UFC Fighter Removed From The Roster 48 Hours After Win(Forbes)
Alexander Romanov(Sherdog)
『UFC Fight Night 246: Moreno vs. Albazi』でホドリゴ・ナシメントに勝利したアレクサンダー・ロマノフがロースターから外されたとのこと。契約途中でクビになったわけではなく、契約満了によるものだそうです。ロマノフは再契約を望んでいるとのことですが、状況は厳しそうです。続きを読む・・・
【写真】キャリア11勝3敗。7つのKO勝ちと3つの一本勝ち。24歳のスウェーデン在住アルバニア人ファイターのソパイ(C)Zuffa/UFC
9日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXでUFN247:UFN on ESPN+106「Magny vs Prates」が開催され、コメインでベルナルド・ソパイがTUF29ウィナーのリッキー・トゥルシオスと対戦する。
Text by Manabu Takashima
コディ・ガーブラントの負傷欠場でマイルス・ジョンズ戦が流れ、コメインに昇格となった一戦はソパイにとってオクタゴン2戦目になる。2020年、世界がコロナ禍にあった際にUFC、Titan FC、LFAという北米のプロモーションと並びBRAVE CFがいち早く活動を再開、ルーマニア大会を経て8月にスウェーデンはストックホルムで集中開催をした時にザ・ライオン・キングの異名とともにプロモーションからプッシュされたソパイだったが、翌年にフランチェスコ・ヌッツィにスプリット判定負けをすると、バーレーン王国直轄のMMAプロモーションを離れ、スウェーデンのローカルプロモーションでバンタム級二冠に輝いた。
ショートノーティス出場のUFCデビュー戦は、同じく中東UAEWからオクタゴンにステップアップを果たしたヴィニシウス・オリヴェイラ戦は序盤の優勢から失速し、逆転KO負けを喫した。
あれから8カ月、満を持しての世界最高峰2戦目に臨むソパイに初インタビューを試みた。
──ベルナルドの試合を初めてチェックしたのは、コロナ禍のBRAVE CF38でした。スウェーデン大会に出ていたスロックホルム在住のアルバニア人ファイターという触れ込みでしたが、同地にはバルカン諸国からの移民も少なくありません。ベルナルドもアルバニア移民だったのですか。
「僕が生まれ育ったアルバニアを離れたのは、7歳の時だった。でも移り住んだ国はスウェーデンではなく、ギリシャだったんだ。アテネの学校に通い、17歳の時からスウェーデンを拠点にしている。家族がアルバニアを離れたのは、より良い生活を求めてのことだよ。その判断は間違っていなかった。でも僕はその家族と離れ、より良い練習環境を求めてストックホルムに向かいオールスターズ・トレーニングセンターでMMAの練習をするようになったんだ」
──17歳の時に1人でストックホルムへ!! ということは、もともとはギリシャでMMAを始めたということになりますね。
「13歳の時にMMAを始めた。それまで格闘技の経験はなかったよ。サッカーに夢中だったから。でも所属クラブの代表がチームを離れて、サッカーができなくなかってしまったんだ。それから数カ月間は学校と家を行き来するだけで、何もスポーツはやっていなかった。そんな時に友人から『MMAの練習をしよう』と誘われたんだ。
でも当時はMMAが何かも知らなかった。ギリシャでは、MMAは殆ど知られていなかったから。だから誘いに乗ることもなかった。でも、その友人は結構しつこくて(笑)。2カ月もの間、ずっと僕に声をかけ続けてきたんだ。『これは1度は行かないと、諦めないな』って思った。だから1度だけジムに行くことにしたんだ。そうしたら、もう夢中になってしまって(笑)。自分がそんな風になるとは、全く思っていなかったよ。それから毎日、ジムに通うようになったんだ」
──ギリシャに、MMAに夢中になれる環境があったことが驚きです。
「悪くなかったよ。実際、僕はギリシャで7試合を戦っている。全てプロの試合だ」
──17歳でスウェーデンに移り住んだベルナルドが、ギリシャでプロMMAの経験があるというのは……。
「僕は15歳の時に初めて、プロMMAで戦ったんだ(笑)。ほとんどの国では18歳になる前にはプロのMMAを戦うことはできない。実際にスウェーデンがそうだった。でも、ギリシャはそんなことはなかったんだ(笑)。
ただキャリアを積んでいくにしたがって、より良い練習環境を求めるようになった。試しにスウェーデンに向かいオールスターズ・ジムで練習をした。結果、そのままストックホルムに住みつくことになった。僕にとって最高の練習環境だったよ。それにコーチも僕のことを気に入ってくれた。今もオールスターズ・ジムは世界でベストのジムだと思っている」
──BRAVE CFでは期待の新鋭としてスポットが当てられていましたが、フランチェスコ・ヌッツィに敗れると中東のプロモーションを離れました。なのでUFCのラインアップで、ベルナルドの名を目にした時は凄く驚きました。
「ちょうどマイアミで練習をしていた時に、UFCから声が掛ったんだ。4日間のショートノーティスでの出場だけど、4試合契約が提示された。そりゃあUFCとサインするよね」
──なるほど。ヴィニシウス・オリヴェイラ戦は初回にマウントを奪うなど、超アグレッシブなファイトで優勢でした。しかし2Rに形勢逆転されたのはショートノーティスでの出場が関係していたのですか。
「もちろん。体調は正直良くなかった。だから初回から全力で戦ったんだ」
──UFC初陣から8カ月も試合間隔が空きました。そして、この間にはスウェーデンの所属ジムが主催のAllstars Fight Nightで戦う予定だったという戦績も見受けられます。
「あぁ、あれは違うよ。UFCとサインする前にAllstars FNで戦うことが決まっていたから、その記述が残っているだけで。UFCとはもちろん複数契約だったし、初戦の1週間後に試合に出られるわけがない。プロモーションのPRだけが残っている形なんだ」
──なるほどです。良く理解できました。では今回のリッキー・トゥルシオス戦ですが、TUFウィナーに対しどのような印象を持っていますか。
「良い選手だよ。スクランブルが強い。戦闘意欲が高いところも気に入っているよ。でも僕は3月の試合の時とは、違う。コンディションが全く違うんだ。スタミナもストレングスも、5分5Rでも構わないぐらい仕上げてきた。今回は自分が戦いができる状態になっている。ファイトキャンプは最高だったし、準備はできているよ。
前回の試合でファイト・オブ・ザ・ナイトのボーナスをもらったけど、リッキーとの試合では打撃、レスリング、グラウントと全てにおいて全く違う動きをするから期待してほしい」
──では本当のベルナルド・ソパイとして、どのような試合をファンに見せたいと考えていますか。
「打撃かな、一番は。そこを見て欲しい。僕はオールラウンド・ファイターだけど、打撃はグラップリングより得意だ。打撃なら負けない。でも寝技もレスリングも全く問題ない。どの局面でも、勝つことができる。
リッキーには、レベルの違いを見せつけたい。僕はもっとハイレベルなファイターだ。それを今回の試合で、皆に分かってもらえるように戦うよ」
──ところでUFCバンタム級には中村倫也選手と、風間敏臣選手という2人の日本人ファイターが戦っています。彼らのことは、もうリサーチ済みでしょうか。
「ナカムラ……なんだったっけ? あのキプロスのハラランボス・グリゴリユに三角絞めで勝った選手だっけ?」
──それは風間選手ですね。
「ああ、カザマの試合は見たよ」
──ギリシャ語圏のキプロス人ファイター、ハラランボスが気になったからのように思います(笑)。
「その通りだ(笑)。でもカザマは強いハートの持ち主だった。ダウンをしても諦めずに、タップを奪った。良いファイターだよ。でも、僕のレベルじゃないね」
──その言葉で日本のファンは、ベルナルドをより注目するでしょうね(笑)。
「承知した(笑)。しっかりとリッキー・トゥルシオスをドミネイトし、つけいる隙を与えない。そして、その瞬間がやってきたらフィニッシュする。だから日本のファンも、僕の試合をしっかりと見て欲しい」
■視聴方法(予定)
11月10日(日・日本時間)
午前6 時00分~UFC FIGHT PASS
午前5時45分~U-NEXT
■UFN247対戦カード
<ウェルター級/5分5R>
ニール・マグニー(米国)
カルロス・プラチス(ブラジル)
<バンタム級/5分3R>
リッキー・トゥルシオス(米国)
ベルナルド・ソパイ(アルバニア)
<ミドル級/5分3R>
ジェラルド・マーシャート(米国)
ライニエ・デリダー(オランダ)
<女子ストロー級/5分3R>
ルアナ・ピネイロ(ブラジル)
ジリアン・ロバートソン(カナダ)
<ミドル級/5分3R>
マンスール・アブドゥルマリク(米国)
ドゥスコ・トドロビッチ(セルビア)
<女子ストロー級/5分3R>
カロリーナ・コバケビッチ(ポーランド)
デニージ・ゴミス(ブラジル)
<バンタム級/5分3R>
コーテヴィアス・ロミアス(米国)
ガストン・ボラノス(ペルー)
<ウェルター級/5分3R>
エリゼウ・カポエイラ(ブラジル)
ザック・スクローギン(米国)
<ウェルター級/5分3R>
チャールズ・ラドキー(米国)
マシュー・セメルスバーガー(米国)
<バンタム級/5分3R>
コディ・ステーマン(米国)
デモン・ブラックシアー(米国)
<ミドル級/5分3R>
トレシャン・ゴア(米国)
アントニオ・トロッコリ(ブラジル)
<女子バンタム級/5分3R>
メリッサ・トーニャ・モリンス(英国)
クラウディア・セグーワ(米国)
UFC 309 Jon Jones vs Stipe Miocic is getting worse & worse as we knows Jones & Stipe are most likely to retire instead of fighting Tom Aspinall. We also discuss speculation growing that Charles Oliveira vs Michael Chandler is cancelled and off the card. I also discuss Nikita Krylov vs Azamat Murzakanov being cancelled as well.
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細川 バレンタイン
元プロボクサー
第40代日本スーパーライト級王者
1981年にナイジェリア人の父、日本人の母から生まれる
出生地は宮崎県だが、7歳まではナイジェリアで育つ
7歳から15歳までは祖父祖母の元、宮崎県で生活
15歳からナイジェリアに戻ったが、20歳で再び来日し上京
2006年24歳でボクシングプロデビュー
外資系金融機関で営業マンを務める傍ら
2017年に日本王座獲得
2018年金融機関を退職し
VALENTINE PROMOTIONSを設立
不動産事業、宿泊事業を手掛けている
2021年7月に現役引退
細川バレンタインの類稀なトークスキルと
複雑な生育過程の経験、
そして会社経営者としての視点を活かした
ビジネス系、教育系のエンタメYouTubeチャンネルです。
パンチの打ち方などを解説するつもりはありません。
完全にトーク番組なので、ラジオ的にもお楽しみください。
チャンネルの共同管理、
撮影・編集・インタビュアー:QP ( 堤航治 )
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2024年10月5日
ジェロム・レ・バンナ vs K-Jee K-1 WORLD GP 2024
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【写真】もう11年も太平洋、時には赤道を越えて、赤道付近まで戻るという遠征をしてきたアドリアーノだからこそ──という言葉が訊かれた(C)MMAPLANET
9 日(土・現地時間)、タイはバンコクのルンピニー・スタジアムで開催されるONE169で元ONE世界フライ級王者アドリアーノ・モライシュが、昨年5月のDJ戦以来18カ月振りとなる戦線復帰でダニー・キンガドと戦う。
Text by Manabu Takashima
1年半振りの試合に向け、ONEでの現役生活も11年を数えるようになった元世界チャンピオンは、ここ数年のONEの変化を敏感に感じ取り、気持ちが途切れたこともあったと振り返る。
しかし、今年の6月の長女の誕生とともにやる気を取り戻したアドリアーノの心境とは。そしてATTチームメイト、アレッシャンドリ・パントージャと朝倉海のUFC世界フライ級選手権試合に関して、チームメイトとして見立てとは?
──アドリアーノ、お久しぶりです。調子はいかがですか。
「本当に久しぶりだよね。今は計量にむけて、体重の調整に入っているけど調子は上々だよ。この間もトレーニングを欠かすことはなかった。そして、家族と一緒の時間を過ごした。チームメイト、家族、皆が支えてくれて今を迎えている。凄くワクワクしているよ」
──その久しぶりというのも今回は18カ月振りの試合だから、ということもあります。ここまで試合間隔が空いたのは何か理由があったのでしょうか。
「ノー。ずっとONEに試合がしたいと伝えていたけど、今回まで実現しなかっただけだ」
──この2年ほど、ONEは明らかにキックやムエタイ、そしてサブミッショングラップリングに力を入れています。アドリアーノにもキックやグラップリングの試合のオファーはなかったのでしょうか。
「そこは……ちょっとね、ビックリさせられているよ。MMAは打撃とグラップリングの複合競技だ。そのMMAの根幹を引き裂いて、MMAファイターにどちらかの試合をさせようというのは……。僕らは打撃は打撃、組み技は組み技ということでストライキングやグラップリングのトレーニングをしているわけじゃない。
それでも僕はプロとして、契約下にあるのだからONEのために戦いたいと思っている。短期間でなく長い目で見てONEとやってきたのだから、僕は僕の役割を果たし金を稼ぐんだ(笑)」
──プロモーションとして必要なのでしょうが、世界的に見てネームバリューのあるMMAファイターを他競技に投入し、本職に敗れる姿を見るのは悲しいことです。
「MMAファンは悲しむよ。個人的にキックやムエタイの試合を見ることも好きだけど、戦うならMMAだ。MMAを戦うために、練習してきたのだから」
──そんななか9月にDJが引退を発表しました。彼がいなくなったことはONEで現役生活を全うしているアドリアーノの気持ちの部分に影響を与えないですか。
「3度目の試合が勝ち負けに関係なく、内容が良くなかった。だから、DJと戦う機会が永遠に失われたことは残念に思う。特に僕は試合にも負けたし、もっと積極的なアクションのある戦いをDJともう1度繰り広げたかったよ。
と同時にDJが全てをやり切って、引退を決意したことを祝福したい。全てをやり切ったレジェンドが、身を引く決意をした。その決断をリスペクトしているし、DJが決めたことだから正しいタイミングだったと思っている。でも、僕がベルトを取り戻すとDJも戻って来るんじゃないかな(笑)」
──なるほどです(笑)。DJと同様に、アドリアーノもMMAファイターとしてやり切ったと感じる年齢になりつつあると思います。DJが去った今、どのようなモチベーションを持って戦いの場に戻ってきたのでしょうか。
「そこはDJの引退云々でなく、6月に娘が生まれたことが一番大きいね」
──おお、それはおめでとうございます。
「ありがとう。彼女の誕生が、過去になかったモチベーションを僕に与えてくれた。実は試合がしたいと思っても、なかなかその機会が与えられないできた間は、もうどうでも良いやという投げやりな気持ちになることもあった。
ONEのMMAのなかでも、特にフライ級の試合は少ないと感じていたし。タイトル戦線も動かない。そりゃあ、やる気が削がれたよ。でも、娘が生まれて僕の心に再び火がついた。まだ契約が残っている。なら、やってやろうという気持ちになったんだ。
肉体的にも衰えはないし、そこに精神が融合すると今の僕は20代の時と何ら変わりない。大きなケガもないし、手術をしたこともない。同時に35歳になって、あと何年戦うことができるのか自分でも分からない。でも少なくとも契約が満了になるまでは、強い気持ちを持って戦い続けることができる。なにより、今回の試合でも娘が僕の力の根源になっていることは間違いないよ」
──娘さんがパパは何をやっているのかを理解できるようになるまで、アドリアーノには戦い続けてほしいです。
「そうだね。彼女が誇ることができる父でいたい。そうなるためにも、僕は気持ちを込めて戦い続ける」
──そのようななか7年前に戦ったダニー・キンガドと戦うことに関しては、何か想うところはありますか。
「そこに関しては、良い試合が組まれたと思っているよ。
僕もダニーも7年前とは別人だ。お互いが成長してきた。ダニーは今も変わらずパワフルなパンチとキックを使う。何よりグラップリング面での成長は目を見張るものがある。それでも、僕の方がまだ彼の前を行っている。技術的に僕の方が上だし、しっかりとフィニッシュしたい」
──ではリングでの試合をどのように考えていますか。
「リングとケージで、MMAが違うスポーツになるとは思っていない。でもアジャストが必要なのは絶対だ。ケージコントロールができないことは、大きい。それでもコーナーも使えるし、僕の戦いがものすごく変わることはない。リングでやれることをやるだけだよ。
レフェリーが試合を止めて、頭を中央に回す。パンチとキックが加わっただけで、その流れは柔術で十分に経験してきたからね(笑)」
──押忍。試合を今週末に控えて、そこに集中しているアドリアーノですが、一つチームメイトに関して質問をさせてください。
「パントージャのことだね(笑)」
──ハイ。12月に朝倉海選手の挑戦を受けます。朝倉選手とアドリアーノは、身長がほぼ同じ。パントージャの対策練習のパートナーだったのではないかと。
「パントージャとは、本当に多くの練習を繰り返してきたよ。キャンプ中も僕が彼を助けて、彼が僕を助けてくれた。パントージャは、次の試合に向けてめちゃくちゃ気持ちが入っている。
そうだね……カイ・アサクラはとても良い試合を日本でしてきた。ただし、それをラスベガスで再現できるかといえば疑問は残る。それに彼にとって、125ポンドで戦うのはいつ以来になるのか?」
──7年半振りかと思います。
「だろう? それは大変だよ。対してパントージャにとって、ラスベガスはホームのようなものだ。減量も問題ないだろう。グラップリングに関しては、絶対的な差が存在している。カイ・アサクラは125ポンドに落として、5Rを戦い切ることができるのか──お手並み拝見だよ。簡単なことじゃないはずだ。そこに関してパントージャはアドバンテージを持っている。UFCの世界戦、ラスベガスで戦う感覚を体が覚えているからね。
UFCデビュー戦で、UFC世界王座に挑戦できるなんて人生最大のチャンスをカイ・アサクラは手にした。だから、その状況を楽しんでほしい。そんな機会を得られる選手は、今やいない。それに勝てば、確か日本人で初のUFC世界チャンピオンになるんだよね?」
──ハイ。その通りです。
「そりゃあ、日本のMMA界にとっても凄く良いことじゃないか。皆がカイ・アサクラに期待しているのも分かるよ」
──初陣がタイトル戦というのは、国内でも様々な反応がありました。ただ、UFCが日本で盛り上がるために朝倉海選手への期待は相当に高まっています。
「小さいことに拘っていちゃダメだ。でも、本当にカイ・アサクラにとっては過去に経験したことがないようなタフな戦いになるだろう。時差、気候の違い、全てがファイトに影響してくる。本当にカイ・アサクラはRIZINで良い試合をしてきた。ただし、日本で戦っていた時のようなパフォーマンスを米国で発揮できるとは限らない。どうなるか、だね」
──そうはいってもアドリアーノ自身がかつてはブラジルから、今はフロリダから朝倉選手以上の長旅と時差、気候の違いを乗り越えて東南アジアで戦っているではないですか。そして、能力通りの力を発揮している。なら、朝倉選手も可能だということですよね?
「本当だ。メェ~ン、痛いところをついてくるね(笑)。僕らはファイターだ、世界のどこにいようが、しっかりと戦わないといけない。そうだね、どういう戦いになるのか見届けようじゃないか。一つだけ言えるのは、パントージャは本当にタフだということ。
彼はチャンピオンのマインドセットを備えて、戦っている。彼の武器、拳、蹴りは他にないモノだ。グラップリングも日々進化している。カイ・アサクラにとって、本当に手強い相手になる。それは断言させてもらうよ」
──ONEのメディアデーに関わらず、UFC世界戦について話していただきありがとうございます。では、アドリアーノの18カ月振りのファイト。期待しています。
「本当に長い間、待ち続けた。僕はまたフライ級王者になる。そしてONEフライ級タイトル戦線を活発化させるよ。日本のファンにも、期待してほしい。いつも、応援ありがとう」
■ONE169 視聴方法(予定)
11月9日(土・日本時間)
午前9時45分~U-NEXT
■ONE169 対戦カード
<ONE世界ヘビー級選手権試合/5分5R>
[王者] アナトリ―・マリキン(ロシア)
[挑戦者] ウマウ・ケニ・ログログ(セネガル)
<ONEムエタイ世界フライ級選手権試合/3分5R>
[王者] ロッタン・シットムアンノン(タイ)
[挑戦者] ジェイコブ・スミス(英国)
<ONEキックボクシング女子世界ストロー級選手権試合/3分5R>
[王者] ジャッキー・ブンタン(米国)
[挑戦者] アニッサ・メクセン(フランス)
<フライ級((※61.2キロ)/5分3R>
アドリアーノ・モライシュ(ブラジル)
ダニー・キンガド(フィリピン)
<ムエタイ・フライ級/3分3R>
ゴントーラニー・ソー・ソンマイ(タイ)
タギール・カリロフ(ロシア)
<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
ケイド・ルオトロ(米国)
アフメド・ムジタバ(パキスタン)
<キック・ストロー級/3分3R>
サムエー・ガイヤーンハーダオ(タイ)
ジャン・ペイメン(中国)
<ヘビー級/5分3R>
マーカス・ブシェシャ・アルメイダ(ブラジル)
アミール・アリアックバリ(イラン)
<ムエタイ・フェザー級/3分3R>
エディ・アバソロ(米国)
モハメド・ユネス・ラバー(アルジェリア)
<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
三浦彩佳(日本)
マカレナ・アラゴン(アルゼンチン)
<ムエタイ・ストロー級/3分3R>
アリーフ・ソー・デチャパン(マレーシア)
ヴァウテル・ゴンサウベス(ブラジル)
【写真】戦前の予想は、言わずもがな。だからこそ、面白い一戦(C)TAKUMI NAKAMURA
30日(土)東京都文京区の後楽園ホールで開催されるShooto2024#08。今大会では3大タイトルマッチが組まれ、椿飛鳥がSASUKEの持つ修斗世界フェザー級王座に挑戦する。
text by Takumi Nakamura
2023年1月の試合で左ヒジを脱臼する大怪我を負うも、復帰後は齋藤翼、結城 大樹、たておを下して3連勝。このレコードもさることながらSNS上でSASUKEに対して挑発的な発言を繰り返し、椿は王座挑戦のチャンスを掴んだ。
こうしたSNSでの発言やキャラクターがクローズアップされる椿だが、そこには「本気でベルトが欲しいと思っていたら、それをどんな形であれ表現する」という信念があり、アマチュア時代から変わらない修斗へのこだわりがある。この2つを胸に椿はSASUKEの持つベルトに挑む。
――椿選手が熱望していたタイトルマッチが決定しました。最初にオファーを受けた時は何を想いましたか。
「正直、自分の中では予想していないタイミングのオファーでした。オファーをもらったのが10月の頭で、会社のシフトもあるので、一瞬迷ったんです。僕も職場ではある程度の役職にいて、簡単に試合があるから休みますというのが難しいので。でもこんなありがたい話はないので、やるしかないと思って決断しました」
――周りの反響はいかがでしたか。
「SASUKE選手とはずっとタイトルマッチをやりたいと思っていましたが、やるなら一番盛り上がるタイミングというか、機運が高まった時にやるのがいいと思っていたんです。それを考えた時に今の自分は実績的なところで、そういう状況にはいないよなとも思っていて。だから、たてお戦のあとにもう一試合やって、もっと世間の注目が集まることをやったうえで、SASUKE選手に挑戦したいと思っていました。ただ、いざ決まったら決まったで、練習仲間からも『いよいよタイトルマッチか!』と言われたり、昔から見てくれている人たちがこの状況を喜んでくれているので、そこはうれしいですね」
――試合決定から2カ月弱、SASUKE戦に向けてどんな準備を続けていますか。
「自分は継続して練習を続けているので、試合前だから練習量を増やすことはないので、そこは問題ないかなと思います。あとは自分の師匠でジムの会長の森(修)さんから試合のオファーをもらった時、最初僕は『11月ですか…』という反応だったんですね。
そしたら森さんから『椿、よく考えてみろ。めちゃくちゃかわいくて人気がある女の子から言い寄られているのに、自分の準備が整ってないから誘いを断るのと一緒だぞ』と言われて。それを聞いて『会長、やります!』と即決しました(笑)」
――会長はたとえ話が上手いですね(笑)。
「会長からはいつも良い言葉をもらうんですけど、今回はその言葉が一番刺さりました。確かに自分からずっとアプローチしていて、ようやく相手から付き合ってもいいよと言われているのに、それを断るやつはいないですよね(笑)」
――改めて椿選手にとってSASUKE選手はどのような存在ですか。言動を見ているとタイプが違うと、もっと言うなら人間的に合わないというか…。
「それは周りからもめちゃくちゃ言われます。共通の練習仲間からも『冗談が通じない人間(SASUKE)と冗談しか言わない人間(椿)の試合だ』と(笑)。それはそれとして、僕はUFCに憧れて格闘技を始めて、UFCの舞台に立ちたいという気持ちはずっとあるんですね。
SASUKE選手はそういう想いを口に出して、それに相応しい実績も残して、実際にRoad to UFCで試合をしているわけじゃないですか。口にするだけなら簡単だけど、そのために実際に行動することは簡単じゃないし、僕は言ったことじゃなくて行動したことがその人を表していると思うので、UFCで戦うことを目標にして嘘なく行動し続けているところは、対戦する云々関係なくカッコいいなと思います」
――そう思う選手が自分が戦っている舞台のベルトを巻いているとなれば、なおさら対戦相手として感じるものがありますよね。
「もちろんです。逆に言えばなんで他の選手はSASUKE選手の名前を出さないんだろうと思います。みんな自分が出ている舞台のチャンピオンになりたくてやっているわけで、じゃあ今そこにいる選手に対して何もアクションを起こさないの?って。それはSNSが苦手とかアピールが苦手とか、そういうレベルの話じゃないし、本気でベルトが欲しいと思っていたら、それをどんな形であれ表現して発信すると思うんですよね。僕は他の選手からそういうものを感じないです」
――椿選手はSASUKE選手に対戦アピールを続けていましたが、発言の真意を聞くと椿選手のタイトル戦にかける想いも伝わります。ベルトに挑む心境はいかがでしょうか。
「僕もデビューしてすぐの頃からベルトが欲しかったわけじゃないです。あまりにベルトが遠かったから。でもいざ実績を積み重ねて、ベルトを巻くチャンスが近づいてきたとなるとベルトが欲しいと思うようになったし、ベルトを獲る=名前が残るものじゃないですか。そこは格闘技をやっている側からすると本当に大きいことだと思います」
――SASUKE選手は2度の防衛に成功していて、穴のない王者です。
「一つ思うのはこの状況は僕にとって有利だなと。『椿飛鳥がSASUKEに勝てるわけがないだろ?』や『SASUKEが圧勝するに決まっているじゃん』という見方がほとんどだし、逆に僕がSASUKE選手の立場だったとしても『椿だったら1Rでいける』と思うはず。それは逆に僕にとって追い風ですね」
――言える範囲で構いませんが、いかなる攻略法をイメージしていますか。
「今回の試合が決まる前から『SASUKE選手と戦うことになったらどうするか?』ということは常に考えていて、会長ともこうやったら勝てるよねという話はしていたんですね。試合が決まったから対策を立て始めたわけではなく、普段から考えていたことの答え合わせという感じです。
あとはそこプラス、SASUKE選手を攻略する糸口が自分の今後のファイトスタイルにおいて重要になるところでもあり、自分が成長するための練習がSASUKE選手攻略にリンクしていました」
――ずばり大方の予想はSASUKE選手が圧倒的有利の声が多いと思います。その上でどんな試合を見せたいですか。
「僕の格闘技キャリアは特殊です。格闘代理戦争で多くの人に知ってもらって、でもプロデビューしたら連敗したりもして、椿飛鳥=弱いというイメージを持たれていると思います。でも今回の試合はそれを全部覆せるチャンスだなと思います。僕は修斗のベルトは大きいものだと思っているし、誰に勝ってベルトを巻くかも重要だと思っているんですね。だからSASUKE選手に勝って修斗のチャンピオンになったら、みんな認めてくれるよねとは思っています」
――椿選手はSNSでの発言など、あまり今の修斗にはいないキャラですし、そんな椿選手が修斗のベルトを目指しているところも構図としては面白いなと思います。
「僕はアマチュア修斗出身ですし、全日本アマ修でも優勝しているので、意外と硬派な路線なんですけど、いつの間にかそういう見方をされるようになりました(笑)。でも僕のなかでは昔から、やっぱり修斗だよねというのがあって。アマチュア時代に修斗を選んだのも、アマチュア大会だったら修斗のレベルが一番高いと言われていたからだし。
例えばプレリミナリーファイトを見ていたりしても、僕は修斗が他の団体よりもレベルが高いと思っているんです。僕自身はこんなキャラですけど(笑)、格闘技としては本格派が好きだし、強さを求めるものだと思っているので、それだったら修斗でしょ!という想いもあります」
――だからこそ椿選手のタイトル挑戦を楽しみにしている人は多いと思いますし、挑戦するだけではなく、ベルトを獲らないと意味がないですよね。
「そうなんです。タイトルマッチが決まった時に色んな人から『ようやくタイトルマッチだね』と言われたんですけど、タイトルに挑戦することが盛り上がりの頂点じゃないし、僕のなかではすごく違和感や温度差があったんです。変な話、挑戦だけだったら誰でも出来るし、挑戦することがすごいのではなくて、挑戦して勝つことがすごい・評価されるわけじゃないですか。逆にここで負けたらこれからどうすればいいんだろう?とも思います。こんなチャンスが何度も巡ってくるとは思っているので」
――まさに格闘技人生を賭けた大一番ですね。
「チャンスってこういうものだよなと思うんですよ。自分が予期せぬところで転がり込んできて、なかには時期じゃないと言って見逃す人もいるだろうけど、僕はそこに挑むから得られるものがあると思うし、自分にはまだ早いなんてないと思うんですよ。このチャンスに挑むから強くなれると思います」
――この試合を楽しみにしている人たちにメッセージをいただけますか。
「僕を代理戦争から知ってくれた人が多いと思うのですが、あの時に見ていた人たちは誰も椿がSASUKE選手に勝って修斗のチャンピオンになるなんて思っていないと思います。でも僕はすごく自信があるんですよ。あの時から僕のことを見ている人たちには、特に今回の自分の戦いを見て欲しいです。そして僕がチャンピオンになったら修斗をもっと活気のある団体にして、もっと注目してもらえる団体にしたい。僕がチャンピオンになって、これから先もずっと修斗を見て欲しいと思います」
The post 【Shooto2024#08】SASUKEに挑戦、椿飛鳥「誰も椿が修斗のチャンピオンになるなんて思っていない」 first appeared on MMAPLANET.【写真】緊張しているようには、感じられたなかったケイド。インタビューでは、それを見せないだけかもしれないが──とにかく興味深い話が聞かれた(C)ONE
9 日(土・現地時間)、タイはバンコクのルンピニー・スタジアムで開催されるONE169でケイト・ルオトロが2度目のMMAに挑む。
Text by Manabu Takashima
アフメド・ムジタバと相対するケイドは、8月にCJIを制し100万ドルを獲得。ADCC2022の優勝に続き、この惑星で一番のグラップラーであることを示した。グラップラーが競技で食っていける時代を突き進むケイドが、1億5000万円を獲得した3カ月後にMMAを戦う理由とは。
そして意外な師弟関係にあるエリック・パーソンについて尋ねた。
──今週末、アフメド・ムジタバと2度目のMMAを戦います。今の気持ちを教えてください。
「凄くワクワクしているけど、少し緊張しているかな」
──ナーバスになっているというのは?
「いつだって試合前は、ある程度はナーバスになるものだよ。そしてMMAだから、柔術の時よりも緊張の度合いは強い。それでも、楽しみな気持ちの方が大きいけどね」
──もちろん今はムジタバ戦に集中しないといけないのですが、CJI優勝を振り返ってもらえないでしょうか。前回のADCCに続き、CJIの優勝はケイドが改めて世界一のグラップラーであることが証明されました。
「本当に特別な時だったよ。ADCC2022から今年のCJIまで、自分をさらに高めてきた。ただ、これまでのトーナメントで優勝した時のような清々しい気持ちにはなれなかったのも事実だ」
──えっ?
「ONEではタイもベルトを持っている。WNOもそうだ。2人でベルトを巻いた。CJIではタイは不運にもヒザの負傷に見舞われて、決勝まで一緒に進むことがならなかった。確かに100万ドルを手にできたことは、凄いよ。本当に素晴らしいトーナメントだったしね。そこで最高の選手たちに勝つことができた。アメージングな経験になったよ。ただ、タイと優勝をシェアしたかった……」
──ADCCとは違い、同じ階級に出場をしました。決勝に両者が揃って進んでいれば、最後の1試合は行われなかったわけですね。
「そうだね。ファイナルはタイとシェアするつもりだったよ。ただ、タイが2回戦で負ったヒザのケガは酷くて、次の試合に進めなかった。最悪だよ。技術的にタイは僕と比べても……いや、この階級の誰よりも優れているんだ。でも、それが競技の怖いところで、最高の選手が色々なことが要因となって、勝ち上がれるわけじゃない」
──タイの負傷は残念でした。と同時にCJIではアンドリュー・タケットとの準決勝戦、リーヴァイ・ジョーンズレアリー決勝戦など、ケイドや若い選手がグラップリングを観賞用スポーツに昇華させたともいえます。
「そうだね。CJIのルールが、大きく後押ししてくれた。そして、参加選手の多くがただ柔術を戦うだけでなく、エキサイティングな攻防を仕掛けることの大切さを理解していた。退屈な柔術の試合をしていても、生きていくにはアカデミーを開いて指導をしないといけない。
でも柔術を戦って生きていくには、エキサイティングな試合をすることは欠かせない。皆、そういう試合を楽しみにしているのだから。アンドリュー・タケット、そして僕も相当にエキサイティングなファイターだ。その2人が戦ったのだから、試合はああいう風になるよ(笑)」
──CJIはグラップラーが競技生活で、生きていける道筋を創りました。そして100万ドルを手にしたケイドが、3カ月もしないうちにMMAを戦うというのは?
「MMAを戦う理由……、それはCJIが生まれる前からMMAを戦うことを決めていたからだよ。ただし、CJIは本当にタフなトーナメントで体を酷使し過ぎてしまった。ケガも多くて、9月のデンバー大会には出場できなかった。体調はかなり戻せたけど、部分的にはヘルシーでない箇所もある。今週末のファイトが、今年最後の試合になる。タイと一緒に体の回復に努めて、来年はもっと強くなって戻って来るつもりだよ」
──ケイドやタイのグラップリング戦を見るのが楽しみなのは、100パーセントのリアルファイトでシリアスな戦いにあっても、2人も楽しく戦っているように映るからです。その一方で殴りに来る相手と戦うMMAで、ケイドは楽しむという気持ちがあるのでしょうか。
「MMAと柔術は違うね(笑)。正直、それでも楽しもうと思っているよ。その恐怖を楽しむような感覚があるんだ。サーフィンで、とてつもないビッグウェイブに挑む時のようにね。そして、海に投げ出されるとサメが回りにいる。そういう危険な状況を欲している自分がいるんだよ」
──命綱なしにクライミングに挑むようなモノですか。
「それっ!! その通りだよ。MMAって、僕にとってそれに等しいんだ。相手は僕を失神させようと殴って来るんだけど、僕は頭のネジが外れてしまっているのか……そこをエンジョイしているんだ」
──そんなMMAを戦う時に、コーナーにエリック・パーソンの姿が見られました。UFCの前から日本で、30年以上前に戦っていたエリックはいわばオールドスクール・ガイです。もちろん今のMMAに適応していますが、彼の指導をケイドが受けているのが凄く不思議で興味深いです。
「エリックは日本に30回以上行っていると言っているし、そうか……顔見知りなんだね。凄いや、それって!! 僕がエリックに初めて会ったのは、5年ぐらい前かな。まだガキの頃だよ。当時の僕にとって、プロフェッサー・アンドレ・ガルバォンこそが最高であり、唯一絶対的な指導者だった。
でもエリックって、別モノなんだよ。彼は柔術も学んでいるけど、それこそ柔術が失ってしまったモノを持ち続けている。シュートレスリング、キャッチレスリングには僕らが目にしなかった技術が存在していた。
技術の変遷って、サークルじゃないか。ADCCでもレスリングが全盛で誰もがレスリングに懸命になっている時期があった。その前はレッグロックの時代だ。皆がレッグロッグを学ぶ必要があった。で、僕が想うには次にやってくる波は、失われた柔術の技術だ。それがエリック・パーソンのシュートレスリング、キャッチレスリングに残っている技術なんだよ」
──もの凄く興味深いですね。
「レッグロックを見てみようよ。昔のテクニックだ。ダーティーだと忌み嫌われて、誰もが忘れていた。でも、今では絶対に欠かせない技術になっている。20年の年月を経て、エディ・カミングスがレッグロックを極めまくり、その重要性を皆が再確認した。
エリック・パーソンが見せてくれたテクニックは、僕が見たことがないものだった。殺しの術というのか、もの凄く興味深いモノだったんだ。加えてエリック・パーソンはMMAの経験も豊富でパンチ、キックも含めて知識の宝庫といえる。何もかも知り抜いているよ。
なによりも人として最高なんだよ。本当のナイスガイで、このスポーツで出会ったことがない人間性の持ち主だ。そんなエリックだから、彼の教えを受けることを決めたんだよ」
──いやぁ、ケイドがそんな風にエリックのことを話してくれると、こっちまで嬉しくなってしまいますね。
「エリックって、一度見たことを写真に収めるように忘れることがないんだよ。本当に凄まじい知識量を誇っている。100万にも及ぶ技術を、シェアしてくれるんだ。彼のMMAの技術、知識、そして重ねて言うけど素晴らしい人間性が僕を助けてくれる。
実はあまり言ってこなかったけどMMAデビュー戦の前夜、僕はものすごく体調が悪化していたんだ。凄く寒気がして、血を吐きだすぐらいで」
──えぇ、そうだったのですか!!
「寒くて寒くて。父もどうして良いか分からなくて。咳が酷くて、息苦しくもあった。でも真夜中にエリックが部屋に来てくれた。エリックは聖水で僕の体を清めてくれ、十字を切り、オイルを焚いてマッサージを1時間もしてくれた。すると体の毒素が洗い出されたみたいになって、もう別人かのように回復したんだ。マーシャルアーチストだけでなく、彼はヒーラー(宇宙や生命のエネルギーを活用して、人々を癒す人物)なんだ」
──その話、皆が訝しく思うかもしれないですが……。今日は時間がなくて、私の話をすることはできないのですが、実はカリフォルニアで体調不良に陥った自分は、エリックに同じ癒されたことがあります。いやか、いつの日かケイドとエリックの対談をさせて欲しいです。
「おお、そうなんだ!! 絶対、その取材をやろうよ!!」
──ハイ。ただ今日は試合前のメディアデーで、時間も限りがあります。なので……2度目のMMAファイトでケイドは、何を見せたいのか話してもらえますか(笑)。
「まずベストを尽くすこと。キックもパンチも使うよ。そして、最後は僕のルーツ……柔術を駆使してフィニッシュする。対戦相手はレスラーで、柔術も茶帯か紫帯で危険な相手だ。KO勝ちもできるしね。テイクダウンの距離もグラップリングとMMAでは違ってくる。でも、僕だって打撃とグラップリングの融合を目指して練習してきた。しっかりと、仕留めるよ」
──さきほど、年内は今回の試合が最後になると言っていました。では2025年はどのような目標を持っているのでしょうか。
「来年はよりMMAに集中して、戦績を積み重ねていきたい。ただ柔術家としても、ONEのベルトを保持続ける。そしてADCCやCJIのような機会があれば、頂点を目指すつもりだ。それでもMMAで戦績を増やすことに、より集中したいと思っている」
■ONE169 視聴方法(予定)
11月9日(土・日本時間)
午前9時45分~U-NEXT
■ONE169 対戦カード
<ONE世界ヘビー級選手権試合/5分5R>
[王者] アナトリ―・マリキン(ロシア)
[挑戦者] ウマウ・ケニ・ログログ(セネガル)
<ONEムエタイ世界フライ級選手権試合/3分5R>
[王者] ロッタン・シットムアンノン(タイ)
[挑戦者] ジェイコブ・スミス(英国)
<ONEキックボクシング女子世界ストロー級選手権試合/3分5R>
[王者] ジャッキー・ブンタン(米国)
[挑戦者] アニッサ・メクセン(フランス)
<フライ級((※61.2キロ)/5分3R>
アドリアーノ・モライシュ(ブラジル)
ダニー・キンガド(フィリピン)
<ムエタイ・フライ級/3分3R>
ゴントーラニー・ソー・ソンマイ(タイ)
タギール・カリロフ(ロシア)
<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
ケイド・ルオトロ(米国)
アフメド・ムジタバ(パキスタン)
<キック・ストロー級/3分3R>
サムエー・ガイヤーンハーダオ(タイ)
ジャン・ペイメン(中国)
<ヘビー級/5分3R>
マーカス・ブシェシャ・アルメイダ(ブラジル)
アミール・アリアックバリ(イラン)
<ムエタイ・フェザー級/3分3R>
エディ・アバソロ(米国)
モハメド・ユネス・ラバー(アルジェリア)
<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
三浦彩佳(日本)
マカレナ・アラゴン(アルゼンチン)
<ムエタイ・ストロー級/3分3R>
アリーフ・ソー・デチャパン(マレーシア)
ヴァウテル・ゴンサウベス(ブラジル)
【写真】キャリア3戦目で吉野に快勝。22歳になったばかり。これからの成長が楽しみであり、怖い(C) MMAPLANET
10月30日(水)に開催されたBreakthrough Combat01のメインで吉野光に判定勝ちをしたシンバートル・バットエルデネ。キャリア3戦目の大番狂わせといえる勝利だった。
Text by Manabu Takashima
シンバートルの勝利をより印象づけたのは、吉野とのトップの取り合いを制したこと。何よりも下になってもスクランブルに持ち込み、抑え込まれても掟破りの吉野返しというべきブリッジでリバーサルを決めたシンバートルに、その秘訣を大会終了直後に尋ねた。
「嬉しいです。日本の試合は初めてだったので、勝てて本当に嬉しいです」
──大会関係者や日本のファンの殆どが、吉野選手が勝つと思っていた試合でした。そこで大アップセットを起こしました。
「でも、自分は勝つつもりでした。モンゴルの皆も応援してくれていましたし、私が勝ったので盛り上がってくれていると思います」
──初回、テイクダウンをされてギロチンも極まらなかったです。あそこで勝負ありという風にも見えたのですが、挽回できた要因はどこにあると思いますか。
「あそこからのギロチンは、得意で練習でも極めることができているのですが……。ただ、極まらなかったらどうするのか。そこも練習しているので、問題なかったです」
──吉野選手はトップ奪取能力の高い選手なのですが、そこをひっくり返した。試合前のインタビューでは繊細な技術を見せたいと言っていましたが、あれは技術ですか。それともパワーですか。
「勿論、パワーです(笑)。ただし、そのパワーの使い時、バランスを見極めることが技術力なんです」
──その見極める力、肝はどこにありますか。
「タイミングです。力を使う時は、フルで使います。それ以外の時は、休んでスタミナを消費しないようにしています。そこが大切ですね」
──今日の勝利、格闘家人生を変える可能性もあります。この勝利を如何に生かしたいですか。
「子供の頃から、モンゴル相撲をやっていました。あの時と比べても、MMAを始めてからトップになる想いが強くなっています。海外の大会で、メインイベントを戦うチャンスをくださった日本の皆さんに本当に感謝しています。良い経験になりました」
The post 【Breakthrough Combat01】掟破りの逆吉野返し=シンバートル「パワーの使い時を見極めることが技術」 first appeared on MMAPLANET.【写真】前夜のGFG04で勝利した神龍ワールドジムの石塚一の勝利に、「セコンドに就きたかったけど、計量だったので。今度、取材してやってください」と一族の長の顔を覗かせていた神龍だった(C)MMAPLANET
昨日4日(月・祝)に東京都文京区の後楽園ホールで開催されたDEEP122。メインでKENTAを激闘の末下した神龍誠の試合後の会見から、MMAPLANETの質問への返答を抜粋してお届けしたい(※要約)。
Text by Manabu Takashima
代表質問では固くなったという話をしていた神龍は、メディアの質疑応答のタイミングでコーナーよりファンタグレープを受け取ると、心底美味しそうに一飲みし質問を待った。
──ファンタグレープを美味しそうに、一飲みされました(笑)。いつも、試合後にはソーダ系ドリンクを飲むのですか。
「はい、減量で飲めなかったので祝勝会です(笑)。ファンタはグレープが一番好きですね」
──そんななか、話せる範囲で構いませんが試合前にインタビューをお願いした時に負傷があって計量の時までインタビューは控えたいということでした。
「体の調子……試合前に大風邪をひきました(笑)。危なかったですよ、水抜き直前に風邪をひいて。朝、寒すぎて。ヤバかったですね」
──熱も出た?
「僕、熱を測って、あると弱っちゃうんで。絶対にヤバいなと思いながら、インフルでないことを祈って全力で寝て治しました」
──体調は回復できたのですか。
「ある程度は戻したッスね。1日ズレていたら、水抜きがヤバかったです。だから本当に怖かったです。水抜きの日がインフルだったら……多分、ヤバかったです」
──今日の動きを見ていると、それまでの仕上がりは上々だったということでしょうか。
「そこまでの仕上がりは、特に大丈夫でした。直前に大風邪をひいたぐらいです」
──固くなったということでしたが、ピンチになった時こそ、本来の力が出しきれるような。そんな強さが感じられました。
「う~ん、出るんスかね。そこは分からないです。エへへへ」
──大晦日、今回の試合に合格になるのか。
「いやぁ、ハイ」
──そこは我々には分からないところなのですが、出場できたら誰かと戦いたいというのはありますか。
「強い外国人選手が入ってきているんで、そこらへんとやりたいですね。今でいうと、この前に新井丈選手に勝ったズールー選手とか空いていると思うんですよ。ズール選手とやりたいですね」
──17日のLANDMARKに来日するフライ級3人の外国人選手のなかで、気になるファイターはいますか。
「全員です。全員、気になります。同じ階級の……同じ戦場のファイターなんで。そこは皆、気になります」
■大晦日の神龍の試合に関して、佐伯繁代表は大会総括の囲み取材に以下のように話した(※要約)。
佐伯繁
「大晦日に出ることが難しい。ワンチャンあるかもしれないですが、事実上ないと思っているので12月の出場希望選手が多いです。ゼロではないですよ、だから神龍選手とケイト(ロータス)さんは今日戦った。ケイトさんに関しては合格として良いと思います。ただ神龍選手、ケイトさんにしても大晦日に誰と戦うのか──という問題ですよね。ケイトさんはDEEP JEWELSがあることでほぼ日本人選手とは戦っています。
今、2人ともパッと頭に浮かぶ選手が俺にはないです。例えば、この間──新井選手に勝ったズールーとか、名古屋に出る外国人選手も俺だったら神龍と大晦日に当てたくないですよ。もう1試合、2試合を戦ってあげてこないと。この大晦日に神龍選手、扇久保(博正)さんと戦って潰しちゃうかもしれないので。だから、もう1試合、2試合とやった後だと思います」
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