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【DEEP115&116】北岡悟─03─DEEP X BC対抗戦振り返りから、泉武志戦「どうせ、そういう感じでしょ」

【写真】43歳の北岡悟のMMA観、そして人生観(C)DEEP

9月18日(月・祝)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されたDEEP vs BLACK COMBATの対抗戦を北岡悟が振り返るインタビュー最終回。
Text by Manabu Takashima

対抗戦という意識よりも、個と個の戦い。そして、自らが率いるパンクラスイズム勢と自身の取り組みに、対抗戦の結果を投影させる北岡に──11月11日のDEEP116における泉武志戦について尋ねると、一気に口数は減ってしまった。ならばと、思い切って話題のあの事に振ることとした──。

<北岡悟のDEEP vs BLACK COMBAT対抗戦振り返り、Part.02はhttps://mmaplanet.jp/156472から>


──Black Combat勢は現地での注目度も高く、キャリア的にもここでの1敗のダメージが大きいのかという気もしました。あるいは、やはり国民感情で負けられないというのは韓国の方が大きいのか。

「あぁ、なるほど。あれだけの応援団がいるわけですからね。まぁ、日本のファンがそうならないのはしょうがないかとは思います(苦笑)」

──北岡選手が対抗戦という風に見ていないと言われていたのとは対照的に、Black Combat勢は思い切り対抗戦を意識していた。負けられない、と。

「なるほど、なるほど。負けられない度合が違ってくると……。そういうことは現状、僕の中では考えが及ばないのですが、それがあるのはしんどいですね。でも、なるほどとは思います。だから負けられないのかもしれないという話は、なるほどとは思います。

今回の負けに関しては、もっと考えましょって感じじゃないでしょうか。それはこの対抗戦のことだけでなく、自分のジムの選手に対しても毎度思いはします。上手くいくと、これで良いとなるのですが……負けると、直近のパンクラスで矢澤(諒)と松岡(嵩志)と負けて、また考えないといけないとは思っています。そうじゃなくても、ここ2カ月の間は所属選手の結果が良くないので──色々なことは思います」

──とにかく考えると。

「そうですね。考えないといけないし、コツコツと取り組まないといけない。寝技に関してチョット、酒井リョウ選手と大原樹理選手に関してはDEEPで苦労をしてきた2人がチャンピオンになって、今回のメインとコメインで戦った。押しも押されぬ存在になって、こういう風にあっさりと極められてしまった。

まぁ簡単じゃないし、やっぱりチョット……そのう……基本の修練はトップに立ったとしても疎かにしてはいけないなと思います」

──ショックであり、見つめ直す機会になった。ただし、今のMMAはとにかく試合が多く、話題も次へ次へと移りがちで、このショックもすぐに流されてしまう。そのような傾向になるかと思います。

「ハイ、風化していきます。勝って、負けてを繰り返して、毎週のようにイベントが続くから受け止めきれなくなります。で、流していかないといけない。残し続けていると、ダメージが深くなることもあるし。難しいです。受け止めながら、流して。積み重ねていかないといけない。とはいえ、同じようなミスを繰り返すから、螺旋階段のようにちょっとずつ上がっていくしかない」

──対抗戦よりも、イズムの所属選手のことになっていますね。

「そうです(笑)。僕にとっては、そっちの方が大切なので……」

──というなか11月11日に試合が決まりました。

「あぁ……、ハイ」

──いや完全に声が低くなって、これまでとはトーンが違うではないですか。

「良いマッチアップですよ」

──北岡選手が望むべき場所に戻るための、最後の一戦かと。泉選手はそういう相手かと。

「ハイ、そうですね」

──泉選手、成長著しいと思います。それでもMMAにはなりきっていない。

「グラント(ボクタノフ)が、自分が戦った試合の動画を送って来てくれましたよ(笑)」

──あの頃とは……。

「まぁ、参考にはならないことは多いですよね。でも、グラントには感謝して練習をお願いしています。今年の前半、グラップリングの練習をロータスにしにきてくれて」

──泉選手はMMAファイターとして粗いところが短所だけでなく、長所にもなっているかと。

「ハイ。どうせ、俺を相手にするならストライカーになるんでしょ。リーチ差があるから、ジャブをついてって感じでしょ。テイクダウンは切れるからって。そういう感じでしょ、うん」

──MMAで、金網がある。そこで組み勝てないと……。

「ハイ。じゃあ、そういうことで。アハハハハ」

──ご自身の試合になると、本当に口が重くなりますね(苦笑)。

「フフフフフ。ハイ、そういうことでお願いします」

──ここを越えてトップ戦線に戻るという想いは?

「う~ん、まぁ、そういうことですよね。そういうことです」

──試合の2週間前でなく、40日前でも表情も険しくなって試合のことは話してくれないですか(笑)。

「そうですねぇ……。ちゃんと真面目に生きているので」

──では、もうここは話題を変えさせていただいて、7月のDEEP X NARIAGARIで天野心愛さんへの公開プロポーズのことでも尋ねさせてもらうとしましょうか(笑)。

「まぁ、話せる限りは話しますよ(笑)」

──ええ? 記事になるのですが……構いませんか。

「ハイ。そういう付き合いをさせてもらっていると思っているので」

──ありがとうございます(笑)。なかなか勇気のいる公表だったと思います。

「2回目ですしね(笑)」

──いや、それよりも年齢差が……。

「あぁ……」

──公表の前に、3月ぐらいですか……かなり固い表情で交際について教えてくれました。

「高島さんはお嬢さんが3人いて、年齢が変わらないから拒否反応があるかもしれないというのは、チョット思っていました」

──まぁ、あの時も伝えさせていただきましたが、人様の恋愛に口は挟めないです。ただし、自分の娘が43歳の男を連れてきたら拒否反応は間違いない。同時に拒否反応でなくても色々と言われることだと思います。そこをケージの中で公表するのは、ケジメだったのですか。

「違います。ただ単に僕がやりたかったから、やっただけです。皆、分かっていないですよ。僕が壊れている人間だって。僕はただ単にやりたいことをやっただけです。もちろん、メインイベントで勝つということが、今後の格闘技人生で何度やれるか分からないというのもあります。

年齢差のことは、言われてみればそういうことか──と(笑)。色々なことは考えるのに、そういうところは抜けていることがありまして。意外とそれなりにニュースになって、『なるほど、こんなに突っ込みどころがあったのか』と。『教え子に手を出して』とか『相手は学生だ』とか、色々ありましたね」

──年の差云々もありますが、大々的に公表したことは……前回のこともあり、その後の精神的ダメージがあった日々を想うと、老婆心ですが心配にはなりました。

「あぁ、ありましたね。でも逆にそういう覚悟はあります。それは経験しているから。離れられるリスクは全然あるんじゃないですか。そういう経験もしているけど、それはもうしょうがないですよ。経験しているから、どうなるもんじゃない」

──この発表は現役生活、そして実生活で頑張れる要因になるのでしょうか。

「それは勿論、言わずもがなです」

──私は家内に依存している方なので、子供ができるまでこの人のために頑張ろうとかなかった人間なので。その辺りのことが分からなくて。それで張りが生まれるのであれば……。

「張りを生むためにやったわけじゃないですけど……、ただやりたいからやっただけです。プロポーズは」

──MMAファイターとして強くなれる、ポジティブな要素になりましたか。

「あれがどうこうじゃないですけど、彼女のお陰でやれているのは確実なので。恥ずかしながら43歳の北岡悟は19歳の奥さんがあっての北岡悟なので。それが今の北岡悟で。だから、それを隠す気がないからこその発表だったかもしれません。あくまでもジムのなかではジム生だけど、皆が思っているよりは自然なカップルだと思います。

強くなれる……活力ですかね。今の自分のやりくりには必要な存在です」

──押忍。ありがとうございました。

■視聴方法(予定)
11月11日(土)
午後5時40分~DEEP チャンネル-YouTube、U-NEXT、サムライTV

■ DEEP116対戦カード

<バンタム級/5分3R>
元谷友貴(日本)
CORO(韓国)

<ライト級/5分3R>
北岡悟(日本)
泉武志(韓国)

<バンタム級/5分2R>
窪田泰斗(日本)
雅駿介(韓国)

<女子ミクロ級/5分2R>
しなしさとこ(日本)
ちびさい KYOKA(韓国)

<バンタム級/5分2R>
力也(日本)
谷岡祐樹(日本)

<バンタム級/5分2R>
橋本ユウタ(日本)
鹿志村仁之助(韓国)

<メガトン級/5分3R>
誠悟(日本)
ヨコヤ・マクレガー(韓国)

<ライト級/5分2R>
佐々木大(日本)
太田将吾(日本)

<バンタム級/5分2R>
秋元強真(日本)
田口貴親(日本)

<アマチュア68キロ契約/3分2R>
菅涼星(日本)
小柴亮太(日本

<アマチュア・フェザー級/3分2R>
鈴木大晟(日本)
横内おにぎり君(日本)

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【DEEP116】雅駿介戦へ、山梨に戻って三連勝=窪田泰斗「韓国に流出したベルトを僕たちが取り返さないと」

【写真】溢れんばかりのDEEP愛を持つ窪田(C)TAKUMI NAKAMURA

11日(土)に東京都文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP116 IMPACTにて、雅駿介と対戦する窪田泰斗。
Text by Takumi Nakamura

2019年12月の試合を最後に活動の拠点を東京から山梨に移し、2022年12月の復帰後は3連勝と勢いに乗っている。パーソナルトレーナーの経験を活かし「いかにスパーリング以外でMMAを強くするのか?」を考えて練習メニューを整備したことが試合結果につながっている。そしてDEEP愛を熱く語る窪田はBLACK COMBATに流出したバンタム級王座奪還を誓った。


――DEEP116 IMPACTでの雅駿介戦まで一週間となりました。試合に向けた仕上がりはいかがですか。

「練習もしっかりできて、体重も順調に落ちているので、あとはインフルエンザや体調不良に気をつけて準備したいと思います」

――DEEP114での力也戦はアームロックで勝利し、約5年ぶりの一本勝ちでしたね。

「思いっきりいけたことが良かったです。いつも上手く戦おうというか、負けないように戦おうとしていたんですけど、前回は自分から勝ちに行くことが出来た試合でした。今回も前回と同じ5分2Rなので、アグレッシブに行って、見ている人にも伝わる試合をしたいと思います」

――力也戦の前のSNSでは「狂気じみた練習が必要」とコメントしていましたが、その真意を聞かせてもらえますか。

「いつも試合が終わったときに思うのが、ケージに入ったら普通のメンタルではダメなんだなと。確かに結果は出ているんですけど、もっと上を目指すためには、普通の試合をしてちゃいけない。それを実践するには他の選手がやらないような強度の練習だったり、他の選手がやらないような練習をしなければいけないと思って、ああいった投稿をしました」

――そのために具体的にはどのような練習をしているのですか。

「常に本気を出すという意味で、バイク系のトレーニングを週3~4回やるようになりました。全力でバイクを漕いで、メニューが一通り終わったら立てなくなるような練習ですね。単純に心肺機能も向上しますし、何よりもメンタルが鍛えられます。僕はそのメンタルが試合では大事だと思うので、前回に続いて今回もこういったトレーニングは多めに取り入れています」

――窪田選手の他の投稿を見てもトレーニングに関するものが多く、かなりトレーニングや練習メニューへの意識の高さを感じます。

「僕自身、普段はパーソナルトレーナーの仕事をしているので、トップ選手たちがどんな練習をしているのか、一週間どんなルーティンでやっているのか、インタビューを読んでどんなメンタルで練習に取り組んでいるのか。そういったことを調べるのが好きなんですね。僕自身、まだトップ選手とは言えないと思うので、実際にトップ選手たちがやっていることを参考にしながら、自分がやるべきことを考えています」

――MMAはまだ練習メニューが確立されていない部分もあると思いますが、窪田選手はどのようなことを意識して練習しているのですか。

「月から土まで基本的に1日2部練で、疲労の度合いで1部練にしています。今僕が意識しているのは『追い込む』ことと『怪我をしない』ことなんです」

――一件その二つを両立させるのは矛盾しているようにも見えますが、どうバランスを取っているのですか。

「僕も格闘技歴が長くなってきて、いかにスパーリング以外でMMAを強くするかを考えているんです。それが先ほどのバイクトレーニングだったり、走り込みだったり、サンドバックやミットだったり、スパーリングやるにしてもシチュエーションスパーだったり…。昔はスパーリングを5分10~12R回して出来るだけ参加するとか、そういった練習もしていましたが、今はスパーリングの本数を絞って、それ以外のことに時間を当てるようにしています。似たような練習ではあるんですけど、おそらく他の選手がやらないようなことをやっています」

――窪田選手は2019年12月から2022年12月まで約3年間のブランクがありますが、何が理由だったのですか。

「当時はトレーナーの仕事が忙しくて、最低限の練習はしているけど、試合のための練習ができていない状況だったんですね。それでいつか仕事が落ち着いたら試合に出ようと思っていて、約3年ほど試合間隔が空きました」

――現在は山梨に活動の拠点を移しているんですよね?

「はい。もともと山梨で格闘技を始めて、18歳まで山梨にいました。それから上京して東京で格闘技をやっていて、山梨時代にお世話になった人が山梨にジム=フォーランバスを出すことになったので、今は山梨に戻ってフォーランバスでトレーナーをやりながら練習をしています」

――山梨に戻ってから3連勝していますが、その要因はなんでしょうか。

「格闘技に向き合える時間が増えて、単純に練習量が増えましたね。東京に比べてスパーリングパートナーは少ないですが、自分のやりたいことをコツコツやれるので、それが僕には合っているのかなと思います」

――練習環境をガラリと変えて、試合への不安はなかったですか。

「山梨に戻って半年ほど経っての試合だったので、逆に『これだったらしっかり勝っていける』という自信はありました」

――今大会で対戦相手の雅選手にはどんな印象を持っていますか。

「ムエタイのチャンピオンからMMAに転向した選手ですが、僕は組み技やグラップリングも得意なんじゃないかなと思いました。自分の強い部分で戦うのではなく、相手の弱いところを見つけて戦うことが出来る選手だと思います。MMAファイターとしてバランスがいいですよね」

――その雅選手相手にどのような試合をしたいですか。

「雅選手の対策もしていますが、自分の得意なところで相手を倒そうと思っていて、相手は打撃出身の選手ですが、パンチ、蹴り、ヒジ、ヒザで倒したいです」

――あえてそこは打撃で勝ちたい、と。

「同じ日にバンタム級の試合が多いので、見ている人にとって分かりやすい試合をしたいんですよね。ここから上を目指すうえで、ムエタイチャンピオンになって寝技で勝ってもアピールにならないというか。僕は強い選手の強いところを上回って勝つことを目標にしているので、今回は僕の打撃を見て欲しいです」

――この試合をクリアすれば復帰後4連勝となります。今の窪田選手にとっての目標は何ですか。

「僕はDEEPが本当に好きで、DEEPで戦えていることを誇りに思っているので、DEEPのチャンピオンになりたいです」

――今のコメントも含めて、窪田選手はすごくDEEP愛を持っていますよね。

「人として社長、佐伯(繁)さんが好きなんですよ。佐伯さんは本当に格闘技が好きだし、そんな人が代表を務めている団体で戦っていることがうれしいです。あとはDEEP出身の選手は単純に強いじゃないですか。僕はDEEP=強い団体だと思っているから、そこで戦っていることが誇らしいです」

――そんな窪田選手にとってDEEP115のDEEP vs BLACK COMBATの対抗戦でDEEP勢が敗れたことをどう捉えていますか。

「せつないですね。韓国に流出したベルトを僕たちが取り返さないといけないと思います」

――特に窪田選手と同じバンタム級で石司晃一選手にTKO勝利したユ・スヨン選手はかなりレベルが高い選手でした。

「僕は石司選手と何度か練習したことがあって、石司選手の強さを知っていて。その石司選手に何もさせずに勝ったので、スヨン選手はかなり強いと思います。スヨン選手に勝つことは難しいと思いますが、僕がDEEPを代表して彼と戦って、日本にベルトを獲り返すことができたら最高ですね」

――同じ大会には元DEEP王者で、RIZINでも活躍する元谷友貴選手もDEEPに凱旋します。

「すごくうれしいですね。ずっと昔から知っている選手ですし、RIZINを主戦場に戦っている選手がDEEPに凱旋してくれて、そういうのも含めて…ますますDEEPが好きになります(笑)。元谷選手は元DEEP王者ですし、DEEP愛がある選手だと思うので、元谷選手も戦いたい相手の一人です」

――それでは最後にファンのみなさんへのメッセージをいただけますか。

「気持ちが見える分かりやすい試合をするので応援よろしくお願いします」

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【DEEP115】北岡悟が振り返るDEEP X BC対抗戦─02─「負けた人が考えていない感が出ちゃいました」

【写真】ユ・スヨン。この選手と交わることができることを北岡は、良いことだと言い切った(C)DEEP

9月18日(月・祝)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されたDEEP vs BLACK COMBATの対抗戦を北岡悟が振り返るインタビュー第2弾。
Text by Manabu Takashima

大島沙織の意外な敗北に続く、石司晃一と大原樹理のベルト流出劇に関して、北岡はどのような気持ちでいたのか。

<北岡悟のDEEP vs BLACK COMBAT対抗戦振り返り、Part.01はコチラから>


――それでも最後は足関節をパク・シユンに切り返されました。

「それは相手も組み技の技量を上げてきたということだと思います。大会が終わって青木真也さんから『韓国は柔術が盛んで、柔術のレベルは上がっている』という連絡があったんです。ちゃんと組み技も修練していて、その部分は次の試合にも表れていましたね」

――その次、ユ・スヨンが石司晃一選手に圧勝した試合になります。

「石司選手と戦ったユ・スヨンは、パンクラスに来ていましたよね。大橋悠一選手という期待されていた選手、組みができるけど殴り勝てる選手と戦ってパンチを纏めて秒殺した。しかも、結構バリバリの柔術家で。あの選手は強いですね」

――BLACK COMBATの試合を見て、ユ・スヨンは強いという認識はあったのですが。石司選手にあのような形で勝つとは思っていなかったです。

「日本でトップ10に入る実力の持ち主、石司選手はトップ5を狙うことができるトップ10の選手です。身体能力も高く、体も強い。その彼が下になってニーシールドとプッシュだけで返そうとしていたけど、普通に纏められましたね」

――ユ・スヨンの寝技のコントロール……技術力で完全に上回っていたように見えました。

「柔術でいえば青・紫帯と、黒帯の差のような上と下の攻防になりました。悪くない青帯、紫帯の動きを良い黒帯が抑えた――ような。そもそも上を取ったテイクダウンも、ハイクロッチから入って。石司選手から、あんなイージーにナイス・テイクダウン……当たり前のMMAテイクダウンを取った。凄いですよね、良い選手です」

――一部でキム・スーチョルより強いのではないかという声も挙がっています。

「それはやってみないと分からないけど、普通にRIZINのレベルであることは確かです。RIZINレベルというか、RIZINで上の方と――ベスト5と戦っても良いじゃないかという選手ですよね」

――Road to UFCに出ている韓国人選手より強いようにも見える。そういう選手を抱えることができるのは、ファイトマネーが良いから。Road to UFCに行こうとせず、BLACK COMBATで知名度を上げて、UFCを狙っているファイターがユ・スヨンだと思います。

「それは成功しているということですよね。BLACK COMBATはMMAで、Breaking Downのやっていることをしている。そういう良い選手が、DEEPと絡んでくれる。これは日本のMMAにとっても良いことです。

DEEPのチャンピオンになったのだから、防衛戦をすることになると聞いていますし。でも、めっちゃ強いですよ。ユ・スヨンは色々な日本人選手との試合が見てみたいですね」

――続く大原選手は、イ・ソンハにスロエフストレッチで一本負け。この試合はどのように捉えられていますか。北岡選手は大原選手と戦った当人ですが。

「これが一番悔しいと言っちゃあ、悔しい気がしますけど……。まぁ、しょうがないですよね。しょうがないです」

――大原選手はストライカーですが、組み技&寝技対策をしっかりとやっている選手だと思います。

「絶対にやっていますね。絶対に」

――その大原選手が仕留められた。

「まぁ、ちょっと動き方にはクエスチョンが残るディフェンスはしていました。ただし、体格的なところでまかり通っていた部分はあると思うんです。ぶっちゃけて僕の時も、テイクダウンとサブミッション・アタックはできているので……いや、自分の話はいいや(苦笑)」

――小金翔選手の対戦ではバックグラブを許し、ブレイクでスタンドに戻ったことがありました。

「上迫戦も微妙な節はありました。解説でも話したのですが、あの相手選手は、バックに回ると包めますもんね。容易に包めることができる。打撃でそこまで押しきれなかったことも、あの結果にもちろん通じているでしょうし。そこは総合力だから。結果的に大原選手には相性が良くなかったのかと。う~ん、まぁまぁまぁ――しょうがないです」

――では最終戦のヘビー級、酒井リョウ選手が腕十字でヤン・へジュンに下りました

「酒井選手は最近の試合で、良い勝ち方をしてきました。でも、総合格闘技だからね――と。解説では『ヘビー級なんで、複雑なことを考えずに』とか言っていて。そうしたら酒井選手がグワァっていくと、ヤン・ヘジュンが『ナイス・テイクダウン!!』と(笑)。で、ここからヤン・ヘジュンの抑え込みがメッチャ上手くて。ちょっと上の方で抑えているけど、ヘビー級なんで酒井選手も潜るとかできないじゃないですか。

酒井選手は後ろを向こうとしたけどできなくて。ヤン・ヘジュンは柔術的にも茶・黒の力がある。最低でも紫帯でしょう。マウント、S字マウント、腕十字と流れるような動きで仕留めました」

――試合タイムは1分32秒。防がれると下になって殴られるリスクのある腕十字をこの時間帯で狙うというのは……力の差を感じたのか。

「とにかく綺麗でしたね。しっかりと動けていますよ。まぁ、もともとミドル級の選手だったというのもあるけれど――総合格闘技ですからね」

――結果、DEEP側は最初の2試合の勝利後はチャンピオンが5連敗で完敗を喫しました。試合内容的に大島選手と戦ったパク・シユンは、大島選手の投げを許さなかった。ユ・スヨンとイ・ソンハ、そしてヤン・ヘジュンらは逆に一発で自分の形で持ち込んでいました。結果論として、対戦相手のことをしっかりと研究して、今回の試合に臨んでいたように感じました。

「いや、それは……本当はそこをやるものですからね。とにかく最初のアプローチで、やるべき形に持ち込むと差があるように感じられますしね」

――スクランブルに持ち込ませないで、コントロールして仕留めた。彼らが自分の間で戦ったのに対し、逆にパク・シユンは大島選手の間にさせなかった。

「まぁ1Rがあんな風なら、2Rからは変えないといけない。もちろん、僕らには分からない何かがあったというのは考えられますけど、普通は流れを変える戦いをしないといけないですよね。逆にいえば自分たちがラウンドを取っていると判断しているのか――ぐらいに思いました」

――韓国勢の取り組み方と、日本勢の取り組み方に差を感じた次第です。

「今回は特に、負けた人が考えていない感が出ちゃいましたね(苦笑)。負けた人たちの負け方はそうです。大島選手の敗北に関しては、韓国勢は個の力でなくて、チームの工夫で勝った。それが見えるから、パク・シユンを応援している人達からすると、熱いモノがこみあげてくる勝利ですよね。工夫や努力を感じられました」

<この項、続く>

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【DEEP115】あの惨敗を忘れてはならない。北岡悟がDEEP X BC対抗戦を振り返る─01─「大島だけは……」

【写真】終わってみればアウェイで圧勝。そして会場の雰囲気は決してアウェイでなかったBlack Combat勢(C)DEEP

9月18日(月・祝)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されたDEEP vs BLACK COMBATの対抗戦で、ホームのDEEPは2勝5敗と惨敗を喫した。
Text by Manabu Takashima

ヘビー級、ウェルター級、ライト級、バンタム級、JEWELSも含め2階級制覇、5人のチャンピオンが全て敗れるという想いもしない結末に終わった。今、国内で圧倒的に勢いがあるDEEPのトップが、韓国MMA界に伸し上がってきたBlack Combat勢に完敗。この情景を同大会のTV中継ブースから眺めていた北岡悟に、どう対抗戦を振り返ってもらった。

時間の流れが早く、一つの勝ち、一つの敗北が消化され忘れ去れる現代社会において、この敗北は胸にとどめておかなければならない。そのためにも北岡の感想をぜひとも聞きたかった。そして対抗戦には興味がないと企画そのものを根底から覆す発言が早々に聞かれたなかで一つ一つの勝負として、振り返ってくれた北岡の言葉から改めてMMAとは何かを考えさせられた。


――DEEP ✖ Black Combatの解説をされていましたが、DEEP勢が2勝5敗という予想外の惨敗に終わりました。今回はライト級ファイターとしてではなく、日本のMMA界関係者としてこの対抗戦について振り返っていただいたいと思っています。

「ハイ。解説もするのでBlack Combatの選手の試合を動画でチェックしようと思っていたのですが、ハングルで書いてあるからどこに何があるのか分からなくて(苦笑)。結果、MMAPLANETの中村拓己さんのプレビュー記事を読んで勉強したぐらいで。あとは大島沙緒里選手の相手のパク・シユンが、赤林檎選手と戦った試合だけYouTubeで視ることができました(笑)」

──そうなると我々もそうですが、勝敗予想をする時に過去の実績を重視する傾向になりがちです。

「そうですね。誰に勝っているのか、とか。そんなもんですよね」

──その線で行くとDEEPの4勝3敗、もしくは5勝2敗もあると思っていました。この辺り、北岡選手はどのように考えていましたか。

「結局、映像を視ることができなかったので──僕としては、大島選手だけは固い。大島選手はどう転んでも極めて勝つと思っていました。ただ、この取材を根底から覆してしまうのですが、当日もアナウンサーの方が対抗戦ムードを凄く大切にしていたけど、僕はもうそんな気持ちでは見たくなかったんです」

──本当に根底から覆してしまう一言です(笑)。

「フラットに見たいって、冷や水をぶっかけてしまって(笑)。高島さんも日本を強くしたいって、そういうナショナリズムを持っているじゃないですか」

──ナショナリズムというのか、やはり日本人選手がUFCで勝って欲しい。そこがこの仕事を続ける起因となり、帰結しています。

「僕、日本としてっていう気持ちが余りないんですよ。もちろん、近しい選手には強くなってほしいし勝って欲しい。でも日本でもそれほど関係ないジムと、海外のジムは変わりないというか……。いたずらなグローバルな気持ちがあるというか(笑)。協力し合える関係、リンクしている選手、練習を一緒にしていたり、それこそ過去に戦ったことがある選手が気になるし、勝って欲しいというような姿勢ですね。だからDEEPとBlack Combatの対抗戦でも韓国人選手の中で、仮に個人的に近い選手がいれば、その選手を応援しますし。

ぶっちゃけて僕にとっては平良達郎選手が、UFCで勝っていても外国人選手が勝っているのと変わりないんです。正直なことをいえば。まぁ、そういうところがあってDEEPという場所で、コレが行われているから、という想いはあるけど──別にそこまでではなくて」

──とはいえ今、国内でRIZINを除けば圧倒的に勢いのあるDEEPです。

「ハイ、まさに圧倒的に。その通りだと思います」

──対して、韓国MMA界を席巻しているのがBlack Combatです。両プロモーションの王者、あるいはトップ対決は日韓の力を見比べる良い機会であるとは思っていました。そういうなかで日本人選手と韓国人選手の対戦として──の第1試合、駒杵嵩大選手がキム・ソンウンに勝った時はどのような印象を韓国勢に持っていましたか。

「こんな感じかと、1試合目は思いました。キャリアも浅い選手ですし、謎のブリッジを決めるとか身体能力は高かったですが、こんな感じかっていう風でした。

駒杵選手は攻撃力があって良い選手だと分かっているので、こんな感じで始まるのかと。そんな風に見ていましたね」

──続いて解説で絶賛されていた青井人選手が、シン・スンミンにTKO勝ちして2連勝になりました。

「青井人選手は最初に出てきた時、児山(佳宏)君やタクミさんをぶっ飛ばしていたけど、その後はちょっと沈滞気味で、RIZINでもパッとしなかったので良い使われ方をしなかった。DEEPでも神田コウヤ選手にはヒジでやられていましたよね。だから、これだけ良いんだと……。

シン・スンミンも圧力がある選手で、結果的に相性が悪かった。今の青井選手とは。シン・スンミンは最後まで圧があったけど、それを青井選手が捌き切っていました。

ビビっていないし、バランスがずっと良いままでした。位置取りが良くて、打撃は細かいのも、強いのも変化を加えたのも出す。対角線の攻撃も良かったです。

加えてアプローチ・アタックも入れる。松嶋(こよみ)君とも『青井人が良かった』という話をしましたからね。それは青井人選手が、ここまで良すぎると神田選手とのタイトル戦の可能性があるから松嶋君の今後にも関わってくるからですけどね」

──それだけ良かったということですね。

「あれだけ良いと、否定できないです。相手もBlack Combatのチャンピオンだし、パン・ジェヒョクに勝っている。つまり、そういうことです。パン・ジェヒョクと戦っている日本人は(河名)マスト、亀井(晨佑)選手、そして透暉鷹選手ですよね……。うん、乱暴な三段論法でいえば青井人の方が強いだろって。レベルは、そりゃそうだろって」

──この試合で覚醒したという感覚ですか。

「いや、状態が整ったということじゃないでしょうか。元々良いモノがあり、ここまで仕上った。選手として整った状態じゃないかと思います」

──続いてウェルター級王者の鈴木槙吾選手が、ミドル級で戦ってチェ・ジュンソにKO負けを喫しました。

「ちょっと体格差のある相手が、リーチ差を生かしたジャブを突いてきた。相手としては当たり前のことをやったに過ぎない試合です」

──チェ・ジュンソは均整が取れていました。

「鈴木選手も打撃に良いモノがあって、復帰後は住村(竜市朗)さんと阿部(大治)をKOしている。その割に、厳しかったですね」

──そして絶対だと思っていた大島選手の敗北です。

「大島選手の試合だけは、対戦相手の勉強を事前にできていたので。パク・シユンは赤林檎選手を相手にテイクダウンも取れなかったし、打撃でボコボコにはされていないけどまぁ勝ち目はなかった。対して大島選手は浅倉カンナ選手、山本美憂選手に勝っていて。パク・シウと1勝1敗の選手で、日本ではミクロ級は当然としてアトム級でもトップの選手です。

ただパンチを練習していて、それを出して組んでとパク・シユン戦ではなくて、この先のことを見越した戦いをしていたように感じました。まぁ、それも選手としてやって然りなんですけどね。ただし、試合をリードされていたのに戦い方を変えなかったのは、どうなのかと。

スパーリングや、グラップリングの試合だったら、大島選手が極めてしまうと思います。だから、これはMMAの試合ならでは。そう思います。

大島選手の気強さ、良さは出ていたと思いますが、MMAとしては良くなかったです。ダブルレッグとかもともとある選手ではない印象ですけど、そこで引き込んでからのアテンプトはあった。この試合に勝つなら、あの仕掛けは悪くないし、賢い選択だったと思います」

<この項、続く>

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Black Combat DEEP DEEP115 MMA MMAPLANET o PRIDE   酒井リョウ

【DEEP115】へジュンが酒井を腕十字葬。対抗戦はBCが5勝2敗で勝ち越し、DEEP王座はすべて流出

【写真】DEEP惨敗――。対抗戦で負け越したのみならず、3本のベルトがすべてBlack Combatに流出する事態に(C)MMAPLANET

<ヘビー級/5分3R>
ヤン・へジュン(韓国)
Def.1R1分32秒 by 腕十字
酒井リョウ(日本)

酒井が右ロー、右の蹴りのフェイントを見せる。ここから酒井がジャブを突くと、へジュンがダブルレッグでテイクダウンを奪う。

サイドポジションで抑え込むへジュンは鉄槌を落としながら、マウントポジションへ。最後は酒井の動きに合わせて腕十字を極めた。これによりDEEP&Black Combatの対抗戦は5勝2敗でBlack Combatが勝ち越す結果に。

ダブルタイトルマッチはすべてBlack Combat勢が勝利、DEEPのベルトが韓国・Black Combatに流出という形に終わった。

 試合後、Black CombatのBLACK代表が意気揚々と「今日DEEPのみなさんが、我々が世界に行く道を作ってくれました。アメリカに奪われたPRIDEのストーリーを日韓で取り戻しましょう!」と宣言したのに対し、DEEP佐伯代表は「ここは日本でしょうか、韓国でしょうか……。とにかく今はこの状況を何とかしたい。それだけです」と肩を落とした。


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Black Combat DEEP DEEP JEWELS DEEP115 MMA MMAPLANET o イ・ソンハ キック 大原樹理

【DEEP115】イ・ソンハが大原樹理にスロエフストレッチを極めてBC王座防衛&DEEP王座を獲得

【写真】1Rにも狙われたスロエフストレッチ。2Rにしっかりと入られた(C)MMAPLANET

<DEEP & Black Combatライト級選手権試合/5分3R>
イ・ソンハ(韓国)
Def.2R2分37秒 by スロエフストレッチ
大原樹理(日本)

イ・ソンハが左インローを繰り出してからサウスポーにスイッチした。さらに左ストレートを連打しながら組みつき、大原をケージに押し込んでからボディロックでグラウンドに持ち込む。亀になった大原に対し、イ・ソンハが右足を差し込んだ。

大原はイ・ソンハが左足も差し込むのを自身の左足で防ぐ。しかし逆側に回転したイ・ソンハが四の字ロックで固める。イ・ソンハの左腕が大原の首に巻き着くも、大原その腕を引きはがした。大原が立ち上がろうとしたところで、イ・ソンハが右腕を回す。さらに大原の左足を取ったイ・ソンハが、スロエフストレッチの形でグラウンドに引き戻した。

四の字フックを維持するイ・ソンハは腕十字にも入れる体勢に。ここでイ・ソンハがトップに移行するも、大原が背中を向けると再びバックへ。大原は立ち上がり、ケージを背にして正対した。ここで離れたイ・ソンハに右ストレートを繰り出すも、再び組まれてドライブされてしまう。深くは追わないイ・ソンハに対し、大原がプレスをかけてケージ際まで下がらせた。

2R、イ・ソンハはサウスポーでスタートする。大原が右ハイで下がらせた。イ・ソンハは左ローキックを当てる。続く左ローが大原の下腹部を捕らえ、試合は中断される。再開後、大原が蹴りのフェイントを見せながら圧をかけていく。右ストレート、右ハイを見せる大原が右跳びヒザに繋げた。これをかわしたイ・ソンハが、ケージ中央からダブルレッグで飛び込び、クリーンテイクダウンに成功した。

ケージ際でバックに回ったイ・ソンハがパンチで削る。バックマウントを奪ったイ・ソンハが左腕を大原の首に回すも、ここは絞め上げることができず。1Rと同様に腰を上げて前に落とそうとする大原の左足を取り、スロエフストレッチを極めた。

これでダブルタイトルマッチはDEEP側が3連敗--DEEP JEWELSアトム級、DEEPバンタム級、そしてDEEPライト級のベルトをBlack Combat側が獲得する結果となった。


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Black Combat DEEP DEEP115 MMA MMAPLANET o ユ・スヨン 石司晃一

【DEEP115】前評判以上の強さを発揮、スヨンが石司を圧倒してDEEP&BCの2冠達成

<DEEP & Black Combatバンタム級選手権試合/5分3R>
ユ・スヨン(韓国)
Def.1R4分28秒 by TKO
石司晃一(日本)

じりじりと前に出る石司。左を軽く見せつつ、左ミドル・右ローを蹴る。スヨンは石司のジャブの終わりにシングルレッグに入ってテイクダウンを奪う。

スヨンは腰を上げてパスガードを狙い、ヒジを落とす。石司はスヨンの身体を押して、パスガードを阻止。しかしスヨンはハーフガードでトップキープすると、石司の上体を固めてマウントへ。

ここからスヨンはパンチを連打。なんとかディフェンスする石司だったが、最後はガードの上からスヨンのパウンドを浴び続け、レフェリーが試合をストップした。スヨンが前評判以上の強さを見せつけ、DEEP&Black Combatの2冠王についた。

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Black Combat DEEP DEEP JEWELS DEEP115 MMA MMAPLANET o キック パク・シユン 大島沙緒里

【DEEP115】組ませないパク・シユン。大島の足関節をかわし、左右ストレートを当て続けて2冠王に

【写真】パク・シユンが2冠王に。防衛戦はどうなる?(C)MMAPLANET

<DEEP JEWELS & Black Combat女子アトム級選手権試合/5分3R>
パク・シユン(韓国)
Def.5-0:30-27.30-27.30-27.30-27.29-28.
大島沙緒里(日本)

お互いのローが交錯したあと、大島が距離を取る。パク・シユンは右ローからパンチを当てたが、大島が組みにいく。これをかわしたパク・シユンが右カーフキックを繰り出したあと、サウスポーへのスイッチを見せた。さらに大島のローに対して右ストレートを合わせる。大島が強引に組みにいくともパク・シユンが突き放す。大島は右を振って距離を詰めるが、組むことができない。パク・シユンの右カーフキックがヒットする。大島の左ローが当たると、パク・シユンはサウスポーにスイッチしている。

大島が左右フックを振るう。それをかわしたパク・シユンもパンチを伸ばす。大島の右スピニングバックフィストをかわしたパク・シユンは、テイクダウンを狙った大島を反対に潰して上を取るも、大島が下からパク・シユンの右足にストレートフットロックを狙う。パク・シユンも足を抜いて立ち上がった。ケージ中央で大島が右ストレートでパク・シユンの顔を跳ね上げた。大島は前に出て組みにいく。しかしラウンド終了間際、パク・シユンが突き放した。

2R開始直前、パク・シユンが左目に何か起こったとアピールするも、ラウンドが開始される。互いにパンチを振るうなか、パク・シユンが下がりながら左ストレートを当てた。大島は左前蹴りをボディに突き刺す。左フックを打ち込む大島。パク・シユンは右カーフキックを当てる。大島が左右フックを当てると、パク・シユンが下がった。大島は組みに行くも、パク・シユンが下がって離れる。サークリングするパク・シユンに対し、距離を詰める大島だがプッシングでかわされてしまう。下がるパク・シユンは右を顔面に突き刺す。さらにパク・シユンの右ストレート、左フックが大島の顔面を捕えた。

最終回、パンチを振るう大島をパク・シユンが左右ストレートで迎え撃つ。ショートの左フックを当てた大島は、距離が詰まるとパク・シユンの頭を抑えにいくが捕まえることはできず。パク・シユンの右ストレートに、大島が左インローを合わせた。パンチ主体の大島に対し、パク・シユンが右ストレートを伸ばす。ここで大島がダブルレッグで尻もちを着かせた。立ち上がるパク・シユンをケージに押し込んだ大島は、引き込んでストレートフットロックからヒザ十字へ。

足を抜いたパク・シユンがトップから右腕を回し、肩固めを狙う。しかし大島がハーフガードでパク・シユンの左足を抱えており、パク・シユンも動けない。パク・シユンが立ち上がったところでレフェリーが試合を止め、大島の右グローブを直した。再開直後、試合終了のゴングが鳴った。

裁定はジャッジ5名のうち4名がフルマークをつけるユナニマス判定でパク・シユンが勝利。パク・シユンがDEEP JEWELSアトム級王座を獲得し、Black Combatのベルトと併せて2冠王となった。


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DEEP DEEP115 F1 MMA MMAPLANET o キック チェ・ジュンソ 鈴木槙吾

【DEEP115】鈴木槙吾、ジュンソのリーチ&ジャブを崩せず。ジュンソがKO勝ちでBCに1勝をもたらす

【写真】鈴木はジュンソのジャブを受けてダメージの蓄積もあったか(C)MMAPLANET

<ミドル級/5分3R>
チェ・ジュンソ(韓国)
Def.1R1分29秒 by KO
鈴木槙吾(日本)

リーチ・上背で勝るジュンソがジャブを突く。鈴木は右フックを見せるが、ジュンソのジャブが鈴木の顔面をとらえる。

鈴木はジュンソのジャブに右カーフキックを返し、徐々に右のカウンターのタイミングを合わせる。

ジュンソは鈴木の右に相打ち気味の右ストレートを返し、これで鈴木の動きが止まる。ジュンソは細かくジャブをヒットさせ、一気にパンチをまとめる。

鈴木も右アッパーを返すが、ジュンソが左右の連打で前進し、最後は左右のフックで鈴木をマットに沈めた。フィニッシュこそ豪快なKO劇だったが、ジュンソのジャブを使った丁寧な試合運びが光った一戦だった。


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DEEP DEEP115 MMA MMAPLANET o シン・スンミン ブログ 青井人

【DEEP115】TDを織り交ぜた打撃で完封する青井がシン・スンミンをサッカーボールキック葬

【写真】逆転を狙って前に出て来たシン・スンミンから右でダウンを奪い、サッカーボールキックを連打した(C)MMAPLANET

<フェザー級/5分3R>
青井人(日本)
Def.3R0分45秒 by TKO
シン・スンミン(韓国)

共にガードを固めてケージ中央で向き合う。青井の右カーフキックがヒット。さらに左ジャブと右前蹴りを繰り出す。シン・スンミンのプレスに対し、ケージを背負った青井が左フックを振って脱出してケージ中央で右カーフを当てる。青井のワンツーがシン・スンミンの顔面を捕えた。さらにシン・スンミンのワンツーに左フックを合わせて回る。右ミドルハイで動きを止めると、左跳びヒザを突き刺してシン・スンミンをケージ際まで吹っ飛ばした。すぐにトップを奪う青井だが、ここは一旦立ち上がった。

スタンドに戻ると左ジャブを当て、右ストレートを伸ばしていく。頭を下げたシン・スンミンに右ヒザを突き上げた青井は、右ハイで下がらせる。シン・スンミンも右ローを見せたが、青井がプレスをかけていく。シン・スンミンは青井の左ジャブに右を被せるも、青井は右ヒザを突き刺す。ニータップで入った青井が、体を起こしてシン・スンミンを転がした。青井は幾度も右カーフを当てた。

2R開始早々、青井が右ローを繰りだす。ケージ中央で右カーフを当てた青井は、前に出て来るシン・スンミンに右を打ち下し、さらにニータップで組みつく。切られながらも右ヒジを叩き込む青井は、右カーフ、左ミドルハイと蹴りを散らす。シン・スンミンのフックに対し、青井の右ストレートがシン・スンミンの顔面を捕える。ケージ中央で青井が右ローを出しながら足を滑らせるも、すぐに立ち上がった。シン・スンミンがパンチを繰り出したところで、青井がダブルレッグで尻もちを着かせた。すぐにケージ際まで下がったシン・スンミンが立ち上がる。

スタンドでは青井の左フックのカウンター、ワンツーがシン・スンミンの顔面を捕えている。シン・スンミンの左フックをかわした青井がシングルレッグで組みつき、ボディロックからバックへ。立った状態のシン・スンミンのバックに乗り、四の字フックで固めた。右腕をシン・スンミンの首に絡みつけていくも、絞め上げることはできず。パンチで削りながらラウンド終了のゴングを待った。

最終回、青井が左ジャブを伸ばす。右ローを受けたシン・スンミンがバランスを崩した。青井の右スピニングバックフィストをかわしたシン・スンミンがシングルレッグで入るも、これは青井がスプロールする。青井は右ハイをかわされたが、シン・スンミンの右に右ストレートを合わせた。さらに右をボディに突き刺した青井は、シングルレッグからバックに回る。ここはシン・スンミンが離れた。

ケージ中央で青井の右三日月蹴りがシン・スンミンのボディに突き刺さる。シン・スンミンが青井の左ジャブに右を被せた。青井はダブルレッグで組みつくも切られてしまう。立ち上がったシン・スンミンが突進してきたところに右を合わせてダウンを奪った青井は、亀になって起き上がれないシン・スンミンの顔面にサッカーボールキックを連打し、レフェリーストップを呼び込んだ。


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