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【Shooto2021#05】計量終了 世界戦からトライアウトまで出場全選手、問題なくクリアー

【写真】第2試合から第5試合に出場選手たち──エドモンド金子、岡澤弘太、仲山貴志、結城大樹、齋藤翼、野瀬翔平、山内渉、植木“令和”新も問題なくクリアーした(C)MMAPLANET

明日25日(日)に東京都文京区の後楽園ホールで開催されるShooto2021#05の計量が、港区KCOLオフィスで行われた。

メインの修斗世界フェザー級王座決定戦=SASUKE ✖工藤諒司、セミの女子スーパーアトム級次期挑戦者決定戦=SARAMI✖中村未来を始め、トライアウトを含め全8試合に出場する全16人の選手が滞りなく計量を終えている。


全選手の計量結果は、以下の通りだ。

■視聴方法(予定)
7月25日(日)
午後6時00分~ ABEMA格闘チャンネル

■Shooto2021#05

※赤字の選手をクリックすると、インタビューに飛びます

             
<修斗世界フェザー級王座決定戦/5分5R>
SASUKE:65.6キロ
工藤諒司:65.8キロ

<修斗世界スーパーアトム級次期挑戦者決定戦/5分3R>
SARAMI:49.4キロ
中村未来:49.4キロ

<バンタム級/5分2R>
論田愛空隆:61.2キロ
中村倫也:61.1キロ

<ライト級/5分2R>
エドモンド金子:70.1キロ
岡澤弘太:70.1キロ

<フェザー級/5分2R>
仲山貴志:65.6キロ
結城大樹:65.6キロ

<バンタム級/5分2R>
齋藤翼:61.1キロ
野瀬翔平:61.0キロ

<フライ級/5分2R>
山内渉:56.4キロ
植木“令和”新:56.5キロ

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【Shooto2021#05】修斗世界フェザー級王座決定戦へ、SASUKE─02─「当たり前に勝たないと」

【写真】マイクまでが、SASUKEの試合。1月の内藤太尊戦後は3分間、マイクを握っていた(C)MMAPLANET

25日(日)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるShooto2021#5のメインイベントで、空位の修斗世界フェザー級王座を賭けて工藤諒司と戦うSASUKEインタビュー後編。

キャリア8勝1敗1分、常に過去の対戦相手の質を問われる。それはSASUKEにとって、如何ともしがたい。彼にはどうしようもできない、できることは与えられた試合で勝つことだけだった。

だからこそ、今後を考えて──そんな疑問の声を払拭し、期待が募る存在にならなければならない。そのためにSASUKEは工藤との試合を「当たり前に勝たないといけない」と断言した。

<SASUKEインタビューPart.01はコチラから>


──セコンドに就いてもらう選手に、しっかりと練習を見てもらうと。

「そうですね。5Rのスパーリングの時は猿飛流さんに来てもらいました。セコンドワークの確認も兼ねて。九州にいる弘中(邦佳)さんも、その辺りの意志の疎通はできています」

──工藤選手はキャリア最強の相手といっても過言でないと思われます。だからこそ、躓くことは許されないかと。

「躓いていられない……そのままですね。今後のことを考えると、当たり前に勝たないといけない相手です。外国人選手と戦っていくとなると、もっと強い相手ばかりになってくると思うので。

しんどい勝負でも、勝ちを拾わないといけないです」

──これはもうSASUKE選手からすると「そんなこと言われても、しょうがない」ということになるのですが、過去の対戦相手とこれから戦っていかないといけない相手ということを考えると、あのパフォーマンスをどこまで見せ続けることができるのか。その手の疑問を払拭できるのか。

「特に業界関係者、同業者の勝敗予想なんかの話を聞くと、そういう風に見られているなと思います。知り合いから、『こんな予想が出ていたけど、ひっくり返してね』とかって連絡が来て……」

──そういう連絡ありますよね。『こんな風に記事への批判書かれていましたよ』とか送って来てくれる人がいて(苦笑)。自分は気が弱いからエゴサーチなんてしたくもないのに。

「アハハハハ。僕はあんまり気にしていないです。予想なんて覆してナンボなんで。業界関係者がそういう風にみたところで、何も気にしていない。いつも通りのメンタルでやれば、いつも通り結果がでると思っています。

正直、試合なんてどっちが勝つか分からないですから。強いヤツが、一発で負けることもある。何が起こるか分からないのが試合なんで。その人にとっての番狂わせじゃないですけど、そういうことが毎回あるようなモノだから。

過去の相手云々と言われても、勝っているのは僕だし。そういうことを言われても、僕としてはケガで長く穴を空けてきたので、とにかく勝ちを拾うことが絶対条件で戦っています」

──拾うという表現なのですね。

「やっぱり負けたら、次に繋がらない。どんな状況になっても、KO寸前とか苦しい展開になっても何とか勝ちをもぎ取る。最近の試合はそういう展開になっていないですけど、どの試合に臨む時も最悪のシチュエーション、一番起こって欲しくない状況に陥り、そこから盛り返すイメージを持ってやってきました。

拾うという言い方は正しいか分からないですけど、要は諦めないよってことです。とにかく勝たないと何も残らないですからね。これまでキャリア10戦だけですけど、勝ちたいと
思って戦ったのは1回だけなんです」

──それは……。

「2度目の山本健斗デリカット戦だけです。1度やられているから、しっかりと勝とうという気持ちでした。でも他の試合はもう勝てれば、相手が足首を捻ってドクターストップでも構わないぐらいでいます(笑)。とにかく必要なのは、勝つことなので」

──先ほども、これから外国人選手と戦うという言葉が聞かれましたが、毎回尋ねて申し訳ないですけど、修斗世界チャンピオンになってから、次の目標というのは変わりないですか。

「そうですね、やっぱり海外……北米です。僕は北米です。UFCとポンと契約できるほど簡単ではないので、それができれば一番ですけど。そうでないならUFCに繋がるところですね。PFLを経由するのか、堀内(佑馬)選手が出たLFAとか。そういう選択肢も必要かと思っています」

──では、そこを含めて試合後のマイクを思案中ということですか(笑)。

「アハハハ。ワードチョイスは色々としないといけないですからね」

──逆に余裕じゃないですか(笑)。

「いや、これも仕事の一部ですから。どういうワードを使うと、皆が感情移入してくれるのか。背中を押してくれるのかっていうのはちょっと考えていますね。マイクに関しては、岡田(遼)選手がライバルです(笑)」

■視聴方法(予定)
7月25日(日)
午後6時00分~ ABEMA格闘チャンネル

■対戦カード
             
<修斗世界フェザー級王座決定戦/5分5R>
SASUKE(日本)
工藤諒司(日本)

<修斗世界スーパーアトム級次期挑戦者決定戦/5分3R>
SARAMI(日本)
中村未来(日本)

<バンタム級/5分2R>
論田愛空隆(日本)
中村倫也(日本)

<ライト級/5分2R>
エドモンド金子(日本)
岡澤弘太(日本)

<フェザー級/5分2R>
仲山貴志(日本)
結城大樹(日本)

<バンタム級/5分2R>
齋藤翼(日本)
野瀬翔平(日本)

<フライ級/5分2R>
山内渉(日本)
植木“令和”新(日本)

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【Shooto2021#05】伝説の始まり、中村倫也─02─「やっと夢を与えることができる。その番が回ってきた」

【写真】語られるエピソードが、26歳とは到底思えない。どれだけ中村がMMAに囲まれて生きてきたか。彼こそMMAの申し子だ (C)MMAPLANET

25日(日)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるShooto2021#5で論田愛空隆とMMAデビュー戦を戦う中村倫也インタビュー後編。

ワールドクラスのフリースタイルレスラーは、出自も育ちもMMA=ピュアブレッド大宮──全ては、あの場所から始まった中村のMMAファイター人生が、ようやく第1章を迎える。

レスラーがMMAに挑戦するのではない、MMA人間がレスリングでも活躍してきた、それが中村倫也だ。伝説が始まる、その前日譚──中村のルーツをここで知って欲しい。

<中村倫也インタビューPart.01はコチラから>


──今回のデビュー戦、2回戦なのですね。てっきり3回戦だと思っていました。その方がスペシャル感もあって、盛り上がるのに……。

「クラスAですか? 僕も3R制だと思っていました。それぐらいあっても良いなぁって(笑)。でも3Rに行かないですし、2Rでも判定にならない。10分以内に終らせることができれば同じだなって」

──「それぐらいあっても良い」というのも自己顕示でなく、倫也選手の表情を見る限り、MMAデビューを背景まで含めて楽しみたい風に見えます。

「やっと……です。やっと、ですから。実は先週、ピュアブレッドに行ってきたんです」

──元プロシューター、ピュアブレッド大宮所属でピュアブレッドの名を継いだ池田久雄さんの下へ?

「ハイ。プロデビューを迎えたので、挨拶に言ってきました」

──そのために上尾まで足を運ばれたのですか!!

「ハイ。池田先生にデビューの報告を、と思いまして。そうしたらピュアブレッドのキッズレスリングの子たちがいて。いえば僕の後輩になるんですよね、あの子たちは。その子供たちが僕にベタベタとくっついてくるんです──。『俺が子供の頃、石川真さんや朝日(昇)さん、野中(公人)さん達にしていたとの同じだ』って思いました。

あの頃の僕にとっての選手たちが、彼らにとって『俺になっている』と感じることができて、やっと夢を与えることができる。ようやくその番が僕に回ってきたと思ったんです。何か──凄く嬉しくて」

──いやぁ、思わず鳥肌が立ってしまいました。エリート・レスラーのMMA挑戦と見られがちですが、倫也選手の口から出てくるのが剛術・石川くん、朝日昇に野中くん……根っからのMMA畑の人間じゃないかって。

「僕の憧れでしたから。上野九平さん……ルタ☆ユージさんも」

──ルタ選手はお父さんの運転手をされていましたよね。確かにカナダでピュアブレッドを創るという話もあったかと思います。

「カナダといえば先月ですかね、カーロスから『頑張って。パンデミックが終息したら、日本にいくから練習しよう』っていうDMが来たんです」

──カーロス……カーロス・ニュートンですか?

「ハイ。カーロスも暫らく大宮にいたことがあって、今はカナダの柔術ジムで指導しているみたいです」

──うわぁ、懐かしい名前です(笑)。きっとジョエル・ギャルソンのジムですよね。いやぁ、倫也選手と話していると、26歳とは思えない懐かしい選手の名前が飛び出してきますね。

「僕にとってピュアブレッド大宮が庭でした。毎日、あそこにいて。如何にエンセンと修斗君に会わないのかが、僕のなかのテーマでした(笑)」

──アハハハハ。エンセンはともかく、修斗君は怖すぎます。

「子供心に、エンセンも怖すぎました(笑)」

──最大の理解者の息子さんに、そういう風に接することができるエンセンがまた面白すぎます。

「あと桑原(卓也)さんも怖かったです(笑)」

──マッスル!! 空気が読めなさそうです(笑)。そういう幼少期があり、ピュアブレッドの池田さんにデビュー前の挨拶をするということなのですね。

「凄くエネルギーを貰うことができました。原点に返った気がします。あの子たちを見ていると、もう格好良いところを見せるしかないです」

──気合が入り過ぎることはないですか。

「その辺りはレスリング時代に経験していたことが生きると思います。レスリングの時もワクワクが大き過ぎたので」

──実は今週コリー・サンドハーゲンとエイドリアン・ヤネスというUFCバンタム級ファイターのインタビューをすることになっているのですが、倫也選手のようなバックグラウンドを持つ選手が、あの場で戦えるようになることを切実に願ってしまいます。

「サンドハーゲン、マジですかっ!! そうッスね……現地でUFCを見てみたいです。まだ画面越しでしか見ていないので、直接生で見てUFCファイターのエネルギー感とか、もっと出てくると思うので。そこがまだピンとは来ていなくて、ボヤっとしているところなんです」

──その世界最高峰を最先端で目指す。周囲の期待値もひたすら高く、求められるモノも他のデビュー戦を迎えるファイターとは違ってきます。

「デビュー戦に関しては、正直もっと僕の方がチャレンジする立場の試合が組まれると思っていました。でも、今回の試合はチャレンジするというよりも、受けて立つぐらいの気持ちでいることに気付きました。結果、思っていたより気楽ではないです(苦笑)」

島影直弥(LDH martial arts取締役) 倫也の人生はそういうモノなんだよ。回りの選手とは違う。覚悟を決めないと。

──では覚悟を持って、デビュー戦はどのような試合をしたいと思っていますか。

「伝説が始まる──そんな予感がするような試合をしたいと思います」

──おぉ、伝説の始まりですか。

「皆にここから何か始まるぞ──そう思ってもらえる試合をしないといけないです。ひたすら攻めます。ずっと主導権を握って、相手に能動的な動きをさせない。僕の動きに、反応した攻撃しか出させないようにして、選択肢を狭めていきます。そして、しょうがなしに動いたところで仕留めます」

──頭のなかに戦い方は出来上がっているようですね。一つだけ、その勢いに水を差すようなことを言っても良いですか。

「アハハハ、どんなことですか?」

──これだけ期待されて、舞台も整っている。そこで脳裏をよぎるのが、アーロン・ピコなんです。

「あぁあぁあぁ……。それ、分かります!! マジで分かります。アーロン・ピコに関してはデビュー戦だけでなく、他の試合でもMMAの怖さを目の当りにしました。

もちろん、僕だってアーロン・ピコのようにならないとは限らないです。あり得ることです。ただし、良いのを一発貰った時のことも想定しています。経験していないことなので、何とも言えないですけど……」

──嫌なことをいって申し訳ないです(笑)。

「アハハハ。ピコ……そうッスよね。ただピコってレスリングの時も、大量失点をするんです。でも、それより多くの点を取って勝つ」

──えぇ? 倫也選手はアーロン・ピコのレスリング時代もご存じなのですね!! 深すぎます。

「もう7年も前ですけど、ブルガリアの大会にピコはコーチと2人で来ていて。『相手がいないから、練習してくれ』って言われたんです」

──凄まじい逸話じゃないですかっ!!

「ピコは僕の2歳下で、彼と同い年の藤波(勇飛=2017年世界選手権フリースタイル70キロ銅メダリスト)は、世界ジュニアでアーロン・ピコと決勝で戦っていますし。

そうですね、ブルガリアで練習したときは、スクランブルが凄くて強かったです。試合もあの時に初めて見たのですが、凄く得点能力が高いけど、失点もメチャクチャします。大味といえば大味なレスリングで。

だからMMAもそのままなんですよ。凄く良い攻撃をするけど、被弾もする。僕の場合はあそこまで行き切るような試合はしません。ああなると事故が多くなってしまうので。もらうことが増えると、攻めに影響が出てしまうでしょうし。そこは自分の感覚を信じて、失点ゼロで戦います」

■視聴方法(予定)
7月25日(日)
午後5時~ ABEMA格闘チャンネル

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【Shooto2021#05】論田愛空隆戦で、プロMMA初陣。中村倫也─01─「丁寧に創ることを心掛けてきた」

【写真】五輪スポーツに生きてきたアスリートの第二の人生ではなく、MMAファイター人生のためにレスリングが存在したことが強く感じられる中村だ (C)MMAPLANET

25日(日)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるShooto2021#5で中村倫也が論田愛空隆と──改めてMMAデビュー戦を行う。

ピュアブレッド大宮を庭に、MMAファイターになるという天命を受けて成長した中村は、その過程においてレスリングでU23世界王者など輝かしい実績を残してきた。

MMA転向後LDH martial arts所属となり、完璧を求められた『格闘DREAMERS』をミッション・コンプリートし、UFCへの最短距離を往くためにキャリアの一歩を踏み出す。論田戦を6日後に控えた中村をインタビューすると、すでに場慣れした一流アスリート然とした受け答え以上に、いかにMMAに造詣が深く、MMA LOVERであることがヒシヒシと伝わってきた。


──ひとつ前の取材で一緒していた松嶋こよみ選手に、倫也選手にインタビューすると伝えると「宜しく終え伝え下さい。メチャクチャ強いです。たまにではなく、極められます」と言っていました。

「いえいえ。こよみさんこそ……こよみさんのことはレスリング時代から知っていて、団体戦では敵チームだったこともありましたし。レスリング時代から身体能力が凄かったです。

そのレスリング時代に(大宮司)岳さんにムーブメントを教わっていて。岳さんの減量セミナーを受けさせていただきときに、MMAにも生きそうだと思って指導を受けるようになったんです。そのつながりで、今、こよみさんと打撃とムーブメントを一緒にさせてもらっています。

こよみさんって、他の選手の動きを観察する力も凄いんですよ。僕のパンチも踏み込みと、方向がズレているとか指摘してもらっています」

──そんな関係だったのですね。まぁ大宮司トレーナーのことは個人的には触れたくないのですが(笑)、自分のなかで体のトレーナーの方であれだけMMAをチェックし、選手の名前もスラスラ出てくる人はあまり知らないです。ムーブメントのためのムーブメントでなく、MMAを凄く研究したうえでのムーブメントで、素晴らしいですね。

「MMAのことが好きですよね。でも、『触れたくない』というところはしっかりと書いてください(笑)」

──アハハハハ。それにしても、プロデビュー戦まで1週間を切ったというのに、凄くリラックスされていますね。

「わくわくが緊張を上回っている感じです。もちろん、不安がないといえば嘘になりますけど、僕だけのデビュー戦でなくLDH martial artsのデビュー戦だと思っているので。ちょっと大暴れしたいなって気持ちです」

──4月の『格闘DREAMERS』のオーディション最終選考も、アママッチとはいえルールはほぼ同じで、相手もプロシューターでした。あの時は成し遂げないといけないハードルがある状況でのファイトでしたが、そこと比較すると何かメンタル面で違いはありますか。

「あの時と同じかなと思います。ただ、確実に打撃をもらわないという自信はなく、そこに対する不安はあります。でも、試合が始まるとその部分は捨てて戦うだけです。なので練習では丁寧に丁寧に創っていて、試合では大胆に行こうと思っています」

──では最初にデビュー戦の相手、論田愛空隆選手の名前を聞いた時、どのような気持ちになりましたか。

「えぇと……『誰だっけ? ん?』みたいな感じでした。映像をチェックしてからは、やりたいことが明確なので、試合としては組み立てやすいと思いました。ただ実際に組んでみて、力がどの程度あるのか──ですね。そこは触ってみないと分からないので、実際に試合になるとプランが変わることもあるかと思います」

──気を付けるべき点は?

「奥手なので、そこですね。奥手を当てたい戦い方です。4月の試合で僕自身、様子を見てボクシングでいけるならやろうと思い、そこがハマりました。今回も同じです。スピード感、反応を見て……そこに差があると感じたら、パンチでも戦います」

──なるほど。倫也選手の打撃をボクシングとして切り取ると、課題はたくさんあるかと思います。ただ根本的なアスリートとしての土台の部分で、違いを感じればボクシング勝負ができたということなのですね。

「そうですね。色々な仕掛けは見えたのですが、長さがなかったです。なら踏み込めば当たると思いました」

──レスリングで培った瞬発力と爆発力があれば、打撃戦も可能になると。

「相手次第ですけどね。レスリングでやってきた動き、散らし方なんかもMMAで打撃をやるうえで生きています。ただし、やはりMMAなので──最初はスタミナとフィジカルで誤魔化していた部分がありました。レスリングって、正面のスクエアを崩さないことが基本中の基本じゃないですか?」

──相手の方に胸を開いているのは、明かに打撃有りの競技とは違ってきます。

「そうなんです。だからパンチを打つときに、面で打つことが多くて。前足を踏み込んで廻旋する動きが全然できなかったです。身体操作は色々とできるつもりでいたんですけど、これは違うと痛感しました。

そこは(太田)忍さん(※リオ五輪グレコ59級銀メダリスト。RIZINでMMAデビュー)とかも感じているかと思います」

──グレコのみだとMMAは、フリーを知っているレスラーと比較するとアジャストが難しい面もあるかと。そういえば倫也選手と同日にNEXUSで河名マスト選手がMMAデビュー戦を迎えます。河名選手もグレコでした。

「奇遇ですよね(笑)。大学の同期が、団体は違うけど同じ日にデビューって。マストとは今も連絡を取り合っています。マストは物静かな人間なんですけど、練習中にこういうことを指摘されたとか色々と考えてMMAに向き合っているようです」

──ところでLDH martial arts所属の倫也選手ですが、同門の宇佐美パトリック正選手、そしてEXFIGHTで練習している元DREAMERSとは現状での実力差は大きいです。試合に向けて、どのような練習をしてきたのでしょうか。

「EXFIGHTで指導している石田(光洋)さんや門脇(英基)さんは凄くグラップリングが強くて、2人に仕掛けられたことを考えて対処するようにしています。同じ仕掛けを喰わないように考えて、丁寧に創ることを心掛けてきました。石田選手は同じレスリング出身でMMAをやってきた方なので、参考になることも多いですし。

門脇さんはグラップリングでの知識が半端なくて、もう仙人のようです(笑)。そうやって創っていったモノを出稽古先の練習で試して、またフィードバックを得て持ちかえるということを続けてきました」

──出稽古はどちらで?

「メインはパンクラスイズム横浜で打撃のムーブメント、打撃とMMAのスパーリングをやってきました。あとはロータス世田谷も週一でグラップリングですね」

──手応えの方はいかがですか。

「やはり打ち込みを丁寧にやっていることで、精度が上がってきているという感覚はあります。レスリングのスクランブルだけでやってきていたことが、打ち込みをやってきたことで、相手の仕掛けとかも察知できるようになりつつあります」

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
7月25日(日)
午後5時~ ABEMA格闘チャンネル

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【Shooto2021#05】3回戦級の2回戦で千葉(仲山&齋藤)✖福岡(結城&野瀬)。DREAMERS vs SHUTTLEも

【写真】結城は組み力で、元環太平洋王者の仲山に挑む (C)KEISUKE TAKAZAWA & MMAPLANET

12日(月)、Sustainより25日(日)に東京都文京区の後楽園ホールで開催されるShooto2021#05の追加カード3試合が発表されている。

修斗世界フェザー級王座決定戦SASUKE✖工藤涼司、女子スーパーアトム級SARAMI✖中村未来に以外、2回戦ながら注目の中村倫也のデビュー戦=✖論田愛空隆戦、同じ2回戦の岡澤弘太✖エドモンド金子が決まっていた同大会。

今回、加わった3試合は揃って2回戦となっているが、3回戦でもおかしくない試合も含まれており、背景に4度目の緊急事態宣言下の影響が感じられる。


そんな2回戦の追加カード──まず前環太平洋フェザー級王者の仲山貴志が、昨年9月に同王座をメインで世界戦を戦う。仲山は今大会のメインで世界王座に挑むSASUKEに敗れて以来の再起戦で、結城大樹と戦うこととなった。結城はそのSASUKEの師匠筋でもある弘中邦佳の指導を東京~福岡で受けてきた愛弟子で、本来は6月13日の闘裸男・博多大会で岩本龍弥戦が決まっていた。

博多大会が緊急事態宣言の発出を受け延期となり、今回の仲山戦が決まった。裕樹はTNS系大会で3連勝、それ以前にはGladiatorで今やRIZINファイターとなったGrachanバンタム級チャンピオンの伊藤空也にも一本勝ちをしており、引き分けを挟んで4連勝中、好調を維持して前環太平洋王者との一戦で下克上を目指す。

また結城と同じくマスタージャパン福岡から、野瀬翔平も出場し齋藤翼と戦うことが決まった。野瀬も闘裸男の延期により、奇天烈戦がなくなり今大会への出場となった。将来を有望視された高校柔道時代に首の骨を骨折するという瀕死の重傷を負いながら、奇跡の回復を見せた野瀬は、柔道でなくMMAを選択して弘中門下に加わった。

デビュー後は2引き分けからの4連勝も、昨年9月に今回のメイン登場の工藤にキャリア初黒星を喫し、2月のRoad to ONEでは吉野光の恐怖のパワーに屈しており、連敗中だ。3月にはRISE WEST ZEROでキックボクシングを経験した野瀬と対する齋藤は、仲山と同様に津田沼道場所属だったが髙谷裕之のFight Farm創設と同時に籍を移した選手だ。

とはいっても津田沼とFight Farmは兄弟仁義──ならぬ、兄弟ジムとして強い絆で結ばれており、いってみればこの2試合は千葉✖福岡の対抗戦、いや格上・千葉勢が福岡勢の挑戦を受ける形となる。

最近の齋藤の試合を見れば本来の打撃の強さに加え、ケージ際の攻防に磨きをかけてきたことは明らかだ。組みの強さは吉野に屈したとはいえ、クラスAに十分に匹敵する強さを持つ野瀬との対戦で、齋藤はその成果を発揮し結果を残したい。

同様に野瀬としては極度の緊張性かつ朴訥なほど真っすぐなファイトでは、齋藤の打撃を凌ぐことはできない。次なる段階に進むために、朴訥さを返上し狡猾さが求められるファイトだ。

また千葉軍団からは格闘DREAMERSに出演、ウェルラウンダーぶりを見せた山内渉がプロデビュー戦を迎える。DREAMERSでは仮契約を取りつけた山内だが、Fight Farmで強くなることを選んだ山内の対戦相手は、植木❝令和❞新だ。

既にキャリア17戦目となる北岡シャトルこと植木は、GRACHANでキャリアを重ね、パンクラスとGladiatorにも出場経験がある。

彼にとって修斗は初陣、ある意味──髙谷裕之&津田勝憲の教え子っぽくない空気感を持つ山内を相手に、キャリアの差を見せつけることができるか。別角度で注目の植木のプロ修斗出場だ。

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J-CAGE News Shooto2021#05 ブログ 中村倫也 論田愛空隆

【Shooto2021#05】7月25日、中村倫也が修斗で論田愛空隆を相手にプロMMAデビューへ

【写真】肉体も精神も、アスリートとしては完成している中村のプロ初戦が決まった(C)MMAPLANET

5日(月)、SustainとABEMAが同時に25日(日)に東京都文京区の後楽園ホールで開催されるShooto2021#05に中村倫也が出場、論田愛空隆と対戦することが発表した。

LDH martial arts所属、格闘DREAMERSベテラン──実父が1990年代中盤から佐山サトル及び修斗をサポートした龍車グループのオーナーだった故中村晃三氏という中村は、当時の日本MMA界の虎の穴=スーパータイガーセンタージム~ピュアブレッド大宮を庭に育った。

MMAファイターを自然と目指すなかで、遊びで始めたレスリングで実績を残すと花咲徳栄高校を経て、専修大学へ進学。この間、JOCカデットで優勝、世界カデットでは3位、JOC杯や全日本学生選手権&全日本大学選手権のフリー57キロ級優勝など華々しい活躍を見せていた。


さらにU-23世界選手権の61キロ級優勝及び世界選手権で5位に入賞するなどワールドクラスの活躍をしてきた中村は、東京五輪に出場ならなかったことでMMA転向を決める。

今ではTOKYO2020という舞台に進めなかったことに対し、「五輪で出ていたら、あるかないか分からない状況を過ごしMMA転向も遅れていた今となっては、五輪に出られなくて良かったと思っている」と身も心もMMAファイターになっている。

中村はLDH所属という立場で、格闘DREAMERS=オーディション番組に参加し、実戦はおろか練習でも弱みを全く見せることが許されない状況を戦い抜くと、4月26日の最終選考ではプロシューターの新井拓己をわずか42秒でTKO、既にアマチュアの域を超えていることを証明した。

今回、プロとして初めてケージに足を踏み入れることになるが、中村を指導する髙谷裕之は「UFCに最短距離で進ませる」ことを明言し、同じく岡見勇信も「人としても成熟しており、強い相手とどんどん当てていって良い」と育成方針について語っている。

そんな中村のデビュー戦の相手となったのが、ONE Warrior Seriesのトライアウトに合格し、すでに海外での国際戦も経験しているハードパンチャーの論田だ。

一発のある論田を相手に、MMAファイターとして中村がどのような戦い方を見せるのか。打撃に応じるのも良し、論田の強打に対しテイクダウンで勝負をかけるのも良し。

将来性だとか、可能性という言葉が必要ないファイトが、中村には求められている。とはいえMMAはMMA。中村がアーロン・ピコにならないとは限らない。論田は「ぶん殴る」圧力をかけることが、勝利へ不可欠だ。論田の意地が、この勝負を面白くさせることは間違いない。

なお同大会では既報のように──斎藤裕の返上した修斗世界フェザー級王座を賭けて環太平洋王者のSASUKEと工藤涼司が対戦。SASUEKEにとってはホームリングに残された最後のピースとベルトだけでなく、フェザー級での存在意義とこれからを賭けて戦う王座決定戦となる。

また女子スーパーアトム級でSARAMI✖中村未来という──爽やかさの欠片も必要ない──世代闘争、さらに2回戦では佐山道場の岡澤弘太✖エドモンド金子など組まれている。

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J-CAGE Report Shooto2020#07 ブログ 石橋佳大 論田愛空隆

【Shooto2020#07】ポジションを入れ替え、殴り、サブミッションの応酬で石橋が論田に激勝

【写真】とにかく動いて仕留めにかける。それが石橋佳大という生物なのだろう(C)MMAPLANET

<フェザー級/5分3R>
石橋佳大(日本)
Def.3-0:30-26.30-27.30-27
論田愛空隆(日本)

サウスポーの石橋に右を振り、左を狙った論田。そこにダブルレッグを合わせた石橋が、一気にマウントを奪う。殴られ下を向いた論田は上を向きなおす。スクランブル狙いに、背中を取り切った石橋は背中を伸ばしていく。すくにヒザをつく論田は、殴られながらも胸を合わせて上を取る。

石橋は三角からハイガードへ。クローズドの石橋に対し、論田が左右のパンチを打ち込む。キムラ&ヒップスロー、続いてラバーと背中をつけた状態の石橋は腕十字へ。腕を抜いた論田、石橋はスクランブルを狙う。トップをキープした論田はパスからアームロックへ。さらにクラッチを支点にバックを回った論田は、RNCへ。石橋がヒジを押して耐えると、論田は鉄槌を打ちつけ初回が終わった。

2R、論田の左フックに組みついた石橋が、ケージに押し込みボディロックテイクダウンを決める。足を抜いてマウントに入った石橋は、背中を向けた論田の腕を狙うと見せて、RNCへ。手首を掴んで防御した論田だが、石橋は腕を変えてRNCにもう一度入る。右腕を足でフックされた論田は、左手一本で守るしかない。左腕を入れパームトゥパームの石橋だが、ここで論田が胸を合わせる。十字狙いから、トップキープに切り替えた石橋はバックマウントを続ける。

乗りすぎで腕を持つ石橋は、前方に下りながら腕十字へ。腕を抜いた論田がバックを取って、マウントを取ろうとしたところで時間になった。

最終回、かなり疲れた感のある論田が右を当て、ボディロックからスラム。そのまま頭を越えて腕十字へ。腕を抜きバックに回った石橋だが、論田は立ち上がってスクランブルへ。キムラクラッチから前転しトップを取った石橋は、アームロックへ。リリースしトップを選択した石橋がキムラクラッチから、アームロックで腕を伸ばしつつマウントを取る。

論田がケージキックもエスケープはできず、石橋は左右のパンチを打ちつける。背中を見せた論田、石橋は四の字から両足フックへ。論田は上を向くと流れ、半身からロールして上を取り返す。十字を狙うと見せかけた石橋は、反応した論田にシングルレッグでリバーサルを決める。そのままガードのなかで試合終了を迎えた石橋は、判定勝ちに「This is Keita Ishibashi, Position ZERO」とマイクで話した。


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【Shooto2020#07】Finally──清水清隆✖平良達郎、8カ月遅れで実現!! SARAMIは修斗初出場で杉本恵と

【写真】平良が清水に対し、勝負に持ち込むことができるのか(C)MMAPLANET

2日(金)、Sustainより11月23日(月・祝)に東京都文京区の後楽園ホールで開催されるShooto2020#07のカード第一弾の発表があった。

9月大会を後楽園ホールからO-EASTに移して行われたサステイン興行だが、11月は聖地に戻ることとなった。


そして明らかとなったカード第1弾、まず注目はバンタム級=清水清隆✖平良達郎の一戦だ。この両者は本来、中止となった3月大会でABEMAのAOKI PROJECTとして決定していた顔合わせだ。その後も清水は5月の無観客大会で小堀貴広と戦い、7月にはZSTのグラップリング・トーナメント=GTFにも参戦と、アクティブに活動してきた。

一方の平良は家族に医療重視者がいるということで、コロナ禍においては練習を取りやめいた時期とがあったという話も伝わってくるが、、8カ月遅れで目標であったTRIBE勢、そして清水との対戦が決まったことになる。

9月大会の工藤諒司✖野瀬翔平戦に限らず、古くは朴光哲✖ウエタ・ユウ、ケージ時代を迎えても青井人、覇彌斗(※石井逸人)、田丸匠、箕輪ひろば等の若い注目株がキャリアピークの実力者に挑み、完敗を喫するという歴史を修斗は繰り返してきた。果たして沖縄の超新星が、フライ級のパイオニアの牙城にどこまで迫ることができるのか。

今回の発表では石橋佳大と論田愛空隆というフェザー級戦、杉本恵とSRAMIの女子51キロ契約マッチで、ONE Warrior Seriesと契約下にあるファイターのプロ修斗公式戦出場も決まった。論田はもともと修斗で戦っており、バチバチファイトで元環太平洋王者に挑むこととなる。

同じONEウォリアー組でもSARAMIは海外ではRoad FCとPXCに参戦経験があるが、国内では一貫してDEEPとJEWELSで戦ってきたため、これが修斗初出場となる。

ウォリアーの活動再開が見えないなかでのワイルドカード的な参戦となるだろうが、初代スーパーアトム級王座決定Tで大いに成長した杉本とのマッチアップを経て、その修斗クイーンの黒部三奈との3度目はあるのか。いずれにせよ、ONEウォリアー組は本戦出場というキャリアップのために自身の価値を守る必要がある修斗参戦となる。

さらにバンタム級からフェザー級だけでなく、2020も2020~2021へと名称変更が必要となってくるだろうインフィニティリーグ戦。サバイバル・ラウンドロビン戦はよしずみ✖一條貴洋が11月の後楽園で組まれることも決まっている。

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