【写真】次世代の台頭をしっかりと跳ね返したプレギーサ (C)CALOR HABER/BJJ STARS
6日(土・現地時間)、ブラジル・サンパウロでプロ柔術大会BJJ Stars05が開催された。道着とヒール解禁IBJJFノーギルールが用いられたスーパーファイトと、道着の8人制ワンデー・トーナメントが組まれた今大会。レポート最終回はヘビー級トーナメント決勝の模様をお伝えしたい。
Text by Isamu Horiuchi
<ヘビー級GP決勝/7分1R>
フィリッピ・ペナ(ブラジル)
Def. by 2-0
グーテンベルギ・ペレイラ(ブラジル)
初戦でルイス。パンザをギロチンで破り、準決勝ではエリッキ・ムニスをP2-2、A3-1で下したフィリッピ・ペナ・プレギーサと、初戦でニコラス・マレガリ(※アドバン5-0で勝利)、セミファイナルでルーカス・バルボーザ(※レフェリー判定)で黒帯ムンジアル王者を連破した新鋭グーテンベルギ・ペレイラが決勝を戦った。
距離を取って様子を見る両者。一度ペレイラが引き込みを狙うが、ペナが嫌う。やがて、逆にペナが素早く飛び込むように引き込みに成功。ハーフから体をずらすと、立ち上がったペレイラの両足首のズボンを掴み、股間に両足を絡ませて後ろに崩して尻餅を付けさせた。
さらにペナは、ペレイラの右足首を掴んで回転してのスイープを連続してしかけてゆく。が、ペレイラは長い手足を利用して巧みにバランスを保ち続ける。やがてペナの絡む足を押し下げて大股にステップしたペレイラは、一瞬ペナの頭側に回ることに成功。すぐに正対したペナだが、ペレイラにアドバンテージが与えられた。一回戦でスーパーヘビー級世界王者ニコラス・メレガリのオープンガードを完封したペレイラは、ペナのスイープにも見事に対処して攻勢に転じたのだった。
その後、ペレイラはペナの足を押し下げてプレッシャーをかけるが、ペナも足を効かせて対処すると、再びペレイラの両足首を掴んで尻餅を付けせる。ダブルガードの状態で両足が絡んだ両者だが、ここでペナが体を起こして2点を先取した。
そのまま足の絡みを解きながら横にパスを狙うペナ。ペレイラがスクランブルしてきたところで、巧みに距離を取って立ち上がり、ペナはさらにアドバンテージも追加。2点リードでスタンド再開に持ち込んでみせた。
残り2分。負けているペレイラは、引き込むとすぐにベリンボロを仕掛ける。が、長い足を全開にしてバランスを保ったペナは、絡まれている足を抜きながら上四方の方向へパス。ペレイラはなんとかスクランブルを試みるが、ペナは上からペレイラの股間をクラッチしてそれを許さない。残り時間が過ぎてゆくなか、ペレイラが渾身の力を込めて動いたところで、両者は場外へ。
残り20秒。ペレイラは引き込んで潜りを仕掛けるが、ペナは巧みに上を保って試合終了。世界最高峰の重量級強豪がズラリと揃ったGPを制したペナは、優勝決定の瞬間歓喜の叫び声を上げた。
新鋭ペレイラ、世界王者3タテならず──。見事なボディバランスとプレッシャーをもってペナのスイープ攻勢に対処し、先制のアドバンテージを得たペレイラだったが、上を取ったところで巧みに流れを切ったペナのポイントメイク術が上回った。
だがこの日、メレガリ、バルボーザという両世界王者を下したペレイラが、未来の世界最強候補としてその存在を強烈に示したことに疑いはない。一回戦でエルベース・サントスに競り勝ったエリキ・ムニスの活躍も合わせて、今後の新世代の台頭が俄然楽しみとなる今回のGPだった。
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