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【DEEP Tokyo Impact2023#01&#02】野村駿太、鹿志村仁之介が昼夜のメインで川名とDJ.taiki越えに挑む

【写真】スタイルも恐らくは性格も相当に違うであろう野村と鹿志村。キャリア6戦目と8戦目──なるかJ-MMA界の新陳代謝 (C)ONE

7日(火)にDEEPより3月25日(土)に東京都港区のニューピアホールで開催されるDEEP Tokyo Impact2023#01&#02の対戦カードが発表されている。

今月4日にBlack Combatとの対抗戦、11日の後楽園ホール大会=DEEP112、そして18日に新宿FACEでDEEP JEWELS40が開かれるDEEPにあって、各階級トップ下の潰し合いが繰り広げられるTokyo Impact大会第1&第2弾のカードはメインで、ストライカーとグラップラーの新鋭がベテランに挑むマッチアップが用意された。


まず昼の部となる正午開始の1st round=#01は野村駿太が川名TENCHO雄生に挑むライト級マッチが決まった。帝京大空手部出身、全日本空手道選手権で5位の実績を持つ野村は、2021年9月にグラチャンでプロデビューし、VTJからグラチャン、そしてDEEPで戦績を積み、現在4勝1敗の戦績を残す。唯一の敗北はキャリア2戦目にVJTで宇佐美正パトリックに喫した判定負けだ。

伝統空手特有の距離からの踏み込みだけでなく、近距離でボクシング、さらにレスリングと総合力を高める野村は、昨年12月には小金翔太を『打』で圧倒し、元修斗世界王者との対戦する権利を得た。

一方の川名は2020年9月のRIZINでの武田光司戦より、悪夢の4連敗を経験。特にDEEP初陣となった石塚雄馬のKO負けは、進退を考えるべき敗北となっていた。その川名は昨年11月の高橋Bancho良明戦で涙の復活勝利を挙げ、新鋭の挑戦を受けることとなった。

午後5時半スタートの2nd round=#02のヘッドライナーは鹿志村仁之介が抜擢され、DJ.taikiと対戦するバンタム級戦となった。

Road to UFCの緊急チャレンジからDEEPに戦場を移し、階級を下げた鹿志村は初戦で雅駿介をRNCで下し、元バンタム級王者越えを狙うマッチアップを手にした。NY修行中、現地に関して「向うの選手は簡単に極めることができない」と米国MMAファイターの防御能力の高さを実感していた鹿志村は、その分だけ極めの精度を上げてくることが予想される。

とはいえDJに対して、打撃が見えていないと組みの展開に持ち込むことは簡単ではない。殴られても組むというスタイルから殴られずに組むことが不可欠になってくる。DJとしてもCOROとの暫定王座決定戦で敗れからの再起戦で、5勝2敗の21歳に遅れを取ると再浮上は難しくなる。ばかりか総合力で力の差を見せつけることが、欠かせない。

いずれにせよ、野村と鹿志村ともここを越えるとタイトル戦も見えてくる。そしてタイトル戦線がより活発化する起爆剤となり、ナンバーシリーズにつながる対戦といえる。修得すべき技術が多いMMAではファイターとしてのピークはやや高くなる。とはいえ、常に新しい力は生まれてくる。キャリア10戦に満たない選手が、一度は頂点を究めたファイターと対戦が無謀に感じられなくなってきたJ-MMA界だ。

この他、#01では雅駿介✖内山拓真、泉武士✖井上竜旗戦、#02では駒杵嵩大✖風我のフライ級サバイバル戦が改めて組まれ、女子ではアトム級で須田萌里と桐生祐子の再浮上へ世代を越えた連敗は許されない者同士の試合が決まっている。

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【DEEP JEWELS40】2年目のプロ生活、万智―02―「DEEPのベルトを獲って、ドミさんとRIZINに出たい」

【写真】2023年。何度、万智は勝ち名乗りを受けることになるのだろうか(C)MMAPLANET

2022年もMMA界には色々な出来事があり、多くの勝者が誕生し、同じ数だけ敗者も生まれた。

2023年に向けて『2022年中に話を訊いておきたい』勝者、敗者を6人リストアップしインタビュー──万智編Part.02。

まだプロ1戦1勝の万智、海のものとも山のモノともつかない──逆をいえば、可能性は無限大。そんな万智は宇都宮から首都圏への出稽古中心のハードな生活も、「MMAが好きで、練習も好き」という充実感で乗り切っている。

<万智インタビューPart.01はコチラから>


──柔道でケガが続いて、親御さんは打撃が加わるMMAへ進むことに対し、どのような反応だったのでしょうか。

「どうだったの?」

母・佳子さん そうですね……ずっとRIZINの話ばかりしていたので、もうこれしかないのかなって諦めていました。初めての試合の時はドキドキしましたけど、こんなに大好きなことを嬉しそうにやっている娘を見ていると、続けさせてあげたいなって思いました。

──そうですよね……。親って結局、そうなってしまいますよね。やっぱりお母さん、我が子には好きなことをやってもらいたいですね。

佳子さん 嬉しそうなところを見ていると、こちらも安心できるので(笑)。

──でも好きなことをやっているのだから、大学に行くための費用は老後に回してください(笑)。

佳子さん アハハハハ、それは……もう途中で諦めていましたし(笑)。

──こんなに応援してくれる家族がいるわけですから、自宅が一番。それでも、この移動距離は……と。これだけ電車で移動していて、疲れは取れますか。

「本当にMMAが大好きなので。練習も大好きなんです。柔道の練習は大っ嫌いだったんですけど(笑)。MMAの練習に関しては全く苦にならないです。ただ、松戸に行く日の朝は4時に起きて家を出ないといけないので、そこは結構きついんですけど……電車で寝ているんで。だから本当に楽しく練習をさせてもらっています」

──松戸と東中野、イズム以外が女子練習になるのでしょうか。

「ハイ。なるべく女子が集まっている練習に参加するようにしています。やっぱり宇都宮だと女子選手がいないので」

──女子選手は強くなるために一緒に練習していて、試合が組まれると思い切りやり合う。あれは凄いなと感じます。

「自分なんか色々なところで練習をさせてもらっているので、試合が決まれば腹を括ってやるしかないと思っています。皆さん、そうだと思います」

──女子MMAは今、デビュー1、2年という選手が、その上のキャリアのある選手と能力的に差異がない。それが女子MMAの成長を如実に表しているかと思います。以前は女子力が武器になるようなところがありましたが、今や厳しい実力社会になってきたかと。

「私たちの世代はアマチュアから皆が強くて。アマチュアでそれほどでもなかった人も、プロになると強くなっていて。本当にレベルが上がっているので、気が抜けないです」

──デビュー戦はキャリア12戦目のARAMI選手が相手で、スコア的には文句なしの判定勝ち。自身で振り返って、どのようなプロ初戦でしたか。

「アームロックを仕掛けられて危ない場面もありましたけど、予想通りでした。でも際で気を抜いて、詰められてしまうことがありましたし……デビュー戦っぽいなって」

──それでもスクランブルの強さ、トランジッションのスピードとデビュー戦としては十分だという声が大半だったかと思いますが。

「まだまだですね……もうチョットできたという気持ちはあります。と同時にキャリアがあれだけあるARAMIさんに勝てたことは自信になっています。(伊澤)星花ちゃんがデビュー戦でARAMさんと戦って勝っているので、自分も勝ちたいと思っていました。

星花ちゃんとは教育実習で栃木に戻ってきている時に練習をよくさせてもらっていて……そんな共通点もあったし、ARAMI選手に勝てたことが嬉しいです」

──最強、伊澤選手と組んでどのような印象を持っていますか。

「なんか……自分が練習をさせてもらったなかでは浜崎(朱加)さんが一番強くて。一度、浜崎さんが日曜日の朝練に来てくれて、一緒に練習させてもらったんですが、全然歯が立たなくて。凄い壁……違いを感じさせられました。

星花ちゃんは、そういう風でないのに知らない間に極められている。差を感じさせられないのに、極められる。そんな感じなんです」

──それが伊澤選手の強さのように感じます。ところでIGLOOの練習はグラップリングになるのですか。

「ハイ。下になった時に怖くないようにグラップリングだけの練習も必要かと思って参加させてもらっています。どっちかといえば打撃より組みの選手なので、その組みで少しでも強味を持てるようにしたいです」

──では打撃の方はどのような練習を?

「所属ジムがキックボクシングのジムなので、キックとムエタイの練習は地元でやっています。それと津田(勝憲)さんにパーソナルで指導をしてもらっていて、あとは梅田さんとか日曜日に練習している皆さんに教えてもらうようにしています。そうやって少しずつMMAができるようになってきた感じです」

──男子選手の女子選手を見る目も随分と変わったからこそ、首都圏のジムの所属になった方が強くなれるという気持ちはないですか。

「ジムの近くに住んで、朝からクラスに出られるので所属したい気持ちもあります。でも、今は色々な人と練習できていることが刺激になっています。毎回、違う選手と練習できていて。どこかに所属すると、出稽古の場所も限定されるかもしれないですし、移動は大変でも色々な人とできるので。本当に周囲の人に、凄く恵まれていると思います」

──宇都宮からやってくる選手、万智選手の姿勢を見て誰もが協力したいと思うはずです。

「アハハハハ。ありがとうございます」

──ところで次の試合、HIME戦が発表されました。スミマセン、FACEでのリング大会なるのでMMAPLANETでは次の試合を報じることはできないのですが、正直にいえば万智選手はケージ向きなのに──と残念です。

「HIME選手は大島(沙緒里)さんに勝ったり、こないだも桐生(祐子)さんを打撃でKOしたりしているので、凄くオイシイ相手です(笑)。ここに勝ったら上に行ける相手だと思っています。打撃も結構、対応できるように進化しようかと思っています」

──現時点でMMAファイターとしての目標はどこに置いていますか。

「DEEPでベルトを獲りたいのが一つ。それとドミさんと一緒にRIZINに出たい。梅田さんの夢がドミさんと自分をRIZINの一緒の大会に出すことみたいなんで……それを叶えてあげたいです。UFCにも行ってみたいのですが、自分はあまり分かっていなくて。取りあえず、国内で目の前のことをやっていこうと思っています」

──弥益選手自身、どれだけ現役生活を続けようと思っているのか。それほど待てないかもしれないです。

「ハイ、だから急いで……早目にいかないといけないです。梅田さんも『あと3年ぐらいしたら、練習はやめる』と言っていたので、自分が急がないと皆が辞めてしまうので(笑)」

──そのためにも2023年はどのような1年にしたいと思っていますか。

「駆け上がっていきたいです。どんどん試合をして勝って──腕の選手とも試合をして勝つ。そしてRIZINに出て、外国人選手とも試合をしたいです。プロになっても、たくさんの試合に出たいと思っています。強い選手と戦って、勝ち続けたいです」

──その間、ドミさんにはしっかりと休息をとりつつ復帰してもらって。

「そうやって合わせられるようにします。アハハハハハ」

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ARAMI DEEP DEEP JEWELS40 HIME LFA MMA MMAPLANET o ONE RIZIN SARAMI パンクラス 万智 修斗

【DEEP JEWELS40】2022年中に話が訊きたかったファイター。2人目、万智―01―「電車代は6万円です」

【写真】昨年末12月26日の夜、練習後にお母さんが運転する車の助手席でリモート取材を受けてくれた万智。2月18日のDEEP JEWELS40でHIMEとの試合が決まっている(C)MMAPLANET

2023年が始まり、MMAワールドでは6日(金・現地時間)に米国でLFAが開催され、アジアではONEのタイ大会=14日(土・同)のFIGHT NIGHT06からスタートを切る。日本の戦い初めは15日(日)、後楽園ホールの修斗公式戦だ。

そんな2023年のMMAに向け、『2022年中に話を訊いておきたい』勝者、敗者を6人リストアップしインタビューを行った。

2022年中に話が訊きたかったファイター。2人目は──昨年11月のARAMI戦でプロMMAファイター人生の一本を踏み出したばかりでありながら、早くも存在感を示す万智に話を訊いた。


――万智選手に興味を抱くようになったのは、デビュー戦前のとある週に水曜日にパンクラスイズム横浜で「栃木から出稽古に来ているんですよ」と紹介され、その4日後に東中野のトイカツ・グラップリングへ取材に行くと、日曜日の朝なのにまた万智選手がいた。『なんだ、この子は!!』と思ったのがきっかけでした。きけば高校を春に卒業したばかりだと。

「ハイ。今は大学に行かず格闘技ばかりの生活になっています」

――宇都宮在住ということですが、1週間のうちどれくらい首都圏に出てきているのでしょうか。

「火曜日はパラエストラ松戸、SARAMIさんの試合前は、水曜日にはパンクラスイズム横浜、金曜日がマスタージャパンですね。平日は都会に出ていくのが3回ぐらいで」

――……!!

「土曜日は朝にパラエストラ松戸に行き、そこからIGLOO。夜は泊まって日曜日の朝に東中野、それからマスタージャパンで練習しています。土日は東京で2度ずつ練習しようと決めています。それとツイッターで練習する人と募集しているところに参加させてもらうこともあります」

――ぶっちゃけて、月の電車代はどれぐらいになっていますか。

「6万円ぐらいの出費になるので、それなら住んだ方が良いかなって思うこともあります(笑)」

――その6万円はどなたの財布から出てくるのですか(笑)。

「これはお母さんが、大学に行くために貯めていたお金を格闘技の練習に必要なところにあててくれています。あとはスポンサーさんにサポートしていただいている分も、全て交通費に使っています」

――私には子供が3人いますが、学資保険は大学に行ったときにだけ使って「進学しないと老後の資金に回すからね」と宣言しています(笑)。

「アハハハハ。ウチは格闘技貯金のようなモノをしてくれていたんです(笑)」

――なんとも……。ただ本当に移動時間を考えると、東京近郊に住んだ方が良いかもしれないですね。

「ハイ。ただ梅田(恒介)さんが近場で指導していて……今、所属しているロクナナ・ジムで。梅田さんから教わることがたくさんあります」

――梅田さんってお住まいは茨城の水戸ですよね。それで宇都宮で指導をされているのですか。

「アハハハハ。ハイ。栃木で2つ、3つクラスを持っていて、水曜日は那須塩原のクロウフォレストでやっている梅田さんのクラスに私も出ています。東京に出て行かない日は、ずっとこっちで練習している感じです」

――近場とかいって移動距離がとにかく半端ないですね(笑)。本気度のみが伝わってくるのですが、万智選手はなぜMMAファイターを目指したのですか。

「中学2年生の時に友達のお母さんがRIZINに連れて行ってくれて。あの日、RIZINを見て『この舞台に立ちたい』と思うようになりました。それ以来、将来の夢はずっと変わらず格闘家になることでした。

1度、中学を卒業した時にMMAを始めたいと思ったのですが、柔道をやっていたので高校で結果を残したいという気持ちもあって高校進学を選びました。でもケガばかりで、結果を残すことができずMMAに、上手く切り替えることができたと思っています」

――そもそも柔道では、どのような活躍をされていたのですか。

「小学3年生から高校卒業までやっていて、中学では県大会ではいつも1位とかになっています。だから高校でも続けようと思ったのですが、でも柔道やあまり好きじゃなかったです(苦笑)」

──五輪スポーツでそこそこの結果を残し、学生生活や社会人生活を送っている選手は人間関係に疲れるということを言われることが多いです。

「……。それは分かります。私も中学の時に色々とありました(苦笑)。でも結果を残したかったので、高校まで頑張って続けようと。結局のところは1年と2年生の時にヒザの靭帯の手術をして、結果を残せないまま柔道は引退という形になりました。2年生の時のケガで3年生の一番大切な大会には間に合わないので、そこからMMAのジムを探し始めたような感じでした」

──その間もRIZINの女子の試合を見続けていた感じですか。

「女子っていうかRIZINの全員の試合が好きで、他にも色々なMMAの試合を観に行ってハマっちゃいました。格闘技オタクみたいになって」

<この項、続く>

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