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【DEEP120】初の連敗から復帰、木下カラテ戦へ。神田コウヤ「MMAのMがミックスではなくメルトに」

【写真】Bushidoというニックネームとともに、神田のMMAへの探求心は増す一方だ(C)SHOJIRO KAMEIKE

14日(日)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP120で、神田コウヤが木下カラテと対戦する。
Text by Shojiro Kameike

神田にとってはRoad to UFC準決勝のリー・カイウェン戦、青井人とのDEEPフェザー王座防衛戦と連敗からの復帰戦となる。この2試合を通じて神田が得たものとは。自分の中にあるMMAの変化とマインドを語ってくれた。


連勝している時より今のほうが好奇心は旺盛です

――SNSでは神田「Bushido」コウヤというニックネームが付いています。いつからBushidoをつけるようになったのですか。

「Road to UFCに出場してから、ですね。海外で戦う時に、単に名前だけよりもニックネームがあったほうがインパクトも大きいかなと思って。海外ではPRIDE武士道も知られていますし、UFCでもまだ誰も付けていない日本語を探して『Bushido』にしました」

――なるほど。そのRTUで敗れ、続いてDEEPのベルトも失いました。試合直後には、どんな想いでしたか。

「直後、ですか。不甲斐ない負け方ではなかったと思いますし、防衛戦の義務も終わったので次はRIZINに出たいと思いました」

――SNSでは6月9日のRIZIN47出場をアピールしていたようですね。

「そうなんですよ。本来はアピールしないで出場できるのが一番なんですけど。ただ、最近は海外の選手も増えて日本人の出場枠も減っていると思うので、SNSでアピールしてみました」

――ということは、DEEPのベルトを失ったあともRIZINなりRTUへの意欲は失っていなかった、と。

「もちろんです。RTUも出られるうちは出たいです。連敗していたので今年のRTUは難しいと思いましたけど、チャンスがあるうちは出たいですね」

――RTUは神田選手に勝利したリー・カイウェンが、決勝でイー・チャアに敗れました。

「しかも計量もオーバーで(苦笑)」

―カイウェンに対して「自分に勝っておいて、決勝でそれはないだろう」とは思いますか。

「う~ん……、やっぱりトーナメントは大変ですよ。短期間で何試合もするから、途中で気持ちが切れることもあると思います。減量も大変だし、怪我もあったりして」

――神田選手はRTUが終わったあと、すぐに気持ちを切り替えることはできましたか。

「はい。RIZINにしろRTUにしろ、次の試合で王座防衛できないとチャンスはないと思っていました。それと、ベルトを巻いたら防衛戦をやるのは義務じゃないですか。僕の場合は、前の王者の牛久絢太郎選手があまり防衛戦をやっていないことに対して、良くは思っていなかったので。王者としての義務は果たすべきだし、果たせないなら返上すべきというのが僕の考えです」

――RTUと青井戦を経て、自分の中でプラスになったことはありますか。ファイターとして黒星はマイナスとなるかもしれません。しかし、そのマイナスを糧にどう生きるのか。

「連敗したのが初めてだったので、初心に戻る良い機会だなって捉えています。連勝している時より今のほうが、『自分はどこまでできるのか』という好奇心は旺盛ですね」

――その好奇心は、どのようなところに表れているのでしょうか。

「今は練習していて、『どんどんMMAになってきている』と思っています」

左右の乖離を少なくしていけば海外の選手にも負けない

――どんどんMMAになってきている……とは?

「MMAのMが、自分にとってはミックス(Mixed=混ざった)ではなく、メルト(Melted=溶けた)になってきています。全ての要素が溶けて一つになる。それは打投極という要素だけではなく、左右の乖離も少なくなってきたと思いますね」

――左右の乖離というのは、構えやスイッチということですか。

「そうです。自分の性格的に、オーソドックスで構えた時とサウスポーで構えた時に差があるのは好きじゃなくて。そういう差をなくしたかったんですよ。海外の選手と戦うためには必要だと感じていました。海外の選手と比べてもフレームやリーチはあると思うので、その左右の乖離を少なくしていけば負けないかな、と」

――確かにもうMMAはスイッチという概念すら無くなりつつあります。

「UFCとかだと、絶え間なく自然と構えが変わりながら動いていますからね。それがミックスではなくメルトということなんですよ」

――後悔などではなく「カイウェン戦や青井戦の時に、これができていれば……」と思えるほど、今は仕上がっている状態ですか。

「その自負はあります。あとはコンディション次第ですね。でも自分は、コンディションづくりは上手いほうだと思うので」

――コンディションや減量方法も含めて、神田選手は研究者タイプのように感じます。

「あぁ、そうなんですかね。常に情報に対してはアンテナを張っておくようにはしています。自分が興味あるものだけですけど……やっぱり格闘技は自分のビジネスですから」

――格闘技が自分のビジネスである。その感覚は以前から持っていましたか。

「デビューした頃は、そう思えなかったですね。やっぱりデビュー当時はファイトマネーも安かったし。だけど今はファイトマネーも、デビューの頃と比べたら遥かに高いです。そういうことの積み重ねで意識は変わっていきますよ。

僕はプロのファイターとして、常に高い品質のものを提供していきたいです。今の環境に全然満足していないし、もっと成功したい。もっと稼ぎたい。そうなることで自分の発言にも説得力が増していくじゃないですか」

――もう神田選手もプロデビューして6年が経ち、ジムで後輩たちが増えていることも影響していますか。

「ジムの後輩たちは……、僕はライバルとして見ていますね」

――えっ!?

「刺激し合えるライバルというか。結果って、自分の努力の成果じゃないですか。僕のほうが長くMMAをやっているのに、ここで後輩に越されてしまうと――という感じで『絶対に負けたくない』と思っています。お互いにそう考えることができると、ジム全体が良くなりますし。後輩たちもそう考えて頑張ってほしいです」

――ジムの先輩である松根良太さんのTHE BLACKBELT JAPAN沖縄にも行ってきたそうですね。

「修斗沖縄大会の時には選手のセコンドで行っていましたけど、大会がある時は松根さんも忙しくて、なかなかお話できない。だからジムをリニューアルされたということもあり、大会がない時に沖縄に行ってきました。

沖縄に行ったのは、練習よりもマインドの部分が大きいです。自分を鼓舞するために――連敗して気持ちが落ちている時に、沖縄で松根さんと話すと気持ちも上がるかなと思って。おかげで気持ちも落ち着きました」

――そうした経験と変化を踏まえ、次の木下戦はどんな試合を見せたいですか。

「木下選手は一撃必殺の打撃を持っていて、勝ちっぷりも負けっぷりも良い選手だと思います。最近は構えが変わりましたよね。HEARTS特有の、ガードを固めて前に出るスタイルが最近のKO勝ちに繋がっているのかなって思います。

自分も構えというか、左右の差がなくなって良い感じになってきています。フィニッシュを狙う木下選手が相手なら、自分もフィニッシュできる確率は上がる。自分もピンチから逃げずにチャンスを掴みに行きたいですね」

■視聴方法(予定)
7月14日(日)
午後5時45分~U-NEXT, サムライTV, YouTube DEEP/DEEP JEWELSメンバーシップ

■DEEP120 対戦カード

<DEEPウェルター級選手権試合/5分3R>
鈴木槙吾(日本)
佐藤洋一郎(日本)

<バンタム級/5分3R>
CORO(日本)
瀧澤謙太(日本)

<フェザー級/5分3R>
中村大介(日本)
白川Dark陸斗(日本)

<ウェルター級/5分3R>
阿部大治(日本)
嶋田伊吹(日本)

<フェザー級/5分3R>
神田コウヤ(日本)
木下カラテ(日本)

<ライト級/5分3R>
野村駿太(日本)
泉武志(日本)

<メガトン級/5分2R>
誠悟(日本)
朝太(日本)

<ライト級/5分2R>
石塚雄馬(日本)
佐々木大(日本)

<68キロ契約/5分2R>
太田将吾(日本)
相本宗輝(日本)

<フライ級/5分2R>
木村琉音(日本)
斎藤璃貴(日本)

<アマチュアルール フェザー級/3分2R>
菅涼星(日本)
平石光一(日本)

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【DEEP120】青木真也とタイガームエタイ─泉武志と再戦。野村駿太「自己中というか自分の試合をしたい」

【写真】青木真也との時間、タイガームエタイでの日々でどう野村が成長しているのかが確認できる試合に (C)TAKUMI NAKAMURA

14日(日)に東京都文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP120 IMPACTにて野村駿太が泉武志と対戦する。
Text by Takumi Nakamura

昨年12月のDEEP後楽園大会で岩倉優輝にKO勝利し、約7カ月ぶりの試合となる野村。この期間はONE日本大会に出場した青木真也のトレーニングパートナーを務め、タイガームエタイでの武者修行を行うなど、試合以外の面で多くの経験を積んだ。希望するRoad to UFCへの出場はかなわかったが、将来的な海外進出を見据えてDEEP王座を目指す戦いに挑む。


これがプロとしての覚悟なんだ、と

――14日のDEEP後楽園大会で泉武志選手と再戦が決まった野村選手です。今回野村選手にインタビューをお願いするにあたって、青木真也選手が1月のONE日本大会に向けて野村選手にトレーニングパートナーを依頼していたという話をお伺いしました。青木選手とはどういった経緯でつながりが出来たのですか。

「格闘代理戦争に出ていた中谷優我が元々BRAVEで練習していて、青木さんと中谷が知り合いで。青木さんと一緒に練習させてもらいたいと思い、中谷を通してロータス世田谷に行かせてもらうようになったのが最初のきっかけです」

――トレーニングパートナーを依頼されたときは驚きましたか。

「驚きと自分でいいのか?という心境でしたね。僕は組み技を強化したいと思ってロータスに行かせてもらっていて、その中でも青木さんは特に強くて、毎回壁に当たりにいくぐらいの気持ちでずっとやっていたんです。だから自分が青木さんの相手が務まるのか不安でした」

――具体的にはどういった形で青木選手と一緒に練習すしていたのですか。

「もともとロータスには週2回行っていたんですけど、それプラス、青木さんがMMAの練習をする時にマンツーマンで5分3Rの相手を務めるという形でやっていました」

――試合に向けたトップ選手のスパーリングパートナーを務めるというはなかなかできない経験だと思います。青木選手と試合までの時間を過ごして感じたこと、気づいたことはなんですか。

「青木さんの強さはもちろん、青木さんの人間らしさみたいなところも見させてもらいました。あれだけ強い青木選手でも試合に向けて葛藤があったりとか。特にあの時は試合直前に相手が代わるという事態も起きたので…」

――私も現場で取材していたのですが、入場式に青木選手が姿を見せず、大会の途中でセージ・ノースカットの欠場とジョン・リネケルの代打出場が発表されるという異例の事態でした。

「自分は青木さんのセコンドでバックステージにいたんですけど、ちょうど開会式が始まる前に青木さんがチャトリさんに呼ばれて、帰ってきたら表情がガラッと変わっていたんです。タイミングとしては一度身体を動かし終えて、最後に試合に向けて上げていこうという段階で」

――まさかそこで相手が変わると言われるとは思っていないですよね。

「はい。まさに試合に向けて気持ちをグッと上げている途中で、そこで対戦相手が変わると言われたわけだから、それは(気持ちが)どん底まで落ちますよね。でもそこから青木さんはもう一度気持ちを作り直して(試合を)やるという決断をして、プロとしての心意気みたいなものを見させてもらいました。改めて青木さんは自分とは何倍も大きなスケールで戦っているんだなということを感じました」

――バックステージは相当混乱していたと思います。

「僕たちは青木さんとチャトリさんが話しているのを控室で待っている状態でしたが、やっぱり最初はかなり揉めていたみたいです。ただそこから交渉で折り合いをつけて、青木さんも久々の日本大会で自分を見に来てくれているお客さんがいることも分かっていたと思うので、控室に戻ってきてからは覚悟を決めた感じでした」

――対戦相手はすぐリネケルで決まったのですか。

「そこも結構大変で、すぐにリネケルが捕まらなかったみたいんです。会場にはいるけど、どこにいるかが分からない、みたいな。だからONEのスタッフが総出で『リネケルはどこだ!?』みたいに探し回っていて。ONEのようなメジャー団体でこんなハプニングはありえないですよね。

青木さんはいつも『自分は競技をやっているわけじゃない』と言っていて、それを体現する場面を目の当たりにして、自分なりに感じるものがありました。これがプロとしての覚悟なんだ、と」

――その一方で試合に向けた青木選手の競技者としての取り組みに触れたことも大きかったと思います。

「めちゃくちゃ勉強になりました。僕はとりあえず練習して覚えるくらいの気持ちでやっていたんですけど、青木さんは次の相手に対して自分がどう戦うかを考えたうえで、そこに必要なことを練習されているんですね。

今回僕がパートナーに指名されたのも、僕がノースカットに似ていた部分があったりもして。青木さんが八隅(孝平)さんたちと試合でこうしていくというのを煮詰めて、自分もなるべくそこに近づけられるよう心掛けていました。試合に勝つためにはこういった練習への取り組みが大事なんだなと思いましたね」

――青木選手と過ごした期間を経て、今はどのようなことを意識して練習されているのですか。

「ロータスに行き始めて約1年、青木さんのトレーニングパートナーを務めさせてもらった期間が約半年になんですけど、青木さんと過ごした半年を終えて、練習に対する本気度が変わりました。今までも遊びでやっていたわけではないのですが、練習時間になったら練習場所に行って、決まった時間の練習をするという感覚はなくなりました。

明確に自分がやるべきこと、そして自分がこうなりたいというものを見つけられたというか。実は青木さんにスパーリングパートナーをお願いされた時くらいに、青木さんに『海外に(練習に)行った方がいいよ』とアドバイスされていて、青木さんの試合が終わってタイのタイガームエタイに行ったんですよ。あっちは泥臭い感じの選手しかいないというか、良くも悪くも自分が成功すること以外は考えていないような選手が世界中から集まってくるんですね。

そういう選手たちと練習することで、僕自身も格闘技で成功するんだという気持ちが強く芽生えたし、そのために他の選手よりもたくさん試合をするとか、他の選手がやらないようなキツイ練習をやるとか、そういう考えになりました」

――タイガームエタイは世界中からMMAファイターが集まるジムですが、どんなスパーリングをしてきましたか。

「スパーリングは5分5Rくらいしかやらないんですけど、トップにいく選手は最初から最後までやるし、試合前の選手はスパーリングでも自分だけ思いっきり殴ってくる選手もいます(苦笑)。最初は僕も相手に合わせちゃうところがあって、今日の相手はレスラーなのかな、ストライカーなのかなと思いながらやっていたんですけど、そうやって相手に合わせるのは意味がないなと。途中からはどんな相手でも自分のスタイルを押しつけるようにしようと思いました」

――いい意味でここからさらに上に行きたいという選手が練習するジムなので、みんなギラギラしているでしょうね。

「そうですね。例えばスパーリングでちょっとでも引いて『あいつはダメ。練習にならない』と思われたら、全く相手にしてもらえないんで。なかには自分よりも弱い相手ばっかり選んで練習する選手もいましたけど(苦笑)、基本的にはレベルの高い者・強い者同士でバチバチにやり合うスタイルでした。で、そういうスパーリングを続けていると『また練習やろうぜ』みたいな感じになったり、街中でも話しかけてくれるようになったり、ちょっとずつお互いを認め合う感じでした」

――ちなみに著名な選手も、練習相手にはいましたか。

「自分あんまり人の名前を覚えられないんですけど(笑)、NAIZA FCのタイトルマッチを控えている選手やウズベキスタンの選手たちと練習してきました」

タイトル挑戦に繋がる試合ということだったので

――野村選手にとっては青木選手のスパーリングパートナーからタイガームエタイでの武者修行までがワンセットとして意味があったようですね。そして昨年12月以来、約7カ月ぶりの試合が決まりました。

「自分の方向性としてRord to UFC(RTU)を目指していて、RTUに参戦したいという希望は出していました。それも見越してタイガームエタイに行って。ただ今年はライト級でトーナメントが行われないということになって、ワンマッチの話もあったんですけど、ヤン坊(雑賀達也)選手がパンクラスでタイトルを獲ったばかりということもあって、そっちに決まりそうだと。

もし自分にワンマッチのチャンスがくるとしたらトーナメントの準決勝以降になるということだったので、それだったら試合間隔が空くよりも、今年はDEEPでベルトを獲って来年に備えようと思いました」

――目の前でベルトの有無でチャンスが来るかどうかの場面に出くわしたわけですね。

「はい。今年出ている選手や過去に出ている選手たちの顔ぶれを見ると、やっぱりベルトを巻いているかどうかが大事で、今の自分にはそこが足りないと思いました」

――対戦相手の泉選手とは2022年7月に対戦していて、野村選手が判定勝利していますが、あれから5連勝してタイトル戦線に浮上してきました。

「泉戦がタイトル挑戦に繋がる試合ならやる、そうじゃないとやらないという考えがあったのですが、タイトル挑戦に繋がる試合ということだったのでやろうと思いました」

――対戦相手としては泉選手にはどんな印象を持っていますか。

「レスリングの実績がある選手で、5連勝しているというところで、最後に勝ちきる力があると思います。対レスラーという部分ではBRAVEでたくさん練習していますし、対策も立ててはいるんですけど、相手がこっちに合わさざるをえない、そういう自己中というか自分の試合をしたいです」

――この間の練習で試合に対するマインドも変わりましたか。

「強い選手は全員そうなんじゃないですかね。あとはどのポジションでも自信がついてきたから、そういう考えになってきたのかもしれないです。とにかくこの試合にしっかり勝って、江藤(公洋)さんにリベンジしてベルトを巻きたいです」

――今はDEEPのベルトを巻くことが一番だと思いますが、その先には海外の大会に出ていくことが目標ですか。

「自分は昔からそういう考えですね。日本の団体に興味がないということではなくて、自分が目指すのは強い選手がいるところに行って戦う、なので」

――BRAVEの選手は海外で戦っている選手も多いですが、そこから刺激を受けることもありますか。

「すごく刺激になりますね。それこそ僕は原口伸とパンクラスに出ている望月貴史の3人でBRAVEの寮に一緒に住んでいた時期があったし、原口央と伊藤(空也)さんもジムに住み込みみたいな感じだったんです。そういう時間を過ごした仲間が先に海外の団体で試合しているので、自分もそれに続きたいという想いがありますね」

――では、今回の泉選手との試合。改めてどのようなファイトを見せていきたいですか。

「自分はもっと上で、海外で戦いたいので、みんなが認めてくれるような、野村だったらいけるなと思われる試合をしたいです。今ライト級は日本人が外国人に勝てない、海外に出ても勝つことが難しい状況なので、自分だったらいけるという試合を見せられたらと思います。あとはUFC本戦やRTUでも、結果を出している日本人はレスリング出身の選手が多いじゃないですか。僕は空手出身・ストライカーとして、そういう選手たちも倒していきたい。今回は自分にそれができることを見せる試合にしたいと思っています」

■視聴方法(予定)
5月26日(日)
午後5時45分~U-NEXT, サムライTV, YouTube DEEP/DEEP JEWELSメンバーシップ

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45 DEEP Double G FC17 MMA MMAPLANET o UFC YUKI コナー・マクレガー パク・チャンス ボクシング 上迫博仁 修斗 倉本大悟 岩倉優輝 野村駿太

【Double G FC17】フェザー級王者パク・チャンスに挑戦、岩倉優輝「リスクが少なく相手を崩せる足技を」

【写真】岩倉は寡黙な選手との情報もあったが、明るく楽しく喋ってくれるファイターだ(C)SHOJIRO KAMEIKE

6日(木)、韓国はソウル江南区のソウル繊維イベントセンターで開催されるDouble G FC17で、岩倉優輝がパク・チャンスの持つ同ライト級王座に挑戦する。
Text by Shojiro Kameike

DEEPフューチャーキングトーナメント2021でライト級を制した岩倉は、2022年9月にプロデビュー。ここまでの戦績は3勝2敗——前戦は野村駿太にKO負けを喫し、再起戦が敵地でのタイトルマッチとなった。「それでも大きなチャンスだと考えている」という岩倉に、その格闘技キャリアとタイトルマッチへの意気込みを訊いた。


――Double Gのポスターを見ると丸坊主姿で、「昔の写真を使っているのかなぁ……」と思っていたら、リモート画面が繋がって丸坊主だったので驚きました。

「今の写真です(笑)。今年に入って髪が伸びてきて、一度坊主にしてみよう思っただけで。そうしたら毎日の練習も坊主のほうが楽でした」

――なるほど(笑)。岩倉選手はもともと柔道出身とのことですが、何歳から柔道をやっていたのでしょうか。

「小学1年から大学4年まで柔道をやっていました。中高は個人、大学は団体で全国大会に出場しています」

――それだけ柔道に打ち込んでいた岩倉選手がMMAを志した理由は何だったのですか。

「高3の時に、コナー・マクレガーがグァーっと上がってきていたんですよ。もともと格闘技は好きで、SNSで格闘技の動画をよく視ていました。そこにUFCの動画が出てきて、マクレガーの影響でMMAにハマりましたね。

でもその時はまだ『柔道を辞めてMMAに!』という気持ちにはなっていませんでした。柔道の推薦で大学に行くことは決まっていたし、キッチリと大学まで柔道をやらなければいけないと思って」

――ではMMAを始めたのは大学卒業後で……。

「大学を卒業して、一度就職した後ですね。当時はコロナ禍でMMAの大会も行われなくなっていたので、『世の中が不安定になったから、とりあえず就職しておこうか……』と思ったんです。安易な気持ちかもしれませんけど」

――決して安易ではないと思います。それだけ先が見えない大変な時期でしたし、無職のままMMAを始めるのも不安でしょう。

「実は大学4年生の時、アマチュア修斗関東選手権で優勝したことがあるんです。コロナ禍で柔道の引退試合もなくなっていたので、自分のスポーツのケジメとして出場しました」

――えっ!? まだMMAを始めていない頃ですよね。

「柔道しか経験はなかったです(苦笑)。同じ大学の寮にボクシング部員がいたので、小手先のボクシング技術だけ教えてもらって出場しました。セコンドは柔道部の同期に付いてもらって。3試合を勝ち抜いて優勝したけど、その年は全日本選手権が開催されなくて、僕も就職したんですよ」

注)2020年は当初、7月5日に関東選手権、10月18日に全日本選手権の開催が予定されていた。しかしコロナ禍のため関東選手権が同年12月6日に延期。翌2021年3月14日に全日本選手権もスライドされたが、緊急事態宣言の発令により中止となっている。

「そこで就職した会社の先輩に、格闘技をやっている方がいらっしゃいまして。『休みの日にジムで体を動かしている』という、たわいもない会話から僕もNICE BAD GYMに行くようになりました。その就職先も11カ月で辞めて、脱サラ2週間後にDEEPフューチャーキングトーナメントに出場したんです」

――フューチャーキングに出場するために退職したのですか。

「こういうことを言うのも何ですけど、自信があったんですよ。フューチャーキングを制してプロになって生活していこうと思っていました」

――しかしプロデビュー戦は、フューチャーキング決勝で下していた倉本大悟選手とのリマッチで敗れました。

「メチャクチャ落ち込みましたけど、それ以上に『うまく行きすぎて調子に乗っていた自分』がいたんだと思います。そこから『もっと打撃を磨かなきゃいけない』とか――ポジティブに考えれば、勉強になったデビュー戦でした。でもキャリアを考えると、一番大事なプロデビュー戦を落としてしまっているので、先のことは心配になりましたね」

――打撃を重点的に磨いたのは、プロデビュー後なのですね。

「最初は自分も打撃ができるっていう手応えはあったんです。でもディフェンスを特に考え始めたのはデビュー戦後ですね。NICE BAD GYMで上迫博仁さんに教わったことはもちろん、出稽古でGENに行かせていただいて。GENで田牧一寿さんにボクシングを教わったことも大きかったです」

――田牧トレーナーですか! GENで練習しているファイターからは、常にそのお名前を聞きます。田牧トレーナーの指導で、どういった点がレベルアップしましたか。

「田牧さんの指導は、基本的なことを細かく教えてくれます。たとえばコンビネーションはスピード重視ではなく、まず一つひとつの動きの正確さを大切にしていて。田牧さんに教わったことで、パンチの仕組みを理解できるようになりました。

おかげでパンチを当てた時の感覚は変わってきたと思います。スタンドのパンチだけじゃなく、パウンドでも自分の拳をしっかり当てる感覚も掴めているような気がして。力いっぱい殴るのでなく、的確に当てることを意識するようになってきていますね」

――しかも柔道のベースがあるため、試合では相手をしっかり抑え込んでから殴ることで威力も増しているように感じます。

「それは最近、ようやくMMAで抑え込むという感覚が分かってきたように思います。どちらかというと柔道時代は寝技を毛嫌いしていたんですよ。MMAを始めて『人と抑え込むことって、こんなに難しいのか』と実感させられました。柔道の抑え込みとも違うし、レスリングというよりもグラップリングをちゃんと意識するようになって」

――そういえば、これまで岩倉選手の試合で柔道の大きな投げ技を見たことがないですね。

「やっぱり柔道の癖で、大きく投げようとするとバックに回られることがありました。その中で、柔道の技で一番役に立っているのは足技なんです。蹴りと足払いを混ぜたり、足払いで崩してから足を取ってテイクダウンに行ったりとか。崩してから殴るっていう戦い方もありますよね。リスクが少なく、相手を崩せるのが足技だと思います」

――プロデビュー戦こそ敗れたものの、その後は3連勝で野村駿太戦を迎えました。若手同士の一戦で、あの試合で勝ったほうが上位陣へ……というサバイバルマッチであったと思います。その野村選手の左ストレートを食らい、KO負けを喫してしまいました。

「あの時はパンチとパウンドに手応えを感じて、ちょっとずつMMAを理解し始めていた時期でもありました。そこで賢く戦おうと思ってしまったというか……。『テイクダウンできたけど、今は思いっきり攻める時ではない』とか考えてしまって」

――そう聞いて理解できました。フィニッシュシーン直前、ブレイクが掛かった後に岩倉選手の動きが止まっています。

「そうですね。ブレイク後に『この後はどうしようかな』と考えてしまっていました……。あの時は試合前にプランを考えすぎず、相手の動きに合わせて、その場で考えて動こうと思っていたんです。でも今はシチュエーションごとに、どう対処するかを考えるようになりました。やっぱり自分のベースは柔道なので、組みの部分を生かして自分のアクションを増やせるように練習してきたつもりです。打撃も伸びてきたので、打撃が強い相手でもスタンドで圧力をかけてから組んだり」

――再起戦がいきなりDouble G FCのタイトルマッチで、王者パク・チャンスに挑戦することとなりました。

「相手は何でもできるタイプで、身長も高いし遠い距離からの打撃もあります。まず相手にペースをつくらせないように、自分が先手を取って攻めていきたいと思います。前の敗戦のことを考えていても仕方ないし、MMAを始めた頃のように『ヨッシャ、やってやる!』という気持ちが強いです。

自分も緊張はしていますけど、その代わり大きなチャンスだと思っています。派手に打ち勝つ試合よりも、しっかり練習してきた自分の強みを生かす試合を――僕ができること全てを出して、ベルトを巻きたいです」

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45 AB ABEMA BELLATOR F1 MMA MMAPLANET o ONE ONE FF53 RENA RIZIN RIZIN LANDMARK09 SHOOTBOXING Shooto カイラット・アクメトフ キック クレア・ロペス シン・ユリ ベラトール ボクシング ライカ 山本美憂 所英男 本田良介 本野美樹 浅倉カンナ 笠原弘希 野村駿太 金原正徳

【RIZIN LANDMARK09】金網初勝利なるか。シン・ユリ戦へ、RENA 「日本だと、ここまで練習できてない」

【写真】タイガームエタイのウェアが新鮮!!(C)SHOOTBOXING

23日(土)、神戸市中央区の神戸ワールド記念ホールで開催されるRIZIN LANDMARK09で、RENAが韓国のシン・ユリと対戦する。
Text by Shojiro Kameike

シュートボクシングの女子世界トーナメント『Girls S-cup』を3連覇したRENAが、MMAを戦うようになったのは2015年大晦日のこと。それはRIZIN01の第1試合――まさにRIZINの幕開けはRENAが飾ったのだった。

以降MMAを続けるRENAは、SB時代に経験したことのない壁にぶつかる。浅倉カンナ戦、Bellatorのリンジー・ヴァンザン戦、そして昨年4月のクレア・ロペス戦……。こうした敗戦の中で、もう一度SBで戦うのか。あるいは引退するという選択肢もあっただろう。しかしRENAはロペス戦以来、1年ぶりのMMAマッチに臨む。タイのプーケットにあるタイガームエタイで練習しているRENAに、自身のMMAと現在、そして未来について訊いた(※取材は3月5日に行われた)。


――お久しぶりです。今回がMMAPLANET初登場で、個人的にもお話を訊くのは2016年1月以来となります。あの時は2015年大晦日に、初のMMAで勝利したことを受けてのインタビューでした。

「お久しぶりです! もうそんなに経ちますか。確かに気づいたら6~7年ぐらいMMAをやっているんですよね」

――今回はタイにいるとのことですが、まずはプーケットのタイガームエタイで練習している理由から教えていただけますか。

「次の対戦相手がストライカーであることと、私自身の持ち味もストライキングじゃないですか。プラス今はMMAの練習環境も充実していることを考えて、タイに行こうと思いました。連絡したらタイガームエタイさんも快く受け入れてくれるということで、『今しかない!』と考えたんですよ」

――これまでタイで練習したことはあったのですか。

「ありましたけど、かなり昔のことですね。しかも2~3日ぐらいの期間で、こんなにガッツリ滞在するのは初めてです。今回は2月9日にタイへ来て、本当は2週間ぐらいで日本に帰る予定でした。でもすごく波長が合って――慣れて来ると動きも良くなってきたし、『これはもったいない。もう少しタイにいよう』って滞在を延長したんですよ」

――現在、タイのMMA環境も充実しているようですね。

本田良介、本野美樹、カイラット・アクメトフらと(C)SHOOTOBOXING

「まずトレーナーさんが充実しています。

タイ人だけでなく、欧米から来たトレーナーさんも多くて。逆にタイ人はあまり見ないぐらいですよ」

――えっ!? そうなのですか。

「タイガームエタイだけなのかどうかは分からないけど、カザフスタンとかの中央アジア系や、ロシア系の会員さんも多いみたいです。女子は中国系の方がいるぐらいで、そのあたりは時期によっても違うと聞きました」

――なるほど。タイで練習していて『波長が合ってきた』と感じるのは、どのような点なのでしょうか。

所英男、望月貴史、野村駿太、金原正徳と(C)SHOOTOBOXING

「まず日本にいたら、ここまで練習できていないです。

自分の年齢はもちろん、環境的にも」

――環境というのは……。

「日本って選手が昼間はお仕事をして、夜しか練習できないということが一般的じゃないですか。そのため、みんな夜遅くまで練習していることが多くて。でもタイに来たら朝練習して、昼と夕方にも練習して1日が終わる。練習パートナーにも困らないし、パーソナルで指導してくれるコーチやトレーナーもたくさんいます。気候も良いですしね。

日本にいると何でもあって、どこにでも行けるし、いろんな誘惑があるじゃないですか。タイに来ると、そういうものがないんです。娯楽といえばサウナぐらいで(笑)」

――アハハハ。

「これだけ格闘技に集中して練習できているのは久しぶりです。日本で朝8時から体を動かすことはないですからね。タイガームエタイの他にもSBの笠原弘希がONEに出た時(2月24日、ONE FF53)、私もバンコクへ行って2日間、スーパーボンジムで練習させてもらいました」

――RENA選手といえば、SBの試合では三日月蹴りを含む前蹴りを起点に試合を展開させていました。MMAでも三日月蹴りでKOしたことはありますが、SB時代よりも出す数は少なくなっていると思います。その点で、タイで練習したことにより打撃面で変化した部分はありますか。

「技術はともかく、意識面は変わったかなと思います。やっぱりMMAだと、ムエタイやキックボクシングのようには蹴らなくなるじゃないですか。蹴り足を取られる、あるいは蹴りのあとに組まれてしまう――それが定番だから、あまり前蹴りを出さないようにと思っていたりはしました。

でも試合で蹴りを出すか出さないかは関係なく、タイのジムではとにかく蹴らされるんですよ。立ち技とMMAではスタミナの使い方も違うしって最初は思っていたけど、昔の感覚が戻ってきている気はしますね。『私、動けるじゃないか』って。もちろん実際に試合をしてみないと分からないです。でも消えていた自分の良さを、タイに来て少しずつ取り戻せている感覚はありますよ」

――何がどうであろうと蹴らされる環境の中で、MMAに対して抱えていた不安も解消されつつあるのですね。

「ただ蹴るというだけでなく、ミットを持ってくれているタイ人のコーチも、今はMMAをやっている人なんです。だからミットの中で、蹴り足を取ってテイクダウンに来る動きも入れてくれますし、MMAに近いミットができているという良い感触があります」

――2015年大晦日にRENA選手がMMAを戦うと聞き、正直言って少し不安はありました。Girls S-cup世界トーナメント3連覇をはじめ、あれほどSBという競技を究め続けていたRENA選手が、新しい競技に挑戦するのは……と。MMAデビューしたあとは6連勝していましたが、その時は自分にMMAは合っていると考えていましたか。

「いやいや、今も自分に合っているとは思っていないです。毎回『もうMMAは辞めていいんじゃないかな』と考えているぐらいで。最初は本当に、あの1試合だけのつもりだったんですよ。でも跳びつき腕十字で勝ち、流れ的に辞められなくなって……」

――流れ的にというのは? あの勝利でMMAファイターとしてのRENA選手に対する期待が大きくなったのでしょうか。

「期待も大きかったですし、RIZINもどんどん大きくなっていって。その中で、女子の試合に注目してもらえるキッカケにはなったと思います。山本美憂さんのようなレジェンドの方も出てきてくださったり。そうして、どんどん注目が集まってきたので、自分ももう少しMMAを続けないといけないなって考えるようになりました」

――「MMAを続けないといけない」というのは、RENA選手にとってポジティブな思考だったのですか。

「はい。格闘技を十何年もやってきて、常に何か新しい刺激がないとダメな人間なんですよ。だからあの時、MMAという新しい競技に挑戦することは楽しかったです。今でも『私にMMAは向いていないな』と思うことはありますよ。だけど楽しいから今も続けることができている。それは間違いないです」

――自分自身がMMAに向いていないと思うのは、どのような時ですか。

「MMAって女子の中では、組み技系の選手のほうが有利だと思うんです。男子みたいに一発のパンチで倒れることが多いわけではないので。私にも打撃という武器はあるけど、MMAでは不利だなって感じることもあります」

――とはいえ、MMAであれだけの左ボディを打てる女子ファイターもいないとは思います。

「ウフフフ。今はもっと進化していますよ」

――RENA選手のMMAキャリアの中で最初に訪れた岐路は2019年6月、ベラトールでリンジー・ヴァンザンに敗れた時だったように思います。RIZINで浅倉カンナ選手に連敗を喫したあと、さらに北米でも……。

「昔のことなので細かいことは忘れてしまいましたけど――MMAは辞めようかなって思いましたよ。でも毎回『ここで辞めてもなぁ』と考えるんです。MMAを始めたからには、自分が満足いくまで続けたい。自分の心と体がもつまで」

――……。

「もう自分の最終章に入ったと思っています。あと何試合かはできるかもしれないし、次の試合で終わりかもしれないし。今は一戦一戦、『これで終わってもいい』という気持ちで試合に臨んでいますね」

――RENA選手に初めてインタビューしたのは、まだ17歳で高校生の頃でした。当時は「25歳で引退する」と言っていませんでしたか。

「そうなんですよ。25歳で引退して、26歳で結婚して27歳の時には子供がいる予定だったのに、気づいたらもう32歳になりました(笑)」

――実際、25歳の時に一度は引退を考えたのでしょうか。

「それが25歳の時に、RIZINが始まって私もMMAをやることになったんです。あの時にRIZINが始まっていなかったら、私も格闘技を辞めていたと思いますよ」

――先ほど「MMAを始めたからには、自分が満足いくまで続けたい」と仰いましたが、RENA選手の性格的に自分の試合で満足することはありますか。肉体的な疲労や負傷はともかく、気持ちの面で。

「アハハハ! 確かにそうですね(笑)。タイに来たら、メチャクチャ体も動いていますし。『私、こんなに動けるんだ』っていうほどに」

――では満足していないのは、どのような点なのですか。実績として誰かに勝ちたい、RIZINのベルトを巻きたい……といった基準なのでしょうか。

「RIZINに出ているかぎりは、あのベルトを巻きたいとは思います。でも今はベルトに対して、そこまで執着しているわけではないです。自分が満足するために、自分のために自分の戦いがしたい。そういう気持ちのほうが強いですね。応援してくださる方は、私がベルトを巻く姿を見たいかもしれないけど、今はとにかく一戦一戦――です」

――正直なところ、昨年4月のクレア・ロペス戦でもRENA選手が大きな岐路に立たされたと思いました。それまでに何度も引退について口にしていて。

「だって、あのまま辞めたらカッコ悪くないですか」

――その気持ちがファイターであり、RENA選手らしさなのだと思います。

「あの試合が最後になるのは嫌だなって思いました。やっぱり勝って終わりたくて。ベラトール、ロペス戦とまだケージで勝っていないですしね。次の試合もケージになりましたけど、逆に変なジンクスとか考えないようにしたいです」

――対戦相手のシン・ユリは、これまでケージの中で戦ったファイターとは違い、ケージを生かした組み技を見せるタイプではありません。

「完全に打撃系の選手ですよね。もちろん組んで来ることも想定はしています。私としてはスッキリと1RでKOしたい。最近はなかなかKO勝ちできていないので、スカッと早期決着で終わらせたいです」

――なるほど。とにかく今のRENA選手の様子を見ていると、以前よりも格闘技を楽しんでいるように感じます。

「楽しいですよ! それと、大人になりましたから」

――30歳を過ぎましたからね。

「大人になったんです!」

――失礼しました(笑)。では次の試合への意気込みをお願いします。

「今回は相手云々より、自分の気持ちがテーマです。自分の戦いに満足したい、自分らしさで楽しみたいと思っています。思いっきり、はっちゃけたいですね」

■視聴方法(予定)
3月23日(土)
午後12時00分~ABEMA、U-NEXT、RIZIN100CLUB、スカパー!、RIZIN LIVE

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DEEP DEEP117 MMA MMAPLANET o 岩倉優輝 野村駿太

【DEEP117】テイクダウンさせなかった野村が、右一発で岩倉を沈める

【写真】岩倉の表情が、野村の右の威力を物語る(C)MATSUNAO KOKUBO

<ライト級/5分2R>
野村駿太(日本)
Def.1R2分11秒 by KO
岩倉優輝(日本)

サークリングする野村の顔面を、岩倉の左フックが捕らえた。野村は距離を取ってサークリングしながら、一気に詰めて組むも優位には展開できず。反対に岩倉がダブルレッグで飛び込み、ボディロックで野村をケージに押し込むも、動きがなくレフェリーがブレイクをかけた。

スタンドで再開後、野村のワンツーが岩倉の顔面をかすめる。一度バックステップした野村は、再び左ジャブで相手の動きを止め、右クロスを繰り出す。この右が岩倉のアゴを直撃し、野村がKO勝ちを収めた


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DEEP DEEP JEWELS DEEP Tokyo Impact DEEP117 MMA MMAPLANET o RIZIN RYO RYOGA TATSUMI TOP FC YouTube ソ・ドンヒョン パク・シウ 上迫博仁 佐藤フミヤ 佑勢乃花 原虎徹 大原樹理 大原樹里 安谷屋智弘 小金翔 島袋チカラ 悠太 梶本保希 越智晴雄 野村駿太 風我

【DEEP117】フェザー級で再出発、上迫博仁「もう一度勝負したくて戻すことを決めた。これは自分との闘い」

【写真】フェザー級での再出発、上迫は「また面白いやつが来たと思ってもらいたい」と語る(C)MMAPLANET

10日(日)、東京都港区のニューピアホールで開催されるDEEP117で、上迫博仁が韓国のソ・ドンヒョン=ピナクルを迎え撃つ。
Text by Takumi Nakamura

上迫は今年5月に大原樹里の持つDEEPライト級王座に挑むも、判定2-3で敗れて王座獲得ならず。約7カ月ぶりの再起戦はフェザー級に階級を戻しての一戦となる。上迫は階級変更&国際戦でもある再起戦を“自分との戦い”と位置づけた。


――計量前日のインタビューありがとうございます。このあとドライアウトに入ると思いますが、今の体調やコンディションはいかがですか。

「体重調整は結構前から準備をしていて、何の問題もなくスムーズにできている状態です」

――今回は2017年12月以来のフェザー級となります。再びフェザー級での戦いを選んだ理由はなんですか。

「僕も年齢を重ねて、自分が一番勝負していた階級でもう一度勝負したいという気持ちもあったし、僕の中ではライト級に階級を上げたことで何かを諦めた感じがあって心残りがあったんです。僕がこの先どこまでやるかは分かりませんが、これからの格闘技人生の中で勝負したいという気持ちがあったので、もう一度フェザー級に戻すことを決めました」

――フェザー級時代は減量がきつかったイメージですが不安はなかったですか。

「体重調整に時間をかけたのもそうですし、キャリアを積んで知識を増やすことも出来たので(減量方法は)大分変りましたね。それこそ以前は早い段階から水分を断ったりもしていたので(苦笑)。今はそんな無茶な減量はやらないですし、試合に向けた準備も含めて、しっかり出来ました」

――知識とキャリアを重ねてフェザー級が適正だと感じたようですね。

「ライト級は僕にとって少しデカいと言えばデカいんですよ。今は色んな経験を積んで、知識も増やした中では、フェザー級が適正なのかなと思います。あと僕には自分のために格闘技をやっているという気持ちもあるので、自分と勝負するという意味でもフェザー級なのかなと思います」

――5月のDEEPライト級タイトルマッチ=大原樹理戦はスプリット判定で2-3で敗れる試合でしたが、あの試合はどう受け止めましたか。

「実はあの試合くらいからフェザー級に戻すことを考えていたんですよ。だから大原戦は結果は負けでしたけど、自分のなかでは『う~ん…』と思う部分もあったし、あの試合が終わって仕切り直しというか。フェザー級で勝負したいという気持ちもあった分(階級を変える)いい機会だったのかなと思っています」

――今回の試合に向けてどんなことを意識して練習してきましたか。

「そこまで変わったことはしてないんですけど、今回は走りやランニングを結構やりました。自分のファイトスタイル的に足を使いたいというのがあるので、足の強化というか、そのためにたくさん走りましたね」

――上迫選手はNICE BAD GYMの代表でもありますが、選手活動とのバランスは問題ないですか。

「もうジムを出して2年になりましたし、選手とジム運営を並行するうえでのルーティンも出来てきたので、どちらも両立できていると思います」

――対戦相手のピナクルはMMA戦績は5勝2敗1分、これまでTop FC、Angel’s FC、さらにDoubleG FCと韓国MMA団体を渡り歩き、今年4月にはAngel’s FCの代表としてHEATとの対抗戦に出場しています。どんな印象を持っていますか。

「試合映像を幾つか見させてもらって、印象としては気持ちが強い選手なのかなと思います。韓国の選手はそういうイメージがあるし、戦績はともかく油断はできない相手だと思います」

――DoubleG FCをはじめ過去の試合を見ても一発で倒す攻撃力があるので、そこは警戒すべきポイントですよね。

「まさにその通りですね。倒す一発はある選手なので、そういう事故が起きない戦い方をしたいと思います」

――これから再びフェザー級で戦っていく上で、どんな目標を持っていますか。

「正直、具体的な今後の目標はそこまでないんですよ。例えばフェザー級で勝って行ってRIZINに出て…とか、そういうことは考えてないです。自分の力を出せば自然とそこまでいけるじゃないですけど、強い選手と試合を組んでもらったりできるのかなと思います。今の僕は久しぶりのフェザー級ですし、言ってしまえばフェザー級の見習いみたいなものだと思うんですよ。ここから上の選手と試合していけるように頑張っていくという感覚です」

――これまでとは試合に対する向き合い方も変わりましたか。

「昔からそうなんですけど、そこまで相手のことを考えるタイプじゃないんですね。だから本当に自分との戦いだと思います。自分との戦いに勝てば、自ずといいパフォーマンスが出て結果にもつながる。それができればチャンスが来るという気持ちでいます」

――それでは2023年を締める一戦に向けて、ファンのみなさんにメッセージをお願いします。

「5月のタイトルマッチでは負けちゃって、1年を締める試合が新しいスタートになります。来年いい試合・いいカードを組んでもらえるように、今回はそのきっかけになる試合をしたいです。しっかりKOを狙って、またフェザー級に面白いやつが来たと思ってもらいたいです」

■DEEP 117 Impact視聴方法(予定)
12月10日(日)
午後5時05分~YouTube DEEP/DEEP JEWELSメンバーシップ、U-NEXT
午後5分30分~サムライTV

■ DEEP 117 Impact対戦カード

<DEEP暫定ストロー級王座決定戦/5分3R>
越智晴雄(日本)
佑勢乃花(日本)

<フェザー級/5分3R>
上迫博仁(日本)
ピナクル(韓国)

<50キロ契約/5分3R>
パク・シウ(日本)
ハーレイ・クイーン(日本)

<ライト級/5分2R>
川名 TENCHO 雄生(日本)
小金翔(日本)

<フライ級/5分2R>
安谷屋智弘(日本)
KENTA(日本)

<ライト級/5分2R>
野村駿太(日本)
岩倉優輝(日本)

<58キロ契約/5分2R>
RYOGA(日本)
Max(日本)

<アマチュア・フェザー級/3分2R>
信原空(日本)
内藤大二(日本

<アマチュア・ライト級/3分2R>
コマネチゆうた(日本)
中谷優我(日本)

<アマチュア・フェザー級/3分2R>
安井飛馬(日本)
橋本玲音夢(日本)

<アマチュア・フライ級/3分2R>
琥(日本)
秋元優志(日本)

<アマチュア・フェザー級/3分2R>
荒井銀二(日本)
佐藤フミヤ(日本)

■DEEP TOKYO IMPACTO2023#07視聴方法(予定)
12月10日(木・祝)
午後12時05分~YouTube DEEP/DEEP JEWELSメンバーシップ

■ DEEP TOKYO IMPACTO2023#07対戦カード

<フライ級/5分2R>
風我(日本)
切嶋龍輝(日本)

<フライ級/5分2R>
原虎徹(日本)
三ツ塚勇介(日本)

<バンタム級/5分2R>
諏訪部哲平(日本)
中務太陽(日本)

<ライト級/5分2R>
倉本大悟(日本)
井上竜旗(日本)

<フライ級/5分2R>
島袋チカラ(日本)
京之介(日本)

<フェザー級/5分2R>
TATSUMI(日本)
梶本保希(日本)

<フェザー級/5分2R>
相本宗耀(日本)
藤岡陸(日本)

<フェザー級/5分2R>
拓MAX(日本)
森俊樹(日本)

<フライ級/5分2R>
加藤瑠偉(日本)
吉田悠太郎(日本)

<54キロ契約/5分2R>
大和田光太郎(日本)
與那嶺大輝(日本)

<アマチュア・フェザー級/3分2R>
Mr.サタン(日本)
TAU(日本)

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【DEEP116】北岡悟と対戦、泉武志「YouTubeをやってなかったらMMAには転向してないです」

【写真】既に波乱万丈な半生を送ってきた泉(C)MMAPLANET

11日(土)に東京都文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP116 IMPACTにて、泉武志が北岡悟と対戦する。
Text by Manabu Takashima

2016年全日本選手権グレコローマンレスリング66キロ優勝、2017年アジア選手権71キロ級優勝、同年の世界選手権出場とレスリングで輝かしい実績を残してMMAに転向した泉。レスリングの経歴を見るとエリート街道を歩んできたように見えるが、大学卒業後にテレビの制作会社に就職→退職してフリーターとしてレスリングに復帰するなど、紆余曲折を経てオリンピックを目指して、MMAの道へ進んだ。そんなオールドルーキー泉がこれまでのキャリア、そして北岡戦への意気込みを語った。


――キャリア7戦目で北岡悟選手と対戦が決まった泉選手です。オファーを受けた時の率直な心境を聞かせてください。

「いずれやるだろうと思っていた相手だったので、今ここで来たかと思いました」

――このタイミングで北岡選手と戦うことをどう捉えていますか。

「僕は年齢が34歳で若くはないので、同じキャリアの選手たちとやっても時間が過ぎるだけだと思うんですよ。だからキャリアが上の強い選手たちとどんどん戦っていきたいですし、限りある格闘技人生で前に進んでいきたいです」

――7月の小金翔戦に判定勝利して、4連勝となりました。あの試合を振り返ってもらえますか。

「すごく小金選手の対策をして試合をしたので、打撃の面でも伸びましたし、グラウンドの細かいポジションの部分でも向上につながってよかったと思います」

――試合数が少ない分、試合をやるごとに得られるものも多いですか。

「相手の対策をすることで、その技が得意になったり、そのポジションにおける恐怖心がなくなったりするんですよ。小金戦だったらハーフガードでトップキープする練習をしていて、ちゃんとそれが試合で出来たし、そうやって自分の技術を伸ばしているイメージです」

――北岡選手には対戦相手としてどのような印象を持っていますか。

「昔からやっているレジェンドで、戦えることを光栄に思います。でもここで僕が負けるようではダメだなと思います。おそらく北岡選手はガンガン前に出てくる作戦だと思うんですけど、そこにハマらないようにしたいです」

――ここで北岡選手に勝利できるかどうか。泉選手のキャリアにおいてターニングポイントになりうる試合だと思います。

「僕もすごく大きな分岐点になると思っているので、何が何でも勝ちたいという気持ちが強いです」

――MMAPLANET初登場ということで泉選手のプロフィール的なことも聞かせてください。泉選手はスポーツ一家に生まれたそうですね。

「父親が陸上、長男が競歩、次男がバレーボールという感じで、それぞれ違う競技の選手でした。僕も小学校の頃はバスケットボールをやっていて、中学でもバスケをやるつもりだったんです。そうしたら学校にバスケ部がなくて。当時好意を抱いている女子がテニス部だったんで僕もテニス部に入りました(笑)」

――思春期らしい理由ですね(笑)。

「高校でもう一度バスケ部に入るんですけど、他の部員のやる気がなくて、1年で辞めることになって、高校2年生の時にレスリングを始めました」

――ずっと球技をやっていた泉選手がなぜレスリングを始めたのですか。

「兄2人がそれぞれの競技で全国大会に出ていて『お前は全国行けないだろ』ってバカにされていたんです。自分としてはバスケで全国大会に行こうと思ったのですが、他の部員がそんなテンションではなかったので、これで全国は無理だなと(苦笑)。

その時に父親からレスリング部にいい指導者がいるらしいぞと言われて、そこで出会ったのが栗本(秀樹)監督(※選手として全日本選手権優勝や世界選手権出場の実績を残し、同校の監督として全国レベルの選手を育成した)だったんです。僕が監督に『全国大会に出たいです』と伝えたら『分かった。連れて行ってやる』と言われて、レスリング部に入部しました」

――レスリングをやることが目的ではなく、全国大会に出ることが目的だったのですね。

「そうですね。だから高校2年までレスリングのことは全く分からなかったですし、栗本監督がいなかったらレスリングは始めてないと思います」

――高校2年から始めるというのは決して早くはないですよね。

「同じ時期に始めた選手もいたんですけど、もともと柔道をやっていてレスリングに転向するパターンが多かったんで、格闘技経験ゼロからレスリングを始めた選手は少なかったです」

――それでも高校在学時にインターハイに出場=全国大会出場という目標は果たします。レスリングには自分に合っていたのでしょうか。

「いや、センスはなかったと思います。でも全国大会に出るだけの練習はやっていたと思います」

――それから日体大に進学し、4年生時にグレコローマン60キロ級でインカレ優勝&国体で準優勝という結果を残しました。大学卒業に合わせてレスリングは引退し、就職されまたしね。

「はい。テレビ業界に入りたかったので制作会社に就職し、某テレビ局のゴールデン番組のADをやっていました」

――それからレスリングに復帰した理由は?

「ADを9カ月ほどやっていたのですが本当に大変な仕事で、これ以上は続けられないなと思ったんです。その時にフェイスブックでレスリング時代の後輩たちが活躍する姿を見て、自分ももう一度レスリングで勝負したいと思って復帰を決めました。ただ完全にレスリングから離れて太ってしまっていたので、最初の3カ月間は地元の高校で体作りをして、それから大学の練習に復帰しました」

――大学も卒業して仕事も辞めて、当時はどのような環境で練習していたのですか。

「スポンサーさんがいたわけでもないし、実業団に所属していたわけでもないので、朝練習してバイトして、夕方練習してバイトして…という毎日でしたね。スポンサーさんがつくまでは本当にお金がなかったので、男3人でルームシェアしてギリギリの生活を送ってました」

――それでも2016年に全日本選手権優勝(男子グレコローマン71キロ級)、2017年にはアジア選手権優勝(同)、同年の世界選手権出場(同11位)と結果を出すわけですが、何が要因だったと思いますか。

「ずばりハングリー精神ですね。例えば合宿の時は練習前に選手が整列するんですけど、成績がいい順番に前から並ぶんです。だから実業団で給料をもらって大会で優勝したらボーナスが出る選手とか、ずっと大会で優勝してきた年下のエリートたちが前の方にいるわけですよ。僕なんかは当然後ろの方だから、そういう選手たちの背中を見て『絶対こいつらを追い抜いて、自分が一番前に立ってやる』と思っていました。

あとレスリングは頻繁にルールが変わる競技で、ちょうどこの時期にスタンド重視が進みました。僕は押し出しが得意でスタミナには自信があったから、そのスタイルと当時のルールがハマったというのも大きいですね」

――それもまさに巡りあわせですね。そんななか2020年にレスリングからMMAに転向することになります。

「オリンピック出場が難しくなり、それでレスリングから完全に引退することを決めました。それからMMAに転向するまでですが、レスリングを辞めてYouTuberになろうと思ったんですよ」

――また振り幅が大きいですね(笑)。

「はい(笑)。周りから色んな人とコラボした方がいいよと言われて、コラボ動画を撮っていたら、自然と格闘技関連の人とコラボする機会が多く、そのなかに渡辺華奈選手がいて。YouTubeコラボきっかけで華奈さんと知り合って、FIGHTER’SFLOWの上田貴央さんから『本気でMMAをやってみない?』と誘われたんです。レスリングを辞めたときにも『MMAやらないの?』と言われることは多かったのですが、上田さんは僕の将来のことや仕事のことまで真剣に考えてくれて、この人と一緒だったらMMAをやろうと思ってMMAに転向しました」

――また面白い出会いからMMAを始めることになったのですね。

「そうですね(笑)。YouTubeをやってなかったらMMAには転向してないです」

――MMAそのものに興味はあったのですか。

「村田夏南子が同じ愛媛出身で、うちの高校にも練習に来てたんですよ。村田の応援でRIZINを1回見に行ったことがある、くらいですね」

――2022年4月RIZINでのMMAデビュー戦はグラント・ボグダノフにTKO負け。続くDEEPでの野村駿太戦もスプリット判定負けでしたが、それからは4連勝を収めています。MMAファイターとしての目標は?

「ちょうど同時期にレスリングからMMAに転向する選手が多かったんですよ。世代は違うんですけど中村倫也だったり、鶴屋怜だったり。彼らは無敗のまま一気に上までいきましたけど、僕はいきなり2連敗してしまって(苦笑)。今からレコードが変わるわけではないので、組まれた試合を勝っていくしかないなと。2人のようにUFCを目指すというのは正直無理だと思いますが、海外の大会に挑戦できるような選手になりたいです」

――泉選手が目指す理想のMMAファイター像はありますか。

「結果にこだわるのはもちろん、見ている人たちの印象に残る試合をしたいです。レスリングと違ってプロのMMAはお客さんが高いチケット代を払って見に来るものなので、それ以上のものは見せたいと思います。そうは言っても、そこばかりを意識して結果が出なければ元も子もないので勝つことが大前提です」

――これまでのキャリアで最も注目が集まる北岡戦だと思います。どのような試合を見せたいですか。

「海外に行くためには日本では相手がいないというくらい強くなって、それだけの結果を残さなければいけないと思っています。前回より成長した姿を見せたいですし、まだフィニッシュして勝ったことがないので、そこをしっかり狙いながら戦いたいです」

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Black Combat CORO DEEP DEEP116 MMA MMAPLANET o 元谷友貴 力也 北岡悟 小金翔 朝倉海 泉武志 泰斗 野村駿太 雅駿介 鹿志村仁之介

【DEEP116】トップ戦線返り咲きへ最後の関門、北岡悟が泉武志と対戦。ATTの元谷✖CORO、窪田✖雅も

【写真】勝負論のみの対戦 (C)MMAPLANET

15日(金)、DEEPより11月11日(土)に東京都文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP116 IMPACTの対戦カード第一弾の発表があった。
Text by Manabu Takashima

3日後に同所でBlack Combatとの対抗戦を行うDEEPだが、今日のリリースで2カ月後に元谷友貴✖CORO、北岡悟✖泉武志、久保田泰斗✖雅駿介、橋本雄大✖鹿志村仁之介を実現することを明らかとした。


5月に朝倉海に敗れた元谷は、出稽古先だったATTに所属することは発表し、ATTファイターとして2021年2月以来のDEEP出場を果たす。対戦相手のCOROはバンタム級暫定王座を失い、5月に力也を三角絞めで破っているとはいえ、過去の実績でいえば元谷が優位と見られるマッチアップだ。それだけにここで星を落とせば、ATT所属という選択に疑問符がつくファイトとなる。

引き分けを挟んで7連敗から、2023年は3連勝中の北岡は2016年全日本選手権グレコローマンレスリング66キロ優勝、2017年アジア選手権71キロ級優勝、同年には世界選手権出場のエリートレスラー=泉との対戦となった。

泉のMMA歴は1年7カ月で戦績は4勝2敗。デビュー戦ではグラント・ボグダノフにグラップリングや打撃でなく、レスリングでも遅れを取るという洗礼を浴び、2戦目の野村駿太にレスリングのアドバンテージを見せつけるに至らず、スプリット判定負けを喫している。とはいえ、それからは3連勝しており、この7月には北岡が2020年にIsmルールで引き分けた小金翔をテイクダウン&コントロ―ルで削って判定勝ちを収めている。

打撃は荒くてパワフル。そのまま力で攻めてレスリングが、力の抜けが感じられるようになっており、北岡としては打撃を散らして組んでテイクダウンという──現状の勝利の方程式が、さらに上の相手に通用するのか真価が問われる一戦となる。あるいはトップゲームでなく、テイクダウンにギロチンを合わせることを軸に下になってもスイープやスクランブルで攻略していくのか。泉の足ではない、ボディロックの状態でのテイクダウンの仕掛けに対し、北岡がどのようなりリアクションを取るのか。組まれても削ることができれば、逆に打撃で削ることもあり得る北岡だ。

北岡のライト級トップ戦線返り咲きへ、─最後の関門と捉えることができる今回の泉との試合、結果は当然として内容如何と負傷の有無で大晦日が見えてくる大切な一戦となろう。

3年のブランクを経てバンタム級で復帰すると、8カ月で3連勝した窪田がキャリア13年目のブレイクをより確実とするために、雅と戦うバンタム級の興味深い。その窪田はDEEPバンタム級戦で、まだ南洋から北上中という状況ではいるが、ここから台風の目となるやもしれない勢いを持つ。一方で雅はここ2戦はムエタイよりも、組んでトップ奪取して勝ち切るという印象が強い。依然として倒した後の処理には課題が残っているが、組み勝てることで原点回帰の打撃、組&打の融合に近づいたという見方もできる。ともに上り調子、互いにネクストレベルを目指す注目の一戦だ。

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DEEP DEEP114 MMA MMAPLANET o 江藤公洋 野村駿太

【DEEP114】野村はカーフで動きを止められず。江藤がドミネイトして最大4ポイント差の判定勝ち

【写真】とにかく江藤のコントロールが強い(C)MMAPLANET

<ライト級/5分3R>
江藤公洋(日本)
Def.3-0:30-26.30-27.30-27.
野村駿太(日本)

野村が右ストレートから右ロー、右アッパーと連打を繰り出すが、江藤がダブルレッグで組みついた。グラウンドに持ち込んだ江藤がバックマウントを奪い、野村の体を伸ばす。江藤は野村にワキを開けさせ、細かいパンチを打ち込んでいく。野村の右腕を抑えた江藤が、しっかりと体を伸ばしていく。左のパンチで削る江藤は、4の字ロックから左腕を野村の首に回してRNCへ。野村が腰を上げて振り落とそうと試みるが、江藤は野村の左腕を抑えてバックマウントをキープする。再びヒザを着いた野村を削り続けた。

2R、野村が右インローを当てる。距離を取ってサークリングしながら、右ストレートを突き刺した。野村が前に出ると、江藤も組みつこうとするが野村が右ショートを叩き込む。さらに足を使いながら右ヒジを繰り出す野村。江藤は頭を下げて距離を詰めるが、そこに右を打ち下されてしまう。ボディロックで組んだ江藤がケージ際で野村に尻もちを着かせた。

野村の左腕を抑えた江藤が、右足を差し入れてパンチで削る。右腕を野村の顔にかけてパンチが当たる位置に寄せる江藤。野村は右足を封じられて動けない。やや疲労が見える野村が江藤の右リストを取るも、すぐに腕を抜いた江藤が削りながらバックマウントへ。1Rと同じく、野村が腰を上げてもポジションをキープして殴り続けた。

最終回、野村が足を使って、周りながら右ストレートを伸ばした。右ハイ、右ローを散らしつつ、パンチを当てると江藤の動きが止まる。しかし江藤がパンチをもらいながらもダブルレッグで組み、グラウンドに引きずりこんだ。すぐにバックマウントへ移行した江藤は野村の右手を抑え、体を伸ばしてパンチで削る。

連打を受ける野村の動きが止まった。江藤のラッシュが激しくなると、止められまいと野村も動きを見せるが、体勢を入れ替えることはできない。起き上がろうとした野村の右足を抑え、さらに左手を制した江藤がパンチで削り続ける。野村が大きく口を開けた。江藤はサイドバックから野村の動きを潰して、そのまま試合終了のゴングを聞いた。

江藤が野村をドミネイトし、ジャッジが最大4ポイント差をつける判定勝ちを収めた。


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DEEP DEEP114 MMA MMAPLANET o Road to UFC UFC YouTube ガブリエル・シウバ チャンネル 五明宏人 劉獅 力也 小金翔 平松翔 松嶋こよみ 水野竜也 江藤公洋 泉武志 泰斗 海飛 酒井リョウ 野村駿太 雅駿介 鹿志村仁之助

【DEEP114】スクランブル発進=劉獅と対戦、松嶋こよみ「73キロ契約ぐらいまでなら戦おうと」

【写真】非常に静か。これです(C)MMAPLANET

2日(日)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP114 IMPACTでガブリエル・シウバが来日せず、松嶋こよみは劉獅と戦うこととなった。

試合の2日前の対戦相手の変更は、試合に出るという視点で捉えると急遽代役出場を飲んだ劉獅に救われたことになる。

そんな状況下で、熱い想いをぶつけてくる劉志に対して松嶋は「あの熱さがムカつく」と無慈悲とも取れる表情で冷たく言い放った。


──明日の試合、ガブリエル・シウバが来日せずに劉志選手と戦うことになりました。8月27日のRoad to UFC準決勝大会のワンマッチ出場を狙うなら、とにかく、このタイミングで試合をすることが必要だった。そういうなかで対戦相手の変更は大きな問題ではないでしょうか。

「いや、そんなことはないです。なんせ試合の2日前になって、色々と起きたわけですし。相手が来なくなって、北岡さんからはNARIAGRI、2週間後の呼ぶこともできるかもしれないということを聞かされました。それでも構わないですと返答した一方で……Road to UFCの準決勝大会に出られるのか、出られないのかモヤモヤしていたので2週間遅れるよりも、ここで代役を探せないですかという風にも伝えました」

──シウバが前日に来日し、当日計量の71キロで戦うという案もあったようですが。

「僕のところには、その話が届く前に向うが来ないという状況になっていたようです。でも、それで来日していたら当日計量の71キロでも全然やっていました。それに北岡さんには代役の選手を探してもらえるなら、ライト級でも軽い選手ならやりますと言っていて……73キロ契約ぐらいまでなら戦うつもりでいました」

──そのような状況でフェザー級の劉獅選手と、68キロ契約で戦うことできるようになりました。こういう状況では、対戦相手に感謝の気持ちを抱いてしまうようなことは?

「今は全くないです。むしろ、あの熱さがムカつく感じすらしています。だって、こんなことがなければ僕と戦うことはできない選手ですよ。それだけの差があると思っています。言い方は悪いですけど、あれだけの熱量をこの状況で決った試合でぶつけられると……気持ち悪いなって思ってしまいます(笑)」

──ろくでなしですね(苦笑)。ただしケージのなかではそのような精神性が、欠かせないのだと思います。

「受けてくれたことには感謝しています。ただ、あの熱は要らない。ただの試合でしかない。それ以上、何もない試合なのにあの熱さは勘弁してほしいです。繰り返しますけど、試合をしてくれることは感謝しています」

──そう、その言葉です。冷静にボロクソにいう。北岡選手にはツイッターで否定されましたが、荒ぶって欲しいというのはそういうことだったんです。

「ああ……。僕は荒ぶるということが、何を指しているのかは理解しているつもりでいました。Road to UFCの時、そういう気持ちが見えなかったということだと」

──冷静でいるのは当然ですが、あの時は強い気持ちが見えなかった。

「分かります。もちろん、喧嘩をしちゃいけないので北岡さんが言っていることも分かります。結局は自己責任、自分がやりたいように試合をやりたいと思っています。それこそ簡単にKO勝ちはしないです。自分の練習でもあるという意識で戦おうと思っています。色々と試したいこともあるので、そのなかで強さを見せられれば良いですね」

■視聴方法(予定)
7月2日(日)
午後5時50分~DEEP チャンネル-YouTube、U-NEXT、サムライTV

■ DEEP114計量結果

<DEEPメガトン級選手権試合/5分3R>
酒井リョウ:108.75キロ
水野竜也:105.05キロ

<68キロ契約/5分3R>
松嶋こよみ:67.75キロ
劉獅:67.9キロ

<ライト級/5分3R>
江藤公洋:70.7キロ
野村駿太:70.7キロ

<フェザー級/5分2R>
五明宏人:66.15キロ
海飛:66.1キロ

<バンタム級/5分3R>
力也:61.55キロ
窪田泰斗:61.6キロ

<ライト級/5分2R>
小金翔:70.6キロ
泉武志:70.65キロ

<バンタム級/5分3R>
平松翔:61.6キロ
雅駿介:70.65キロ

<バンタム級/5分2R>
日比野“エビ中”純也:61.6キロ
鹿志村仁之助:61.45キロ

<60キロ契約/5分2R>
朝比奈龍希:59.8キロ
秋元強真:59.55キロ

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