【写真】タイトル戦線の復活は9月から。南北米大陸からの参戦はいつになるか(C) ACA
3月に新型コロナウィルス感染拡大を受け、3月から4月にかけて開催予定だった2大会の開催日時変更と1大会の延期を決定していたACAの再開後のスケジュールが固まりつつある。
ACA106はもともと3月27日にロシア・サンクトペテルスブルクで行われる予定だったが、その時点で8月21日(金・現地時間)に日程変更がなされていた。また4月3日(金・同)のモスクワ大会は7月24日(金・同)に、同24日のポーランド・ワルシャワ大会のみ延期がアナウンスされていた。
その後、ロシアではミハイル・ミシュチン首相、ウラジミール・ヤクシュク建設大臣の感染が明らかになり、ロシア・プレミアリーグ所属のサッカー選手が死亡するという痛ましいニュースも伝わって来ていた。それでもプーチン大統領は、5月11日にロックダウンを解除に踏み切り、現状でも1日で数千人という単位で感染者が見つかるような状態だ。
これまでの感染者数は59万人以上で米国、ブラジルに次ぐ状態のロシア。それでも6月19日にプレミアリーグが再開──も、FCトストフなどは主要メンバーの6人が陽性反応が出ておりトップチーム全体が隔離状態で、代わりにユースチームがゲームに臨み、大敗を喫するという混乱を見せている。
まるで終息が見えない状況のなか、ACAでは一旦ACA106を7月11日(土・同)に行うことを明らかにしたが、14日(火・同)にサンクトペテルスブルクのシフール・アリーナ開催に再々度切り替えた。その一方でモスクワ大会は、3月のアナウンスと変わらず24日(金・同)にVTBアリーナでACA107として実施される。
さらに8月8日(土・同)=ACA108、9月5日(土・同)には109ではなく……なぜかACA110を開催地非公開で行うことを公式SNSで発表している。
ACA106のメインはアルテム・フロロフイブラヒム・マガオメドフのミドル級&ロシア人対決。同大会では南アフリカからマーク・ホルムが出場しアレクセイ・コシチンと戦うが、彼以外の外国勢はアルメニア、ウクライナ、ベラルーシ、キルギス、タジキスタン、カザフスタンと旧ソ連の国に限られている。
またロシア勢もトップどころの出場がないACA106と比べると、ACA107はグレードアップがなされ、メインではエメリヤーエンコ・アレキサンダーがマゴメド・イスマイロフと戦い、ウェルター級の強豪アブバカル・バガエフ、バンタム級ではUFC帰りのマゴメド・ビブラトフとタイトル・コンテンダーのオレッグ・ボリゾフが揃い踏み、フェザー級でもアンドレイ・ゴンチャロフとモスクワ大会らしい実力者が集まった陣容となっている。
8月のACA108はまだカードが出揃っていないが、元ACB暫定ライト級王者エドゥアルド・ヴァルタニャンが、PFL帰りのラシッド・マゴメドフと対戦。フェザー級ではArzaletベテランのドミトリ・パブルチェンコの名前も確認できる。
9月に入ると──現時点では──さらにカードは充実し、9月5日に元ACBフェザー級王者でライト級に転向したユーサップ・ライソフが、カザフスタンのアルテム・ラズニコフと対戦。ACB~ACAとライト級王者となったアリ・バゴフが2階級制覇を狙いウェルター級王座を賭け、ムラッド・アブドゥラエフとのマッチアップ。
さらに9月11日にはACB時代にバゴフにベルトを譲ったアブドゥルアジス・アブドゥルバクヘヴァが、タイガー・サルナルスキーと──バゴフが返上したベルトを賭けて戦うという流れになっている。
これらの大会は米国、ブラジル勢の出場は現時点でなく旧ソ連最強決定戦の様相を呈しているウィズ・コロナのACAだ。