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【Pancrase347】修斗&パンクラス二冠へ、「UFC史上最年長契約目指す」藤野恵実&盟友・杉山しずか対談

【写真】J-MMA界、最強の女子タッグチーム (C)SHOJIRO KAMEIKE

29日(日)、東京都立川市の立川ステージガーデンで開催されるPancrase347で、藤野恵実がソルトの持つストロー級QOPに挑戦する。
Text by Shojiro Kameike

2023年から国内女子MMAが急展開を見せている。そんな状況を象徴するのが藤野と杉山しずかの存在だろう。プロデビュー当時からジュエルス~DEEPを主戦場としていた杉山が、今年からパンクラスに参戦し、7月には重田ホノカをニンジャチョークで下して初めてベルトを巻いている。

藤野はパンクラスのベルトを失ったあと、昨年まさかの修斗参戦を果たす。インフィニティリーグから修斗世界女子ストロー級のベルトを獲得し、戴冠後の初戦がパンクラス王座挑戦に――。練習を共にし、互いにセコンドにもつく藤野と杉山に激動の展開を語ってもらった。


「ベルトを獲って当たり前というふうに見ていました」(杉山)

――本日はJTTでの練習前に、リモートでインタビューとなりました。まずはお二人とも戴冠おめでとうございます。

杉山 ありがとうございます!

藤野 私はだいぶ前ですけどね、アハハハ。

――これまでのキャリアを考えると藤野選手が修斗で、杉山選手がパンクラスのベルトを獲りに行くというのは意外でした。

杉山 そういえばそうですね。

藤野 確かに。まず修斗からオファーを頂いたのが意外でした。私としては、たくさん試合がしたかったんですよ。コロナ禍が明けてからも試合数が制限されたり、海外選手と試合を組んでもらってもキャンセルが続いたりしていて。そんな状態の時に、修斗インフィニティリーグ出場のオファーが来ました。

私もずっと『強い選手と試合がしたい』とは言っていたけど、津田(勝憲氏)とも『いっぱい試合がしたいよね』という話もしていて。インフィニティは2カ月に1回絶対に試合できるし、さらに勝てばベルトに到達できる。こんなチャンスないかな、と思ってインフィニティ出場を決めたんです。

――杉山選手は藤野選手が修斗のベルトを巻いた時は、どのように見ていましたか。

杉山 私はずっと藤野さんのセコンドについていて、ベルトを獲って当たり前というふうに見ていました。もちろん嬉しいですけど、驚くとか、凄く感情が動くというよりは、流れの中の通過点というか。「達成した!」という感覚はなかったですよね。

藤野 うん。

杉山 藤野さんが初めてパンクラスでチャンピオンになった時は、一緒に練習させてもらい始めてから時期も近い試合だったんですよ。だから凄く緊張感はありました。『絶対に獲ってほしい!』という気持ちは強かったし、みんなで獲りたいという想いがありました。

でも今回は、藤野さんも凄く緊張していたでしょうけど、自分でも『勝って当たり前』と言い聞かせていたはずで。あくまで通過点だから、達成した感じはないと思いますよ。

藤野 そんなことはないよ(苦笑)。

杉山 アハハハ。次はもう一度パンクラスのベルトを獲りに行きますけど……、もともとパンクラスに戻ることは決まっていたんですか。

藤野 いや、決まっていなかったのよ。だから修斗のベルトを獲ったあとにパンクラスからオファーが来たのが意外で。だって私はエジナ・トラキナスにもKAREN選手にも負けているから、王座挑戦の資格はなくなっていると思っていて。

――それでも藤野選手の中では、パンクラスのベルトを獲り返したいという気持ちは強かったのですか。

藤野 強かったですね。でもエジナに負けて『ベルトが遠ざかっちゃったなぁ』と思って。そこでチャンスを頂いたから修斗で試合をしたあとに、まさかパンクラスでタイトルマッチをやらせてくれるとは……面白い展開ですね。

――急展開すぎて、こちらも驚いています。最初はどのような経緯で、お二人が一緒に練習するようになったのでしょうか。

藤野 練習を始めてから、だいぶ経ちますね。最初はJTTの前にあったマーシャルアーツジムで、しぃやんが働き始めた頃です。『じゃあ一緒に練習しようよ』という話になって。たぶん最初は私の顔を立てて、練習でも受けに回ってくれていたと思うんですよ。だけど、どんどん強くなっていきましたね。

杉山 いやいや、そんな……。

藤野 しぃやんは成長スピードが凄い。だからここ数年は「杉山はメチャクチャ強い」という評価もされているのに、試合中にポカしちゃったり、なぜか攻め切れないところがあって。

パンクラスでも重田選手には勝って当たり前だと思っていたんですよ。ただ、試合だから何が起きるか分からない。でもメンタルとかで攻め切れないとかがなければ、普通にやれば絶対に勝つ。試合ではいつもどおりの強さを見せて勝ってくれたから嬉しかったですね。「これが杉山しずかだよ!」って。パンクラスに出始めてからは安定していて、「この強さが当たり前だよね」って見ています。

杉山 ……藤野さんの、その言葉を信じてやってきたような気がします。

藤野 普段から「強い、強い、もっとできるよ」と言っていますもん。

杉山 そうやってマインドコントロールしてもらっています(笑)。

藤野 私は思ったことを言っているだけよ。

杉山 そう、藤野さんは嘘をつかないから。自分が「こうだよ」と思ったことは絶対に言ってくれるし、「こうじゃないよ」と言ってくれることは絶対に嘘じゃないから。

――藤野選手が嘘をつけるタイプなら、インタビュー中に「下はパンツ一丁ですから」とは言わないでしょうね。

杉山 それはセクハラですよ。

藤野 アハハハ!! リモートだから下半身は見えないし。「カメラを下に向けないでくださいよ」という意味でね。

杉山 リモートならカメラを下に向けるのは自分でしょ(笑)。

――アハハハ! 杉山選手の試合は、フィニッシュはスイープからニンジャチョークを極めています。試合後、藤野選手がSNSで「いつもやられている技」と投稿していました。以前から練習では極めていた技だったのですか。

杉山 結構やっていました!

藤野 何回も打ち込みとか練習台になっていたので、昔から知っていました。食らったことがないと、完全にセットされるまで警戒しないかもしれないです。「あぁ首の下に手を回されているな。まさかコレは極まらないよな」ぐらいで。最初は上を取っているし、「ヤバッ」という感じがしないから。

――最後のニンジャは起き上がった瞬間に腕が入っていました。重要なのは、その前のリバーサルですよね。

藤野 そう、リバーサルがメッチャ巧かった。

杉山 練習では1千万回ぐらいやっているんですよ(笑)。でも試合では、ああいう展開になったことがなくて。今までは一方的にやることも多かったし、一方的にやられることも多かったですからね。

私がやったのはファンクロールという、レスリングの技で。自分でもスクランブルは強いと思うんですよ。最後まで取り取れるかどうかは分からないけど、スクランブルの面はやっている人と、やっていない人の差が凄く出ると思います。

――練習では藤野選手もコロコロと転がされていたわけですか。

藤野 私は下になるので、スイープの態勢にならないですね。

――ということは組むと、藤野さんが下になることが多いのですね。

藤野 多いどころか、全部テイクダウン取られますよ。

杉山 藤野さんはテイクダウンには来ないから。

藤野 行っても取れないんだもん(苦笑)。押し込むとニンジャを仕掛けて来るし。

「修斗もパンクラスも、よくやらせてくれるなぁと思って。本当に感謝しています」(藤野)

――なるほど。その杉山選手が巻いたベルトを見て、ご自身も改めてパンクラスのベルトを獲り返したいと思いましたか。

藤野 しぃやんのベルトもそうだし、やっぱり最初にベルトを巻いたのがパンクラスだったので、思い入れがあります。ずっと獲り返したいと思っていましたね。

――勝てば修斗とパンクラスの同時2冠王で、これは史上初ではないでしょうか。

藤野 そうですよね。修斗もパンクラスも、よくやらせてくれるなぁと思って。本当に感謝しています。

――では杉山選手から藤野選手への応援メッセージをお願いします。

杉山 今回のベルト挑戦って、本当に得るものしかないと思うんですよね。藤野さんの試合内容で修斗のベルトの価値も上がるし、パンクラスのベルトの価値も上がる。藤野さんとしても、女子のベルトの価値を上げたいと思っているでしょうし。そのために力になれることがあれば、どんな形でも私を使ってほしいです。

藤野 すでに試合もないのに毎週5Rのスパーリングをやってくれていますからね。

杉山 だって、それは私がやってもらっていたから。

――ということは、お互いに何カ月も5Rのタイトルマッチに向けたスパーをし続けているのですか。

藤野 私は重田選手とタイプが違いすぎるから、他の選手にも入ってもらっていました。しぃやんは器用で何でもできるので、付き合ってくれるんです。

――同時2冠王者となれば、交互に防衛戦を行うことになるかもしれません。

藤野 それは凄いなぁ。ただ、私は海外で戦いたい気持ちもあります。今でもUFCとの史上最年長契約を目指していますから。そのためにも、まず次の試合で勝ちます。

■視聴方法(予定)
9月29日(日)
午後12時40分~U-NEXT

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【RIZIN48】伊澤星花とラストファイト、競技生活20年&MMA10年=浅倉カンナ「しっかりと燃え尽きます」

【写真】迷いなく、最後のリングへ(C)SHOJIRO KAMEIKE

29日(日)、埼玉県のさいたまスーパーアリーナで開催されるRIZIN48で、浅倉カンナが伊澤星花と対戦する。
Text by Shojiro Kameike

2014年10月のデビューから10年、浅倉がプロMMAキャリアにピリオドを打つ。現在26歳——まだ引退には早いとも思われるが、レスリングを始めてから20年が経ち、現在は本人も気持ちがスッキリしているという。なぜこのタイミングで引退を決めたのか。プロデビュー~RIZIN 女子スーパーアトム級GP優勝~コロナ禍の苦難と、引退試合で伊澤星花という頂点に挑む意気込みを語ってくれた。


――浅倉選手に初めてお会いしたのは、まだプロデビュー前にパラエストラ柏で練習していた時でした。あれから10年ほど経ち、当時10代だった浅倉選手がラストファイトを迎えるというのは、なんだか不思議な気持ちです。

「あぁ~、前のパラエストラ柏ですよね。10年は結構長い期間ではあるけど、振り返ってみれば『あっという間だったな』と思います」

――なぜこのタイミングでラストファイトなのか。その理由からお願いします。

「引退を決めたのは去年の秋頃でした。自分の中では『これっ!』っていう理由があるわけではなくて。だけど今までは常に目標があって、他の選手の試合を観ると燃えてきて『私も試合がしたい』と思っていたんです。でも最近は、その気持ちがなくなってきていました。中途半端な状態でしたよね」

――……。

「私の中の格闘家って、常に燃えていて毎日ハードな練習をして――というイメージなんです。ずっと自分もそうでしたしね、今は自分自身が格闘家として毎日を過ごすことができていない……、そう感じて引退を考え始めました」

――以前からファイターとして燃え上がる時と、燃え上がらない時の波があった。ここ数年はその燃え上がらない状態のまま試合に臨んでいたのでしょうか。

「そうですね。何かモヤモヤというか、いろいろ考えながら格闘技をやっていました」

――本能や直感で動くということではなく?

「はい、そうです」

――その言葉を聞いて理解できました。後出しジャンケンになってしまうかもしれませんが、ここ数年の試合について「どこに向かって試合をしているのだろうか」と感じていたのは事実です。特にコロナ禍の前後から……。

「正直、そういう部分はあったと思います。海外選手とも試合がしたいけど、コロナ禍で私が海外で試合をすることも、日本に選手を呼ぶことが難しくなって。国内の選手との試合が組まれるなかで、『自分はどこを目指していけばいいんだろう?』とは考えました。

その時は感じていなかったけど、思い返せば少しその変化はありましたね。そんな状況で伊澤選手が自分の勝てなかった選手を倒していくことで、私自身はモチベーション迷子になっていったと思います」

――当時その伊澤選手に勝てば、自身の敗戦をひっくり返せるという考えに至るファイターもいます。むしろファイターとは、そうあってほしいとも思います。

「分かります。でも、う~ん……『自分には遠くなったなぁ』という気持ちになっちゃったんです。あと自分はパク・シウ戦でボコボコにやられてしまったじゃないですか。伊澤選手はそのパク・シウ選手にも勝っている。『どこまで練習して試合をしたら、あそこまで辿り着けるんだろうか』と考えてしまったんですね。自分は勝ったり負けたりのファイターだったので、迷いは生まれました」

――勝ったり負けたりと仰いましたが、2017年からは8連勝しています。そのなかで、RIZIN女子スーパーアトム級トーナメントで優勝もしました。当時は自信がみなぎっていたのではないですか。

「自信というか勢いはありましたよね。試合ごとに自分の成長を感じることができて、それが楽しかったです」

――浅倉選手は当時20歳、プロデビューから4年目でした。そのキャリアで、RIZINで駆け上がり周囲の期待も高まっていくことに対して、気持ちは追いついていましたか。

「……当時は何も気にしていなかったです。ただ強くなること、目の前の試合になることだけを考えていました。今のように深く考えるようなことはなくて、負けてもすぐに気持ちを切り替えることができていましたし。とにかく強くなることが楽しかったです」

――その気持ちが徐々に変わっていったのは、2018年の大晦日の浜崎朱加戦以降ですか。

「2戦目(2021年3月に判定負け)のほうですね。次の試合も大島沙緒里選手に負けて、初めて連敗を経験したことも大きかったです」

――試合に対する気持ちが落ちていった場合、練習は……。

「試合は勝ち負けがありますけど、練習はもともとキツイものですからね」

――あの鶴屋浩代表の指導ですし。

「アハハハ! でも当時は練習も楽しかったです。とにかくガムシャラに練習していて。だけど当時と今では状況が変わったんですよ。あの頃は私が年齢も一番下で、周りはお兄さんばかりでした。でも今は後輩もできて、練習でも自分より年下のほうが多い時もあります。そうなると後輩——重田ホノカやKARENの試合が決まったら、練習を見てあげたいし。だから楽しさは変わらないけど、練習に対する気持ちは変わっていたかもしれないですね」

――浅倉選手は現在26歳ですが、競技年齢も考慮しないといけないですからね。

「あぁ、そうですね。レスリングを始めたのが年長さん(5~6歳)で、格闘技を始めてもう20年になりますから」

――重田選手のインタビューで浅倉選手のことを訊くと、「もしかして浅倉選手はファイターとしての活動より、後輩の成長を見ているほうが楽しいのかな」とは感じました。

「それはあります。ホノカもKARENも自分で努力できるタイプだから、私が何かするってことはないんですよ。でもずっとジムには女子選手がいなくて、私も出稽古とかに行っていたし――それが今は男子だけでなく女子も、ジムの中で全ての練習ができる。そういう環境で彼女たちと一緒にいるのは楽しいです」

――ラストファイトの後はジムの指導者に加わるのでしょうか。

「そこは難しいですね。まだ自分が引退した後に、どういう気持ちになるのか想像がつかないんです。だけど後輩たちの試合は見続けていきたいです。でもこのまま練習に参加し続けると、私がボコボコにされることのほうが多くなりますから。それは悔しくなっちゃいます(笑)。

自分でも引退後に何をするかは、まだ何も固まっていなくて。ファイターではなくなってしまうので、ちゃんと考えないといけないです。よく『すぐ復帰するんでしょ?』と言われますけど(苦笑)」

――ラストファイトで戦う伊澤選手は、間違いなく現在の国内女子MMAで最強のファイターの一人です。その伊澤選手に勝てば、まだMMAを続けたいという気持ちになるのも当然だとは思います。

「私の中では、伊澤選手に勝つことでスッキリ辞めることができると思います。この試合に全てを懸けていますし、しっかりと燃え尽きますよ。ずっと気持ちもモヤモヤしていたのが、引退を決めてからは吹っ切れて練習に臨むことができていますから」

――ラストファイト、しっかり見届けさせていただきます。ちなみに浅倉選手LOVEを広言している重田選手は、引退することを伝えた時に悲しんではいなかったですか。

「今回はホノカに、初めてセコンドについてもらいます。パンクラスのタイトルマッチで負けて、彼女も悩んでいるとは思うんですよ。私のセコンドにつくことで少しでもモチベーションが上がってくれたら嬉しいし、次はホノカにあの舞台を目指してほしいです」

■RIZIN48視聴方法(予定)
9月29日(日)
午後2時00分~ ABEMA、U-NEXT、RIZIN LIVE、RIZIN100CLUB、スカパー!

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45 AB MMA MMAPLANET o PANCRASE Pancrase346 パンクラス 杉山しずか 重田ホノカ

【Pancrase346】杉山が重田をニンジャチョークで絞め落として第4代フライ級QOP戴冠

【写真】TDを奪われたあとのスイープ、立ち上がってからニンジャチョークまでの流れが見事だった(C)MMAPLANET

<フライ級QOP選手権試合/5分5R>
[挑戦者] 杉山しずか(日本)
Def.1R2分40秒 by ニンジャチョーク
[王者] 重田ホノカ(日本)

両者ともにサウスポー、杉山がジャブと左ローを蹴る。重田もジャブと右フックを見せて前に出る。一度は組んだ重田だが、距離を取った杉山が左ローを蹴る。杉山はワンツーをボディに散らし、やはり左ローを蹴る。重田は左ハイを蹴って、杉山の右フックにダブルレッグを合わせてテイクダウンする。

重田は亀になる杉山のバックにつくが、杉山が重田の右足を抱えて巻き込むようにポジションを返す。重田もすぐに立ち上がってケージに押し込み、右足にシングルレッグに入る。ここで杉山が右手を首に巻いてニンジャチョークへ。重田が自ら尻餅をつくが、杉山はそのまま絞め続け、重田を絞め落とす形で一本勝ち。杉山が第4代フライ級QOPに就いた。

試合後、杉山は「簡単じゃなかったです、ここまで来るの。重田選手、マジで怖かったです。若くて勢いのある選手とやれて、重田選手ありがとうと思います。まだまだ超えられない壁になれてよかったです。藤野さんのように山脈になりたいです。チームのみなさん、パンクラスのみなさんありがとうございます」とマイク。最後は家族&チームのメンバーと記念撮影に収まった。


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【Pancrase346】杉山しずかの超挑戦を受ける、重田ホノカ「ハートの強さで、自分は負けないです」

【写真】昨日の計量は問題なく、笑顔を見せてクリア。この笑顔の裏、色々な想いと覚悟を隠している(C)MMAPLANET

本日21日(日)、東京都の立川ステージガーデンで開催されるPancrase346で、フライ級QOP重田ホノカが杉山しずかの挑戦を受ける。
Text by Manabu Takashima

3月に大ベテラン端貴代を破り、デビューから11月で王座戴冠。トーピング検査で陽性となり、出場停止処分を受けた重田。そこも踏まえて5日の調印式及び記者会見前にインタビューを行うと──重田からオラオラはキャラで、自分の素ではなかったと涙の告白があった。


強気の言動とか、もうあのキャラに疲れちゃって……

──タイトル初防衛戦の前に、まず3月31日に王座奪取がなった試合で端貴代選手と共にエフェドリンの陽性反応が出た件について話を伺わせてもらえますか。

「ハイ」

──端選手は風邪薬、重田選手は漢方薬を服用していた。ただし試合結果は変わらずとタイトルはそのままで、重田選手は100日間のサスペンションとファイトマネーの20パーセント返却に。サスペンション明けの1週間後に防衛戦、ファイトマネーの一部返却以外は事実上のお咎めなしという形です。

「ドーピング=ステロイドという印象でした。お医者さんか漢方薬を処方されて、漢方だし大丈夫なんだと思っていました」

──自然の生薬という説明があると、そのように理解するのは重田選手に限らず多いと思います。生薬である麻黄の成分にエフェドリン、つまりは中枢神経・交感神経系に対して賦活作用がある。つまりは興奮剤の類ですよね。

「ハイ……それを分かっていなかったです」

──使用上の注意にも実は「精神興奮」という交感神経系への副作用の可能性が明示されています。田中路教選手が過去に花粉症を抑えるために漢方薬を服用して、UFCからサスペンションを食らったこともありました。でも重田選手からすると、10歳の時の話なんですよね。チームメイトとは、そのような話をすることはなかったのでしょうか。パンクラスはタイトル戦ではドーピングテストがある状況でも。

「私の方が漢方は大丈夫だと思っていたので、ジムで話すこと自体がなかったです。家族は当然、漢方薬を摂っていることを知っていたのですが、その禁止という意識がなくて……。パンクラスにも飲んでいる薬を伝えるのですが、そこには市販薬となっていたので、私は処方してもらったから書かなかったんです」

──禁止成分が入っているわけないという想いがありますしね。チーム全体で勉強になったと思います。

「今回は服用しているモノ全て、期間と場所と量まで事細かに報告しました」

──ここまで良くも悪くも天真爛漫、SNSでの活動にしても奔放だった重田選手も、色々と勉強になった。それで一件落着ということでしょうか(笑)。

「今回の件でというか……強気の言動とか、もうあのキャラに疲れちゃって……」

──キャラ?  あの言動は作っていたのですか。

「もうキャラを続けるのに疲れて、煽りVでも素がでちゃって……。涙を見せちゃったり、でも逆に楽になりました。デビューから負け知らずで、ここまでやってきた。そこ自体がイケイケの印象を与えていたし、そのキャラのままで行こうと思っていたんですけど……疲れちゃって……陰で泣いていることの方が多くなって。

今では練習でも泣いています(笑)。ボクシングの練習に行っても、泣いてばかりで。でも、それで楽になりました」

──オラオラが一転、泣き虫になって練習面に影響が出てしまっていませんか。

「もう、辞めたいって(笑)。での前から毎回、試合が決まってから練習で追い込まれると『このあとはめっちゃ休む』とか『早く辞める』とか言っていて、情緒不安定になっていました。それが(浅倉)カンナさんに、『ありのままで良いんだよ』と言ってもらえて。『泣きたかったら、泣いて良い。でも試合が決れば、やらなきゃ。それはもうしょうがないんだよ』って。じゃぁ、泣きキャラでも良いかなって」

──いうとデビューして11カ月でパンクラスの頂点に立ったわけですし、色々な変化があって然りだと思います。4戦目でチャンピオンになった。そのなかで杉山選手が挑戦者として、登場してきたことに関してはどのように思いましたか。

「やるしかないやって……。前の試合前、会見の時からやると思っていたし。パンクラス的にも、それが面白いから。『やるよね』、『そうだよね』って」

高本選手が一番強かったです

──ではMMAファイターとして杉山選手の印象は?

「杉山選手は基本的にMMAが綺麗にできるタイプの選手ですよね。左のノーモーションのパンチ……サウスポーもオーソもデキる。でもサウスポーの方が多くて、ノーモーションとワンテンポ遅らせてのフック。近距離でのハイキック、離れ際のハイキックも上手いです。

ただテイクダウンに関しては、レスラーのような綺麗な入り方はできないです。自分の方が身長も低いし、入りにくいかと思います。そんな感じですけど、前回の試合は久しぶりの試合だったからか固かった。でも次の試合では感覚を取り戻しているかもしれないし、フィジカルも組んで見ないと分からない。だから、杉山選手云々でなくて自分のやりたいことをやろうって思っています」

──そんな杉山選手に対して、重田選手のストロングポイントはどこだと考えていますか。

「杉山選手の方が経験があって、スタンドでもある程度できます。ただ折れない心は自分の方が持っていると思います。ハートの強さが自分の武器です。私は気持ちで戦うタイプなので。試合を見てもらうと分かってもらえると思うんですけど、フィニッシュへの技がたくさんあるわけじゃないんです(涙声に)。けど……」

──えっ、ここって泣くところなのですか……(汗)。競り合った時には負けない強さは持っている。そこが杉山選手との試合で武器になると。

「競り合いになるとハートの強さで、自分は負けないです」

──気持ちの勝負になる前に、技術の勝負ではどのように考えていますか。

「ハッキリ言って、技術的には自分の強味が何か分かっていないです。ただ杉山選手は似たタイプだと思っています。立ちも寝技もどっちもやる──みたいな。でもスクランブルは負けないですね。体の動かし方とか、一瞬の判断からの動きは自分の方が長けていると思います。だからスクランブルに持ち込んで、競り勝ってバックに回るというのは、自分のなかで組み立てています」

──ところで過去4戦の対戦相手、誰が一番手強かったですか。

「デビュー戦で戦った高本(千代)選手です。どうしてですか?」

──この3年ほど、日本の女子MMAレベルは急速に上がったように感じています。それはこの間にデビューした選手達は明確にMMAを戦う目標があり、基礎を身に着けてデビューしている。結果、自力があって数年にさかのぼるキャリアの差を埋めることができているからだと考えています。

「あぁ……。高本選手が一番強かったです。高本選手こそ、下手をするとそこら辺の少しキャリアのある人に全然勝っちゃうんじゃないかと思います。最後にパンチを貰ってカットし、縫っていますし。あれが2Rだと、私はTKO負けしていました。

ただ世代とかは気にしていないです。世代交代を強く意識することもないし。選手一人ひとりのことは尊敬していて、当てられた選手に勝つことに集中しています」

──そんななか、今後に関してですが。国内の女子フライ級は相当に層が薄いです。キャリアップを狙うとなると、海外も視野に入れないといけないかと思うのですが、その辺りはどのように考えていますか。

「自分が憧れているのは、RIZINのベルトです。RIZINがきっかけMMAを始めましたし。ただ盛り上がっているのは49キロで。同時にフライ級は適正階級ではないので今回の試合が終わったら、階級を下げて強い選手と……戦って……いきたいです」

──なぜ、そこで涙が……。

「泣いてないです(笑)。今は泣いてないです」

──ではストロー級、スーパーアトム級に落としていくと。

「ハイ。今回が最後のフライ級なので、しっかりと勝ちたいです」

──そして、RIZINに殴りこむと。

「先のことは今回の試合が終わってから、考えます」

■視聴方法(予定)
7月21日(日)
午後1時45分~U-NEXT

■Pancrase346計量結果

<フライ級KOP選手権試合/5分5R>
[王者] 伊藤盛一郎:56.65キロ
[挑戦者] ムハンマド・サロハイディノフ:56.55キロ

<フライ級QOP選手権試合/5分5R>
[王者] 重田ホノカ:55.95キロ
[挑戦者] 杉山しずか:56.45キロ

<ライト級/5分3R>
平信一:70.55キロ
鈴木悠斗:70.7キロ

<フライ級/5分3R>
濱田巧:56.95キロ
ラファエル・リベイロ:57.05キロ

<バンタム級/5分3R>
高城光弘:61.3キロ
オタベク・ラジャボフ:61.65キロ

<フェザー級/5分3R>
三宅輝砂:66.2キロ
石田陸也:65.9キロ

<ライト級/5分3R>
松岡嵩志:70.55キロ
丸山数馬:70.15キロ

<ストロー級/5分3R>
寺岡拓永:52.0キロ
高島俊哉:52.55キロ

<58.55キロ契約級/5分3R>
前田浩平:58.55キロ
増田大河:58.20キロ

<ネオブラッドT バンタム級準決勝/5分3R>
山口怜臣:61.6キロ
宮城成歩滝:61.55キロ

<ネオブラッドT バンタム級準決勝/5分3R>
白井誠司:61.3キロ
荒田大輝:61.25キロ

<フェザー級/5分3R>
沢木純也:66.2キロ
小島健史:65.8キロ

<フライ級/5分3R>
田中亮祐:56.7キロ
鳴海秀哉:56.75キロ

<フライ級/5分3R>
名久井悠成:56.5キロ
萩島answerタクミ:56.8キロ

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【Pancrase346】重田ホノカに挑戦、杉山しずか「今の若い子たちは最初から答えをもらっているから」

【写真】サラリと、意地が感じられる言葉を発していた(C)MMAPLANET

21日(日)、東京都の立川ステージガーデンで開催されるPancrase346で、杉山しずかがフライ級QOPの重田ホノカに挑戦する。
Text by Shojiro Kameike

プロデビュー4戦めでベルトを巻いた重田にとっては、この試合が初防衛戦となる。対する杉山しずかは2008年のプロデビューで、これまで2度DEEPJewelsの王座決定戦に臨みながら、チャンスをモノにできなかった。改めてパンクラスで掴んだベルト挑戦のチャンス。重田ホノカとともにタイトルマッチ調印式に出席した直後の杉山に、2年のブランクとパンクラス参戦の経緯——そしてベルトへの想いを訊いた。


――先ほど記者会見が終わりました。「スーパー挑戦者」杉山しずか選手です。

「皆さん、その言葉に反応していましたね。それほどピックアップされる言葉だとは思っていませんでした(笑)」

――記事の見出しとして使いやすいと思います(笑)。「スーパー挑戦者」というのはチャンピオンより自分のほうが格上、という気持ちがあるのでしょうか。

「う~ん……、そういう気持ちはないですよ。『格の違いを見せる』とか驕ってはいないけど、『失敗は許されない』とは思っています」

――「失敗は許されない」とは?

「全局面で『ヒィっ!』と言わせるぐらいのパフォーマンスを見せないと、ベルトは獲れないと思うので。それは重田選手が相手ではなく、どんな相手も同じですね」

――前回のライカ戦も、一つのミスも許されない試合でしたか。

「そうですね。やっぱり元ボクシングの世界チャンピオンなので、打撃をもらわないように」

――そのためかライカ選手よりも杉山選手のほうが、常に先に手を出していました。

「攻撃は最大の防御でもあるし、もともと私がライカ選手より打撃の面で劣っているとも思っていなかったです。だから『打撃を使わない』という選択はなかったですね」

――元ボクシング世界王者に対して、打撃で圧をかけ、良い形で組むことができていた。それだけ自分の中で、MMAとして進化している実感はありますか。

「うん、あります! 前回の試合はその成功例ですね。毎回、試合ではトライしているけど作戦ミスがあったりして、負けることもありました。勝っても判定がスプリットになったりとか。相手との相性もあるとは思いますけど」

――DEEP JEWELSのフライ級GP決勝からパンクラスで復帰するまで、2年間も試合間隔が空いていました。ブランクの理由は何だったのでしょうか。

「それが……そう聞いて、私も『2年間も空いていたんだ!?』と思ったんですよ。2年の間に試合のオファーも頂いていました。いつもどおり練習も減量もしていたし、いつでも試合ができる状態ではあって。ただ、最終的に試合が成立しなかったという状態でした。あとは――う~ん、忙しかったですね。いろいろな仕事も増えて」

――いまや杉山選手はRIZINのレギュラー解説者ですから。そんななかで2年という時を経て復帰することも、その舞台がパンクラスになることも意外でした。

「私も『パンクラスに出ることはない』と思っていました。ずっと佐伯(繁DEEP代表)さんにお世話になっていましたから。私、会場で佐伯さんと会うと逐一、状況は話し合うんです。でもDEEPやDEEP Jewelsでは今、私の階級はタイ人とか海外から選手を呼ばないと試合を組むのが難しくなっていて。日本人選手はみんな対戦していますし」

――パンクラスに参戦することで、また新しい気持ちで試合に臨むことができているのですか。

「はい。すごい希望を持ってパンクラスに来ています。会見ではDEEP Jewelsのベルトとの統一戦がどうとか言っちゃって、パンクラスの人にどう受け取られているか分からないですけど――私としてはパンクラスでベルトを獲ったら防衛しまくって、いろんな人と戦っていくのが面白いかなと思っています」

――その会見では、怖い杉山選手を見た気がします。

「えっ!? そんなことないですよ!」

――着席後、最初にマイクを持った時の表情が……これは良い意味で、ファイターの顔だなと思いました。

「ありがとうございます(笑)。でも今回は相手に対する気持ちというよりも、『ベルトが欲しい!』という想いのほうが強いです。結構、自分勝手になってしまっているかもしれないですね。エゴというか」

――エゴ、ですか。

「エゴ、という言葉が正しいかどうかは分からないんですけど……。本当にベルトを獲ることしか考えていないという意味です」

――杉山選手は以前のインタビューで「自分の好きなことをする」といった旨の発言をしていました。復帰&パンクラス参戦で、その気持ちが強くなっているわけですね。

「勝つためには、その気持ちが一番シンプルだと思うんです。邪念もないというか」

――たとえばRIZINの解説では冷静に、客観的な杉山選手のMMA論を聞くことができます。それだけ杉山選手は格闘技に関する知識も経験も蓄積されていて、ライカ戦では、蓄積されてきたものを放出することができた。他の選手の試合を視て、解説することで自分自身のMMAも成長させることができた面はありますか。

「成長させてくれたとは思います。でも、もともと自分はああいう感じなんですよ。だから解説をすると『聞きやすいね』と言ってくれる人がたくさんいて。『これまで自分がやってきたことが無駄じゃなかったんだな』と思います」

――2年間も試合をしていない間に、辞めようとは考えなかったですか。

「ないです。辞める理由がないんですよ。だって、強いんだもん」

――言い切りますね!!

「私は今、本領発揮していますから。やっぱりポテンシャルが――マイルドな言い方ができなくて、スミマセン」

――杉山選手は禅道会の全日本リアルファイティング選手権に出場していた頃から、体格や身体能力などポテンシャルを見せていました。しかし、そのポテンシャルを発揮しないまま格闘技から離れてしまうのではないか、と思っていました。

「それは分かります(笑)。私は、そんな自分を打開してきました。今の若い子たちは最初から答えをもらっているから、できるのは当たり前で。でも私は自分から掴みに行きました。

だから、できない人の気持ちもわかっちゃうんですよ。その分、できる人の気持ちが分かるかといえば、分からないんですけど。ただ、できる人っていうのはバックボーンがあったりするか、燃えつけるのも早いと思います。私はバックボーンがないから燃え尽きていないし、今も燃えていられるんじゃないですか」

――なるほど。次は重田選手の持つパンクラスQOPのベルトに挑みますが、重田選手は防衛に成功すればストロー級に戻ると発言しています。「勝ち逃げ」とも取れる発言に対して、どの感じていますか。

「あぁ、それは別に……『そうなんだな』というぐらいで。この試合が終わったら重田選手が今後どうするかは興味ないですね。ストロー級に行ってもらっても構わないです。私が欲しいのはベルトであって、ベルトを巻くために重田選手に勝つので」

■Pancrase346視聴方法(予定)
7月21日(日)
午後1時45分~U-NEXT

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【Pancrase346】伊藤×サロハイディノフ、重田×杉山、高城×ラジャポフ~濱田巧がリベイロと国際戦!!

【写真】おかしな表現かもしれないが、強さを追求してきた強さがある──そんな濱田のMMAだ(C)MMAPLANET

12日(水)、Pancraseより7月21日(日)に立川市の立川ステージガーデンで開催されるPancrase346で濱田巧×ラファエル・リベイロのフライ級戦が組まれることが発表されている。
Text by Manabu Takashima

フライ級KOP伊藤盛一郎が、ムハンマド・サロハイディノフの挑戦を受けるタイトル戦がカード第一弾であった同大会。続いて重田ホノカが杉山しずかの挑戦を受けるフライ級QOPC、バンタム級に第二のダジック・ファイター=オタベク・ラジャボフが襲来し、高城光弘とのマッチアップが明らかとなっていた。


キックボクシングからMMAへの転向が目立つ昨今、RIZINという大舞台でなくネオブラから地道かつ着実にMMAファイターとして力をつけてきたのが、濱田だ。今やMMAファイターの打撃指導の第一人者といっても過言でない良太郎率いるteam Akatsukiに所属しKNOCK OUTでタイトル戦の経験もある濱田は、キック時代からMMA転向を公言しており、鎌ヶ谷から東武野田戦を北上しパラエストラ柏(現ザ・ブラックベルト・ジャパン)へ。

重心、後ろ足の位置取りやリズムの取り方に変化が見られる濱田のMMAでの構えだが、中間距離からインファイトで相手のパンチを見切ってカウンターを打ち込むなど、キックボクサーとしての強味がしっかりと武器になっている。

打撃で圧を掛け、組まれてもトップを取って強烈なパウンドを武器にネオブラを制した濱田は、3月の立川大会では三日月蹴りでKO勝ちを手にしている。対してリベイロはオーソから前足を使った蹴りや、近距離でのハイキック、そしてカーフなど打撃を駆使しつつ、組みの強さを見せてきた。

総合力──MMAとして攻めの引き出しはリベイロの方が、濱田より多いだろう。ただしMMAはある意味、総合力の勝負ではない。例えばMMAファイターとしては、レーダーシートが綺麗な形を描いていなくとも、多岐に渡る攻撃の中から頭抜けた破壊力を持って言えれば、合計点で上回ることができる。

それこそが濱田の打撃といえる。特にリベイロのキックボクシングというよりはボクシングwithキッという打撃は、蹴りとパンチにラグが見られ、濱田のカウンターの餌食になる可能性は十分にある。同時に攻めのレスリングや柔術を駆使できるリベイロの組みと打が融合した立ち技の圧力は、過去にサークルケージで濱田が経験していない強さでもあるだろう。

超RIZINが控える7月は東京と大阪で、MMA興行が続く夏のMMA月間だ。そして21日のパンクラスで見られる日本×タジキスタン、日本×ブラジルのフライ級戦は見逃すことができないマッチアップといえる。

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【パンクラス】重田ホノカ×杉山しずか 女子フライ級タイトル戦決定!

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7月21日に立川ステージガーデンで開催されるPANCRASE 346。既に伊藤盛一郎(リバーサルジム横浜グランドスラム/ZST)×ムハンマド・サロハイディノフ(Katran Gym/タジキスタン)のフライ級タイトルマッチが決定していますが、今回新たに重田ホノカ(THE BLACKBELT JAPAN)×杉山しずか(リバーサルジム新宿Me,We)の女子フライ級タイトルマッチが追加発表されました。

MMA戦績4戦4勝で20歳にしてパンクラスのタイトルを一気に奪取した重田。とても20歳とは思えないどっしりとした試合運びが印象的です。最近では対戦相手が宙に浮いた中井りんに対して対戦要求したかと思えば、パンクラスのタイトルマッチで行ったドラッグテストで興奮剤の陽性反応が出てペナルティが課せられるなど、良くも悪くも注目を集めてきました。7月21日は100日間のサスペンドが終わって迎える復帰戦。故意の陽性ではなかったものの、思わぬ形で課せられた汚名を晴らす事が出来るのか。

対するはDEEP JEWELSからパンクラスに主戦場を移した杉山。初戦のライカ戦では要所要所でテイクダウンを奪ってグラウンドをコントロールして判定勝ち。パンクラスでも安定感のある強さを見せました。これで女子フライ級1位にランクインしてタイトル奪取に早くも王手をかけました。

そんな両者の対戦。まだまだ底が見えず成長過程の重田。前戦はベテランの端貴代を相手にしっかりとテイクダウンを奪って判定勝ち。杉山と似たような試合運びだけに、どっちがグラウンドで上になるか、テイクダウンを巡る激しい攻防になる予感がしてきました。でも、得てしてこういうマッチメイクは、1周回ってスタンドでの打ち合いになったりするんですよね。今から楽しみ。久しぶりに立川ステージガーデン行こうかな。。。
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45 DEEP DEEP JEWELS DEEP JEWELS45 HIME INVICTA o その他 パク・シウ パンクラス ボクシング 万智 中井りん 伊澤星花 大島沙緒里 村上彩 栗山葵 重田ホノカ

【DEEP JEWELS】日本人の中井りん超えなるか?

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先週末に開催されたDEEP JEWELS45。メインでは大島沙緒里が村上彩をパウンドアウトしてDEEP女子&DEEP JEWELSミクロ級王座を戴冠。高らかにINVICTA FC参戦を表明しました。セミでもパク・シウと万智が超アグレッシブなスウィングバウトを展開して大いに盛り上がりました。

そんな中でも注目を集めたのは中井りんの1年ぶりの復帰戦。栗山葵の怪我により試合が流れ、パンクラスのフライ級王者・重田ホノカが名乗りを上げるなど紆余曲折ありながら、最終的にHIME(毛利道場)と対戦しました。

下馬評では中井が圧倒的優勢。開始早々にテイクダウンして中井が極めるかと思いきや、試合は意外にも落ち着いた立ち上がり。お互いに遠めに距離を取って様子見の展開が続きます。それでもHIMEのミドルをキャッチした中井がテイクダウン。簡単にマウントを奪ってパウンドを乱射したものの、敢えなくラウンド終了となりました。

続く2R。なかなか間合いを詰める事が出来ない中井に対してHIMEの左ジャブが要所要所でヒット。セコンドについたワイルド宇佐美館長の「組め!よけろ!」という指示からも緊迫した様子が伝わってきます。それでも終了間際に中井が組み付いてテイクダウンしたものの、残り15秒でラウンド終了。この時にはアップセットが起こりそうな気配が漂い始めました。

そんな中で始まった最終R。序盤に組み付くとケージに押し込む中井。差し合いから一瞬の隙を突いてHIMEの首を取るとあっという間にギロチンチョーク。タップしないHIMEを絞め落として見事逆転の一本勝ちを飾りました。

グラウンドに持ち込んだ時のパスガードの速さ、ギロチンの極めの強さ。どれを取っても日本人トップクラスなのは揺るぎようがありません。それでもHIMEの試合運びは中井りん攻略の糸口になったのではないでしょうか。

1年前の栗山葵との試合でもスタンドで左ジャブ、ストレートを被弾。今回のHIMEのジャブを面白いようにもらっていた事を重ね合わせると、スタンドの攻防が勝負の分かれ目になりそうです。とはいえ、テイクダウンされたら極められる可能性は高いだけに、寝技に持ち込ませない腰の重さは必要不可欠でしょう。

そうなると元々中井と対戦予定だった栗山の打撃の強さには期待せずにはいられません。その他には、、、既にDEEP JEWELSからボクシングに転向していますが、空手をベースにシャープな打撃を持つ赤林檎が対戦していたら面白くなったのではないかなと。

そして最近では打撃のスキルも上達した伊澤星花との試合も見てみたい。そればかりかグラウンドになった時に寝技でも中井とどんな攻防を見せるのかめちゃくちゃ楽しみ。過去にはスパーリングを巡って一悶着あっただけに、試合で終止符というのもそそられます。さて、日本人が中井りんを超える日がやってきますか。
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【DEEP JEWELS】中井りんの対戦相手選びは難航!

5月26日にニューピアホールで開催されるDEEP JEWELS 45の出場予定だった中井りん。対戦相手の栗山葵が怪我のため欠場が発表されると、主催者側は中井の対戦相手を公募する事を発表。その公募にパンクラスフライ級王者の重田ホノカが名乗りを挙げるなど事態は混沌としてきました。

重田の対戦表明に対して自身のXで前向きとも取れる投稿をしていた中井。DEEP JEWELSとパンクラスの王者対決が実現するかとファンは色めき立ちましたが、そう簡単にはいかないようです。DEEPの公式Xが最新情報を更新。現状についてPOSTしました。
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選手名は公表されていませんが2選手から連絡はあったものの、スケジュール調整が難航しているとの事。さらに「他団体の選手はジム側からお断りがありました」というのが重田を指しているのでしょうか。

まあ、対戦相手の公募という事自体が前代未聞だし、その相手が中井とくれば、手を挙げる選手はそうそういないでしょうし、挙げたとて条件面が見合うかはまた別の話ですからね。。。試合が成立する事自体が奇跡か。期待せずに待つとします。
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45 DEEP DEEP JEWELS o   パンクラス 中井りん 栗山葵 重田ホノカ

【DEEP JEWELS】中井りんの対戦相手にパンクラス王者 重田ホノカが名乗り!

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5月26日のDEEP JEWELS 45で行われる予定だった中井りん×栗山葵のDEEP JEWELSフライ級タイトルマッチ。昨日の記事でも触れましたが、栗山葵の怪我により試合が中止になった事が発表されました。

同時に中井の対戦相手を公募する事も明らかになりましたが、これに対してパンクラスのフライ級王者 重田ホノカが自身のXで反応。DEEPJewelsのフライ級タイトルマッチ空きが出たみたいですね………減量3キロくらいだし、いつでもいけますよ」と投稿し、中井の対戦相手に名乗りを挙げました。

それに対して中井もXを更新。「OKです タイトルマッチがしたいなら、そちらもタイトル(ベルトを)かけて下さい そちらがタイトル(ベルトを)かけないなら、こちらもかけません、ベルトやタイトルに関しては、そうでないと私にだけベルトをかけろと言うのは、不公平です タイトルマッチでないなら、募集に書いている通り、59キロ以下のワンマッチでやって下さい 5分3R肘ありルールで 何にもならない試合に、大先輩で実績ある私に何にもならないけどきつい減量して苦しめというのも、違うと想うんですよね」と呼応しました。

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いきなり降って湧いたDEEP JEWELSとパンクラスの王者対決。両大会のタイトルをかけるか、かけないか、契約体重をどうするのか、などクリアすべき課題はありますが、マニアが泣いて喜ぶ絶妙の流れが生まれそうです。

これだけのビッグカードはある程度の心の準備を持って見たいという気持ちはあるものの、これくらいの勢いがないと実現しないというのもまた事実。せっかく生まれた機運を是が非でも実現させてほしい。続報は追って!