【写真】プロデビュー戦は沖縄大会。「新井丈とやりたい」という勝利後の発言は、鶴屋先生に言わされたそうです(C)SHOJIRO KAMEIKE
28日(日)、東京都港区のニューピアホールで開催されるShooto2024#01-1で、ストロー級新人王決定トーナメント決勝で麻生Leg Lock祐弘と対戦する根井博登のインタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike
数々のアマチュアMMAタイトルを制し、プロデビュー後は2勝1分で新人王決勝に進んだ根井。アマ時代からの実績から考えれば、決して満足のいく結果ではない。しかし、自身に足りないものを理解できている17歳は、すでに新人王の先を見据えている。
――パウンド無しのアマチュア修斗への出場と並行して、プロの試合に向けてパウンドの練習もしていたのですか。
「練習でパウンドを当てることはなかったですが、ポジションを取ってパウンドを打つ形の練習はしていました。しっかりとパウンドを当てたのは試合が初めてです」
――2023年のDEEPフューチャーキングトーナメント決勝も、根井選手のスタイルをよく表しているかと思います。対戦相手の氏原魁星選手が声を挙げながら脱出しようとしているのに対し、根井選手が無表情で削り続けるという。
「いやぁ、どうなんでしょう……(苦笑)。表情を変えないようにしていますが、実は試合中に焦ることもあります。アマ修斗全日本の1回戦目でトップを奪われたり、準決勝ではバックに回られて焦りました」
――その焦りが表情に全く表れませんね。これまで最も焦った瞬間は、どのシーンでしたか。
「プロデビュー戦です。開始早々に相手の右ストレートを避けたつもりが、鼻に直撃してメチャクチャ痛かったです(苦笑)。あの試合はずっと焦ったまま試合をしていました。なかなか自分に有利な体勢にも持っていけなくて」
――とはいえ、グラウンドに持ちこむとすぐにRNCを極めて勝利しました。これまでプロで3戦を経験し、2勝1分という戦績です。ご自身としては試合内容について、納得いっていますか。
「プロデビュー戦以外は、なかなか自分が有利な体勢に持ち込めていないです。2戦目は倒してもすぐ立ち上がられました。3戦目なんて自分がテイクダウンされ、下になったままだったので最悪の展開です」
――これだけアマ時代に実績がありながら、プロでは苦戦することもある。アマとプロで何か違いは感じましたか。
「う~ん、それが自分では分からなくて難しいです。ただ、プロの試合だけでいうと、2戦目は相手がストライカーでした。自分としては絶対に極めようと思っていたけど、極められずに……。自分はテイクダウンはできても、抑え込むのが下手だったと思います。
3戦目はグラップラーを相手に、打撃で攻めて判定勝ちしようと考えていたら、うまく行きませんでした。相手がテイクダウンに来ることは分かっているのに、自分は高く構えて、そのまま倒されたり。やっぱりアマチュアの時と比べたら、プロの試合では相手も立ち上がるのが巧いし、力も違いました」
――根井選手は16歳で仕方ないところかもしれませんが、まだ線が細いところはあるものの、体型がガッシリしていますよね。
「はい、筋肉は付きやすいほうだと思います。あと、父は高校2年生から5~6センチ伸びたらしくて、自分ももっと伸びたら良いなぁと考えています。これは変な考えかもしれないのですが、将来的にストロー級ではなくもっと重い階級で戦っていきたいです」
――別に変な考えではないでしょう(笑)。重い階級とは、どのあたりまで考えていますか。
「フライ級……できればバンタム級まで上げたいです」
――中学時代は鶴屋怜選手からレスリングを教わっていたそうですね。ご自身が指導を受け、フライ級でRoad to UFC決勝に進んでいる鶴屋選手の存在は大きいですか。
「存在は大きいです。でも強すぎて……自分は片腕でやられてしまうぐらい、レベルが違いすぎます。『今回も勝ったんだなぁ』と嬉しい気持ちになありますが、今のところ『自分もUFCに出たい』と考えられるようなレベルではないです」
――では現時点で、MMAを戦ううえでの目標を教えてください。
「RIZINに出て――お金が欲しいです」
――正直で良いと思います! ちなみに同年代の中で、RIZINをはじめMMAの認知度は高いのでしょうか。
「朝倉未来選手の人気が高く、その影響でRIZINを知っている人は多いです」
――周囲の同級生は、根井選手がMMAをやっていることは知っているのでしょうか。
「何人かは知っています。ただ、僕は人とコミュニケーションが取れなくて……友達がいなません(苦笑)。それでも『次の試合はいつ?』とか声を掛けてくれる人はいます」
――コミュニケーションの点も今後に期待しましょう! 次の対戦相手、麻生選手について印象を聞かせてください。
「印象——足関節ですね。最近は一つの技だけを突き詰めようとしている選手は少ないと思うんです。そういうタイプの選手と対戦できるのは貴重な経験なので、試合を楽しみにしています。面白いことをやってくる選手ですし、自分も対抗できるような面白い技を準備しています」
――新人王トーナメントで優勝した次のことは考えていますか。
「プロデビューしてから、西川大和選手が最年少でベルトを巻いたと知りました(※西川は18歳9カ月で修斗世界ライト級王座を獲得している)。僕の目標は高校生のうちにベルトを獲ることで、修斗の最年少記録を更新したいです」
■視聴方法(予定)
1月28日(日)
第1部 午後12時30分~ ABEMA格闘チャンネル
第2部 午後17時30分~ ABEMA格闘チャンネル
■第2部対戦カード
<修斗環太平洋バンタム級選手権試合/5分3R>
[王者]藤井伸樹(日本)
[挑戦者]須藤拓真(日本)
<インフィニティリーグ2023女子ストロー級/5分2R>
藤野恵実(日本)
吉成はるか(日本)
<インフィニティリーグ2023女子ストロー級/5分2R>
宝珠山桃花(日本)
杉本恵(日本)
<バンタム級/5分2R>
人見礼王(日本)
榎本明(日本)
<バンタム級/5分2R>
伊集龍皇(日本)
藤田ムネノリ(日本)
<ストロー級/5分3R>
黒部和沙(日本)
大田ノヒロ(日本)
<フェザー級/5分2R>
岡田逹磨(日本)
椿馨(日本)
<フェザー級/5分2R>
加藤裕彦(日本)
歩生(日本)
■第1部対戦カード
<フェザー級/5分3R>
TOMA(日本)
齋藤翼(日本)
<フライ級/5分3R>
関口祐冬(日本)
ヤックル真吾(日本)
<フライ級/5分3R>
宮城友一(日本)
鈴木崇矢(日本)
<バンタム級/5分2R>
永井奏多(日本)
HAMMER KATU(日本)
<2023年度新人王Tストロー級決勝/5分2R>
根井博登(日本)
麻生Leg Lock祐弘(日本)
<2023年度新人王Tフライ級決勝/5分2R>
亮我(日本)
永留惇平(日本)
<2023年度新人王Tバンタム級決勝/5分2R>
JAM(日本)
磯城嶋一真(日本)
<2023年度新人王Tフェザー級決勝/5分2R>
松浦真実也(日本)
ネイン・ディネッシュ(日本)
<2023年度新人王Tライト級決勝/5分2R>
グ・ジユン(日本)
嵯峨“ゴーレム”健史(日本)