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45 Eterna Eternal MMA89 MMA MMAPLANET o Road to UFC UFC   チーニョーシーユエ レイマート・キンタナ 神谷大智 鶴屋怜

【Eternal MMA89】神谷大智、おたつロックからのモディファイド・ツイスターでキンタナに一本勝ち

【写真】鶴屋怜がRoad to UFC 2023決勝のチーニョーシーユエ戦で極めかけたものと同形の変形ツイスターでフィニッシュ ※写真は計量時のもの(C)Eternal MMA

<74キロ契約/5分3R>
神谷大智(日本)
Def.1R4分19秒 by モディファイド・ツイスター
レイマート・キンタナ(豪州)

サウスポーの神谷がジャブを見せて前に出る。キンタナは右アッパーから左フック、神谷の前足にローを蹴る。神谷がアウトローを蹴り返すと、キンタナは右のパンチで飛び込む。神谷はアウトローを蹴ってシングルレッグで組みついてテイクダウン。一気にマウントをとると強烈なヒジを落とす。ここはキンタナがケージを蹴ってブリッジし、トップポジションを取り返す。

神谷はキンタナの右腕をオーバーフックして足を利かせつつ、キンタナの体が離れると、自分も体を起こしてシングルレッグに入ってテイクダウンする。キンタナは神谷のバックを狙いつつ腕十字へ。神谷はそれを潰して上を取ると、キンタナの足を担ぐようにしてバックにつく。

ここで神谷は四の字フックとおたつロックを使い分け、右足を深く入れるおたつロックからツイスターへ。これを嫌ったキンタナが正対しようとすると、今度は左脇でキンタナの首を抱える変形のツイスター=モディファイド・ツイスター(※鶴屋怜がRoad to UFC 2023決勝のチーニョーシーユエ戦で極めかけたものと同形)でキンタナからギブアップを奪った。


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45 Eterna Eternal MMA89 Grachan HEAT53 HEAT55 K-1 MMA MMAPLANET o RIZIN ROAD FC Road FC70 UFC   ふくやーまん キック ショーン・オマリー ジャック・ベッカー パク・ヒョングン ボクシング レイマート・キンタナ 宮田和幸 海外 熊崎夏暉 神谷大智 黒井海成

【HEAT55 X AFC34 & Eternal MMA89 & Road FC70】今週末、日・豪・韓で戦う黒崎&神谷&黒井=鼎談

【写真】左から名古屋で戦う黒崎、豪州で戦う神谷。そして韓国で戦う黒井海成。凄い時代になったものだ (C)TAKUMI NAKAMURA

26日(土)、27日(日)の2日間、宮田和幸代表が率いるBRAVEから3選手が国内外の様々な舞台で戦う。熊崎夏暉は26(土)に名古屋市熱田区の名古屋国際会議場イベントホールで開催されるHEAT55 x AFC34でふくやーまん戦が控えており、神谷大智は同じく26日(土・現地時間)に豪州パースのHBFスタジアムで行われるEternal MMA 89でレイマート・キンタナと、黒井海成は27日(日・同)に韓国はウォンジュのチアク体育館で開かれるRoad FC 70でパク・ヒョングンと対戦する。
Text by Takumi Nakamura

それぞれバックボーンも特徴も異なる3人だが、BRAVEの「毎日が異種格闘技戦」(熊崎)という環境のもと、自身の武器を強化&弱点を克服し、己のファイトスタイルに磨きをかけてきた。レスリングという明確な軸がありつつ、ファイトスタイル、そして目指す舞台は自由――そんなBRAVE育ちのMMAファイターたちに話を訊いた。


――今回は10月26日& 27日に3選手が試合を控えているということで鼎談を企画させていただきました。年齢的には誰が一番先輩になるのですか。

神谷 年齢で言ったら僕が25歳で、夏暉が24歳で、海成が23歳で1歳ずつ違うんです。でもジムに入った順番でいくと海成、僕、夏暉なので、ちょっと複雑です(笑)。

――それぞれBRAVEに入った理由を聞かせてもらえますか。

黒井 僕は宮城で空手とキックをやっていて、K-1甲子園に出たり、そのまま立ち技を続けてK-1でプロになろうと思っていたんです。そうしたら新型コロナウィルスの影響で、東京に行くのが難しくなって。その時にたまたま宮田(和幸)先生のセミナーが地元であって、それに参加させてもらったんですね。

その時に(宮田に)「MMAもやってみない?」と声をかけてもらって。僕自身、MMAは見るのも好きだったし、セミナーの後にBRAVEの練習にも一度参加させてもらったことがあったんですね。その時にBRAVEに入門して、MMAをやってみようと思いました。

神谷 自分はもともと柔道をやっていて、大学3、4年の時に新型コロナウィルスの影響で、学校で練習できなくなっちゃったんです。それでどこか身体を動かせる場所がないかと探していてBRAVEを見つけました。もともと格闘技は好きだったし、柔道にも活きるだろうなと思って、一般会員として通っていた感じですね。

当時は週1回くらいしかジムに来ていなくて、そのまま大学を卒業して就職するつもりだったんですけど、どうもそれがしっくりこなくて。それで宮田先生をはじめ、色んな人たちと話していくうちに、格闘技の道に進むのもいいんじゃないかと思って、大学卒業後にプロになろうと思いました。

熊崎 僕はずっと柔道をやっていて、大学時代の柔道部の監督が松本秀彦監督で、柔道と並行してサンボとコンバットサンボもやっていたんですね。それで段々とMMAに興味が出てきて、柔道部をやめてMMAをやるつもりだったんです。

そしたら監督に「それはもったいないから4年間は柔道を続けなさい。ちゃんと4年間続けたら、関東にあるBRAVEというジムを紹介するから」と言われて、その言葉通りに大学でも柔道をやりきって、BRAVEを紹介してもらいました。

――それぞれバックボーンもジムに入る経緯も違う3人ですが、実際にBRAVEで練習をスタートして、どんなことを感じましたか。

神谷 最初からプロ選手の練習に混じる感じだったので、最初は戸惑いましたが、自分に足りないと思ったことを宮田先生や周りの選手たちに質問して…という感じですね。

熊崎 今のBRAVEは本当に色んな選手がいるので、練習相手に困らないです。

神谷 ここのジムはレスリング、柔道、空手、伝統派空手、日本拳法、キックボクシング…と、色んなタイプの選手がいるので練習相手には事欠かないですし、選手同士でも色々と話し合いながらレベルを上げられるなと思います。

黒井 すごく自由にやらせてもらえるので、僕はやりやすかったです。自分の得意なところを伸ばしつつ、苦手なところを補うスタイルなので、僕の場合は組み全般、純粋なレスリング、投げ、グラップリング、壁レス……を教えてもらいつつ、あとはMMAにおけるグラップラーの間合いとか、そういうものを教えてもらうことが多いです。

熊崎 自分は柔道出身だったのでステップワークが難しかったですね。ああいう足の使い方は柔道にはないので。ボクシングや伝統派空手の選手はステップが上手いので、そういう選手に(ステップを)教わって、それから打撃に体重を乗せることを足していったイメージです。

神谷 僕はワンツーすら打てなかったです(苦笑)。柔道は構え的に上半身が起きていてワキも空いているから、打撃系の構えとは真逆じゃないですか。だからそれを矯正するのが大変でしたね。あとは夏暉が言っていたように柔道は擦り足でどっしり構えるので、ステップを踏むどころじゃないから、本当に一から新しいことにチャレンジする感覚でしたね。

だからスパーリングをやりながら少しずつ覚えていきました。その中でも一緒に練習している打撃出身の選手たちが「その動きはダメだよ」とか「こうした方がいい」と自然にアドバイスをくれる環境なので、それは本当に恵まれているなと思います。

――お互いに練習していてどんなところに特徴や強みを感じていますか。

黒井 大智さんは一度組んだら絶対に離さないという組みの強さがあって、そこは一緒に練習していてもすごいなと感じています。あと最近は打撃も上手くなっていて、一発一発のパンチがすごく重いですね。

夏暉さんは大智さんとは違うタイプの組みの強さがあって、スピードが早いうえに技のレパートリーが多いんですよ。僕としてはそれぞれ違う強さがあって、やる側としては嫌なタイプですね(苦笑)。

熊崎 海成は何でもできる器用なタイプだと思っていて、僕が教えた技もすぐ吸収して、感覚的なところは違うと思うんですけど、技や動きを見てある程度のことが出来ちゃうんですね。

そこが海成の特徴かなと思います。大智さんは海成も言っていたみたいに組まれた終わりです。一回組まれたら動かせてもらえない、そういう強さがありますね。打撃もどんどん上達しているので、そこも見習うべきことが多いです。

神谷 海成は吸収能力がずば抜けて高くて全体的に出来るというのもあるんですけど、自分の強味がどこにあって、それを活かす戦い方が出来る選手だなと思います。スパーリングをしていて、こっちの気が抜ける瞬間がないというか。常に打撃のプレッシャーをかけるし、組みに関しても必ず対応できるところにいる。

だから海成と向かい合っていると消耗していきますね。夏暉はとにかく極めが強くて、極めの強さはBRAVEでもトップクラスだと思います。あとは打撃でもスピードを使って、組みに攻防になったらすぐに極めに行く。そういう戦い方もできるので、極めの強さを生かす戦い方が発揮されれば同じレベルの選手に負けることはないと思います。

――黒井選手は2人から吸収能力の良さを挙げてもらいましたが、そこは自分でも意識しているところですか。

黒井 そうですね。僕は動きを選手で例えるというか、ボクシングだったらイリア・トプリア、蹴りだったらショーン・オマリー……そういう選手をイメージ・真似してやっていますね。あとは1日の練習に向けて3つミッションを作って、どれか1つは必ず成功させようと思ったり、教わった技をすべて覚えるのは無理だから、必ず1つは覚えて帰ろうと思ったり。色んなアドバイスをもらうけど、自分に合った使えるものを取捨選択したり、そういうところはすごく考えますね。

――熊崎選手の極めの強さは大学時代に松本先生に教わったものですか。

熊崎 まさにそうですね。大学に入るまで寝技はほぼやったことがなかったのですが、逆にそれが良かったんですよね。監督は「抑え込みは柔道じゃない。抑え込むなら極めに行け」という考え・指導だったので、予備知識がなかった分、自分的にはすんなり覚えることが出来ました。

逆に柔道出身なのに抑え込みが出来なかったので、抑え込みとかトップキープはMMAを始めてから覚えました(笑)。

――神谷選手は組んでからのキープ力には自信がありますか。

神谷 そうですね。僕はしつこく削って最後にフィニッシュするタイプなので、一度掴んだら絶対に離さない自信はあるんですけど、最近のMMAはポジションキープよりもダメージや極めに行く姿勢が評価されるので、僕としては戦い方を変えなきゃいけない部分はありました。

でも最近では抑えながら殴る練習が出来ているし、コントロールして殴る技術には自信があります。宮田先生も練習から『キープするだけじゃなくてダメージを与えろ』と口酸っぱく言われますし、キープしながら殴れるポイントを教えてもらっているので、細かい部分なんですけど、そういうアドバイスがすごく活きてきますね。

――こうしてお話を聞いていると同じ柔道出身でもファイトスタイルが違うわけですし、BRAVEのプロ練習はあらゆる格闘技のバックボーンを持った選手たちがぶつかり合う場所ですね。

熊崎 毎日が異種格闘技戦ですね。

神谷 ただそのなかでもやはり軸はレスリングだと思います。海成のような打撃の選手はいかにテイクダウンされないかで、僕や夏暉のような組み技の選手はいかにテイクダウンして展開を作っていくかなので、基本は“組んで倒す”や“組ませない・倒れない”だと思います。

――なるほど!! ここからはそれぞれの試合について聞かせてください。熊崎選手はHEATでふくやーまん選手と対戦します。

熊崎 相手は伝統派空手出身で型の選手ということですが、フィニッシュ率は100パーセントなので、大きい一発はもらわないように気をつけています。ただ自分も打撃が伸びてきているので、すべての局面で圧倒して勝ちたいです。

また今回は地元でやる試合で、地元にいる僕の仲間たちは地元でくすぶっているというか、なかなか夢を見て生きいけてないなと感じるので、そういう仲間たちに自分が夢を見せられる試合をしたいです。そういう面でも圧倒して勝つことが試合のテーマです。

――続いて神谷選手はEternalでレイマート・キンタナと対戦することになりました。

神谷 今のところ海外大会ならではの洗礼を浴びていて、当初決まっていた相手(ジャック・ベッカー)が試合の3週間ほど前に欠場になって、キンタナ選手と対戦することになったんですけど、キンタナ選手サイドから怪我で体重を落とせないからキャッチウエイトの74キロ契約に変更してくれないかと言われたんです。

僕とキンタナ選手は同じ大会でライト級の試合が決まっていて、お互いの相手が負傷欠場になって残った2人で試合を組まれることになったんで、相手が代わるのはしょうがないにしても、もともとライト級で試合が決まっていたんだから、契約体重を変えてくれというのはおかしな話じゃないですか(苦笑)。

――急遽参戦が決まった、もともと階級が違うではないですからね。

神谷 まぁ、こういうことがあるのも海外遠征だし、相手が代わってもやることは一緒です。ポジティブに考えれば、これから海外で試合をしていく上で、こういうハプニングは起こりうることだと思うので、それを今のタイミングで経験できてよかったなと。対戦相手や契約体重が変わっても勝つやつは勝つ、ということを次の試合で証明したいです。

――そして黒井選手はRoad FCでパク・ヒョングンと対戦します。ヒョングンはBreakingdownにも出場歴があり、Netflixで配信された「フィジカル100」にも出演するなど現地の人気ファイターという印象です。

黒井 初の海外での試合で、韓国ではかなり有名な選手らしいのですが、すべてにおいてレベルが違うと思っています。色々と挑発してくると思うんですけど、相手が口だけだってことを分からせてやろうかなと思います。

――次の試合で勝つことはもちろん、その先の目標を聞かせてもらえますか。

熊崎 最終的な目標はUFCなので、そこにつなげるためにもまずは日本の団体でベルトを獲りたいです。来年度までにはベルトを巻きます。

神谷 今回Eternalに出させてもらうことになったので、直近の目標はEternalでベルトを巻くことです。EternalからUFCに行くルートが明確に出来ているので、日本でタイトルを獲ることも大事だと思うのですが、僕の考えでは海外で実績を残してベルトを獲って、そこからUFCを目指していきたいです。Eternalでベルトを獲って勝ち続ければ(UFCは)決して遠い目標ではないと思うので、今回のチャンスをしっかりものにして結果を出していきたいです。

黒井 僕はUFCというよりもRIZINで活躍したいです。上京してMMAをやろうと思ったのは朝倉(未来・海)選手たちや堀口(恭司)選手を見て、自分もRIZINに出たいと思ったからなんですね。そのうえで今回は海外=Road FCで試合をしたいと思ったし、国内ではGrachanを主戦場にしているので、Grachanのベルトを獲ってRIZINで戦うことが目標です。今RIZINのフェザー級がすごく盛り上がっていて、特に海外勢がみんな強いので、そういう選手たちを次々と倒していきたいです。

――ちなみに3人は練習以外でも仲が良いのですか。

神谷 ジム以外でもみんな仲が良いですし、いい意味で上下関係がないんですよ。ちょうどいい関係性というか。仲は良いけど礼儀はちゃんとしているみたいな。格闘技経験者が多いので、ここまではやっていい・これ以上はやっちゃいけないというラインが分かるメンバーなんですよ。

熊崎 体育会系ならではの感覚ですよね(笑)。

黒井 年下の僕でも気を使わなくていいので、本当にいい雰囲気のジムだと思います。

神谷 たまには気を使えよ!と思いますが(笑)、いきなり態度を変えられてもやりづらいので、今まで通りでよろしく!

■HEAT55 x AFC34 視聴方法(予定)
10月26日(土)
午後3時00分~ Twit Casting LIVE

■ Eternal MMA89視聴方法(予定)
10月26日(土・日本時間)
午後7時00分~UFC Fight Pass

■Road FC視聴方法(予定)
10月27日(日・日本時間)
午後4時00分~KAKAO TV、SOOP

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45 BELLATOR Eterna MMA MMAPLANET o Road to UFC SASUKE Shooto Shooto2024#08 UAEW UFC エフェヴィガ雄志 エマニュエル・サンチェス キム・ジェヨン ジョングウェン・パン マックス・ザ・ボディ 修斗 岡見勇信 工藤諒司 椿飛鳥 海外 田中半蔵 西尾真輔 飯田健夫 齋藤翼

【Shooto2024#08】SASUKEが椿飛鳥と3度目の防衛戦、環太平洋王座戦でエフェヴィガ×マックス

【写真】昨年12月の田中半蔵戦以来、3度目の防衛戦となるSASUKE(C)MMAPLANET

11月30日(土)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるShooto2024#08。今大会では世界ミドル級王座決定戦=岡見勇信×キム・ジェヨンに続いて、2つのタイトルマッチが追加決定した。
text by Takumi Nakamura

新たに決まったのは世界フェザー級王者SASUKE×挑戦者・椿飛鳥、環太平洋ライト級王座決定戦=エフェヴィガ雄志×マックス・ザ・ボディだ。


SASUKEは2021年7月に工藤諒司に判定勝利して世界王座を獲得。 Road to UFCは2年連続敗退に終わっているが、修斗ではたてお(飯田健夫)と田中半蔵を下して2度の王座防衛に成功し、今年5月には中国・YFUからの刺客ジョングウェン・パンにスロエフ・ストレッチを極めて圧倒的な強さを見せている。

SASUKEに挑む椿は同級1位、2023年1月の試合で左ヒジを脱臼する大怪我を負うも、復帰後は齋藤翼、結城 大樹、たておを下して3連勝を飾っている。このレコードもさることながらSNS上でSASUKEに対して挑発的な発言を繰り返し、王座挑戦のチャンスを掴んだ。

そのキャラクターと言動がクローズアップされる椿だが、今月10月に決まっていた某所でのグラップリングマッチを回避してSASUKE戦に備えるなど、王座戦にかける想いは強い。受けて立つSASUKEはUAEWやZFNからオファーがあり、Eternal MMAではタイトル戦も予定されていたが実現には至らず。そういった海外での試合に向けて、修斗において片づけておくべき相手として椿を捉えている。

実力・実績的にはSASUKE有利だけに、椿が王座戦にかける想いと共に、どんな戦略・対策を持って試合に臨むかが勝負の流れを決める試合になるだろう。

そして8月の「TTF CHALLENGE10」で元Bellatorファイターのエマニュエル・サンチェスをKOし、無敗記録を8に伸ばしたエフェヴィガが自身初のタイトル戦に臨む。当初は9月の後楽園大会でマックスにKO勝利した西尾真輔とエフェヴィガによる王決定戦が計画されていたが、王座戦を打診された西尾サイドと調整がつかず、マックスに白羽の矢が立った。

エフェヴィガとしては自身が希望する海外での試合を見据え、VSマックスだけでなく、どれだけ自分のクオリティを上げて試合に臨めるがテーマになってくる。逆にマックスとしては偶発的に巡ってきたチャンスをモノにする力があるか試される王座戦だ。

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45 AB DEEP DWCS DWCS S08 DWCS S08 Ep09 Eterna MMA MMAPLANET o UFC アンソニー・ドリリッチ コディ・スティール ショーン・ガウシー ブログ

【DWCS S08 Ep09】スティール、仕切り直しの一戦。豪州国内フライ級最強決定戦=ガウシー×ドリリッチ

【写真】ガウシー×ドリリッチの一戦はぜひとも、日本のファンに視て欲しいフライ級の一番だ (C)Zuffa/UFC

8日(火・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXでDWCS S08ラスト2となる第9週が実施され、いつものように5試合が組まれている。
Text Manabu Takashima

コメインではEp05で計量も済ませながら、対戦相手ケムエウ・オットーニの欠場で試合が流れたコディ・スティールが仕切り直しの一戦=チェイスン・ブレアとの対戦が組まれた。


2019年にコンバット柔術ウェルター級GPを制したチェックマット系の柔術家スティールは、トップから掌底で削りOTで勝ち切るという徹底した戦略をやり切る実行力と、何よりも防御能力の高さをコンバット柔術では見せてきた。

その一方で、バック宙パスなど派手な動きをグラップリングでは繰り出していたスティールのMMAは、当然組み技主体だ。そのうえで、組んでからのダーティボクシングや首相撲&ヒザも巧みに活用している。加えてグラップリングで鍛えられたフィジカルを武器に、決してテクニカルではないボクシングでもKO勝ちをした試合もある。

そんなスティールの打撃を見せて組みという絶対の戦いを如何にブレアが凌ぐことができるか。

と同時にUFCとの契約に向けてスティールはアグレッシブな姿勢を持ちつつ、ガスアウトを絶対に避けることが重要になってくる。

これまで米国人、ブラジル人勢の同朋対決はコンテンダーシリーズ見られてきたが、今週はついに第1試合で豪州勢、しかもライバル・フィーダーショーのチャンピオン対決が組まれた。

それが第1試合のショーン・ガウシー×アンソニー・ドリリッチの一戦だ。ガウシーはHEX FSフライ級王者で、ドリリッチはEternal MMAフライ級チャンピオンだ。つまりUFCへのステップアップを掛けてDEEP、修斗、パンクラスのチャンピオンが日本人対決を行うようなもの。

またHEXとEternalは、日本の主要プロモーションのような冷戦、あるいは停戦状態でなくチャンピオンの引き抜きが見られるなど同国フィーダーショーの覇権争いを展開中だ。本人たちはもちろんのこと、両イベント関係者にとっても結果が絶対というマッチアップとなる。

日本関連ではガウシーは中務修良を右クロスでKOし、ドリリッチは猿飛流を倒している。力強い右の持ち主のガウシーと、対戦相手をフィニッシュ・ショットとなる左の間合いに必ず誘い込むドリリッチ。後者の巧みな誘導が、半歩リードという印象もあるが、絶対に当たる位置は何も結界のお札がぶら下がっているわけでもない。誘われた以上に動けば、ガウシーの間合いにもなるだろう。

オーソ✖サウスポー、一般的には外をどう取るのか。つまりは相手の中心を、両者の左右どちらのパンチが軌道を確保するのか。前足のつま先の位置関係から注目したい──そんな豪州最強決定戦 in コンテンダーシリーズだ。

■視聴方法(予定)
10月9日(水・日本時間)
午前9時~UFC FIGHT PASS

■ DWCS S08 Ep09対戦カード

<ヘビー級/5分3R>
アルテム・ヴァキトフ(ロシア)
イスラム・マサハフ(フランス)

<ライト級/5分3R>
コディ・スティール(米国)
チェイスン・ブレア(米国)

<ヘビー級/5分3R>
マリオ・ピント(ポルトガル)
ルカス・カマショ(ブラジル)

<ウェルター級/5分3R>
イスラム・ドゥラトフ(ドイツ)
ヴァニウト・アントニス(米国)

<フライ級/5分3R>
ショーン・ガウシー(豪州)
アンソニー・ドリリッチ(豪州)

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【Grachan Herios】1年のトリを飾る新イベントでTSUNE×伊藤、林RICE×ダリのW王座戦が決定

【写真】今年2月に交わされた約束が果たされる(C)SHOJIRO KAMEIKE

15日(日)に東京都江東区のTFTホール500で開催されているGrachan70の中で、12月22日(日)に「GRACHAN Presents:HERIOS」がTFTホールにて行われることが発表された。
Text by Shojiro Kameike

併せて同大会の決定カード=バンタム級とライト級のタイトルマッチも発表されている。バンタム級は王者TSUNEが伊藤空也を挑戦者に迎え、ライト級はチャンピオン林RICE陽太にロクク・ダリが挑む。


HERIOSについて、GRACHAN実行委員会から届いたプレスリリースには、次のように記されている。

「GRACHAN Presents: HELIOSは、GRACHANが長年にわたり築き上げてきた歴史と闘志を象徴する、年に一度のスペシャルイベントです。「HELIOS」はギリシャ神話に登場する太陽神を意味し、選手たちが限界を超え、輝きを放つ姿を象徴しています。
この大会には、年間を通じてGRACHANで選ばれた精鋭たちが出場し、最高峰の戦いを繰り広げます。彼らは勝利への激しい戦いを経て、この特別な舞台に立つことを許された選手たちです。HELIOSでは、勝者が栄光を手にし、新たな伝説がここで生まれることでしょう。
圧倒的なスリルと挑戦的なバトルが展開され、HELIOSという名にふさわしい、最高の格闘技イベントをお届けします。GRACHANの新たな時代の幕開けに、ぜひご注目ください。」

GRACHANの新たな時代の幕開け――その兆しは、実は既に発表されている2025年の大会スケジュールにも表れていた。来年は年2回の大阪大会、そして初進出となる福岡大会はもちろん、東京大会がいずれもTFTホール500で行われる。そんななか、年末の東京大会のみ、会場が「TFTホール1000」となっている。東京都江東区有明のTFTビルには席数が異なる3つのホールがあり、12月大会のみ通常よりも大きな「TFTホール1000」を使用するのはなぜか。その理由が今回の発表で明らかとなった。

アマチュア大会=GRACHANチャレンジからプロへ、そして通常の大会で経験を積み、結果を残した選手が年末のHERIOSへ――。もちろん、この流れの軸にあるのはベルトを巡る戦いだ。今回すでに2階級のタイトルマッチが発表されており、さらにベルトに関わる試合が決定することは間違いない。さらにHERIOSを経て、豪州Eternal MMAなど海外イベントへの進出も大いに考えられる。

今年2月の大阪大会で並んだ両者(C)SHOJIRO KAMEIKE

そんなGRACHANの新機軸を象徴するのが、TSUNE×伊藤空也のバンタム級タイトルマッチだろう。今年2月の大阪大会でTSUNEが手塚基伸を下してベルトを巻いた直後、伊藤がケージイン。新王者への挑戦をアピールした伊藤は、6月にロッド・コスタを下してEternal MMAバンタム級のベルトを獲得し、改めてTSUNEに挑むストーリーラインが繋がった。挑戦者の伊藤はGRACHAN71のケージに登場し、「本来は僕が持っていたベルトを獲り返しに行きます」と意気込みを語っている。対する王者のTSUNEも「最高の試合を会場に観に来てください」とアピールした。

また暫定ライト級王者の林RICEも、今年4月に韓国ROAD FCでパク・シウォンに敗れて以来の復帰戦となる。正規王者の原口伸がベルトを返上し、改めて林RICEがダリと防衛戦を行うことに。挑戦者のダリとは2022年12月に一度対戦しており、その時はダリが判定勝ちを収めている。林RICEにとっては王座防衛とリベンジを賭けた一戦だ。この敗北から5連勝し、王者にまで上り詰めた林RICEが韓国での戦いを経て、どのような試合を見せるか。対するダリはGRACHAN71でケージインし、「もう一回GRACHANのチャンピオンになります。試合は1Rで終わらせます」と挨拶した。

10月5日に千葉で行われるPOUNDOUTでは、中村京一郎×鍵山雄介というGRACHANフェザー級のランカー対決も組まれている。王者の小島勝志がベルトを返上したなか、この試合の勝者もまたHERIOSに関わってくるのか見逃せない。

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45 AB DWCS DWCS S08 DWCS2024 S08 Ep04 Eterna GFC Gladiator Gladiator Challenger Series01 LFA MMA MMAPLANET o UFC YouTube アン・ジェヨン イゴール・カバウカンチ キム・ジェウン キム・ハンソル クイラン・サーキルド コ・ソクヒョン シャノン・クラーク ティン・ワン ドリアン・ラモス 三上ヘンリー大智 内藤由良 岩﨑大河 桜井隆多

【DWCS2024 S08 Ep04】韓国からAngel’s FC二階級制覇のコ・ソンヒョクが出場。注目は12-0のバシ!!!

【写真】バック奪取能力とキープ力に注目のバシ(C)Zuffa UFC

3日(火・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXでDWCS S08 Ep04が開催され、メインでは韓国から出場のコ・ソクヒョンがブラジルのイゴール・カバウカンチと対戦する。
Text by Manabu Takashima

今年のコンテンダーシリーズでは第1週に中国からティン・ワンが出場も判定負け。

9月には岩﨑大河、内藤由良の日本人ミドル級ファイターの試合が控えているが、一足早くAngel’s FCでミドル級とウェルター級のベルトを巻いたコ・ソクヒョンがUFC行きを賭けての一発勝負に挑む。


柔道ベースのコ・ソクヒョンは2017年のサンボ世界選手権、コンバットサンボ82キロ級に出場し投げ技でポイントを稼ぐスタイルで韓国サンボ史上、初の世界王者に輝いている。

MMAデビュー後は7戦目で戦績3勝3敗のアン・ジェヨン(今年の2月にGladiator Challenger Series01で三上ヘンリー大智に敗れている)を破り、Angel’s FCウェルター級王座を獲得すると初防衛に成功した後、Double GFCウェルター級王者キム・ハンソルとのチャンプチャンプ対決で67秒KO負けし王座陥落。

ミドル級に転じると、2022年12月にキャリア5勝4敗のキム・ジェウンに勝利してAngel’s FCミドル級のベルトを腰に巻いた。倒す、崩す、投げるという意味での組みは強い。一発の力もある。とはいえフィニッシュ勝利は経験値の少ない相手から挙げたケースが多く、ミドル級チャンピオンになってからは大ベテラン桜井隆多、インドネシア人で7勝7敗のアルウィン・キンカイを倒してコンテンダーシリーズ出場権をウェルター級で得たことになる。

対するカバウカンチはブラジルのInside Fightes’ Leagueなるプロモーションのウェルター級王者で戦績は9勝0敗だ。試合映像はアマ時代とプロ初陣のモノが確認できたが、12秒KO勝ちと27秒でRNCで一本勝ちで実力は測り辛い。9勝0敗、7つのTKO勝ちと2つのサブミッション勝ちというレコードは立派だが対戦相手の実力は未知数で、6勝16敗や5勝9敗という相手も含まれている。この試合は蓋を空けてみるまで予測がしずらい。

アジア枠という見方を取っ払うと注目は、ドリアン・ラモスと対戦するオースティン・バシだ。レコードは12勝0敗、ミシガン州のローカルプロモーション=Lights Out Championshipのバンタム級チャンピオンは、3つのTKO勝ちと4つの一本勝ちをしている。

彼がRNCで勝利した3試合のなかで、LFAで5勝2敗のアルカル・アスカルが含まれている点は大きい。キャリア14勝2敗だったアスカルに対し、ダブルレッグでテイクダウンを奪うとバックに回って絞めあげた。このタップアウト勝利は、未知過ぎる相手からの連続フィニッシュ勝利よりも、実力の裏付けとなることは間違いないはずだ。

また第1試合のライト級=クイラン・サーキルド×ゲージ・ヤングも気になる。今や世界の五指にはいるかという実力者を生み出すパワーハウス=豪州からシーズン08初のUFC昇格を目指し、サーキルドが参戦する。サーキルドは同国のトップフィーダショーであるEternal MMAのライト級チャンピオン。日本からもEternal MMA経由でUFC行きを狙うファイターが出てきつつあるなか、ベルトを巻いたサルギルドの挑戦──その確認を怠ることはできない。

■視聴方法(予定)
9月4日(水・日本時間)
午前9時~UFC FIGHT PASS

■DWCS S08 Ep04対戦カード

<ウェルター級/5分3R>
イゴール・カバウカンチ(ブラジル)
コ・ソクヒョン(韓国)

<ミドル級/5分3R>
ウィル・カリー(英国)
ジジョルデン・サントス(ブラジル)

<フェザー級/5分3R>
オースティン・バシ(米国)
ドリアン・ラモス(米国)

<女子フライ級/5分3R>
ジュネイシ・ドベン(ベネズエラ)
シャノン・クラーク(カナダ)

<ライト級/5分3R>
クイラン・サーキルド(豪州)
ゲージ・ヤング(米国)

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【Eternal MMA & Grachan】豪州で王座奪取月、伊藤空也「どうやれば外国人選手に勝てるのかを考えて」

【写真】GrachanでのストーリーとEternalのストーリーを描いている点も、好感が持てる (C)TAKUMI NAKAMURA

Road to UFC準決勝で日本人4選手が全滅という結果に終わるなか、さかのぼること約2カ月半前、6月8日に豪州はパースで開催されたETERNAL MMA85で伊藤空也がロッド・コスタをスプリット判定で下して、同団体の豪州バンタム級王座のベルトを巻いた。
text by Takumi Nakamura

テイクダウンやコントロールよりも打撃・ダメージが明らかに評価されるようになった最近のMMA。伊藤はコスタにテイクダウンを許しながらも確実にジャブとカーフキックでダメージを与え続け、要所要所のビッグヒットやラッシュで攻勢を印象づけ、ジャッジの傾向を味方につけて勝利を引き寄せた。

改めて伊藤にコスタ戦を振り返ってもらいつつ、今後の展望、そして海外でのタイトルマッチで感じたことを訊いた。


――試合からしばらく経ってしまいましたが、改めてEternal MMAでの王座戴冠劇を振り返っていただきたいと思います。この試合は黒帯柔術家のロッド・コスタと対戦して、スプリット判定で勝利しました。ご自身で試合映像を見返して、どんな試合だったと感じましたか。

「世界的にもユニファイドルールの判定基準が変わってきて、今は打撃寄り・ストライカー有利じゃないですか。そのなかで対戦相手のコスタが、黒帯柔術家で1本勝ちが多い選手で、僕とは真逆のファイトスタイルだったと思うんですね。

正直1Rは取ったと思ったのですが、2R~5Rは相手がテイクダウン&トップキープしてきた試合だったと思います。そのなかで僕は相手のグラウンドを凌ぎながらパンチを当てていて、自分の方がダメージを与えていたなと思います。それが判定にも反映されたと思うのですが、『スプリットディシジョン…』とコールされた時は正直負けたと思いました。

でも結果的には僕の方にポイントが入っていて、打撃寄りの判定基準だったらそうなるかなとは思いましたね」

――今回の取材前に試合映像を見直したのですが、僕もコスタの組み技よりも伊藤選手の打撃が評価されるなら伊藤選手の勝ちだなと思いました。ただし試合が行われた時点では、今ほど打撃の方が評価されるという傾向はなかったので、伊藤選手自身が負けたと感じたのも納得できます。

「Grachanの岩﨑(ヒロユキ)代表も現地入りしていて、日本人数名で試合を見ていたそうなんですけど、判定になった時は僕が負けたと思ったそうです。だからもしかしたらあの試合で僕が負けると思うのが日本人の感覚なのかもしれないですし、選手はもちろんセコンドも今までの考え方を変えなければいけないと思いました。 

僕もあとで試合映像を見直したら、僕が与えたダメージを(ポイントとして)取ったんだったら、そういう判定になるのかなと思うし、テイクダウン・コントロールするだけでは評価されない時代なんだと思います」

――実際にコスタ戦では相手の相性もあったの思うのですが、打撃で削って見せ場を作ることを想定していたのですか。

「5Rあったので、打撃で削る作戦でした。コスタは本当にしつこかったし、ケージ際での細かい技術は上手かったんですけど、僕もそこはひたすら練習していたところだったので、何とか対応できたかなと思います。コスタは常にバックを狙っていて、少しでも僕が気を抜いていたらバックを取られていたでしょうね」

――コスタが狙っていたのはバックコントロールですか。

「そう思います。僕はバックを取られたら致命的だと思ったので、もしそうなったらそのラウンドは捨てようと思っていたんです。でもそこでバックを許さずに凌ぎ切れたので、ちょっとそこは自分で自分を褒めてあげたいです」

――背中を見せて立ち上がるよりも、バックを取らせないことを一番意識していたのですか。

「はい。あと試合をやっていてコスタがすごく力を使っているのが分かったんです。だからグラウンドを凌いで、スタンドになったら細かいパンチを当てる。そこを考えて戦っていました」

――打撃の手応えはいかがでしたか。

「4Rに僕のパンチ、おそらくジャブか右のクロスだと思うんですけど、それでコスタの鼻が折れちゃったんですよね。インターバル中に必死に止血していたし、おそらくあれ以降は血で鼻呼吸もできていなかったと思います。そのくらい組んだ時にコスタの息が荒くなっているのを感じました。ただ僕も5Rは未知数だったのでかなりしんどくて。3Rを過ぎてからはラウンド数がどうでもよくなるというか、ゴールのない水泳をやっているような感覚なんですよ」

――3Rに慣れていると、4R以降をどういう感覚で戦えばいいのかが分からないんですね。終わりをイメージできないというか。

「そうですね。自分としては5R用の練習をしてきたんですけど、試合での5Rの戦い方や時間の使い方があるんだなと思いました」

――ただ伊藤選手も大きなピンチにハマることなく5R戦い抜きましたよね。

「3Rにマウントを取られたんですけど、あれもマウントを取られただけと言えば取られただけで。特にダメージを受けていないので、そこまで評価されてなかったんだと思います。マウントとかいいポジションを取っても確実にダメージを与えるか、サブミッションでキャッチが入るくらいじゃないと厳しい時代ですよね」

――テイクダウンや寝技の対応など、この試合に向けて取り組んできたことは出せましたか。

「かなり出ましたね。この試合に向けて、とにかくグラップリングを強化しようと思って、トライフォースさんにお世話になって、そこで組み技の選手とたくさん練習してきたんです。それが活きたと思います。打撃に関しては1Rで感覚が掴めたので、そこは問題ないだろうと思いました」

――しっかり打撃で距離を取ることも意識していましたか。

「はい。具体的にはジャブとカーフキックですね。それで近い位置にはいないように遠い間合いで戦って、そこで削りながら右の強打やハイキックを当てる作戦でした。お互い体力的にきつくなって、後半は四つで組む場面もありましたが、そこで細かいヒジも当てられて、あれも良かったです」

――ポイント的にはスプリットでしたが、自分がやるべきことはできた試合だったようですね。

(C)ETERNAL MMA

「でも5Rにラッシュを仕掛けなかったら負けていたと思います。

あのまま展開が変わらずに判定になっていたら負けると思っていたので、あれはもうとにかく攻撃しようと思って必死に手を出しました」

――試合後に現地のプロモーターとは話はできたのですか。

「はい。相手のコスタが豪州在住なので、地元のお客さん的には僕が勝って微妙な雰囲気でしたけど、プロモーターからはすごく評価してもらいました」

――海外の団体でベルトを巻いたことは伊藤選手にとって大きなターニングポイントになったと思います。

「ひとまず僕の格闘技キャリアの中では大きな集大成を1つ作ることができたと思います。ただこれで終わりじゃないし、次は防衛戦になるので、そこでしっかり勝って、さらに次ですよね」

――今回の王座奪取で今後の可能性も大きく広がったと思うのですが、今はどんなことを考えていますか。

「おそらく12月にGrachanでタイトルマッチがあるので、TSUNE選手に勝ってベルトを奪還すること。そのあとはGrachanのストーリー的には手塚基伸選手にリベンジしたいと思います。そこも視野に入れつつ、Eternal MMAでベルトを防衛していきたいです。試合後にプロモーターと防衛戦の話をしましたし、次はストライカーがいいんじゃないかということで何人か候補も出てきているんですよ。僕も是非次はストライカーとやってみたいです」

(C)ETERNAL MMA

――今年のRoad to UFCはベスト4で日本人が全滅し、厳しい結果が出ました。伊藤選手は海外で戦うことをどうとらえていますか。

「僕もこの間のRTUは見ていて歯がゆかったですし、選手たちはもっと歯がゆかったと思います。実際に原口伸も帰国した次の日から練習しましたからね。僕自身、伸は負けてないと思いますけど、日本人がああいう結果になったということは海外とは差があると感じますし、そこで圧倒的に力の差を見せつけられる何かを身につけなければいけないと思いました。僕も前回は勝つことが出来ましたけどギリギリだったし、どうやれば外国人選手に勝てるのかを考えて、これから練習を続けていきたいと思います」

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