【写真】まるで未知数。ただし、フィリピンの3勝0敗のファイターには負けられないという気持ちがあって然りだろう (C)MMAPLANET
22日(日)、大阪府豊中市の176Boxで開催されるGladiator020でジョン・オリニドと対戦する笹晋久。
2021年はHEATでドロー、Gladiatorで敗北とキャリアの仕切り直しが上手く行かなかった笹。働きながら強くなることに限界を感じた彼は、MMAファイター一本の生活に切り替えた──そして、キャリア3勝0敗の無名のフィリピン人選手とのオファーに『なぜ、この選手と戦わないといけないのか』と一度は固辞したという。
翌日には試合を受けることを了承した笹だが、こんなところで躓くわけにはいかないという想いが言葉の端々から伝わってきた。
──笹選手、22日にジョン・オリニドとグラジエイターで試合が決まっています。今のコンディションはいかがですか。1月の試合が正月もあり、練習環境を整えるのが難しいという話もありますが(※取材は11日に行われた)。
「31日も元旦も、2日も3日も練習してきたでの大丈夫です。修斗で戦う山本琢也選手、2月のDEEPに神田コウヤ選手達、試合に出場する選手達もそうだし、試合がない選手もやる気がある人は練習していました。だからいつも通りの試合前でした」
──ではグラジエイター2戦目ですが、2021年と2022年は厳しい結果となりました。修斗やDEEPで戦って来た笹選手にとってグラジ初戦となった竹本啓哉戦の敗北には何を想いましたか。
「そうですね、竹本選手は凄く強い選手と改めて思いましたし、自分の甘さ、練習への姿勢もダメだったと思わされました。あの試合後、仕事を辞めて練習だけの日々を送るようにしました」
──仕事を辞めた……。それが良いことなのか自分には分からないのですが、そこまでしないといけないという気持ちにされたということでしょうか。
「年は下の子たちなんですけど、鶴屋怜君や内田タケル君たちは1日に2回と練習をメインの生活をしています。先輩の扇久保(博正)さんとか、格闘技だけに集中している人達を見て、俺はこのままではダメだなって。生活は厳しくなっていますし、世間的には仕事をしないことがどういう風に思われるのか、それはずっと仕事をしてきたので分かるんです。
けど、それぐらいしないと、甘い世界ではないので。しかも僕はバックバーンもないですし、練習量でしかカバーできないので。格闘技は今しかできないと思いますから」
──生活が厳しくなると言われていましたが、つまりは格闘技で食っていけるようにならないと、そのような生活は早晩続けられなくなるということですね。
「僕はもう32歳なのですが、ずっと格闘技をやっていくつもりです。いつまでという考えはないですけど、そのために試合に出て結果を残していきたいです」
──そのなかで首都圏の選手の視野になかなか入らないHEATとグラジに出場したことで、どのような印象を持ちましたか。
「雰囲気が修斗とは違うなと思いました。選手の雰囲気──ですね。ちょっとやんちゃ系の人が多いと感じました。修斗とDEEPも違うのですが、グラジエイターはアウトロー的に感じました」
──前回の竹本選手との試合は2回戦でした。3R制とはまた違う戦いが必要だったかと思います。
「正直、3Rの方が良いというのはあります」
──今回のジョン・オリニドは3回戦です。キャリア3勝0敗、無名のフィリピン人選手とのオファーをどのように思いましたか。
「鶴屋さんから言われて、『誰?』って思いました。全然分からなくて、戦績しか聞かされていなくて。『なんで、この人と』と思って正直、最初は断りました。でも翌日にジムに来たら、鶴屋さんから『なぜ、試合を受けない』と言われました。そこでハセケンさんが見つけてきた選手とか聞いて、『それならやりたい』と」
──『なんでやらない』って言われても、何も知らなくてキャリア3戦の選手だと聞かされると、それはやらないですよね(笑)。
「(苦笑)。でも鶴屋さんから、ハセケンさんが見つけてきてグラジエイターでは国際戦を増やしていく。ここから良い流れになるだろうって説明を受けて、それならやるぞって。試合を受けると決めて映像をチェックしたのですが、若くて凄く勢いがあって良い選手だとは思いました」
──映像を視て、よりやる気が出たと?
「そういうことではないです。選ばれた選手だと聞いて、それだったらと思いました」
──ただし、それこそキャリア3勝0敗の19歳の選手。ここは負けられないし、どのように魅せたいと思っていますか。
「逆に自分は32歳です。そんなにテクニックがあるわけではないですけど、日本人の気持ちの強さとかを見せたいと思います」
──グラジエイターが元UFCファイターを招聘し始めた。笹選手もそういうファイターと戦うことになるかもしれないです。
「そういう選手を呼んでくれることは凄く良いことだと思います。自分も戦ってみたいです」
──と同時にグラジのバンタム級タイトルというモノに関して、どのように思っていますか。
「もちろん、ベルトは欲しいです。そのために今回の試合は良い勝ち方をしないといけないです。グラジのベルトを獲った後もさらに上を目指したいので」
──5月のHEAT、9月のGladiatorと笹選手の動きに躊躇するようなところがあると感じたのですか。
「それは……正直、春日井さんと竹本さんの試合の時って、仕事の量が増えて練習環境が良くないというのはありました。でも気持ちは何も変わることはなかったです。怖いとか一切思わないし。緊張も全くしない気質ですし。ただし練習量が足らなかった。それが自分でも感じ取られたので、仕事を辞めました。
だから今回の試合は前の2試合とは全然違います。攻撃的に攻めまくって、勝ちたいと思います」
■視聴方法(予定)
1月22日(日)
午後2時20分~THE 1 TV YouTube
■ Gladiator020対戦カード
<フライ級/5分2R>
坪内一将(日本)
陸虎(日本)
<バンタム級/5分2R>
今村豊(日本)
秋田良隆(日本)
<ウェルター級/5分2R>
藤田大(日本)
スティーブン・ギレスピ(英国)
<Gladiatorフェザー級王座決定戦/5分3R>
中川皓貴(日本)
チョ・ソンビン(韓国)
<Gladiatorライト級選手権試合/5分3R>
[王者]キ・ウォンビン(韓国)
[挑戦者]グスタボ・ウーリッツァー(ブラジル)
<Progressフォークスタイルグラップリング・ウェルター級王座決定戦/5分3R>
森戸新士(日本)
ジョセフ・チェン(台湾)
<フライ級/5分3R>
宮城友一(日本)
久保健太(日本)
<キック・ウェルター級/3分3R>
璃久(日本)
イゴール・シルバ(ブラジル)
<バンタム級/5分3R>
笹晋久(日本)
ジョン・オリニド(フィリピン)
<バンタム級/5分2R>
溝口司(日本)
ガッツ天斗(日本)
<ヘビー級/5分2R>
大場慎之助(日本)
チョン・ホチョル(韓国)
<Progressフォークスタイル・グラップリング79キロ契約/5分2R>
山田崇太郎(日本)
井上啓太(日本)
<Progressコンバット柔術バンタム級/5分2R>
竹本啓哉(日本)
江木伸成(日本)
<アマMMA女子アトム級/3分2R>
住村斉明里(日本)
MIYU(日本)