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【Pancrase337】これからの世界標準へ。30周年大会でIMMAF王者サロハイディノフがプロデビュー戦

【写真】中央アジアのプロMMAシーンでタジキスタンは、カザフスタン、キルギス、ウズベキスタンに続き第4位というイメージが強いが、IMMAFの世界ではカザフスタンに次ぐ強豪国だ(C)PANCRASE

9月24日(日)に立川市の立川ステージガーデンで開催されるPancrase337=30周年記念大会のカードが、引き続き毎日のように発表されており、現時点の決定カードをまとめておきたい。

藤田大×住村竜市朗のウェルター級戦、ストロー級では黒澤亮平×八田亮、平田直樹×遠藤来生のフェザー級、バンタム級=矢澤諒×笹晋久、女子ストロー級のKAREN×高本千代戦、ライト級の余勇利×神谷大智と軽量級から中量級へと各階級のマッチアップが決まっているなか──本日2日(水)に海外勢としてムハンマド・サロハイディノフの参戦が決まった。

タジキスタン人ファイターのサロハイディノフは今年の2月にセルビアのベオグラードで行われた2022年IMMAF世界大会のフライ級王者で、今回がプロデビュー戦となる。


IMMAFの世界王者の注目株は、バーレーン王国のKHKスポーツという共通の親会社を持つBRAVE CFでデビューすること多く、IMMAF世界大会3連覇のラマザン・ギチノフも6月のBRAVE CF71でのプロ初戦を115秒ダースチョークで飾っている。

そんななかサロハイディノフがパンクラス30周年記念大会でデビューというのは、同世界大会を視察したパンクラス福井幸和代表のJMMAF→IMMAF路線の強化への強い想いが形となったといえる。サロハイディノフの対戦相手はまだ決定していないが、IMMAFといえば、山口怜臣のプロデビュー戦も今大会で組まれることも決まっている。同じくプロ初陣の安藤武尊と戦う山口は、2018年と2019年のIMMF世界ジュニアで準優勝。この2つの銀メダルは、決勝で2度とも現UFCファイターのムハマド・モカエフに敗れた結果だ。

タイを拠点にIMMAFでカザフスタン、エクアドル、レバノン、イタリア、バーレーン、メキシコ、豪州人ファイターと国際戦を経験している山口は、2月の世界大会に最後のIMMAF出場と決めて挑むも、初戦で勝利した後に古傷の再発で2回戦を棄権という悔しい想いをしている。7カ月の経て、プロとして新たなMMAファイター人生を歩み始める山口。J-MMA界では過去にないアマ生活を送ってきただけに、国内のアマMMAで結果を残してプロとなった安藤との対戦は、自身のキャリアを肯定するためにギチノフやマカエフばりの圧勝を期しているに違いないだろう。

またライト級では4月の立川大会で岡野裕城を破った松岡嵩志が葛西和希と戦うことも決まっている。松岡は5位にランクされ、葛西は6位だが昨年までの期待値は後者の方が前者を上回っていたといっても過言でない。そんななかで元HEAT王者にしっかりとやるべきことをやり切って勝った松岡が、葛西を相手にきっちりと勝てば、さらに上を目指せる試金石となる一戦。対して葛西は、タイトル戦線再浮上を目指すだけでなく、周囲の期待値を維持するという点においてもキャリアの左右する戦いとなる。

なお、同大会では上記カード以外にプレリミ・ウェルター級で、佐藤生虎×渡邉ショーン戦も決定している。

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【BRAVE CF72】メイン以外でIMMAF&ダゲスタンレッスル=マゴメドフ、散打のモハンマドセイフィに注目!!

【写真】ロシアと中央アジアの対戦、世界に通じるファイトが見られる (C)BRAE CF

23日(金・現地時間)、今から約7時間後にバーレーンはリーファのバーレーン・ナショナルスタジアムでBRAVE CF72が開催される。

19日(月・同)にBRAVE CF71を終え、4日間のインターバルで開かれる今大会は、その前回大会のメインでキルギスのイリャ・アスカノフを破った──ウクライナのオマール・ソロモノフが既に次期挑戦者に決まっているフェザー級のタイトルマッチが組まれている。

元M-1ライト級王者で、UFC参戦も1試合でリリースされたロマン・ボガトフは中東を再出発の地とし、昨年10月に韓国のキム・テキュンを破り、BRAVE CFフェザー級の頂点に立った。対してキルギスからのチャレンジャー=ネマット・アブドラシトフは母国のWEF、そしてACBなどでキャリアを積み、王者と同様にBRAVE CFでは3連勝中で挑戦権を手にした。


両者、組みの強いウェルランダーだが、よりレスリング色が強かったアブドラシトフがBRAVEで戦うようになってから、全面的に打撃を武器に戦ってきており、ここ一番まで組まない展開も考えられる。

王者ボガトフとしては蹴りを織り交ぜたファイトで、まずはジェネラルシップはリードしたい。一本勝ちが多い両者だが、その防御力が問われつつ──かなりの接戦が見込まれるBRAVE CFフェザー級選手権試合だ。

また月曜日の大会ではアマMMA最強ラマザン・ギチノフが完勝でプロデビューを飾ったが、今回もバーレーン国旗を掲げIMMAFで2度の世界チャンピオンになっているダゲスタン人レスラー=ラスル・マゴメドフが、プロ初陣をエジプトのモハメド・ヒシャム・バラカ相手に行う。

アマMMA13連勝のマゴメドフだが、彼の前歴で最も目を引くのがフリースタイルレスリングで、リオ金&東京で銀のカイル・スナイダーに土をつけたことだ。

ロシア代表として国際的な舞台で活躍することはできなったマゴメドフだが、ダゲスタンがロシア代表とは別に代表チームを送り込むことできるイヴァン・ヤリギン国際(※ミュウヘン&モントリオールの100キロ級金メダリストで、1997年に交通事故で逝去したソ連を代表するフリースタイルレスラー。ロシア・レスリング協会の要人として、クラスノヤルスクでの世界大会開催に尽力を尽くした)で、マゴメドフはスナイダーの破っっている。

カレッジでもNCAA D1を3度制しているスナイダーのシングルレッグに対し、マゴメドフは俵返しの要領で後方に投げて4Pを獲得。その後はスナイダーに5-5まで追い上げらられが、残り10秒を切りマット際に追いやられた状態から切り返し、逆に場外に押し出して殊勲の白星を挙げている。

そのマゴメドフ、IMMAF時代のMMAではボクシング・スタンスでもほぼ自ら打撃戦を仕掛けることはなかった。距離が合えば組んでテイクダウンから徹底したトップコントロール&パウンド、それがマゴメドフの勝ちパターンだ。そのパウンドも少なく、マウントをしっかりと取ってから殴るという超堅実的な戦いをしてきた。

恐らくはマゴメドフは今夜の試合でもIMMAF時代と同じ、組み立て方で戦うことはまず間違いないだろうが──果たして、どのようなインパクトを残すことができるのか必見だ。

またライト級でヌール・エル・イスラムとBRAVE CF3戦目を戦うモーセン・モハンマドセイフィも注目したい。

プロMMA戦績は2勝2敗のモハンマドセイフィだが、散打の世界では最も成功を収めた格闘家の1人で、BRAVEのモハンマド・シャヒド代表は「散打界のクリスチアーノ・ロナウド」を称している。

武術散打の世界大会を制すること5度、優勝を逃した年も銀メダルを獲得しているモハンマドセイフィは、アジアンゲームスで3度、アジア大会は1度、さらにワールドカップで3度優勝という輝かしい実績を残している。

MMAにおいては蹴り中心でなく、右クロスなど拳の勝負もできるようになった。こうなると散打時代に数々の成功を収めてきたパンチとシングルレッグのコンビネーションも、MMAで生きてくる。

メインの世界以外に、MMAではグリーンでも他の競技で世界レベルになった両者の試合も見逃せない大会となる。

■視聴方法(予定)
6月24日(土・日本時間)
午前0時00分~ DAZN

■BRAVE CF72計量結果

<BRAVE CFフェザー級選手権試合/5分5R>
[王者]ロマン・ボガトフ:65.7キロ
[挑戦者]ネマット・アブドラシトフ:65.8キロ

<フライ級/5分3R>
マゴメド・イドリソフ:57.2キロ
ビジナ・ガヴァシェリシビリ:57.2キロ

<フェザー級/5分3R>
ヤニス・ゲムモウリ:66.0キロ
マフモッシュ・ラーザ:66.2キロ

<ライト級/5分3R>
オルジャス・エスカラエフ:70.7キロ
イリアス・ジボウ:70.8キロ

<スーパーウェルター級/5分3R>
エリゼ・クボンザ:79.0キロ
ラヤン・アトマニ:77.9キロ

<ライトヘビー級/5分3R>
ラスル・マゴメドフ:93.3キロ
モハメド・ヒシャム・バラカ:91.5キロ

<ライト級/5分3R>
モーセン・モハンマドセイフィ:70.8キロ
ヌール・エル・イスラム:70.2キロ

<フライ級/5分3R>
ムハンマド・アルサミア:56.2キロ
イブラヒム・ハッサン:56.9キロ

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【BRAVE CF71】3度のIMMAF世界王者ラマザン・ギチノフ、プロ初陣は得意のアナコンダで相手を落とす

【写真】いえばアマ時代と同じ戦い方で、デビュー戦を制したギチノフ(C)BRAVE CF

<ライト級/5分3R>
ラマザン・ギチノフ(バーレーン)
Def.1R1分55秒by アナコンダチョーク
アブダラハマン・イラシディ(モロッコ)

注目のIMMAF世界王者✖3=ギチノフのデビュー戦。左手をマットについて、腰を落とした構えから左の蹴りを見せたイラシディ。続いて後ろ回し蹴り、さらにカーフを蹴るが、ギチノフはカットする。ギチノフは続くイラシディのカーフをキャッチして、即バックへ。ボディロックでスラムしマウントを取ったギチノフが、ケージキックからスクランブルしたイラシディを得意のアナコンダで捉える。

暴れるイラシディをガードの中に収めたギチノフ。やがてイラシディが落ち、一方的な展開でプロ初陣を飾った。「プロでも成功を収められると信じている。彼が落ちたことが分かって、レフェリーに伝えたんだ。次? 少しでも早く試合がしたい」と勝者は話した。


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