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【DEEP Nagoya Impact2024#03】寺崎昇龍戦へ、脇田仁「アパレルの仕事だと格闘技は難しい」

【写真】深夜1時のインタビュー。早朝からの仕事なのに、ありがとうざいました (C)SHOJIRO KAMAIKE

25日(日)、愛知県刈谷市の産業振興センターあいおいホールでDEEP Nagoya Impact2024#03ならびに#04が昼夜に分けて開催される。昼の部となる#03では、脇田仁が寺崎昇龍と対戦する。
Text by Shojiro Kameike

脇田は地下格闘技を経て、2023年8月にDEEP NAGOYAでMMAデビューし、プロでは2連勝中だ。その間に『格闘代理戦争 THE MAX』にも出場して1勝1敗の戦績を残している。テイクダウンとパウンド、そして試合前後に見せる気合いの表情が印象的な脇田だが、その言葉からは真っ直ぐさがうかがえる。そんな脇田が地下格闘技で培い、そしてプロデビューと格闘技代理戦争を経て得たものとは。


――仕事と練習を終えて、日付が変わってからのインタビューとなります。試合直前ですが、毎日このスケジュールをこなしているのでしょうか。

「いつも仕事と練習が終わって自宅に戻るのは、これぐらいの時間ですね。今回は試合が日曜日なので、金土日と休みをもらっています」

――翌朝、何時から仕事が始まるのですか。

「足場の仕事をしていて、朝は6時30分か7時ぐらいから――日によって違いますけど」

――それは大変なスケジュールですね。格闘技を始めたのは足場の仕事に就いた後ですか。

「今年23歳になるんですけど、格闘技を20歳か21歳ぐらいの時です。小学5年生の時にキックキックボクシングをやっていた経験はあって。キックボクシングを辞めたあとに、当時人気だった地下格闘技の存在を知りました。その頃から地下格闘技には興味がありましたね」

――小学校の時、地下格闘技に興味を持ったのですか。現在出場しているDEEP NAGOYA大会のようなMMAの試合ではなく……。

「はい。キックボクシングの前は、ずっとサッカーをやっていました。根は普通というか、不良とか悪い人に憧れを抱いている少年という感じで。試合の時と普段が全く違うとは、よく言われます」

――なるほど。そこから実際に地下格闘技をやるために、現在のジムに入ったのですね。

「所属しているのはCOMRED(カムレッド)といって、『戦友』という意味です。足場の仕事に就く前は、アパレルの仕事をしていたんですよ。ずっと地下格闘技の試合に出たいと思っていたけど、アパレルの仕事だと格闘技は難しいじゃないですか」

――アパレルというのは、ショップ店員さんだったのでしょうか。

「そうです。練習や試合で顔を腫らせたまま店に行くわけにもいかないので……。そのアパレルの仕事も『合わないな』と思って辞めたあと、紹介で今の足場の仕事に就きました。職場の先輩に地下格闘技をやっている人がいて、観戦にも行ったし、『興味があるなら練習に来てみれば?』と言われたんですよ。そこで練習に行ってみたら『センスがあるな』と褒めてもらえて」

――おぉっ!!

「でも最初の練習でボコボコにされて『やっぱり格闘技は無理だな』と思っちゃったんですけど(苦笑)。だからフィットネス感覚で練習に行きながら、1カ月ぐらいしたら辞めるつもりでした。でも、なかなか辞めると言いづらくて、ズルズルと続けていたら試合に出るようになったんです。そうしたら格闘技が楽しくなってきました。

ひとつ大きいのは、ジムのMMAクラスで指導してくれているのが、アラン・ヤマニハ選手なんですよ。僕がジムに入って少し経ってから、ヤマニハ選手がクラスを受け持ってくれるようになって。地下格闘技でガチガチのRIZINファイターの指導を受けている選手も、なかなかいないと思いますよ」

――つまり地下格闘技を目指してジムに入ったあと、ずっとMMAの指導を受けていたということですね。練習ではボコボコにされながらも。

「小学5年生の時以来の格闘技の練習でしたからね。やっぱりパンチって当たったら気持ち良いけど、当てられたら痛いじゃないですか。しかも食らったことのないレベルのパンチで(苦笑)。

最初の頃は週1回、練習に行っていたぐらいでした。でもいざ地下格闘技の試合に出てみると3連敗して。そこから真面目に練習し始めて、試合に出ると開始1分くらいで勝つことができて――だから真剣に練習し始めたのは、ここ2年ぐらいです」

――脇田選手は殴り合いではなく、どちらかというと組んで勝負するタイプです。地下格闘技の試合に出ていた頃から、そのスタイルだったのですか。

「練習していて『自分はパンチや蹴りは得意じゃないなぁ』と思いました。その時に考えたのは――昔から喧嘩で、組んだり投げたりしていたんですよ。柔道をやっている人に投げ技を教えてもらったり、中3の時に期間限定の部活で相撲をやっていて。おかげで投げや組みは得意だったので、それを格闘技の試合でも使おうと思ったんです」

――そんななか、月イチのペースで地下格闘技の試合に出ていたそうですね。それだけ試合をこなしていて、大きな怪我はなかったのでしょうか。

「僕はあんまり怪我がなくて、だから『とにかく試合に出たい』という感じでした」

――その地下格闘技から2023年8月、DEEP NAGOYAでプロデビューしています。プロのMMAを戦うキッカケは何だったのですか。

「あの頃、周りにいた同い年の選手が地下格闘技のチャンピオンになり始めて、自分だけベルトを獲れていないのが凄く悔しかったんですよ。チャンスも貰っていたのに、それを生かすこともできずに『なんで俺だけ獲れないんだろう?』と思っていました。

そろそろ本当にベルトが欲しいと思っていた時に、2023年3月に初参戦なのにタイトルマッチを組んでくれて、そこでベルトを巻いたんです。あの時は少しファイトマネーが出たのですが、自分のなかではプロの試合だとは思っていないです。そこからも地下格闘技に出て連勝していると、DEEP NAGOYAからオファーが来て。その時に『プロでも頑張ってみよう』と思いました。もともとプロを目指していたわけじゃないけど、自然と流れでそうなったという感じですね。

プロデビューしてからは、地下格闘技には出ていません。本当は出たい気持ちもありますけど、地下格闘技で怪我したりするとプロモーターさんにも迷惑をかけちゃうと思いますし」

――とはいえ、試合出場のペースはさほど変わっていないですよね。4月19日に放送された格闘代理戦争の初戦を視た時、「あれ……この選手、どこかで視たことがある」と思っていたら、12日前にDEEP NAGOYAで試合をしていて。

「ありがとうございます。覚えてもらっていて嬉しいです(笑)」

――さらに1カ月後には格闘代理戦争の準決勝戦を控えているのに、初戦の1週間後にはHEATでMMAグローブ・キックボクシングを戦っていました。

「あれは大会直前、仕事中にジムの代表から電話が掛かってきて『試合が決まった』と。そういうのは僕も慣れているので、相手のことも聞かずに『分かりました』と答えて、夜にジムへ行って練習しました。

地下格闘技でも大会前日に試合が決まることはあったし、急きょ試合をするということに対して恐怖心はないんです。当時すごく練習していた打撃の技があって、それを早い段階で試せる――というのが率直な気持ちでした。ただ、格闘代理戦争の間だから番組制作者の方には失礼だったとは思います。とにかく番組には迷惑をかけないようにと気をつけて」

――格闘代理戦争に出場して、何か変化はありましたか。

「う~ん、皆から『見たよ』と言われることはあります。でも2試合目で負けちゃったので、それを言われるんですよね。『あの試合で勝っていたらなぁ~』とか。自分自身でも勝てた試合だったと思うし、その点は心残りもあって。

大きく変わったとすれば、気持ちの面ですね。自分としてはプロデビューと格闘代理戦争を通じて、試合に向けて覚悟を決めることを、ちゃんと知りました。この試合に命を賭けて挑むという気持ちを知ったというか。そういう気持ちを持って練習にも臨みますし、今は毎日どの時間でも試合のことしか考えていないです」

――そしてプロ3戦目で、寺崎昇龍選手と対戦することになりました。

「相手はデビュー戦みたいですね。フルコン空手出身の方みたいで。僕としては相性が良い相手だと思います。でも、そう考えて油断してもいけないので。僕自身は過去イチ練習してきました。当日の動きもメチャクチャ良いでしょうし、豪快な一本を見せられると思います」

――あえて殴り倒したい、という気持ちはないですか。

「試合になると一本を取りに行っちゃいますよね。プロの試合に出るために初めてキツイ減量を経験して、練習も本当に気合いが入りました。あと試合をしてみて気づいたのは、もちろん対戦相手あっての試合だけど、最大の敵は自分だと知ったんです。特に4月の試合は勝った時、叫びながら涙も出てきて……

地下格闘技出身の選手って、殴り合う試合が多いと思うんですよ。僕も今までスタンドの失神KO勝ちとかないので、そういう試合もしてみたいとは思います。でも僕は試合で勝つと同時に、そういう己に勝ちたいんです」

――相手に勝ち、そして己にも勝つ。素晴らしいことだと思います。最後に今後の目標を教えてください。

「一番はRIZINのような大舞台に立って、注目される選手になりたいです。でも理想は、世界で活躍できるような選手になりたいです。そのためにもまず、大きな舞台で戦えるよう必死に食らいついて、結果を残していかないといけない。上ばかり視ていても仕方ないですからね。1試合1試合、大切に戦っていたら自然と道は出来てくると思うので」

■DEEP Nagoya Impact2024#04視聴方法(予定)
8月25日(日)
午後16時30分~NAGOYA FIGHT FES YouTube Channel

■ 対戦カード

<フェザー級/5分2R>
TATSUMI(日本)
ヴィニシウス(ブラジル)

<ライト級/5分2R>
今村滉(日本)
Street♡★Bob洸助(日本)

<グラップリング56キロ契約/5分1R>
マユミ・グラップリングシュートボクサーズジム(日本)
神田麻梨乃(日本)

<フェザー級/5分2R>
石田ガリット勝也(日本)
平澤克明(日本)

<バンタム級/5分2R>
大岩翔哉(日本)
Akiyoshi(日本)

■DEEP Nagoya Impact2024#03視聴方法(予定)
8月25日(日)
午後12時30分~NAGOYA FIGHT FES YouTube Channel

■ DEEP Nagoya Impact2024#03対戦カード

<フェザー級/5分3R>
GINJI(日本)
畠山祐輔(日本)

<フライ級/5分2R>
廣瀬裕斗(日本)
髙村友晴(日本)

<バンタム級/5分2R>
脇田仁(日本)
寺崎昇龍(日本)

<54キロ契約/5分2R>
鶴斗(日本)
太一(日本)

<バンタム級/5分2R>
太田翔一郎(日本)
時任流架(日本)

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45 DEEP MMA MMAPLANET o ブログ 多湖力翔 鶴斗

【DEEP Nagoya2024#01】多湖が組んでバックに回り、スタンドの鶴斗からRNCでタップを奪う

<ストロー級/5分2R>
多湖力翔(日本)
Def.2R1分05秒by RNC
鶴斗(日本)

サウスポーの多湖に対し、右ハイを見せた鶴斗がスリップして尻もちをつく。すぐに立ち上がった鶴斗のステップインに対し、多湖がシングルレッグで自陣コーナーに押し込む。ケンケンガードの鶴斗を後方に倒した多湖は、スイープ狙いを潰してトップを取り切る。多湖は頭をコーナーに持ってきて、ハーフバタフライから立ち上がる。鶴斗が蹴り上げ、関節蹴りを見せたところで、レフェリーがブレイクを命じ試合はスタンドに戻った。

右で飛び込み、組まれるとエルボーを見せた鶴斗だが、多湖がテイクダウンを決めるとサイドで抑え、スクランブルで背中に乗る。残り30秒、ボディトライアングルで殴った多湖が初回をリードした。

最終回、多湖は左ミドルを蹴り、鶴斗の右ハイをかわす。鶴斗も多湖のハイをブロックしたが、直後のパンチに組まれて背中を取られる。そのまま飛び乗ってスタンドでボディトライグルに取った多湖がRNCへ。鶴斗は手首を持って耐えているが、多湖がパームトゥパームからRNCグリップに切り替える。そしてスタンド状態の鶴斗からタップを奪った。


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