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【Colors04】元RISE王者&2024全日本アマ修王者のerikaがプロデビュー。インフィニティリーグ最終戦も

【写真】キックからMMAに転向したerika。全日本アマ修ではMMAファイターとしての可能性も感じさせる試合を見せていた(C)サステイン

12月15日(日)、東京都新宿区の新宿FACEにて女子プロ修斗公式戦「COLORS Produce by SHOOTO Vol.4」の開催が決定した。
text by Takumi Nakamura

2024年のプロ修斗公式戦、関東地区最終戦は女子大会「COLORS」として開催される。今大会では女子アトム級で行われているインフィニティリーグの最終戦=平田彩音(勝ち点4)×NOEL(勝ち点2)、パク・ソヨン(勝ち点4)×檜山美樹子(勝ち点0)が組まれた。

勝ち点ではソヨンと平田が並んでいるが、直接対決で勝利しているソヨンが首位に立っている。ソヨンが1RでKO・一本勝利した時点でソヨンが優勝。2RでKO・一本勝利した場合は平田に、それ以外の場合は平田とNOELに優勝の可能性が残されており、最後まで優勝の行方が分からない最終戦となった。


そして今大会では第2代RISE QUEENミニフライ級王者erikaのMMAデビュー戦が組まれた。(対戦相手は後日発表)

erikaは沖縄出身・在住のキックボクサーで、2021年3月にNJKFミネルヴァ日本アトム級王座を獲得。2022年6月にAKARIに判定勝利して、第2代RISE QUEENミニフライ級王座に就いた。

2023年11月に小林愛理奈にKO負けしてRISE王座を明け渡すとMMAに転向。沖縄のTHE BLACK BELT JAPANに所属し、今年の全日本アマチュア修斗選手権女子フライ級で優勝を果たした。その後、正式に自身のSNSにてキックボクシングからの引退とMMA転向を明かし、今大会でプロMMAファイターとしての第一歩を歩み出すこととなる。

erikaの全日本選手権での試合を振り返ると、1回戦では田川真帆のシングレッグを切って、ケージに体を預けてのテイクダウンディフェンスを披露。ケージ内をサークリングして左インロー&ミドルと左ストレートを当て、首相撲を使ったボディへのヒザ蹴りを当てて判定勝利を収める。

準決勝のホリー・クワン戦でもerikaはサークリングを使って左の攻撃を当てる、ケージを使ってテイクダウンを阻止、首相撲式のヒザ蹴りを当てるという戦い方を続け、判定勝利で決勝進出。そして決勝のジェアナ・ジアイミ戦では左フックを当て、ヒザ蹴りとパンチでKO勝利を収めた。

サークリングと蹴りを使って組まれない距離をキープしてパンチを当てる。仮に組まれたとしてもケージと首相撲を駆使したテイクダウンディフェンスでグラウンドに持ち込ませない。erikaはMMAファイターとしてキック出身の強みを十分に生かす戦い方を見せており、今後のプロでも活躍も期待されるMMAデビュー戦だ。

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45 AB Colors Colors03 F1 MMA MMAPLANET o キック ジェニー・ファン 修斗 古賀愛蘭

【Colors03】世界女子アトム級王座決定戦、5Rに及ぶ大接戦の末に古賀がスプリット判定でファンに勝利

【写真】判定が告げられると、勝者・古賀が泣き崩れた(C)MMAPLANET

<修斗世界女子アトム級王座決定戦/5分5R>
古賀愛蘭(日本)
Def.2-1:48-47.47-48.48-47
ジェニー・ファン(台湾)

古賀が小刻みなステップから右カーフ、ファンはワンツーを返す。古賀は足を止めずに右カーフを蹴って、ファンの右に右ストレートのカウンターを狙う。ファンが前に出て組みの攻防になるが、距離を取った古賀が右ストレートを当て、ファンも右フックを強振する。一旦、距離が開くと古賀が右カーフを蹴る。古賀はファンの右フックに対して、右ストレートから返しの左フック。ジャブと右カーフ、飛び込むような左フックを当てる。

プレッシャーをかけるファンに対し、古賀が組みつく。ここは古賀が離れて右ボディ、そこから顔面への左フックにつなげる。ファンは前に出て右フック、古賀は右カーフを蹴って、左フックを狙う。前に出て組み付いてファンが古賀をコーナーに押し込み、ヒザを蹴るとローブローとなる。再開後、古賀が右カーフキック。ファンは右フックから組み付いて右を深く差して投げを狙う。距離が離れるとファンがハイキック、右フックを強振、古賀をコーナーにつめてヒジを入れる。古賀が両差しで組むと、ファンはボディへのパンチとヒザ蹴りを入れる。

2R、古賀は足を使って右カーフを蹴る。ファンが右フック、古賀は右ストレートを返して、飛び込むような左フックを当てる。ここでファンが組みついて投げでテイクダウンに成功。古賀が足でファンの体を浮かせつつ、脇をくぐるように立ち上がって、スタンドでバックにつく。古賀はここからテイクダウンを仕掛けつつ、正対する。試合がスタンドに戻ると、古賀が右のフェイントから左フックを当てる。

ファンは右フックから組みついて、古賀をコーナーに押し込んでテイクダウンを狙いつつヒジを入れる。離れるとファンが右カーフを蹴って、組みつこうと体を沈めるが、ここでバッティングとなってしまう。再開後、ファンがジャブをつきながら前進。古賀はファンのダブルレッグをかわしてボディにヒザ蹴り、左腕を差してロープに押し込み、ボディにヒザ蹴りを入れる。ファンも体を入れ替えるが、古賀がファンをコーナーに押し込んで、離れ際にパンチをまとめる。距離が離れるとファンがワンツーと右カーフ、右のスーパーマンパンチから組み付く。

3R、古賀が左で距離を測りながら右カーフを蹴る。ファンは右フックからダブルレッグに入ってテイクダウンを奪う。ファンがインサイドガードから距離を取ってパンチを落とし、足関節も狙っていく。古賀はガードから腕十字を狙い、ファンはパスガードへ。古賀は脇を差して立ち上がる。

ファンが右ストレートから左フック、右カーフ、右のスーパーマンパンチと手数を増やす。古賀がコーナーを背負うと、ファンが右から組みついて古賀をコーナーに押し込む。ここでファンが背中越しに古賀の右腕を左手で掴んで、空いた古賀の顔面にパンチを入れる。古賀も持たれている腕を切って、ファンをコーナーに押し込むがテイクダウンはできない。

4R、古賀が軽快なステップからジャブを突く。ファンの前進に左フックを狙うが、ファンに組みつかれる。ここはどちらもテイクダウンには至らず、試合は打撃戦に戻る。両者の右ストレートと右ストレートが交錯。ファンが右フックを当てながらダブルレッグに入って古賀をコーナーまで押し込む。古賀も態勢を入れ替えて離れるが、ファンがすぐに前に出てプレッシャーをかける。

ファンが右アッパーと右フックを当て、右腕を差してボディロックする。ここからファンがテイクダウンしてサイドポジションにつき、古賀も足を入れてガードポジションに戻す。ファンが古賀の胸に頭をつけて、細かいパンチを入れ、左右に動いてパスガードを仕掛ける。ファンがトップキープしてラウンドを終えた。

5R、古賀が鋭いワンツーを当てて前進。古賀はボディにもパンチを振るが、ファンが左フックと右ローを当てる。ファンは右フックを強振し、離れた古賀は右ボディアッパー。ファンが右フックとダブルレッグを見せる。ここで口から出血するファンにドクターチェックが入る。再開後、古賀がワンツー、ファンが右フックで古賀を追いかけて組みつく。

古賀が左腕を差してファンをコーナーに押し込み、テイクダウンを仕掛ける。ファンも右腕を差し返して、テイクダウンの攻防が続く。残り2分で距離を取ると、組みつこうとするファンに古賀が右アッパー。ファンは古賀の左足にシングルレッグに入って尻餅をつかせ、古賀がヒジを落とす。ファンが後頭部への攻撃だとアピールするが、試合は続行。古賀はファンをがぶって、ファンの立ち際にヒザ蹴り。ファンが古賀をコーナーに押し込んでヒザを蹴って試合終了となる。

判定はジャッジ3名とも48-47で2-1と割れて、古賀が勝利。ベルトを巻いた古賀は対戦相手のファンと周囲への感謝を述べると「本当にベルトを巻けてよかったです。ママにベルトで恩返しできてうれしいです。また頑張ります」と語った。

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45 AB Colors Colors03 MMA MMAPLANET o 渡辺彩華

【Colors03】渡辺は10カ月振りの復帰戦、パク・ボヒョンの右を受け続けてフルマーク判定で敗れる

【写真】渡辺は復帰戦でまさかの判定負け(C)MMAPLANET

<女子ストロー級/5分3R>
パク・ボヒョン(韓国)
Def.3-0:30-26.30-27.30-27.
渡辺彩華(日本)

渡辺が左ジャブを突く。サウスポーにスイッチを見せるが、パク・ボヒョンの右を受ける。パク・ボヒョンが渡辺の右ローに右ストレートを合わせた。パク・ボヒョンが幾度も右を当てる。渡辺のシングルレッグをスプロールしたパク・ボヒョンが、コーナーに詰めて連打を浴びせた。渡辺は組んで右腕を差し上げ、コーナーに押し込む。コーナー際の差し合いからパク・ボヒョンがバックを奪った。パク・ボヒョンがパンチで削ると、渡辺が正対して離れる。

右ローの打ち終わりに右を当てていくパク・ボヒョン。サウスポーから左ハイを伸ばした渡辺だが、ブロックされコーナーに詰められてしまう。パク・ボヒョンが左腕を差し上げてコーナーに押し込み、離れ際に右ヒザを突き上げる。再びコーナーに詰められた渡辺は、足を使って脱出すると右フックでマットに手を着かせる。残り20秒で打ち合いから組んだ渡辺だが、距離ができるとパク・ボヒョンの右を受けてしまう。

2R、前後左右へのステップから左フックを振るう渡辺。パク・ボヒョンはプレスをかけてコーナーを背負わせる。左ジャブを突いてロープを背負わせたパク・ボヒョンは、右を見せてから組みつく。離れたパク・ボヒョンは、回る渡辺をパンチで追い立てる。渡辺が左を突き、さらに左跳びヒザを見せた。コーナー際で打ち合った渡辺は、回ってリング中央でダブルレッグに入るも、スプロールされてしまう。立ち上がった渡辺のバックに回ったパク・ボヒョン。渡辺が離れる。

サウスポーにスイッチし、前手を出しながらスイッチして右を伸ばす渡辺。パク・ボヒョンは左ボディから右ストレートに繋げる。さらにパク・ボヒョンが右で渡辺のアゴを跳ね上げた。渡辺もサウスポーから左ストレート、右フックを返す。パク・ボヒョンは鼻から出血が見られる。渡辺の左ミドルに、パク・ボヒョンが右を合わせた。残り10秒でパク・ボヒョンの右ストレート、返しの左フックがヒットした。

最終回、左に回って左ジャブを突く渡辺。右カーフから右ストレートを伸ばす。パク・ボヒョンが左ボディを打ち込み、渡辺をコーナーに詰めていく。しかしプレスをかけ返す渡辺のパンチがパク・ボヒョンの顔面とボディを捉える。パク・ボヒョンの右をヘッドスリップでかわした渡辺。しかしパク・ボヒョンの左ジャブが渡辺の顔面に届く。パク・ボヒョンの右をカウンターで受けた渡辺がグラついた。さらに連打をもらった渡辺が組みに行くも、振り払われてさらに連打を浴びる。

コーナーに詰められた渡辺がシングルレッグで組むと、これを切ったパク・ボヒョンが右腕を十字で伸ばしにかかる。腕を抜いてトップに回った渡辺に対し、パク・ボヒョンは三角をセットアップ。腕十字に切り替えると渡辺が回転して逃れた。スタンドに戻るとパク・ボヒョンが渡辺をコーナーに押し込む。渡辺の払い腰を防いだパク・ボヒョンは、再び下がる渡辺の顔面に右ストレートを浴びせる。残り20秒でシングルレッグから、立ち上がるパク・ボヒョンのバックに回った渡辺。パク・ボヒョンは正対し、打ち合って試合を終えた。

ブランクの影響かどうか――パク・ボヒョンの右ストレートに対して、明らかに距離を掴めていない渡辺は反応できていないように見えた。裁定はジャッジ1人がビッグラウンドをつけるフルマークのユナニマス判定で、パク・ボヒョンが勝利した。


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45 AB Colors Colors03 MMA MMAPLANET o 杉内由紀 黒部三奈

【Colors03】杉内由紀がガードからの腕十字で黒部三奈に一本勝ち「誕生日に腕十字を取れて最高!」

<グラップリング女子ストロー級/8分1R>
杉内由紀(日本)
Def.2分43秒 by 腕十字
黒部三奈(日本)

杉内が首相撲のように首を抱えて、グラウンドに引き込む。黒部が担ぎパスガードを狙うが、杉内が黒部をガードポジションに入れて、黒部の左腕を持って腕十字を仕掛ける。

黒部もベースを作って背筋を伸ばして腕を切ろうとするが、杉内が足のクラッチを高く上げて、黒部の左腕を取って腕十字へ。最後は裏十字の形で黒部からタップを奪った。試合後、杉内は「実は今日で44歳になりました。誕生日に腕十字を取れて最高です!」とマイクアピールした。


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45 Colors Colors03 MMA MMAPLANET o カロリーナ・デ・アモリン・クワハラ 中山有加

【Colors03】クワハラがボトムから足関節でアタック。中山はパスできず時間切れドローに

【写真】トップ=中山、ボトム=クワハラという展開に(C)MMAPLANET

<グラップリング65キロ契約/8分1R>
中山有加(日本)
Draw
カロリーナ・デ・アモリン・クワハラ(ブラジル)

クワハラが距離を詰める。組手争いから、中山がいなした。ロープ際でクワハラが引き込み、クローズドガードから展開する。中山が頭を上げると、クワハラが左腕で首を抱えるも、ここは中山が頭を抜く。中山が上半身を起こすとクワハラがスイープを狙ったが、これを防いだ中山が立ち上がる。クワハラは背中を着けたまま、中山がパスを狙うと足を取りに行く。中山が足を抜いて立ち上がると、クワハラもスタンドへ。

再び引き込んだクワハラの頭がロープの外に出て、ドントムーブで頭をリング中央へ向けられる。クローズドガードのクワハラを中山が持ち上げるとブレイクが掛かった。クワハラは引き込んでリバースデラヒーバを狙いながら、逆側に回ってスイープに成功する。中山は右足で跳ね上げにいくも、クワハラの体がロープに掛かって中断される。再開後、クワハラがトップから中山のアンクルを取りつつパスを狙う。

中山がガードに戻り、クワハラの右腕をキムラで抱えた。腕を抜いたクワハラは立ち上がり、足を捌きつつ中山の左手首を掴んで跳びつく。パスしたクワハラに対し、横三角を狙った中山だが失敗。サイドから腕十字を狙うクワハラへ、中山も十字を仕掛けに行く。防いだクワハラが、残り1分近くでカーフスライサーを極めに行く。

凌いだ中山が立ち上がり、トップからパスを狙う。残り30秒でクワハラのガードに入った中山。クワハラの頭がロープの外に飛び出す。ドントムーブから中山がアタックするもクワハラが足を利かせて、時間切れドローとなった。


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45 Colors Colors03 MMA MMAPLANET o 宝珠山桃花 高本千代

【Colors03】打撃&三角絞めでチャンスを作った宝珠山×組みで攻める高本、判定1-0のドローに終わる

<ストロー級/5分2R>
宝珠山桃花(日本)
Def.1-0:20-18.19-19.19-19
高本千代(日本)

サウスポーの高本が右フックとアウトロー。宝珠山は右ストレート、ワンツーで前に出ていく。高本は左ミドルを蹴って、宝珠山が右ストレートで出てきたところでテイクダウンを奪う。高本は宝珠山にボディロックして尻餅をつかせ、自分の足で宝珠山の両足を束ねようとする。

宝珠山も足を抜きつつ、左手を突いてロープに体を預ける。ここで両者の動きが止まり、ブレイクとなった。スタンドでの再開後、宝珠山が右ストレートで前進。高本も左ミドルを蹴ってダブルレッグに入るが、宝珠山はそれを切ってギロチンを狙いつつ、四つの攻防になる。宝珠山がコーナーに押し込んでラウンド終了となった。

2R、高本が左ミドルと前蹴り、宝珠山が右ストレートを当てて高本のダブルレッグも切る。高本は左腕を差してロープに押し込み、互いに態勢を入れ替える。一度は宝珠山が離れるが、高本がしつこく組んでテイクダウンを奪う。一気に高本がマウントを奪ってパンチを入れる。

高本は後ろ袈裟のような形で抑え込み、正対してインサイドガードでトップキープする。宝珠山がガードから三角絞めの形を作って、そのまま鉄槌とヒジを入れる。高本が体をまたいでディフェンスし、三角を外してサイドポジションで袈裟固めで抑え込む。

宝珠山は頭を抜いてバックについてパンチとヒジを落とす。ジャッジ1名が20-18で宝珠山を支持したものの、残り2名は19-19と差をつけずドローに終わった。


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45 AB ABEMA Colors Colors03 GFC MMA MMAPLANET o RING Championship04 ジェニー・ファン チャンネル 修斗 古賀愛蘭 海外

【Colors03】古賀愛蘭、ベルトをかけてファンと再戦へ「苦しい展開になることを想定して追い込んできた」

【写真】計量直後のインタビュー、リベンジ戦ながら試合に向けてワクワクしていると語った古賀だ(C)TAKUMI NAKAMURA

3日(土)、東京都新宿区の新宿FACEで開催されるColors03の世界女子アトム級王座決定戦で古賀愛蘭がジェニー・ファンと対戦する。
Text by Takumi Nakamura

古賀とファンは2023年5月のCOLORS旗揚げ戦で対戦。1Rから古賀が鋭い打撃とテイクダウンやがぶりからのコントロールで試合を有利に進めていくが、3Rにファンにクラークプラッタ(オモプラッタ+チョーク)を極められ、逆転の一本負けを喫した。

あれから約1年3カ月、海外遠征も経験して連勝を続ける古賀がファンへのリベンジに闘志を燃やしている。


――先ほど計量を終えたばかりですが、減量や調整はいかがでしたか。

「私は減量がほとんどなくて、昨日のお昼までご飯も食べていたので、仕上がりはばっちりです」

――今回は過去に敗れているジェニー・ファン選手と再戦、そして世界王座決定戦という試合です。オファーを受けた時はどんな心境でしたか。

「ずっとファン選手にリベンジしたいと思っていたので『再戦できるんだ!』というのと『タイトルマッチか!』の2つですね。私としてはタイトル以上にリベンジへの想いが強いです」

――前回の対戦は古賀選手が有利に試合を進めながらも逆転の一本負けで、悔しさの残る試合だったと思います。

「めちゃくちゃ悔しかったですね……めちゃくちゃ悔しかったです。今まで3敗しているんですけど、試合後に泣き崩れちゃうくらい悔しかったのはあの試合だけですね」

――試合後はすぐに立ち直れなかったですか。

「はい。本当に落ち込んでしまったんですけど、佐々木(信治)さんたちに『落ち込んでいてもダメだし、次に向かっていかないと』と言われて、試合の次の日には試合映像を見返して、自分がどこを直さないといけないかを反省しました」

――とはいえそれだけ悔しい想いをした試合映像を見るのは簡単ではないですよね。

「本当に試合を見たくなくて、ちょっと不貞腐れていたんですよ。そうしたら佐々木さんに怒られました(苦笑)。でもああいう負けを経験して、ちゃんとそれと向き合ったことは大きな経験になりました」

――今年4月には韓国のRING Championship04に参戦し、Double GFCアトム級王者のパク・ボヒョンからスプリット判定勝利しました。初の海外遠征でどんなものを得ましたか。

「あの試合もすごく大きな経験になりましたね。今まではワクワクする部分もありつつ、不安になる部分も試合に出てしまっていたんですね。でもボヒョン戦は自分がやるべきことをやって、対策してきたことをやって楽しもうという課題を持って戦って、そういう試合が出来たと思います。そこが前回の良かった点ですね」

――アウェーでスプリット判定でも勝ち切ったことも大きいですよね。

「しかも相手はチャンピオンだったので、その相手に勝ち切れたことも良かったです」

――改めてジェニー・ファン選手にはどんな印象を持っていますか。

「手足が長いので、前回はクラークプラッタを極められたんですけど、ああいう変わった技もできますし、他の選手だったら抜けるところでも抜けない、そういう印象が強いですね。あとは気持ちが強い印象です」

――前回の対戦も踏まえて対策を練っていますか。

「対策はしっかり練りました。佐々木さんたちと話して、相手の癖だったり、こういう技をやってくるだったり、しっかりそこをやってきました」

――今回はタイトル戦のため5分5Rの長丁場です。5R対策はいかがでしょうか。

「自分がスロースターターなので、5Rでも大丈夫かなと思います。ただ間違いなく苦しい展開になると思うし、それを想定して追い込んできたので、その成果が試合で出ると思います」

――5Rになるとお互いにチャンスが訪れるでしょうし、ましてやファン選手は気持ちも強くて逆転のサブミッションも持っている選手です。そこは警戒していますか。

「そうですね。ファン選手は極めだけじゃなくて打撃の当て勘もあるので、最後まで集中して戦いたいと思います」

――今回はリベンジへの想いが強いと思いますが、ベルトに対してはどんな想いがありますか。

「修斗のベルトはずっと夢に見ていたベルトなので、それに挑戦できることがうれしいですし、ベルトを巻いて色んな人に恩返しをしたいです」

――ベルトを巻けば、またそこから先の色んな可能性も広がると思います。

「修斗のベルトを取って、もっと上を目指してチャレンジしていきたいですし、みんなに私がベルトを巻いている姿を見せたいです」

■視聴方法(予定)
8月3日(土)
午後6時00分~ABEMA格闘チャンネル

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45 AB ABEMA Colors Colors03 MMA MMAPLANET o カロリーナ・デ・アモリン・クワハラ チャンネル 中山有加 修斗 栄養 渡辺華奈

【Colors03】グラップリング戦に出場。柔道出身の寝技師、中山有加「強くなりたいから柔術へ」

【写真】リベンジを賭けたグラップリングマッチに挑む中山(C)SHOJIRO KAMEIKE

3日(土)、東京都新宿区の新宿FACEで開催されるColors03のグラップリングマッチで、中山有加がカロリーナ・デ・アモリン・クワハラと対戦する。
Text by Shojiro Kameike

中山は柔道時代に全日本実業個人選手権や全日本選抜体重別の63キロ級を制し、ワールドコンバットゲームズの団体戦の優勝など国際大会の実績もある。2019年に柔道を離れ、柔術に転向。昨年はJBJJ全日本の女子アダルト紫帯ミドル級&オープンクラス、
アブダビワールドマスターズの紫帯で金メダルを獲得している。柔道時代から高い評価を受けていた寝技を武器に、今回はグラップリングマッチに挑む中山に、初インタビューを行った(※取材は7月30日に行われた)。


「お前は寝技が弱すぎるから、とにかく三角をやれ」

――お久しぶりです。柔道時代、大住姓の時に土居進トレーナーの「土居トレ」取材でお会いして以来となります。その中山選手が柔道から離れ、柔術に転向しているとは驚きました。

「そうですよねぇ。またこうして取材してもらえるとは嬉しいです」

――中山選手が土居トレーナーの指導を受けるようになったのは、いつ頃からですか。

「2012年か2013年ぐらいですね。土居先生が今のジム(SkyLive-R)を立ち上げる前から参加していました」

――当時は中山選手が柔道の70キロ級で試合をしており、土居トレーナーの進言で63キロ級に転向したと記憶しています。

「そうでしたね。もともと減量したくないから70キロ級で試合をしていたんですよ(笑)」

――減量したくない、とは?

「大学時代は57キロ級で試合をしていて、減量に失敗してしまったんです。あの頃は栄養とか体づくりの知識が何もない状態で。それで監督から『お前は減量するな』と言われて、70キロ級で試合をするようになりました。でも土居先生からは『その体は70キロ級の体じゃないよ』と言われ、63キロ級に落としたという経緯ですね」

――63キロ級に転向して以降、全日本実業個人選手権や全日本選抜体重別で優勝しています。階級を変更して体の動きが良くなりましたか。

「体のキレは増した感覚はありましたけど、やっぱり70キロ級の頃は相手が大きすぎたんですよ。逆に63キロ級だと、自分より力が強いと思う人と対戦したことはなかったです」

―柔道時代から寝技が得意だったそうですね。立ち技よりも寝技が中心になったのは、何か理由があったのでしょうか。

「もともと寝技は全然得意ではなかったです。大学時代も寝技で負けることが多くて。大学では矢野先生という方(矢野智彦監督)が寝技師で、『お前は寝技が弱すぎるから、とにかく三角をやれ』と言われたました」

――三角、というと……。

「三角絞めではなく、押さえ込みの三角ですね。4年間ずっと、その三角しかやらせてもらえなかったんです。そうしたら、いつの間にか三角が得意になって。すると立ち技よりも寝技のほうが好きになり、社会人になってからは『寝技の選手』と思われるようになりました」

――中山選手は岡山県にある環太平洋大学の出身ですよね。環太平洋大学の柔道部は、故・古賀稔彦さんが総監督を務められていました。つまり中山選手は古賀さんの弟子でもある、と。

大学時代には古賀稔彦氏の指導を受けた(C)YUKA NAKAYAMA

「はい、そうなります。今となっては古賀先生に言われた言葉は本当にありがたいものばかりですけど――当時は毎回、鋭いことを言われていて(苦笑)。環太平洋大学は地方にいながら柔道に専念できる環境で、しかも古賀先生のような金メダリストの方に指導してもらうことができていました。私もあの柔道部で成長させてもらったと思っています」

――それと現在はMMAで活躍している渡辺華奈選手とは、柔道時代の同期にあたるのですか。

「昔からは一緒に練習していましたし、今でも仲が良いですね。お互いライバル視はしていたと思いますけど、JR東日本のチームメイトでもあって」

――そうだったのですね。その後、中山選手は結婚されて2019年の大会を最後に現役引退しています。

「もともとは2018年の講道館杯で負けて(3位)引退する予定でした。でも、まだ私の『試合がしたい』という気持ちを汲んでくれて、会社が皇后杯の予選まで出場することは認めてくれたんです。当時はJR東日本柔道部のコーチをしながら試合に出場して、本戦にも出られましたが……その本戦で引退するというのは決まっていました」

角田の金メダルはちょっとだけ嫉妬します(笑)

――以降はコーチを務めたあと退社して、柔術に転向するのですね。

「はい。実業団は毎年、会社との契約更新があるんですよ。そこで会社が求める結果を出すことができなくて。私としては現役を続けたかったけど、会社からの『コーチをやってほしい』という話を受けました。JR東日本ではヘッドコーチになって、その次はもう監督です。そこで、そのまま指導者として生きていく未来が見えちゃったんですよね。でも自分が本当にやりたいのは、選手を続けていくことで……だけどもう柔道では現役を続けられない。であれば寝技は好きですし、柔術をやろうと決めました」

――JR東日本という大企業の社員で、柔道部のヘッドコーチや監督となれば……。

「安定はしていましたね。辞めると言ったら、いろんな人に止められました(笑)」

――それだけ安定した生活を捨ててでも、選手として生きたかったわけですね。とはいえコーチに専念している間は練習量も減り、柔術の試合に出る際に支障はありませんでしたか。

「体のキレは落ちていました。練習量も減り、と同時に出産もしていたので。だから柔術の試合に向けて、ゼロから別の体をつくり上げていく感じでしたね」

――会社を退社した時点では、柔術を始めていたのですか。

「はい。週1回ぐらい柔術の練習はしていました。当時は柔道で強くなるために柔術やサンボの練習に参加させてもらっていて。柔術はパラエストラ東京の昼柔術に参加したり、サンボはkichijoji fitの安藤喜友先生にお世話になっていました」

――kichijoji fitのサンボ練習会には、柔道時代の渡辺華奈選手も参加していました。

「kichijoji fitに行っている柔道家は多かったですよ。今回のパリ五輪で金メダルを獲った角田夏実も練習に参加していたりとか。角田とは柔道時代、一緒に練習することもありました」

――柔道の現役時代と今では、オリンピックを見る視点も違いますか。

「どうなんでしょうね? 私は2016年のリオ五輪に向けて頑張っていましたけど、オリンピックに行くことはできませんでした。当時よりは皆を純粋に応援できるようにはなっています。私も別に柔道で悔しさとか未練があるわけでもなく、一生懸命やったけど上には行けなかったというだけで。今はまた柔術という別の世界で上を目指すことができるチャンスを頂けているわけですから。ただ、角田の金メダルはちょっとだけ嫉妬しますけどね(笑)」

柔術に転向しても柔道の強みは残したい

――アハハハ。その柔術では現在、茶帯を締めています。

「柔術は青帯から始めて、青帯で4カ月ほど経った頃に紫帯になりました。さらに紫帯になって1年ぐらいで茶帯に昇格しています」

――中山選手のように柔道の実績があると、柔術でも青帯の試合では余裕がありましたか。

柔術では紫帯、茶帯ともに国際大会で優勝(C)YUKA NAKAYAMA

「青帯と紫帯は、まだ余裕がありました。でも茶帯になって初めての試合は、今回の修斗興行で対戦するカロリーナ選手が相手で。何もできずに負けて(今年3月、MARIANAS PRO JAPANで対戦して一本負け)、『やっぱり茶帯になるとレベルが違うな』って思いました」

――紫帯までの相手と茶帯のカロリーナ選手では、何が一番違いましたか。

「何もかも違いましたね。技術も引き出しが多いし、技の連携も滑らかで。私も自分でパワーはあるほうだと思っていましたけど、決してパワーでは止められない。パワーで止めようとしたところを、スルスルっと極められました」

――柔道の寝技をやってきた中山選手にとって、柔術をやるうえで一番変えたところは何でしょうか。

「何でしょうね……難しいな。今でも『柔道をやっているよね』と皮肉を言われるので(笑)。私としては柔道の強みは残したいです。柔術だけの技術でいえば、本当にまだまだのレベルで。これまで柔道の強みだけで勝ってきただけですから。今ちょうど柔術の技術に変えようとはしているけど、まだ何も変わっていないという実感はありますね」

――一方、今回カロリナ選手との再戦はサブオンリーのグラップリングマッチです。これまでノーギの経験は?

「アンライバルドのアマチュアマッチに一度出させていただいたことがあります(2021年5月、ケイラ・アレン・シャクアンに一本勝ち)」

――同じ相手とギではなくノーギで対戦すると違いはありますか。

「前回ギでボコボコにされたので、今回も普通にやっていては勝てないと思います。今は1パーセントでも2パーセントでも勝てる可能性を上げるために練習していて。カロリーナ選手もギのほうが得意だろうという印象がありますし、私としてはノーギのほうがやりやすいかもしれない、と思っています」

――この試合の先に、柔術の世界で目指しているものは何ですか。

「私は単純に強くなりたいという気持ちで、柔術に転向しました。だからアダルトかマスターか、ギかノーギかというこだわりも無いです。今回のようなプロ興行に出させていただくのも、何事も経験だと思っています。これからもチャンスを頂けるのであれば、自分が納得するところまでやっていきたいですね」

■視聴方法(予定)
8月3日(土)
午後6時00分~ABEMA格闘チャンネル

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【Colors03】パク・ボヒョン戦へ、失明覚悟のMMAファイター人生=渡辺彩華「なぜこの試合なんだろう?」

【写真】愛犬のエルモちゃんと。犬種は分からないのですが、マルチーズかマルプーからマルポメでしょうか(C)SHOJIRO KAMEIKE

8月3日(土)、東京都新宿区の新宿FACEで開催されるColors03で、修斗女子世界スーパーアトム級王者の渡辺彩華が、韓国のパク・ポヒョンと対戦する。
Text by Shojiro Kameike

渡辺にとっては昨年10月、RIZIN LANDMARKで万智に敗れて以来10カ月振りの復帰戦となる。万智戦で負った眼窩底骨折の治療のために戦線を離脱していた渡辺は、その間の国内女子MMAをどのように見ていたのか。その中で本野美樹に帯同し、現地で見たRoad to UFC——海外での戦いについても語った。


失明する可能性が高くなる。格闘技を続けるなら、そのリスクは分かっておいてほしいと

――万智戦後に眼窩底骨折で入院、手術したあと、いつ頃から練習を再開できたのですか。

「手術して1カ月後に有酸素運動はOKが出ました。格闘技の練習ができるようになったのは手術から3カ月後ぐらいで、スパーのOKが出たのは半年後でしたね」

――スパーを始める時、手術した箇所を打たれることに対し、恐怖はなかったでしょうか。

「怖さはなかったです。でも、まぁ失明寸前だったと言われましたからね。病院では『運が良かった。今後も格闘技を続けるかどうか、一度しっかり考えてほしい』と言われて」

――それは「格闘技を続けてはいけない」という意味ですよね。

「それもあるし、格闘技を続ける場合は術式も違うらしくて。いずれにしても自分の場合は、手術をしても普通の人より失明する可能性が高くなる。格闘技を続けるなら、そのリスクは分かっておいてほしいということでした。

このままMMAを続けていたら、別に強い相手じゃなく誰と対戦しても――それこそ練習しているだけでも失明のリスクがある。そのことは頭の片隅に置きながら練習しています。ただ、自分が失明することよりも、それで家族やチームの皆に迷惑をかけるほうが嫌だという気持ちはあって。だけど今のままじゃ終われない。ずっとその葛藤があります」

――『今のままじゃ終われない』というのは……。

「ファイターって皆、応援してくれる人がいるじゃないですか。その数が多い、少ないは関係なく。それだけ背負っているものがある。自分も愛知から東京に出てきた無名時代から支えてくれている人たちがいます。スポンサーさんや、AACCの人たちとか。そういう人たちに対して、ここで辞めるのは失礼だなと思ったんです」

――……以前と比べて話し方も考え方も大人になりましたね。

「アハハハ!!」

――以前、あれだけ暴言を吐いていたファイターとは思えません(笑)。

「落ち着いたかもしれないですね、アハハハ。この10カ月の間、ジムの先輩がいろんな試合に出ていて。それを自分がファイターとして見るのと、戦線離脱した状態で見るのとでは違うと思うんですよ。もちろん自分が戦線離脱していることに対して焦りはあります。だけど……、それこそ本野美樹さんは待って、待ち続けてRoad to UFCが決まったじゃないですか。そういうチームメイトを見ていると、自分も頑張らなきゃいけないって思うんです」

――チームメイトとしては本野選手のRTU、大島選手のInvicta FC、杉本選手の修斗世界タイトルマッチ、そしてRENA選手のRIZIN復帰などもありました。その中でご自身の意識、目標が変わって面はありますか。

(C)AYAKA WATANABE

「あぁ~。

タイに行って『世界はヤバいな』と思いました」

――7月にタイガームエタイへ行っていたそうですね。

「本野さんがRTU準決勝の前にまたタイへ行くということで、自分も気持ちを挙げるために付いていったんですよ。その時タイガームエタイにいたストロー級の女子選手が、その選手がヤバいぐらい打撃が凄くて。『日本にこれだけ打撃が凄い女子ファイターいる?』と思うぐらいでした。自分はMMAでもテイクダウンさせず、打撃で攻めるタイプじゃないですか。だけど、その選手と練習する時は私のほうがテイクダウンを狙ってばかりで」

――その選手の名前は?

(C)AYAKA WATANABE

「ファラ、ですね(※注)。

寝技できないけど、とにかく打撃が強い。同じ日にオクタゴンという大会で試合をするそうです」

※ファリダ・アブドゥエバ。ファラは愛称。キルギスのMMAファイターで、昨年11月のRIZINアゼルバイジャン大会ではアナスタシア・スヴェッキスカと対戦している(腕十字で一本負け)。現在MMA戦績4勝1敗。

「自分よりも打撃ができる選手と向かい合ったのが初めてで、衝撃を受けました。あとONEに出ているモン・ボー選手もいて、メチャクチャ打撃が強かったです。自分も『このままじゃ世界に出られない』と思いましたね」

――その経験を楽しそうに語れるのが、ファイターとしての本質なのだと思います。

「いやぁ、直後はナイーブになりましたよ。タイにいる間、本野さんに『大丈夫! 大丈夫だから』と慰めてもらっていました(苦笑)」

――アハハハ。

「もう毎週、ボディでKO寸前まで追い込まれて……。日本の女子MMAって、グラップラーが多いじゃないですか。その中で自分は打撃で勝っていた。でも本当に全部できないと世界じゃ勝てないんだなって痛感しましたね。7月上旬から3週間行っていて、先週日本に戻ってきたんですよ。そこから日本の選手と練習しても圧力は感じなくて。それを試合前に経験できたのは、本当に良かったです。なんだか安心しました(笑)」

アイツ、いつも良いところで負けていますよね

――一方、10カ月の間、日本の女子MMAは大きく動いていました。

「……万智、負けるなよ。アイツ、いつも良いところで負けていますよね。松田戦は万智が勝っていたとは思ったし、Xでもそう投稿しましたけど」

――万智選手に勝利した松田亜莉紗選手の印象はいかがですか。

「トータルバランスは良いけど、長けているものはないっていうイメージです。飛び抜けているものがない。悪くいえば、特徴がない」

――悪く言うのですね(笑)。

「アハハハ。パク・シウ選手だったら打撃、万智なら寝技っていうイメージじゃないですか。松田選手は怖さを感じないですね」

――ではパク・シウ×万智の試合については?

「凄い試合でしたね。MMAとして2人とも完成度が高いと思いました」

――ちなみに万智選手とは、直接対決の後も仲良くはなっていないのですか。

「全然! 今でも万智のことは嫌いですよ。仲良くなることはないし、一緒に練習することもないです。対戦直後にSNSで『IGLOOで待っています』とか投稿していたけど、行くわけないだろって(笑)。他のAACCの選手がよく一緒に練習しているみたいで、その選手のSNSを見て『あぁ生きているんだな』と知るぐらいです。アハハハ」

RIZIN、ROAD TO UFC、その前に万智はコテンパンにして泣かしますよ(笑)

――なるほど。修斗では藤野恵実選手がベルトを巻き、続いてパンクラス王座に挑みます。SARAMI選手もパンクラスのベルトを巻きました。

「自分もそこに絡んでいきたかったです。だから今回の対戦相手は、自分もあまり乗り気じゃなくて……」

――対戦するパク・ポヒョンも韓国Double-Gのベルトを獲得しているとはいえ、これまでのキャリアを考えれば、渡辺選手の有利は動きません。前戦では古賀愛蘭選手に敗れていますし。

「う~ん‥…、そういうことじゃないんですよ。『普通にやれば負けることはないでしょう』とか言われます。でも勝負事に絶対はない。まず自分自身がアップセットを起こし続けてベルトを獲りましたからね。ファイターって相性があるし、今回はケージではなくリングという違いもある。そんななかで次の試合は足元をすくわれず、フィニッシュします。

それとは別に、私は今までずっと強い相手と試合させてもらってきたじゃないですか。でもこの10カ月の間に、松田選手が万智に勝ってベルトを巻いた。万智とパク・シウ選手の試合も視ていて刺激になったし、藤野さんは修斗のチャンピオンになっていて。そこで『なぜ自分はこの試合なんだろう?』と思ってしまったんです。それだけ動きがあるなかで、自分だけ取り残されてしまっているというか」

――10カ月間、負傷で試合から離れていたことも大きいと思いますが……。

「それはそうなんですよ。でも今は、いつ失明するか分からないから後悔しないMMA人生を送りたい――もともと強い相手と試合がしたいとは思っていたけど、手術以降はよりその気持ちが強くなっていて。この人との試合、あるいはその試合のために練習しているなかで失明しても、納得できるような相手と試合をしたいんです。

よくレコードを綺麗にしたい選手がいるじゃないですか。私はそこに一切こだわりはなくて。『その相手、誰?』と思うような選手とばかり試合をして、レコードは綺麗だけどベルトは巻いていないとか。そんな選手にはなりたくない。限りある中で、どれだけ自分が満足するMMA人生を送ることができるか」

――……。

「まぁ綺麗なレコードを求めていたら、2戦目で藤野さんと試合していないですよ(笑)」

――確かに綺麗なレコードを求めるなら3戦目で黒部三奈選手、4戦目でSARAMI選手、そして5戦目で一階級上の万智選手とは対戦していないでしょう。

「そうそう(笑)。おかげさまで濃い、怒涛の日々を過ごさせてもらっています」

――今後はストロー級で戦っていくのでしょうか。

「そうですね。スーパーアトムは対戦相手がいないですし。今は通常体重を増やしています。万智の試合では、やっぱりストロー級との差は感じたので。修斗ならストロー級で、リベンジも賭けて藤野さんのベルトに挑みたいです。初戦の時より自信はあります」

――本野選手に帯同して、現地で目撃したRTUに挑みたいとは思いますか。

「周りから見て、『やってみたほうがいいんじゃない?』という声が挙がれば、挑戦してみたいです」

――というと?

「現時点で自分の体格や、タイで経験した打撃の圧力とかを考えたら、あの舞台で戦える自信はないです。でも、いつかはあの舞台で戦えるような――格闘技を見ている人たちに、それぐらい期待を持ってもらえる結果を残していきたいですね。

第三者から見て、期待できるかどうかがファイターとしての需要だと思っています。RIZINなら伊澤星花との対戦が期待されるかどうか。RTUは『渡辺なら優勝して、UFCでも勝てる』と期待してくれるかどうか。まぁ、その前に万智はコテンパンにして泣かしますよ(笑)」

■視聴方法(予定)
8月3日(土)
午後6時00分~ABEMA格闘チャンネル

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【Shooto2024#06】ヤックル戦へ、亮我「先生と一緒に修斗のベルトを巻いて、海外やRIZINへ」

【写真】アマ時代は修斗だけでなく、パンクラス、DEEPのFKTでも戦っていた亮我。プロデビュー戦は前田吉朗引退大会だった(C)SHOJIRO KAMEIKE

28日(日)、大阪市の阿倍野区民センター大ホールにて、Shooto2024#06が昼夜2部制で行われる。第2部(夜の部)では、インフィニティリーグ公式戦として亮我がヤックル真吾と対戦する。
Text by Manabu Takashima

2022年4月にDEEPでプロデビューした亮我は、修斗を主戦場とし、ここまで7戦無敗。新人王トーナメント決勝は相手の体調不良で不戦勝に。続くインフィニティリーグ初戦は、対戦相手が前戦で計量オーバーしたことにより出場停止処分を受けたため実現せず。8カ月ぶりの試合となる亮我が、自身の組み力、所属するゴンズジムと目標を語った。
Text by Shojiro Kameike


――昨年6月の谷中たいち戦ではバックマウントからハンマーロックを極め、11月の11月の神里昭吾戦ではバックマウントからパウンドアウトしました。このフィニッシュは、よほど組み技に差がなければできないと思います。

「組み力には自信があります。もともと打撃が好きで、ずっと打撃ばかりやっていたんですよ。組まれたら嫌やから離れる、という練習をやっていて。でも自分は組みが強いと気づいて――組みで勝負したほうが、実力差が出るし確実に勝てると思いました」

――キャリアのどの段階で、自分は組みが強いと気づいたのですか。

「2022年のDEEPフューチャーキングトーナメントに出た時は、まだ打撃しかできませんでした。気づいたのは、そのあとですね。UFCに組みが強い選手がどんどん出てきていたので、『組みが強い選手のほうがMMAでは強いんやな』という印象がありました。

名前を挙げればイスラム・マカチェフ、カムザット・チマエフのようなスタイルが好きで。打撃もできるし、組んだらメッチャ強い。今は中央アジア勢のスタイルが一番好きです」

――現在MMAではどんどんコントロールに対する評価が低くなっています。修斗でいえば先日の齋藤奨司×藤井伸樹戦は最たるもので。そのような採点基準に対して、組みの選手としてはどう感じていますか。

「う~ん……。トップを取る選手からすると、下から効かない打撃を出している選手に10-9がつくのは厳しいです。でも僕は組むとすぐに殴って、削ってから極めるというスタイルなんです。判定を考えると、テイクダウンしてから確実にパンチを当てていったほうが、ジャッジにもお客さんにも分かりやすい――という傾向はありますよね」

――亮我選手はテイクダウンしたあと、トップコントロールではなくバックテイクを優先し、バッググラブから殴る。試合では常にバックテイクを狙っているのですか。

「バックテイクというより、打撃を入れやすいポジションを優先しています。たとえばサイドポジションだと、ヒジを入れやすいじゃないですか。これまでもケージ際でテイクダウンして、ヒジで削りながら、相手が動いたところでバックマウントを奪うことが多いです」

――なるほど。ただ、ケージ際でテイクダウンし、立ち上がる相手に対してバックコントロールに入る。それはMMAにおいて定番の展開となっています。ただ、亮我選手の場合は相手が立ち上がる前に、バックマウントを整えている。バッククラブまでの展開が速い。

「やっぱり『殴りたい』という気持ちが強いんですよ。まずは相手の隙を探す。隙があったらポジションを奪って、殴る。そのおかげでバックマウントを奪うまでが速くなっているのかもしれないです」

――いわゆる「今の採点基準」でいうと、一番強いスタイルではないでしょうか。

「そうかもしれないですね。分かりやすく殴っていれば採点でも優位になるし、もちろん最後はフィニッシュしたいです」

――自身の組みの強さに気づいてからも、スタンドの打撃戦をやりたくはならなかったですか。やはり組みよりもスタンドの打撃戦のほうが華やかなイメージはありますし。

「それはメッチャ思いました。でも打撃戦ってリスクがあるじゃないですか。打撃スキルの差が小さいと、相手の攻撃も食らっちゃいますよね。それと比べて組みは実力差が出る。確かにスタンドの打撃戦は華やかやけど、やっぱり確実に勝つほうが良いと思うので。

一番は『組んだほうが強い、でも殴りたい。それやったら、組んで相手を動けへん状態で殴ればエェやん』という気持ちから、『組んで殴る』という融合になりました(笑)。相手を抑えこんでボコボコにしているほうが、圧倒しているようにも見えるし。それだけ圧倒している感じが好きなんですよ」

――なるほど。ゴンズジムには同期デビューの宇藤彰貴選手がいます。宇藤選手は稀有な打撃センスを持っていますよね。

「自分とは真逆なスタイルです(笑)。宇藤は1R数秒でKOしたりとか、本当に凄いですよ。宇藤のファイトスタイルは華やかで、観客を惹きつけるものだと思います。だけどMMAのスタイルは本当に人それぞれで、自分の中でスタイルチェンジに迷いはなかったです」

――同じジムで、ここまでファイトスタイルが異なることも不思議です。

「確かに、みんなスタイルが違いますね。今年プロデビューした中島陸(同じゴンズジム所属ファイター、ムテカツを父に持つ高校生ファイター)も全然スタイルは違いますし。

まず先生が『自分に合ったスタイルで戦うほうが良い』という考えなんですよ。陸の場合は手足が長いので、先生がUFCで似た体型の選手の試合を見せて『こういう戦い方もエェんちゃう?』と言ってくれていました。そうやって先生が選手一人ひとりのことを考えてくれているから、みんなファイトスタイルが違うんじゃないかと思います」

――亮我選手の場合、スタイルチェンジをしながら、どこかでハマッた感覚はありましたか。

「突然じゃなく徐々に、ですね。最初はグラップリングが嫌いやったんですよ。僕はもともと中学生の時にゴンズジムへ入り、一度辞めているんです。またジムに戻ってきた理由は、先生が厳しかったからで」

――先生が厳しかったから戻ってきた、というのは? 厳しかったら離れることのほうが多いと思いますが……。

「僕はあまり人の言うことが聞けない人間やったんです。そんな自分には『怖い存在が必要や』と思って」

――そこで怖い人=ゴンズイ代表であった、と(笑)。

「アハハハ、そうなんですよ。『グラップリングは嫌いやけど、先生の言うことは絶対やから』と自分に思い込ませて練習していたら、いつの間にかグラップリングが楽しくなって。おかげで以前よりは全然マシになりました」

――自分のことを理解し、より厳しい環境に身を置く。それは素晴らしいことだと思います。ちなみにプロキャリアもアマ修斗、新人王トーナメントからインフィニティリーグという、修斗としての王道を歩んでいます。新人王を獲得後、いきなり上位ランカーと試合がしたいとは考えませんでしたか。

「それは無かったです。誰でもいいから試合がしたい。とにかく試合数をこなして上に行きたい、というのが自分の考えです。特にインフィニティだと年間4試合は確定になる。いつ試合があるか分からない状態よりは、そっちのほうが良いと思いました」

――では次に対戦するヤックル真吾選手の印象を教えてください。

「インフィニティリーグの参加メンバーが発表された時は、ランキングは一番上でしたよね。打撃も寝技も巧い、穴が少ない選手というイメージを持っていました。でも以前から『ここは突かれるやろうな』と思っていた穴を、須藤選手に疲れていて(今年5月、須藤が1R19秒でKO勝ち)。須藤選手との試合を視て、脅威に感じることはなくなりました」

――それは同時に、普段の練習から自身のスキルアップを感じることができているからなのでしょうか。

「いえ、練習ではなく試合ですね。強い相手と戦って勝つことで、自分のレベルアップを感じます。どれだけ練習で強くても、それが実戦で出せるかどうかは別ですし」

――インフィニティリーグで他に注視している選手はいますか。

「須藤選手が一番ヤバイんやろうなと思います。打撃は凄いし、組みも確実さが増していて。そう考えると僕と似たところがあるんかな、と。でも負ける気はしないです」

――なるほど。インフィニティリーグを制すると、タイトルマッチも目前となってきます。その先については、どう考えていますか。

「海外で試合をしたいし、RIZINにも出たいです。ただ、一番の目標は『戦い続けること』なんですよ。何よりずっと戦い続けていきたいです。そんななかで僕は先生と一緒に修斗のベルトを巻いて、海外やRIZINからオファーが来るような選手になる。どんどん強い選手と戦って、自分の実力を証明していきたいですね」

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