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【DEEP Osaka Impact2024#02】ペレイラの柔術に苦戦も、前薗が切り返しの多彩さを見せて判定勝利

<フェザー級/5分2R>
前薗渓(日本)
Def.3-0:20-18.20-18.19-19(マスト前薗)
ペレイラ・ユウジ・ラファエル(ブラジル)

サウスポーの前薗が距離を詰めると、ペレイラが右ストレートで前薗の顔面を跳ね上げる。右に回るペレイラは前薗の右カーフキックを受けてバランスを崩した。前薗が左ミドルハイから右スピニングバックキックに繋げると、ペレイラの右スピニングバックと交錯する珍しい展開に。ペレイラにケージを背負わせた前薗が左ミドルを繰り出すと、ペレイラが蹴り足をキャッチしてグラウンドに持ち込んだ。背中を着いた前薗にパウンドを連打するペレイラ。前薗は下からペレイラの右腕を取り、スイープに成功する。袈裟固めで抑え込みにかかる前薗に対し、ペレイラはスクランブルに持ち込む。ガブった前薗は立ち上がったペレイラの四つからのテイクダウンを、左オーバーフックで切り返す。そのまま前転してペレイラの右腕に腕十字を仕掛けるも、これは極めきることができず。

ペレイラの鉄槌を受けた前薗は立ち上がり、ケージに押し込まれる。しかし四つで組んだ前薗がヒザ蹴りから体勢を入れ替え、またもペレイラの投げを切り返してトップへ。ペレイラもハーフガードからスイープする。スタンドに戻ると、ケージ中央でペレイラが投げからアナコンダの形に入る。耐えた前薗が立ち上がる。互いのハイキックがぶつかったあと、前薗がペレイラをケージ際に追い込み、左ミドルから右フックを打ち込み、シングルレッグで組む。ハイクロッチから足をすくい上げてテイクダウンした前薗。ペレイラはパスを許さず、足を取りに行くが立たれてしまう。スタンドの差し合いで初回を終えた。ラウンド終了のゴングが鳴ると、ペレイラに疲労が見られる。

最終回、疲労のためかペレイラが下がりながら前蹴りで距離を取る。しかし前薗の右フックがクリーンヒットする。回るペレイラを捉えた前薗がボディロックから、ペレイラに背中を着かせた。ハーフガードのペレイラに左ヒジをこすりつける前薗。立ち上がり、ペレイラが背中を着けたままの状態が続くとレフェリーがブレイクをかけた。再開後、前薗の右フックがペレイラのアゴに突き刺さる。組んだ前薗が肩固めの形で組み、グラウンドに引きずりこんだ。ペレイラは前薗の左腕を抱えてディフェンスし、さらにケージキックへ。スイープを狙うペレイラのバックに回った前薗は鉄槌を連打。またもスイープを潰されたペレイラが、アンクルピックから立ち上がる。ケージ際の攻防から離れた両者、ラストは前薗がパンチで下がるペレイラを追いかけ、ペレイラのテイクダウンを切り返してマウントを奪って試合を終えた。

試合後、マットに倒れ込む両者。


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【DEEP Osaka Impact2024#02】レスリングの先輩後輩、前薗渓&濱口奏流「泉州の格闘技を盛り上げたい」

2日(日)、大阪市住吉区の錦秀会 住吉区民センター大ホールで開催されるDEEP Osaka Impact2024#02で、濱口奏流が安谷屋智弘と、前薗渓がペレイラ・ユウジ・ラファエルと対戦する。
Text by Shojiro Kameike

前薗と濱口は大阪体育大学レスリング部の先輩・後輩という関係だ。現在、所属ジムは違うものの、同じ泉州地域(大阪府西南部)に住む2人は対策練習などを一緒に行うことがあるという。今大会では濱口がメインに、前薗がコメインに出場することとなった。そこで2人の対策練習と、部活の先輩・後輩を超えた両者の関係について訊いた。


柔道の先生から「MMAのためにはレスリング」と(濱口)

――今日は濱口選手が指導員を務める極真会館中村道場泉大津道場で、前薗選手と2人で行っている練習を拝見しました。2人だけの対策練習はいつ頃から、どれくらいのペースで行っているのでしょうか。

練習はシャドーのあとにスパーリングへ。ラウンドごとに強度を高めていった(C)SHOJIRO KAMEIKE

濱口 去年、同じ大会(昨年7月のDEEP大阪大会)に出ることになってからですかね。

前薗 同じ大会で試合をすることになったので、2人で対策練習や打ち込みをしようと、1週間に一度のペースで集まるようになりました。

濱口 自分が怪我をしていたので間が空いていましたけど、最近復活したんですよ。

――濱口選手は昨年11月に決まっていた試合を負傷により欠場しています。公式リリースには「負傷」と書かれていたのですが、具体的にはどのような状態だったのですか。

濱口 最初はレスリングの練習で投げられた時、マットに手を着いて脱臼してしまったんです。それで11月の試合は流れて。そのあと3月は大阪大会に出る予定やったんですけど、練習中にアゴが折れてしまい……。でも早く復帰したかったし、幸い回復も早かったので、今回の大阪大会で復帰することを決めました。

――なるほど。前薗選手と濱口選手はレスリング時代の先輩、後輩ということですが、お互いにレスリングの前に別競技を経験しているのですね。

濱口 僕は4歳から空手をやっています。MMAをやりたかったので高校から空手と並行してレスリングを始め、大学のレスリング部で渓さんと一緒だったんです。

前薗 僕が大学4回生(※関東の大学は「×年生」、関西では「×回生」と呼ぶことが多い)の時に奏琉が1回生で入ってきて。当時から奏琉がMMAをやりたいというのは、うっすらと聞いていました。もともと奏琉が中学時代に柔道をやっていた時から知っていたんですよ。高校でレスリングを始めてからも、大学に出稽古で来ていましたし。

濱口 空手をやっていくうちにK-1を見て、キックボクシングをやりたいという時期もありました。でも高校の進学先を選ぶ時に、コナー・マクレガーがUFCで凄い試合をしていて。マクレガーを見てMMAをやりたくなったので、柔道の先生に相談したんです。すると先生から「MMAのためにはレスリングをやっておいたほうが良いよ」と教わって、高校からレスリングを始めることにしました。

――柔道の先生がMMAのためにレスリングを薦めるとは、なかなか自由な環境だったのですね。

前薗 自由かもしれないですね(笑)。もし僕たちが柔道の強豪校に入っていたら、ずっと柔道をやるように教わっていたかもしれないですけど。

濱口 MMAを始めるのは僕のほうが少しだけ先だったかもしれないですけど、プロデビューは同じ時期でした(※濱口は2022年7月、前薗は同年8月にデビューしている)。渓さんがMMAでプロデビューした時は驚きましたよ。

前薗 大学時代は「MMAをやる」とか、そういう話はしたことなかったもんな。

濱口 最初はボンヤリとMMAやると聞いていたぐらいで。お互いにプロデビューしたあと、2人でMMAの話をするようになって一緒に練習し始めましたよね。

前薗 これも部活の延長線上みたいなもんやったな(笑)。

スパーに続きミット打ち~サーキット~パウンド打ちの連続でお互いに追い込んでいく(C)SHOJIRO KAMEIKE

濱口 もともと僕が高校1年の時に渓さんが大学の1回生、その頃から一緒にレスリングの練習をしていました。高校当時の自分からすれば、大学生のお兄ちゃんみたいな感じで。

――濱口選手にとって、前薗選手は面倒見の良い先輩だったのですか。

濱口 はい。

前薗 嘘つけ(笑)。

濱口 アハハハ。

前薗 高校生には高校生の空気ってあるじゃないですか。大学生の僕が、奏琉たち高校生の空気を壊さないようにとは考えていました。だから当時は僕たちも、今のような距離感ではなかったです。でも奏琉もグレコで強かったので、よく一緒に練習していましたね。

――濱口選手高校時代、レスリングと並行して空手の試合にも出ていたそうですね。

濱口 高校の時は空手の大会に出ながらレスリングもやっていて、今はMMAをやりながらレスリングの試合にも出ています。

――えっ!? 今もレスリングの試合に出ているのですか。

濱口 はい。僕は大学の4回生で、レスリング部にも所属しています。ホンマは関東に行って、しっかりとレスリングをやってMMAデビューするつもりやったんですよ。でも大阪体育大学やと地元に残って、レスリングもやりながらMMAもできるということで。今は並行してやっていますね。

前薗 奏琉がこんなに早くMMAでプロになるとは、誰も考えていなかったんですよ。

濱口 僕も驚いています(笑)。MMAを始めて、DEEPのフューチャーキングトーナメントにエントリーしてみたものの、まさか自分でも優勝できるとは思っていなくて。

前薗 自分が4回生でレスリングを引退したあと、奏琉がレスリング部にいながらMMAでプロデビューしていたので、ビックリしましたよ(笑)。

グラップラーを相手に自分の打撃を試す(前薗)

――空手道場とレスリングの大会で、濱口選手のドレッドヘアが許されているのも驚きです。その前はアフロヘアでしたし。

濱口 地方やからこそ、いろいろ自由にやらせてもらっている面もあるとは思うんですよ。

前薗 そんなことないって(苦笑)。自分が3回生の冬休みに金髪にしたら、「すぐに戻せ」って怒られたから。

――アハハハ。レスリングからMMAに至る前で、お互いの良いところなど印象を教えてください。

濱口 僕にとって渓さんは、常に自分より上を行っている存在です。レスリングでも勝たれへんし、MMAをやっても勝たれへん。戦績も渓さんのほうが上で、そこは先輩やなって感じですね。

――その前薗選手は前回のインタビューで、濱口選手のほうがメイン扱いされることに文句を言っていましたよ。

前薗 そんな言い方はしていないじゃないですか(笑)。試合順は別に……ポスターの写真はもっと大きくしてほしいとは思いますけど。

濱口 アハハハ!

前薗のパウンド連打で濱口は腰の位置を修正しながら追い込んでいく。先輩・後輩という以上にお互いを補い合うことができる関係だ(C)SHOJIRO KAMEIKE

前薗 レスリングの時は勝つことができていたけど、MMAでは自分のほうが劣っている部分が見えてきました。僕は柔道からレスリングを始めた時も、別に年齢は関係なく誰彼構わず聞けることは聞くようにしていて。奏琉に対しても、レスリングの時は自分のほうが上やったけど、MMAをやっていると自分のほうが劣っている部分も見えてきました。今ではMMAについて気軽に、いろんなことを聞ける存在になっていますね。試合の

――反対に、「これはやめてほしい」と思うことはありますか。

濱口 え、何やろう……。

前薗 すぐ怪我をしてしまうところと、酔ったら調子に乗るところですかね。酔うとテキーラを何杯も飲むんです。

濱口 試合が終わると二人で祝勝会をやったりするんですよ。どちらかが試合終わりで、片方がまだ減量時期からだいぶ前やったりすると、もう……。次の試合の話をしながら、次の日に何も覚えていないぐらい飲んでいますね(苦笑)。

前薗 格闘技の話をしながら熱くなってしまい……「泉州を盛り上げるぞ! マスター、テキーラ!!」って。

濱口 それで次の日は何も覚えていないんです(笑)。飲みに行くお店のマスターも、泉州色が強い人だから、頼んだら「ヨシッ!」って。

――泉州色、というのは?

濱口 だんじり祭りは有名ですよね。

前薗 今ならレゲエとか。

濱口 そんな地元が好きやから、僕たち2人とも「泉州を格闘技界で盛り上げたい」という気持ちが強いです。今回の試合も2人でバチッと勝ちたい。大阪でも北のほうは有名な選手も多いと思うんですよ。泉州ではパラエストライズムの先輩の竹中大地さんがONEに出場されていたけど、僕たちのような若手が全然なんで。もっと頑張っていきたい、という話をしながら飲んでいて――記憶がなくなるという(苦笑)。

――試合のない時期でも、お酒はほどほどに……。では次の試合について、対戦相手の印象を教えてください。

前薗 ペレイラ選手については「あまり打撃はやっていないなぁ」という感じですね。でも柔術をやっている人に聞いたら「柔術は強いよ」と言っていて。そんなグラップラーを相手に自分の打撃を試すことができるかな、という感じです。

濱口 僕はもう自信満々です。相手はベテランで、しっかり組みができる相手やと思います。相手に得意なことはさせず、自分の得意なところで攻めたいですね。何で攻めるかは言わないですけど(笑)。かつ「魅せる」ことができたら良いな、って。過去5戦は魅せることができていないけど、今はそういう余裕もできてきました。

前薗 今日見ていただいた練習だけじゃなく、それぞれの道場でもいろんな人と話をしながら、できるかぎりの対策をやってきました。最近いろんなものが身についてきている実感はあるので、次の試合が楽しみです。

■DEEP Osaka Impact2024#04視聴方法(予定)
6月2日(日)
12時30分~YouTube DEEP/DEEP JEWELSメンバーシップ、ツイキャスPPV

■対戦カード
<バンタム級/5分2R>
カーレッジユウキ(日本)
亀井修真(日本)

<バンタム級/5分2R>
大空斗(日本)
木下竜馬(日本)

<フェザー級/5分2R>
田中壱季(日本)
三井俊希(日本)

<フェザー級/5分2R>
延命そら(日本)
今村豊(日本)

<フライ級/5分2R>
宮川日向(日本)
久保田洸平(日本)

<フライ級/5分2R>
飴山聖也(日本)
前田太輝(日本)

<ライト級/5分2R>
紀州(日本)
真野亜三瑠(日本)

<バンタム級/5分2R>
山﨑鼓大(日本)
堂園悠(日本)

<60キロ契約/5分3R>
安谷屋智弘(日本)
濱口奏琉(日本)

<フェザー級/5分2R>
前薗渓(日本)
ペレイラ・ユウジ・ラファエル(ブラジル)

<バンタム級/5分2R>
谷岡祐樹(日本)
切嶋龍輝(日本)

<ウェルター級/5分2R>
BORZ(ウズベキスタン)
姜信一(日本)

<フェザー級/5分2R>
古根川充(日本)
森俊樹(日本)

<女子50キロ契約/5分2R>
青野ひかる(日本)
SAAYA(日本)

<女子フライ級/5分2R>
MANA(日本)
山口恵(日本)

<フライ級/5分2R>
八尋大輝(日本)
藤田健吾(日本)

<フェザー級/5分2R>
桑本征希(日本)
秋山怜冬(日本)

<メガトン級/5分2R>
土井淳(日本)
竹内龍吾(日本)

<アマチュアSルール フライ級/3分2R>
砂田華杜(日本)
朝井啓太(日本)

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45 DEEP DEEP Osaka Impact2024#02 MMA MMAPLANET o アシルベック ブログ 前薗渓 安谷屋智弘 濱口奏琉

【DEEP Osaka Impact2024#02】前薗渓&濱口奏流、大阪レスリングコンビが地元で上位進出を賭けた試合へ

【写真】粗削りだが、いまだDEEPフェザー級で無敗の前薗渓(C)SHOJIRO KAMEIKE

18日(木)、6月2日(日)に大阪市住吉区の錦秀会 住吉区民センター大ホールで「DEEP OSAKA IMPACT 2024 2nd ROUND」が開催されることが発表された。
Text by Shojiro Kameike

同大会では安谷屋智弘×濱口奏流の3Rマッチが行われるほか、谷岡祐樹と前薗渓といったDEEP大阪を中心に戦う期待の若手ファイターが出場する。


前薗は柔道、レスリングをベースにプロMMAデビューから6戦無敗。DEEP大阪大会で5連勝後、今年3月には初めて念願だった東京で戦い、ウズベキスタンのアシルベックをRNCで下している。アシルベックの右をもらって動きが止まる場面はあったものの、豪快なバックスローでテイクダウンし、キッチリとフィニッシュした。スタンドレスリングと投げの強さは、さすがグレコローマン出身というべきところか。

写真は昨年11月の桑本征希戦。今度のペレイラはボトムからの技術も持つ柔術家だが、果たして――(C)SHOJIRO KAMEIKE

その前薗が「大阪大会凱旋」という形で、ボンサイ柔術のペレイラ・ユウジ・ラファエルと対戦する。ペレイラは大阪ACFで2勝1敗というMMAレコードを持つ。長いリーチを生かしたジャブとミドルからテイクダウンに至る流れが速いのが特徴だ。まだキャリアが浅いだけに、前薗を相手にどこまで組みで仕掛けることができるか。迎え撃つ前薗にとっても、ここまでグラウンド勝負が中心のファイターとの対戦経験はない。DEEPフェザー級戦線でトップグループに絡むためにも、ここはグラウンド力を示しておきたいところだ。

新鋭×ベテランの一戦(C)SHOJIRO KAMEIKE/MMAPLANET

唯一の3R戦では、60キロ契約でベテランの安谷屋が濱口と対戦することに。濱口は2022年にDEEPフューチャーキングトーナメントで優勝。前薗はレスリング時代の先輩にあたり、今でも練習を共にしている。昨年7月にマルザヘンペーソクをRNCで下したあと、同年11月に風我との対戦が決定していたが、この時は濱口の練習中の怪我で試合が中止となっていた。濱口にとっては、安谷屋に勝利すればトップ戦線に食い込むことになるだろう。安谷屋としても福田龍彌の階級アップで新しい展開となっているDEEPフライ級で生き残りを賭けた一戦となる。

一発か、削るかのパンチ対決(C)SHOJIRO KAMEIKE/NOB YASUMURA

また、大阪の剛腕ファイター谷岡祐樹は、7日に愛知大会で吉田陸にKO勝ちしている切嶋龍輝と激突する。元DEEP KICK王者の谷岡は相手をなぎ倒すパンチャーだ。対する切嶋は吉田陸戦で正確なジャブとストレートで相手を削った末に、ダウンを奪ってストップを呼び込んでいる。タイプが異なるパンチャー同士の一戦は、切嶋が谷岡のガードの間を突き続けるか。あるいは谷岡がカウンターかクロスで倒すかが興味深い。

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