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【A Memorial Writing】追悼文、モンゴルと日本MMA界の架け橋。荒井順一さんを偲んで

【写真】7月7日GLADIATORの打ち上げの席。左からマーク・サンジャオ、筆者、荒井さん、アドニス・セビジェーノ。右列は前から2人目がオトゴンバートル、ダギースレン、トンガー、そしてUFCフライ級ファイターのパク・ヒョンソン。写真を撮ってくれたのはマーク・サンジャオ夫人 (C)MARK SANGIAO

「些細なことで恐縮ですが、『シャンダス×ラカイ対決は、エンフオルギルがブーミナアンを下し通算対戦成績を6勝0敗に』と書かれていますが、正確には7勝0敗です。(記事を修正して欲しいということではありません)

シャンダスの選手で初めてチーム・ラカイの選手と戦ったのはバットゲレルで、2012年3月30日のLegend FC 8でJasor Ablasiという選手と試合をしました。本当に些細なことで申し訳ありません」

日曜日の朝8時前、LINEにモンゴルの荒井さんからメッセージが入った。「いえ。ありがとうございます。記事も修正させて頂きます」と返信をしたのだが、実際に書き直し終わったのは午前10時11分だった。

言い訳がましいが、この日は午前1時からUFC ABC07の速報があり、メインの記事をアップし終わったのが午前7時22分。直ぐにベッドに潜りこみ、約30分後に荒井さんからのメッセージの着信音で一瞬目が覚め、返信こそしたが──そのまま眠りに落ちた。

3時間後に起きて、記事を訂正したとき「ああ、あの香港の大会で荒井さんに会っていたな」と思い出した。

自分が初めて荒井さんにお会いしたのは、その1年4カ月ほど前の2010年の12月30日だった。

戦極のリングで横田一則を破ったジャダンバ・ナラントンガラグを見て、インタビューを申し込むことを決めた。しかも、大会終了後からホテルに戻るまでの時間に。加えてやけにナラントンガラグがオーバーフックを使うことに興味を持ち、『モンゴル相撲流MMAで使えるテイクダウン』という技術モノまでリクエストをすると、試合後にも関わらず控室で
実践してくれたナラントンガラグは「これから、自分のことはトンガーと呼んでください」と笑顔を見せていた。

この時、通訳をしてくれたのが荒井順一さんだった。主催者が雇った通訳の方ばかりだと思っていたのだが、モンゴル在住でトンガーの格闘技の先生だという。荒井さんが昭和の日本人気質の持ち主であることは、訳をして下った時の単語の選択や言い回し、なにより取材以外での佇まいからすぐに分かった。

その後、上に記したLegend FCの香港大会、2013年4月に同じくLegend FCのマレーシア大会。2014年8月のドバイでの再開以降はトンガーがONEで戦うのに伴って、2015年11月のシンガポール、2018年7月のクアラルンプール、2019年4月のマニラとほぼ年に1度の割合で荒井さんとは顔を合わせていた。

また日本に来日したモンゴル人選手のインタビューのために、メッセンジャーで通訳をしたくれたこともある。

より荒井さんと言葉を交わすようになったのは、意外にもコロナ禍になってからだ。現地取材ができない期間に、MMA界にリモート取材という新たな慣例が設けられるようになった。

この頃になるとトンガーはトンガーで自分の道場を持ち、荒井さんもイレードゥイMMAクラブという自らの城を構えるようになっていた。イレードゥイで育ちONE Warrior SeriesからONE本戦出場を決めたプレウ・オトゴンジャガルのリモート取材も当然のように荒井さんがサポートをしてくれた。

さらに2022年の秋に長谷川賢から「日本人を強くしたい。その一環としてGLADIATORに日本人選手と切磋琢磨できる外国勢を招聘したい」と相談され、荒井さんを紹介した。2023年1月、ウランバートルの各ジムを回りトライアウト的に練習を視察する長谷川を同行取材した。この時、初めて荒井さんと、彼が生活拠点を置く国で会う機会が訪れた。

以降、GLADIATORにはモンゴル人ファイターは継続参戦し、プレビューインタビューの際には通訳ばかりか、現地で携帯を使って煽り映像の撮影まで荒井さんは助けてくれた。

去年の5月には中村倫也とモンゴルを訪れ、MMAジムだけでなくモンゴル相撲の技術交流などの動画も制作できた。1日に3カ所も回り、それぞれのジムで所属トップ選手が集まり、学校施設に行ってモンゴル相撲の練習に参加できたのも、昭和の男・荒井さんがいてくれたからだ。

いつ何時、どこであろうが下ネタ三昧の自分も、荒井さんの前だけはそ禁句だった。話題はMMA。強くなることもそうだが、人間として正しく導く。それが荒井さんのファイターとの付き合い方だった。冬は氷点下30度になるウランバートルで生きる荒井さんは、自分のようなおちゃらけた雰囲気は一切なく、必要なこと以外は口にしない人だった。

先月の7日、GLADIATOR027にシャンダスMMAからダギースレン・チャグナードルジとオトゴンバートル・ボルドバートルが来日した際、トンガーが「先生、セコンドは2名です。久しぶりに先生と日本に行きたい」と声掛けし、荒井さんが大阪にやってきた。日本で荒井さんに会うのは、トンガーの初インタビュー以来、13年と7カ月振りだった。

昨年8月に荒井さんは一番弟子のプレウを亡くし、ひどく意気消沈していた。今年の6月にウランバートルを訪れた時も「今でもプレウの試合を見ることができないんです。彼のことを思い出すと……」と涙ぐむこともあった。

「だからトンガーが太り過ぎていて、心配で。モンゴルの食事は塩分が多く、動物性たんぱく質と糖質ばかりなので。ヒザが悪くて運動ができないから、酒を控えさせないといけないです」と話していた荒井さんだが、GLADIATOR終了後の打ち上げの席で珍しく砕けた表情を見せ、雄弁に色々と話しをしていた。

とはいっても戦い終わってノーサイド的なシャンダムMMA勢とチーム・ラカイ然の間を取り持ち、モンゴル語と英語のやり取りをずっと続けていたようなものだが、その表情は心の底から嬉しそうだった。

もうそろそろお開きだという頃になってトンガー、荒井さん、自分、そしてマーク・サンジャオが4人で何度もジョッキにビールを注ぎ、一気飲みをした。そう、これぞ昭和の男の酒の飲み方だ。

翌朝、朝の8時前に新幹線に乗り帰京中に「今、我々は関空で飛行機を待っているところです。試合前は関係者、特に相手陣営と話すことは余りありませんので、昨日のような打ち上げは関係者や相手陣営と話せる良い機会でした。また、高島さんとも再会でき、今回の日本滞在は有意義なものでした」という連絡が入った。

その4日後にはGLADIATOR Challenger Series02に来日したモンゴル勢の奮闘ぶりで連絡を取り合った。それからも韓国籍を取ったナンディンエルデンがボクシングの試合に出てKO負けをしたことで「彼が8月31日にRoad FCの試合に出るのは危ないです」と格闘技の安全面に対する意識の低さを指摘する──らしいメッセージが届き、意見交換をさせてもらった。

7月28日には去年の1月にONEのグラップリングでマキシー・ムスメシと対戦し、ヒールにタップをせず、大けがを負ったガントゥルム・バヤンドォーレンが8月10日に中国で試合をすることを教えてくれた。その際の連絡では「ONEとの契約は大丈夫ですかね。何もなければ良いのですが。試合を組めないのであれば団体はリリースすべきだし、選手も契約書にしっかりと目を通さないといけないです」とファイターを心配しつつ、自覚することを促す学校の先生のような言葉で締めくくられていた。

冒頭にあった日曜日のLINEでのやりとり──自分の最後のメッセージが既読になったのは、まさに記事をアップした午前10時11分、モンゴルでは朝の9時11分のことだ。

その3時間後に、荒井さんは亡くなった……。FBに荒井さんの死を投稿したトンガーから、わざわざ日本語でその詳細を教えてくれる連絡が入った。

「高島さん……高島さんに、こんなに悲しいお知らせをする自分を許してください」という言葉と共に。

なんでなん? なんで? こないだ──一緒に酒を飲んで、笑って──初めて、俺の下ネタも聞いてくれたやん!

荒井さん!! おかしいって。そんなにプレウとミット打ちがしたかったんか?  もう50代も半ばの同い年のオッサンを、ここまで泣かせてどういうつもりやねん。

でも、何も嬉しくはないが最後の連絡がシャンダスとラカイの通算成績の訂正だったのは、いかにも荒井さんらしい。

日本語表記が難しいモンゴル人ファイター達、MMAPLANETは荒井さんがいてくれたから、どこよりも正確なカタナカ表記に出来ているはず。でも、これからはどうすんねん……なんて言わないようにする。トンガーが「先生のためにも、モンゴルの選手が強くなれるよう尽くします」と言ってくれたように、悲しむだけ悲しんで前を向くから。

今、自分の手元には今月からMMAPLANETで書いていこうと思っていた「アジアの猛者」達のインタビュー素材が10人分ほどある。モンゴル人選手の通訳をしてくれたのは、荒井さんだ。これが荒井さんとの最後の共同作業──渾身の力で書く。

教師のような荒井さんと、任侠の親分のようなトンガー。2人との出会い、この縁を忘れずに──チンギス・ハンの末裔が世界に出ていく姿を、自分は追いたいと思う。

荒井さん、あなたの思い描いたモンゴルのMMA界の成長、モンゴル人ファイターの海外進出が少しでも現実に近づくように、自分も協力させてもらいます。これまで、本当にありがとうございました。
Text by Manabu Takashima

追伸
荒井さん、訂正した記事──読んでくれていたかな。

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【DEEP SF2024】後世に語り継がれる? 過酷な真夏のお台場、屋外大会開催!! &長谷川賢が5年ぶりの復帰戦

【写真】この対戦CGは、盛る方でなく削る方で詐欺(笑)。右が現状の長谷川、彼のたってのリクエストでDEEPミドル級で戦っていた当時の写真が使用されたそうだ(C)DEEP & MMAPLANET

12日(水)、DEEPより8月31日(土)に東京都港区のお台場青梅R区画野外ステージで開催される「DEEP Summer Festival 2024 in Odaiba」に長谷川賢が出場し、SAINTと対戦することが発表されている。

真夏のお台場、屋外マッチ。ラウンドガールオーディションや格闘技関係者による歌合戦(万智の出場が内定している!!)共に、同イベントでは8試合のMMAマッチが組まれるという。

そのうちの1試合となるメガトン級3回戦で、長谷川が2019年3月以来、実に5年5カ月振りの実戦復帰を果たす。


オンラ・ンサンとのONE世界ミドル級タイトル戦2連戦の激闘。東京での再戦はミドルキックで折れた肋骨が肺に突き刺さり、数リットルの血が肺に溜まるなど、長谷川が文字通り死線を彷徨っこともある。

2022年2月のONE復帰戦は腰の古傷が悪化し欠場となり、それ以降は実戦の舞台に立つことなかった。この間、PROGRESS実行委員会を創設しMMAとグラップリングの溝を埋めてJ-MMAの強化に動き出し、THE 1 TVという動画サイトをスタートさせると──どこに届けたいのかというスーパーマニアックな動画を発信。さらにはGladiatorのタレントリレーション代表に就任しフィリピン、モンゴル、韓国勢を発掘の招聘をサポートするとLFAとパートナーシップを成立させるなど、裏方として活動してきた。

同時に93キロのONEミドル級で戦っていた長谷川の体は、みるみる大きくなり──現在は推定120 キロを超えるという話も。先日は電車のなかに〇百万が入ったカバンを忘れるという信じ難い投稿をSNSに行っていた長谷川は、MMAファイターとして果たしてどのようなパフォーマンスを魅せることができるのか。

「そこは練習を一番に、やるべきことをやり勝ちます」と言い切っているが、ヒザや腰の負担を考えるとまずはMMAの動きをして、体を搾ることが第一となってくるであろう。

動画でイタンビューイからインタビューアーに回っていた長谷川に対して、SAINTがコンディションで上回るのは絶対だ。いずれにせよ、そのような内的要因ばかりか、予測不能の外的要因が同イベントでは起こることが予想される。

雨が降れば翌日に順延──そうなった場合はメガトン以外の出場選手の体重はいかに設定されるのか──。3カ月予報では「平年と同様に晴れの日が多いでしょう」という真夏の屋外大会。ちなみに昨年8月31日は観測史上初となる8月に全日で真夏日となり、東京都心は34.1度を記録し猛暑日一歩手前だった。試合開始は午後6時、会場には潮風が吹くこともあろうが、過酷な状況での戦いになることは間違いない。

その点、長谷川は2018年6月のミャンマーでのンサン戦で、空調設備の無いソールドアウトの体育館でTVライティングに晒され、40度はあろうかというケージの中を経験している。もちろん、その経験が今の動きに役立つことはないだろうが、過酷さを低く見積もることがないだろう。

長谷川×SAINTのメガトン戦以外でも3回戦を戦うフェザー級の西谷大成×海飛。2回戦ではバンナム級の窪田泰斗×日比野”エビ中”純也と朝比奈龍希×漆間將生、八須拳太郎×みやび。フェザー級では劉獅×安井飛馬というマッチアップが決まっているが、彼らは後世に語り継がれる環境下でMMAを戦うことになるかもしれない。

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【Road to UFC2024Ep02】AFC王者ソン・ヨンジェと対戦、河名マスト「30-27でも29-28でも……」

【写真】毎朝お子さんを保育園に送っているそうです(C)SHOJIRO KAMEIKE

18日(土・現地時間)&19日(日・同)に中国は上海のUFC PIで開催されるRoad to UFC2024。2日間で4エピソードが実施されるアジア発、世界最高峰への道──その初日、エピソード02で河名マストが韓国のソン・ヨンジェと対戦する。
Text by Shojiro Kameike

河名は今年2月にパン・ジェヒョクに雪辱を果たし、グラジエイターのベルトを巻いた。その河名に届いたRoad to UFC出場確定の一報――河名はUFCとの契約に向けて、「勝利こそ正義」の戦いに臨む(※取材は5月10日に行われた)。


――本日は宜しくお願いいたします。今は外にいらっしゃるようですが……。

「ちょうど今、娘を保育園に送っていった帰りなんですよ」

――なるほど、お忙しい時に恐縮です。今回Road to UFC出場が確定したのは、いつ頃のことだったのでしょうか。

「4月上旬ですね。3月中に連絡が来なかったので、正直『そういうことかぁ』と諦めていました。するとマネージメントサイドから4月の頭に『もう1週間待ってほしい』という連絡が来まして。その時点でまだフェザー級だけ決まっていない、と……。とはいえ期待は薄かったので、もうLFA出場に切り替えようかという話をしていました。

グラジエイターとLFAが協力体制にあり、僕がグラジでベルトを巻いたことで、RTU以外にも一つUFCへの道筋ができていましたから。その方向も探ることができる状態にあったのは良かったです。

そこでLFAの件で長谷川賢さん(グラジのタレントリレーション)に相談したあと、『RTUが確定した』という連絡が届いたんです。RTUが決まった時は長谷川さんにも『おめでとうございます! せっかく決まったのだからRTUに出てほしいです』と送り出してもらえました」

――では、まずRTU出場が確定した時の気持ちを教えてください。

「ビックリしました。『おぉ、マジか!』と。UFCを目指してグラジのベルトを獲りました。そこからRTUに出られるかどうかは流れに任せる、という感じで。先ほど言ったとおり3月中に連絡がなく、もうダメだろうと思っていましたし」

――喜びよりも驚きのほうが勝ったわけですか。

「出場の確定は、目の前に自分の生活を脅かす人間が洗われることが確定したことでもあるので。ただ、RTUはトーナメントで3試合勝てば、100パーセントUFCと契約できるじゃないですか。たとえばLFAからDWCSで勝っても、それが100パーセントではない。勝っても100パーセントではないですよね」

――どちらかといえばDWCSはオーディションですから、勝っても試合内容がUFCの望むようなものでなければ契約できないケースもあります。

「でもRTUは、どんな勝ち方をしても3試合勝てばUFCに辿り着くことができる――まさに勝利こそが正義で。30-27の試合でも29-28の試合でも、『うるせぇ!』と言って契約すれば良いですから。『そこまでして勝ちたいのか!』と言われても、『そうだよ。勝ちたいよ!』と答えます。そういうRTUのほうが自分の目標に向けてステップを踏んでいきやすいとは思っていました」

――だからこそ本戦とは違う緊張感があり、興味深い面もあるのがRTUです。とはいえ4月上旬に確定してから5月18日~19日の試合に向けて、急きょビザなど出入国の手続きを取らないのは大変だったかと思います。

「あとはメディカル系も含めた書類の準備ですね。何とか各書類の提出期日を守ることができました」

とにかくリラックスできていることが分かる帰宅後の笑顔(C)SHOJIRO KAMEIKE

――河名選手に出場確定の連絡が来た時に、他の日本人出場メンバーは知っていましたか。

「いえ、何となく誰が出るということを耳にしていたぐらいですね」

――同じフェザー級に出場する安藤達也選手と原口伸選手もレスリング出身です。レスリング時代に絡みはあったのでしょうか。

「まず時期で言うと安藤さんと僕が入れ替わり、僕と原口君が入れ替わりで――被っていないですね。それと安藤さんと原口君はフリースタイルで、僕はグレコじゃないですか。2人の出身校である国士舘はフリースタイル主体で、ウチ(専修大学)からフリーのチームは国士舘へ出稽古に行っていましたが、グレコの僕は行っていなかったです」

――原口伸選手の兄、原口央選手とは4月29日に奈良県で開催されたレスリング大会『ALL or NOTHING』にて、レスリングルールで手合わせしています。

「(伸について央に)『なんで去年契約せず、今年フェザー級で出てくんねん!』と言っておきました(笑)」

――アハハハ。先の日本人対決も楽しみではありますが、まずは初戦となるソン・ヨンジェ戦について……RTU出場と対戦相手が確定した時、そもそもソン・ヨンジェの存在は知っていましたか。

「試合が決まるまで知らない選手でした。何年も試合をしていなかったようですし……」

――ソン・ヨンジェは2019年6月の試合から2023年9月までブランクがあり、昨年12月には清水俊一選手をKOして、AFCフェザー級暫定王者となっています。パンチ主体の選手ではありますが、パン・ジェヒョクのパンチとは違うタイプです。

「骨格というか体の使い方も違いますよね。どちらかといえばパン・ジェヒョクは綺麗に戦いながら力を抜いてテイクダウンを切るという、こちらとしては倒しづらい選手でした。ソン・ヨンジェはガンガンとパンチを当ててきながら、テイクダウンも体の力で跳ね返すようなタイプだとは思います」

――ソン・ヨンジェのほうが正面からぶつかってくるという印象です。そのスタイルの違いは河名選手にとってメリットになるのでしょうか。

「3R通して制圧してフィニッシュに持って行く。その自分のやりたい戦い方を考えたら、ソン・ヨンジェのほうがやりやすいとは思っています。一方で、1Rで僕が殺される可能性は、パン・ジェヒョクよりもソン・ヨンジェのほうが高くはなりますね(苦笑)」

――まさにソン・ヨンジェは、そういった試合スタイルです。ブランク明けの2試合はいずれも1R KO勝ちで、現状で打撃戦以外はどれだけできるのかが不明ではあります。

「その点も僕の中では低く見積もってはいません。試合の中で、僕の見積もりよりも低くブレてくれたらラッキー、というぐらいで。見積もりより上にブレることも覚悟はしています。
ただ、試合を視るとテイクダウンをバチーンと切って立ち上がっていますよね。自分が同じタイミングで入っていたら倒せていただろうな、と思うシーンはありました」

――対して河名選手は、自身が試合で出すものは変わっていないと。

「それはMMAデビュー戦から今まで変わっていません。そもそも僕は相手によってスタイルを変えられるほど、MMAを習熟していると思っていないですし(笑)。逆に自分のスタイルがブレた時のほうが、迷いが出てしまうかもれないです。自分がやることを信じて、やり続けるから迷わないという認識でいますね」

――そんななかでも、打撃面は向上してきました。

「去年のユン・ダウォン戦ズッキーニョス戦で、試合の中で『何とか打撃の交換をしよう』と粘ってみたことは大きかったです。それが自分にとって自信につながりました」

――デビュー当時は、打撃を食らっても大丈夫だと思っていたのではないですか。とにかく相手のパンチをもらいながら前に出るという。

「アハハハ! 自分の頑丈さを信頼しすぎていました。でもどこかで頑丈さも限界は来ると思っていて――前回のタイトルマッチは1Rにパン・ジェヒョクの右をもらってダウンしてしまいましたし。その前に打撃のテクニックを磨かないといけない――とは、ずっと考えていたんです。一番大きなキッカケは、やっぱりLFAのアライジャ・ジョンズ戦ですね」

――現在、打撃面の練習はどのように?

「今は週1ペースで、EXFIGHTで高谷裕之さんにミットを持ってもらっています。それと今年からTRI.H STUDIO成増で週1回インストラクターをやらせてもらっていて、その縁で濱村健さんにもミットをお願いしているんです」

――高谷さんと濱村さんではミットのスタイルも違いませんか。

「違います。これはレスリングでも打撃でも、MMAでも同じことだと思うのですが――たとえば高谷さんと濱村さんにミットを持ってもらいながら、お二人の言葉を自分の頭の中でどう考えるか。それは八隅(孝平ロータス世田谷代表)さんから言われることも同じで。教えてもらうことの中から、自分にとって良いものを自身でしっかりと考え、摂り入れていくことが大切になりますよね」

――仰るとおりです。もう一つ、先ほどの「相手を見積もる」という話ですが……試合は生き物ですから、試合中に見積もりが上下にブレることはあると思います。しかしブレの幅は少ないほうが良い。見積もり幅のブレを少なくするためには、何が必要ですか。

「初期の見積もりをどれだけ高くできるか、ですね。高く見積もりと怖さが生まれて、『ここで行ったら倒されるかも……』という不安も出てきます。だからこそ僕は『自分がやるべきことは一つしかないから、それを貫くしかない』と考えて戦っています」

――これは「たられば」の話かもしれませんが、MMAとしての要素を全て持っていると見積もりは低くなってしまうでしょうか。

「低くなるのかなぁ……。自分は全て持っていないから分からないですけど(笑)。でも手札がたくさんあると、試合中に迷ってしまうことがあると思うんですよね。手札が少なくなったら、場に出すカードも自然と決まってきます。そこで手札の少なさに対して悲壮感を持つと、気持ちも追い込まれてしまう。もう自分の手札を見せて『これを待っています』と言えるぐらいの覚悟を持って臨むというか(笑)」

――そうなると、あとは自分から行くしかない。

「はい。相手が何を出してくるか待っているのではなく、自分の強みで相手を潰していくしかないと考えています。僕自身は苦しい試合というか、相手を苦しくさせる覚悟はできています。最初から徹底して制圧し、相手が『もうやめてくれ!』という気持ちにさせて勝ちます」

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【Gladiator026】チーム・ラカイ初襲来、セビジェーノ✖ズッキーニョス。竹本はタイのデッチプールと!!

【写真】楽しみな一戦だ(C)RING CHAMPIONSHIP

8日(月)、GLADIATORより5月5日(日)に大阪府豊中市の176BOXで開催されるGLADIATOR026で竹本啓哉✖デッチプール、チハヤフル・ズッキーニョス✖アドニス・セビジェーノというバンタム級とフェザー級で2つの国際戦が組まれることが発表された。
Text by Manabu Takashima

同大会では既にGLADIATORフライ級王座決定戦=NavE✖オトゴンバートル・ボルドバートルが決定しておりモンゴル、フィリピン、タイとの国際戦が実施されることになる。


バンタム級チャンピオン竹本のMMAマッチは昨年10月にテムーレン・アルギルマーから王座を奪って以来7カ月ぶりとなるが、2月のGLADIATOR CHALLENGER SERIESで竹内稔とPROGRESSフォークスタイルグラップリング・フェザー級王座防衛戦に敗れており、ある意味再起戦となる。

対するデッチプールはプロMMA戦績8勝5敗のタイ人ファイターで、長谷川賢タレントリレーションズ代表が昨年11月にタイのジムを視察した際に発掘した選手とのこと。ONE WSからコロナ期にはONE本戦に昇格したこともあるデッチプールのONEでの戦績は2勝3敗となっている。

ムエタイは30戦27勝3敗のデッチプール、本名はデッチャディン・ソーンシリスパティンで当然ベースはムエタイだ。と同時にプロボクシングでも戦っており、戦績は9戦5勝4敗で3150 Fight Survivalや伝統のダイナミック・グローブにデッチャディン・ソーンシリスッパティンという名で来日している。

ボクシングは5つの勝利全てがKO勝ちで、MMAも5 KO勝ち&一本勝ちが2試合というフィニッシャーだ。と同時にボクシングで2つのKO負けとMMAで3KO負け、2度の一本負けを喫しており”Be Finished”ファイターでもある。

一方、フェザー級タイトル戦線復帰を目指すズッキーニョスと戦うアドニス・セビジェーノは、昨年6月大会以来来日が途絶えていたフィリピン勢──そしてグラジにとって初めてのチーム・ラカイ所属ファイターの参戦となる。

戦績は3勝4敗だがチーム・ラカイのマーク・サンジャオ総帥の強い推薦の下、今回の来日が決まったというセビジェーノは、Road to ONEフィリピンで優勝しONE本戦契約を勝ち取った。その際にラカイに移籍したセブ出身でなかなか荒っぽい選手といえる。

エドゥアルド・ファラヤンやジョシュア・パシオなど大量離脱劇があったチーム・ラカイは、この1年総合力を高める傾向が強く──打撃で前戦を勝利したズッキーニョスとセビジェーノ戦は、その総合力の高さが問われる一戦となるだろう。

なおプレスリリースに寄せられた4選手のコメントは以下の通りだ。

竹本啓哉
「完全決着率の高いストライカー。こういう選手と試合したかったです。ですが、戦績は僕の方が上。必ず極めて勝ちます」

デッチプール
「日本の皆こんにちわ。タイのダッチプールことデッチャディン(本名)です。日本で素晴らしいトップMMAファイターと戦うことが凄く嬉しい。ただし、僕は彼を倒す。倒したいんだ。ありがとう──KRUB!(=タイで最後につけると、ございますというような意味になる)」

チハヤフル・ズッキーニョス
「勢いのあるフィリピンの選手と戦えることを楽しみにしています。フィリピンMMAというと打撃のイメージでしたが、アドニス選手は積極的に組みも混ぜる、ウェルランディットな選手という印象です。アジアの強い相手と戦ってきている選手なので、どんな勝ち方ができるかで自分の実力が測れる良い機会だと思います。僕は昨年のトーナメントからの連戦で、全ての要素が確実に成長しているので、自信を持って戦います。次期王者候補筆頭と呼ばれる試合をします!」

アドニス・セビジェーノ
「僕はセブ州バンタヤン島出身で、セブ州から国際ステージで戦う唯一のマーシャルアーチストであり、フィリピンで最も成功を収めたMMAチーム=チーム・ラカイの一員であることを誇りに思っている。そして自分の道を追求し、母国フィリピンと家族の誇りと共にある。僕は2人の愛すべき娘の父であり、美しい妻の夫だ。家族の存在が、僕に力とやる気、努力の源になっている。MMAでベルトを巻けるよう全ての局面で技術を磨いている。レッツゴー!」

■放送予定
5月5日(日)
午後12時30分~THE 1 TV YouTubeチャンネル

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【Grachan69】フェザー級王者の小島勝志が国際戦でバクトルを迎え撃つ。芳賀ビラル海は藤村健悟と対戦

【写真】小島の真価と進化が問われるバクトルとの国際戦(C)MMAPLANET

1日(月)、GRACHAN実行委員会より5月26日(日)東京都大田区の産業プラザPIOで開催されるGrachan69の対戦カードが発表された。同大会ではフェザー級王者の小島勝志が、フィリピンのロッキー・バクトルを迎え撃つ。
Text by Shojiro Kameike


小島は昨年5月のGrachan61で、フェザー級王座決定トーナメント決勝を高橋孝徳と争い判定勝ちを収めてベルトを巻いた。その小島が1年ぶりの試合で、ONE参戦経験を持つバクトルとノンタイトル戦で激突することとなった。

高橋戦では、ムエタイ技術を高めたグラップラーを相手に左ジャブと左ボディが冴え渡った。高橋のテイクダウンに苦しむ場面はあったものの、終盤には小島がバックを奪い、さらに左だけでなく右クロスと右テンカオを混ぜて3-0の判定勝ちで新王者に。

対するバクトルはMMA戦績が5勝3敗。昨年5月にはONE FN17でモンゴルのエンフオルギル・バートフルーと対戦している。実はMMAPLANETでは、昨年11月のフィリピン取材でバクトルの姿をキャッチしている。この時、GLADIATORタレントリレーションを務める長谷川賢氏はバクトルの馬力に対して評価をしていたという。ONEのエンフオルギル戦ではパワフルなテイクダウンと打撃に屈したものの、持ち味である馬力に打撃と組みの連動という部分でONE時代よりも成長が見られると、一筋縄ではいかないファイターとなるに違いない。

小島の持ち味は、どの距離からでも相手を削ることができるパンチを持っていること。左ジャブに対してバクトルが馬力を武器に距離を詰めてきても、左ボディと右アッパーで削り続けて仕留めたいところだ。

今大会には、3月のGrachan68×Brave Fight31でライト級2位の岸本篤史を下した芳賀ビラル海も連続参戦を果たし、藤村健悟と対戦する。藤村は昨年12月に中国WLF(武林風)でワン・ジンピンを下している。藤村のグラップリングに対して、ビラルも岸本戦ではダウンを奪ったうえバックコントロールなどキープ力の成長を伺わせた。

現在グラチャンのライト級は、Road to UFC以降の動向が注目される原口伸が正規王座に付いている。原口のRTU参戦を受けて設置された暫定のベルトは、林RICE陽太が巻いているものの、その林も4月13日に韓国ROAD FCでパク・シウォンと対戦する。もし原口がフェザー級に転向し、林RICEが正規王者となれば、ビラル×藤村の勝者の挑戦を受ける可能性もあるだけに注目だ。

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45 Eternal MMA83 Gladiator LFA MMA MMAPLANET o Road to UFC SASUKE UFC   アンソニー・ドリリッチ ジョシュ・トーゴ スティーブ・アーセグ パンクラス ムハンマド・サロハイディノフ 伊藤盛一郎 原口伸 大竹陽 海外 猿飛流 長谷川賢

【Eternal MMA83】フライ級王座に挑戦、テロル猿飛流。「これば爆発物だぞって(笑)」(SASUKE)

【写真】前田桂、猿飛流、SASUKEのチーム・エタノール(C)MMAPLANET

16日(土・現地時間)にクイーンズランド州ゴールドコーストのサウスポート・シャークスで開催されるEternal MMA83で猿飛流がフライ級王者アンソニー・ドリリッチに挑む。

元フライ級KOPが1年3カ月振りの実戦復帰──そこに至るまえでの気持ちの変化、変わらなかった目標。そして初めての海外での試合で、信じられない事態に陥った珍道中を猿飛流with SASUKEに話してもらった。を果たすこととなった。


――猿飛流選手、一昨年のクリスマス以来の復帰戦が豪州のEternal MMAでフライ級王座挑戦となりました。かなり長いブランクを経験しましたね。

「佐須君(SASUKE)のセコンドでRoad to UFCに行って、現地でUFCを見てあの場で戦いたいと思うようになり──怜君との試合に勝ったら、UFCという名前を出して良いと思っていました。怜君との防衛戦で勝ったら、そこを目指すと明言しようと。でも怜君に負けて、30歳も過ぎているしUFCへの道は途絶えたと思いました。

そうなった時にパンクラスを含め、日本の団体でベルトを取ることが目標になるということがしっくりこなかったです。年齢的にも引退した方が良いとも考えました。周囲がジムを持ったり、普通の仕事をしながら生活をしているのを見て、次の人生のことを考えると、試合に出ようという気持ちにはなれなかった……です」

──そうなるのは、至極真っ当なことかと思います。それでもまたやろうと考えるようになったのは?

「佐須君や征矢(貴)さんのセコンドに就いたり、他の人の試合や弟(榎本明)の試合を見ていると、俺も終わりたくないなと思えてきて。去年の夏、取りあえず引退はせずに練習だけは続けようと。そうすればどこかからオファーがあるかもしれないし、腹が決まるかもしれないと。去年の夏からは、しっかりと練習をするようになりました。佐須君から『まだまだ全然いける。一緒に目指しましょうよ』と言って貰えたのも大きかったです」

──実際に試合を戦おうと思ったのは?

「やっぱり、1パーセントでもUFCに行けるチャンスがあるなら──と。でも、結論から言って佐須君と桂さん(前田桂氏、Fitness Shop在籍。マスタージャパン勢、原口伸ら海外での試合をサポート。国内外に知己の関係者が多い)でないと海外で試合をすることはなかったです。本当に桂さんの存在がなかったら……。僕自身、海外は経験がなく、安心できる国内が良いという風に思っていましたし。

パンクラスにはお世話になったし、ベルトを取ることも悪くないという風に考えるようになりました。ただお世話になったとか、恩があるというのはUFCとか考えていない判断だったと思います。最後に皆にベルトを見せたい。UFCは無理でも、まだ強くなれる自信はある……そんな風でした」

──それでもパンクラスとならかったのは?

「まずパンクラスで再起しようと──伊藤盛一郎選手とベルトを賭けて戦いたいというのはありましたけど、それはさすがに無理で。ならムハンマド・サロハイディノフと戦いたいと思いました。1月にパンクラスと話を繋いでもらっている河村(尚久)さんに動いてもらって。

同時にGladiator Challenger Seriesで戦い、LFA経由でUFCを目指しませんかと長谷川賢さんからも話をしてもらえました。それも凄く有難い話で、長谷川さんが気に掛けてくれているのが嬉しかったです。でも腹が決まらず、踏ん切りがつかないとう状況でした。そんな時に桂さんからETERNALの話を頂いて。最初は2月10日だったので、2週間ぐらいしかなくて。体重を落ちないですし、初めての海外の試合とかはビビりだから……お断りしました。

その時に『3月だったら、体重を落とせたのですが……』なんて言い訳がましく、言っていたんです。同時に3月のパンクラス大会にムハンマドという話も進行していて、でも踏ん切りつかない。坂本靖さんには『返事はもう少し考えてからさせて頂けたら』と保留にしてもらっていました」

──踏ん切りがつかず、躊躇してばかりという風にも聞こえます。

「ハイ。確かにその通りです。そうしたら、断ったEternalの試合が3月16日なら──ともう一度、来て。それでもビビっていて、断ろうとしていました」

──……。

「そうしたら、桂さんが1時間ぐらい説得してくれて。『こんなチャンスはない。行きましょう』と言って貰えて、それで腹が括れて『もう行きましょう』と。試合が1カ月スライドしてタイトルマッチ。プロモーションは豪州で一番のフィーダーショーで、前王者のスティーブ・アーセグはUFCにステップアップして、ランキングが9位。これはUFCに繋がっている道で、格闘技の神様に行けと言われているように感じました」

──ようやく……と。

「で、Eternalでタイトルに挑戦すると河村さんに話したら、『それはパンクラスに対して、オファーの返事待っている状態なのだから失礼だぞ』とお叱りを受けて。確かに……坂本さんに失礼なことをしてしまいました。でも河村さんが『チャンスだし、俺が説得しておくから行け!』と言ってもらえて。それでも天秤にかけたような形だったので、坂本さんを怒らせてしまったという気持ちは残っていたのですが、2月4日──僕の誕生日に、怜君がUFC決めた後にXで『誕生日、おめでとう。頑張ってこいよ!』とメッセージを下さって。凄く心が晴れて、パンクラスの代7代王者として誇りを持って頑張りたいと思うようになりました」

──良い話ですねぇ。

「そこからは猛練習をしました。桂さんと佐須君がいてくれるから、今も安心して試合を迎えることができています」

──初の海外でも、何も問題はないですか。

「いえ、それが……」

SASUKE 実は手荷物が引っ掛かって、入国できないところだったんですよ(笑)。

──へっ? というのは?

「あのう……僕は説明が下手だから、佐須君に任せても良いですか?」

──ハイ……。

SASUKE まず猿飛流さんは心配性すぎて、あり得ないほどの荷物を持ってきていて。羽田の段階でスーツケースが6個ぐらいあって。

──あり得ないです……。

「減量食とか、全部、日本から持って行こうとして……」

SASUKE そうなんですよ(笑)。ケアンズからトランジットでゴールドコーストへという飛行機で、まず羽田で半分ぐらいの荷物をご両親に持って帰ってもらいました。そして、ケアンズまでは別便だった桂さんがバッグ一つだったので、一つ預けて。もう1つは追加料金を支払って飛行機に乗れることはできたんです。

そうやって色々なモノを日本においてきたのに、荷物のなかで無水エタノールが含まれていたんです。水抜きのための……。

──いや、それは……いうとエチルアルコールですからね。まず、羽田で飛行機に乗れたことが検査の精度を疑います……。発火物ですからね。

SASUKE そもそもそこがあるんですけど……。豪州って持ち込み荷物にメチャクチャうるさくて。で、ケアンズの空港で『これは爆発物だぞ。お前たちはテロリストか』って足止めを食らったんです。

──いやぁ、まぁテロリストの疑いは晴れるでしょうが……なんちゅうことですか。

SASUKE なんか、ポリスとかいう言葉が聞こえてきて。そうしたら、もう猿飛流が一気に動揺し始めて。顔はソワソワしているんですよ。

──アウトじゃないですか、堂々としていないと(笑)。

SASUKE そうなんですよ。で、僕は僕で桂さんに電話をしようとしたら、『仲間に連絡をしようとしているのか』なんて疑われて(笑)。ポリスを呼ぶと言われて、2時間ぐらい尋問を受けました。飛行機の中では眠れないは減量苦もあるわで、ついに猿飛流が白目を剝いて気を失いかけて(笑)。そうしたらポリスが、『こいつは薬物中毒じゃないか』って(笑)。

──アハハハハハハ。もうミスター・ビーンばりの負の連鎖じゃないですか。最高です。

「翻訳機で『あなたはドラッグをやったことがありますか』って聞かれて。『一度もやったことがありません』って……」

──しかし、どう説明して無事に入国できたのでしょうか。

「試合があって、減量中なんですって話しました。減量で飯も食えなくて、水も飲めないから──と体を見せたんです」

──ハイ。

無水エタノールがなくても無事パス(C)KEI MAEDA

「そうしたら僕の話を信用してくれて。これだけはダメだからなって、無水エタノールだけは捨てられました。あぁ、あと馬肉も捨てられましたね」

SASUKE 僕は2メートルぐらい離れていたので、なんか体をチェックされていると思って……もう終わったなって思っていました(笑)。

「超焦りました……。でもいったん信用してくれると、取り調べが長かったから乗り継ぎがギリギリになっていてゲートまで連れて行ってくれたんです」

──もう、そんなことがあれば何も怖くないですよ(笑)。

「いや、高島さん。ホントにその通りです(笑)。色々と吹っ切れました」

──では自信満々になったかと思う、アンソニー・ドリリッチ戦ですが、改めて印象を教えてください。

「サウスポーで強力な左ストレートの持ち主です。そこを狙って、言うとそれしかないのですが、相手を誘い込むのが絶妙に上手いです。そこに移動させられて、左ストレートでKOされている選手が多い。加えてテイクダウンが切れて、自分からテイクダウンを取れ、バックキープも上手いです。

でも……なんか、その全部で自分が上回ることができる自信があるんですよね」

──その言葉で安心しました。今、言われた通りの選手なのですが、アーセグとは動きが違います。同じEternalのフライ級チャンピオンなのでアーセグ級だと怖いと思っていたので。

「それは思いました。アーセグと比較すると。今回、征矢さんと5分5R用のスパーをやって来て。征矢さんは凄くパワーもあって速い。なおかつ征矢さんを上回るパワーかもということは頭にいれてきました。その想定を超えることもあるかもしれないですが、やることが分かっているので。これまで自分がやってきたことをぶつけるだけです。

自分のそのままをぶつけます。サウスポーと左ストレート対策は、大竹陽選手とも5分5Rをやってきました。火曜日が征矢さん、木曜日が大竹選手。週に2度、5Rのスパーリングをやってきて、凄く自信がつきました」

──では改めて、意気込みの方をお願いします。

「深く考えすぎるとダメなので、大好きな格闘技を楽しみたいです。大好きな格闘技を続ける先にUFCがあるのかなって。だからメチャクチャ勝たないといけないというよりは、メチャクチャ楽しみたいですね。楽しんで、回りに感謝して、自分のやってきたことを全て出します」


■視聴方法(予定)
3月17日(土・日本時間)
午後7時00分~UFC Fight Pass

■ Eternal MMAメインカード対戦カード

<Eternal MMAミドル級選手権試合/5分5R>
[王者]ジョン・マーティン・フレイザー(英国)
[挑戦者]ベン・ジョンソン(豪州)

<Eternal MMAフライ級選手権試合/5分5R>
[王者]アンソニー・ドルリッチ(豪州)
[挑戦者]猿飛流(日本)

<ライト級/5分3R>
ジャック・ベイカー(豪州)
ジョシュ・トーゴ(豪州)

<フライ級/5分3R>
松山瑞穂(日本)
ジャック・ヘイス(豪州)

<フェザー級/5分3R>
ガブリエル・シュルッピ(ブラジル)
ブローガン・スチュアート・ング(豪州)

<フェザー級/5分3R>
テサー・マローン(豪州)
イーサン・ミッチェル(豪州)

<ミドル級/5分3R>
ダーシー・ヌナン(豪州)
ブレア・ブレタッグ(豪州)

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45 AB Gladiator Gladiator Challenger Series01 LFA MMA MMAPLANET o Progress YouTube   アン・ジェヨン エド・ソアレス グラント・ボクダノフ ダナ・ホワイト チェ・ドンフン チャンネル パン・ジェヒョク 三上ヘンリー大智 和田教良 大嶋聡承 河名マスト 竹内稔 竹本啓哉 長谷川賢

【Gladiator CS01】計量終了 河名マスト「最後の300グラムが……」。ヘンリーはLFA ソアレスCEOと談笑

【写真】エド・ソアレスCEOを見て、「あのダナ・ホワイトみたいな人は誰ですか?」と、和田。PROGRESS長谷川賢代表の「記事ぐらい読んでくださいよ」という返答に 「チェ・ドンフン以外、目に入っていないので」と目をギラギラさせていた(C)MMAPLANET

15日(木)、明日16日(金)に会場非公開&配信に特化して実施されるGLADIATOR CHALLENGER SERIES01「Bang vs Kawana Ⅱ」の計量が港区の10kolで行われた。
Text by Manabu Takashima

いわゆるアンダーカード無し、MMAとグラップリングが5試合凝縮された新しい試みは全5試合出場10選手全員が計量をクリアした。


ギリギリ度合いが伺える和田教良と9キロの減量を完成させたチェ・ドンフンは、3試合勝利を手にした後に腰に巻かれるベルトを挟んでフェイスオフ。

88キロ級契約で大嶋聡承との組み技マッチに臨むグラント・ボクダノフは、ウェルター級のMMAで戦う時よりも明らかに大きなフレームを維持していた。

その両者、フェイスオフでも笑顔で言葉を交わしていた。

また第3試合のミドル級でアン・ジェヨンと戦う三上ヘンリー大智は、今大会の視察に訪れたLFAエド・ソアレスCEOとポルトガル語で話し「LFAでブラジル大会へ」という魅力的な誘いにも、「今は明日の試合に集中します」と返答。

ソアレスCEOは「これこそ、私が求めるファイター像だ」と感心しきりだった。

Gladiatorの減量といえば、苦戦がいつも伝わってくるのが竹本啓哉だ。

その竹本はコメインでProgressフォークスタイルグラップリング・フェザー級王座を賭けて竹内稔と相対するが、MMAより1階級上の体重リミットにも「設定をそこにして落としてきた」ということで、やはり減量は苦し気であった。

メインでパン・ジェヒョクの持つGLADIATORフェザー級王座に挑む河名マストは、本来は最初に体重を測る予定だったが、全5試合とルールミーティングが終わった頃に会場に姿を現して、パス。

「残り300グラムを落とすのにチョット苦労しました」と苦笑いを見せていた。

■視聴方法(予定)
2月16日(金)
午後6時30分~ THE 1 TV YouTubeチャンネル

■ Gladiator CS01計量結果

<Gladiatorフェザー級選手権試合/5分3R>
[王者]パン・ジェヒョク:65.75キロ
[挑戦者]河名マスト:65.65キロ

<Progressフォークスタイルグラップリング・フェザー級王座決定戦/5分3R>
竹本啓哉:65.8キロ
竹内稔:65.4キロ

<ミドル級/5分3R>
三上ヘンリー大智:84.2キロ
アン・ジェヨン:84.1キロ

<Progressフォークスタイルグラップリング88キロ契約/5分2R>
グラント・ボクダノフ:84.0キロ
大嶋聡承:86.0キロ

<Gladiatorフライ級王座決定T準々決勝/5分3R>
和田教良:57.0キロ
チェ・ドンフン:56.6キロ

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45 AB Gladiator Gladiator022 KTT LFA MMA MMAPLANET o Progress Road to UFC UFC YouTube エド・ソアレス ダギースレン・チャグナードルジ チハヤフル・ズッキーニョス チャンネル ハ・ドンシン パン・ジェヒョク ユン・ダウォン 櫻井雄一郎 河名マスト 竹内稔 竹本啓哉 長谷川賢

【Gladiator CS01】グラジがLFAへ選手派遣。新イベント=バンに挑戦、河名マスト「NO UFC, NO MMA!!」

【写真】どちらが勝っていてもおかしくなかった前回の試合から7カ月、次はどうなる?(C)MMAPLANET

25日(水)、PROGRESS実行委員会より2月16日(金)に会場非公開でGladiator Challenger Series=Gladiator CS01「Bang vs KAWANA 2」を開催することが発表された。
Text by Manabu Takashima

同大会はウィークンドの夜に職場、帰路、居酒屋、ジム、自宅でMMAとグラップリングの試合を携帯、PC、タブレットで楽しむという趣旨の下、無観客&配信に特化したイベントになるという。

つまりライブの臨場感ではなく、忙しい平日の夜にルーティンの行動のなかで格闘技を楽しむという試みだ。プロモートはPROGRESSが行い、GLADIATORが協力と大阪のナンバーシリーズとは立場を入れ替えての大会となる。

そんなGLADIATOR CS──記念すべき第1回大会のメインは大会名にあるようにGladiatorフェザー級王者パン・ジェヒョクが、河名マストの挑戦を受けるタイトル戦が組まれ、Progressフォークスタイルグラップリング・フェザー級王座決定戦=竹内稔✖竹本啓哉戦も決まった。


パン・ジェヒョクと河名は昨年6月のGladiator022で組まれたフェザー級王座決定トーナメント準決勝で対戦し、パンがスプリット判定勝ちしている。その後9月の023大会でダギースレン・チャグナードルジの計量失敗による、決勝不戦勝でパンはベルトを巻いた(※ダギースレンとはキャッチウェイトのノンタイトルで対戦し判定勝ち)。

一方、河名は9月にユン・ダォン、12月にチハヤフル・ズッキーニョスを下してリベンジと挑戦権を手にした。前回の試合ではテイクダウンに手間取った河名が、バンのパンチを被弾してポインドを失った形となったが、最終回には打撃戦で優勢に立つなど長所と短所が入れ替わったような接戦だった。

王者バンもKTTのハ・ドンシン代表から「上に行くなら、もっと自分から前に出ろ」と強い叱責を受けることもあり、この再戦は手の内を見せあったなかで、どれだけ相手の想定を上回る攻撃力を見せることができるのかが勝負となる。

竹内と竹本のフォークスタイルグラップリング王座決定戦は、ずばり如何に竹内がアナコンダに持ち込むか。

昨年11月のADCCアジア&オセアニア予選66キロ級で準優勝の竹内はトーナメントで挙げた5勝のうちアナコンダが4つ、残りの1試合はRNCでタップを奪っている。

誰もが仕掛けてくることが分かっている技で勝つ。まさにアナコンダチョークという必殺技を持つ竹内に対し、Gladiatorバンタム級王者の竹本は自らの勝ち筋、勝利の方程式がしっかりと見えている選手で、その実行力も高い。

勝利を手にするためなら膠着、掛け逃げ、何でもござれの組み技師が、竹内に正面から首を取られずに如何にバックに回る手段を考え、実行するのか──非常に興味深い顔合わせだ。

また今回のリリースではアジアのフィーダーショーを目指して活動しているGladiatorが、その枠を一歩広げLFAに春から選手を送り出すことが決まったという説明もあった。

同リリースではLFAのエド・ソアレス代表の「日本のファンの皆さん、LFAでは今春よりGladiatorで活躍したファイターをMMA界のNCAAである我々のプロモーションで戦う機会を与えることが可能となり、心より嬉しく思っています。この機会に世界中から世界のトップステージを目指し、ファイターが集まってくるLFAが日本のファンに認知されることを願っています。改めて、このような関係を結ぶことができGladiatorの櫻井雄一郎代表、PROGRESS実行委員会の長谷川賢氏に感謝します」というコメントも添えられている。

Road to UFCに出場する目標を持つ日本人ファイターにとって、新たなUFCへの道が開拓されるのか非常に興味深い発表だ。なお、今大会は全5~6試合が予定され、他カードの後日明らかにされるとのこと。そして、タイトル戦出場が決まった4選手のコメントは以下の通りだ。

パン・ジェヒョク
「皆さん。明けましておめでとうございます。Gladiatorフェザー級チャンピオンのパン・ジェヒョクです。防衛戦を用意して下さった関係者の皆さん、いつもありがとうございます。初防衛戦でもあり、いつも以上に抜かりないようしっかり準備します。一度拳を交えた相手ですが自分の防衛戦ですし、今回こそしっかりとフィニッシュ、仕留めるようにします。

マスト選手は優れているレスラーですが、最近は打撃も自信を持っています。自分としは注意する局面が増えましたが、チャンピオンらしく打撃、レスリンク、寝技の全てで圧倒できるようハードトレーニングを積んでいますので、期待して下さい。

今年も勝ち続けるように頑張りますので、宜しくお願い致します」

河名マスト
「フェザー級王座決定トーナメントの敗北で、ROAD to Road to UFCという道は絶たれたと思っていたところから、もう一度ベルトを巻くチャンスに巡り合えた自分は持っていると思います。

ユン・ダウォン戦、チハヤフル戦で試合の中で自分自身の中にある恐怖との向き合い方、乗り越えることができました。今回の試合では変わった自分、変わらない自分の両方を見せられると思います。

パン選手は人間性も、ファイトスタイルも気持ちの良い選手だと思います。だからこそ、2人で良いものを創るのではなく、自分の強みをぶつけ続け、嫌がらせを続けることができればと思います。やりたいことをやって、フィニッシュして、ベルトを巻き、Road to UFCへ。

No UFC、No MMA!!僕のROAD to Road to UFCは、まだ終わっていないです!!」

竹本啓哉
「MMAファイターとしてGLADIATORのベルトを巻いた僕と、昨年グラップリングで大活躍されていた竹内選手とが試合する舞台として、MMAとグラップリングの交差点であるPROGRESSの王座決定戦は相応しいと思います。

今年の僕の目標は、GLADIATORのベルトの価値を周知することなのですが、この王座決定戦はグラップリング界隈にも周知するのにうってつけの試合だと思います。しっかり備えていきます。ご期待下さい!」

竹内稔
「今回、初出場でProgressフェザー王座決定戦でGLADIATOR王者の竹本選手と戦えることを光栄に思います。国内ではグラップリングのタイトルを制定している団体は他にはなく、初めての経験なので王座を賭けて試合をできることが楽しみです。
判定ではなく、一本勝ちで王座を獲得したいと思います」

■視聴方法(予定)
2月16日(金)
午後6時30分~ THE 1 TV YouTubeチャンネル

■ Gladiator CS01対戦カード

<Gladiatorフェザー級選手権試合/5分3R>
[王者]パン・ジェヒョク(韓国)
[挑戦者]河名マスト(日本)

<Progressフォークスタイルグラップリング・フェザー級王座決定戦/5分3R>
竹本啓哉(日本)
竹内稔(日本)

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AB Gladiator Gladiator024 MMA MMAPLANET o YouTube じゅん イ・スンチョル グスタボ・ウーリッツァー チェ・ドンフン チハヤフル・ズッキーニョス チャンネル テムーレン・アルギルマー バットオチル・バットサイハン フェルナンド ペ・ジョンウ 上久保周哉 中川皓貴 久保健太 八木敬志 南友之輔 吉田開威 和田教良 河名マスト 澤田政輝 田中有 福田龍彌 竹中大地 長谷川賢 高橋孝徳

【Gladiator024】全選手、計量を一発パス。チハヤフルと対戦する河名は「自分の強みをより尖らせる」

【写真】フェザー級次期挑戦者決定戦の意味合いも持つ、注目の一戦だ(C)SHOJIRO KAMEIKE

9日(土)、大阪府豊中市の176boxで開催されるGladioar024の計量が、同じく豊中市のSMORKER GYMで行われた。
Text by Shojiro Kameike


今大会は全17試合——アマチュア1試合を除く16試合、計32名の選手が一発で計量をパスした。それぞれコンディションの良さもうかがえる仕上がりで、田中有、中川皓貴、じゅんのリライアブル勢はフェイスオフでキッチリとメンチを切るか、至近距離で相手を見据えていた。

今大会がグラジ初参戦となる竹中大地と上久保周哉の対戦相手だが――まずテムーレンは過去の計量時よりも細い体つきで計量に臨んでいる。その代わり、試合当日はどれだけ体が戻っているか。タレントリレーションの長谷川賢氏によれば、同じくモンゴルから参戦するパットオチルも含めてベストコンディションで問題なく来日できているという。

またスクランブル発進で上久保を相手にプロデビュー戦を迎えるペ・ジョンウは、会場の関係者からも「本当にデビュー戦ですか?」という声が聞かれるほどの落ち着きとオーラを発していた。戦績だけではかり知ることができないというのは、いまや韓国MMAを語るうえでの常識だけに、上久保との熱戦が期待されるところだ。

コ・メインに出場するチハヤフル・ズッキーニョスと河名マストも、互いに自信をのぞかせる。「過去の最高のコンディションです。バッチリですよ」と語るチハヤフルは、MIBUROの先輩である福田龍彌がNAIZA FCで敗北したことに触れると「試合結果は、世界の壁――と評価されているかもしれません。もちろんカザフスタンはレスリングもフィジカルも強いです。でも向こうは●●込みの強さだと思っていますし、僕たちが技術的に間違っているとは考えていませんから。明日の試合で、僕がしっかりと見せます」と意気込む。

対する河名は「コンディションはいつもどおりです。練習も特に変わりありませんが、今回は自分の強みをより尖らせて戦いたいと思います。(チハヤフルについては)ちゃんと強い相手に勝っていない、という印象です。自分としてはこの試合を乗り越えて、次にタイトルマッチだと言われても、すぐに戦えるようにしておきたい」と語っている。

なお、今回の計量でカルバン・クラインの着用が確認できたのは1名のみだった。


■視聴方法(予定)
12月9日(土)
午後12時30分~ THE 1 TV YouTubeチャンネル

■ Gladiator024対戦カード

<フライ級/5分2R>
古賀珠楠:56.85キロ
宮川日向:56.90キロ

<フェザー級/5分2R>
袖裂雄貴:65.75キロ
福山佳祐:65.65キロ

<フェザー級/5分2R>
水野翔:66.00キロ
今村滉:65.60キロ

<GLADIATORライト級次期挑戦者決定戦/5分3R>
田中有:70.30キロ
グスタボ・ウーリッツァー:69.70キロ

<フェザー級/5分3R>
チハヤフル・ズッキーニョス:66.15キロ
河名マスト:66.25キロ

<バンタム級/5分3R>
竹中大地:61.55キロ
テムーレン・アルギルマー:61.55キロ

<バンタム級/5分3R>
上久保周哉:61.45キロ
ペ・ジョンウ:61.65キロ

<フェザー級/5分3R>
中川皓貴:66.10キロ
バットオチル・バットサイハン:66.20キロ

<フライ級/5分3R>
久保健太:57.00キロ
チェ・ドンフン:56.70キロ

<フェザー級/5分3R>
じゅん:66.15キロ
高橋孝徳:65.90キロ

<フライ級/5分2R>
澤田政輝:56.55キロ
イ・スンチョル:56.20キロ

<フライ級/5分2R>
和田教良:59.70キロ
シン・ジェヒョク:58.30キロ

<バンタム級/5分2R>
南友之輔:61.50キロ
健太エスペランサ:61.05キロ

<バンタム級/5分2R>
吉田開威:61.20キロ
フェルナンド:61.60キロ

<ライト級/5分2R>
八木敬志:69.85キロ
スモーキー:69.55キロ

<フェザー級/5分2R>
田口翔太:65.70キロ
木村柊也:65.65キロ

<アマ・フライ級/3分2R>
伊藤琥太郎:当日計量
辻本涼太:当日計量

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ABEMA Gladiator MMA MMAPLANET o ONE ONE FF37 ROAD FC ゴントーラニー・ソー・ソンマイ チャンネル テムーレン・アルギルマー モリス・ボレヤン ルンピニー 内藤大樹 長谷川賢

【ONE FF37】テムーレンの宿敵=草原のナックモエ=ガントグドフが、7勝0敗のモリス・ボレヤンと対戦!!

【写真】コソっとやるには勿体ないマッチアップ。内藤選手出場大会で逆に良かった(C) ONE

本日20日(金・現地時間)、タイはバンコクのルンピニースタジアムで開催されるONE Friday Fight37。同大会には日本から内藤大樹が出場し、ムエタイ・フライ級でゴントーラニー・ソー・ソンマイと対戦する。
Text by Manabu Takashima

当然、ムエタイがメインのONEルンピニーだが、3試合のMMAが組まれ気になるファイターが出場している。それがモンゴルのガントグドフ・バートルチョローンだ。


フライ級でアルメニアのモリス・ボレヤンと対戦するガントグドフは、日本ではGladiatorで名を馳せたテムーレン・アルギルマーのライバルといえる選手だ。昨年3月のMGL-1FCでは微妙なスプリット判定負けを喫したものの、2カ月後の999 Fight Nightでの再戦では4Rにニンジャチョークで雪辱を果たし、999Fght Nightのバンタム級王座を獲得している。

その後、韓国のALL FCに参戦──交渉途中で旅費がでないことが発覚したが、周囲の協力を得て自費参戦を果たしフェザー級のベルトを巻いている。今年の1月にはモンゴル視察を行った長谷川賢の目に止まり、Gladiatorへの来日候補にもなっていたガントグドフだが、テムレーンがその切符を掴み──再び、韓国を戦場とした。

6月のRoad FCグローバル63キロ級トーナメントの補欠戦に出場したガントグドフは、チャ・ミンヒョクを左フックのカウンターで沈め初回でTKO勝ちを収めた。しかし、しかし、この補欠戦で勝利を掴んでいたにも関わらず、8月の準決勝大会のバックアップファイターとして渡韓はならず、ラザバリ・シェイドゥラフの計量失敗にも彼の代替出場できなかった。

アマムエタイでのアジア大会で銀メダル獲得、ムエタイでは60戦以上のキャリアを誇るガントグドフは、次なるステージにONE FCを選択した。そのガントグドフ、MMA戦績では5勝1敗で、打撃は組み技出身のモンゴリアンと違いテクニカルだ。レスリングと寝技には課題が残るが、後者に関しては柔術アカデミーでもあるガルーダMMAのトレーニングで克服に努めている。

その一方でレスリング、特に壁レスには改善の余地が多い。対戦相手のボレヤンは引き込み上等の寝業師だが、レスリングも体得しておりガントグドフとしては掴まれないようにローカーフを蹴り、ジャブで突き放すことが大切になってくる。

打撃に関してはガントグドフが明確に上で、強引に組んできたところにヒザ蹴りを効かせることも可能だろう。ただし、ボレヤンはギロチン、バック奪取から自ら下になっても構わないほど三角絞めを得意にしており、スクランブル戦は避けたいところ。とはいっても、避けられないのがMMA。この点において、ガントグドフはボレヤンが嫌がる打撃で先制できるのかどうかが、非常に大切になってくる。簡単に組まれるようだと、厳しい戦いとなるだろう。

■放送予定
10月20日(金・日本時間)
午後9時30分~ ABEMA格闘チャンネル

■ONE FF37MMA対戦カード

<ムエタイ・バンタム級/3分3R>
ラフィ・ボーヒック(フランス)
アンター・カセム(ベラルーシ)

<ムエタイ132ポンド契約/3分3R>
テッパクシン・ソー・ソンシン(タイ)
リッティデット・ソー・ソンマイ(タイ)

<ムエタイ・フライ級/3分3R>
ラムナムコン・BS・ムエタイ(ラオス)
サムオイノーイ・トー・プースワン(タイ)

<ムエタイ133ポンド契約/3分3R>
ペットシリチャイ・デペッチシリトン(タイ)
ソンファンコン・FA・グループ(タイ)

<ムエタイ124ポンド契約/3分3R>
パンモンコン・ソー・モンコンガンチャン(タイ)
ガオグライ・チョー・ハパヤック(タイ)

<ムエタイ118ポンド契約/3分3R>
マハヒン・ナックビナライヨン(タイ)
タハンエック・ナヨックエタサラ(タイ)

<ムエタイ・フライ級/3分3R>
ゴントーラニー・ソー・ソンマイ(タイ)
内藤大樹(日本)

<ムエタイ128ポンド契約/3分3R>
アスラムジョン・オルチコフ(ウズベキスタン)
ペットフアヒン・ジットムアンノン(タイ)

<ムエタイ130ポンド契約/3分3R>
チャイ・ソー・ソー・トイパドリュー(タイ)
エリアス・カセム(アルジェリア)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
モリス・ボレヤン(アルメニア)
ガントグドフ・バートルチョローン(モンゴル)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
カルロ・ブーミナアン(フィリピン)
デニス・ドレーエフ(ロシア)

<130ポンド契約/5分3R>
パーシバル・オウモ・ムワンビ(豪州)
カムロンベク・オルチコフ(ウズベキスタン)

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