【写真】打撃で圧倒しろという意見もあるかもしれないが、これだけの幅の広いファイトと寝技への適応力を見せられると──イアン・ギャリーのこれからを追うしかない(C)CAGE WARRIORS
<Cage Warriorsウェルター級王座決定戦/5分5R>
イアン・ギャリー(アイルランド)
Def.3-0:50-44.50-45.50-45
ジャック・グラント(英国)
左ジャブを差し合う両者、グラントの右ストレートをギャリーがサークリングでかわす。ギャリーは左ジャブから左ハイ、この蹴りを顔面に受けたグラントにワンツーの追い打ちから組むと、肩を固めてテイクダウンを奪う。スクランブルでダースを仕掛けたギャリーに対し、立ち上がりながら首を抜いたグラントがワキを潜ってバックに回りスタンドで両足をフックさせる。
ギャリーは前方に落としにいくが、グラントはスロエフ・ストレッチに移行する。左足が伸びながら立ち上がったギャリー、グラントはジャンピングガードからスタンドでエゼキエルもすぐに放して着地する。距離を取り直したギャリーが、グラントのジャブをダックでかわして、右フックやジャブを当てる。
再び組んだグラントはバックに回り、後方に倒れこむと足関節を狙う。正面を向き、グラントはインヴァーテッド・ハーフガードからバタフライガードへ。ガードからコントロールするグラントだったが、最後の10秒で立ち上がったギャリーが重いパウンドを連続で落とし時間となった。
2R、グラントの力の入った右オーバーハンドをかわしたギャリーが、右カーフキック。この一発で姿勢を崩したグラントだが、立ち上がりながら組んでバックに回る。スタンドで背中に乗ったグラントが前方に落とされる。そのままヒザ十字を狙われたギャリーは胸の上に右ヒザをつき、座るようにしてパンチを落とす。
ギャリーはここで正対していくが、グラントが50/50ガードを取る。起き上がったギャリーが強烈なパウンドを落とし、ヒザを抜いてバックをうかがう。すかさずシングルに出たグラントだが、ギャリーがスプロールからダースチョークへ。そのまま引き込んでギャリーが力を入れて絞めるも決めきれず、技を解いてスタンドを選択する。
ジャブを伸ばし、グラントのフックはダッキング、オーバーハンドはスウェイでかわすギャリー。右に回りながらジャブを見せるギャリーが右アッパーから左フック、グラントのワンツーもスウェイで防ぎ、ジャブを連続で入れる。グラントは殴られながら前に出て、右を伸ばす。かわしたギャリーがボディロックに入ると、グラントはジャンピングガードへ。抱き着くグラントのガードを逆手に取ったギャリーが肩固めに入り、ケージに押し込んでいく。リリースしてバックに回ったギャリーは、右腕をキムラグリップに捕らえられる。
左腕を差し入れてキムラを解除するや、ギャリーが右エルボーを打って離れる。ワンツー、左ハイを放ったギャリーは両手を広げて「来い」と笑顔を浮かべるグラントに前蹴り、そしてジャブを当てる。右に回るギャリーを追いかけては、左ジャブを被弾するグラントは顔面が真っ赤の染まっている。そしてパンチは届かず、ワンツーを受け左ハイが顔面をかすめたところで時間となった。
3R、すぐに左ハイを狙ったギャリーは左右に回りながらジャブを入れ、グラントのパンチは食わない。そして右カーフを蹴り、左ハイへ。これはガードしたグラントが、右を初めて届かせる。ギャリーは右カーフ、ジャブ。グラントの左、右も届くようになるが、もろに右ストレートを顔面に打たれる。
それでも前に出るグラントの左フックをかわしたギャリーが、左前蹴りをボディから顔面へ連続で見せて、ワンツーを打ち込む。切れのあるワンツーにも前に出て笑顔を浮かべるグラントの突進もダックでかわしたギャリーは徹底して距離をコントロールし、接近戦としない。ならばとグラントはレベルチェンジからダブルレッグ──結果的に引き込みを選択する。
グラントはミッションコントロールからデッドオーチャード、三角絞め狙いつつ、左足をつかんで腰を切るや腕十字へ。左腕が伸びながらも、胸をそって解除をしたギャリーがエルボーを落とす。グラントはここでXガード狙いも、防いだギャリーは背中をつけて両ヒザを畳んだグラントのスネに胸を合わせると、手を合わせて「おやすみ」のポーズをとる。グラントが後方回転を見せたところで、時間となった。
4R、右カーフを蹴ったギャリーが組んでボディロック。ケージに詰められたグラントのギロチンを防いで離れ、右ローを蹴る。大きく左右に回り間合いを取ったギャリーが上半身の動きでパンチをかわして、ジャブではなく右ストレートを連続でヒット。さらに左ボディストレート、ジャブとケージを背負い、自らのパンチの距離でなくなるとダブルレッグを見せる。
ここは防御するグラントは、前に出て続け左フック。かわそうとしてスリップしたギャリーは、ヒヤッとするシーンにもダブルレッグでクリーンテイクダウンを奪う。起き上がりつつ組みついたグラントが、ケージに押し込むと後方へテイクダウンへ。これを潰してトップを奪ったギャリーに対し、グラントはシングルで組んでいく。スプロールしてスタンドに戻ったギャリーは、左フックをダックアンダーしバックに回り込み、今度は前方にテイクダウン。亀のグラントはキムラグリップから前転、さらに後転でバックを狙ったところでラウンドが終わった。
ハグ&タッチグローブからスタートした最終回。近距離で左ジャブを当てたギャリーが、グラントの右をヘッドムーブでかわす。続いて組んでボディロック、ケージにグラントが押し込む。「おい、戦えよ。動けよ」とグラントが挑発すると、「俺だってそのつもりだ」と答え、肩パンチを連続入れたギャリーが、ボディロックで左腕をさしてテイクダウンへ。スクランブルでバックに回ったギャリーに対し、グラントは前転して足を狙う。左足を引いてスプロール、バックを取ったギャリーは後方からパンチを入れる。
殴られながら足を狙い、すかされたグラントは「I love you」と声を出し、ギャリーも「I love you too」と返しながらパンチを止めない。直後に前転からヒザ十字に入ろうしたグラント、ギャリーは正対して立ち上がる。残り90秒、パス狙いのギャリーにシングルに出たグラントだが、がぶられて動きを止められる。ヒザをワキ腹に入れて立ち上がったギャリーを追いかけて立ち上がったグラントが跳びヒザ、組まれてギロチンへ。
頭を抜かれ、ケージに押し込まれたグラントはバックを取られると、スピニングバックエルボーへ。ギャリーはこれも察知し、頭をかがめると空振りしたグラントが姿勢を乱して転がる。すぐに立ち上がったグラントだが、ジャンピングガードを狙ったところでスラムで叩きつけられる。残り3秒、トップのギャリーがガードを取るグラントにハグをし時間となった。
結果は3-0でギャリーに。新Cage Warriorsウェルター級王者ギャリーの打撃に注目が集まったタイトル戦は、思わぬウェルラウンダーぶりと──それを引き出したグラントのグラウンドでの引き出しの多さに、英国MMAのレベルの高さが十分に感じ取られる一戦となった。
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