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【Special】J-MMA2023─2024、須田萌里&雄律─01─「小学校の卒業式で『夢はRIZINフェザー級王者』と」

【写真】左から須田萌里と父・智行、そして雄律という大阪の柔術&MMA一家(C)MMAPLANET

2023年が終わり、新たな1年が始まるなかMMAPLANETでは2023年に気になった選手をピックアップ──過ぎ去った1年を振り返り、始まったばかりの1年について話してもらった。
Text by Shojiro Kameike

J-MMA2023-2024、第七弾は大阪スコーピオンジムの須田萌里&雄律の姉弟に話を訊いた。姉の萌里はMMAを戦う一方で柔術の試合にも出場し、昨年は父の智行さんから茶帯を授けられた。対する弟の雄律は、ジュニア/キッズでなんと45戦に出場! 前編ではプロ興行のプロモーターからも熱い視線を向けられているという、雄律を中心に話が進んだ。

■2023年須田萌里戦績

2月19日 JBJJF修斗杯柔術選手権2023
女子アダルト紫帯ライトフェザー級 優勝

3月25日 DEEP Tokyo Impact2023#02
〇2R0分53秒 by RNC 桐生祐子(日本)

5月28日 DEEP JEWELS41
●1R4分27秒 by TKO パク・ジョンウン(韓国)

7月10日 IBJJF Asian Jiu-Jitsu Championship 2023
女子アダルト紫帯ライトフェザー級 準優勝

8月6日 DEEP Nagoya Impact2023公武堂ファイト04 ※グラップリングマッチ
●0-3 マユミ・グラップリングシュートボクサーズジム(日本)

9月10日 DEEP JEWELS42
○3-0 ケイト・ロータス(日本)

10月8日 JBJJF第24回全日本ブラジリアン柔術選手権
女子アダルト紫帯ライトフェザー級 優勝

11月22日 DEEP JEWELS43
○1R0分49秒 by 腕十字 彩綺(日本)

■2023年須田雄律 主な戦績

1月22日 第6回全日本キッズ/ジュニア修斗選手権大会
ジュニア修斗 48キロ以下級 優勝

4月29日 グラジエイターカップ03
ビギナー -61.2キロ級 優勝

7月17日 JBJJF第15回全日本キッズ柔術選手権
ティーン2橙帯ミディアムヘビー級 準優勝

8月11日 Jr.BORDER23 2nd
ジュニア修斗部門 MVP

9月24日 アマチュアDEEP公武堂ファイト53
○1R0分41秒 by RNC 奥村駿(日本) ※優秀賞獲得

10月7日 JSCC修斗チャンピオンズカップ2023 vol.02
ジュニア修斗男子53キロ以下級 優勝

11月3日 Jr.BORDER24 第7回全日本キッズ/ジュニア修斗選手権大会
ジュニア修斗56キロ以下級 優勝

11月5日 Gladiator-Cup04
ビギナー -61.2キロ級 準優勝

12月2日 JBJJF第6回全日本キッズ柔術オープントーナメント
ティーン2橙帯ウルトラヘビー級 優勝


――今回は姉弟揃ってのインタビューで、雄律選手にお話を訊くのは初となります。まずは雄律選手の2023年を振り返ると、1年で45戦35勝10敗という戦績は凄いですね。萌里選手もMMAの試合に出場しながら、柔術のビッグタイトルも狙っていました。

萌里 弟が試合に出ているので、『負けていられへんな』という気持ちはありました(笑)。

雄律 僕はキッズの間にいろんなタイトルを獲りたいので、どんどん試合に出ていました。その僕に、お姉ちゃんが付いてきていますね。

萌里 アハハハ。雄律はもう何でも出ていますから。

雄律 でも、こんな試合ペースは今年ぐらいで。去年も結構試合をしましたけど、コロナ明けで今年から大会も戻ってきたんです。

智行 雄律も今でこそ勝っていますけど、もともとはメチャクチャ弱くて。柔術も勝敗がやっとイーブンになったぐらいで(現在56勝50敗1分)、ずっと負け越していたんですよ。

雄律 勝てるようになってきたのは、小4~5ぐらいからです。それまでは10連敗して、1勝してまた10連敗とか。

――それまで雄律選手が勝てなかった理由は、何だったのでしょうか。

智行 ただ単に弱かったな。

雄律 身体も弱かったし、小さかったからかな(苦笑)。

萌里 当時は練習中も結構ふざけていましたからね。練習の途中でも喋っていたりとか、真面目にやっていなくて。練習には来ていても、練習への取り組み方は良くなかったと思います。でも最初は練習も週1やったのが、どんどん練習回数も増えていって。

雄律 小さい頃は自分が進んで格闘技をやっていたというよりは……。

萌里 やらされていた?

雄律 アハハハ! 最初は自分も格闘技をやりたいという気持ちがあったけど、途中から変わってきました。でも途中から練習回数が増えてきて、なのに試合で勝てないから(苦笑)。小4ぐらいから格闘技が好きになってきましたね。

萌里 それまでは嫌いやったん?

雄律 小2~3ぐらいは遊びたかった(笑)。でも今は、同じ年代の人たちも同じぐらい試合をしているから、自分もこれぐらい出ても良いかなって思う。

――同年代のライバルには、どういった選手がいるのでしょうか。

智行 山里エンゾ君、マツオ・クリスチャン君とかかな。

萌里 尾崎裕二郎君も。

雄律 あと河野大樹君かな。ずっとライバルに負けてから勝つ、っていう繰り返しです。

智行 とりあえず同年代の強い子には、負けてからリベンジしているよなぁ。

――ジュニアやキッズの世代は、年間これだけ試合をこなしている選手が多いのですか。

智行 トップ選手は試合数が多いですね。それこそ毎月のように試合に出ていると思います。でも雄律の試合数は、「出すぎちゃうかな」とは思いますけど。

――お父さんの方針ではなかったのですか。

智行 まず去年は「出られる試合は全て出よう」と決めたんです。スケジュールが合うものは全部出ました。そうしたら、この試合数になって(笑)。

――11月3日のジュニアBORDERでお会いした時、2日後のグラジエイターカップにも出場すると聞いて驚きました。

智行 連日で試合をしたこともありますよ。柔術の試合に出た翌日にMMAをやったりとか――しかも大人のMMAの試合に出て。

――雄律選手はまだ中学2年生です。フレームが異なる大人と試合をさせると、怪我の心配はありませんか。

智行 中学生になってからは、ジムでも大人の会員さんと練習しているんですよ。その練習のなかで体重がある人でも、パワーがある人でも対処できていて。だから「大人と試合をしても怪我はせえへんやろうな」と思っています。今はまだ何でも経験の段階なんですよね。プロになったら帯も体格も関係ないじゃないですか。今のうちに、やりたいことはやっておく。負けるなら、今のうちに負けておくほうが良くて。

――なるほど。弟の雄律選手のほうが、萌里選手よりも先に柔術を始めたのですよね。

萌里 雄律が始めたのが2015年1月で、私は2015年3月ですね。

智行 スコーピオンジムでキッズを始めたキッカケは、まず僕がキッズ上がりの子にボコボコにされたんです。その時、代表(恒冨嘉徳スコーピオンジム代表)に、「10年後に日本一を獲るキッズを育てるからキッズクラスをやらせてくれ」とお願いして。キッズクラスを始めるために、まず雄律に柔術を始めさせました(笑)。

――その時、萌里選手は雄律選手と一緒に始めようとは思わなかったのですか。

萌里 最初は「何かやっているなぁ」と思うぐらいで、特に興味はなかったです。でも練習を見ていると雄律が下手やったんですよ。だから「私のほうが上手くできるわ」って(笑)。

雄律 確かに、お姉ちゃんが始めたら一瞬で抜かれたわ。当時は何も思わんかったけど、今となっては少し悔しい(笑)。

――ジュニアBORDERの試合では、距離を取りながら組んで勝っています。至近距離での打撃戦をやろうとは思わないですか。

ジュニアBORDERで見せた蹴り&寝技も戦略だった。プロデビューが期待されている(C)MMAPLANET

雄律 ジュニアBORDERは顔面打撃(パンチ)がないので、そこまで考えないです。効かないから寝技に行ったほうが良いですよね。

智行 あのルールは寝技をしているほうが強いと思います。寝技で関節技の形に入って、見込み一本を取るほうが勝ちに近くて。

――では顔面へのパンチ攻撃が認められているアマチュアDEEPに出場した時は……。

雄律 速攻で組みました(笑)。

――アハハハ。

雄律 相手がストライカーやったので、速攻で組んでRNCを極めました。

――雄律選手はMMAでもキッズやジュニアの大会で優勝し、すでにプロ興行のプロモーターからも声が掛かっていると聞きます。

智行 そうですね……。会場に行くたび、プロモーターさんからは「将来プロになったら出てね」と声をかけていただいています。

――雄律選手は、いつからプロのMMAファイターになろうと思ったのですか。

雄律 小6の時に、将来はプロのMMAファイターになろうと思いました。

萌里 アハハハ! そういえば――。

智行 思い出し笑いしとる。

萌里 小学校の卒業式で将来の夢を言う時に「MMAでRIZINフェザー級チャンピオンになります!」って、階級も決めていたんですよ(笑)。

雄律 あの時は自分で勝手に考えた(笑)。当時RIZINで一番面白い階級やったから。

萌里 2年前なので、牛久絢太郎選手が斎藤裕選手に勝ってチャンピオンになった頃ですね。

智行 ちょうど牛久君と会って、練習も見てもらっていたころやったらから、そういう気持ちになったんやな。

雄律 身長が今のままならフライ級かバンタム級で、もっと伸びたらフェザー級かライト級でやりたいです。どの階級でやるとしても、チャンピオンになるという目標は変わらないです。

<この項、続く>


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CORO DEEP DEEP JEWELS DEEP JEWELS41 MMA MMAPLANET o アム・ザ・ロケット 伊澤星花

【DEEP JEWELS41】完勝。DEEP JEWELSチャンピオン対決は、伊澤がアムを三角絞めで下す

【写真】伊澤の仕掛けが止まらなかった。強い(C)MATSUNAO KOKUBO

<49キロ契約/5分3R>
伊澤星花(日本)
Def.1R3分31秒 by 三角絞め
アム・ザ・ロケット(タイ)

ストロー級王者の伊澤と、ミクロ級王者アムのDEEP JEWELSチャンピオン対決。

前蹴りを繰り出すアムに対し、伊澤が距離を詰める。アムの左ジャブを掴んで足を払った伊澤が、組みに来た相手の首をギロチンで捕えた。そのまま引き込んだ伊澤が腕を絞り上げるが、アムが上半身を起こしてディフェンスする。伊澤に背中を着かせて頭を抜いたアム。伊澤はすぐさまアムの右腕を取りにいく。離れて立ち上がったアムが、背中を着けている伊澤にローを打っていく。

アムがパスを仕掛けたところでダブルレッグで組んだ伊澤が、再びギロチンを狙う。下になった伊澤が腕十字に切り替えたが、ここもアムが凌いだ。サイドを取った伊澤、アムはスクランブルに持ち込むも伊澤はアムの右腕を取って腕十字で斬り替える。うつ伏せの状態で腕を伸ばすも極まらず。ここでアムを仰向けにさせて横三角の体勢に。

アムがトップに回るも、伊澤が下からヒジを連打しながら三角で捕える。伊澤が腕を流して頭を引くと、アムがタップした。

勝利した伊澤は、6月11日にCOROとの結婚式を行うことを発表した。


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DEEP DEEP JEWELS DEEP JEWELS41 MMA MMAPLANET o パク・ジョンウン 須田萌里

【DEEP JEWELS41】須田が打撃の成長を見せるもパク・ジョンウンの右でマットに沈み、涙のKO負け

【写真】衝撃のフィニッシュ--(C)MATSUNAO KOKUBO

<49キロ契約/5分3R>
パク・ジョンウン(韓国)
Def.1R4分27秒by TKO
須田萌里(日本)

ジャブから前蹴りの須田が、右ハイを連続で見せる。左右に回るパク・ジョンウンは打撃を見ているなかで須田がテイクダウンを狙って組みつく。この際、須田の頭がパク・ジョンウンの右目の下に当たり試合が中断される。

再開後、須田は前蹴りとジャブ、ローを繰り出す。パク・ジョンウンは勢いのある右カーフ2つ、須田がそこにパンチを狙う。須田はジャブからテイクダウンを狙うが、パク・ジョンウンが切る。引き込んで須田に対し、パク・ジョンウンは直ぐに立ってローを蹴る。須田もスタンドに戻ると、右ストレート。右ミドルをキャッチされた須田は、ジャンピングガ―ドもパク・ジョンウンが振り払って落とす。

試合は再びスタンド戦となり、蹴り足をキャッチしたパク・ジョンウンが右ミドルを決める。ジャブに右を返し、蹴りにも右を合わせていくパク・ジョンウンがローを入れる。須田も伸びる前蹴り、左ジャブを繰り出すと右ローへ。さらにパク・ジョンウンのローにパンチを合わせ、パンチを纏めて前に出る。

連続でパンチを被弾したパク・ジョンウンだったが、右ヒザに思い切り右を合わせると須田が後方に崩れ落ちる。パク・ジョンウンはパウンドを纏め、レフェリーが試合を止めた。

両手で顔を覆って涙を見せる須田に対し、パク・ジョンウンは「ドント・クライ」と話しかけ健闘を称えた。


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DEEP DEEP JEWELS DEEP JEWELS41 MMA MMAPLANET o キム・ユジョン 万智

【DEEP JEWELS41】初の国際戦に挑んだ万智、キム・ユジョンをハンマーロックで仕留める

【写真】TDから万智の一方的な展開に(C)MATSUNAO KOKUBO

<ストロー級/5分3R>
万智(日本)
Def.1R2分24秒 by ハンマーロック
キム・ユジョン(韓国)

待ちの左にワンツーを見せるキム・ユジョン。下がりながら万智は一気にテイクダウンを決める。ハーフ&枕の万智は下から鉄槌を受けるとヒジを打ちつける。二重絡みで足を抜かせないキム・ユジョンは、スクランブルに持ち込む態勢にはない。万智はハンマーロックを極めに掛かる。

粘るキム・ユジョンに対し、万智は組んで腕を解いて、そのまま手首を引き寄せるように極めタップを奪った。「初の国際戦だったのですが、一本で極められて良かったです。今日が10代最後の試合だったのですが、成人式までにベルトが欲しいです」と意気揚々と語った。


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DEEP DEEP JEWELS DEEP JEWELS41 DEEP Tokyo Impact Deep Tokyo Impact2023#04 Grachan K-MMA MMA MMAPLANET o ONE Wardog YouTube アム・ザ・ロケット キム・ウジェ キム・ユジョン クォン・ウォンイル ケイト・ロータス チャンネル パク・ジョンウン ピョン・ジェウン 万智 伊澤星花 古瀬美月 渡慶次幸平 越智晴雄 須田萌里

【DEEP Tokyo Impact2023#04】越智晴雄と対戦。フライ級で充実キム・ウジェ「成長した姿を見せる」

【写真】昨日の計量ではリカバリーが相当できそうなボディを披露していた(C)MMAPLANET

本日28日(日)、東京都港区のニューピアホールで開催されるDEEP TOKYO IMPACT2023#04にキム・ウジェが参戦し、越智晴雄とメインで戦う。

GPを終えたばかりのDEEPフライ級戦線に、韓国から血気盛んに名乗りを挙げたキム・ウジェ。フライ級の層がそれほど厚くないK-MMAから、スクランブル出場のバンタム級でなく本来のフライ級で準備期間もしっかりとあった。そんなDEEP初出場は、自らの力を証明するための──3度目の正直といえる機会を得たことになる。


――日曜日に越智選手と戦うキム・ウジェ選手です(※取材は24日に行われた)。

「ヨロシクオネガイシマス」

──こちらこそ、宜しくお願いします。今の調子を教えてください。

「ONEで戦っているクォン・ウォンイル選手が開いたP-Boyというジムに加わり、自分がキャプテンとしてやっています。準備期間も十分にあり、コンディションはバッチリです」

──プリティボーイはエクストリーム・コンバットから独立をしたのですね。

「ハイ。独立して選手部も創ってやっています。自分はエクストリーム・コンバットとは違うジムで練習していたのですが、館長が警察官になってチームがなくなってしまったんです。クォン・ウォンイル選手とは仲が良かったので、合流しました」

──そんなキム・ウジェ選手ですが、既に日本で戦った経験がありますね。

「大阪でWARDOG、東京はGrachanで試合をしています。ただ2試合とも急なオファーでバンタム級で戦いました。自分の本来の階級はフライ級なのですが」

──なるほど、フライ級のキム・ウジェは違うと。母国・韓国もフライ級の試合は決して多くないですね。

「韓国のフライ級は選手も少なくて、ほとんど知っている選手ばかりなので日本で試合がしたいと思ってきました。今回、DEEPに出られることになって本当に嬉しいです。フライ級とバンタム級で戦うのは全然違います。普段から63キロぐらいしかないので、バンタム級で戦うと力の差を感じていました」

──そうですね。普通に70キロからは落としてくることも考えられますし。DEEPではフライ級GPが終わったばかり、ピョン・ジェウン選手は準々決勝で敗れました。

「韓国ではフライ級の選手の数が少ないので、日本の方が強いと思っています。ただ自分もフライ級としてまだまだ見せるものがあるので、自分の力をDEEPで見せたいです」

──では越智選手の印象を教えてください。

「動画を視て、身長が低くてアグレッシブなファイターです。でも打撃もレスリングもそれほどじゃない。自分の方が強いと思っています」

──そんなキム・ウジェ選手のストロングポイントを教えてください。

「レスリングに自信があります。素早いステップを生かした動き、そこを見せたいです。フライ級ですし、これまでより良い試合ができる。自信はあります」

──では越智選手との試合、どのような戦いを見せたいと思っていますか。

「韓国のフライ級より日本のフライ級が強いと、前から思っていました。ただ自分も練習環境が充実しており、以前より強くなっています。成長した姿を見せることがデキる自信があります。一つのパターンだけでなく、自然に打撃、寝技と総合力で勝てるよう頑張ります」

■視聴方法(予定)
5月28日(日)
午前11時50分~DEEP チャンネル-YouTube

■ DEEP TOKYO IMPACT2023#04対戦カード

<56キロ契約/5分3R>
越智晴雄(日本)
キム・ウジェ(韓国)

<ライト級/5分3R>
LUIZ(日本)
渡慶次幸平(日本)

<ウェルター級/5分2R>
宮崎直人(日本)
小林ゆたか(日本)

<フライ級/5分2R>
マサト・ナカムラ(日本)
安永吏成(日本)

<68キロ契約/5分2R>
立成洋太(日本)
コマネチ竜太(日本)

<フェザー級/5分2R>
佐藤勇駿(日本)
相本宗耀(日本)

<フライ級/5分2R>
松丸息吹(日本)
加藤瑠偉(日本)

<ライト級/5分2R>
コマネチゆうた(日本)
後藤亮(日本)

<ストロー級/5分2R>
石井涼馬(日本)
大和田光太(日本)

<フライ級/5分2R>
濱口麗地(日本)
カネタケマン(日本

DEEP JEWELS41

■視聴方法(予定)
5月28日(日)
午後5時20分~DEEP チャンネル-YouTube、U-NEXT、サムライTV

■DEEP JEWELS41 対戦カード

<49キロ契約/5分3R>
伊澤星花(日本)
アム・ザ・ロケット(タイ)

<49キロ契約/5分3R>
須田萌里(日本)
パク・ジョンウン(韓国)

<ストロー級/5分3R>
万智(日本)
キム・ユジョン(韓国)

<49キロ契約/5分2R>
ケイト・ロータス(日本)
彩綺(日本)

<アトム級/5分2R>
古瀬美月(日本)
上瀬あかり(日本)

<フライ級/5分2R>
MANA(日本)
奥富夕夏(日本)

<アマ50.5キロ契約/3分2R>
吉川桃加(日本)
須田美咲(日本)

<アマ・ストロー級/3分2R>
Sarah(日本)
横瀬美久(日本)

<アマ・55キロ契約/3分2R>
角田光優(日本)
横瀬友愛(日本)

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ARAMI Combate Global DEEP DEEP JEWELS DEEP JEWELS41 MMA MMAPLANET o ONE ROAD FC SARAMI YouTube チャンネル パク・シウ パク・ジョンウン 海外 藤野恵実 須田萌里

【DEEP JEWELS41】キャリア再構築=須田萌里戦へ、パク・ジョンウン「女子が増えて、チャンスが広がる」

【写真】これからに向け、しっかりと爪痕を残すことができるか(C)MMAPLANET

28日(日)、東京都港区のニューピアホールで開催されるDEEP JEWELS41で、パク・ジョンウンが須田萌里と対戦する。

18歳の時のプロデビュー戦の相手は藤野恵実、2戦目がSARAMI。4戦目が渡辺久恵という日本でより多くの経験を積んだ選手との対戦が続いた。女子MMAの層が薄く、実戦経験の差があるような試合を受けないと試合機会が訪れなかった。

自然とレコードは黒星が目立ち、コロナの感の試合数の減少もあってデビューから8年を迎え戦績は8勝7敗1分と、その実力に見合わない数字が並ぶようになった。結果、今度はキャリアの浅い有望株との試合が続く。それでもパク・ジョンウンは「女子MMAが盛んになっている証。大切なのはこれから」と笑顔を見せた。

キャリアの再構築へ、負けられない須田戦を前のチビ・ウルフの心境とは。


――今週の日曜日に3年半振りの日本での試合が控えているパク・ジョンウン選手です(※取材は24日に行われた)。今、どのような気持ちですか。

「日本での試合は常に良い思になるので、この間もずっと日本で戦いたいと思ってきました。なので凄く嬉しいです」

──コロナの間、韓国ではなかなか試合ができなかったと思いますが、一昨年の9月にRoad FCの女子アトム級王座決定戦で敗れたのは本当に驚かされました。

「試合直後は本当に納得がいかなかったです。ガッカリもしました。選手同士は細かい部分で分かっていると思いますが、自分では勝ったと思っていました。ただ、あそこで敗北を喫した事実は覆すことができないので、再びモチベーションをキープして前進するしかないと割り切ってやってきました。もう、あの敗北を引きずることはないです」

──パク・シウ選手など日本に来て試合経験を積み、他にもONEやCombate Globalに転じる選手も出てくるなか、パク・ジョンウン選手は韓国で戦うという選択しました。この間、どのような想いで試合の機会を待っていたのでしょうか。

「他の選手が日本や海外で活躍していることに関しては、彼女達の選択がそういうことで。彼女達自身の選択を尊重すると同時に、自分はコロナの時代で試合ができなかったことを受け入れています。大切なのは、これからだと思います」

──その「これから」のキャリアアップをどのように考えていますか。

「試合ができなかった間、逆に調子を戻すことができて精神的にも強くなったと思います。これからは戦績のことも考えて、勝つことを重視して戦っていきたいです」

──レコードを綺麗にしていくということですね。勝ち星が先行するように。

「まずコロナの間、試合ができなかったので、これからはたくさん試合がしたいです。今回のDEEPでの試合をリスタートして……負けるとまた次が見えなくなるので、これからは勝ち続けて試合数を増やしていきたいです」

──では絶対に負けられない試合の対戦相手となる須田選手に関して、どのような印象を持っていますか。

「試合の話が来て、初めて知った選手でした。でもタイトル戦を経験しており、かなり強い選手だと思います。特に寝技が強いので、油断せずに戦いたいです」

──柔術家がMMAを戦って打撃ありのなかで積極的になれないというタイプでなく、殴られるのを承知で柔術の技を使える強さがあります。

「試合映像を視ても寝技が強くて、腕十字が凄く上手いと思いました。私は寝技に秀でているとか、打撃が抜群に強いというファイターでなく、満遍なくどの局面でも戦える選手です。グラップリングが強い須田選手と戦うのが楽しみで、そういう何か特化した選手を倒したいという気持ちが大きいです」

──いつの間にか下の選手の突き上げを食う立場となり、若い選手の台頭を跳ね返さないといけないようになりました。

「選手としての宿命だと思っています。経験を積めば積むほど、下から上がってくる選手と戦う機会が増えるのは。逆にそれだけ女子選手の数が増えてきたという意味なので、私としては嬉しいです」

──パク・ジョンウン選手はキャリアの序盤に経験の差が多い相手との試合が多かったのも層の薄さが関係していました。だからこそ、そのように感じられるのでしょうね。

「Road FCのアマチュアで女子の選手が出てきて、プロを目指す選手も増えています。MMA自体、韓国で成長していて人気も上がっているのでこれからがより楽しみです。情熱を持ってMMAに接してくれる人達がいるので、これから韓国のMMAはもっと発展し女子選手の数も増えて、チャンスも広がると思っています」

──では最後に日本のファンにメッセージをお願いします。

「日本は良い思い出ばかりです。日本で私のことを応援してくれるファンもいました。今も私のことを忘れずに待ってくれている人達の期待を裏切らないように、しっかりと勝ちます。アリガトゴザイマス」

※2015年5月掲載。パク・ジョンウンのデビュー戦後のインタビューはコチラから

■視聴方法(予定)
5月28日(日)
午後5時20分~DEEP チャンネル-YouTube、U-NEXT、サムライTV

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DEEP DEEP JEWELS DEEP JEWELS41 K-MMA MMA MMAPLANET o ROAD FC YouTube キム・ユジョン チャンネル 万智 海外

【DEEP JEWELS41】万智と対戦、ミス前進=キム・ユジョン「5分3Rも5分2Rも同じ。早く終わらせます」

【写真】カカオトーク全盛の韓国で、不慣れなZOOMを懸命に操作してくれたキム・ユジョンだった (C)MMAPLANET

28日(日)、東京都港区のニューピアホールで開催されるDEEP JEWELS41で、キム・ユジョンが万智と対戦する。

K-MMA界コロナの象徴ともいえる3分✖3R&寝技限定のARCでプロキャリアをスタートさせたキム・ユジョンはとにかく引かないファイターだ。その前進力であらゆる局面を打開し、微妙な判定負けを喫したデビュー戦以降は現在3連勝中だ。

話しても大人しく印象しかなく、どこにあの負けん気が潜んでいるのか。その気持ちを見せるのは、万智を前にしてからなのだろう。


――万智選手との試合が近づいてきたキム・ユジョン選手です(※取材は23日に行われた)。今の気持ちを教えてください。

「いつもより順調に準備ができていて、コンディションも良いです。今、3連勝中なのですが、4連勝できる自信が日に日に強くなっています」

──キャリア5戦目で、日本で戦うことについてどのように思っていますか。

「海外で試合をするのは初めてで、ワクワクしています。このまま連勝がストップしないよう頑張るつもりです。このチャンスを頂いたことに対して、DEEPに感謝の気持ちでいっぱいです」

──ところでキム・ユジョン選手が、MMAを始めようと思ったきっかけは何だったのですか。

「20歳の時、私は学生でもなく何もしていなプー太郎状態でした。そんな時に家の近所にMMAの道場ができて、『ちょっと運動でもしてみよう』と思って通うようになりました。それまで格闘技もスポーツもしたことがなくて、韓国人なら誰でもやるテコンドーを小中学の時に趣味程度でやっていただけですが、ジムで練習していると館長から『選手としてやってみるのは、どうか』と言われて。それ以来、一生懸命にやってきました。

ただ22歳になった時にチームのなかで色々なことがあって、今所属しているチーム・ジーニアスに移籍しました。それからは凄く上手くいっています。ジーニアスの所属になってからはMMAと並行して、散打の大会にも出ています」

──アマチュアからプロに上がった際、すぐにコロナになってしまいました。キャリアを積むのに影響したのではないですか。

「ちょうどデビュー戦が決まった時にコロナが始まって、ずっと延期が続きました。いつデビューできるのか分からない状況になりましたが、なんとかデビュー戦を戦えました。それからも次々と試合をしたかったのですが、試合機会はなかなか巡ってこなかったです。ただ、それは私だけでなく他の選手も同じことなのでしょうがないと思っていました」

──デビュー戦のシン・ユジン戦を見ると、勝っていてもおかしくない試合でスプリット判定負けを喫したにも関わらず、すぐに満面の笑みを浮かべて対戦相手にハグをしていました。あの状況であの笑みを見せたことが印象深かったです。

「デビュー戦の相手は、凄く強かったです。そんな選手を相手にあれだけ戦えたことに満足したのかもしれないです。今でもあの試合の動画では、私が勝っているとコメントをしてくれる人がいます。あの時は負けても、仕切り直して勝ち続ける自信があったので素直に敗北を受け入れて、対戦相手の勝利を祝ってあげたくなったのかもしれないです」

──格闘技経験がないそうですが、テイクダウンをして極めがある。何よりも殴り合いができるように思いました。キム・ユジョン選手自身、どこがストロングポイントだと思っていますか。

「打撃だけでなく、MMAとして総合力で戦えることです。そうなりたくて練習をしていて、今言ってもらえたような戦いができるのは、全ては練習のおかげです。練習は動きに満足いくまで、ずっと続けています。本当に実戦のような激しい練習を続けることで試合の時に自然に動けるのだと思っています」

──では対戦相手の万智選手に関して、どのような印象を持っていますか。

「万智選手の試合映像を2試合ぐらい見ました。私と同じサウスポーで心が強く、前にガンガン出ることができるタイプですね。凄くタフな選手ですけど、それこそが私の望む対戦相手なので、戦えることに凄くワクワクしています」

──ARCで3分✖3R、Road FCでは5分✖2Rを戦ってきましたが、今回は5分✖3Rです。

「5分✖3Rも5分✖2Rと同じです。早く終わらせます」

──コロナ前後でデビューした選手は、韓国も日本もレベルが以前と違うように感じます。MMAとして万智選手との試合、どのように戦いたいと思っていますか。

「日本のファンの人に見て欲しいのは、どんどん前に出るところです。『戦車のようだ』と言われることもありますが、それこそ戦車のようにひたすら前進し、バチバチの皆が喜んでくれる姿を見せたいと思っています」

──では、この試合後にはどのようなキャリアを積んでいきたいと考えていますか。

「相手は誰でも関係なく、全て女子選手と戦いたいです。全員を倒して、チャンピオンになることが目標です」

■視聴方法(予定)
5月28日(日)
午後5時20分~DEEP チャンネル-YouTube、U-NEXT、サムライTV

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【DEEP JEWELS41】万智「とにかく組んだら、私は強いので」。キャリア3戦目の初国際戦も自信のみ

【写真】とにかく元気。元気は良いことだ (C)MMAPLANET

28日(日)、東京都港区のニューピアホールで開催されるDEEP JEWELS41で、万智がキム・ユジョンと初の国際戦と戦う。

初の国際戦といっても、万智はまだプロキャリア3戦目。ストロー級という階級の層の薄さもあり、頂点=伊澤星花を含め現状のトップまで障壁がほとんど見当たらない状況にある。そのような状況下でRoad FCの女子戦線で、根性ファイトで存在感も放つキム・ユジョンが対戦相手に用意された。試合を3日後に控えた万智にインタビューを試みると、最初から最後までとにかく底抜けに明るかった。


――……!! オレンジ。凄い色ですね(笑)。

「アハハハハ。染めてきました。思ったより明るくなっちゃって」

──正直、まま値が張ってしまいませんか。

「〇万〇千円かかりました(笑)」

──おおっと(笑)。ところで、今日はどこにいるのですか。

「家の近くの駐車場です(※取材は25日に行われた)」

──もう首都圏での練習は切り上げたと。

「火曜日に松戸でやって。昨日はこっちで──那須でスパーリングをして、練習は終わりました」

──那須でも決して近所とはいえないですよね。でも、水曜日までスパーリングをしているのですね。

「今回、体重がちゃんと落ちていて。ギリギリじゃないので。最後にサウナに行けば、2キロほどなので問題なくて」

──計量の日に東京に向かうわけですね。

「ハイ。計量はそれほど大変でないし、練習のように気持ちを創って東京へ行くっていう感じではないので気持ちも楽です」

──計量を終えると東京に宿泊されるのですか。

「いえ、家に帰ります。その方がいつも通りの状態でいられるので。だから移動も電車にしています」

──えっ計量前後の移動が電車なのですか。

「ハイ。都内は運転できないです。こっちでも、こすりまくっていますし(笑)。試合に行くのも電車です。帰りは親が車で来るので一緒に戻りますが(笑)」

──ひたすらタフですね。今回はプロ3戦目で早くも国際戦、韓国のキム・ユジョン選手と戦います。仕上がり具合の方は?

「凄く良い感じです。前回が強敵だったので、2カ月ぐらい前から追い込みをやって気持ちが持たなくて情緒不安定だったんですけど、今回は試合用の追い込みを1カ月前からにしたので、あとは自分がやりたい試合をやり切る。そういう試合にするだけです。いつから気持ちを入れてやるのか、それを前回の試合で学びました。

相手が韓国人で気持ちが強いので、負けないようにしないといけないですし。1カ月前から、この試合でやることをずっとやって、毎日2部練習で休みなしでやってきました」

──出稽古で創っている万智選手ですが、そこには常に寄り添う指導者がいるわけではありません。複数のジムで一貫して試合対策の練習ができるのでしょうか。

「今回は相手がサウスポーで、(浅倉)カンナちゃんが彼女の試合前までは一緒できていたのですが、自分の追い込みの時とはすれ違いでできなくなって。でも、皆がサウスポー対策の相手をしてくれて凄く良い練習ができました」

──キム・ユジュンの印象を、気が強い以外で教えてください。

「前にガンガン来ますけど、パク(シウ)ちゃんとやっていて……あと藤野(恵実)さんとか最近、強い人とやり過ぎていて自分がどれぐらい力があるのかが確かめられなくて。あと魅津希ちゃんに毎週木曜日にパーソナルを受けていて、それだけでなく日曜日の練習でマスタージャパンにも来てくれるのですが、もうボコボコにされて……。

魅津希ちゃんは前回から対策も立ててくれて、練習だけでなく色々なことを勉強させてもらってきました。グラップリングも大島(沙緒里)さんとか山田海南江さんとか本当にトップの人とやらせてもらっているので。組みには絶対の自信もあるのですが、やっぱりMMMAとしてどれだけ強くなっているのか逆に不安で。でも普通に自分ぐらいの人とやると結構できていたので良かったです(笑)」

──練習相手のお姉さん達と比較すると、キム・ユジョンは怖くないと思われるのではないでしょうか。

「そうですね。言い方は悪いですけど、パクちゃんほどは絶対に強くないし。強くて技術のある人たちと練習しているので、そこは自信になっています」

──そういうなかで、この試合で気を付けないといけないと思うところはどこですか。

「気持ちです」

──とはいっても、あの気持ちの強さが発揮できる距離で戦う必要はないかと。

「ハイ。今回のキーポイントは距離ですね。前にしかこないので。この試合が決まる前……前回の試合が終わってからMMAの距離をしっかりとることを意識してきました。テイクダウン、パンチ、蹴りの距離を意識してきて。試合に関しても、そこを意識して梅田(恒介)さんと作戦を考えてきました。

キム・ユジョン選手の距離では戦わないです。距離が合えば、女子でもKOはあるので。殴られても殴るという距離では戦わないし、自分はサウスポーが得意なので。結果、組みの勝負になり、そこでは絶対に負けません。グラップリング、組んだから自分の方が強いので。組みは、手塚(裕之)さんともやってきました」

──いやいや大きすぎますよ。

「アハハハハ。だから全く怖くないし、絶対に勝てます。組んだら全然いけます。寝てから、あと壁は本当に怖くないです」

──今大会、上3つが国際戦です。誰がインパクトを残すのかということでも注目です。

「そこは余り意識していないです。ただ一番上の人は、早くベルトを返上して欲しいです」

──返上とは?

「ハイ。勝てないですけど、ベルトが欲しいので(笑)」

──だから、伊澤星花選手にベルトを返上して欲しい──。ほとんど言いがかりですね(笑)。

「アハハハハ。正直、星花ちゃんとやれと言われると困ります(笑)」

──堂々と断言していますね(笑)。

「やれと言われればやりますけど、まだ勝てないかな……。でも、私とパクちゃんは違うし。星花ちゃんとできるなら、やっぱり倒したいです」

──アッパレです。ところで修斗の女子大会であるColorsが活動を始めました。ぶっちゃけて、JEWELSファイターとしてライバル心はありますか。

「団体間のことがあるから、色々と難しいとは思うんですけどColorsとは戦ってみたいです。ていうか、SARAMIさんの負けが悔しくて。相手が若いからちょっと甘く見すぎたんじゃないかなって。その前の黒田(三奈)さんもそうだし、SARAMIさんももっとデキるのにって思って。

私を鍛えてくれる先輩たちに勝った人だから、自分がやってやりたいというのはあります。でも団体も違うし、階級もちょっと違うので悔しいです」

──その気持ちが、万智選手を強くしてくれると思います。では最後にキム・ユジョン戦に向けてMMAPLANETの読者の皆さんに一言お願いします。

「一本かKOで勝ちます。とにかく組んだら、私は強いので」

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【DEEP JEWELS41】パク・ジョンウン戦へ、須田萌里─02─「海外で戦ってみたいという気持ちはあります」

【写真】明るい未来だけを見続けて戦える、最高の刻 (C)SHOJIRO KAMEIKE

28日(日)、東京都港区のニューピアホールで開催されるDEEP JEWELS41で、韓国のパク・ジョンウンと初の国際戦に挑む須田萌里インタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

昨年から取り組んできたフィジカルトレーニングの効果について語ってくれた前編に続き、後編では初の国際戦となるパク・ジョンウン戦について効いた。するとストライカーのパク・ジョンウンに対して、須田の打撃についても意外な事実が判明した。

<萌里インタビューPart.01はコチラから>


――本野戦から桐生戦までの間に、それだけ大きな変化があったのですね。

「それと今年の2月に、柔術の試合にも出ています(※2023年2月19日、修斗杯柔術選手権2023に出場。女子アダルト紫帯ライトフェザー級で優勝している)。2月18日に新宿FACEでDEEP JEWELSが行われていて、次の日に横浜で大会があったから『これは良いなぁ』と思って出場しました。柔術の試合は1年半ぶりぐらいだったから、久しぶりすぎて緊張してしまいましたけど(苦笑)」

――そうだったのですね。柔術の練習自体も久々だったのでしょうか。

「いえ。私の練習は柔術ベースななので、常に柔術の練習はやっています。どちらかいうとMMAは、柔術プラスアルファでやっているという感じですね。ただ、MMAとフィジカルトレーニングをやってきたおかげで、久しぶりの柔術でも上のポジションを取った時にスイープされなくてベースが強くなったなって感じました。それとフィニッシュする時のパワーも変わったと思います。今はMMAがメインですけど、これからも合間を見つけて柔術の試合には出たいです」

――なるほど。そして迎える次の試合ですが、これが初めての国際戦となります。

「国際戦は初めてで――ちょっと不安です(苦笑)。柔術だと韓国人選手や日系ブラジル人の選手と組んだことはあるけど、それも子供の頃ですし。MMAの試合を視ていても、やっぱり日本人と外国人選手だと大きく違いますよね。特に韓国の選手は気持ちが強くて、打たれても打たれても気持ちが折れないっていう印象です」

――次の対戦相手パク・ジョンウンは、まさにハートも強いウェルラウンダーですよね。

「試合映像を視ると、打撃も気持ちも強い選手ですよね。今回の試合が決まるまで、パク・ジョンウン選手の試合を視たことがなかったんです。ちょうどコロナ禍で行き違いになっていて。コロナ禍になる前はパク・ジョンウン選手がDEEP JEWELSに出ていて、私がデビューしたのはコロナ禍になってからでした」

智行さん 昔の試合映像を視ることができなくて。最近の試合を視ると、自分もパンチやローをもらいながら前に出ている印象はありますね。

――確かにデビュー当初から比べると、パンチの被弾率と効かされている印象は強くなりました。とはいえ、やはり一発当たると効く――拳が硬いのだろうと思います。

「……硬そうですよね。でも、私も拳が硬いって言われます。自分ではよく分かっていないんですけど、練習している人たちからも『拳、硬いよね。痛い』って言われるぐらいで」

智行さん 特に鍛えているわけでもなく、なぜか分からないけど、昔から硬いんですよ。坂本戦(※2021年4月、坂本美香に判定勝ち)は右ストレートが当たって、相手の顔がボコボコになっていました。

――それだけの拳の硬さを生かして、打撃戦に臨もうと思わないですか。

「それは思わないです。まだ打撃には自信がなくて……。『効いているから打撃でやろう』と思ったのは、さっき言った坂本美香さんとの試合ぐらいでした」

――とはいえフィジカルトレーニングで体もバランスも鍛えられたうえで、それだけの拳の硬さがあれば、今後は打撃戦にも期待したいです。決して打ち合えというわけではなく。

「そこは試合をしてみて、どうなるか――というところですね。ひとつは、パク・ジョンウン戦選手の打撃に対して、自分が下がってしまったらダメだと思います。だから最近は、打撃戦になっても下がらずに、自分からプレッシャーをかけていく練習もしています。最近の試合では近い距離でも戦うようにしていて。それはバランスが良くなったおかげで、どんな状態からでもパンチが打てるようになったのが大きいです」

――一方、ストライカーのパク・ジョンウンに対し、組みの面では問題ありませんか。それとも相手の組みについて警戒する部分はありますでしょうか。

「組みは自分のほうが上かなと思っています」

――今回の国際戦をクリアした先、というのは考えていますか。

「海外で戦ってみたいという気持ちはあります。パク・ジョンウン選手は韓国のトップファイターじゃないですか。韓国の大会にも興味があります。今年2月はDEEPとBLACK COMBATの対抗戦を韓国に観に行っていて」

――えっ!? 現地でBLACK COMBATを観た印象を教えてください。

「海外で試合を観たのは、BLACK COMBATが初めてでした。大会の内容よりも、『お客さんの歓声があって羨ましい』って思いました。私がプロデビューした時って、コロナ禍だったじゃないですか。お客さんは声を出しちゃアカンっていう状況で」

――……須田選手はコロナ禍で学校でもマスク着用が義務づけられ、大会でも歓声を受けることができない、という生活を送っていたわけですよね。

「学校はそういう状態でした。試合は……どうなんでしょうね? 歓声があっても分からないかもしれないです。セコンドの声も、あまり聞いていないぐらいなので(笑)。ただ、DEEP JEWELSも声出しが解禁になっていて、特に今回は国際戦が3試合もあるので盛り上がると思います。

私も前回の試合は良い形で勝てたので、その勢いで次の試合も勝ちたいです。初めての国際戦ですけど、しっかりと自信を持って戦います。皆さん、応援よろしくお願いします!」

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【DEEP JEWELS41】K-TOPパク・ジョンウンと対戦、大きくなった須田萌里─01─「組んだ瞬間に違うなって」

【写真】Tシャツ姿でも、一見して体が大きくなっているのが分かる(C)SHOJIRO KAMEIKE

28日(日)、東京都港区のニューピアホールで開催されるDEEP JEWELS41で、須田萌里が韓国のパク・ジョンウンと対戦する。
Text by Shojiro Kameike

昨年11月、本野美樹に判定負けを喫した須田は、今年3月に桐生祐子をRNCで仕留めて2023年初戦を勝利で飾った。そして今回はK-女子MMAのトップファイター=パク・ジョンウンとの初の国際戦に挑む。高校卒業を機に生活も大きく変わってきたという須田が、新たに取り組んでいるフィジカルトレーニングの効果について語ってくれた。


――2022年11月の本野戦から今年3月の桐生戦までの4カ月間、敗戦を経験したことで何か新しく取り組んだことはありますか。

「試合間隔が空いたので、体づくりをイチからやり直そうと思いました。足腰をメインに鍛えていました」

――それは以前のインタビューでお聞きした、走り込みの強度を高めたのでしょうか。

「いえ、走り込みとは別にフィジカルトレーニングを増やしたんです。それと攻め方も変えるようにしてきました」

――本野選手は試合前にABEMAの企画で1カ月間、米国ラスベガスで練習していました。ラスベガス練習の前と実際の試合で、印象が違う点はありましたか。

「打撃の強さは試合前の印象と違っていました。ただ、あの試合に関しては私が下から攻める作戦だったので、そちらのほうが……(苦笑)」

――須田選手のほうから下のポジションを選んだのですね。

「はい。下から攻めることに、こだわりすぎました。スイープやバックテイクとか、もっといろんなものを狙えばいいのに、下から極めることしか狙っていなくて。他のことをやれば違う展開になったかもしれないけど、もう終わった試合だし仕方ないです」

――次の桐生戦まで4カ月も空いたのは、須田選手やジムサイドからの希望ですか。プロデビュー以降、これだけ試合間隔が空いたのは初めてです。

「試合はしたかったし、DEEPさんにもお話はしていました。ただ、試合が決まらなかったんです。もう一度試合したことのある選手ばかりになってしまったので」

――2021年は4試合、2022年は5試合も経験してきたなかで疲労は溜まっていませんか。

「疲れはないです。いつも試合が終わったら、次の日にはまた試合をしたくなっていて(笑)」

――アハハハ。若さというのは偉大なものですね。

(父であり指導者の)智行さん 本当にそうなんですよ(笑)。いつも試合後に東京から大阪に戻ってきて、2~3日後にはDEEPさんに『次の試合、お願いします』と連絡を入れるぐらいで。実は本野戦のあとに、『外国人選手を呼んでもらえるようやったら、ぜひお願いします』と伝えていました。それで今回、外国人選手と試合できるようになったのは嬉しいです。

――では試合がない期間も「もっと試合がしたい!」といったような焦りはなかったですか。

「試合が決まりそうで決まらず――という状態だったので、少し焦りはありました。今年の3月で高校を卒業したんですけど、卒業までに1試合したいと伝えていました」

――勝利で高校生活を終えたいと(笑)。

「アハハハ。そうです」

――高校を卒業して何か意識は変わりましたか。

「いえ、特には……(苦笑)。でも練習に専念することができています。学校に通っている頃は、いつも練習時間が足りないと感じていて。卒業が近くなって授業が今年の1月で終わってから、練習時間を増やすことができました。最初に言った体づくりも、2月からしっかり取り組むことができるようになって良かったです。ジムのトレーニングだけじゃなく、トレーナーさんについてもらって自分に足りていない部分を補っていました」

――フィジカルトレーニングに取り組み始めたのも、今年の2月からですか。

「トレーナーさんについてもらうようになったのは、去年の9月頃からです。お父さんとも何かやらないといけないなぁって話をしている時に、他の方からトレーナーさんを紹介していただきました。トレーナーさんが隔週ぐらいでウチのジムへ来てくれて、次までに与えられた課題をこなしていくというスケジュールで」

――村上彩戦前のインタビューで、『体が大きくなり、高校の制服も肩のあたりがパッツンパッツンになって、友達からも言われるぐらい』と仰っていました。高校を卒業して制服を着なくなると、もう心配ないですね(笑)。

「アハハハ! 今はさらに大きくなっています。ただ、トレーナーさんに付いてもらうようになって、体のバランスも良くなってきたと思います。やっぱりバランスが良くないと、打撃も綺麗に打てないですし。それが今は体がブレずに打撃を出すことができるようになったり。練習でも試合でも、打撃の手応えが変わりました」

智行さん 年明けあたりから、一気に打撃の質が変わりましたね。ミットを受けていても、変化は感じます。今までならパンチを打つ時に体が流れていたような場面でも、しっかりと打ってコンビネーションに繋げられるようになって。そうすると手数を増やすことができますし、バランスが崩れないから次の動き――打撃から組みへと早く繋げられますよね。さらに組んだ時のバランスも良くなりました。

――確かに桐生戦は打撃からテイクダウン、そしてグラウンドとMMAとしてのバランスが良くなっていたと思います。ボディロックからのテイクダウンなど、力強さも増しました。

「もう組んだ瞬間に『違うな』って思いました」

智行さん 「軽っ!」と言うていましたよ(笑)。

「ウフフフ。おかげでテイクダウンのためにスタミナを使う必要がなくて、しっかりと寝技で攻めることができました。寝技の時のバランスも以前とは違っていて、バックから殴っている時の手応えも違います。だから試合中に安心というか、より冷静に試合できるようになったと思います」

<この項、続く>

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