【写真】計量前日のインタビューは、異例。有難いのと同時に、心身ともにそれができる状態にある (C)SHOJIRO KAMEIKE
10日(日)、東京都港区のニューピアホールで開催されるDEEP JEWELS42「10th Anniversary」で、村上彩がアム・ザ・ロケットの持つミクロ級王座に挑む。
Text by Shojiro Kameike
普段はアトム級(47.6キロ以下)で戦うことが多い村上にとって、ミクロ級(44キロ以下)の試合は2021年12月の古瀬美月戦以来となる。そんな村上が計量前日に、MMAPLANETのインタビューに応じてくれた。アトム級から、さらに4キロ近く体重を落とすだけに心配されたが――リモート画面に現れたのは元気で、かつ自信にあふれる村上だった。
――計量前日に取材を受けていただき、ありがとうございます。先ほどSNSで公開されていましたが、体がバキバキで顔色も良いように見えます。
「ありがとうございます。メチャクチャ絞れていますよ!」
――これまではアトム級で試合をすることが多かった村上選手ですが、ミクロ級まで落とすと、何か影響はありませんか。
「減量の影響っていうのは、特にないですね。みんな減量しているし、他の人と同じぐらいの影響だと思いますよ。ただ、やっぱり動きはミクロ級のほうが良いです。体が軽いほうが動きも速くなるし、それは練習から実感しています。私は固めるタイプの選手ではないので」
――村上選手はポジショニングやサブミッションなど、どんどん自分から動いていくタイプですよね。
「はい。今までアトム級の試合では、相手が重いと感じることはないけど、自分の動きが重いという時もありました。私の中では、やっぱりミクロ級がベストだと思います。アトム級で試合をしながら、プロモーターさんにも『タイトルマッチができるならミクロ級のほうが良いです』と伝えていて」
――やはりストロー級に比べてアトム級は選手層が薄くなりますし、ミクロ級となれば、っさらに試合も組みづらかったでしょう。
「だからこそ逆に挑戦しやすい、という状況ではあります。まずミクロ級のベルトを獲ってから、アトム級も狙いたいです。今回分かったのは、『しっかりと常に体をつくって練習しながら階級を上げたほうが、アトム級でも動きやすいだろう』ということですね」
――なるほど。これまでアトム級で試合をする時は、それほど体重を落とす必要もなかったのですか。
「2キロぐらい落とすだけなので、計量当日に水抜きをするぐらいでクリアできます」
――今日インタビューを行ううえで一つ心配だったのは、減量の影響で口がカサカサになり喋ることが難しいのではないかと……。
「アハハハ。確かに口の中は渇いていますけど、声は聞き取りづらいですか?」
――いえ、ハッキリと伝わってきます。
「良かった。いつもと同じように、普通に喋ることができますよ」
――ということは、良い体重の落とし方ができているということですよね。
「どうなんでしょうね。ミクロ級は久しぶりだから、良い減量ができているかどうか……。といっても、そもそも契約体重までは絶対に落とさなきゃいけないし、それに向かって頑張るというだけですけどね(笑)。でも前にミクロ級で試合をした時――2年ぐらい前に古瀬美月さんとミクロ級で試合をしていて(※2021年12月、古瀬美月に腕十字で一本勝ち)。その時よりも良い落とし方ができていると思います」
――今回はミクロ級のタイトルマッチで、しかも国際戦となります。この試合に向けて何か変えてきたところや、新しく取り組んだものはありますか。
「国際戦だから、というのは特にないです。柔術では外国人選手と試合をしていますけど、それほど日本人選手との違いは感じていなくて。外国人選手でも力が強いとか、体が柔らかいとかは人によりますよね。それよりも、私は攻められたら弱いというか。自分が優位ではない状況や、疲れている時は試合中に躊躇してしまうことがあります。そういう状況にどう戦うのか――相手どうこうよりも、自分に何ができて何をやりたいか。とにかく自分自身を高めていくことを考えています」
――つまりメンタルの部分ですね。今年4月のサダエ・マヌーフ戦はノンストップで動き続け、しっかりと判定勝ちしています。サダエ戦で躊躇という部分は見えませんでした。
「あの試合は、ちゃんと頭で考えながら動くことができました。私は思考が停止すると動けなくなるんですよ。でも試合中に『これが良いかな。これは無理かな。次はこう来たら、これをやろう』と考えることができれば、そのとおりに動くことができます。だから試合中の思考の切り替えや集中力も大事になってきますよね。その部分を生かすことができたという点では、前の試合は良かったと思います。でも今までで集中力が高かったのは、古瀬戦なんですよ」
――やはりミクロ級がベストであると。
「そうなりますね(笑)。相手との相性もあるでしょうけど」
――では次の対戦相手であり、王者でもあるアム・ザ・ロケットの印象を教えてください。
「動きが速いです。私と同じように、ミクロ級ならもっと速くなると思います。アムさんもミクロ級がベストじゃないですか。彼女が打撃と寝技のどちらで来るか分からないけど、私との試合は打撃で来るかもしれないと考えています」
――アムはMMAだとグラウンドで仕留めることが多いものの、やはりムエタイらしい打撃も持っています。アムの打撃については、どう考えていますか。
「それはセコンド陣が教えてくれたことがあって――『自分からKOするつもりで行けば、相手の打撃も効かないから』と。KOできるものなら、やってみろ。そういう気持ちで行けば怖くないし、そう思いながら練習でも取り組んでいます」
――ミクロ級がベストである両者の対決は楽しみです。
「私もムエタイの選手を対戦するのは初めてなので、すごく楽しみですね。でも私は、自分が『これをやる』と決めたことをやり通すだけで。今回はヒジ有りなので、パウンドだけでなくヒジもしっかり入れていきたいです。ヒジがあればグラウンドの展開も変わりますし。明後日は私がチャンピオンになります。皆さん、ぜひ試合を楽しんでください!」
■視聴方法(予定)
9月10日(日)
午後5時05分~DEEP チャンネル-YouTube、サムライTV
午後4時30分~U-NEXT
■ DEEP JEWELS42対戦カード
<DEEP JEWELSミクロ級選手権試合/5分3R>
[王者]アム・ザ・ロケット(タイ)
[挑戦者]村上彩(日本)
<49キロ契約/5分3R>
パク・シウ(韓国)
HIME(日本)
<49キロ契約/5分2R>
須田萌里(日本)
ケイト・ロータス(日本)
<ストロー級/5分2R>
青野ひかる(日本)
桐生祐子(日本)
<フライ級/5分2R>
NØRI(日本)
斎藤百瑚(日本)
<ミクロ級/5分2R>
山崎桃子(日本)
古林礼名(日本)
<アトム級/5分2R>
古瀬美月(日本)
イ・イェジ(日本)
<50キロ以下契約/5分2R>
竹林愛留(日本)
彩綺(日本)
<ミクロ級/5分2R>
ちびさい KYOKA(日本)
上瀬あかり(日本)
<ライト級/5分2R>
ぽちゃん Z(日本)
細谷ちーこ(日本)
<フライ級/5分2R>
奥富夕夏(日本)
鈴木”BOSS”遥(日本)
<アマ・ストロー級/3分2R>
サラ(日本)
愛温(オランダ)
<アマ49キロ契約/3分2R>
須田美咲(日本)
槇原未来(日本)