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【Gladiator020】巻き返しの第一歩=ジョン・オリニド戦。笹晋久「なぜ、この人と戦わないと?」

【写真】まるで未知数。ただし、フィリピンの3勝0敗のファイターには負けられないという気持ちがあって然りだろう (C)MMAPLANET

22日(日)、大阪府豊中市の176Boxで開催されるGladiator020でジョン・オリニドと対戦する笹晋久。

2021年はHEATでドロー、Gladiatorで敗北とキャリアの仕切り直しが上手く行かなかった笹。働きながら強くなることに限界を感じた彼は、MMAファイター一本の生活に切り替えた──そして、キャリア3勝0敗の無名のフィリピン人選手とのオファーに『なぜ、この選手と戦わないといけないのか』と一度は固辞したという。

翌日には試合を受けることを了承した笹だが、こんなところで躓くわけにはいかないという想いが言葉の端々から伝わってきた。


──笹選手、22日にジョン・オリニドとグラジエイターで試合が決まっています。今のコンディションはいかがですか。1月の試合が正月もあり、練習環境を整えるのが難しいという話もありますが(※取材は11日に行われた)。

「31日も元旦も、2日も3日も練習してきたでの大丈夫です。修斗で戦う山本琢也選手、2月のDEEPに神田コウヤ選手達、試合に出場する選手達もそうだし、試合がない選手もやる気がある人は練習していました。だからいつも通りの試合前でした」

──ではグラジエイター2戦目ですが、2021年と2022年は厳しい結果となりました。修斗やDEEPで戦って来た笹選手にとってグラジ初戦となった竹本啓哉戦の敗北には何を想いましたか。

「そうですね、竹本選手は凄く強い選手と改めて思いましたし、自分の甘さ、練習への姿勢もダメだったと思わされました。あの試合後、仕事を辞めて練習だけの日々を送るようにしました」

──仕事を辞めた……。それが良いことなのか自分には分からないのですが、そこまでしないといけないという気持ちにされたということでしょうか。

「年は下の子たちなんですけど、鶴屋怜君や内田タケル君たちは1日に2回と練習をメインの生活をしています。先輩の扇久保(博正)さんとか、格闘技だけに集中している人達を見て、俺はこのままではダメだなって。生活は厳しくなっていますし、世間的には仕事をしないことがどういう風に思われるのか、それはずっと仕事をしてきたので分かるんです。

けど、それぐらいしないと、甘い世界ではないので。しかも僕はバックバーンもないですし、練習量でしかカバーできないので。格闘技は今しかできないと思いますから」

──生活が厳しくなると言われていましたが、つまりは格闘技で食っていけるようにならないと、そのような生活は早晩続けられなくなるということですね。

「僕はもう32歳なのですが、ずっと格闘技をやっていくつもりです。いつまでという考えはないですけど、そのために試合に出て結果を残していきたいです」

──そのなかで首都圏の選手の視野になかなか入らないHEATとグラジに出場したことで、どのような印象を持ちましたか。

「雰囲気が修斗とは違うなと思いました。選手の雰囲気──ですね。ちょっとやんちゃ系の人が多いと感じました。修斗とDEEPも違うのですが、グラジエイターはアウトロー的に感じました」

──前回の竹本選手との試合は2回戦でした。3R制とはまた違う戦いが必要だったかと思います。

「正直、3Rの方が良いというのはあります」

──今回のジョン・オリニドは3回戦です。キャリア3勝0敗、無名のフィリピン人選手とのオファーをどのように思いましたか。

「鶴屋さんから言われて、『誰?』って思いました。全然分からなくて、戦績しか聞かされていなくて。『なんで、この人と』と思って正直、最初は断りました。でも翌日にジムに来たら、鶴屋さんから『なぜ、試合を受けない』と言われました。そこでハセケンさんが見つけてきた選手とか聞いて、『それならやりたい』と」

──『なんでやらない』って言われても、何も知らなくてキャリア3戦の選手だと聞かされると、それはやらないですよね(笑)。

「(苦笑)。でも鶴屋さんから、ハセケンさんが見つけてきてグラジエイターでは国際戦を増やしていく。ここから良い流れになるだろうって説明を受けて、それならやるぞって。試合を受けると決めて映像をチェックしたのですが、若くて凄く勢いがあって良い選手だとは思いました」

──映像を視て、よりやる気が出たと?

「そういうことではないです。選ばれた選手だと聞いて、それだったらと思いました」

──ただし、それこそキャリア3勝0敗の19歳の選手。ここは負けられないし、どのように魅せたいと思っていますか。

「逆に自分は32歳です。そんなにテクニックがあるわけではないですけど、日本人の気持ちの強さとかを見せたいと思います」

──グラジエイターが元UFCファイターを招聘し始めた。笹選手もそういうファイターと戦うことになるかもしれないです。

「そういう選手を呼んでくれることは凄く良いことだと思います。自分も戦ってみたいです」

──と同時にグラジのバンタム級タイトルというモノに関して、どのように思っていますか。

「もちろん、ベルトは欲しいです。そのために今回の試合は良い勝ち方をしないといけないです。グラジのベルトを獲った後もさらに上を目指したいので」

──5月のHEAT、9月のGladiatorと笹選手の動きに躊躇するようなところがあると感じたのですか。

「それは……正直、春日井さんと竹本さんの試合の時って、仕事の量が増えて練習環境が良くないというのはありました。でも気持ちは何も変わることはなかったです。怖いとか一切思わないし。緊張も全くしない気質ですし。ただし練習量が足らなかった。それが自分でも感じ取られたので、仕事を辞めました。

だから今回の試合は前の2試合とは全然違います。攻撃的に攻めまくって、勝ちたいと思います」

■視聴方法(予定)
1月22日(日)
午後2時20分~THE 1 TV YouTube

■ Gladiator020対戦カード

<フライ級/5分2R>
坪内一将(日本)
陸虎(日本)

<バンタム級/5分2R>
今村豊(日本)
秋田良隆(日本)

<ウェルター級/5分2R>
藤田大(日本)
スティーブン・ギレスピ(英国)

<Gladiatorフェザー級王座決定戦/5分3R>
中川皓貴(日本)
チョ・ソンビン(韓国)

<Gladiatorライト級選手権試合/5分3R>
[王者]キ・ウォンビン(韓国)
[挑戦者]グスタボ・ウーリッツァー(ブラジル)

<Progressフォークスタイルグラップリング・ウェルター級王座決定戦/5分3R>
森戸新士(日本)
ジョセフ・チェン(台湾)

<フライ級/5分3R>
宮城友一(日本)
久保健太(日本)

<キック・ウェルター級/3分3R>
璃久(日本)
イゴール・シルバ(ブラジル)

<バンタム級/5分3R>
笹晋久(日本)
ジョン・オリニド(フィリピン)

<バンタム級/5分2R>
溝口司(日本)
ガッツ天斗(日本)

<ヘビー級/5分2R>
大場慎之助(日本)
チョン・ホチョル(韓国)

<Progressフォークスタイル・グラップリング79キロ契約/5分2R>
山田崇太郎(日本)
井上啓太(日本)

<Progressコンバット柔術バンタム級/5分2R>
竹本啓哉(日本)
江木伸成(日本)

<アマMMA女子アトム級/3分2R>
住村斉明里(日本)
MIYU(日本)

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【Gladiator020】中川皓貴とフェザー級王座決定戦。チョ・ソンビン─02─「何も秀でているモノがない」

【写真】全てにおいて静のイメージのチョ・ソンビン。試合が始まると、どう変わるのか──怖い (C)MMAPLANET

明後日22日(日)、大阪府豊中市の176boxで開催されるGLADIATOR020で中川皓貴とGladiatorフェザー級王座を懸けて戦うチョ・ソンビン・インタビュー後編。

元UFCファイター&PFLファイターのチョ・ソンビンは、メジャーに戻るために絶対に負けられない一戦に向け──「全てにおいてレベルが違う」ことをアピール。そしてTOP FC時代に対戦経験のある中村ジュニアとの心温まる交友関係を話した。

<チョ・ソンビン・インタビューPart.01はコチラから>


今日の午後、大阪に到着。ここからドライアウトか(C)PROGRESS

──UFCリリース後、PFLで戦った。チョ・ソンビン選手は北米での成功を目標としているのですか。

「UFCへの想いが残るなか、PFLのシーズンフォーマットにも興味がありました。UFCでやり遂げることができかったことを、同じ北米が舞台のPFLでやり遂げたかったです」

──そのPFL継続出場に影響が出るかもしれないグラジエイターでの試合となりますが、中川選手はどのようなファイターだと思っていますか。

「試合の動画を見ました。ウェルラウンダーですが、クリンチからの柔道の投げが印象に残りました。バックボーンは柔道なのでしょうね。そこに重点を置いて、対策を練り練習している最中です。ただし、何か驚くようなことはない選手です。何も秀でているモノがない。一応、全てにおいて自分が上回っていると思っています」

──大阪の地でどのような試合をファンに見せたいと考えていますか。

「自分はストライカーで、打撃が得意なファイターでしたが、これまで見せていない部分でも試合で試してみたいです。作戦は用意しますが、全ては中川選手の出方次第です」

──では最後にファンへメッセージをお願いします。

「ハジメマシテ。ワタシ・ハ・チョ・ソンビン・デス。久しぶりの日本の試合ですが、会場に来てくれるお客さん全員が満足できる試合をします。宜しくお願いします。

あとTOP FCで中村ジュニア選手と戦った時、彼は自分のパンチでアゴの骨が折れてしまいました。にも拘らず試合後、気を失ってもおかしくないような痛みの中で中村選手は立ち上がり、ケージの中にいた人をかき分けて私に挨拶をしに来てくれました。

あの時の中村選手の行動に本当に感動しました。あれ以来、家族ともどもLINEで繋がっていて中村選手の奥さんや娘さんとも仲良くさせてもらっています。今回の試合も大阪まで応援に来てくれるということで、本当に嬉しいし張り切っています!!」

■ Gladiator20対戦カード

<フライ級/5分2R>
坪内一将(日本)
陸虎(日本)

<バンタム級/5分2R>
今村豊(日本)
秋田良隆(日本)

<ヘビー級/5分2R>
大場慎之助(日本)
チョン・ホチョル(韓国)

<Gladiatorフェザー級王座決定戦/5分3R>
中川皓貴(日本)
チョ・ソンビン(韓国)

<Gladiatorライト級選手権試合/5分3R>
[王者]キ・ウォンビン(韓国)
[挑戦者]グスタボ・ウーリッツァー(ブラジル)

<Progressフォークスタイルグラップリング・ウェルター級王座決定戦/5分3R>
森戸新士(日本)
ジョセフ・チェン(台湾)

<フライ級/5分3R>
宮城友一(日本)
久保健太(日本)

<バンタム級/5分3R>
笹晋久(日本)
ジョン・オリニド(フィリピン)

<キック・ウェルター級/3分3R>
璃久(日本)
イゴール・シルバ(ブラジル)

<バンタム級/5分2R>
溝口司(日本)
ガッツ天斗(日本)

<ウェルター級/5分2R>
藤田大(日本)
スティーブン・ギレスピ(英国)

<Progressコンバット柔術バンタム級/5分2R>
竹本啓哉(日本)
江木伸成(日本)

<アマMMA女子アトム級/3分2R>
住村斉明里(日本)
MIYU(日本)

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【Gladiator020】竹本啓哉とコンバット柔術=江木伸也─02─「寝技も掌底でも仕留める自信があります」

【写真】鬼気迫る表情で、かつ淡々と掌底を落とす江木は正直怖い(C)MMAPLANET

22日(日)、大阪府豊中市の176Boxで開催されるGladiator020で、PROGRESSコンバット柔術ルールで竹本啓哉と対戦する江木伸成のインタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

幼少期から現在まで、空手~柔道~テコンドー~MMA~柔術と様々な格闘技を経験してきた江木にとって、今回の竹本戦はプロMMA出場に向けた最後のテストマッチとなるだろう。強くなるための道を歩み続けてきた男の、ファイター人生第二章が始まる。

<江木伸成インタビューPart.01はコチラから>


――パッとハマった柔術の魅力とは何だったのでしょうか。

「柔術のゲーム性と、これをやれば強くなれるなっていう印象でした。当時はまだ白帯で、初めて柔術の試合に出たのは2016年です。そこから2019年に、藤田先生から黒帯を頂きました」

――初めて試合に出たのが2016年で、3年で黒帯を巻くのは早いほうではないですか。

「一般的に見れば早いほうだと思います。とにかく仕事がない時は毎日練習に行って、たくさん試合にも出続けました。藤田先生は――特に若い人間に対しては――試合で実績を残さないと帯も昇格させないタイプの方で。僕も強くなって、より上の帯を頂くために柔術にのめり込んだんです」

――紫帯時代に全日本を制し、茶帯になってからアジア選手権で3位になっています。黒帯に昇格してから、ムンジアルなど柔術で世界を目指そうとは考えなかったのでしょうか。

「もちろん目指したい気持ちはありましたが、消防士というシフト勤務の仕事をしていた関係で、滞在期間や自分の実力もふまえて『海外の大会に出るべきではない』と思いました」

――消防士ということは、24時間勤務の翌日はお休みで、次の日はまた24時間勤務という体制だったのですか。

「そうです。なんとか勤務を調整して連休を取ることはできます。でもムンジアルの場合は1週間前から現地に入ったりしますし、そうなると仕事を休むのは難しくて……。それと紫帯で全日本優勝したあと、またパッとMMAをやりたい気持ちが降ってきたんです」

――何か新しいことにチャレンジする時は、常に『パッと』気持ちが降ってくるのですね。

「アハハハ。なぜそんな気持ちになったのか、自分でも分からないままで(笑)。まずグラップリングを鍛えてからMMAをやろうと思って、佐々木信治さんと藤井惠さんにお会いして、BURSTで練習させていただくようになりました。

地元が福山市であったことと、僕が修斗グラップリングに出た時、同じ大会でBURSTの選手が活躍していたのが印象に残っていたんです。でも仕事も忙しくなって、なかなかBURSTにも行くことができずにいた時、筋トレをして体を鍛えようと思いまして。MMAをやるためには筋トレも必要ですし。それで通い始めたトレーニングジムに、ボディビルダーの方がいまして。その方と筋トレの話をしていたら、ボディビルも面白いのではないかと――パッと頭に降ってきました」

――今度はボディビルですか!

「そこから筋トレにハマり、2017年から2018年はボディビルを極めてやろうと思っていました。大会にも出たのですが、広島県大会は予選落ちで……。それでもボディビルを続け、柔術と両立させようと考えていたんです。でもボディビルのために鍛えていた体で柔術をやると、何か動きが変なんですよね(苦笑)。

『昔の動きと違うな』と思い始めて――そうこうしているうちに黒帯に昇格し、柔術に専念することしたら頭の中からボディビルのことは頭から消えていまして。でも黒帯に昇格したら今度はMMAをやりたくなり、アマチュアパンクラスに出ました(2020年2月、腕十字で勝利)」

――ということは江木選手にとって現在、柔術はインストラクターを務める仕事であり、それ以外の競技に挑戦したいというスタンスなのでしょうか。

「正直、コロナ禍もあったので『このままインストラクターとして、のんびりやっていこうか』と考えていました。でもプログレスでコンバット柔術のオファーを頂いて、自分の心に火がついてしまったんです。やっぱり競技者として戦っていきたい。だから消防士の仕事は辞めて、プロの試合に出てファイトマネーをもらっても良い仕事に転職しました」

――えっ!?

「コンバット柔術のオファーを頂いた時、やっぱりパッと降ってきたんです(笑)MMAをやりたい、柔術もやりたい――その2つの気持ちが合わさったようなルールがある。自分にとっては、良いとこ取りのルールです。当時はすでにレオス柔術アカデミーで、藤田章大先生のMMAクラスに参加していました。コンバット柔術をやることはMMAに生きる、これは絶対にやらないといけないと即決しましたね」

――江木選手のコンバット柔術初戦は、昨年5月のHEATで生田誠選手と対戦しました。

「まずMMAをやりたいと思っていた人間として、ケージに入ることができて嬉しかったです。それに生田さんは憧れている柔術家で。僕は生田ガードが大好きで、今でもよく使っています。生田さんのセミナーに参加したことがある人から教わったり、生田さんの動画を視て勉強していました。

その生田さんと柔術でも対戦したことがないのに、コンバット柔術で――しかもケージで向かい合うとは複雑な気持ちもありました。自分でも何がどうなっているか分かっていなくて(笑)。でも、とにかく嬉しかったです」

――その生田戦では、江木選手が生田選手の足を掌底で叩いてガードを外そうとするシーンが印象的でした。まさにコンバット柔術ならではの攻防といえるでしょう。

「あれは藤井先生から言われました。『掌底でカーフを叩いたら、メチャメチャ痛いけぇ』と――完全に作戦通りでしたね。顔面、ボディ、そして足と掌底を散らしていく。MMAファイターだからこそ思いつくことだったと思います」

――現在の江木選手にとって、プロMMAとは一度経験したいものでしょうか。それとも今後はMMAファイターとして、さらに上を目指していこうと考えているのですか。

「僕は今32歳で、時間は限られています。でも、やるかぎりは上を目指したいです。そしてMMAをやる舞台は、グラジエイターしか考えていません。

だから今回の試合は、絶好のアピールになると思っています。何といっても元グラジエイター王者で、グラップラーであり柔術茶帯の竹本選手とコンバット柔術で戦う。自分がプロMMAで戦うための最後のテストマッチとして、これ以上の試合はありませんから。最初はMMAのオファーを頂きながら、最終的にコンバット柔術の試合になりましたけど、これが自分にとって必要な試合だったんだなと思っています」

――では竹本選手の印象を教えてください。

「MMAの試合では組みがねちっこくて強い。ケージレスリングもできるし、柔術の寝技もできる。組みが強いMMAファイターです。ケージレスリングについては、僕もずっと練習してきました。今は壁際の練習やケージレスリングが大好きで、さらに寝技も掌底でも仕留める自信があります」

――これまで様々な格闘競技を経験してきた江木選手です。果たして現在は柔術家なのか、それともコンバット柔術家なのか、あるいはMMAファイターになりたいということなのか。ご自分で自身の肩書は何だと思いますか。

「うーん、難しいですけど……僕はファイターです。どんなルールでも戦うことができて、どんなルールでも強い。それが僕の目指しているものです」

■視聴方法(予定)
1月22日(日)
午後2時20分~THE 1 TV YouTube

■ Gladiator020対戦カード

<フライ級/5分2R>
坪内一将(日本)
陸虎(日本)

<バンタム級/5分2R>
今村豊(日本)
秋田良隆(日本)

<ウェルター級/5分2R>
藤田大(日本)
スティーブン・ギレスピ(英国)

<Gladiatorフェザー級王座決定戦/5分3R>
中川皓貴(日本)
チョ・ソンビン(韓国)

<Gladiatorライト級選手権試合/5分3R>
[王者]キ・ウォンビン(韓国)
[挑戦者]グスタボ・ウーリッツァー(ブラジル)

<Progressフォークスタイルグラップリング・ウェルター級王座決定戦/5分3R>
森戸新士(日本)
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<フライ級/5分3R>
宮城友一(日本)
久保健太(日本)

<バンタム級/5分3R>
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<キック・ウェルター級/3分3R>
璃久(日本)
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<バンタム級/5分2R>
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<ヘビー級/5分2R>
大場慎之助(日本)
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<Progressフォークスタイル・グラップリング79キロ契約/5分2R>
山田崇太郎(日本)
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<Progressコンバット柔術バンタム級/5分2R>
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【Gladiator020】フライ級王座を見越した久保健太戦へ、宮城友一─02─「自分はこのままじゃいけないと」

【写真】伊藤裕樹、関口祐冬、安谷屋智弘、NavE、宇田悠斗、駒杵嵩大──勝っても負けても、錚々たるメンバーと宮城は試合を続けてきた。久保の好戦績に向き合った時、そこに自負はあるだろう(C)MMAPLANET

22日(日)、大阪府豊中市の176Boxで開催されるGladiator020で、久保健太と対戦する宮城友一のインタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

1年4カ月ぶりのグラジエイター出場で、宮城も対戦する久保もアラフォーだ。お互いの年齢とキャリアを考えれば、ここで負けるとタイトル挑戦への道は厳しくなるだろう。そんな共通点を持つ久保の印象を訊くとともに、宮城にあの言葉の意味を尋ねた。

<宮地友一インタビューPart.01はコチラから>


――宮城選手はかつてグラジエイターでライトフライ級のベルトを巻いていました。現在は修斗のベルトを目指しているとのことですが、もう一度グラジエイターのチャンピオンになりたいという気持ちはありますか。

「もちろん、あります。自分が目標にしているのは、修斗とグラジエイターのベルトです。その2つをモチベーションに、日々練習しています。今回の試合で勝つことで、またグラジエイターのベルトに近づくことができれば良いなぁと思っています」

――対戦相手の久保健太選手はRoad FCでのプロデビュー戦で星を落とし、その後4連勝。2021年には鶴屋怜選手に敗れるも、以降は3連勝しています。3連勝のうち2勝はグラジエイターでのもの――つまり、グラジエイター・フライ級のベルト戦線に関わってくるマッチメイクかと思います。

「僕もそういう意味合いを持っている試合だと感じています。自分としてはNavE選手に負けているので(2021年9月、フライ級タイトルマッチで判定負け)、すぐ再戦させてほしいとは言えません。ただ、今回勝てば再戦に近づくことはできるだろうと考えています」

――では、久保選手の印象を教えてください。

「まず戦績が良いですよね(MMA戦績7勝2敗)。勝つ選手は、絶対に強い。砂辺さんとも『絶対に強い選手だから勝ちに徹する。確実に勝ちに行こう』という話をしました」

――久保選手も強い打撃を持っている一方で、手堅い攻めができる選手ですよね。

「はい、しっかり勝つ選手だなって印象があります。だから反対に、試合の展開についてはいろいろ想像してしまって……。もう試合も近いので、そこは迷わずに、砂辺さんと作戦をしっかり固めています。この作戦を遂行すれば大丈夫だろう、というところまで来ました」

――宮城選手は1983年生まれで現在39歳、久保選手は1982年生まれの40歳です。お互いキャリアは違うものの年齢も近く、久保選手もまた宮城選手と同様、グラジエイターでキャリアが変わった選手ではないでしょうか。

「プロモーターも、そういうところを狙ったマッチメイクなのでしょうね(笑)。このグラジエイターという新しい舞台で、もうひと輝きしたいと思っているのは僕も彼も同じです。ただ、僕は僕で積み重ねて来たものがあるつもりだし、そこは負けてないと自信を持っています。試合内容としては、圧倒して勝ちたいです」

――なるほど。宮城選手にとっては、これからがラストチャンスと考えているのでしょうか。修斗沖縄大会でKO勝ちしたあと、「あと少し、死ぬ気で頑張って上を目指したい」と仰っていました。

「……何て言うんでしょうね。周りの人から『もうそろそろ辞めたほうが良いんじゃないか』と言われることはないです。みんなが応援してくれています。でも自分の中で勝手に、『周りの人たちに迷惑をかけているんだろうなぁ』という気持ちが強くなっているんですよね。ジムもあるし、家族がいて――家族から辞めてほしいと言われることはないですが、それでも考えてしまうことがあって。

ジムで一緒に働いてくれているスタッフさんも『先生、僕たちにジムは任せて試合を頑張ってください』と言ってくれるけれども、そういう言葉に対して自分で勝手にプレッシャーを感じるようになってきました。だから今は毎試合、『あと少しやらせてください』という言葉が出てしまいますね」

――もう一つ気になる発言がありました。「選手として死ぬ気で頑張るということを、長らくやっていなかった気がします」と仰っていましたが、現場で「そんなわけがない」と思いました。ここまでMMAを続けてきた宮城選手が、死ぬ気で頑張っていないはずがない。

「もちろん自分としては、一生懸命やってきたつもりです。でもジムの仕事や人間関係などとのバランスを取りながら、選手生活を続けてきました。それでも強い選手を見ていたり、沖縄で若い選手たちと練習していると――彼らは一つのことに懸けているわけです」

――……。

「若い選手たちは練習でヘトヘトになり、また次の日も……という日々を過ごしています。僕もそういう日々を過ごしたかったけど、ジムもあり家族もいて、同じようなMMAとの向き合い方ができなかった。ジムを立ち上げる前は会社員をやっていて、最初から生活ありきで考えていました。

会社員であったり自分のジムを持っていたら当たり前かもしれないけど、どうしても仕事のほうに心と体が引っ張られてしまうことがあったんです。でも若い選手たちと練習していて、自分はこのままじゃいけないと思いました」

――今、沖縄から若いMMA選手が多く出てきていますね。

「そうですね。昼にパラエストラ沖縄の練習に参加すると、25人ぐらい集まっていますよ。そして、みんな強いです。平良達郎君はもちろん、南風原吉良斗君や旭那拳君たちは本当に一生懸命やっています。砂辺さんのクロスラインからも、当真佳直君が修斗沖縄大会のメインを務めたりとか。僕はあと何年、MMAを続けられるか分かりません。だからこそ――彼らと同じように一生懸命やってみようと思ったんです」

――なるほど。

「実は修斗で関口祐冬選手と対戦した時(2022年3月に判定負け)も思っていて。修斗の入場式で、みんな並んだ時に『この中で自分だけ何かが足りないんじゃないか』って。でも、一生懸命やろうと考えてから、気持ちも吹っ切れました。おかげで、今は試合へのモチベーションは高いです。

練習ではヘトヘトになるし、かといってジムの指導を休んでいいわけではない。それでも毎日が充実していて、自信にもなっているし、自分の中で納得できる取り組み方ができています。これからも1試合1試合、絶対に後悔することがないように」

■視聴方法(予定)
1月22日(日)
午後2時20分~THE 1 TV YouTube

■ Gladiator020対戦カード

<フライ級/5分2R>
坪内一将(日本)
陸虎(日本)

<バンタム級/5分2R>
今村豊(日本)
秋田良隆(日本)

<ウェルター級/5分2R>
藤田大(日本)
スティーブン・ギレスピ(英国)

<Gladiatorフェザー級王座決定戦/5分3R>
中川皓貴(日本)
チョ・ソンビン(韓国)

<Gladiatorライト級選手権試合/5分3R>
[王者]キ・ウォンビン(韓国)
[挑戦者]グスタボ・ウーリッツァー(ブラジル)

<Progressフォークスタイルグラップリング・ウェルター級王座決定戦/5分3R>
森戸新士(日本)
ジョセフ・チェン(台湾)

<フライ級/5分3R>
宮城友一(日本)
久保健太(日本)

<バンタム級/5分3R>
笹晋久(日本)
ジョン・オリニド(フィリピン)

<キック・ウェルター級/3分3R>
璃久(日本)
イゴール・シルバ(ブラジル)

<バンタム級/5分2R>
溝口司(日本)
ガッツ天斗(日本)

<ヘビー級/5分2R>
大場慎之助(日本)
チョン・ホチョル(韓国)

<Progressフォークスタイル・グラップリング79キロ契約/5分2R>
山田崇太郎(日本)
井上啓太(日本)

<Progressコンバット柔術バンタム級/5分2R>
竹本啓哉(日本)
江木伸成(日本)

<アマMMA女子アトム級/3分2R>
住村斉明里(日本)
MIYU(日本)

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【Gladiator020】19歳、フィリピンのヤングブラッド=ジョン・オリニド「僕は若くてハンサム、スマート」

【写真】2003年10月9日生まれの19歳。去年、高校を卒業したばかりだという(C)SHOJIRO KAMEIKE

22日(日)、大阪府豊中市の176Boxで開催されるGladiator020で笹晋久と対戦するジョン・オリニド。

19歳、キャリア3勝0敗の無名のファイターは昨年12月に選手の発掘を目的として、フィリピンに渡った長谷川賢グラジエイター・タレントリレーションの目に留まった選手だ。初めて日本行き、興奮を隠せないオリニドに話を聞いた。


──もう5日後にグラジエイターで笹晋久選手と試合をします。今の気持ちを教えてください。

「凄くエキサイトしているよ。でも、自分のスキルには自信を持っている。日本の人達に喜んでもらえる試合をしたい」

──12月に長谷川賢選手がマニラを訪れ、エロルデ・ボクシングジムで練習を見学させてもらうようお願いしていたら、ククイ・エロルデさんのマネージメント配下にあるファイターが20人近く集まっており、トライアウトのような形で皆がスパーをしました。あの時、イの一番でケージの中に入ったのがジョンでした。

「とにかくこの機会を逃してたまるかって思って、スパーをした。そして日本に行く機会を得ることができた。最高の試合を日本でやってみせる。僕は若くて、ハンサム、そして頭が良い。すっごく良い試合ができる。勝利をフィリピンに持ち帰るんだ」

──19歳だと聞いています。ジョンの格闘技歴を教えてください。

「5歳の時に極真空手を始め、小学校6年生の時にテコンドーにスイッチした。極真空手では茶帯で、テコンドーは黒帯一段だよ。2020年にロランド・ディに出会い、MMAの練習をスタートした。トラディショナル・マーシャルアーツは『もういいや』と思った。MMAのように全局面の格闘技を戦いたいと思うようになっていたから。MMAの練習を始めて1年半だよ。

MMAを始めるまで柔術もレスリングも経験がなかった。でもグラップリング歴1年ぐらいで組み技のトーナメントに出るようになると、いつも良いリザルトを残せた。僕にはグラップリングの才能があったんだ」

──元UFCファイターのディはパンチャーですが、組み技に課題があったファイターという印象が残っています。

「僕らのジムにはヤコブ・ミロスワ・ビルコというポーランド人の柔術コーチがいて。彼はブルータルポリッシュ柔術という自分のチームも持っている。他にもレスリングにはチーム全体で凄く力を入れているし、僕には多くのスタイルにアダプトでいる能力が備わっているんだ。どんなファイティング・スタイルでも戦うことができる」

──今回、初めてファイトウィークに飛行機の旅をして、異国で計量が待っています。その辺りに不安はないですか。

「ないよ。今70キロか71キロあるけど、減量は全く心配していない。日本に着いてからしっかりと体重を落とせるよ。多くの水抜きが必要? そうだね、僕は大きいからね。でも大丈夫、筋肉量も多いからドライアウトに適している」

──対戦相手の笹選手について、どのような印象を持っていますか。

「1カ月前にこの試合が決まってから、試合をチェックした。僕より経験があることは確かだし、その点は尊敬している。でも、凄く普通の選手だ。全てにおいて平均的で。打撃はそれほどでなく、体が強い。でも、レスリングもそれほどじゃない。ただし、僕が日本のMMAが大好きな要因であるビッグハートの持ち主だ。精神力が凄い。技術面に関しては、僕の方が上だという自信がある。彼とは違うレベルにあると思っている。

とにかく今回、グラジエイターが僕を日本に呼んでくれることに感謝している。僕らは海外で試合がデキる機会はほとんどない。将来、国際的な大きな大会で戦いたいと思っているから、ここで国際戦と海外遠征という経験をさせてくれて本当に嬉しい。僕はグラジエイターからレガシーを創り始める」

──ではジョンのMMAファイターとしての夢は?

「今はグラジエイターのベルトが欲しい。そこからステップアップを果たし、最終的にはUFCで戦いたい」

──ONEはフィリピンでもあれだけのファンを集めていますが、ジョンの夢はUFCなのですね。

「ONEはもうエドゥアルド・フォラヤン、ジョシュア・パシオをはじめとするフィリピン人のチャンピオンが何人もいた。でもUFCは違う。マーク・ストリーグル、コーチのロランド・ディはUFCで結果を残せなかった。

僕はフィリピ人として結果を残したい。名誉とかどうでも良いんだ。レガシーを残したい。僕のヒーローはGSP、ジョン・ジョーンズ、ジョゼ・アルド、コナー・マクレガーだった。彼らが戦っていたUFCで、僕も戦いたいんだ。

それとONE Warrior Series PHで戦ったけど、あのハイドレーションのある計量方法は僕には合わない。あれじゃ戦えない。僕にとってバンタム級は135ポンドであって、145ポンドじゃないんだ。減量は、全く苦でないから」

──では日本のファンに一言、お願いします。

「日本のファンはササの応援をすると思うけど、ゴメンナサイ。この試合は僕が勝つ。ただ爆発力があって、豪快な試合をして皆に楽しんでもらうことを約束するよ」

■視聴方法(予定)
1月22日(日)
午後2時20分~THE 1 TV YouTube

■ Gladiator020対戦カード

<フライ級/5分2R>
坪内一将(日本)
陸虎(日本)

<バンタム級/5分2R>
今村豊(日本)
秋田良隆(日本)

<ウェルター級/5分2R>
藤田大(日本)
スティーブン・ギレスピ(英国)

<Gladiatorフェザー級王座決定戦/5分3R>
中川皓貴(日本)
チョ・ソンビン(韓国)

<Gladiatorライト級選手権試合/5分3R>
[王者]キ・ウォンビン(韓国)
[挑戦者]グスタボ・ウーリッツァー(ブラジル)

<Progressフォークスタイルグラップリング・ウェルター級王座決定戦/5分3R>
森戸新士(日本)
ジョセフ・チェン(台湾)

<フライ級/5分3R>
宮城友一(日本)
久保健太(日本)

<キック・ウェルター級/3分3R>
璃久(日本)
イゴール・シルバ(ブラジル)

<バンタム級/5分3R>
笹晋久(日本)
ジョン・オリニド(フィリピン)

<バンタム級/5分2R>
溝口司(日本)
ガッツ天斗(日本)

<ヘビー級/5分2R>
大場慎之助(日本)
チョン・ホチョル(韓国)

<Progressフォークスタイル・グラップリング79キロ契約/5分2R>
山田崇太郎(日本)
井上啓太(日本)

<Progressコンバット柔術バンタム級/5分2R>
竹本啓哉(日本)
江木伸成(日本)

<アマMMA女子アトム級/3分2R>
住村斉明里(日本)
MIYU(日本)

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【Gladiator020】ジョセフ・チェンとFSGウェルター級王座決定戦、森戸新士─02─「これまでと違う戦い」

【写真】ポイントが入らなくて、勝つためにパスという展開は見られるのか。またジョセフ・チェンは下攻めを選択するのか(C)MMAPLANET

22日(日)、大阪府豊中市の176Boxで開催されるGladiator020で、PROGRESS初代フォークスタイルグラップリング・ウェルター級王座を懸けてジョセフ・チェンと対戦する森戸新士のインタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

対戦相手であるジョセフ・チェンについて語ってもらった前編に続き、そのジョセフ・チェンと如何に戦うかを訊いた。プログレスに限らずプログラップリングの場で、様々な相手と戦ってきた1年の集大成――森戸はその腰に初のベルトを巻くことができるか。

<森戸新士インタビューPart.01はコチラから>


――今回のジョセフ・チェン戦はADCCルールでもサブオンリーでもなく、フォークスタイルグラップリングマッチです。その点で森戸選手に利があると思いますか。

「それはあると思います。ただMMAグローブを着けた試合の経験ぐらいかもしれませんね。試合ではどんどんケージを使っていこうと考えていたのですが、B-teamの練習動画を視るとジョセフ・チェンも壁際の練習をしていて。しかもヴォルカノフスキーと壁際の練習をしているんですよ」

――UFC世界フェザー級王者のアレックス・ヴォルカノフスキーですか。

「クレイグ・ジョーンズがヴォルカノフスキーのグラップリングの練習パートナーで、ジョーンズはジョセフ・チェンを引き連れて練習していました」

――B-teamの練習動画といえば、ADCCオセアニア&アジア予選で対戦経験のある岩本健汰選手がジョセフ・チェンと一緒に練習していましたね。

「確か岩本選手はADCC予選で対戦する前にも、ジョセフ・チェンと一緒に練習したことがあるんですよね。まぁ、ジョセフ・チェンから『モリトはどんな選手なんだ?』と聞かれているかもしれないです(笑)。

僕は別に岩本選手と練習しているわけではないし、一度対戦したことがあるだけなので、特に気にはしていないです。ただ、セコンドには岩本選手が就くかもしれない。そこにクレイグ・ジョーンズも加わっていたら、ファンとして僕は嬉しいですけど。アハハハ」

――対戦相手のセコンドなのに(笑)。一方、森戸選手にとってはフォークスタイルグラップリングマッチで戦ううえで、ADCCルールやサブオンリーの試合しか映像のない相手の研究はできるものなのでしょうか。

「うーん、もともとジョセフ・チェンが情報のない選手ですから。ここ最近伸びてきている選手なので、そもそも試合映像も少ないです。とにかく強いっていう話を耳にするっていうぐらいで。でもスクランブルが強い選手なので、フォークスタイルグラップリングでもメチャクチャ強いと思いますよ。もちろんスタンドも強くて、壁レスもやっていますし」

――フォークスタイルグラップリングで必要な要素を兼ね備えている選手というわけですね。

「それに加えて、3R制なので引き込んでくる可能性もあると思っています。2ポイントを献上してでも極めに来るとか。まず相手は極めに来るでしょう。そうなるとシッティングからサブミッションを狙ったほうが、極められる可能性は高くなりますからね。そのジョセフ・チェンを相手に、どう戦おうかと考えています」

――森戸選手にとっても、過去のフォークスタイルグラップリングのように「引き込んだら優位」という試合展開ではないかもしれません。

「どうしても相手に2ポイントを献上してしまいますからね。僕も、これまでとは違う戦い方になると思います。須藤選手との試合(2022年9月、須藤拓真に4-1で勝利)でも、あれが他のノーギの試合であれば、全然違う試合展開になっていたはずです。どちらが先に引き込むか、という勝負があったり――一番はパスガードのポイントがあるかどうかで、試合展開が大きく変わってきます」

――その須藤戦も、過去の森戸選手の試合とは展開が大きく異なっていました。下になる須藤選手に対し、森戸選手がトップからどう攻めていくかという展開で。

「試合中にアジャストしたところは大きかったです。相手がテイクダウンに来ることはない、だからまず2ポイントを取りに行こうという意識はありました。でもこちらが組めば相手は引き込んでくるので、想定したものとは少し違っていたんですよ。足関節のセットアップも上手かったですし、何回か形を作られてしまって。そのためにリスクを取らずに、ポイントを守る形にアジャストしていきました」

――印象深かったのは、須藤選手がケージ際で背中を着けている状態で、森戸選手がやりづらそうにしていたシーンです。

「須藤選手はケージ際で戦おうとしていましたじゃないですか。だから僕はガードの中に入らず外からパスしようと考えたものの、ケージが邪魔でパスしにくかったです。それも相手の作戦だったと思います。ケージがあるので僕が回りきれず、そこに足関節を取りに来るとか。そのために戦い方を変えました」

――きっと過去の試合では、森戸選手の相手がそう考えていたのだろうなと。

「アハハハ、そうでしょうね」

――須藤戦から3カ月後には、闘裸男寝試合=サブオンリーの試合で白木アマゾン大輔選手と対戦し、結果は時間切れドローでした。

「アマゾンさんは、やりづらかったです。足を触らせてくれなくて。ずっとレスリングを練習していたみたいで、スタンドも構えが低くてケージまで押していくことが難しかったですね。僕としてはケージ際で戦おうと考えていたのですが、試合後にアマゾンさんと話をしたら『絶対にケージ際へは持ち込ませない』と考えていたそうです(苦笑)。それで僕が引き込んで足を取ろうとしても、アマゾンさんがスプロールのように足を伸ばして取れない。上半身を狙っても、ワキとヒジを閉める力が強くて取れない。鉄壁のディフェンスでした」

――そう考えると、この1年はフォークスタイルグラップリングだけでなく、プログラップリングの舞台で様々なタイプの選手と対戦してきました。その中で得たものはあるでしょうか。

「プログレスに関していえば、壁レスの練習を始めました。それと今までは、ほとんどギの練習しかしていなかったのですが、ノーギの練習も大切にしています。他は、それほど大きな変化はないですね(苦笑)。逆にプロだからアマチュアだからというのは、気にしないようにしています。どちらでも試合が始まったら相手と1対1で、一つのルールがあり、レフェリーが見届けるなかで試合をする。それはアマチュアの柔術でやってきたことと変わらないですから。

ただ、プロの試合になるとお客さんも多いし、アマチュア時代と違う評価を受けることにもなります。あとは雰囲気が全然違うので、プロの舞台に慣れる必要がある。そこでずっと試合に出させてもらったことで、今はプロの舞台に慣れてきたと思っています。特にグラジエイターは、今では176Boxの控室も勝って知ったるものでメチャクチャくつろいでいますよ(笑)」

――ホームのようなグラジエイターの会場で行われるプログレスのタイトルマッチに向けて、意気込みをお願いします。

「しっかり勝って、ベルトを巻きます。ベルトを巻くというのは、格闘技をやっている者として夢ですからね」

■視聴方法(予定)
1月22日(日)
午後2時20分~THE 1 TV YouTube

■ Gladiator020対戦カード

<フライ級/5分2R>
坪内一将(日本)
陸虎(日本)

<バンタム級/5分2R>
今村豊(日本)
秋田良隆(日本)

<ウェルター級/5分2R>
藤田大(日本)
スティーブン・ギレスピ(英国)

<Gladiatorフェザー級王座決定戦/5分3R>
中川皓貴(日本)
チョ・ソンビン(韓国)

<Gladiatorライト級選手権試合/5分3R>
[王者]キ・ウォンビン(韓国)
[挑戦者]グスタボ・ウーリッツァー(ブラジル)

<Progressフォークスタイルグラップリング・ウェルター級王座決定戦/5分3R>
森戸新士(日本)
ジョセフ・チェン(台湾)

<フライ級/5分3R>
宮城友一(日本)
久保健太(日本)

<キック・ウェルター級/3分3R>
璃久(日本)
イゴール・シルバ(ブラジル)

<バンタム級/5分3R>
笹晋久(日本)
ジョン・オリニド(フィリピン)

<バンタム級/5分2R>
溝口司(日本)
ガッツ天斗(日本)

<ヘビー級/5分2R>
大場慎之助(日本)
チョン・ホチョル(韓国)

<Progressフォークスタイル・グラップリング79キロ契約/5分2R>
山田崇太郎(日本)
井上啓太(日本)

<Progressコンバット柔術バンタム級/5分2R>
竹本啓哉(日本)
江木伸成(日本)

<アマMMA女子アトム級/3分2R>
住村斉明里(日本)
MIYU(日本)

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【Gladiator020】櫻井代表、池本誠知、長谷川賢。グラジを語る。

【写真】2023年、グラジはいかに発展するのか(C)SHOJIRO KAMEIKE

22日(日)、大阪府豊中市の176BoxでGladiator020が開催される。今大会はキ・ウォンビンとチョ・ソンビンら韓国の強豪に加え、ジョセフ・チェンやジョン・オリニドなど注目のファイターが揃う国際色豊かな興行となった。
Text by Shojiro Kameike

これまでフォークスタイル・グラップリングやコンバット柔術マッチ、サブオンリー・グラップリングをGLADIATORに提供してきたPROGRESS実行委員会の長谷川賢氏が、グラジエイターで海外選手の招聘を担うことになったのは既報どおりだ。

そのグラジエイター新体制に、元DEEPウェルター級王者で現在は株式会社Styleの池本誠知代表が加わるという話が伝わってきた(※取材はスーパーバイザー就任発表前に行われた)。そこで今回は特別企画として、グラジエイター櫻井雄一郎代表×プログレス実行委員会の長谷川氏×池本氏がグラジエイターと日本のMMAについて語る鼎談をお届けしたい。


――今大会から長谷川選手がグラジエイターのタレントリレーションを担うだけでなく、池本さんがグラジエイターの体制に加わるというお話を聞きました。その22日の大会ですがタイトル戦、国際マッチ、キックにグラップリングと本当にバラエティに富んだラインナップとなっています。

長谷川 今、多くの日本人選手は海外の大会に出て初めて、世界の強豪と対戦することになるじゃないですか。そうではなく、日本で世界の強豪と対戦できるようにして、この国のMMAを強くしていく。それがこの協力関係の発端でした。

櫻井 グラジエイターとしては、毎回ではないですがコロナ以前は海外の選手も呼んできました。大会としても海外の選手が出るというだけで、一つのバリューが付きます。まず明らかに日本人選手とは違う身体つき――それだけでも観客の目を引きつけますよね。それと戦績上は勝ち星が少なくても、決して弱いわけではないのが外国人選手の怖いところです。特に今の韓国人選手は戦績が少なくても強いし、勢いもありますから。

長谷川 今回は選手発掘のためにフィリピンへ行き、その様子を動画にしてYouTubeにアップしています。それを見ると、今回フィリピンから来る選手にも感情移入がしやすいし、僕たちが何をやろうとしているかも分かってもらえるかなと思っています。

櫻井 今回は韓国だけでなく、フィリピンから来てくれる選手も楽しみですよね。まさに未知の強豪といいますか、動画からでも秘められた実力が見えてきます。グラジエイターのケージで、日本人選手とどんな試合をしてくれるのか。何よりストイックで、深い気持ちを持っている選手ばかりです。戦績や実力はまだ浅くても、パワーや勢いなど何かに特化した選手だと思います。オリニド選手は若いし、勢いもあって楽しみですね。

長谷川 オリニドは練習を見ても試合映像を見ても、とにかくフィニッシュを目指す気持ちが強い選手です。練習で16オンスのボクシンググローブを着けていても、グラウンドでRNCを狙いに行ったりとか。

池本 櫻井さんの仰るとおり、戦績だけでは選手の実力を測ることができないんですよ。僕が米国でエディ・アルバレスと試合をした時(2005年2月にTKO負け)、彼はまだデビューから4戦目ぐらいで。手元にある情報だけでは、彼がどういう選手か分かりづらくて。

長谷川 それで相手がエディ・アルバレスだったというのは、今考えると凄い話ですよね(笑)。

池本 実際目の前に来たら、メチャクチャ強そうで。アハハハ。そういう経験って、後々すごく生きてくるんですよ。名前が知られていなくても、相手はすごく強いことを想定して試合に臨まないといけない。あの試合は、すごく良い勉強になりました。日本人選手が相手だと、組んだ時の力とかも凡そは想像できます。でも海外の選手は、それこそ国によって力もタイプも全然違っていて。いろんな国の選手と対戦しておくことは大切だと思いますよ。

――その一方で、キ・ウォンビン×グスタヴォ・ウーリッツアァーという外国人対決も組まれました。

櫻井 フフフ、結構パンチの効いたカードだと思います。

長谷川 良いカードですよね!

櫻井 今の日本だと、王者も挑戦者も外国人選手というカードは、なかなか組まないですよね。キ・ウォンビン選手はRoad to UFCでKO負けをして、反対にグスタヴォ選手は前回グラジエイターで井上啓太選手に豪快なKO勝ちを収めています。

今回もグスタヴォ選手がキ・ウォンビン選手を――という展開も考えられるじゃないですか。もちろんキ・ウォンビン選手の強さと勢いも大好きです。グスタヴォ選手が相手でも、臆さず前に行くでしょう。その2人が戦うことで、壮絶なフィニッシュが期待できる対戦です。

池本 僕が現役の頃も、同じ大会で凄い外国人対決があったら、もうファンとして見ていましたよね。やっぱりMMAが大好きだから、研究モードを押し殺して楽しみたいという気持ちになってしまって(笑)。それとグラップリングでも海外の強豪を呼ぶって凄いです。

長谷川 プログレスをやっていくうえで、そうなるしかないかなって思っています。昨年の大晦日、RIZINでAJ・マッキーとサトシが対戦しましたよね。日本人MMAファイターだと、サトシのガードの中に入ると極められてしまいます。でも米国のトップファイターは、そんなサトシのガードに入っても極められないんです。

やっぱりMMAで強くなるためには、AJのようなグラップリングの強さが欲しい。そのためには海外の強豪と対戦していくしかないと思っていました。それはMMAのためで、今は柔術家の森戸新士選手がフォークスタイル・グラップリングで戦ってくれています。

森戸選手が、その試合で感じたことをMMAファイターたちにも伝えてくれている。その森戸選手の相手に、今回はクレイグ・ジョーンズの秘蔵っ子であるジョセフ・チェンを招聘することができて、本当に嬉しいです。

櫻井 正直まだ会場のお客さんには、プログレスの方向性が伝わりきっていないと思います。しかし多くの選手から、『自分もフォークスタイル・グラップリングをやってみたい』という声を頂いています。私自身は、グラップリングの試合が集客につながらなかったとしても、プログレスの試みは日本のMMAを強くするために必要だと思っています。

日本のグラップリング力向上のためにどうすればいいのか。そう考えていた頃に長谷川さんからプログレスのお話を頂いて、海外で通用する選手を育てたいグラジエイターとしても必要だと思っています。プログレスだけでなく、良いと思うことはどんどん提案していただきたいです。

長谷川 櫻井さん、そこで一つ提案ですけど……。プログレスでレジェンド枠を設けたいと思っていて。

櫻井 フフフ、なるほど。それは面白いですね。

長谷川 今回のテレビ解説を、長南亮さんにお願いしたんですよ。決して煽っているわけではないんです。決して――でも、面白いかなと思って(笑)。

2018年9月にグラジで船木誠勝とプロレスを行っている池本

池本 ……えっ、僕ですか!?

――2013年4月、池本さんの引退試合の相手を務めたのが長南さんでした。まさかここで引退試合の続きを、フォークスタイル・グラップリングで……。

池本 アハハハ。そういえばグラジエイターでは、船木誠勝さんとプロレスをやらせてもらっていますからね。今はプロレスの練習しかしていないすけど、グラップリングは好きなので練習しておきます(笑)。

<この項、続く

■視聴方法(予定)
1月22日(日)
午後2時20分~THE 1 TV YouTube

■ Gladiator020対戦カード

<フライ級/5分2R>
坪内一将(日本)
陸虎(日本)

<バンタム級/5分2R>
今村豊(日本)
秋田良隆(日本)

<ウェルター級/5分2R>
藤田大(日本)
スティーブン・ギレスピ(英国)

<Gladiatorフェザー級王座決定戦/5分3R>
中川皓貴(日本)
チョ・ソンビン(韓国)

<Gladiatorライト級選手権試合/5分3R>
[王者]キ・ウォンビン(韓国)
[挑戦者]グスタボ・ウーリッツァー(ブラジル)

<Progressフォークスタイルグラップリング・ウェルター級王座決定戦/5分3R>
森戸新士(日本)
ジョセフ・チェン(台湾)

<フライ級/5分3R>
宮城友一(日本)
久保健太(日本)

<バンタム級/5分3R>
笹晋久(日本)
ジョン・オリニド(フィリピン)

<キック・ウェルター級/3分3R>
璃久(日本)
イゴール・シルバ(ブラジル)

<バンタム級/5分2R>
溝口司(日本)
ガッツ天斗(日本)

<ヘビー級/5分2R>
大場慎之助(日本)
チョン・ホチョル(韓国)

<Progressフォークスタイル・グラップリング79キロ契約/5分2R>
山田崇太郎(日本)
井上啓太(日本)

<Progressコンバット柔術バンタム級/5分2R>
竹本啓哉(日本)
江木伸成(日本)

<アマMMA女子アトム級/3分2R>
住村斉明里(日本)
MIYU(日本)

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【Gladiator020】ここにもいたっ!! 愛しの格闘バカ=江木伸也─01─「空手~柔道~テコンドー~MMA~柔術」

【写真】掌底をバンバン打てる要因が分かるインタビューです(C)SHOJIRO KAMEIKE

22日(日)、大阪府豊中市の176Boxで開催されるGladiator020で、江木伸成がPROGRESSコンバット柔術ルールで竹本啓哉と対戦する。

江木は全日本選手権優勝、アジア選手権3位という実績を誇る黒帯柔術家だ。現在は藤田柔術やレオス柔術アカデミーでインストラクターを務めながら、プログレスのコンバット柔術ルールに参戦して2戦2勝。昨年9月には初のフォークスタイル・グラップリング戦にも挑み、MAGISAをヒールフックで仕留めている。

そんな江木に、柔術家になるまでの道程を訊くと、そこには幼少期から格闘技が好きで、ひたすらに強さを求めてきた男の姿があった。


――プログレスのコンバット柔術に連続出場中の江木選手です。竹本戦に関するお話の前に、今回は当初MMAを戦う予定であったと聞きました。

「はい。最初はプログレス実行委員会の長谷川(賢)代表から『グラジエイターでMMAを戦いませんか?』というお話を頂きました。実は以前からグラジエイターの櫻井(雄一郎)代表にも『MMAに興味があります。MMAをやりたいです』と伝えていまして。それもあったので、長谷川代表からオファーを頂いてからMMAに照準を合わせていました。ただ対戦相手が決まらず、今回はコンバット柔術の試合になったんです」

――以前からMMAを戦いたいという希望があったということですが、江木選手はMMAを戦うために柔術を始めたのでしょうか。

「いえ、実は柔術を始める前にアマチュア修斗やアマチュアパンクラスにも出ているんです。MMAで強くなるために柔術を始めたら、柔術のほうにハマってしまいました。それが2014年ごろですね。最初は打撃から始めて、MMAから柔術という流れです。それから競技柔術をやっていましたが、やっぱりMMAをやりたいという熱が高まって。ここ1年ぐらい、ずっと藤井章太先生からMMAの指導を受けています」

――そうだったのですね! ちなみに最初に始めた打撃というのは……。

「小学校の6年間、フルコン空手をやっていました。中学と高校は柔道部に入り、大学ではまた打撃で――テコンドー部に入部しました。大学時代は4年間、みっちりテコンドーをやってからアマチュア修斗に出るようになっています」

――空手~柔道~テコンドー~MMA~柔術というのは、凄いキャリアですね。まず空手を始めたキッカケと、そこから柔道に移った理由を教えていただけますか。

「自宅の隣に空手道場があり、近所の男の子たちは皆その道場に通っていたので、僕も自然と入門しました。中学から柔道を始めたのは、見ていてカッコよかったからという単純な理由です(笑)。僕は広島県の福山市出身なのですが、地元の中学校はメチャクチャ柔道が強い学校で。さらに高校も柔道の強い学校に進みました」

――当時は、将来は空手や柔道で生活していこうとは考えていなかったのでしょうか。

「柔道をやっていた頃は、県警に入って柔道を続けようと考えていました。でも高校時代は県大会ベスト8ぐらいの実績で。そこから大学に入った時、テコンドー部を見て『これは面白い。テコンドーをやってみんといけんわ!』と思ったんです。そこから5年間ぐらいはテコンドーにハマりました」

――ということは、大学は柔道の推薦で入ったわけではなかったのですね。

「推薦ではなく受験して入りました。だから柔道部に入らなければいけないというわけではなくて。それよりもテコンドーの蹴り技が、すごく魅力的だったんです。もともと空手をやっていたので、テコンドーも始めやすかったですね」

――ただ、空手とテコンドーの蹴りは異なります。それでもテコンドーを始めた時、6年間離れていた空手の記憶が蘇ってくるものなのでしょうか。

「空手にはないテコンドーの蹴り方が魅力的で(笑)。テコンドーは下段がなく、蹴りは顔面に集まるじゃないですか。距離も違いますし、テコンドーは回し蹴りが多くて。フルコン空手は下段が多くなりがちですが、僕は子供の頃から中段や上段の蹴りが得意だったんです。おかげで蹴り方は違っても、すぐに慣れることができました。テコンドーでは大学時代に、西日本の大きなトーナメントで優勝しています。でも、なぜかそこからMMAに対する熱が出てきて……」

――MMAに対する熱は、何かを見て生まれたのですか。

「それが分かりません(苦笑)。なぜかMMAというものが頭に入ってきて。そんな感じで、気持ちが移りやすいんですね。柔道やテコンドーのように、パッと見てパッと始めたくなってしまいます。ただ、実は大学時代に一度、グラップリングの大会には出ていました。柔道の延長で寝技の試合をやりたくなって」

――柔道からテコンドーに移っているのに(笑)。

「大学時代にパラエストラ広島でグラップリングの練習をさせていただいて、2011年に岡山県で開催された修斗グラップリングのワンマッチに出場しました。当時からMMAの練習にも混ざらせてもらっていて。

その頃、MMAで強くなるために柔術を始めています。大学を卒業してからもテコンドーは続けていましたが、何か新しいことに挑戦したくなりました。そこで思い出したのが、グラップリングで勝てなかったことと、アマチュア修斗に出場したかったけど出られなかったことでした。そういうことが、何かのキッカケでフッと頭をよぎり……」

――それだけ多種多様な格闘競技を経験している選手は、現在では稀なタイプかもしれません。やはり格闘技が好きだったのか、あるいは強さを求めていたのか。

「どちらもあったと思います。子供の頃から格闘技をやっていて好きでしたし、やっていくには強くならないといけないと考えていました。柔道やテコンドーを見て、『これをやれば強くなれる』と思って始めました。それはMMAも柔術も同じです。

大学を卒業して、県警ではなく消防士になりました。当時はTKエスペランサからアマチュア修斗の試合に出て、1勝1敗という戦績でした。プロになるつもりだったのですが、消防士としてプロの活動はできなかったのと、あとは柔術にハマりすぎてしまって。

柔術をやりたいって、パッと頭が切り替わりましたね(笑)。そこから柔術に専念したいと思って、TKエスペランサの岡田剛史代表とも相談し、2015年ぐらいに藤田柔術に移籍しました。あの頃から藤田柔術には強い柔術家がたくさん来ていて、そこで揉まれて強くなりたいと思ったんです」

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
1月22日(日)
午後2時20分~THE 1 TV YouTube

■ Gladiator020対戦カード

<フライ級/5分2R>
坪内一将(日本)
陸虎(日本)

<バンタム級/5分2R>
今村豊(日本)
秋田良隆(日本)

<ウェルター級/5分2R>
藤田大(日本)
スティーブン・ギレスピ(英国)

<Gladiatorフェザー級王座決定戦/5分3R>
中川皓貴(日本)
チョ・ソンビン(韓国)

<Gladiatorライト級選手権試合/5分3R>
[王者]キ・ウォンビン(韓国)
[挑戦者]グスタボ・ウーリッツァー(ブラジル)

<Progressフォークスタイルグラップリング・ウェルター級王座決定戦/5分3R>
森戸新士(日本)
ジョセフ・チェン(台湾)

<フライ級/5分3R>
宮城友一(日本)
久保健太(日本)

<バンタム級/5分3R>
笹晋久(日本)
ジョン・オリニド(フィリピン)

<キック・ウェルター級/3分3R>
璃久(日本)
イゴール・シルバ(ブラジル)

<バンタム級/5分2R>
溝口司(日本)
ガッツ天斗(日本)

<ヘビー級/5分2R>
大場慎之助(日本)
チョン・ホチョル(韓国)

<Progressフォークスタイル・グラップリング79キロ契約/5分2R>
山田崇太郎(日本)
井上啓太(日本)

<Progressコンバット柔術バンタム級/5分2R>
竹本啓哉(日本)
江木伸成(日本)

<アマMMA女子アトム級/3分2R>
住村斉明里(日本)
MIYU(日本)

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【Gladiator020】久保健太とベテランストライカー対決、宮城友一─01─「僕の方が不思議なんですよ」

【写真】面白いのは宮城だけでなく、盟友・砂辺光久──出場経験無し──もグラジエイター愛があることだ(C)SHOJIRO KAMEIKE

1月22日(日)、大阪府豊中市の176Boxで開催されるGladiator020で、宮城友一が久保健太と対戦する。
Text by Shjiro Kamaike

宮城にとってグラジエイター参戦は、2021年9月のNavE戦以来1年4カ月ぶり。その後はRIZIN沖縄大会と修斗に参戦するも、2022年は2連敗を経験している。それでも昨年11月には修斗沖縄大会でKO勝ちしてランキングもアップし、再びグラジエイターのケージに戻ってきた。その宮城に、修斗沖縄大会でのKO勝ちの要因とグラジエイターのケージに入る意味を尋ねた。


――今回のグラジエイターの試合に関するお話の前に、まずは修斗についてお聞かせください。昨年11月に鎌田悠介選手を下した結果、修斗世界フライ級4位から3位にランクアップしています。

「修斗のベルトを獲りたいという気持ちはすごく強いので、ランキングが1つでも上がるのは嬉しいです。今後は、今UFCに出ている(平良)達郎君が持っているベルトはどうなるのか、というところですよね。達郎君とは一緒に練習させてもらっているんですけど、ベルトがどうなるのかというお話はしたことがなくて(笑)」

――宮城選手は、グラジエイターで戦うことも大切にされている選手です。現在グラジエイターの試合と修斗の試合は、どのようなバランスで考えられているのでしょうか。

「個人的なことをいえば、MMAファイターとして一つでも評価を上げていきたいと思っています。たとえば、日本フライ級全体でランキングがあったとしたら、そのランキングを少しでも上げていきたい。それが今、僕が戦うモチベーションでもあります。

そのなかで、グラジエイターと櫻井(雄一郎)代表には本当に感謝しています。自分も戦績が振るわず『どこで試合をすれば良いのか……』と悩んでいる時に、櫻井代表が僕を拾ってくれました。だから今の僕があります。どこで戦うにせよ僕のことを『グラジエイターから出ている選手』と見てほしいです。それは修斗であっても、RIZINであっても」

――なるほど。修斗世界フライ級のベルトを狙うにあたり、ランキング1位の関口祐冬選手とストロー級王者の新井丈選手が対戦するかも……という流れは気になりますか。

「その前に清水清隆選手に勝った山内渉選手がランク2位に上がったので、関口選手と山内選手が対戦するのが自然な流れじゃないのかなとは思いますよね。もちろん新井選手はすごく強いし、僕も大好きなファイターですけど……どうなるんでしょうね(苦笑)。いずれにしてもランキング的にいえば、その流れの勝者と絡んでいきたいです」

――そのランクアップを決めた鎌田戦は、ヒザ蹴りによる鮮やかなKO勝ちでした。あれはご自身でも手応えのある内容と結果だったのではないでしょうか。

「ありがとうございます。自分としても鎌田選手が強い相手であることは分かっていたし、あの展開にならなければ僕がKO勝ちできず、逆の結果になったかもしれません。それだけに、ああいう勝ち方ができたことは嬉しいです。まぁ、たまたまKOできただけと思います」

――「ああいう展開にならなければ――」ということですが、やはり首相撲とケージレスリングで、フィニッシュに至る展開に持ち込んだわけですよね。

「そうですね。自分が一つ得意な部分を確認できた、というところは大きいです。初めてRIZINで試合をした時(※2021年11月のRIZIN沖縄大会)、同じ沖縄の安谷屋(智弘)君にヒザ蹴りでKO勝ちしました。そこで自分はヒザ蹴りが得意なんだと認識することができたんです。その安谷屋戦のイメージを持ったまま、先日の鎌田戦でもヒザ蹴りでKOできたことは喜んでいます。ただ、いつもヒザ蹴りでKOできるわけではない。それが首相撲やケージレスリングからヒザ蹴りに持っていけたことで、自分のやりたい形が定まってきたのかなと思っています」

――もう一つ、鎌田戦はヒザ蹴りでKOしたあとの所作が印象に残っています。もちろん倒した相手を煽ることはないし、かといって大喜びするわけでもない。試合が終わり、相手が立ち上がるのを正座して待つ姿を見て、宮城選手のルーツが極真空手にあることを思い出しました。

「実は、あれは反省があったんです」

――えっ、どういうことですか。

「今まではKO勝ちした直後に喜びを爆発させていました。それはそれで応援に来てくれた人たちも一緒に喜んでくれて、良い部分があります。でも、あとで『なんか嫌だなぁ』と思って」

――相手の気持ちになって考えてみると……ということでしょうか。

「やっぱり相手がいて試合ができるわけじゃないですか。僕としては、他の選手が同じように喜びを爆発させているところを見るのは嫌ではないです。自分がそうしているのを見るのが嫌で(苦笑)。だからセコンドについてくれた砂辺(光久)さんにも、『僕は良い勝ち方をしても、ケージの中で喜びを爆発させるのは止めます』と伝えました。アハハハ」

――なるほど(笑)。そんな修斗の試合を経て、1年4カ月ぶりにグラジエイターに出場することが決まりました。現在の宮城選手にとって、大阪開催のグラジエイターに出場することは、どのような意味や価値を持っているのでしょうか。

「先ほども言ったとおり、グラジエイターと櫻井代表には本当に感謝しています。グラジエイターは僕にとってホームです。櫻井代表に呼ばれたら、いつでも出たい。その気持ちはずっと持っています。去年も9月の大会でオファーを頂いたのですが、その時にはちょうど松根(良太)さんと修斗沖縄大会に出場するお話を決めていて……。そのために櫻井代表には、出場を延期させてほしいとお伝えしました」

――グラジエイターに参戦している選手に取材して驚くのは、そのグラジエイター愛の強さです。特に関西ではなく沖縄の宮城選手が、これだけグラジエイター愛が強い理由は何なのでしょうか。

「僕のほうが不思議なんですよ。『なぜ櫻井代表は僕のことを大切にしてくれているのだろうか』って……。それだけ大切にしてくれて、必要としてくれるからグラジエイターで試合をしたい。自然とそういう気持ちになります。『グラジエイターの役に立ちたい』、そういう気持ちにさせてくれる大会です」

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
1月22日(日)
午後2時20分~THE 1 TV YouTube

■ Gladiator020対戦カード

<フライ級/5分2R>
坪内一将(日本)
陸虎(日本)

<バンタム級/5分2R>
今村豊(日本)
秋田良隆(日本)

<ウェルター級/5分2R>
藤田大(日本)
スティーブン・ギレスピ(英国)

<Gladiatorフェザー級王座決定戦/5分3R>
中川皓貴(日本)
チョ・ソンビン(韓国)

<Gladiatorライト級選手権試合/5分3R>
[王者]キ・ウォンビン(韓国)
[挑戦者]グスタボ・ウーリッツァー(ブラジル)

<Progressフォークスタイルグラップリング・ウェルター級王座決定戦/5分3R>
森戸新士(日本)
ジョセフ・チェン(台湾)

<フライ級/5分3R>
宮城友一(日本)
久保健太(日本)

<バンタム級/5分3R>
笹晋久(日本)
ジョン・オリニド(フィリピン)

<キック・ウェルター級/3分3R>
璃久(日本)
イゴール・シルバ(ブラジル)

<バンタム級/5分2R>
溝口司(日本)
ガッツ天斗(日本)

<ヘビー級/5分2R>
大場慎之助(日本)
チョン・ホチョル(韓国)

<Progressフォークスタイル・グラップリング79キロ契約/5分2R>
山田崇太郎(日本)
井上啓太(日本)

<Progressコンバット柔術バンタム級/5分2R>
竹本啓哉(日本)
江木伸成(日本)

<アマMMA女子アトム級/3分2R>
住村斉明里(日本)
MIYU(日本)

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【DEEP112】フライ級T準決勝、顔合わせ決定。本性を見せた(?)宇田悠斗は福田龍彌&伊藤裕樹✖本田良介に

【写真】自前のピンスト、スリーピースの宇田には呆然……。カフスボタンは五光になっていなかったが、成人式では白のスーツに毛皮のコートだったという…… (C)MMAPLANET

13日(金)、2月11日(土)に東京都文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP112 IMPACT内で実施されるフライ級トーナメント準決勝の抽選会が、中野区中野サンプラザ15階会議場で行われた。

16人参加のトーナメントも、いよいよ大詰め。残るは伊藤裕樹、福田龍彌、本田良介、宇田悠斗という4名だ。

今回の抽選も恒例のジャンケンからスタートし、勝った者から1~4までの数字が掛かれた紙が入った封筒を選ぶことができるDEEP方式で進んだ。


結果、ジャンケンは最後でも1を引いた伊藤が、第1選択権を得て、メインとなる準決勝第2試合の赤コーナーを選ぶ。2番の本田が第1試合を選ぶと、3番手の選手が対戦カードを決める権利を有することができるが──。

果たして本田は第2試合=伊藤の横に並び、自動的にはセミファイナル第1試合は宇田✖福田に決定した。

この間、進行役を務めたDEEP佐伯繁代表が──その場にいた誰もが思っていたが、口に出せなかった一言を発する。「宇田君はチンピラみたいな恰好で」。途端に会場内に笑いが起こると本田と並んで座った宇田に対して、さらに「宇田選手は相当に危ない恰好をしていますけど、やっぱり四国の方はそういう恰好なの? どっちかというと福岡っぽいね。実際、福岡の成人式みたいな恰好で」と続けた。

今は東京在住の宇田だが佐伯代表の言葉通り、愛媛県からキャリアをスタートさせた選手で、本田は東京から福岡に戻り、福田は京都、伊藤は愛知と4選手とも地方のファイターが準決勝に残ったことを、宇田イジリで改めて認識されることとなった。

以下、準決勝の顔合わせが決まった直後の4選手のコメントだ。

宇田悠斗
「伊藤選手とやりたかったんですけど、しょうがない。福田選手、やりましょう。まぁ、決勝でやれることを望んでいるんで。お互い頑張りましょう。(CAVEの練習仲間の本田が「俺が負けるんだぁ」と突っ込む)。いや、そんなことないです。そんなことないです。両者、勝てるよう……ハイ。大丈夫です(苦笑)」

福田龍彌
「4番引いた時、宇田君とできると思っていなかったんで、僕からするとなんか嬉しい感じ。修斗時代から地方で一緒に頑張って来たんで。闘裸男で出来ていても良かったようなカードを後楽園で。でも、僕がDEEPを代表してしっかりとやっつけるんで。お願いします」

本田良介
「なんかスイマセン。宇田君と伊藤選手がやりたかったみたいで。僕、あんまり決めていなくて。ちょっと席を見たら、近いところに行こうと決めて、近いところに行きました。でもメインなんで、今までメインで戦ってエースというか、強いと言われている伊藤選手を食って。まぁ僕が一番知名度ないんですけど、ひっくり返したいと思います」

伊藤裕樹
「じゃんけんで負けて一番最後になって、くじは一番を引いたということは自分、持っているなと思って。まぁ、でも対戦相手は福田選手が宇田選手とやりたかったんですけど、神様は甘くないということで。本田選手と最高の試合ができればと思っています。僕のジンクスなんですけど、僕、結構試合をしていて──やられる相手が絶対に田んぼの田がついているんです(鮎田直人、藤田大和、福田龍彌)。福田、本田、宇田ぁ。ここで神様に挑戦状を送りたいと思って。皆さん、応援よろしくお願いします」

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