【写真】前回3月大会出場の面々(C)ECHIGO KAZENOJIN
9月3日(日)、新潟市中央区の万代島多目的広場大かまで、プロ修斗公式戦=越後風神まつり11を開催するプロモーターの風田陣インタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike
風田氏はキックボクシングから修斗に転向し、選手としてだけでなくジム運営者、さらにプロモーターとして新潟に修斗、MMAを根付かせてきた。その風田氏が『新潟修斗の一つの歴史が終わる』と語った、今大会の見どころを訊く。一つの時代の終わりは、新しい時代の始まりとなる――越後からの熱い風とともに。
【風田陣インタビューPart.01はコチラから】
「そうですね……。僕は『大会をお祭りとして楽しみたい』というスタンスです。大会スタッフは全員、ピロクテテス新潟の人たちなので一体感がありますよね。だから選手も頑張ってくれる。それは興行をやっていて楽しい面だと思います」
――風田さんとしては新潟だけでなく、北陸全体を見据えているのですね。
「今やっているアマチュア修斗は『北信越選手権』なんですよ。北信越ということは新潟、富山、石川、福井、そして長野まで入ります。この北信越からプロ選手が出て来たら、どんどんプロ興行に出てもらいたいです」
――一方、他の大都市圏との格差は感じませんか。現在の修斗でいえば東京、大阪、福岡といった大都市圏とは興行の規模やマッチメイクにも違いが出て来ます。
「それはあります。ただ、格差といいますか――マッチメイクで苦労するのは、やはり『新潟の選手や北陸の選手をマッチメイクしたい』という気持ちが強いからなんです。たとえばサステイン興行は全国から選手を呼ぶ。それも修斗のためです。同時に僕は新潟で、北陸の選手を中心に試合を組む。それも修斗のためだと考えています」
――新潟大会のために他の地域から、もっと多くのトップ選手やランカークラスを呼ぶことは考えていないのでしょうか。
「もちろん考えてはいます。でも僕の役割はまず地元の選手の試合を組んで、ツイキャス中継などでアピールすること。サステイン興行やTORAOで『この選手を呼びたい』と思ってもらえるような選手を、この新潟大会から送り出すことだと考えています。
そしてウチのツイキャス中継を視た他の選手が『新潟大会に出たい』と思ってくれたら嬉しいです。今回は大阪からTOMA選手が出てくれます。TOMA選手はオファーしたら、二つ返事でOKをくれました。それは本当に嬉しかったですね。そういう状況になったのも最近の話で。第1回から第3回大会ぐらいまでは『何とかして興行をやっている』という感じでしたから」
――2021年8月の第8回大会からは、新潟LOTSから現在も使用している大かまに会場を移しています。
「コロナ禍で新潟LOTSが使えなくなって、感染予防のガイドラインを守ることができるような風通しの良い会場を探したら、大かまを選びました。大かまは最大だと2000~3000人は入れられる会場なんです。あの時はキックボクシング団体のNKBさんと合同興行を開催することができて、今も単独興行で大かまを使用しています」
――ただ、風通しが良い代わりに3月は寒かったと(笑)。大かまではケージも設置できそうですが、新潟大会でケージを使用する予定はないのでしょうか。
「今は費用の問題でリングを使用していますが、やはりケージは見るだけでお客さんも興奮しますよね。いずれはタイトルマッチ開催やケージも考えていきたいです」
――今大会はピロクテテス卒業生であるYOKOSAI選手の引退試合が組まれました。
「横山(朋彦=YOKOSAIの本名)はピロクテテスでゼロからMMAを始めました。ウチにとってもプロ選手第1号でした。でも修斗で3連続KO負けを喫して、修斗コミッションから引退勧告が出ていたんですよ。それで一度修斗から離れたあと、柔術に取り組んだおかげで打ち合うことなく下から極める術を覚えて。引退勧告から10年後に修斗復帰を認められました。正直に言うと、一度離れているので『横山が引退かぁ』という感慨深さや悲しさのようなものはないです(笑)。
横山はMMAを引退して、今後も柔術の試合には出るそうです。だから僕にとっては、どちらかといえば『新潟修斗の一つの歴史が終わるんだな』という感じですね。もちろんピロクテテスのプロ第1号である横山の引退試合は重要ですし、今回は彼だけのためのポスターも作りましたよ! まだ試合前ですが、横山には『お疲れ様。ありがとう』と伝えたいです」
――なるほど。他にも今大会の見どころをお願いします。
「やはりTOMA選手の出場ですね。今年5月に福岡でTOMA選手の復帰戦を観ましたが(TOMAは3年ぶりの試合だった)、やっぱり強いなぁと思いました。ちょうどその頃、TORAOの山本(陽一)さんと新潟大会の話をしている時に、『TOMA選手を出したら面白いんじゃないか』という提案を頂いて。まずはTOMA選手の強さを新潟の人たちに見てほしい。対戦相手の岡田達磨選手も、ここでTOMA選手に勝てばランキングに入ることができますから。
今回は関東からパラエストラTBの選手が出てくれて、新潟の選手と対戦します。新潟から選手を送り出すこと、そして他地域から新潟大会に出てくれること。この2つが叶ってきているのが、僕としては大会の見どころだと思っています」
――まさに風田さんが目指しているものが実現しつつある――大会としての成長やストーリーも存在しているのですね。
「繰り返しになりますが、いろんな方が協力してくださって大会を行うことができています。横山のSAI-GYMをはじめ、いろんなジムの関係者や選手とも想いを共有できていると感じています。その中から選手たちが越後風神祭りというステージに上がり、自分たちの技術をぶつけ合って、観ている人たちに感動を与える。これは新潟を舞台にした、修斗という映画のようなもので――そんな選手や大会のドラマを観ていただきたいです」
■視聴方法(予定)
9月3日(日)
午後12 時50分~ ツイキャス
■ 越後風神祭り11対戦カード
<フェザー級/5分2R>
TOMA(日本)
岡田達磨(日本)
<フェザー級/5分2R>
小川将貴(日本)
ヨシ・イノウエ(日本)
<フェザー級/5分2R>
久保村ヨシTERU(日本)
櫻庭泰裕(日本)
<バンタム級/5分2R>
Jセロウ若林(日本)
松下祐介(日本)
<ライト級/5分2R>
畑田智洋(日本)
磯部雄太(日本)
<フェザー級/5分2R>
加藤裕彦(日本)
澤江優侍(日本)
<バンタム級/5分2R>
青井心二(日本)
江口諒(日本)
<フライ級/5分2R>
蓮池勇太(日本)
隼吾(日本)
<フライ級/5分2R>
一杉芳樹(日本)
本多“弥彦”直樹(日本)
<フェザー級/5分2R>
長濱靖(日本)
歩生(日本)
<フェザー級/5分2R>
YOKOSAI(日本)
ムテカツ(日本)