以来の復帰戦が、豪州エターナルMMA初出場となった。対戦相手のジャック・ベッカーはHEATでオク・ユレンとの対戦経験もある、同大会の元ライト級王者だ。松本にとって、ここで海外——しかも元王者という強豪と戦う意味とは。


――6月4日の深夜2時に現地到着で、その翌朝にインタビューを行っております。まずは長旅お疲れさまでした。

「疲れました(苦笑)。飛んでいる時間は問題ないですが、成田空港で、飛行機の中で1時間半も待つことになって……。他の便で火災トラブルがあり、同じ時間帯の飛行機も止められたんですよ(※注)。なんとか飛行機も飛んで、無事パースに着くことができました。まだ散策していないけど、とにかく道も何もかも広いという場所です(笑)」

注)4日10時16分に成田空港を離陸した貨物機で、エンジンの不具合が発生。貨物機は引き返し、成田空港に緊急着陸する。その影響で成田空港では一部の便の出発が遅れたという

――今回、豪州のエターナルMMAで戦おうと思った理由から教えてください。

「もともと海外で試合をしたいとは思っていたんですよ。自分の中に『外国人選手を乗り越えることができていない』という気持ちがあって。ただ、ここ最近はそこまで勝てていないし、前回も負けている。そんな状態で海外の大会と交渉しても、そこまで強くない相手と組まれるんじゃないかと考えていました。

そんな中で、今回はジャック・ベッカーという――エターナルの元王者との対戦というオファーが来て。試合間隔の短さは心配ではありましたけど、トライしようとオファーを受けました」

――正直なところ現在の戦績で、かつ試合間隔の短さから「これが最後のチャンスだと考えたのか……」とも思いました。

「あぁ、分かります。……うん、そうですよね。前回の試合は負けたけど、チェックを受けて自分の体も大丈夫だったし、すぐ練習も再開していたんですよ。それと準備期間を十分に取ったからといって、万全の状態で試合に臨めるとも限らないわけで。試合が決まるのも、その時の運というか、巡り合わせみたいなものじゃないですか。だから自分には断る理由がなく、とにかく『ジャック・ベッカーと試合したい』と思ったんです」

――相手がベッカーという点は大きかったわけですね。

「それは大きいです。エターナルMMAの元王者で、強い選手ですからね」

――まず前回の天弥戦後に「大丈夫だった」と言える体が凄いです。

「アハハハ、そうですよね。あんなに血だらけになっていたのに(笑)。

あの時は『これが効いた!』という、脳が揺れるようなクリーンヒットはなかったんですよ。それより攻防の中で疲労のほうが強かったです。もちろんダメージがないわけではないけど、試合後に何日間も頭が痛いとか、そういうことはなくて。頑丈な体に産んでくれた親に感謝しています」

――良かったです。しかし天弥戦の敗北で、ライト級KOPのベルトからは一歩遠のいてしまいました。

「はい、そうですね」

――そんななかでエターナルのオファーが来るまで、ご自身の今後についてはどのように考えていましたか。

「考えていたようで考えていなかったというか…」

――というと?

「天弥戦で負けはしたけど、もっと強くなれるんじゃないかという実感があったんですよ。正直、パンクラスで戦った試合の中では一番それを感じて。

打撃の取り組みとか練習したことを出せたし、体の調整も変えたりしている、自分の中でうまくいっていなかった部分が繋がったところもあって。もちろんミスした部分もあったので、そこを改善していくと『もっとやれるんじゃないか』と思ったんですよね。だから試合が終わったあと『すぐに練習したい』という気持ちになりました。

あの敗戦でベルトから遠のいたのは分かります。だけど、強い相手じゃないと自分をつくり上げていくことができない。だから強い相手との試合のオファーを受けたんです」

――そうだったのですね。ダメージよりも疲労が大きかったという点について、20代の頃と比較することはありますか。

「体力が落ちたか、っていうことですよね。それは考えることはあります。若い時のほうが体力はあるのは当然で。数値化したら落ちているとは思うんですよ。でも若い時は、今のように精度や質の高い練習をできていたか。それは過去のことだから、今はもう数値化できないです。

若い時に今と同じ出力で試合をしても、疲労は変わらないんじゃないかとも思うんです。むしろ今のほうが精度と質が高くなって、それだけの出力で試合をしているから疲労もするんだろうなと。もう答え合わせはできないから、考えるのはやめました(笑)」

――過去と比べたり、過去を振り返っても意味はないと。

「はい。今その答え合わせをするためには、これから強い相手との試合で結果を残すしかないんです」

――今後のキャリアを考えるうえで、まずは一度エターナルMMAで気持ちを切り替えたい、ということですか。それともエターナルのベルトを目指したいですか。

「まだ分からないですけど、今回は相手がベッカーだから出るということで。実際に試合をしてみてから、次のことは考えたいです。もしベッカーに勝って、次の試合にも勝ってタイトルマッチという流れになるなら、エターナルのベルトを持って帰ったほうが、パンクラスにとっても良いかとは思っているんですよ。パンクラスのライト級も強い選手が揃ってきて、誰と対戦しても面白いでしょうし。自分がスパイスのようになるほうが、パンクラスの坂本靖さんも喜ぶような気がします(笑)」

――特にベルトを巻いてパンクラスに戻ってくれば、箔は付きますよね。初戦の相手ベッカーの印象を教えてください。

「一番は、タフですね。体も僕より一回り大きいし。どちらかというと組みの選手で、バックテイクすると相手を逃がさないというファイターです。そこで封じ込められたら負けてしまうとは思っています」

――しかもパンチを受けながら前に出て来るという……。

「ああいうタイプは苦手なんですよ(苦笑)。でもオファーを受けた理由として、ベッカーの実績はもちろん、こういうタイプを克服したいという気持ちもありました。その対策もしっかり練ってきたし、ベッカーに勝てばまた一歩先に進めるんんじゃないかと思います」

――どう考えてもフルラウンド削り合うことになるでしょう。敵地でフルラウンド戦うのは、スタミナだけでなくメンタル面の疲労も激しくなるとは思います。

「海外で試合をするのは2013年のPXC、フランク・カマチョ戦以来なんですよ。あの時はグアムで、今回はもっと日本から遠い場所ですけど――日本に来る外国人選手は、そういう状況の中で戦い、勝っているファイターもいるわけじゃないですか。そこでパフォーマンスを出せるかどうかは、自分にその能力があるかどうかであって。自分は出せるように、つくり上げてきました。良いパフォーマンスを見せることができると思いますので、皆さんUFCファイトパスでご覧ください!」

■視聴方法(予定)
6月8日(土・日本時間)
午後7時00分~UFC Fight Pass

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45 Eternal MMA85 Grachan Grachan66 MMA MMAPLANET o ONE ONE Championship RIZIN TSUNE UFC ボクシング ロッド・コスタ 伊藤空也 海外 田中智也

【Eternal MMA85】バンタム級王者コスタと対戦、伊藤空也「海外で結果を出すことへの挑戦」

【写真】オーストラリア入り後の伊藤。キャリア2度目の海外挑戦でEternal MMAのベルトに挑む。 (C)KUYA ITO

8日(土・現地時間)オーストラリアはパースのHBFスタジアムで開催される「ETERNAL85」にて、伊藤空也がロッド・コスタの持つEternal MMAバンタム級王座に挑む。
Text by Takumi Nakamura

昨年12月の「GRACHAN66」で田中智也を下し、Grachanバンタム級王座への挑戦が内定している伊藤に思わぬチャンスが舞い込んできた。Grachanと協力体制にあるEternal MMAでのタイトル挑戦だ。

デビュー当初から海外での試合、ユニファイドルールで戦うことにこだわりを持っていたという伊藤にとっては、今後のキャリアを左右するであろう重要な一戦だ。オーストラリアに出発する前日(6アg津)に伊藤に話を訊いた。


――Eternal MMAでバンタム級王座挑戦が決まった伊藤選手です。オファーが来たのはいつ頃だったのですか。

「2カ月前くらいですね。最初に話が来たときはびっくりしました。Eternal MMAはUFCファイトパスでも視聴できる大会で、BRAVEジムのみんなも知っているような大会なので、断る理由がないですよね。本当にチャンスだし、ぜひやらせていただきます、という感じでした」

――伊藤選手は昨年12月の「GRACHAN66」で田中智也選手に勝利し、TSUNE選手が保持するGrachanバンタム級王座に挑む流れもあるなかで今回の試合が決まりました。タイトル戦の前に試合をしたいという希望もあったのですか。

「そうですね。タイトルマッチがだいぶ先(2024年12月)になるという話を聞いたので、それまでに試合をしたいと思っていました。今回の試合はGrachanとEternal MMAが協力関係にあって、岩﨑(ヒロユキ)代表経由でいただいたオファーだったので、そこは調整してもらった感じですね。ただタイトルマッチになるとは思っていなかったので、そこはびっくりしました」

――思わぬ形で舞い込んだチャンスだと思います。海外で試合をするという部分もモチベーションになっていますか。

「はい。そういう喜びもあったし、あとはもう本当に集大成というか。今自分がやっていることを試すいい機会かなと思っています」

――伊藤選手にとっては2020年のBrawl以来の海外遠征です。当時と今のキャリアでは海外に出ることの意味合いも変わると思います。海外の大会に出る、海外で実績を残すことは伊藤選手の中のずっと目標にはあったのですか。

「僕がMMAをプロでやり始めたときは、まだRIZINもなかった時代で。UFC、ONE Championshipが盛り上がったときだったので、どうしても世界標準というものを見て、そこを目指していたんですよね。それもあってユニファイドルール、ケージでの試合にずっとこだわってきました」

――海外挑戦は伊藤選手にとって原点でもあるんですね。

「今回タイトルマッチということもあって、自分がどれだけ世界に通用するのかを試せる試合で、その部分でも僕にとっては意味のある試合です。しかもUFCファイトパスで中継される大会のメインイベントをやらせてもらうということで、今まで以上に注目されるだろうし、その中で自分の試合を見せられればなと思います」

――対戦相手のロッド・コスタにはどんな印象を持っていますか。

「一通りファイトパスで試合を見て、これぞ柔術家と言える正統派の落ち着いた戦い方をする選手だと思います。基本的には組んで寝かしたいんでしょうけど、全然下になっても苦にしないとタイプですよね」

――決してきれいな打撃ではないですが、積極的に手数も出すイメージです。

「僕の見た感じの印象なんですけど、それも作戦でやってるんだろうな、と。多少打撃はもらってもかまわないという感覚で戦っている気がします。最終的に組めればいいというか。柔術黒帯でMMAのチャンピオンという部分もあるだろうし、5分5Rにも慣れているでしょうね。最終的に組めば絶対に勝てるという自信を持っているように思います」

――勝ちパターンがはっきりしている選手ではあると思います。

「そうですね。だからそこを凌げばチャンスが来るだろうし、穴はスタンド(打撃)だと思います」

――レコード的にも比較的敗戦も多いキャリアだと思います。

「もともと一階級上のフェザー級でやっていて、その時の負けが多いんだと思います。あとは負けていてもフィニッシュさせないというか、柔術家らしい粘り強さはありそうです」

――サブミッション対策と打撃でどう組み立てるかがポイントだと思うのですが。どのような準備をしてきましたか。

「今回はユニファイドルールなので、RIZINとは全く違いますよね。極論5分5Rのうち3つ取れば勝てるわけで。当然コスタの穴は打撃で、そこに対する対策は練ってきました」

――言える範囲でどういった対策を練ってきましたか。

「BRAVEのタイ人トレーナーからムエタイの細かい打撃を教わったり、ボクシングもやったり、クリンチ際の攻防も練習してきました。あとは今回の試合で言えば柔術とノーギのグラップリングにも力を入れて、トライフォース池袋さんに練習に行かせてもらって、徹底的に柔術家の寝技がどういう流れ・動きなのかをやってきました」

――寝技が強いMMAファイターと純柔術家では質が違いますか。

「全然違いますね。レスラーがやるグラップリングはやっぱり多少フィジカルや身体能力で持って行っちゃう部分があって、逆に柔術家はピュアな寝技のスキルが高くて強い。そこを肌感覚で触れておくことは十分にやってきました」

――5分5Rという部分はいかがでしょうか。

「相手を変えながら階級が上の選手と5R用の練習をやってきたし、コスタに似たタイプの選手とも練習してきたので、実戦的な練習はしっかりできたと思います。あとはそれをそのまま本番でやればいいのかなって感じです。長丁場の難しさはあると思いますが、試合が進めばダメージや打撃の蓄積もあると思うし、後半に倒すチャンスが来る。前半にポイントをリードされても逆転する可能性があると思います。5分5Rは初ですが、シュートボクシングの3分3R延長無制限Rの方がきついですよ」

――Eternal MMAでベルトを巻くことになったら今後のキャリアアップにもつながると思います。そこは意識していますか。

「僕のキャリアとしても箔がつく試合だと思うので、しっかり勝って、次に繋げられるように。そういう試合になればと思ってますね。正直あまりベルトは意識していなくて、ユニファイドルールの5分5Rでコスタ選手に勝つことにフォーカスしています」

――今後も海外では試合を続けていきたいですか。

「僕がチャンピオンになったら当然防衛戦もあるわけで、そうなるとオーストラリアに行くことも増える。オーストラリアの選手やそれ以外の国の選手と戦っていくことになると思います。そこで勝ち続けてUFCとの契約が繋がればいいですよね」

――やはりMMAファイターとしてUFCにはチャレンジしたいですか。

「はい。UFCはもちろん、今はいろんな海外の団体があるので、どれだけ自分が海外で結果を出していけるのか。そういう挑戦でもあると思うし、今回がその第一歩になると思います」

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