【写真】響く発言が多すぎて、タイトルにどの言葉を持って来るのか悩む──そんなインタビューです(C)SHOJIRO KAMEIKE
26日(土)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP106で、伊藤裕樹と対戦する福田龍彌のインタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike
神龍誠×藤田大和のフライ級王座統一戦は延期となってしまったが、今大会ではDEEPフライ級トップ選手の試合が多くマッチアップされていた。なかでも、福田は伊藤との対戦を心から喜んでいる。その理由に、福田の格闘技観が表れていた。
<福田龍彌インタビューPart.01はコチラから>
――今大会は福田選手が伊藤選手と対戦するほかに、神龍誠×藤田大和、越智晴雄×関原翔というDEEPフライ級トップ選手の試合が組まれました。神龍×藤田の王座統一戦は延期となってしまいましたが、前回のインタビューで福田選手が希望していたトーナメント1回戦の様相を呈しています。
「良いっすね。トーナメントは無かったけど、このまま総当たり戦でやってほしいです。全員と対戦できる、総当たり戦が最高じゃないですか」
――トーナメントよりも総当たり戦ですか。
「タイトルマッチで次に勝ったほうと戦いたい、とかは思っていないので。できれば藤田君と試合したいですね。対戦したことないから、そのほうが楽しいです」
――では神龍選手に勝利して正規王者となった藤田選手と対戦したい、ということではないのでしょうか。
「……だから、複雑なんですよ」
――……複雑、とは?
「タイトルマッチとか大々的に、かしこまった形で試合をするのは、あんまり求めていないんです。藤田君が負けてくれたほうが、ノンタイトルマッチで気楽に戦えます。でも選手に対して負けることを望むなんて、ありえないから複雑なんですよ」
――それは複雑すぎます(笑)。
「アハハハ。あと、神龍君は僕との試合のあと『練習環境が変わって、練習不足だった』とコメントしていたらしいんですよね。それなら練習環境が整ってから、万全の状態になった神龍君と戦いたいです。……神龍君が藤田君に勝っても、ノンタイトルマッチで(笑)」
――次の対戦相手である伊藤選手は、前回の暫定王座決定戦で藤田選手と戦っています。いわばトップコンテンダーで、福田選手との試合は次期挑戦者決定戦かもしれませんが……。
「まぁ次がタイトルマッチかどうかは置いておいて、DEEP初戦で負けちゃったから、次はもっと下の選手を当てられるんちゃうかな、と思っていたんですよ。それが伊藤戦って、前回負けちゃったのに良いんですか? という感じで。今は幸せに溢れています。一番やりたかった相手ですね」
――DEEPフライ級の中では、伊藤選手が最も噛み合う対戦相手ではないかと思います。
「やっぱりそう思いますか? 僕も、もうたまらなくて(笑)。すごく良い選手、彼の戦い方が好きなんですよ。試合が決まってから、ずっとワクワクしています。誰よりも僕が一番、この試合を楽しみにしているから」
――伊藤選手の戦い方で、どのようなところが好きなのですか。
「自分というものを持っているじゃないですか。試合でギリギリの駆け引きができる。危ない位置から狙ってくることができる選手で。そういう選手と試合は、ピリピリした感じがあって好きですね。もしかしたら自分が怪我するかも……そんな雰囲気があると、僕のほうも気持ちが引き締まるので」
――なるほど。伊藤選手はピンチになっても、ハッキリと気持ちを整えて切り替えることができる、そんな気持ちの強さが試合にも現れています。福田選手と同じく、これまで多くの修羅場を潜ってきたのだろうなと。
「格闘技って、戦い方に選手の生き方が出ますよね。ファイトスタイルって自己表現の一つやから」
――福田選手は、どのようなファイトスタイルを目指しているのでしょうか。
「僕、UFCのラファエル・フィジエフが好きなんですよ。もともとムエタイの選手で、強い。ちゃんと格闘技が強い。ムエタイだけでなくボクシングをやっても、レスリングをやっても強いから」
――福田選手のベースは、やはりムエタイにあるのでしょうか。
「技術的なベースがあるかどうかは分からないですけど、何ていうか……僕がタイで見ていたのは、戦うことを生業にしている人だったんですよ。すごい田舎から出てきたような子が、試合でKO勝ちして、直後にプロモーターから『来週試合できるか?』と聞かれて。日本だと来週って言われたら悩む人が多いと思います。でもタイの選手は『いいんですか? できます』と答える。それがファイターという生業なんやな、って思いました」
――もし神龍戦の直後、佐伯代表から『1、2週間後に藤田か伊藤と……』というオファーがあったら受けていましたか。
「ダウンしてへんかったら、受けていたと思います。普段のオフモードで言われるのと、試合直後のまだオンモードにある状態で言われるのでは、違ってくるんですよね。オンモードの時に言われて、もし神龍戦でノーダメージやったら、オファーに飛びついていますよ」
――そう聞いて、福田選手の格闘技観が理解できてきました。
「それが戦うことを生業にしている、ということやと思うんですよ。僕は別に、タレントになりたいわけじゃない。名声が欲しいわけでもない。ただ純粋に競技が好きというか。飲食店なら、僕の店に行列はできなくていいです。食べログやミシュランで有名な店ではなく、その地域の人たちから愛されている店でいたい」
――伊藤戦は、まさにそういう試合だと思います。
「伊藤君との試合は、ギリギリの駆け引きを楽しみたいです。お互い危ないことをしながら、やりたいことをやって……最後は伊藤君に焦ってほしいな(笑)」
■視聴方法(予定)
2月26日(日)
午後5時40分~SPWN PPV
午後5時40分~ニコニコ生放送
■ 対戦カード
<フェザー級/5分3R>
中村大介(日本)
小見川道大(日本)
<フライ級/5分3R>
伊藤裕樹(日本)
福田龍彌(日本)
<ライト級/5分3R>
川名TENCHO雄生(日本)
石塚雄馬(日本)
<フライ級/5分3R>
越智晴雄(日本)
関原翔(日本)
<フェザー級/5分3R>
青井人(日本)
木下尚祐(日本)
<フライ級/5分2R>
ヒロヤ(日本)
風我(日本)
<バンタム級/5分2R>
岩見凌(日本)
山本有人(日本)
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【DEEP106】伊藤裕樹戦へ、福田龍彌─02─「誰よりも僕が一番、この試合を楽しみにしているから」 first appeared on
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