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【RIZIN TRIGGER03】RIZIN初陣=江藤公洋戦へ、雑賀ヤン坊達也「今まで通り、相手の意識を断ち切る」

【写真】その表情、口調からも充実ぶりが伺えたヤン坊だった(C)MMAPLANET

16日(土)に東京都調布市の武蔵野の森アリーナにて開催されるRIZIN TRIGGER03に雑賀ヤン坊達也が出場し、江藤公洋と対戦する。

2020年9月に4試合連続1RKOで暫定ライト級KOPとなったヤン坊は、その時点でRIZIN参戦を熱望していた。しかし、その想いは届かずRIZINライト級戦線で戦う正規チャンピオン久米鷹介と王座統一戦を戦う。J-MMA史に残る激闘の末、久米に逆転負けを喫したヤン坊だったが、そのポテンシャルの高さを見せつけたファイトであったことは確かだ。

そして手にしたRIZINの舞台──当然、彼の目標は本戦出場だが、TRIGGERは戦いなれたケージでもあり、DEEPやONEで実績を残してきた江藤は名前を上げるのに格好の相手だ。一撃必倒と表現しても良いパンチ力と、所属するDOBUITAの長岡弘樹代表とのスパーで身に着けた組みへの対応力でRIZINライト級戦線に殴り込みをかけるヤン坊はケージ内での威風堂々とした佇まいとは対照的に、試合前に緊張で夜も眠れないという。そんな彼にRIZIN TRIGGER参戦に向けての心境を尋ねた。


──RIZIN TRIGGER03出場、念願のRIZIN参戦となりました。相当に気合が入っているかと思いますが、試合が近づくと戦い振りとは裏腹に恐怖に襲われるヤン坊選手……今はどのような心境でしょうか。

「もうドキドキしています。今日も試合のことを考えてしまって、昼寝ができなかったです(苦笑)。どうしても江藤選手のことを考えてしまって……」

──また、ですか。久米鷹介選手とあれだけの激闘を繰り広げてなお、試合前の恐怖というのは避けられないのですね。

「以前と同じ状況に陥っています……。久米選手との試合は、負けましたが自信がついた試合でした。ただ試合というモノ自体は……怖いままで。こういう風になってしまいます」

────ところで久米戦で耐えまくっていた左腕は問題なかったですか。

「今は大丈夫です。2月後半までは少し痛かったですけどね(笑)。でも靭帯も大きな問題なくて、力を入れても全く問題ないです。3月の上旬には痛みもおさまりました」

──良かったです、後遺症がないことは。そしてTRIGGERということで、引き続きケージでのファイトになります。

「ケージですけど……会見の時に、来られてなかったですよね」

──TRIGGERの会見はお邪魔させてもらっているのですが、家族が陽性になって濃厚接触で自宅隔離期間中だったんです。YouTubeで拝見したのですが、ヤン坊選手はいつも通りでしたね。変に力が入ったコメントをして、滑る人とかもいるのですが。

「アハハハハ。僕は何も変わってない。いつも通りでした。そういうことはできないですから(笑)」

──ところで暫定王者になった時からRIZIN出場を希望していましたが、叶わず。そして最初に触れたように──昨年12月に久米選手のパンクラス出場を待って統一戦。そこで敗れて、今回のTRIGGER出場となりました。

「試合が終わってから、2022年をどうしてくのかという話を坂本(靖)さんとさせてもらい、『挑戦しますか』と言ってもらえたんです。もちろん僕もしたかったですし、かなり坂本さんには動いてもらって、今回の出場が実現したと思っています」

──正直、現状のRIZINは出場選手の実績という部分では敷居が低くなっています。そのなかで「自分は違うぞ」という気持ちはありますか。

「本音をいえばナンバーシリーズに出たかったです。でも、そうではないということは現状の僕に対する評価だと思っています」

──ただ今回は首都圏下で初のTRIGGER開催。相当な顔触れか揃っていると思いますが……。

「そういう部分では強い選手が集まっているとは思いますが、僕はパンクラスで暫定王者として、久米選手とベルトを争った。そこに関して、誇りは持っています。今回、パンクラスにバックアップしてもらって出ていますし、パンクラスの強さ……パンクラスのランカーは一味違うというのは見せていかないといけないと思っています」

──では対戦相手の江藤選手について、どのような印象を持っていますか。

「固い試合をする選手です。しっかりとレスリングをして、コントロール──漬けてくる選手ですよね。隙を見せると、絞めがあります」

──ヤン坊選手のMMAキャリアは、常に組み対策と共にあったかと思われます。

「そうですね。ただ久米さんは打撃とテイクダウンが合体しています。対して江藤選手の組みは、まさに組みですよね。だから久米さんよりもプレッシャーはないと思います。僕のなかでは久米さんが基準になっているので、あの一戦に向けて準備してきたことで成長できましたし。それは試合中にも感じました。なので今回の試合もやることは余り変わらないです。

仮にテイクダウンを奪われると、コントロールの仕方は人それぞれなので、そういう細かい部分は気を付けないといけないと思っています。それと久米さんに下から起き上られて、下にされた。ああいう予想していなかった部分も、ボス(長岡弘樹DOBUITA代表。GRANDウェルター級王者)が練習で仕掛けてくれるようになりました。

今回の試合もボスのスタイルが、ハマるという感じですよね。久米さんとの試合で、組まれた時に『ボスのテイクダウンは、このクラス級なんだ』と凄く理解できました。そういう意味で、僕はトップクラスの組みを練習で受けることができて恵まれていると思います」

──ソニックスクワッドでの出稽古の方は?

「ばっちりお世話になっています。安田(けん)さんに走り込みまでお世話になって。週に1度、関(鉄矢)君と森山(壱政)君とガッツリ追い込まれています(笑)。スパーリングもやっていますし、森山君はもっと脚光を浴びても不思議でない良い選手ですし、僕自身──久米さんとの試合の時と比較しても、レベルアップしていると感じています」

──なるほどぉ。期待値が上がります。ところでテイクダウンに関して、江藤選手は久米選手と比較して崩し方が豊富だという印象もありますが……。

「本当に集中力が欠かせないと思います。ただし、一つひとつをしっかりと対処すれば対応できるかと。そうやって江藤選手の気分を乗せないで、戦うことを嫌にさせていきたいです。嫌がることを仕掛けたいですね」

──ヤン坊選手はインパクトを残して、良い試合をしたいですよね。

「もちろんです」

──江藤選手は勝つために、そういう意識を捨てることができる。その強みがあるかと思います。組みが強い。でも、出てこない。そういう試合になると、おびき出して攻めないといけない。これは、なかなか厄介になるかと。そこで攻め気に逸ると、テイクダウンの餌食になりますし。

「そうなんですよ。そこは今回の課題なんです。僕自身は分からないですけど、ボスから『ヤン坊と打ち合う人間はそんなにいない。近づきたくない』って言われます。そこで待たれて、パンチに合わされてテイクダウンを狙われると面倒くさいというのはあります。でも、やるしかないです(笑)」

──久米選手からノックダウンを奪ったことで、いよいよ国内勢ではヤン坊選手の打撃への警戒心は強くなっているはずです。

「それも言われました。『久米選手から、あんな風にダウンを奪うともう入れない。あの一瞬で入れるということは、そのタイミングを計っていると組む方も思うから』と。江藤選手だって分かっていますよね(笑)。そうなると心理戦です」

──そこでレフェリーが「ファイト」を要請すると、もうどちらがミスをせずに戦えるかという勝負になりますね。

「本当に難しい相手を当ててくれたなって、感じです(笑)。でも組み、受けは自信がついてきたので……ただし、グラウンドでのコントロールは半端ないと思います。寝ちゃダメですね。まぁ組まれる前、そこが大切になってくるでしょうね」

──この試合がRIZINでのキャリアの第一歩になります。今後に関して、どのような青写真を描いていますか。

「まずはこの試合に集中しています。そこを大前提として、ここでしっかりと勝ってRIZINライト級のトップ戦線にいる選手達に加わりたいですね。そうやって名前を上げて、パンクラスでも試合をして盛り上げたい……パンクラスも盛り上げたいです。RIZINに行きっぱなしという風にはしたくないですし、それはパンクラスに伝えています。『ヤン坊が出るから』と言って、パンクラスの試合をファンが見てくれるような存在になりたいです。日本全体を盛り上げたいし、自分も有名になりたいと思っています(笑)」

──ではMMAPLANETの読者の皆さんに、改めて意気込みをお願いします。

「今まで通り、しっかりと相手の意識を断ち切る──真剣の斬り合いのような試合をしたいと思います」

──それなのに昼寝でもできない精神状態だと……(笑)。笑いごとではないのですが。

「来週になると、夜も眠れない状況になってきそうです(笑)。ただし、これまでもと違うのはマットレスを変えたんです。そうしたら寝心地が良くなったので、その効果があるんじゃないかと期待しています(笑)」

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【RIZIN TRIGGER03】TRIGGER東京大会で雑賀ヤン坊×江藤、須藤拓真×渡部修斗ら4試合発表

23日(水)、東京都目黒区の雅叙園において4月16日(土)&17日(日)に調布市の武蔵野の森アリーナにて開催されるRIZIN TRIGGER03及びRIZIN35の会見が2部制で行われた。

メインは修斗世界バンタム級チャンピオン岡田遼が、安藤達也を挑戦者に迎え2度目の王座防衛戦=Road to 有終の美に臨む今大会──選手権以外でバンタム級戦が2試合組まれている。

冒頭で榊原信行代表より「3月以降、入国制限が変わり外国人選手の参戦が可能になり、2年間の日本人同士の対戦の成果が外国人対決で見られる。その第一弾が16日のRIZIN TRIGGER03となる」という話が聞かれた。

そして雑賀ヤン坊達也、須藤拓真、江藤公洋、関根シュレック秀樹、征矢貴、貴賢神 渡部修斗が登壇し、ライト級=雑賀×江藤、フライ級=征矢×中務修良 バンタム級=須藤拓真×渡辺拓真、無差別級シュレック×貴賢神の4試合が発表された。

出場選手の抱負は以下の通りだ。


江藤公洋
「ヤン坊選手という素晴らしい選手と戦えること嬉しく思いますし、当日盛り上がるような試合をしっかりとできたらと思います」

雑賀ヤン坊達也
「目標にしていたRIZINの舞台に立てること嬉しく思います。そして江藤選手という世界を経験してきた素晴らしい選手と戦えること楽しみに思っております。僕のファイティングスタイルはRIZINにピッタリのファイトスタイルだと思っておりますので、しっかりとKOして覚えてもらい、ライト級の新しい風になりたいと思います」

中務修良(代読)
「もともと僕は虐められていました。不登校になり、体もメチャクチャ弱かったです。そんな僕がボクシング、レスリング、MMAと出会い三重に帰ってからもケガだらけの競技生活でちゃんとMMAに復帰できたのが4年前、指導者もいないなか腐らず回りの人に助けてもらいながらコツコツと頑張ってきました。がんばればRIZIN、こんな大きな舞台に出られるところを見てほしい。そして気持ちじゃ誰にも負けないところを見せたいです。僕が格闘技を始めるきっかけになった父が脳の病気で倒れ半身麻痺、兄の奥さんも病気で苦しんでいます。身内にも僕が死に物狂いで頑張っているところを見せて少しでも力にしてもらいたいです」

征矢貴
「3年弱時間が空いてしまったのですけど、僕も色々あってケガだったり病気だったり、戦線を離脱してしまって苦しい時期が長かったですけど、復帰することだけを生きる目的というか……考えて耐えてきました。当日は格闘技に対する執念、見せたいと思います」

須藤拓真
「このような大きな舞台に呼んでいただき、ありがとうございます。自分の試合を見ていただいたことがある方だったから分かると思うんですが、自分は今はやりの派手な殴り合いのKOなどないです。が、そう言うのとは全く別の新しいMMAを皆さんにお見せできると思うので、ぜひ自分の試合に注目していただければと思います」

渡部修斗
「このカードが決まってまだ歴史の浅いNEXUS出身の2人が日本最高峰のRIZINの舞台で戦えることを嬉しく思っています。先日のDEEP JEWELSで彼女が躓いてしまったのでTRIGGERのコンセプトらしく、自分がしっかりと勝って自分達の再出発の地にしたいと思っています。それでしっかりと勝って自分の道を切り開いていこうと思います」

貴賢神
「このようなデカい舞台で戦う機会を与えてくださった榊原代表初め、RIZIN関係者の皆さままことにありがとうございます。そしてデビュー戦で自分の対戦を受けてくださった関根シュレック選手、ありがとうございます。自分は格闘技といえばヘビー級、まだ自分はヘビー級の体重ではないのですが、大きい人が一番魅力的だというところを見せていければと思っております。これからもよろしくお願いします」

関根シュレック秀樹
「前戦は夢だった大晦日の舞台でなんとか勝つことがデキて、ずっとボォっと過ごしていました。今回、RIZIN TRRIGERでデビュー戦となるね、あのうスーパールーキーの貴賢神君の相手として選んでいただき本当もう──この話自体はね、結構前に貰ったんですけどやっと発表されて自分も嬉しく思っています。自分としても夢だった大晦日、しかも勝つことがデキてもうやり残したことはないような気分になりましたが、自分がこれから戦っていく意味を考えた時、何があるのか、どんな使命があるのか考えた時にやっぱりプロレスラーの強さをMMAで証明する──これと昭和生まれのオッサン、どこまでできるのか。RIZINという舞台でどこまでリングに立ち続けることができるのか。そういうことを証明していきたいと思います。TRIGGERでは貴賢神君とド迫力のファイトをお約束しますので、ぜひ見に来てください」

同大会は既にライト級=ルイス・グスタボ×矢地祐介、バンタム級=金太郎×倉本一真、フェザー級=金原正徳×摩嶋一整の3試合が発表され、今回の会見で追加された4試合を含め計12~13試合が組まれることも明らかとされている。

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ABEMA ISAO MMA MMAPLANET ONE PANCRASE Pancrase326 RYO ロッキー川村2 上田将竜 中田大貴 久米鷹介 亀井晨佑 仙三 内藤由良 名田英平 小川徹 岩本達彦 松岡嵩志 松本光史 林源平 猿飛流 葛西和希 藤野恵実 透暉鷹 雑賀ヤン坊達也

【Pancrase326】3つ目のタイトル戦は小川×猿飛流。中田×亀井&岩本×Ryoのフェザー級T、葛西×松本も

【写真】互いに戦っておかなければならない相手との試合、だ(C)MMAPLANET

24日(月)から本日26日(水)に掛けてパンクラスから3月21日(月・祝)に東京都新宿区のベルサール高田馬場で開催されるPancrase326の追加カードが3日連続で発表されている。

内藤由良×ロッキー川村2の間でミドル級王座決定戦、女子ストロー級タイトル戦=藤野恵実×KAREANに続き、3試合目のタイトル戦=フライ級KOTCが同大会で組まれる。24日(月)に同日付でフライ級正規王者の仙三が「王座防衛戦の見通しが立たない」ということで返上し、暫定王者から正規王者となった小川徹に猿飛流が挑戦することが決まった。


両者は昨年行われた暫定フライ級王座トーナメントの準決勝で勝利し、王座決定戦を戦う予定だったが猿飛流の負傷で予定通りに試合が消化できず自動的に小川の腰にベルトが巻かれることになった。

その小川は本来、王座決定戦がマッチアップされる予定だった昨年10月大会で、上田将竜を相手に3度目の正直となる判定勝ちで初防衛に成功している。両者にとってまさに未完の対決──猿飛流が追う立場で実行される。

火曜日にはフェザー級KOPのISAOへの挑戦権を賭けて、4人制の王座決定トーナメントが組まれることが公とに。準決勝が3月大会、決勝は4月29日の立川大会で組まれる。

状況によっては、ワンナイトよりも過酷なトーナメントはランク1位の中田大貴と同3位の亀井晨佑、同2位の岩本達彦と 同4位のRyoの間で準決が実施され、補欠戦ではランク5位=透暉鷹×ランク8位=名田英平も決まっている。

本来、ランクに基づいた4人制トーナメントは1位✖4位、2位✖3位が戦うところだが、既に中田がRyoとパンクラスでなくRoad to ONEで岩本に勝利していることが初戦の顔合わせに関係しているのであろう。

また補欠戦出場選手を加えると、トーナメント出場選手の相関関係はRyoが透暉鷹、岩本が名田に勝利しており、亀井は誰とも拳を交えたことがなくトーナメント中に誰と対戦しても初顔合わせとなる。

そして本日発表されたのは葛西和希×松本光史のライト級戦だ。

昨年9月に暫定タイトルコンテンダー林源平で判定ながら完勝した葛西に対し、松本は12月大会で松岡嵩志に衝撃的な76秒KO勝ちで再起した。KOP久米鷹介もそうだが、勝者が雑賀ヤン坊達也との絡みも期待したくなる──勝てば確実にゲインする顔合わせだ。

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ABEMA MMA PANCRASE Pancrase325   久米鷹介 長岡弘樹 雑賀ヤン坊達也

【Pancrase325】強さを見せて敗れた雑賀ヤン坊達也「ダウンを奪った時、意識が飛んでいた」

【写真】ここにも最高のチームがある。コメントを取っている間、ボス=長岡選手の落ち込みように心を打たれました (C)MMAPLANET

12日(日)、東京都江東区のスタジオコーストで開催されたPancrase325で正規ライト級KOP久米鷹介を今一歩のところまで追い込みながら、執念のリバーサルからのバック奪取、そして腕十字で一本負けを喫した雑賀ヤン坊達也。

とはいえ、ケージを背にしてのテイクダウン防御。スプロール、そして倒すパンチとポテンシャルの高さをヤン坊が見せていたことは変わりない。

「久米選手との試合が決まってからの日々が、僕を心身共に強くしてくれた」というヤン坊──最大の勝機が、実は自身も意識が飛んでいたこと大会直後に明かしてくれた。


──お疲れまでした。敗れたとはいえ正直、ヤン坊選手のポテンシャルの高さが十分に見られた試合でした。

「もう、ダメですね(笑)。バキバキって鳴っていました。アハハハ。まぁ、治ります。治します。対策のなかでバックからあの腕十字というのもあったんです。でも、1Rに攻め疲れてしまって対応が遅れました。バックを解除したところで、ちょっと落ち着いてしまって。『よし、返せる』って。油断というか、あそこで安心しちゃいましたね」

──そこはもう対処できますし、今後の可能性を見せてもらいました。

「そう言ってもらえると、嬉しいです」

──あの前のまでの展開では、手応えが感じられたと思います。

「そうですね。ボスとジムの皆で創り上げてきたモノを勝利という形で証明したかったです。ただ久米選手との試合が決まってからの日々が、僕を心身共に強くしてくれました。腕を直して、また久米さんを追いかけたいのですが『もうやりたくないです』って言われました(笑)。でも、また取りに行きます。久米さんは僕のなかで凄い人というイメージだったので、戦えて良かったです。勉強になりました」

──先ほど言われたように、攻め疲れだったのですか。組まれて削られたということではなくて。

「そうですね。組まれている時は、ボスと積んできたものをしっかりと出せていたので問題なかったです。攻め疲れ……攻め疲れてしまうんですね。それと僕のあの時、意識が飛んでいたんです」

そう言われると、ヤン坊の体も……

──えっ、いつですか。

「右のカウンターでダウンを奪った時、久米さんの左が当たったようで。気付いた時には、久米さんが倒れていたんです。皆にも『なんで、ワンテンポを置いたの?』って聞かれたんですけど、飛んでいたんです」

長岡弘樹 カウンターを取ったときに、ヤン坊も貰っていて。左フックが入っていたんです。

──そうだったのですね。自分の位置からは、見えなかったです。5Rなのでペース配分したのかと思っていました。

「アレだけですね。打撃でもらったのは。僕も当てることができたのですが、久米選手がそこまで踏み込んできていたんです」

──いやぁ、だからあそこまで効かせることができたけど、ヤン坊選手も効いていたと。改めて凄まじい一戦だったのですね。

「中央を取って、プレッシャーを掛けることはできていたと思います。でも久米選手がもっと組んでくると踏んでいたんです」

──引き込みからレッスルアップで、下にされた。そこからですね。引き込むのも作戦だったようです。写真を撮っていて下になった久米選手が、バタフライスイープでも仕掛けるかと思ったら、ロックアップからのレッスルアップでした。

「あぁ……そうなんですね。だから違ったのか……」

長岡 そうやって聞くと、そうなんだなぁって。あの動きは……。

「イメージとしては、下になるのではなくバック奪取でした。だから久米選手のバックを返せたのは、自分のなかでもレベルアップできたかとは思います──けど、やっぱり勝たないとダメです」

──ここからのさらに強くなることを勝手ながら期待させてもらいます。

「ハイ。ありがとうございます。まだまだこれからです。突き進んでいきたいです!!」

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ABEMA MMA PANCRASE Pancrase325   中田大貴 久米鷹介 日沖発 雑賀ヤン坊達也

【Pancrase325】逆転王座防衛、久米鷹介「局面、局面での発さんの声はなぜか覚えています」

【写真】日沖発stArt代表、鈴木陽一ALIVE代表、村元友太郎、先ごろ引退した春日井たけし、中田大貴。久米は良い仲間に恵まれている──んっ?? (C)MMAPLANET

12日(日)、東京都江東区のスタジオコーストで開催されたPancrase325で正規ライト級KOP久米鷹介が、暫定ライト級KOPの雑賀ヤン坊達也を逆転で下し王座防衛に成功した。

初回に強烈なダウンを喫しながら、ガードワークで凌いだ久米。打撃&スクランブル全盛の現代MMAにおいて、しっかりと背中をつけた寝技を若き日から修得してきたことと──敬愛する先輩の声が今回の防衛を可能にした。

激闘直後、久米に話を訊いた。


──大激闘でした。かなりダメージがあるようですが、インタビューの方は構いませんでしょうか。

「ハイ。ありがとうございます。ただ、まだあんまり試合のことを覚えていなくて……」

──それだけダメージがあったということですね。試合前にデカゴンに入る直前、日沖選手とはしっかりとハグしていたのですが、鈴木ヨーイチ社長とはサッと離れたことは覚えていますか。

「あぁ、そこはやはり試合前は目を大切にしたいので。残像で……パンチが見えなくなりますからね(笑)」

──アチっていう声が聞こえましたよ。

「昨日の計量の時も……」

鈴木陽一(ALIVE代表) いい加減にしておけよ(笑)。

「計量の時も、そのネタでヤン坊選手が笑っていましたしね。いやぁ、昨日のことは覚えているんですよ」

──あのパンチを貰ってから、記憶があやふやという感じでしょうか。

「その前のこともですね……。最後、雑賀選手の腕がバキバキ鳴っていたのは覚えています」

──そこだけですか!!

「それと断片的です。良いのを貰った瞬間、その記憶はあります。

でも下にいて抱えた時、そしてレッスルアップする時とか発さんの声は聞こえていました。そこは覚えています。なんか局面、局面での発さんの声はなぜか覚えています。それと社長の残像ですね(笑)」

──いや、ここで笑いは……。ダウンを喫したあと、雑賀選手がラッシュをかけなかった。そこもあったと思いますが(※理由は、雑賀のコメントで判明)、ハイガードから幻の必殺技ともいえる三角絞めを仕掛ける仕草が見えました。久米選手の15年以上の積み上げが救ってくれたような。

「でも、極まっていないということはダメだったわけですよね(笑)」

──2Rもダブルレッグから引き込んでレッスルアップ。そしてリバーサルに成功してバックに回った。最後の腕十字といい、記憶がない状態で仕掛けた……体にしみ込んでいる動きだったのですね。

「ハイ。なんか、今日は要所しか覚えていなくて、発さんと練習したことや、あの場面での指示だけが残っています。『抱えろ』という声、マンツーマンで練習してきたことが……」

日沖発 ヤン坊選手は腰が強いので、テイクダウンはなかなか取れないというのは想定内でした。だから引き込んでロックアップからレッスルアップというのは、作戦として練習してきたことなんです。

──それにしても今のストライキング&スプロール時代のMMAにあって、この試合のための対策だけで下から攻撃は一朝一夕ではできなかったはずです。

ほんとに良い仲間たちだ

「やってきたことを出す。今までもそうですが、今回も試合のテーマはそこでした。

マンツーマンで発さんにやってもらってきたことも含めて。一通りグラップリングであったり、柔術をずっとやってきました。それが助けてくれたということはあると思います」

※鈴木陽一代表によると一晩休んだ久米は頭痛も吐き気もなく体調に問題はないとのことだが、眼窩底と脳神経の診断のために病院に行くとのことだった。

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ABEMA J-CAGE News Pancrase325 ブログ 中島太一 久米鷹介 井村塁 北方大地 宮澤雄大 雑賀ヤン坊達也

【Pancrase325】計量終了 井村塁「勝つだけなんで」×中島太一「初心に返って、楽しんで」

【写真】キャリアの差は明白の井村と中島。勢いと若さか、経験と成熟度の高さか(C)MMAPLANET

12日(日)に東京都江東区のUSENスタジオ・コーストで開催されるPancrase325の計量が新宿区・新宿サンエービル地下1階会議室で行われた。

ディファ有明取り壊し以降、パンクラスのホーム会場だったスタジオ・コースト大会も明日が最後となる。グランドフィナーレにふさわしく3階級のタイトル戦以外にも、バンタム、ライト、ミドル級でこれからのデカゴンの王座の行方を占ううえで欠かせないマッチアップがみられる同大会。

計量失敗は1人もでず、明日を迎えるばかりとなった。ここではタイトル戦に出場する選手の試合に向けて、最後の一言をお届けしたい。


久米鷹介
「素晴らしい相手とできるので、自分の全てを創れるように準備してきたので後は出し切るだけです」

雑賀ヤン坊達也
「いつも通り、会場を沸かしてKOしてやります」

北方大地
「最後に一言? なんやろう。最後はもう──見てください。黙って見てください……ですかね」

宮澤雄大
「平常心で戦えばベルトを巻けると思うので、今までやってきたことをしっかりパフォーマンスとして出して──しっかりベルトを巻きたいと思います」

井村塁
「勝つだけなんで。勝って、今年を締めくくりたいです。明日は全身全霊で頑張ります。セコンド問題? それはもう明日、確認してください(笑)」

中島太一
「初心に返って、楽しんで試合をします」

■視聴方法(予定)
12月12日(日)
午後1時00分~TIGET LIVE
午後1時00分~ABEMA PPV ONLINE LIVE

■Pancrase325 計量結果

<ストロー級/5分3R>
植松洋貴:51.8キロ
佐藤良太:51.65キロ

<フライ級/5分3R>
田代悠生:56.8キロ
渦巻DATE:56.4キロ

<バンタム級/5分3R>
高城光弘:61.45キロ
水永将太:61.15キロ

<フェザー級/5分3R>
齋藤拓矢:65.35キロ
高木凌:65.85キロ

<ネオブラッドTストロー級決勝/5分3R>
大塚智貴:52.5キロ
孫悟空DATE:51.65キロ

<ライト級王座統一戦/5分5R>
[正規王者] 久米鷹介:70.15キロ
[暫定王者] 雑賀ヤン坊達也:69.75キロ

<ストロー級KOPC/5分5R>
[王者] 北方大地:52.05キロ
[挑戦者] 宮澤雄大:52.5キロ

<暫定バンタム級王座決定戦/5分5R>
井村塁:60.9キロ
中島太一:60.8キロ

<ライト級/5分3R>
金田一孝介:70.3キロ
林源平:69.9キロ

<ライト級/5分3R>
松岡嵩志:70.45キロ
松本光史:70.4キロ

<バンタム級/5分3R>
花レメ紋次郎TK:61.0キロ
風間敏臣:60.8キロ

<ミドル級/5分3R>
内藤由良:83.9キロ
フェルナンド・マツキ:82.6キロ

<ライト級/5分3R>
丸山数馬:70.35キロ
伊良波心:70.05キロ

<75キロ契約/5分3R>
近藤有己:72.6キロ
DARANI:72.3キロ

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Interview J-CAGE Pancrase325 ブログ 久米鷹介 雑賀ヤン坊達也

【Pancrase325】「全てに対応できるところを見せてKOしたい」久米鷹介戦へ、雑賀ヤン坊達也─02─

【写真】2つ目のベルトを手にすることで未来への扉を開くことになる (C)MMAPLANET

12日(日)、東京都江東区のスタジオコーストで開催されるPancrase325で、正規ライト級KOP久米鷹介と統一戦を戦う暫定ライト級KOPの雑賀ヤン坊達也インタビュー後編。

スタジオコースト・グランドフィナーレの一番は、雑賀にとって今後を占ううえで、その潜在能力を見せつける試合となる。

試合に対する恐怖感は消えない。しかし「久米さんだから、ここまでやることができた」と自身の仕上がりに自信を持つ雑賀はMMAファイターとして全局面で国内屈指のファイターを相手に対応したうえで、KOを狙う。

<雑賀ヤン坊達也インタビューPart.01はコチラから>


──久米戦への準備はDOBUITAだけでしてきたのでしょうか。

「ソニックスクワッドで週に1回やってきました。ソニックスクワッドでは、もう3~4年行かせてもらいます」

──そうなると誰もが井上直樹選手のことが気になるのですが。

「直樹君とは階級が違うのでバチバチではないですが、スパーリングもやらせてもらっています。いや直樹君、強いっスね(笑)。正直、俺、結構やられちゃうんですよ(笑)。直樹君、メチャクチャ強いですよ。速いし、間合の取り方も上手くて。そこにテイクダウンもあるから、凄く勉強になります。

それと関(鉄矢)君とはバチバチやって、緊張感のあるスパーリングをさせてもらっています」

──それだけやってきたら、もう自信満々になっても良いかと。

「いや……やっぱ怖いですよ(苦笑)」

──声が裏返りましたね(笑)。

「アハハハ。ホント、怖いです。でも久米さんが相手だからこそ、ここまでやって来られたかなって思います。これまで手を抜いていたということではなくて、それ以上にやりこむことができました。それだけ賭けることができていると、自分でも感じています。だから『やれるんじゃないか』っていう自分も今回はいます」

──怖さと同様に自分への期待感、早くケージに入って解き放たれたいですか。

「そうですね……それは、ありますね。今、自分がどこまで行けるのか。自分のような選手は上り調子でどんどん勝っていても、こける時は一気に落ちるタイプだと自分で思っているんです。

でも、そうじゃない。自分はここまでできるというのを見せたいですし。そうじゃない、俺はできるという証明もしたい。久米さんに勝つことって、格闘技界の中で自己証明になるだろうし、今後の世界も変わって来ると思っています」

──常にインパクトを残してきたヤン坊選手ですが、その一方手で見えない部分も残してきました。初回KOが続くと、では5R戦えるスタミナやペース配分ができるにか──など。久米選手と戦うことで、ヤン坊選手のポテンシャルがより明白にはかれるかと。全てを見せてもらう試合になりそうです。

「そういう風にいってもらえるのだから、期待に応えないといけないです。KOで倒して終えたいです。それが自分のスタイルですし、それを貫きたいと思っています。ただ久米さんは打・倒・極、全てができる人です。ならテイクダウン、寝技という局面でも一つひとつ対応できるところを見せたいという気持ちでいます。そのうえで、久米さんをKOしたいです。

久米さんのおかげで、この試合は注目してもらっていると思います。同時に皆さんが久米さんを相手に僕がどこまでできるのかという風に見ている。『まだ、ダメじゃん』って思われたくないので……しっかりと準備はしてきたつもりです。

それと応援してくれる人の前で試合をするのは2年振りです。こんなに来ていただけるのかって言うぐらい皆が会場で応援してくれるようで。だからオミクロン株が出た時は、『勘弁してくれよ』って思いました(笑)」

──縁起の悪いことを考えることはやめましょう(笑)。

「ホント、問題なく試合ができそうで良かったです(笑)」

──では最後に改めて久米選手との試合に向けて決意のほどをお願いします。

「苦しいのは当たり前という試合になります。その苦しさを乗り越えて、最後はKOで勝ちたいと思います」

■視聴方法(予定)
12月12日(日)
午後1時00分~ TIGET LIVE
午後1時00分~ ABEMA PPV ONLINE LIVE

■視聴方法(予定)
12月12日
午後1時00分~ TIGET LIVE
午後1時00分~ ABEMA PPV ONLINE LIVE

■ 対戦カード

<ストロー級/5分3R>
植松洋貴(日本)
佐藤良太(日本)

<フライ級/5分3R>
田代悠生(日本)
渦巻DATE(日本)

<バンタム級/5分3R>
高城光弘(日本)
水永将太(日本)

<フェザー級/5分3R>
齋藤拓矢(日本)
高木凌(日本)

<ネオブラッドTストロー級決勝/5分3R>
大塚智貴(日本)
孫悟空DATE(日本)

<ライト級王座統一戦/5分5R>
[正規王者] 久米鷹介(日本)
[暫定王者] 雑賀ヤン坊達也(日本)

<ストロー級KOPC/5分5R>
[王者] 北方大地(日本)
[挑戦者] 宮澤雄大(日本)

<暫定バンタム級王座決定戦/5分5R>
井村塁(日本)
中島太一(日本)

<ライト級/5分3R>
金田一孝介(日本)
林源平(日本)

<ライト級/5分3R>
松岡嵩志(日本)
松本光史(日本)

<バンタム級/5分3R>
花レメ紋次郎TK(日本)
風間敏臣(日本)

<ミドル級/5分3R>
内藤由良(日本)
フェルナンド・マツキ(日本)

<ライト級/5分3R>
丸山数馬(日本)
伊良波心(日本)

<ウェルター級/5分3R>
近藤有己(日本)
DARANI(日本)

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Interview J-CAGE Pancrase325 ブログ 久米鷹介 雑賀ヤン坊達也

【Pancrase325】12月12日、雑賀ヤン坊達也と王座統一戦、久米鷹介「怖くて、リスペクトできる相手」

【写真】マスクがsmArtなのは、『ALIVEがマクスを創らないから(汗)』だそうだ (C)MMAPLANET

12月12日(日)に東京都江東区のUSENスタジオコーストで開催されるPancrase325=スタジオコースト・フィナーレで、久米鷹介と雑賀ヤン坊達也の間でライト級KOP王座統一戦が組まれている。

パンクラス参戦は2年8カ月振りの正規王者・久米は、RIZINに挑み長い間留守にしたホーム凱旋に何を想うのか。

そして暫定王者=KOアーチストの雑賀に対する印象、変わりゆく自身の目に映る周囲──など、10月26日に行われた調印式直後に行った久米インタビューをお届けしたい。


──12月12日、ヤン坊選手との王座統一戦。パンクラスは随分とご無沙汰していました。

「ハイ、(※2019年4月の)トム・サントス戦が最後だったので2年8カ月振りになります」

──修斗王者との対戦で勝ち、しかしONE参戦がなく。それでもずっとチャンピオンベルトを巻き続けることは許されていました。

「ベルトに関しては、パンクラスさんとも話し合いをさせてもらったこともありました。自分が持ち続けて良いのかと。それでもチャンピオンのままで、RIZINにも挑戦させてもらって……。そこで統一戦を戦ってほしいと言ってもらえたので、ベルトを持ち続けていました。

それなのに武田光司選手に負けてしまった。そこは本当にパンクラスには申し訳ないとは違うのですが、何といって良いのか複雑な気持ちでした。DEEPのチャンピオンに負けた形に戻って来る形になってしまったことも」

──その武田戦からも9カ月のインターバルが空いたことになります。

「この間、しっかりと自分を見つめ直してきました。ヤン坊選手の事情も分からないのですけど、自分がRIZINでチャレンジしていた間、待たしてしまった形になっています。そこに関しても、同じファイターとして気に掛かってはいました。

先ほども言いましたが、DEEP王者に負けた自分に統一戦を戦う機会を与えてもらえ、感謝しています。統一戦は自分のなかで、戦っておきたいという試合だったので。その統一戦というものがあるなかで、負けて戻って来るリスクをパンクラスも持って送り出してくれたので、やはり勝たないといけなかったです。

正直、負けて戻ってきて防衛するというのは恥ずかしいことです。それでもパンクラスが待ってくれた。そこには自分も報いたいという気持ちです」

──MMAです。勝ち負けは当然ついて回ります。申し訳ないなんて絶対に口にする必要がないと思いますし、でもそこに近い感情を持つことも、久米選手らしいです。

「そうですね、申し訳ないのとは違うんです。ただし、この感情のなかに感謝の気持ちは絶対にあります。結果的に万全の状態で戦えるタイミングで、組んでもらった形になり……そうですね、感謝しています」

──そしてヤン坊選手です。NEXUS時代に1敗こそしていますが、強烈なKOレコードを持っています。そして、未知数な部分もあります。それにしてもあの勝ちっぷりを見て、恐怖心を感じることはないですか。

「それはあります。あそこでしっかりと倒す……底は見せていないですが、あの倒し方を見ていると怖さを感じます」

──この試合、テイクダウンの攻防が一つのキーになりそうです。

「ヤン坊選手は長岡(弘樹)選手と練習しているので、テイクダウンディフェンスは相当なモノに違いないです。それにヤン坊選手が相手でなくても、MMA自体が打撃から入る戦いで、テイクダウンディフェンス能力は皆が上がっています。組んで倒すだけっていうのは、通用しないです。そこがあったうえで打撃もやって、日々MMAに取り組んできました。

試合が決まってから正式発表まで間が空きましたが、この期間もヤン坊選手対策よりもいつも通り、自分を高める練習を中心にやってきています。そうやって自分の力を上げておいて、試合が近づいてきたら対戦相手にフォーカスした練習に切り替える。それは今回の試合も同じです」

──MMAのプロ練習はどのようなメンバーで行っているのですか。

「今は(日沖)発さん、竹本(啓哉)君、春日井(たけし)君、(村元)友太郎とか。トッキー(透暉鷹)とは、違う曜日にグラップリングの練習をしています。ただトッキーは発さんのプライベートを受けているので、前回の試合前とかも一緒にしていました。どうしでも組みが多いですけど、週に2回はやっていますね」

──練習仲間の名前を聞いていると日沖選手はともかく、ほとんど年長者になってしまったのですね。

「あぁ、そうですねぇ……。年齢的には、そうですね」

──日沖選手もジムを開き、春日井選手は引退。久米選手の目に映る光景も相当に変わってきたと思います。

「練習環境としては、発さんは『指導が増えて、体重が落ちた』とは言っていますけど、今も普通に一緒に連取をしているし、変わらず強いです。凄くしぼれていますよ。僕自身も色々なトレーニングに挑戦して、進化し続けることができています。それと今は米国に行っていますが、ANIMAL☆KOJI選手が帰国したら、また一緒に練習することになると思います。僕の1週間後にKrushで試合があるので。ジムをオープンして回数は減っていますが、加藤(久輝)さんもとも、またやっていくことになるはずです。でも、そうやって考えると発さん、加藤さんも自分のジムを持っているので、確かに変わってきていますね」

──久米選手も将来を考えることが増えてきたのではないでしょうか。

「いやぁ、どうしますかね。アハハハハハ」

──アハハではないですよ。

「う~ん、そうですねぇ。将来のことは……」

──ピッカリさんの後を継ぎますか。

「いや、それだけは!! それ以外であれば、何でもやります。でも、そうですね。春日井君も引退したし……まぁ、考えないことはないです。でも、まだ強くなりたいという気持ちが上回っています。やれるところまで、やり切りたいです」

──では統一戦後の青写真も描けていますか。

「オファーが来たらということですが、強さを求めてやっていきたい部分……その時に自分が戦うことができる一番強い選手と戦っていきたいです。今まで支えてくれたり、お世話になってきた人達に恩返しじゃないですが、そういう想いを持って戦っている部分は少なからずあります。

だから戦う舞台とか以上に、自分のモチベーションが高く持てる相手に対して、自分がしっかりと創って挑む姿を……残り何戦か分からないですが、見せていきたい。そこに繋がる舞台で戦いたいというのは、常に思っていることですね。

そういうなかでヤン坊選手は、怖くて、リスペクトできる相手です。リスペクトできる相手と戦いたい、それもずっと思ってきました。リスペクトできるから恐怖を乗り越えるために全力で挑める。良い日々を今も送っています」

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Grachan48 Interview J-CAGE MMA 桜井隆多 長岡弘樹 雑賀ヤン坊達也

【Grachan48】桜井隆多とGrandウェルター級王座統一戦、長岡弘樹─01─「楽して勝つことはできない」

【写真】「試合は、楽して勝つことはできない。練習で出せないことは試合でも出ない」──素晴らしい言葉だ(C)MMAPLANET

20日(日)、東京都大田区の大田区産業プラザPIOで開催されるGRACHAN48で、長岡弘樹が桜井隆多とのGRANDウェルター級王座統一戦に挑む。
By Shojiro Kameike

2019年12月にウィル・チョープを下し、桜井の持つウェルター級王座への挑戦権を獲得した長岡。しかし桜井が負傷で防衛戦を行うことができず、長岡が暫定王者に認定され、今回改めて正規王者との統一戦が行われることになった。

現在41歳、プロキャリアも20年を数えるが、「今が一番強い」と言い切る長岡に、その理由を聞いた。


――1年半越しの桜井隆多戦を直前に控えた、長岡弘樹選手です。長岡選手はプロデビューが2001年で、次の試合が64戦目。そのキャリアを振り返ると、ここ10年でケージで戦うようになってから、勝率が高くなっているように思います。

「そうですね……確かにケージで戦うようになってから、というのはありますが、それだけではないと思うんですよ」

――というと?

「例えば自分が得意としているテイクダウンは、ケージよりもリングのほうが、やりやすい場合もあるんです。ケージに押し込むと、スペースがないから相手の背中側でクラッチできない時もありますよね。でもリングだと、そこに隙間ができてクラッチしやすい場合もあるので。今はそれ以上に、ようやく自分の勝ち方が分かってきたんです。それこそ30代、40代になってから」

――えっ!!  20代の頃とは何が変わってきたのでしょうか。

「20代の頃は、戦い方に迷いがあったと思うんです。やっぱり大舞台を目指すうえでは、試合内容も評価されると考えていたので」

――どうすれば魅せる試合と呼ばれるものが、できるかどうか……。

「はい。もともと自分はそういうタイプではないのに、いろいろ考えることで、試合の中で迷いが出ていました。あと、ルールの違いもあったと思います」

――なるほど。

「DEEPに出させていただいていた時は、試合全体を通じての採点でしたよね。でも最近の試合は、ラウンドごとの採点です。それが自分のスタイルには合っていたと思いますし、そこから自分の勝ち方が見えてきたように感じます」

――ここ最近の試合では特に、ケージ際でのスクランブルを制して勝つという内容が多いですよね。ただ40代になって、下の世代を相手にその試合展開を貫くことができるのは驚きです。

「今もずっと『苦しい時にどうするか』という練習をやっています。試合は、楽して勝つことはできない。そして、練習で出せないことは試合でも出ないし、練習でやってきたことが試合に出る。

『20代の頃は試合で迷いがあった』と言いましたけど、今はそれだけのことを練習でやってきたという思いがあって、ケージに入る前に迷いはなくなるんです」

――そのために、どのような練習を?

「MMAスパーで追い込まれた時や、疲れた時にどう返していくか。あるいは、相手の打撃のプレッシャーに負けることなく、どうやって自分の勝ち方に持っていくか──ですね。それができるのは、ヤン坊のおかげでもあります」

――雑賀ヤン坊達也選手。パンクラスの現ライト級暫定王者ですね。

「はい。ヤン坊は打撃が強いですから、彼のパンチに対して自分がどう攻めていくのか。ヤン坊が成長してから、自分にとってキツい練習相手になってくれているので、本当に助かっています」

――パンクラスでは3試合連続の1ラウンドKO勝ち。パンチをかわして組み付くための練習では、これ以上ないパートナーでしょう。

「それと、やっぱり僕も負けず嫌いなので(笑)。練習でヤン坊に負けたくないですからね」

――ハハハ、ジムとしての成長も大きいわけですね。一方、2018年12月の竹川光一郎戦(判定勝利)以降、ライト級からウェルター級に上げて戦っています。階級を上げたことは、試合内容に影響があったのでしょうか。

「竹川戦の前にMMAPLANETのインタビューでもお話したのですが、やはり年齢を重ねて減量にも影響が出ていました。体重が落ちにくくなり、減量が厳しくなって……。でも、まだ自分にはできることがある。できることをやってから考えたい。その一つが、ウェルター級に上げることでした。ウェルター級に上げても納得のいく試合ができなかったら、その時また考えよう、と」

――それを感じたのが、竹川戦の前の試合……西川大和戦だったのですか。

「はい。でも、それは年齢差とは関係なく、当時は自分のほうが格上だったと思います。でも、その相手に満足のいく動きができなかった。だからウェルター級に上げてみようと考えたんです」

――……もしウェルター級でも満足のいく試合ができなければ、引退する可能性もあったのでしょうか。

「それが全てではないですが、引退を考えてしまう可能性はあったかもしれません。でも僕は、自分の可能性に賭けたかったんです。できることは全部やってから考えようと。そして、ウェルター級に上げると減量も楽になって」

――年齢を考えたら、ケージ際の競り合いでスタミナが落ちても不思議ではないです。

「それが自分の勝ち方も分かってきて、さらにウェルター級に上げることで、集中力も途切れることなく、下の世代の選手とも競り合って勝つことができています。これまでのキャリアの中で、今の自分が一番強いと思っています」

<この項、続く>

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Interview J-CAGE Pancrase318 ブログ 林源平 雑賀ヤン坊達也

【Pancrase318】暫定ライト級KOP雑賀ヤン坊達也「僕の拳は異質。大晦日は空けておくので」

【写真】師匠=ボスの長岡弘樹が届かなかったパンクラスのベルトを手にした(C)MMAPLANET

27日(日)に東京都江東区のスタジオコーストで開催されたPancrase318-Beyond317-のメインで、林源平を初回KOした雑賀ヤン坊達也が暫定ライト級KOPに就いた。

見事なワンパンKO、キャリア8戦目のベルト奪取にわくヤン坊と師匠の長岡弘樹。両者の喜びが一旦収まったところで、インタビューを試みた。


──おめでとうございます。

「ありがとうございます。暫定ではありますけどチャンピオンになれたので、やってきたことが実ったかと思います」

──試合開始直後、林選手は当てても出てきました。

「ハイ。最初から詰めてきたので、距離を取って戦うという作戦が実行できなくて、焦ってしまいました。そこで一発貰って、効きましたしね(苦笑)。

でも対処できて、ボス(長岡弘樹DOBUITA代表)の『下向いているぞ』という声も聞こえてきたので大丈夫でした。近づいてきた時にアッパーを打つという作戦で、練習でもずっとやってきたので。それが完全にハマりましたね。ヒザも入れることができたし、作戦通りの試合になりました。

まだ底が見えないままのファイターなんですけど(笑)、今日も1Rで勝つことができたので良かったです」

──試合のことを考えると怖いとヤン坊選手は言っていますが、ケージの中に入ると恐怖はなくなるのでしょうか。

「試合になるとパンチを貰っても『いってぇ』ってぐらいで、怖いとかはなかったです。『大丈夫、動く』って自分のなかで確認できて。僕の得意な距離だったし、怖さは感じなかったです。

距離を取っているファイターと思われがちですけど、近い方が実際は戦いやすいです。どつき合いみたいな感じで」

──それも組みの対処ができるようになったからじゃないでしょうか。

「今日も1回、テイクダウンされましたけど問題なかったです。本当に平気でした」

──そこは師匠の長岡選手とやり込んできた部分ではないですか。

長岡 一番やってきたところですしね。

──それにしても見事なアッパーでした。

「林選手は前に出てきたときに、こっちを余り見ていないようでした。だからヒザを入れることもできたし、さっきも言ったようにボスの『下、向いているぞ』っていう声が聞こえて、アッパーの機会を伺っていました」

──しっかりと倒しきりました。

「これまで林選手はスタンドでKO負けをしたことはなかったので、僕のパンチは質が違うところを見せることができたと思っています」

──自己採点で何点でしょうか。

「80点……ですかね(笑)。距離を取ることができず、ガツガツと打って疲れてしまった部分もあるので……作戦通り戦えなかったことでマイナスです。スタミナは問題なかったですが、冷静さを欠いたことは反省しないといけないです。

本当は殴られないで殴る。そのために距離を取りたかったですけど、それはさせてもらえなかったです。それも林選手の作戦だったのでしょうけど、こっちもその時の作戦があったので大丈夫でした」

──トム・サントス戦から1年、今日の勝利であの試合がフロックでないことも証明できました。

「サントス戦は本当に怖かったです。あそこで僕は強くなれたと思います。林選手も怖かったのですが、サントスは別格に怖かったです」

──それでも試合になると怖がらない、と。

「それが僕の特徴かもしれないです。試合になると強い……まだ強いのか分からないんですけど(笑)。練習では弱い部分はたくさんあるので、でも試合で勝てている。練習で強くても、試合で勝てないより良いと思っています」

──今日、正規王者の結果は?

「スプリットで勝ったようです。全く試合内容とかは分からないのですが、これで久米選手は大晦日ですね。僕も大晦日のスケジュールを空けておくので、RIZINさんお願いします(笑)。久米選手と統一戦はもちろんしたいですけど、久米選手が大晦日に試合があるなら、すぐにはできないですし。なら、僕も大晦日にRIZINに出たいです。スケジュールも空いてしまうので。

で、改めてパンクラスで久米選手と王座統一戦を戦いたいと思います!!」

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