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【Shooto2024#08】SASUKEが椿飛鳥と3度目の防衛戦、環太平洋王座戦でエフェヴィガ×マックス

【写真】昨年12月の田中半蔵戦以来、3度目の防衛戦となるSASUKE(C)MMAPLANET

11月30日(土)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるShooto2024#08。今大会では世界ミドル級王座決定戦=岡見勇信×キム・ジェヨンに続いて、2つのタイトルマッチが追加決定した。
text by Takumi Nakamura

新たに決まったのは世界フェザー級王者SASUKE×挑戦者・椿飛鳥、環太平洋ライト級王座決定戦=エフェヴィガ雄志×マックス・ザ・ボディだ。


SASUKEは2021年7月に工藤諒司に判定勝利して世界王座を獲得。 Road to UFCは2年連続敗退に終わっているが、修斗ではたてお(飯田健夫)と田中半蔵を下して2度の王座防衛に成功し、今年5月には中国・YFUからの刺客ジョングウェン・パンにスロエフ・ストレッチを極めて圧倒的な強さを見せている。

SASUKEに挑む椿は同級1位、2023年1月の試合で左ヒジを脱臼する大怪我を負うも、復帰後は齋藤翼、結城 大樹、たておを下して3連勝を飾っている。このレコードもさることながらSNS上でSASUKEに対して挑発的な発言を繰り返し、王座挑戦のチャンスを掴んだ。

そのキャラクターと言動がクローズアップされる椿だが、今月10月に決まっていた某所でのグラップリングマッチを回避してSASUKE戦に備えるなど、王座戦にかける想いは強い。受けて立つSASUKEはUAEWやZFNからオファーがあり、Eternal MMAではタイトル戦も予定されていたが実現には至らず。そういった海外での試合に向けて、修斗において片づけておくべき相手として椿を捉えている。

実力・実績的にはSASUKE有利だけに、椿が王座戦にかける想いと共に、どんな戦略・対策を持って試合に臨むかが勝負の流れを決める試合になるだろう。

そして8月の「TTF CHALLENGE10」で元Bellatorファイターのエマニュエル・サンチェスをKOし、無敗記録を8に伸ばしたエフェヴィガが自身初のタイトル戦に臨む。当初は9月の後楽園大会でマックスにKO勝利した西尾真輔とエフェヴィガによる王決定戦が計画されていたが、王座戦を打診された西尾サイドと調整がつかず、マックスに白羽の矢が立った。

エフェヴィガとしては自身が希望する海外での試合を見据え、VSマックスだけでなく、どれだけ自分のクオリティを上げて試合に臨めるがテーマになってくる。逆にマックスとしては偶発的に巡ってきたチャンスをモノにする力があるか試される王座戦だ。

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【Shooto2024#05】「自信と試合内容のギャップが埋まってきた」椿飛鳥、2022年以降のマインド変化

【写真】過去にリアリティショーでお世話になったプロデューサーに、チケットを購入してほしいと願い出ることがでいる強心臓の持ち主(C)SHOJIRO KAMEIKE

21日(日)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるShooto2024#05で、椿飛鳥がたてお(※飯田健夫からリングネームを変更)と対戦する。
Text by Shojiro Kameike

椿は2018年に全日本アマチュア修斗選手権で優勝した直後、ONEトライアウトに合格し、さらにはABEMA TVの格闘代理戦争にも出場する。それにより、彼にとっては苦難のMMAキャリアがスタートしたともいえる。しかし2021年までに3連敗を喫したあと、2022年は新たなキャリアを積み始めたといえば良いのか。特に今年3月の結城大樹戦は、それまでとは打って変わったファイトを見せていたようにも感じる。2022年以降の椿飛鳥に何が起こったのか。這い上がる男の浪漫——椿飛鳥がベルトに辿り着くために重要な一戦を迎える。


MMAを始めた時の理想と現実のギャップを感じました

――リモートでのインタビューとなりますが、本日は会社もお休みなのですか。

「今日はたまたま休みなんですよ。今の部署はシフト制で――平日も朝に練習して、昼から勤務とか融通を効かせてくれる職場です。代理戦争が終わった頃に新卒で就職して、今は6年目ぐらいになります」

――新卒から6年目ということは、もう昇進する頃でしょうか。

「おかげさまで一応、一つの部署のリーダーみたいな形でやらせてもらっています」

――おぉ! そこから会社でのし上がっていく、と。

「いえ、僕は独立して自分で会社やったり、格闘技のジムをやりたいとは会社にも伝えています。会社も『応援するよ』と言ってくれていますね」

――いずれジムを出す、つまり格闘技と人生を共にすることは就職した当時から考えていたことですか。

「就職するまでは将来のこととか、一切考えたことがなかったです。大学4年生の時に全日本アマ修で優勝し、直後にONEのトライアウトに受かって。さらに格闘代理戦争の話も来て――『これで格闘技だけで生きていけるわ』と思っていました(苦笑)。

でも格闘技をやっているだけでは生活費もなく、家賃すら払えないような状況に陥っていました。たまたま練習仲間のツテで、ファイターを応援してくれる会社を紹介してもらい、就職したんです。それが今の会社で」

――そこからONEウォリアーシリーズや格闘代理戦争を経て、自分が思い描いていたものとは異なる格闘技人生に直面することになるのですか。

「だいぶ違ったものになっています(笑)。ONE WSの時はONEとの契約を目指していました。だけど、ONE WSが行われなくなってからは、とにかく頂いたオファーに対して頑張る。それぐらいで、あまり深くは考えていなかったです。そこから連敗が始まり……当時は来たオファーを受けるという状態で、今思うと目標もなく過ごしていた時期でしたね」

――修斗でいえば多くは全日本アマ修斗で優勝すると、次はプロの新人王で、さらにチャンピオンシップへと繋がっていきます。

「僕もそこから海外へ、という道は思い描いていました」

――思い描いていたものとは違う道を歩むことになり、特に3連敗を喫した中で「このままで良いのか?」と考えることはありました。

「考えました。特に岩本健汰戦で負けた時は――辞めたいとまでは思わなかったけど『このままで続けたくない』という気持ちがあって。そこから新人王トーナメントに出場するのも、異例といえば異例なんですよね。本来エントリーの基準は2戦以下だけど、コロナ禍もあったので6戦以下になっていましたから。そこでウチの森修会長からも『新人王トーナメントに出てみないか』と言われたんです。

当時は急なオファーも多かったんですよ。新人王トーナメントなら1年間、定期的に試合が組まれる。そのほうが仕事しながらコンディションもつくりやすいと思って。ただ、『これで負けたら終わりだ』と思って、トーナメントに臨みました。初戦で負けたら4連敗になるし、新人王に出るキャリアの選手に負ければ、格闘技を辞めることができるかな、と」

――格闘技を辞めることができる……とは、どこかに「格闘技を続けていくのが苦しい」という気持ちがあったのでしょうか。

「ありましたよ。代理戦争のおかげで名前も知られて『あ、椿選手だ』と声をかけてもらうことも多かったです。だけど、それに見合う実績を挙げることができていないという葛藤はありました。

3連敗を喫した時も、見方によっては『相手が強豪だったから仕方ない』と言ってくれる人もいました。だけど3連敗には変わりない。それだけの選手に何もできずに負けたことで、自分がMMAを始めた時の理想と現実のギャップを感じましたね。だから『新人王の初戦で負けたら格闘技を辞められるかな?』と思ったことは事実なんです。逃げる、というのとは少し違っていて……何て言えばいいんでしょうね」

――その気持ちは分からなくもないです。今でもネットで「椿飛鳥」と検索したら、続く第2キーワードが「弱い」で。さらにSNSでは「椿飛鳥が世界1位かよ」と書かれていたり……。

「アハハハ! 今はもうSNSに書いていただくだけで嬉しいですよ。だって『見られない』『何も言われない』ことほど怖いことはないですから。だけど新人王の初戦(岡田達磨に判定勝ち)で勝った時はホッとしました。あの試合までは自分の自信と試合内容にもギャップがあったんですよ。練習ではできることが、試合では出せない。練習を通じてどれだけ自信があっても、試合でリアルな結果が付きつけられる。そんな状態が2年半ぐらい続いていました。でも岡田戦で、そのギャップが少し埋まったというか。

練習と試合って全然違うものだし、試合で出たものが実力じゃないですか。練習で強いなんて全くアテにならない。そんななかで、岡田戦では練習してきたことが出せたなとホッとして。このまま続けていけば、もっと良い動きができるんじゃないかと思いました。

トーナメント決勝ではCHAN龍選手にも負けてしまいましたけど、あの試合も大きな転機になりました。試合前からCHAN龍選手と戦うことより、『この後はタイトルまでどう進んでいくのか』という道筋を考えてしまっていて。ヒジを負傷して負けた結果について『アクシデントだった』と言ってくれる人もいます。でもあれは完全に僕の負け。精神的にも技術的にも僕の甘さが出ました」

――……。

「あの時も実は『ここで負けるなら……』と思っていました。でもまだ腕が治っていない状態でジムに行ったら、会長が『試合を見返したけど、ココをもっとこうしたら』と熱心に指導してくれたんですよ。『他の人が自分のために、ここまで熱心になってくれることってあるのかな?』と感じて、怪我が治ったら次の試合のために頑張ろうと決めました」

勝利を考えるな。その場その場で最善の動きを選択しろ

――これは話の本筋とは関係ありませんが、新人王決勝を争ったCHAN龍選手の訃報を知った時は……。

「う~ん……、……、……才能溢れるファイターが亡くなったことは、すごくショックでした。いろいろ思うところはあります。でもご遺族のことを考えたら、事情を知らない自分が何か言うべきではないと思っています。すみません」

――いえ、こちらこそ答えにくいことをお聞きしてしまいました。話を戻すと、新人王トーナメントを経てこの2試合はどう変化したのでしょうか。

「試合に臨む気持ちが変わったことは大きいです。それまでは、試合って凄く特別なものだと思っていました。自分の全てを削って勝つもの――と、自分を追い込んでいたんです。自分で自分にプレッシャーをかけ過ぎていたというか。でも斎藤戦は『よし! いっちょ試合してくるか』みたいな感じで試合に臨むことができて。結果、齋藤選手に競り勝てたことで『このマインドが自分に一番合っているんだ!』と気づけました」

――確かに前回の結城大樹戦は、凄く伸び伸びと戦っている印象を受けました。相手に取られているであろう場面でも、『これは取り返せるな』と考えることができていたのですか。

「これは会長から教わっているマインドなのですが、『勝利を考えるな。その場その場で最善の動きを選択しろ』と。『ここでこうしないとラウンドを取られる。勝てない』って思うと、良くない動きをしてしまうことが多いんですよね。それは練習でも感じます。練習で強いけど試合で勝てない選手とは、そういうことなんじゃないかと思いました。

練習は勝ち負けを考えない。でも試合だと勝ちを見越して試合をしてしまう。結城戦は、試合を通じて『ここをこうすれば勝てる』という気持ちはなかったです。分かりやすいのは――バックを取られたら『負ける!』と考えるのではなく、まずディフェンスする。その場その場で最善の動きを選択していけば、その積み重ねでラウンドも取れますよね。そういうラウンドを積み重ねていけば、フルラウンド取れる。3R制であれば最低2つ抑える……ということでもなく、フルラウンド取りに行く。そのマインドも自分に合っていると思います」

――前回は世界1位の結城選手に勝ち、次にタイトルマッチ経験者のたてお選手を下せば、遂にベルト挑戦も見えてきます。

「実は……たておさんとは仲良いんですよ。結城選手に勝ったあと、『椿さん、おめでとう! 復帰して椿さんと試合できるように頑張ります』というメッセージが来て。そこから、たておさんとやり取りしている間に試合のオファーが来ました(笑)。だからといって、やりづらさとかは無いです。コレはコレ、ソレはソレなので。

飯田選手は今ランキングに入っていないだけで、タイトルマッチ経験者だし、実力者です。この試合に勝てば、自分がベルト挑戦者として一番手じゃないですか。いろいろ経験してきましたけど、やっぱり修斗のチャンピオンになりたい。僕がチャンピオンになった先に見据えているのは『修斗を盛り上がる団体にしたい』ということで。それこそMMAを知らない人にも修斗を好きになってほしい。で、皆さん『椿飛鳥がチャンピオンかよ』って書いてください」

■視聴方法(予定)
7月21日(日)
午後6時00分~ABEMA格闘チャンネル

■Shooto2024#05 対戦カード

<修斗世界バンタム級王座決定戦/5分5R>
藤井伸樹(日本)
齋藤奨司(日本)

<フェザー級/5分3R>
椿飛鳥(日本)
たてお(日本)

<インフィニティリーグ2024フライ級/5分2R>
大竹陽(日本)
須藤晃大(日本)

<2024年度新人王フェザー級2回戦/5分2R>
中池武寛(日本)
蓮池勇太(日本)

<フェザー級/5分2R>
児山佳宏(日本)
島村裕(日本)

<バンタム級/5分2R>
加藤ケンジ(日本)
人見礼王(日本)

<フライ級/5分2R>
シモン・スズキ(日本)
岡田嵐士(日本)

<ストロー級/5分2R>
牧ヶ谷篤(日本)
友利琉偉(日本)

<2024年度新人王フェザー級2回戦/5分2R>
松岡拓(日本)
井上翔太(日本)

<バンタム級/5分2R>
中野剛貴(日本)
瀬戸口怜久(日本)

※コメインで予定されていた環太平洋フェザー級王座決定戦は、竹原魁晟が体調不良のため計量会場に来ることができず中止に。契約体重をクリアしている上原平がルールに則り、不戦勝かつ新王者に認定される。

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【Shooto2024#05】後楽園でW王座決定戦、世界バンタム級=藤井×齋藤、環太平洋フェザー級=竹原×上原

【写真】1月に環太平洋王座を防衛した藤井と約1年2カ月ぶりの復帰戦・齋藤が世界王座を争う(C)MMAPLANET

7月21日(日)東京都文京区の後楽園ホールで開催されるShooto2024#05では世界バンタム級王座決定戦=藤井伸樹×齋藤奨司、環太平洋フェザー級王座決定戦=竹原魁晟×上原平を含む全11試合が決定している。
Text by Takumi Nakamura

7.21後楽園、7.28阿部野、8.3新宿=COLORSと2週間で3大会が続く“サステイン真夏の3連戦”。3連戦の口火を切る後楽園大会ではダブルタイトルマッチが組まれた。安藤達也の王座返上により、空位になった世界バンタム級王座を争うのは同級1位・環太平洋同級王者の藤井と同級3位の齋藤だ。


ランキング的に受けて立つ側の藤井は、2022年11月に石井逸人を下して環太平洋王座を獲得すると、2023年7月に竹中大地とノンタイトル戦で対戦。3Rに猛反撃を見せるも、1・2Rで失ったポイントを挽回できずに判定負けを喫した。2024年は1月に須藤拓真の挑戦を退け、今回の世界戦に駒を進めた。

一方の齋藤はRISEで立ち技の試合も経験しているストライカーで、2021年6月から修斗に参戦。初戦こそ落としたものの、その後はPound Stormでの試合を含め7戦6勝1分と無敗の快進撃を続け、昨年は野尻定由と須藤からも勝利を収めた。怪我の影響で長期欠場を余儀なくされ、約1年2カ月ぶりの復帰戦が世界戦という形になった。

王座戴冠後もコンスタントに試合を続けてきた藤井に対し、コンディションを上げるために試合間隔を空けた齋藤。この試合に臨む状況が対照的な両者だが、ファイトスタイルとしてもスクランブル主体のスタミナ勝負で最終的に競り勝つ藤井×スタンドの時間を長くして打撃で倒す齋藤と対照的だ。藤井がスクランブルの強さを発揮する前に斎藤が打撃を効かせてペースを掴むか。組みの攻防ではなく、どう組みの攻防がスタートするかに注目したい世界戦だ。

そして空位の環太平洋フェザー級王座は竹原と上原によって争われる。この試合は昨年のインフィニティリーグの1位(竹原)×2位(上原)として3月の後楽園大会で行われる予定だったが、竹原の負傷欠場により中止。今大会にスライドしての実施となる。

両者のリーグ戦での対戦結果は5分2Rフル戦ってのドロー。1Rに上原がサウスポーの竹原に対して右ミドルからの右ストレートでフラッシュダウンを奪うも、2Rは竹原がテイクダウンのアプローチからバックコントロールの時間を長くし、各ラウンドを取り合う形で勝ち点を分け合った。

遠い距離にいてスタンドの打撃で戦い上原と近距離でのパンチ&テイクダウンで攻めたい竹原。上原が3R通じて明確に打撃でダメージを与えるか、竹原がコントロールで終わらずにクリーンテイクダウンとトップキープまでつなげられるか。前回と近い試合展開が予想される中、両者ともにどこで試合の山場を作るかが求められる一戦だ。

そのほか3回戦では世界フェザー級王者SASUKEのベルトを狙う椿飛鳥と飯田健夫改めたておによる一戦が決定。2回戦では5月の日中対抗戦で勝利した中池武寛が新人王決定トーナメント2回戦で蓮池勇太と対戦する。

<修斗世界バンタム級王座決定戦/5分5R>
藤井伸樹(日本)
齋藤奨司(日本)

<修斗環太平洋フェザー級王座決定戦/5分3R>
竹原魁晟(日本)
上原平(日本)

<フェザー級/5分3R>
椿飛鳥(日本)
たてお(日本)

<インフィニティリーグ2024 フライ級/5分2R>
大竹陽(日本/勝ち点3)
須藤晃大(日本/勝ち点7)

<バンタム級/5分2R>
加藤ケンジ(日本)
人見礼王(日本)

<フェザー級/5分2R>
児山佳宏(日本)
島村 裕(日本)

<フライ級/5分2R>
シモン・スズキ(日本)
岡田嵐士(日本)

<バンタム級/5分2R>
中野剛貴(日本)
瀬戸口怜久(日本)

<ストロー級/5分2R>
牧ヶ谷 篤(日本)
友利琉偉(日本)

<2024年度新人王決定トーナメント2回戦 フライ級/5分2R>
中池武寛(日本)
蓮池勇太(日本)

<2024年度新人王決定トーナメント2回戦 フェザー級/5分2R>
松岡 拓(日本)
井上翔太(日本)

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【Shooto】日中対抗戦 7対7のカード決定!現世界フェザー級王者SASUKE、エフェヴィガ、ソルトらが参戦

【写真】昨年末に世界王座を防衛したSASUKEが対抗戦の大将戦に登場(C)MMAPLANET

5月19日(日)、東京都港区のニューピアホールで開催されるプロフェッショナル修斗公式戦昼夜大会の第2部=修斗×YFU 7対7 日中対抗戦の全対戦カードが発表された。
Text by Takumi Nakamura

今大会で組まれた修斗と中国のMMA団体=YFU武林笼中对による対抗戦。女子2試合を含む、以下の7試合が決定した。

フェザー級:SASUKE×ホワーン・ユエロア
ライト級:エフェヴィガ雄志×アーイージアコ・アーケンビエコア
女子ストロー級:ソルト×ハイライ・ウーシャアモー
バンタム級:川北晏生×ドウ・ガーシュエ
ウェルター級:西條英成×ジャン・シイジェン
フライ級:中池武寛×ゾウ・ジンボウ
女子ストロー級:新谷琴美×リー・グワーンジェン


この中でも最注目はやはり大将戦、修斗世界フェザー級王者SASUKEとユエロアによる一戦だろう。2023年のSASUKEは3月に飯田健夫をスピニングバックエルボーでKOして王座を防衛すると、2年連続となるRoad to UFC出場へ。

キム・サンウォンとの準々決勝では初回をリードしたものの、2Rにサンウォンの右ストレートを浴びてTKO負け。SASUKEのRoad to UFC挑戦は2年連続初戦敗退という結果に終わった。12月には修斗に戻り、田中半蔵をパウンドアウトして2度目の王座防衛に成功すると、2024年の初戦を迎えた。

そのSASUKEと対戦するユエロアはプロ戦績10戦9勝1敗、打撃格闘技をバックボーンに持ち、ローを散らして右ストレートにつなげるストライカータイプ。唯一の敗戦は昨年10月に元UFCファイターのレジナルド・ヴィエイラにギロチンチョークを極められて喫したものだ。

サンウォンの右一発で苦杯をなめさせられているSASUKEにとっては、ユエロアの右に警戒しつつ、どうユエロアを攻略するか。サンウォン戦での教訓が試される一戦になった。

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【FIGHT&MOSH】SASUKEが語る王者の使命「ベルトを背負って戦ってこそ王者。ビシッと締める」

【写真】 3月に飯田健夫をKOし、初防衛に成功したSASUKE。今大会でも防衛戦を志願した。(C)MMAPLANET

12月2日(土)東京都江東区にある豊洲PITで開催されるプロ修斗公式戦「MOBSTYLES presents FIGHT&MOSH」にて、世界フェザー級王者SASUKEが挑戦者・田中半蔵と対戦する。
text by Takumi Nakamura

2021年7月に工藤諒司に勝利して世界フェザー級王座を獲得したSASUKE。3月に飯田健夫をKOして王座防衛に成功する一方、2年連続でRoad to UFCに出場するも1回戦敗退に終わっている。修斗のベルトを防衛し、UFCという目標を追いかける。SASUKEにその想いを訊いた。


――前回5月の試合=Road to UFC(RTU)フェザー級トーナメント準々決勝でのキム・サンウォン戦は2RKO負けという結果でした。あの試合を振り返っていただけますか。

「チャンスをモノにできなかった悔しさが大きい試合でしたね。というか、それしかない試合でした(苦笑)」

――今の言葉にもある通り、1RからSASUKE選手ペースで試合が進んでいたにも関わらず、2Rにサンウォンの右ストレート一発で試合をひっくり返されるという展開でした。

「見てもらうと分かる通り、1Rは相手をコントロール出来ていて、セコンドからも『倒しにいけるぞ』という指示だったし、僕もそういう手応えがあったんですね。1Rはコントロールに全振りしていたところがあったので、もっとダメージを取らなきゃいけないと思って2Rに入ったんです。それで1Rと比べると打撃の距離が半歩近くなって、自分ののパンチも届くようになっていて。それで倒そうと思って(左フックを)振ったところに右ストレートをもらっちゃいましたね。やったことは間違いじゃないと思うんですけど……本当に悔しいし、もったいないなと思いました」

RTUフェザー級T準々決勝ではキム・サンウォンに逆転負け(C)MMAPLANET

――試合後はどんな心境でしたか。

「試合が終わってホテルに戻ってきたのが夜の9時過ぎで、翌日の朝4時には出発しないといけなくて、試合後はすごくバタバタしてたんです。負けたし、へこんでるし、何を食べてもおいしくないし……何か変な感じのまま帰ってきました(苦笑)」

――ある意味、明確に差をつけられた敗戦の方が負けを受け入れることができたかもしれません。

「切り替えるまでに時間はかかったんですけど、倒しに行った結果として倒されてしまったので、そこはもう自分の実力不足ですね。あと弘中(邦佳)さんが試合後にかけてくれた言葉にすごく救われて、結果が変わって状況が改善することはないんですけど、弘中さんのおかげで切り替えることができました」

――差し支えなければどんな言葉をかけられたのか教えてもらえますか。

「『お前が思っているほど、周りはお前の勝敗は気にしてないぞ』と言われました。僕はUFCを目標にやってきて、RTUで2年連続初戦敗退に終わって、すごく絶望的な状況だと思うんですよ。でも自分がヘコんでいるほど、当たり前ですけど周りはそんなに気にしてないし、1年も経てば今回の負けのことはみんな忘れるんだから、また頑張ればいいんだよって。すごく前向きな言葉をかけてくれて、それで救われましたね」

――悔しい結果であった一方、あの試合のためにやってきたことや取り組みが間違っていなかった部分もあったと思います。

「以前の自分は待ちのスタイルというか、ウェルラウンダーゆえに相手に合わせるところがあったんです。でも去年のRTUでイー・チャア選手に負けたときに周りから言われたのは、このレベルになると自分を相手に押し付けたものしか勝てないよ、と。あの試合以降、とにかく自分から攻めることを意識するようになって、そのスタイルでサンウォン戦も1Rはコントロールできていたので、そういった戦い方や組み立ては間違っていなかったと思います」

――打撃でも組み技でもどちらでもプレッシャーをかけて崩すことが出来ていました。そこは意識していた部分ですか。

「本来の僕は練習でもああやってプレスをかけるスタイルなので、練習通りにできたと思います。しかも日本を飛び出てアジアの選手にも通用したというのは、自分のスタイルが間違ってないなと思いました」

――そして12月「MOBSTYLES presents FIGHT&MOSH」で2度目の防衛戦が決まりました。年内には試合をしたいという希望があったのですか。

「そうですね。サンウォン戦が5月末なので、年内にもう1試合やって、勝って年を越したいと思っていました」

――YouTube「SHOOTO OFFICIAL」チャンネルでは防衛戦を希望したとのことでしたが、チャンピオンとして公式戦に出る以上は防衛戦をやるべきという想いがあったのですか。

「数年前に修斗でチャンピオンになったらONEに行くという流れがあったじゃないですか。その間に暫定王座を設けたり、正規王者が外部の選手とやるときにノンタイトル戦だったり。僕は個人的にそれに疑問を持っていたんですよ。やっぱりベルトを背負って戦ってこそチャンピオンだし、チャンピオンが試合をするのにベルトをかけないことに納得がいかなくて。そういう想いがあったので、今回も対戦相手の候補が何人かいるなかで『相手は誰でもいいので防衛戦をやらせてください』と伝えて、最終的に半蔵選手に決まりました」

――今回の試合は防衛戦であり、約7カ月ぶりの再起戦です。SASUKE選手の中ではどちらの方が大きいですか。

「どちらにということは考えていなくて、一番は試合が決まったからやる、と。前回の負けを忘れるわけではないですけど、そこまで気にしていないというか。ここで負けたらベルトを獲られるとか2連敗になるとか、そういいうネガティブなことは一切思わないんですよね。目の前の試合に勝って次に進む。それしか考えてないですね。復帰戦は復帰戦ですけど、そこに対する気負いはないですね」

――「勝って年を越したい」という言葉もありましたが、2024年につながる試合にしたいですか。

「それもありますし、関東では年内最後の修斗なので、修斗のチャンピオンとして自分が勝って2023年の修斗もビシッと締めたいと思います。そこを深く考えることはないですけど、やることをやれば自然にそうなると思います」

(C)MMAPLANET

――来年以降もUFCへのチャレンジという大きな目標もあると思います。それについてはいかがでしょうか。

「また来年もRoad to UFCにエントリーしたい気持ちはありますが、現実的に厳しいということも分かっています。なのでRoad to UFCとは違う形でUFCにつながる試合をしたいです。修斗で防衛を続けることがUFCに繋がるのであれば防衛を続けたいですし、アメリカのLFA、オーストラリアのEternal MMA、中東だったらUAE Warriorsと、UFCの目に留まるプロモーションもあるので、そういう団体も視野に入れてやっていきたいです」

――それでは2023年を締める試合に向けて、ファンのみなさんにメッセージをいただけますか。

「今いい意味で格闘技が盛り上がっていますが、僕は誰かのためにではなく、自分のために戦っています。応援してくれる人がいたらうれしいし、ネガティブな意味ではなく、僕の試合を見たくない人は見なくてもいいですよって考えなんです。というか周りに気を使ってやっている余裕はない状況なので。自分の存在感を示すことが一番で、インパクトがある勝ち方をして『この選手はもっと出来る』と思わせるような試合をしたいです」

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AB MMA o ONE RENA RIZIN RIZIN45 UFC イゴール・タナベ パンクラス 三浦孝太 亀井晨佑 伊澤星花 太田忍 安西信昌 山本美憂 川村亮 平本蓮 弥益ドミネーター聡志 新居すぐる 海外 皇治 芦澤竜誠 飯田健夫

【RIZIN】RIZIN.45追加対戦カード発表!

2023年大晦日にさいたまスーパーアリーナで開催されるRIZIN.45木村“フィリップ”ミノルのドーピング検査の結果、再び陽性反応が出るという笑えない話題もありますが、なかなか味わい深い追加対戦カードか発表されました。

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【体重、ルール、ラウンド数調整中】
皇治(TEAM ONE)
三浦孝太(BRAVE)
MMAデビュー戦の皇治とMMA戦績2勝1敗の三浦。戦績的にも釣り合うし、知名度的にもキングカズの次男と週刊誌も賑わすお騒がせ男というマッチメイクは話題性があって絶妙の配分ではないでしょうか。でも、三浦も皇治も正念場。三浦はYA-MANに敗れて格闘家としての真価が問われるし、皇治は同じくMMAデビュー戦で三浦を圧倒したYA-MANと否応なしに比較されるはず。おまけに天敵の芦澤竜誠はMMAデビュー戦で格上の太田忍と対戦します。芦澤が勇敢なのか無謀なのかはわかりませんが、その結果いかんによってはまたディスされる可能性もあるでしょう。でも、まさかMIXルールとか皇治にとってダサい事にならない事を願っています。

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【山本美憂引退試合 RIZIN女子スーパーアトム級】
伊澤星花(Roys GYM)
山本美憂(KRAZY BEE / SPIKE22)
山本の怪我で流れて大晦日で実現する事になった一戦。山本の引退の花道を日本最強女子の伊澤が介錯するというアングルはなんとなくわかります。でも、ぶっちゃけ伊澤はもっともっと強豪と当ててどこまで強いか見てみたいというのが率直な感想。ぶっちゃけ伊澤星花のムダ使いではないかと。。。伊澤に見合う相手が見つかりにくいという状況もあるだけに致し方ないか。最後は伊澤が圧巻の強さを見て送り出してくれる事を期待します。

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【フェザー級】
弥益ドミネーター聡志(team SOS)
新居すぐる(HI ROLLERS ENTERTAINMENT)
2022年の平本蓮戦以来の復帰戦を迎える弥益。対する新居はRIZINで飯田健夫を相手に壮絶なKO勝ち。その後のパンクラスでは亀井晨佑をセンタク挟みを極めて激闘を制してフェザー級王座を戴冠。キャリアの中で最も波に乗っていると言っても過言ではないでしょう。弥益がリフレッシュして調子がどこまで戻っているか。お互い極めの強いグラウンドテクニックを持っているだけにハイレベルで拮抗した試合になると見ました。

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【ウェルター級】
イゴール・タナベ(セラヴィー)
安西信昌(TEAM CLIMB)
2023年の台風の目の一人と言えば間違いなくタナベでしょう。RIZIN参戦後は2試合連続一本勝ち。しかも危なげなくあっさり極めているから幻想は高まるばかり。今回はミドル級からウェルター級に下げた事が吉と出るか凶と出るか。まずは計量が第一関門になりそうな予感。対する安西。パンクラスで無類の強さを誇ってUFCにも参戦していたのは2011年~2018年頃の話。あれか5年が経過して直近では5月に海外で試合をして敗戦しており、どこfまで復調しているか。オールドファンとしては川村亮をKOしたパンチがまた見たかったするのです。
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【Pancrase337】新居すぐるが振り返る、KOPT&シザースチョーク「川尻さんが『突き詰めた方が良い』と」

【写真】考えて、努力する。そのイメージを持たせないところが、格好良い(C)MMAPLANET

9月24日、東京都立川市の立川ステージガーデンで開催されたPANCRASE337のメインイベントで亀井晨佑に一本勝ちしてフェザー級KOPを戴冠した新居すぐる。
Text by Takumi Nakamura

ロングリーチと打撃力を誇る亀井と果敢に打ち合い、右ヒジ・右ストレート効かされながらも、最後は得意のアームロックからのシザースチョークで亀井を絞め落とした。どれだけ対策されていても極まる必殺技=アームロック+シザースチョークはどのようにして磨かれたのか。またパーソナルトレーニング中心で整えたという練習環境についても訊いた。


――Pancrase337で亀井選手にシザースチョークで一本勝ちし、フェザー級KOPとなった新居選手です。試合から約1カ月が経ちましたが、どんな変化がありましたか。

「チャンピオンになれたことは純粋に嬉しいですけど、僕はもう33歳で、ここでずっと喜んでいたら時間がもったいないというか。このベルトを手土産に強い選手を倒したいと思っているので、すぐ次に向けて動き出そうと思いました」

――それでは試合についても聞かせてください。試合全体としては打撃の打ち合いもありつつ、最後は一本勝ちという展開でした。

「試合が終わって、もっと寝技の展開を増やしていたら、あんなにダメージを受けることなかったなと思いました。率直に寝技だけだったら、僕とは差があったと思います。ただ今後のことを考えたときに、今までやらなかった殴り合いをやったり、倒れそうなところで踏ん張って一本勝ちできたことはいい経験になりました」

――スタンドでは亀井選手の182センチという長身&ロングリーチとジャブをどう攻略するかが一つの鍵だったと思います。どんな準備をしていたのですか。

「今までやった選手の中で一番背がデカかったんですけど僕はK-1、Krushで試合をしている大沢文也やブハリ亜輝留と練習していて、亜輝留は亀井選手と身長が同じで、文也はジャブがきれいで上手い。2人と練習してリーチとジャブに慣れて当日びっくりしないように準備していました。

実際1Rの終盤まで想定通りだったんで、全く焦らず試合ができていたんですよ。でもそこでヒジをもらって、焦っちゃったんです。そしたら今度は右ストレートをもらって鼻が折れて。そこから距離感をミスって、ビビらなくてもいい距離でビビってパンチをもらって…という展開になっちゃいました」

――2Rはどのようなことを考えて試合に入ったのですか。

「正直、亀井選手のパンチをもらって記憶が飛び飛びなんですけど、パンクラスのMMAグローブってRIZINと比べるとちょっと薄いんですよ。薄いグローブの方が痛いけど脳が揺れる感覚はなかったので、これだったらなんとか耐えられるなと思いました。でも耐えられちゃう分、痛いパンチを何発ももらったんで、それはそれで最悪でした(苦笑)」

――フィニッシュはシングルレッグ→バックテイク→スナップバック→アームロック→シザースチョークという流れるような動きでした。一連の流れは得意な動きですか。

「あれは練習したものがそのまま出ました。前回RIZINで飯田健夫とやったあとに、仲間から『すぐるはスクランブルになったら強いけど、そこにいくまでのレスリングがないから、レスリングを覚えたほうがいいんじゃない?』と言われて。

僕も同じことを思っていたんですよ。それで早稲田出身で、レスリングでオリンピックを目指している安楽龍馬のパーソナルトレーニングを受けるようになって、シングルレッグからバックを取る動きはずっと練習していました」

――レスリングを課題にしていたのですか。

「僕は柔道出身で、柔道的な組手はできるんですけど、あれは密着しないといかせないし、そこに行くまでに打撃をもらっちゃうんですよね。でもレスリングが出来たら遠い間合いからでも組みつけるので、レスリングを覚えたことで打撃をもらわずに組めるようになりました」

――マンツーマンでレスリングを指導してもらう形なのですか。

「僕が受け手を用意して、安楽に教えてもらう形です。安楽の指導がいいのはMMAにアジャストしたレスリング技術で、今の僕に必要なものだけを教えてくれるんですよ。例えば僕がレスリングを強化したいと思った時に、一からレスリングの基礎を覚えようと思ったら時間がない。安楽はいい意味で端折るところは端折って、本当に大事な技術だけを指導してくれるんです。しかも安楽は現役バリバリのトップレスラーなんで、レスリング技術そのものも最先端なんですよ。僕はテイクダウンして寝技になったら絶対極める自信があるんで、レスリングを覚えて自分のMMA全体がレベルアップしたと思っています」

――シザースチョークは1Rにも狙っていた技ですよね。

「はい。基本的にアームロックとシザースチョークをセットで使って。

相手がアームロックを警戒したらシザースチョーク、シザースチョークを警戒したらアームロックを極めるイメージです」

――アームロック&シザースチョークは新居選手の必殺技になっていますが、いつ頃から使い始めた技なのですか。

「MMAを始めた頃は寝技とか関節技をちゃんと教えてくれる人がいなくて。僕がアウトサイダーに出ていた時期に佐野哲也さんのジムに練習に行かせてもらったことがあったんです。

そのときにパンクラスで試合をしていたABさんにボコボコにされて、ABさんに『僕、技を知らないんで何か教えてもらえますか?』と聞いた時に教えてもらった技がアームロックとシザースチョークだったんです」

――AB選手からのアドバイスが原点だったんですね。

「それからアームロックとシザースチョークを練習していたのですが、それしか技を知らないわけですよ。その頃に川尻(達也)さんと練習することがあって、ABさんの時と同じように『僕、アームロックとシザースチョークしか知らないから、何か技を教えてもらえますか?』と聞いたら『お前のどこからでもアームロックを取りにいくスタイルはめちゃくちゃいい。必殺技は警戒されても極まるものだから、それを突き詰めた方がいいよ』と言ってもらったんです。

そのアドバイス通りにアームロックの練習を続けていて、2015年にあったVTJ GRAPPLERS CROWN 2ndという組み技の大会で柔術の世羅智茂選手にシザースチョークで一本勝ちしたんです。僕、組み技の試合に出たのが初めてだったから世羅選手のことを知らなかったんですけど、あとで色々と世羅選手のことを知って、アームロックとシザースチョークに自信を持てるようになりました」

――一つの技にそこまでの歴史があったんですね。

YAWARA柔術アカデミー村田良蔵代表。SJJJF代表理事でもあり、3月19日にはグラップリング大会=KIWAMIをGRACHANと併催している

「ただ、そうはいっても我流で練習を続けていたのでMMAの試合では対策されて、なかなか極められなくなったんです。

そうやって伸び悩んでいる時期にYAWARA柔術アカデミーを紹介してもらって(村田)良蔵先生と出会い、寝技の細かい基礎を教えてもらって、寝技のレベルがぐっと上がったんです。そこでアームロック&シザースチョークが“得意”技から“必殺”技に変わりました」

KIWAMIで新居は小見川道大をシザースチョークで破っている

――まさに紆余曲折を経て磨かれた技なんですね。例えば他の選手のアームロックを見ていて「こうすれば極まるのに…」と思うことはありますか。

「単純に同階級の選手に力負けしたことが一回もないんで、基本的に(アームロックを)取れないわけがないと思ってやってます(笑)。実際に2年前から筋トレはやめて、その分の時間を技術練習に当てています」

――格闘技を始めた頃からパワーには自信があったのですか。

「もともと柔道出身なんですけど、高校時代の柔道部のメンバーがみんな身体が小さかったんです。それで先生がデカいやつらに力負けしないようにむちゃくちゃ筋トレをやらせてたんです。それで力が強くなりました」

――昨年7月のハンセン玲雄戦から4連勝を収めていますが、レスリングや寝技以外で変えたことはありますか。

「その年の2月にRIZINで山本空良に負けて、そこから仕事を辞めて格闘技に専念しようと思ったんです。それまで自分は本当に練習が嫌いで、技術練習なしでスパーリングだけ参加するみたいな感じだったんです。でも山本戦のあとに各ジャンルにパーソナルトレーナーをつけて、格闘技のノウハウを学ぼうと思いました。それこそ柔道で培ったフィジカルとアームロック&シザースチョークだけで、ある程度やれていたわけだから、今の自分には伸びしろしかないし、ちゃんと練習すれば絶対に強くなれると思いました」

――打撃は誰の指導を受けているのですか。

「RISEで活躍して森本”狂犬”義久たちを指導していた青木利康さんですね。週2回、青木さんにミットを持ってもらっています。練習環境としては打撃は青木さん、レスリングは安楽、寝技は良蔵先生に教わって、出稽古でMMAのスパーリングをやるという感じです」

――今日新居選手を取材していて、ジムに所属せずにパーソナルトレーニングで練習環境を整えるという考え方が面白いと思いました。

「本当は僕もどこかジムに入りたいんですけど、僕みたいに週6日遊んでいる選手は行きづらいじゃないですか(笑)。二日酔いのまま練習にいくと迷惑かけちゃうし、周りの選手の目も気になるし。それを考えるとパーソナルトレーニングを受ける方が楽なんですよね」

――そういう理由でしたか(笑)。でも必要なものを教えてもらえる、短期間で結果を出すという意味では新居選手に合った練習環境ですよね。

「今日の取材でも分かってもらえると思うんですけど、僕ってものすごく特殊な選手じゃないですか。ずっと我流でやってきて、使う技も偏っていて。パーソナルだと、それを修正するんじゃなくて、長所として伸ばしてくれたうえで、足りない部分を補ってもらえるんですよね。結果的に今のパーソナルを受けて、それを自分の頭で組み立てるという練習方法が合っていると思います」

――ちなみに新居選手はタイトルマッチの記者会見でも「飲んで遊んでいてもチャンピオンになれる。それが若い選手に夢を与える」とコメントしていましたが、パフォーマンスではなく本当にそのくらい遊んでいるのですか。

ノーネクタイ&襟を立てる。いわゆる遊び人スタイルで調印式に出席していた

「はい(笑)。

いつも試合の一カ月前から禁酒するんですけど、減量に入るとどんどん調子が良くなっていきますね」

――新居選手はTiktok・YouTubeの「クラブセキュリティあるある」動画でも人気ですが、格闘技で結果を出すことへのこだわりは?

「今まで生きてきて、自分の意思でやろうと思ったことがクラブセキュリティとMMAだけなんです。柔道は先輩が怖くて辞められなかっただけだし、どんなスポーツもバイトも長続きしなかったんで、その2つは絶対に続けようと思ったんです。もともと僕は欲がない性格で、後輩の阿部大治とか武田光司がチャンピオンになって活躍しているのを見ても、心のどこかで自分には無理だと思っていて。

でもRIZINで負けた時に『最後に思いっきり格闘技を頑張ってみよう』と思って、仕事も辞めて格闘技に専念したら結果が出るようになって、もっと上を目指そうと思いました。それで格闘家としての発言権が欲しくてパンクラスでベルトを巻くという結果を残したかったんです」

――失礼ながら自分も初めて新居選手を取材させてもらい、イメージや印象が変わりました。

「去年自分のなかで3年プランというものを立てていて、2022年はSNSを頑張って知名度を上げる。2023年は格闘技で結果を出して知名度に追いつく。2024年はその2つでもっと結果を出して稼ぐ& 成功する、なんです。だから今年はほとんどSNS用の動画を撮ってないし、格闘技に全振りしようと思ってやってきました」

――そういった人生プランがあったうえでの、SNS活動だったんですね。ではこれからの格闘家としての目標を教えてください。

「パンクラスのチャンピオンとして、パンクラスを代表して試合をしていきたいですし、今年の格闘技の目標が3つあって、RIZINにリベンジする(RIZINで初勝利する)こと、パンクラスでベルトを巻くこと、RIZINの大晦日で試合をして勝つことなんです。最初の2つは達成することが出来たので、あとはチャンスを待つだけですが、RIZIN大晦日に出るという目標を実現したいです」

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【速報】「RIZIN.43」前半の試合結果

1: 名無しさん 2023/06/24(土) 12:17:17.18 ID:LaV4nepq
第13試合/フェザー級タイトルマッチ クレベル・コイケ vs. 鈴木千裕
第12試合/矢地祐介 vs. ザック・ゼイン
第11試合/関根“シュレック”秀樹 vs. 上田幹雄
第10試合/鈴木博昭 vs. 西谷大成
第9試合/梅野源治 vs. 鈴木宙樹
第8試合/木村“フィリップ”ミノル vs. ロクク・ダリ
第7試合/久保優太 vs. 木下カラテ
第6試合/大島沙緒里 vs. ソルト
第5試合/新居すぐる vs. 飯田健夫
第4試合/関鉄矢 vs. 遠藤来生
第3試合/トレント・ガーダム vs. 後藤丈治
第2試合/熊谷麻理奈 vs. 栗山葵
第1試合/山川賢誠 vs. 平野凌我
OPENING FIGHT 第4試合/渡辺トシキ vs. 安海健人
OPENING FIGHT 第3試合/丸山大輝 vs. 早坂優瑠
OPENING FIGHT 第2試合/愛翔 vs. 小出龍哉
OPENING FIGHT 第1試合/星久保将城 vs. がんばれ!ふるかわくん

https://www.youtube.com/live/8o6aDCqN19s?feature=share

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RIZIN.43:オッズ/予想と展望

例によってMMAの試合のみ。また、12時半開始のオープニンマッチはPFLとバッティングするため割愛。

熊谷麻理奈 2.10
栗山葵 1.67

バンタムに落としてきた熊谷と上げてきた栗山。打撃では熊谷が上で、フィジカル差もあるので栗山はテイクダウンに苦労するだろう。

熊谷判定勝ち。

トレント・ガーダム 1.44
後藤丈治 2.63

RIZINMMAの試合では、ビクター・ヘンリーと井上直樹に負けているが、いずれも簡単に負けたわけではなく、打撃で苦しめる場面もあったガーダム。井上戦以降3年間はボクシングしかしておらず、MMAの技量がどれだけ向上しているのかは未知数。だが、打撃が武器の後藤にとっては相性が悪い相手。

ガーダム判定勝ち。

関鉄矢 1.53
遠藤来生 2.40

関は前回直前の代役で中原由貴と対戦し判定負け。遠藤はパンクラス2勝3敗。3月には高木凌にパンチで完全に意識を飛ばされてKO負けしたばかり。地元ということで無理をしての参戦でなければ良いが。関判定勝ち。

新居すぐる 1.72
飯田健夫 2.05

ともに地元出身で、北海道時代からの盟友。フィジカルを利用したキムラが武器の新居。飯田は3月の修斗でSASUKEのバックブローで完全KOされている。得意の体勢に持ち込めれば新居にチャンスがありそうだが。

飯田判定勝ち。

大島沙緒里 1.29
ソルト 3.40

ベストはアトム級の大島が2階級上のストロー級での試合。テイクダウンからすぐに極められれば良いが、ソルトは懐が深いだけに、長期戦になってタックルを来られるようになると、グラウンド膝がありのRIZINでは一発効かされただけで判定を落とす危険がある。

大島一本勝ち。

久保優太 2.05
木下カラテ 1.72

キャリア1勝1敗の久保だが、1勝の相手は奥田なので実質ノーカン。修斗やDEEPで6勝6敗と前座~中堅クラスの木下とは実力的に釣り合いは取れているかもしれないが、釣り合いが取れているならRIZINではなくDEEPでキャリアを積むべきでは。ここで木下相手に負けるようなら、そう言われても仕方がない。

木下判定勝ち。

鈴木博昭 1.80
西谷大成 1.95

キャリア2勝3敗の鈴木だが、2勝の相手は奥田と、打撃で打ち合ってくれた昇侍だけなので実質ノーカン。前回はDEEPでもタイトル戦クラスではない青井人にタックルを切れず判定負け。DEEPで6勝5敗の西谷に負けるようなら、さすがにもうRIZINでは組めない。30過ぎてからMMAデビューしたストライカーが相次いで同じような境遇に陥っているが、先日MMA転向を表明した皇治も同じ目に遭わないかが心配。

西谷判定勝ち。

関根“シュレック”秀樹 1.91
上田幹雄 1.83

とりあえずヘビー級で豪快なKO決着を見せれば喜ぶだろうという、初参戦が多いであろう観客のリテラシーに期待して組まれた試合。上田はデビュー戦はKO負けだったが、もともとフィジカルはあるし、関根はテイクダウンに苦労しそうで、そうなると打撃をもらって一気に勝負がつきそう。

上田KO勝ち。

矢地祐介 1.36
ザック・ゼイン 3.00

とりあえずちょうどいい外国人を連れてきて、きっちり一本・KO決着すれば喜ぶだろうという、観客のリテラシーに期待して組まれた試合。矢地は前回判定でも勝てればOKという考えでボイド・アレンを塩漬けにした結果、年末には島流しにあっているので、今回はさすがにフィニッシュが必要なことは理解しているだろう。

矢地KO勝ち。

クレベル・コイケ 1.29
鈴木千裕 3.40

クレベルが序盤にパンチを不用意に貰わなければ、組んであっさりフィニッシュ。鈴木が組みを警戒して出ていけないようだと、逆にクレベルペースになるので、ファーストコンタクトにすべてを賭けるくらいの気持ちで攻めてもらいたい。

クレベル一本勝ち。

オープニングファイト開始は12時半、イベント開始は14時から。MMAの試合のみ速報します。

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o RIZIN SASUKE UFC 修斗 原口伸 飯田健夫

Road To UFCシーズン2エピソード1:第5試合・佐須啓祐 vs. キム・サンウォン

フェザー級トーナメント一回戦。

SASUKEこと佐須は昨年のRoad To UFC優勝候補の一角でありながら、初戦で全く無名のイー・ジャーに投げられ、手をついた際に脱臼してチョークを取られ一本負け。10月の準決勝で組まれたワンマッチでは判定勝ち。今年3月、修斗王座の防衛戦ではかつて引き分けた飯田健夫からバックブローで2RKO勝ち。28歳。

サンウォンは韓国Double Gフェザー級王者。29歳で9勝5敗1分け。グァムで行われたBrawlでは、RIZINバンタム級GPに出場した伊藤空也から1RパウンドでKO勝ちしているが、前戦の昨年11月の原口伸戦では、レスリングで削られ消耗し、最後はパウンドでKO負け。グラウンドが強いが、スタンドではパンチをどんどん振ってくるスタイル。

勝者がイー・ジャーと対戦。SASUKEが勝てば昨年のリベンジマッチとなる。

カーフを入れたSASUKE。プレスしていく。サンウォン様子見。飛び込むフェイントを見せる。右をヒットさせたサンウォンだが、SASUKEも右オーバーハンドをヒット。SASUKEタックル。テイクダウン。首と足を抱えて寝かせに行くSASUKE。首を外したサンウォン。立ってバックを狙うが、回らせないSASUKE。押し込もうとするSASUKE。離れ際にバックブローを見せた。詰めるSASUKE。サンウォン手が出ない。SASUKEタックル。スイッチでディフェンスしようとしたサンウォンだがSASUKEがバックについた。スタンドバック。正対したサンウォンだが、小内刈りからすぐまた倒した。上に。最後にサンウォンが上になるが、その瞬間にホーン。

1RSASUKE。

2R。ワンツーを入れたサンウォン。SASUKE蹴りをキャッチしテイクダウンを狙うが振りほどいたSASUKE。カーフの蹴り合い。SASUKEの右オーバーハンドがヒット。出ていくSASUKEだが、サンウォンのワンツーの右がアゴにヒットしSASUKEダウン!亀のSASUKEにパウンドラッシュ!動かず打たれるSASUKE。レフェリーストップ!

ずっとSASUKEペースで来ていたが、一発で試合を引っくり返されてしまった。2年連続の一回戦敗退。