【写真】どれだけ体が戻り、それが試合で優位になるか (C)MMAPLANET
明日11日(土)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP112で北岡悟が高野優樹と戦う。
最後の勝利は2018年の大晦日。4年間、勝利から遠ざかり喫した敗北の数は、7。それでも北岡は戦い続け、戦い続ける努力を続け、対戦相手に恐怖を感じさせている。そんな北岡に計量直後に話を訊いた。
──前回の計量は取材できなかったのですが、前々回の計量後に「肌艶が良くて調子が良さそうだ」という話をさせてもらったのですが、今日は一見して目のくぼみ方とかその時とは違っていて。減量が厳しかったとかは?
「いえ、普通に水抜きしただけです。そりゃ、減量は楽じゃないですよ。でも、しっかりと落としてきた。ドライアウトしてきただけです。体重を落とすのが無理ということではなくて、良くも悪くもギリギリで落とした感じです(笑)」
──ハイパーダイエット&リカバリーを見直す選手も増え、また年齢を重ねると階級を上げる選手もいます。そのなかで北岡選手がライト級に拘るのは?
「でもウェルターじゃないですよ。僕の骨格はライト級がぴったりで。なんならもっと若い時にフェザー級にするという判断をしていればフェザー級でやれる体格です。下手をすると、MMAファイターを志した時点でバンタム級に設定していればバンタム級の体になっていただろうし、当時『UFCフライ級だ』っていう選択があればそうなっていたかもしれない。それぐらいの体だから、ウェルターではない」
──逆に若かりし頃のパンクラス時代には90キロぐらいありそうでした。
「いや、それはないですよ(笑)、過去最高で通常で87キロぐらいで。今が82キロとかで。特にライト級に拘っているわけでないし、普通にそういう動かし方をしているからです。普段、動きやすい体を79キロぐらいにしている時もあります。でも4年間も勝っていない人間の体重なんて、どうでも良くないですか」
──いや、確かに勝っていないです。ただし、北岡悟の話は聞いておきたい。そういう価値観の見出し方は良くないかもしれないですが。
「そうですね。北岡悟だから、ずっと組んでもらっているので。分かっています、それは。人がどう思っているか分からないけど、僕は過去がどうだったかとかで続けているわけじゃないし。過去の成功体験を求めることが無いと言ってしまうと、それは嘘で。でも、過去の栄光にすがって試合をしているわけじゃない。まぁ過去の栄光のおかげで試合ができている……俺に過去の栄光なんてあったのかって見方もありますけどね(笑)。
でも、そのおかげでこうやってやらせてもらっているのはありますよね。だから過去の自分にはありがとうと言いたい。でも、今は今で頑張っているし。その頑張っているのも、結果を残してから言わないといけないことなんで。
そういう過去があって、今も評価してもらっているから恐らくは、この大会で一番ファイトマネーを貰っていて、恐らく一番チケットを売っている。別に他の選手が頑張っていないなんて思っていないですよ。でも、そういうことなんじゃないかなって。こんな話、面白いですか(笑)」
──正直、北岡選手にインタビューをする時は覚悟が必要です。
「それ、話を聞いておいて言いますか(笑)」
──だから計量直後なんです。やはり試合の準備期間のピリピリしている時は、今のようにインタビューが成立しないこともままありましたし。
「なるほど。ただ続けている、頑張っているだけじゃ評価したくないですよね?」
──本当に極まれにそこを超越した戦いが見られます。勝っても、響くものがない勝利もあれば、負けても響く試合がある。それが2022年の2試合でした。
「上迫(博仁)戦は人によってはボロンチョに言われますが、自分のなかでは良い動きができていたと思っています。江藤(公洋)戦の内容は悪かったですか?」
──重ねて言いますが、格闘家は結果を残してナンボです。ただし、前回の試合は選手から『北岡選手の頑張りに感動した』という声が聞かれました。
「そうなんですね。でも、頑張りだけ評価されるのは癪なんですよね」
──そうだと思います。ただし、今回は佐伯さんも北岡選手の対戦相手選びに苦慮しているようにも感じました。
「……。……。……。それは僕に言われても……。……。……。僕が相手を選んだわけじゃないから。少なくとも僕は……試合をさせてもらって有難いなんていうのは違うけど、相手を選べる立場にないから。来た相手を受けただけです」
──前回の試合の動きを見れば、恐らくは79キロぐらいまで戻るであろう北岡選手の方が、肉体的に有利で。それはMMAを戦う上でも絶対に有利だと考えられます。
「逆に怖いですよね。だからこそ、怖いです」
──怖い?
「勝負はそういうモノだから。ハイ」
──では、前回の試合に続き何を見せたいですか……って、これも北岡選手には尋ねるべき問いではないですね。
「ハイ。僕には見せたいモノはないから。住村さんがコメントで言ったように、僕も勝ちたいだけだから。勝ちたいだけなら弱いヤツ選べよって話もあって」
──えっ?
「それ、ちょっと人に言われたんです。去年の2試合、強いヤツを選んでいるから。勝ちたいだけなら、弱いヤツ選べば勝てるだろって言われて。それは違うんですよね。強いヤツに勝ちたいんだから。だからこそ、明日の試合は怖いんですよ。何となく、分かりますよね?」
──ハイ。ただ、これは江藤選手と上迫選手に失礼かもしれないですが、あの試合で彼らは北岡選手が怖かったのかもしれないなと。
「あぁ、それは毎試合思います。これね、人のことだしこうやって持ち出すべきじゃないかもしれないけど、岩﨑達也さんが『ヴァンダレイ・シウバが怖がっていた』と言っていますよね」
──ハイ。まぁ、誰もそうは思わないかという話ですが……。
「それと同じなんです。要は覇気とか、なんかどういえば良いのか。当人にしか分からない」
──と同時に相手は怖いから、勝てるということもありますね。
「それ、自分でいうとナンだけど、怖い……怖がられるのは、やはり強味で。だから僕のことを買ってくれる人がいてくれる。そういう覇気、あると思うから。多分、僕の懸命さのようなモノが形になってぶつかるわけでしょ。まぁ、それが僕です」
──北岡選手は怖いですよ。そりゃあ、怖い。だって普段は良いヤツだから。良い人間だから、ケージの中で面と向かって戦うのは怖い。きっと北岡選手が良いヤツでなかったら、同じだけの覇気があっても怖くないはずです。
「うん……。ちょっと、それは……。だから、しっかりと見届けてください」
■視聴方法(予定)
2月11日(土)
午後5時30分~サムライTV
午後5時40分~SPWN PPV
午後5時40分~ニコニコ生放送
■ DEEP112計量結果
<フライ級GP準決勝/5分3R>
伊藤裕樹:57.05キロ
本田良介:57.05キロ
<フライ級GP準決勝/5分3R>
福田龍彌:57.15キロ
宇田悠斗:56.8キロ
<DEEPウェルター級選手権試合/5分3R>
阿部大治:77.0キロ
鈴木槙吾:76.95キロ
<DEEP暫定フェザー級選手権試合/5分3R>
神田コウヤ:65.7キロ
五明宏人:65.7キロ
<ライト級/5分3R>
北岡悟:70.7キロ
高野優樹:69.5キロ
<ウェルター級/5分3R>
住村竜市朗:77.55キロ
嶋田伊吹:77.4キロ
<女子ミクロ級/5分2R>
しなしさとこ:43.4キロ
古林礼名:43.75キロ
<バンタム級/5分3R>
渡部修斗:61.6キロ
力也:61.5キロ
<バンタム級/5分2R>
山本有人:61.6キロ
KENTA:61.6キロ
<フライ級/5分2R>
高柳京之介:57.5キロ
秋元強真:57.2キロ
The post
【DEEP112】高野優樹戦で、4年2カ月振りの勝利を目指す北岡悟「頑張りだけ評価されるのは癪」 first appeared on
MMAPLANET.