<フェザー級/5分3R>
モチャメド・マカエフ(オーストリア)
Def.3-0:30-27.30-27.30-27
シェイブ・ユセフ(英国)
長身のユセフに対し、マカエフが左右のフックを振るい左ジャブにローに合わせる。ジャブから右ハイを蹴っていったマカエフが、ジャブをヒット。続いて右ストレートから左ハイを繰り出すなど序盤からアグレッシブなマカエフに対し、ユセフは右ローを蹴っていく。ユセフはシングルレッグからケージにマカエフを押し込み左エルボーを見せる。
金網から離れたマカエフ、ユセフは左に回る。右カーフで体がよれたユセフが再びシングルレッグも、マカエフが足を抜く。左ミドル、左ボディを入れたユセフに対し、マカエフはダブルレッグで組みつきバックに回る。後方から足を払ってテイクダウンを狙うマカエフが、太腿にヒザを打ち続ける。さらに脹脛を蹴り、後方に寝転んで寝技に持ち込もうとする。その勢いで後方に回り立ち上がったユセフだが、マカエフはバックコントロールを続けており、豪快なバックスロ―で投げる。マカエフがバックコントロールのままラウンド終了を迎えた。
2R、ローの蹴り合いからジャブの差し合いを経て、ユセフがダブルでジャブを入れるとミドルを決める。組みついたマカエフは大きくリフトしてスラム、ユセフがクローズドガードを取る。ユセフは三角狙いから、腰を切って腕十字の機会を伺う。正対したマカエフは、右手首を取られ、これを振り払うとエルボーを打ちつける。足を一本抜いたマカエフだが、右腕を差したユセフはバックに回らせずスタンドへ。
直後にユセフが跳びヒザへ。距離が近ずくと、組み合いのなかでユセフのヒザがマカエフの顔面を捕える。マカエフはエルボーを返し、右フックもケージに押し込まれる。いなして中央を取り直したマカエフだったが、打撃の距離ではユセフが左ジャブ、右ロー、左フックと攻勢に出る。ならばとマカエフはダブルレッグでテイクダウン、スクランブルをがぶって潰し、ネッククランクから上を取り切る。背中をマットにつけたユセフは三角絞めを凌がれ、時間を迎えた。
打撃で攻勢のユセフだが、テイクダウンを取られる数が多く──逆転にはスタンドをキープする必要がある最終回──開始と同時にパンチを振るっていったマカエフは、タッチグローブをしようとしていたユセフにハグをして謝る。両者が離れ改めて、最後の5分間に臨む。
直後にマカエフはダブルレッグでテイクダウンを決め、スクランブルでバックへ。スラムから、立ち上がったユセフのバックを取り続けるマカエフはスイッチにも、肩に担ぎあげてスラム。倒され、バックを譲ってスタンドという状況が続くユセフは、後方に倒れ込んだマカエフに対し、ヒザ十字を狙う。すぐに足を引いて背中に回ったマカエフは腰をコントロールし、立たせては崩すという攻めを続ける。
ヒザ裏を蹴り、寝技を狙ったマカエフに対し、ユセフはここで胸を合わせることに成功し、初めてトップに。パウンドを打ち、スクランブルでバックを狙ったユセフだが、前方に落とされる。ここでバックに回ったマカエフは、再びヒザ裏を蹴り後方に倒れこんで寝技へ。
ついに両足をフックしたマカエフが、バックグラブに持ち込むとRNCを狙う。ユセフは手首を掴んで防ぎ、後方にパンチを打っていく。マカエフは股間の下でユセフを泳がせ、マウントへ。エルボーを被弾したユセフが腰を押して、スペースを作るとスクランブル。マカエフはバックを取り、持ち上げてスラムして試合を締めた。結果、ジャッジは3者とも30-27でマカエフを支持。
注目の新鋭対決をレスリング力で制したマカエフは「10連勝できて、エキサイトしている。でも絶対的にこんなものじゃない。僕はもっとできる。試合はどうなるか誰にも分からない。打撃じゃないけど、ずっとコントロールできた。ダメージを受けず、スマートに戦いたいんだ。これでフェザー級のナンバーワン・タイトルコンテンダーになっただろう。タイトルに挑戦したい。1カ月前の試合から家に戻らず、ストックホルムに来て調整していたからコンディションは良かった。ただ、ベルトが欲しい」と勝利者インタビューで話した。