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【Shooto2022#06】西川大和─02─「できることは勝ち続けること。勝ち続けながら、その時を待ちます」

【写真】忖度無し? 言いたいことは口に出す西川大和(C)MATSUNAO KOKUBO

19日(月・祝)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるShooto2022#06で、前HEAT同級王者の草MAXとウェルター級契約で対戦する、修斗世界ライト級王者・西川大和のインタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

ONE出場を目指す西川、ではONEとの交渉はどのように進んでいるのか。RIZIN出場も噂として挙がるなか、修斗で草MAXとノンタイトル戦を行う意味とは――。西川が現状を語ってくれた。

<西川大和インタビューPart.01はコチラから>


――そのONEですが、交渉や契約に関して何か進展はありましたか。一時は日本大会の開催も噂されていましたが……。

「進展ですか――特にないのですが、ONEのほうも若い選手のほうが良いという話があります。あとは今後の進め方次第ですね。海外との行き来についても、徐々にワクチンを接種していなくても大丈夫なケースが増えているので、契約の仕方も変わってくるのかなと思っています。そういう時期を目途にしてければな、と」

――ということは、具体的なオファーがあったということですか。

「いや、うん……やっぱり若くて有望な選手と契約したいということでした」

――言葉を濁すということは、何か動いているとして今後の進展に期待します(笑)。

「戦績や知名度よりも若い選手を使いたい、それがONEなんだなという印象を受けました。そこはRIZINと違いますよね。僕はRIZINの選手をアスリートとして見ていないので」

――……。一転、ハッキリすぎる発言で。そういうことを言ってしまって良いのですか……。正直、こちらがドキドキします。

「全員がそうというわけではないですが、ONEやUFCと契約できないからRIZINで──という選手はいますよね。そういった人は自分の名前を世に出したいわけで、僕とは違います。僕は強い選手と戦いたい。それ以外のことは興味ないです。仮にもし興味があったら、もっとSNSの更新が多いと思います(笑)」

――そこでSNSアピール問題を出しますか(笑)。

「アハハハ。僕って、嫌なことを言う選手ですか」

――自分の気持ちに嘘をつきながらMMA人生を歩んでいくよりは良いのではないでしょうか。

「そうですよね……。『日本で無双しているからUFCへ行く』という選手がいるじゃないですか。でもUFCに出たら全く通用しない、日本で無双していていようが、輝きが見られなくなることもあって。

それで言うと、僕が獲ったベルトは日本チャンピオンなんです。ボクシングでいえば次は東洋太平洋であったり世界であったり……僕にとって、それがONEでありUFCなんです」

――前回のインタビューでは「Road to UFCには興味がなかった」ということでした。その後、木下憂朔がDWCSでKO勝ちし、UFCとの契約を勝ち取っています。西川選手はDWCSも興味はなかったのでしょうか。

「正直、何が何なのか分からないんですよね(苦笑)。なぜコンテンダーシリーズがあるのにRoad to UFCをやっているのか――とか。僕自身が他の選手に興味がないっていうのが一番なんですけどね。アハハハ。

でも木下選手が勝ったのは嬉しかったです。僕が目指しているアスリートの世界というのは木下選手や中村倫也選手のような、ずっと格闘技をやっていた人がバリバリ活躍するものなので」

――では次の試合についてお聞きします。現在の西川選手が草MAX選手とウェルター級契約のノンタイトルマッチで戦うことは、どのような意味を持つのでしょうか。

「このままONEを目指して日本ではウェルター級で戦っていくと、もうライト級王座の防衛戦はないかもしれないです。ベルトを返上することもあるかもしれません。もちろん修斗のベルトを巻いたことに関しては、すごく嬉しかったです。でも、やっぱり次の段階を考えていかないといけないですよね。

ただ、チャンピオンになってからの3試合は全て防衛戦のつもりで戦ってきました。たとえノンタイトルマッチであっても。さらに草選手はベテランで経験値も高い。その意味では自分がチャレンジャーであるとも思っています」

――草選手……。

「何より試合ができることが、ありがたいです。対戦を受けてくれた草選手には感謝しています。相手は僕のことを何て言うか分かりません。『この若造が』って思うかもしれないけど、僕は草選手のことを昔から見ていたので、そのベテラン選手の胸を借りて精一杯やるだけです。だから、草選手って言い方も嫌なんですよ。相手に失礼で」

――そもそも草MAX選手という呼び方なら分かりますが、草選手と呼ぶのは違和感があります(笑)。

「あぁ、そうですね(苦笑)。本名って草柳さんでしたよね」

――はい、草柳茂明さんです。

「では草柳選手って呼びます! 草柳選手はこれまで修羅場をくぐってきていて、尊敬しています。その草柳選手と対戦することができて嬉しいです」

――ただ、ONE側は「若くて有望な……」と言っている。対して西川選手は今年20歳になりますが、当然のことながら年齢を重ねていきます。ご自身の中で、できるだけ若い時に早い段階で契約したいという焦りはないのですか。

「焦りはないです。それは全然……まずプロとして、どういったキャリアを過ごしていくかということのほうが大切だと思います。いずれONEに出て勝つためにも、今は目の前の試合を一つひとつこなしていくことが重要ですから。

なぜかというと、たとえば僕が年齢を重ねていった時、僕よりも若くてイキの良い選手が出て来ますよね。ONEは若くて有望な選手が欲しい。僕がその年齢差をひっくり返すためには、試合の成績が必要で。『年齢は○○より上だけど、ニシカワは勝ち続けている』と考えてもらえるように今の自分にできることは、まず勝ち続けることなんです。勝ち続けながら、その時を待ちます」

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【Shooto2022#06】草MAXと対戦、西川大和─01─「簡単に手に入ったら嬉しいと思わないタイプで」

【写真】リモート取材にONEのキャップを被って受けた西川。7月のインタビューで話していた、ONEへの想いが結実したのか──はインタビュー後編で (C)SHOJIRO KAMEIKE

19日(月・祝)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるShooto2022#06で、修斗世界ライト級王者の西川大和が、前HEAT同級王者の草MAXとウェルター級契約で対戦する。
Text by Shojiro Kameike

西川にとって、今回の草MAX戦は修斗のベルトを巻いてから4試合目となる。いまだ西川は明言していた海外プロモーションとの契約に至っていない。今後の西川の往く道を尋ねる前に、彼の日常生活を尋ねた。


――今日はよろしくお願いいたします。

「よろしくお願いします」

――いつもより声のトーンが低めですが、試合1週間前ということで疲労もピークなのでしょうか。

「そうですね……今回対戦する草MAX選手だけでなく、どんどん選手が出てきますよね。であれば強い弱いは関係なく、これからも様々なタイプの選手と当たると思います。それを考えて日々、いろんなことに挑戦しながら練習しています。だから練習量は多いほうだと思うんです」

――それは今の期間に、草MAX選手とは全く違うタイプと対戦することも想定した練習をするということですか。

「はい。ひとつの試合に向けて作戦を立てるというのは、もともと自分に穴がある証拠なんですよ。練習したり試合をすれば、その度に自分の穴が見つかるわけですね。そういう穴を埋めていく練習をしていくという意味です。何よりも自分自身が強くなりたいっていう気持ちで格闘技をやっているので」

――前回のインタビューも今回も取材依頼をさせていただくと、日曜日でというお返事がありました。それは、生活リズムや練習パターンが関係しているのでしょうか。

「基本的に日曜日はプライベートで遊んだり、家族と何処かへ行ったりする時間を大切にする。それもファイターとして重要なことだと思っています。そうやって普段の練習で会う人たちとは違う人に会うと、また別のエネルギーをもらえるし、今後の自分にとって役立つことじゃないかなと思っていて」

――取材でインタビューする側がエネルギーを与えられるかどうかは分かりませんが、その時間を割いていただいて、ありがとうございます。月曜日から土曜日までは練習予定でビッシリ埋まっていますか。

「練習以外のことはしていないですね。練習が終わって外食することもないですし、誘われても全て断ります。でも、そんな自分を理解してくださっている人が多いので。僕ぐらいの年齢になると、色気づく人もいるじゃないですか。大学に入ると、それまで以上に異性と話をするようになったり、お酒を覚えて飲み友達を作ったり」

――西川選手は2002年生まれ、同級生が大学に進学したり就職していることが多いでしょう。そのぶん、誘惑も多くなりますよね。

「でも、たとえばプロ野球を目指している友人がいて、すごくカッコイイなと思うことがあるんです。同じ世代でもプロ野球とかサッカー選手って、アスリートとして追及していますよね。試合だけじゃなく、そういうアスリートの私生活も参考にしていて。

僕、何でもそうですけど、簡単に手に入ったら嬉しいと思わないタイプで。反対に大変な思いをして手に入れたものは、自分の中で永遠に消えないと思っているんですよ」

――……。

「この年になると、いろんなお誘いがあります。それを断っていると、アイツ何だよって思われることもありますよ。でもソコに行って、その場だけでキャーキャー言われることに興味がないです。結果、練習バカになっています(苦笑)。

何より子供の頃から格闘技をやっていて、本当にいろんな方に支えてもらってきました。もちろん両親にも支えてもらい、その中で迷惑もかけてきました。なのに、ここで自分が誘惑に負けてしまうと、自分が周りの人たちに嘘をついているようで嫌なんですよね。
支えてもらったというのは、お金や生活面だけじゃないです。練習で支えてくれた人もいるわけで。時間を犠牲にして僕の練習に付き合ってくれた人がいる。

選手って、誰かを犠牲にして上がっていくものじゃないですか。ここで誘惑に負けたり、それこそ格闘技を辞めたら、そういう人たちに失礼だと思っているので。僕のために何かを犠牲にしてくれた人たちの想いを無駄にせず上に行きたいです」

――試合もそうですよね。勝敗をつけるスポーツなので、西川選手が勝てば、もちろん相手は負けている。その戦績の上に現在の西川選手がいるわけで。

「そうですよね。だから簡単には辞められないし、西川大和ってそんな人だったの!? と思われるようなことはしたくないです。どれだけ周りの人に地味だと思われても」

――となると、格闘技に関わる時間以外は何を?

「格闘技以外ですか……1日のルーティンが全て練習で、あとは食事して、ストレッチをして寝る。これで1日が終わるので、格闘技以外のことをするとなると、どちらかになると思うんですよね。遊ぶにしても1人で何かをするのか、誰かと一緒に遊ぶのかによっても違っていて。こういう言い方は失礼かもしれないけど、皆で集まってワーワー騒ぐのは、自分と似た仲間同士で集まっているようにしか見えないんですよ」

――アハハハ、ハッキリ言いますね(笑)。

「たとえば自分が間違ったことをしたとしても、それを否定せずに良いことだけを言う人と話す場へ行っても、たぶん居心地悪いんですよね。自分が格闘技で上に行きたいという気持ちを失くさないかぎり。そうすると一人で過ごしたり、先のことを見据えている人と一緒にいることを選んでいると思います。さっき言った、プロ野球を目指している友人や、他の競技で頑張っている人一緒にいたりとか」

――自分が格闘技で上に行きたいという気持ちを失くさないかぎり……、ご自身が格闘技を辞めたり、格闘技が無くなった人生を考えることはできますか。

「それは考えられますよ。格闘技が無かったら無いで、何か他のことをしているでしょう。食べていくための何かをして、楽しめるプライベートを過ごす。そこはしっかり線が引ける人間になると思います。歯止めがきかないようなことをするのではなく。

別にそれは格闘技が無くなったらということではなくて、今の生活の先も考えます。何か他の仕事をして成功したら、頑張っている選手を応援する側に回りますね。そうなった場合、自分は昔やっていたからって口を出す人もいるじゃないですか。でも僕は口を出さずに背中を押す。それこそ何の競技であれ、たとえプロになれなくても、何かしらのステージへ行けるようにサポートしたいです」

――西川選手自身が子供の頃からそうやって支えられてきたからこそ、ですか。

「はい。子供の頃から格闘技をやってきたことは大きいと思います。他の競技は若くてバリバリやっている選手ばかりじゃないですか。僕も15歳でプロデビューしていて、そうした他競技のアスリートの基準でいうと、結果を出して30歳ぐらいまでじゃないかな、と考えています」

――現役生活も30歳ごろまで、と。

「だから調子に乗っている余裕もありません。この年齢でベルトを巻くと、調子に乗る人も多いですよね。インタビューを読むと、オレ様気質を出したていたり。僕は出せないです。MMAの現状を考えれば、ONEなりUFCなり海外の名だたるプロモーションでベルトを獲って初めて、ようやくアスリートって言えるんじゃないですかね。他競技の選手から見て『西川大和って本物のプロスポーツ選手だよね』と言ってくれるようになってこそ、ようやく本物になれるんだと思います」

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『HEAT 50』試合結果/皇治は判定負け


第12試合 メインイベント キック(肘無し・つかんでからの攻撃は禁止) 61kg契約 3分3R(延長1R)
×皇治(TEAM ONE/元HEATキック・ライト級王者、ISKA K-1ルール世界ライト級王者)
○ダウサコン・BANG BANG GYM(タイ/ウィラサクレック・フェアテックスジム/元ラジャダムナン認定スーパーフライ級3位&元WPMF世界スーパーバンタム級王者)
4R 判定0-3 (杉村9-10/和田9-10/大成9-10)
3R 判定1-1 (杉村30-29/和田29-30/大成29-29)

第11試合 MMA 65kg契約 5分3R
△春日井“寒天”たけし(志村道場/HEAT MMAバンタム級王者・元フライ級王者)
△笹 晋久[くにひさ](パラエストラ柏/修斗バンタム級新人王2017)
判定0-1 (28-29/29-29/29-29)

第10試合 キック ミドル級(70kg)(ノンタイトル戦) 3分3R
○アビラル・ヒマラヤン・チーター(ネパール/志村道場/HEATキック・ミドル級王者)
×ラーシーシン・ウィラサクレック(タイ/ウィラサクレック・フェアテックスジム/元WPMF世界ウェルター級王者)
1R 2’54” KO

第9試合 HEAT MMA ライト級タイトルマッチ 5分5R
×草MAX(TEAM CLIMB/王者)※初防衛戦
○岡野裕城(マッハ道場/挑戦者)
2R 4’45” 裸絞め
※岡野が王者に

第8試合 キック 62kg契約 3分3R
○安川侑己(志村道場/HEATキック・ライト級王者)
×モンダム・ウィラサクレック(タイ/ウィラサクレック・フェアテックスジム)
3R KO

第7試合 MMA ミドル級 5分3R
―桜井隆多(R-BLOOD/元DEEPミドル級王者、元GRANDウェルター級王者)
―アンディ・コング(99 RANGER GYM)
中止 (コングの計量オーバー)

第6試合 キック 女子53kg契約 3分3R
○鈴木万李弥(志村道場)
×小澤聡子(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)
判定3-0 (30-29/30-28/30-27)

第5試合 キック 57.5kg契約 3分3R
○内藤凌太(BELLWOOD FIGHT TEAM/元DEEP☆KICK -55kg級王者)
×ノラシン・スペチアーレジム(タイ/OISHI GYM/元ラジャダムナン&ルンピニー認定ライトフライ級王者、元ルンピニー認定フライ級王者)
判定3-0 (30-29/30-29/30-29)

第4試合 MMA フェザー級 5分3R
○倉本拓也(志村道場)
×秋山怜冬(clash)
1R 1’32” 三角絞め

第3試合 MMA フライ級 5分2R
△ユン・テスン(韓国/志村道場)
△廣瀬裕斗(Hida Training Lab team 阿修羅)
判定1-0 (20-18/19-19/19-19)

第2試合 キック 63kg契約 3分3R
○伊藤勇大(OISHI GYM)
×SOUL(IMPACT)
判定3-0 (30-27/30-2730-28)

第1試合 MMA バンタム級 5分3R
○小川隼也(ボンサイ柔術)
×徳弘拓馬(スタートジャパン)
1R 4’34” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)

オープニングファイト第3試合 PROGRESSフォークスタイル・グラップリング 85kg契約 5分2R
×濱岸正幸(カルペディエム三田)
○レアンドロ草野(草野柔術)
6-9

オープニングファイト第2試合 PROGRESSフォークスタイル・グラップリング 70.3kg契約 5分2R
○竹浦正起(カルペディエム三田)
×椿 飛鳥(トライデントジム)
1R 3’03” ヒールフック

オープニングファイト第1試合 PROGRESSコンバット柔術 66kg契約 5分2R
×生田 誠(トラスト柔術アカデミー)
○江木伸成(藤田柔術)
判定

 5月7日に名古屋国際会議場イベントホールで開催された『HEAT 50』の試合結果。皇治はダウサコンに延長Rで判定負け。春日井“寒天”たけしは引退試合で笹晋久と対戦しドロー。ライト級タイトルマッチは岡野裕城が草MAXに勝利し新チャンピオンになっています。続きを読む・・・
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【HEAT50】サウスポーの草MAXを左ジャブで制した岡野裕城が、RNCで仕留めてライト級王座を奪取

【写真】第6代HEAT MMAライト級王者、岡野裕城(C)MMAPLANET

<HEATライト級選手権試合/5分5R>
岡野裕城(日本)
Def.2R4分45秒 by RNC
草MAX(日本)

サウスポーの草MAXに対し、岡野が左ジャブ。草MAXは左ローで距離を測る。右ジャブから相手の右側に回る岡野、草MAXは左ミドルを放った際にバランスを崩してマットに手を着いた。立ち上がり距離を取る草MAXに、岡野が右の前蹴りを繰り出すと、草MAXは左ストレートを合わせる。プレッシャーをかけていく岡野の左ジャブが伸びる。草MAXも岡野の左ジャブに右フックを被せるも届かない。

岡野が距離を詰め、草MAXの蹴り足をキャッチ。バランスを崩した草MAX。そのまま岡野が左腕を差し上げて、草MAXをケージに押し込む。岡野が離れると、バックスピンキックを見せるも、岡野は距離を取ってから左ジャブを当てていく。残り30秒でケージを背負わせた岡野、草MAXは前に出るも組みつかれた。岡野が草MAXをケージに押し込んで初回を終えた。

2R開始早々、岡野が左ジャブを伸ばす。相手の右に回りながら、草MAXの右手を抑える。さらに右インローから左ジャブに繋げる岡野。草MAXは右ローをコツコツと繰り出す。岡野は右フックを当てた。草MAXは来いとアピールするが、岡野は相手の誘いに乗らず、左ジャブ、左フックからニータップで組みつき草MAXをケージに押し込んだ。レフェリーがすぐにブレイクをかける。

再開後、草MAXの左ハイをブロックした岡野は、変わらず左を中心に草MAXを攻め立てる。さらに右ミドルを当てた岡野。草MAXが前に出て来るとサークリングでかわす。草MAXは右カーフキック、岡野が距離を詰めてきたところに左ストレートで岡野に尻もちを着かせた。岡野はすぐに立ち上がってダブルレッグで組みつき、草MAXに尻もちを着かせてケージに押し込んだ。さらに草MAXが起き上がろうとしたところでバックに回り、RNCを狙う。左腕を首に回し、アゴの上から絞めあげてタップを奪った。

ライト級のベルトを巻いた岡野は、「ベルトを獲ったら泣いちゃうと思ったけど、泣いていないってことは、まだまだですね。まだまだ上を目指します。もっと強い相手とやりたいです」と語った。


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【HEAT50】アンディ・コング、再計量でも落とせず。桜井隆多の試合は消滅……

【写真】自ら売り込んだ話が事実なら、どういうつもりだったのだろうか。86キロ、87キロ、88キロという契約体重での交渉もありえただけに、桜井が気の毒すぎる(C)MMAPLANET

明日7日(土)に名古屋市熱田区の名古屋国際会議場で開催されるHEAT50。

イゴール・タナベの負傷欠場に伴い、代役として桜井隆多と戦うことになっていたアンディ・コングだが、本計量に続き再計量でもパスせず――主催者と桜井との協議の末、この試合は実施されないことが決まった。

一説によるとアンディ・コングはイゴールの欠場に伴い体重が落ちるということで、自ら出場を打診したという話も伝わっている。仮にこの話が真実であれば、理解不能な90キロという6キロ・オーバーでも名古屋入りだ。

■視聴方法(予定)
5月7日
午後1時30分~ TIGET LIVE

■HEAT50計量結果

<キック61キロ契約/3分3R>
皇治:60.9キロ
ダウサコンBANG BANG GYM:60.7キロ

<65キロ契約/5分3R>
春日井”寒天”たけし:65.0キロ
笹晋久:65.2キロ

<HEATキック・ミドル級選手権試合/3分5R>
[王者]アブラル・ヒマラヤンチーター:70.1キロ
[挑戦者] ラーシーシン・ウィラサクレック:70.2キロ

<HEATライト級選手権試合/5分5R>
[王者] 草MAX:70.2キロ
[挑戦者] 岡野裕城:70.1キロ

<キック62キロ契約/3分3R>
安川侑己:62.0キロ
モンダム・ウィラサクレック:62.0キロ

<ミドル級/5分3R>
桜井隆多:83.8キロ
アンディ・コング:90.0キロ

<キック53キロ契約/3分3R>
鈴木万李弥:53.3キロ
小澤聡子:53.1キロ

<キック57.5キロ契約/3分3R>
内藤凌太:57.5キロ
ノラシン・スペチアーレジム:57.0キロ

<フェザー級/5分3R>
倉本拓也:65.8キロ
秋山怜冬:65.5キロ

<フライ級/5分3R>
ユン・テスン:56.7キロ
廣瀬裕斗:56.8キロ

<キック63キロ/3分3R>
伊藤勇大:62.7キロ
SOUL:62.8キロ

<バンタム級/5分3R>
小川隼也:61.4キロ
徳弘拓馬:61.1キロ

<フォークスタイルグラップリング85キロ契約/5分2R>
濱岸正幸:84.4キロ
レアンドロ草野:84.5キロ

<フォークスタイルグラップリング・ライト級/5分2R>
竹浦正起:69.3キロ
椿飛鳥:70.0キロ

<コンバット柔術66キロ契約/5分2R>
生田誠:65.3キロ
江木伸成:61.1キロ

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【HEAT50】春日井たけしの引退試合の相手を務める笹晋久「単に名前のある選手と戦うチャンス」

m>【写真】春日井にリスペクトをもって挑む笹だが、これからを考えると遅れを取ることは絶対にならない一戦だ(C)MMAPLANET

7日(土)に名古屋市熱田区の名古屋国際会議場で開催されるHEAT50で春日井たけしの引退試合の相手を笹晋久が務める。

現役生活から身を引く春日井に対し、笹はここから上を目指す選手。記念試合で引き立て役になってしまうと、先が見えなくなる。そんな一戦を前に、計量直後の笹をインタビューした。


――計量を終えたばかりの笹選手です。春日井選手の引退試合でHEAT初参戦、どのような想いでしょうか。

「春日井選手はパンクラスで戦っていた時、自分が修斗に出ていて――強いと聞いていた選手です。RIZINバンタム級GPで扇久保さんと春日井選手が戦った時に僕はセコンドだったのですが、引退試合で募集を掛けていたにも関わらず、僕の方のオファーが来たのでぜひとも戦わせてほしいと思いました」

――春日井選手はケジメの一戦。対して、笹選手は前回の石司戦に敗北しており、引退する選手を相手に絶対に負けることは許されない試合という見方もできます。そういう点でプレッシャーは?

「プレッシャーはないです。別に引退試合だからって花を持たせるつもりは一切ないですし、単に名前のある選手と戦うチャンスだと思っています。これからそういう選手に勝って行かないといけないので、しっかりと春日井選手を倒したいです」

――65キロ契約になります。

「あまりにも急だったので、バンタムまでは落ちないので65キロで受けさせてもらえるなら、そこで戦いたいと思いました。練習に関しては、試合があろうがなかろうが変わらずやっているのですが、減量に関しては65キロ契約でも期間も期間だったので、最終的には厳しかったです(苦笑)」

――ではHEATについて、どのような印象を持っていましたか。

「HEATといえば春日井選手という印象でした」

――あぁ、なるほど。では春日井戦後に関して、どのようなプランを持っていますか。

「DEEPに戻る気ではいますが、そこまで考えていないです。とにかく、この試合で勝たないといけないので」

――ねちっこい春日井選手に対し、どのような試合をしたいと思っていますか。

「自分はそんな難しいことはできないので、自分ができる戦い方で勝ちたいと思っています」

■視聴方法(予定)
5月7日
午後1時30分~ TIGET LIVE

■HEAT50計量結果

<キック61キロ契約/3分3R>
皇治:60.9キロ
ダウサコンBANG BANG GYM:60.7キロ

<65キロ契約/5分3R>
春日井”寒天”たけし:65.0キロ
笹晋久:65.2キロ

<HEATキック・ミドル級選手権試合/3分5R>
[王者]アブラル・ヒマラヤンチーター:70.1キロ
[挑戦者] ラーシーシン・ウィラサクレック:70.2キロ

<HEATライト級選手権試合/5分5R>
[王者] 草MAX:70.2キロ
[挑戦者] 岡野裕城:70.1キロ

<キック62キロ契約/3分3R>
安川侑己:62.0キロ
モンダム・ウィラサクレック:62.0キロ

<ミドル級/5分3R>
桜井隆多:83.8キロ
アンディ・コング:90.0キロ

<キック53キロ契約/3分3R>
鈴木万李弥:53.3キロ
小澤聡子:53.1キロ

<キック57.5キロ契約/3分3R>
内藤凌太:57.5キロ
ノラシン・スペチアーレジム:57.0キロ

<フェザー級/5分3R>
倉本拓也:65.8キロ
秋山怜冬:65.5キロ

<フライ級/5分3R>
ユン・テスン:56.7キロ
廣瀬裕斗:56.8キロ

<キック63キロ/3分3R>
伊藤勇大:62.7キロ
SOUL:62.8キロ

<バンタム級/5分3R>
小川隼也:61.4キロ
徳弘拓馬:61.1キロ

<フォークスタイルグラップリング85キロ契約/5分2R>
濱岸正幸:84.4キロ
レアンドロ草野:84.5キロ

<フォークスタイルグラップリング・ライト級/5分2R>
竹浦正起:69.3キロ
椿飛鳥:70.0キロ

<コンバット柔術66キロ契約/5分2R>
生田誠:65.3キロ
江木伸成:61.1キロ

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【HEAT50】計量終了 代役アンディ・コング大幅オーバー 組み技出場の竹浦正起「本戦に負けない」

【写真】MMAマッチ出場選手の集合写真(C)MMAPLANET

明日7日(土)に名古屋市熱田区の名古屋国際会議場で開催されるHEAT50の計量が、中区の名鉄イン名古屋金山1Fレストランで行われた。

グラップリング出場6選手

石井慧と対戦予定だったダニエル・スポーンがPCR検査で陽性となり日本便に搭乗できず、試合がキャンセルとなった同大会。

さらにイゴール・タナベも負傷欠場となり、桜井隆多はアンディ・コングとのマッチアップが決まったが、ミドル級リミットでアンディ・コングは本計量で90キロと大幅オーバーとなっている。

桜井×アンディが明日組まれるのか、まだ主催者発表はないが――ここではMMAとProgress提供のグラップリングマッチに出場する選手の明日の試合に対する意気込みをお伝えしたい。


笹晋久
「試合が急に決まったのですが、受けていただきありがとうございます。やってきたことを出すので、よろしくお願いします」

春日井たけし
「急遽試合を受けてくれた笹選手、本当にありがとうございます。僕のラストファイト、面白い試合ができるよう頑張ります」

岡野裕城
「あんまり声が出ていないのですが……全力でやって倒します」

草MAX
「ベルトは渡さないんで」

アンディ・コング
「今からちょっと瘦せようと思います」

桜井隆多
「相手が一応代わってしまって、急遽アンディさんに相手をしてもらうのですが、ちょっと今まだ問題があるみたいなんでよろしくお願いします」

秋山怜冬
「明日は僕のデビュー戦になるんで。精一杯盛り上げようと思うんでよろしくお願いします」

倉本拓也
「前回のHEAT49にも出させてもらったのですが、今回の方がコンディションが良いので明日は絶対にKOで勝ちます」

廣瀬裕斗
「急遽試合が決まったのですが、全力で頑張るのでよろしくお願いします」

ユン・テスン
「相手がコロナに罹って、試合ができないかと思っていたなかで急遽出てくれた廣瀬選手、ありがとうございます。明日は全力で頑張ります」

徳弘拓馬
「明日はやってきたことを出すだけなんで、全力で頑張ります」

小川隼也
「1年半ぐらいまではパンクラス。初めてHEATに上がるんですけど、相手とキャリアの差は全然あるので圧倒したいと思います。以上です」

レアンドロ草野
「いつも通り楽しくアグレッシブな試合を見せたいと思います。お願いします」

濱岸正幸
「グラップリングの面白さが伝わるような熱い面試合をしたいと思います。よろしくお願いします」

椿飛鳥
「明日は良いケージレスリングをしようと思います。よろしくお願いします」

竹浦正起
「明日は本戦に負けないようにグラップリングでも楽しい試合をしたいと思います。よろしくお願いします」

江木伸成
「コンバット柔術は初めてなので、本戦のキックに負けないよう楽しい動きのある試合をしようと思います」

生田誠
「コンバット柔術は日本ではほとんど試合がないです。こういうプロの大会でやることも多分なかったと思います。アマチュアの大会は東京で今成さんがやっていて、そっちの方がチャレンジしたのですが、なかなか難しいルールで。見る方も寝技だけだとちょっと面白くない場合があると思いますが、打撃が入ることでちょっとスリリングな動きとか見せられると思いますので、皆さん、コンバット柔術を日本で堪能してください」

■視聴方法(予定)
5月7日
午後1時30分~ TIGET LIVE

■HEAT50計量結果

<キック61キロ契約/3分3R>
皇治:60.9キロ
ダウサコンBANG BANG GYM:60.7キロ

<65キロ契約/5分3R>
春日井”寒天”たけし:65.0キロ
笹晋久:65.2キロ

<HEATキック・ミドル級選手権試合/3分5R>
[王者]アブラル・ヒマラヤンチーター:70.1キロ
[挑戦者] ラーシーシン・ウィラサクレック:70.2キロ

<HEATライト級選手権試合/5分5R>
[王者] 草MAX:70.2キロ
[挑戦者] 岡野裕城:70.1キロ

<キック62キロ契約/3分3R>
安川侑己:62.0キロ
モンダム・ウィラサクレック:62.0キロ

<ミドル級/5分3R>
桜井隆多:83.8キロ
アンディ・コング:90.0キロ

<キック53キロ契約/3分3R>
鈴木万李弥:53.3キロ
小澤聡子:53.1キロ

<キック57.5キロ契約/3分3R>
内藤凌太:57.5キロ
ノラシン・スペチアーレジム:57.0キロ

<フェザー級/5分3R>
倉本拓也:65.8キロ
秋山怜冬:65.5キロ

<フライ級/5分3R>
ユン・テスン:56.7キロ
廣瀬裕斗:56.8キロ

<キック63キロ/3分3R>
伊藤勇大:62.7キロ
SOUL:62.8キロ

<バンタム級/5分3R>
小川隼也:61.4キロ
徳弘拓馬:61.1キロ

<フォークスタイルグラップリング85キロ契約/5分2R>
濱岸正幸:84.4キロ
レアンドロ草野:84.5キロ

<フォークスタイルグラップリング・ライト級/5分2R>
竹浦正起:69.3キロ
椿飛鳥:70.0キロ

<コンバット柔術66キロ契約/5分2R>
生田誠:65.3キロ
江木伸成:61.1キロ

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【HEAT50】岡野裕城を相手にHEATライト級王座防衛戦、草MAX「もともとマイナススタートだった」

【写真】皇治、石井慧、イゴール・タナベが出場する大会。注目度が高いだけに、草MAXもキャリアアップのアピールの場としたい(C)SHOJIRO KAMEIKE

5月7日(土)、名古屋市熱田区の名古屋国際会議場で開催されるHEAT50で、草MAXが岡野裕城を相手に、保持するライト級王座の防衛戦を行う。
Text by Shojiro Kameike

2020年9月に阿部右京をKOした草MAXにとって、これが初防衛戦となる。今年で41歳を迎える草MAXだが、「もともと自分はマイナススタートなので、年齢は関係ない」という。果たしてマイナススタートとは何なのか。そこには意外なほど、一般の学生からMMAのチャンピオンになるまでの、ドタバタなストーリーがあった。本当に人生とは、何があるか分からない――。


――5月7日、1年半ぶりの試合を迎えます。

「そうですね。最初は去年の12月ぐらいに試合を……というオファーがあったんですけど、コロナ禍の影響もあって、ここまで伸びた形です。でも、その空き缶にしっかり準備することができました」

――草MAX選手は2020年からHEATに参戦し、前回の試合で阿部右京選手をKOしてライト級王座を獲得しました。どのような経緯でHEATに参戦することになったのでしょうか。

「もともとパンクラスさんでお世話になっていたんですけど、間に入ってくださっている方から『HEATでやってみないか?』と言ってくださって。私もいろいろな刺激を入れてみたタイミングだったので、ちょうど良かったと思います」

――それまでHEATという大会に対しては、どのような印象を持っていましたか。

「個人的には今までHEATさんには縁がなかったんですよ。でも同じチームでやっていた新村優貴や辰巳豪人さんがHEATに出場して、その時にセコンドとして行っていたんです。だからチャンスがあれば、自分もHEATに出場してみたいと思っていました」

――もともとチームとしてはHEATに縁があったのですね。そのHEAT初戦、パーキーとの試合は判定負けを喫しました。

「あの時はタイトルマッチで5R制だったんですけど、自分の作戦としては4Rまで削って、最終ラウンドでKOしようと考えていました。それで4ラウンドまで削ることに成功したんですよね。でも、最終ラウンドでテイクダウンされてしまって。

相手の試合映像を見ていて、打ち合いに来ると思っていたんです。だからテイクダウンに来ることを予想していませんでした。今考えると、当たり前なんですけどね。MMAだし、相手も勝つために――ベルトを巻くために来ているですから 」

――……。

「今でも覚えています。4ラウンド目に三日月蹴りを入れたら、明らかに相手が嫌な顔をして。これは5ラウンドにKOできると思っていたら、テイクダウンされてしまい……。さらにパウンドを打ってくるのではなく固めに来たので、自分のほうが焦ってしまいました。

自分の次の試合から切り替えて、まず削りに行くんですけど、行ける時は行こうと。それで前回の試合は良い結果になったと思っています」

――そうしてHEATで復活を果たした草MAX選手ですが、HEATに参戦する前……2016年あたりから試合数が減っていたのは、何か理由があったのでしょうか。

「いろいろ大きなケガが続いていたので、試合間隔が空いてしまったところはあります。ただ、年齢的な要因は感じていないんです。というのも、僕は若い頃からやっていたわけではなく、大学を卒業してから格闘技を始めたので。ケガの治りが遅いのは年齢も関係しているとは思いますけど、技術や体力についてはプラスしかないですね。もともとマイナススタートだったので」

――マイナススタートとは?

「これは恥ずかしい話なんですけど……大学生の頃は毎日お酒を飲むような生活をしていたんです。それで就職の内定を頂いた企業で健康診断を受けたら、ガンマGTPの数値が高すぎると言われて(苦笑)。医者からも『命に関わるぞ』と言われました」

――えっ!? ガンマGTPの数値が高いということは、それだけお酒の飲みすぎで肝臓の状態が悪くなっていたのですか。

「はい。そこから運動するために、ゴールドジムに入っていたTARGETさんに週2回通いだしたのが、格闘技を始めたキッカケです」

――確かにマイナススタートですね。健康的な観点ですが……。

「アハハハ。でも体力的にも、一般的な基準には程遠かったですから。本当にダメな学生でしたね(苦笑)」

――ということは、最初はMMAではなく、健康のためにキックボクシングを始めたのですか。

「はい。当時はまだRISEも始まったばかりで、アマチュア大会も同じ階級では参加者も少なく、出たら運良く勝てたんです。そうしたら伊藤(隆RISE代表)さんから『せっかくだからプロでやってみないか?』と誘われて、RISEでプロ江ビューしました。
しかも当時はFEG体制下のK-1全盛期で、K-1を見ていて自分も大きな選手と試合したいなと思っていたんですよ。だから何も考えず、ヘビー級を目指して体重を上げていました。でもデビュー戦がキックボクシングのミドル級……72.5キロまで急激に落としたんです(苦笑)」

――なかなか紆余曲折な格闘技人生ですね……。

「それだけ当時は何も知りませんでした。しかも僕は免疫力が弱くて、減量していると体調を崩してしまうことがあっったんです。そんな時に、中尾KISS芳広さんがTARGETに練習に来られていて、MMAなら77キロの階級があるよと教えてもらったんです。僕も77キロなら無理なく落とせるかなと思い、そこからMMAにチャレンジすることになりました。MMAが何かもよく分かっていないのに(笑)」

――77キロ、つまりMMAのウェルター級で試合をしてきた草MAX選手がライト級へ落とした理由は何だったのでしょうか。

「初めてライト級に落としたのは林源平戦(2016年6月、判定負け)だったと思うので、かなり前のことですね。あの時は体重が全然落ちなくて焦りました(苦笑)。もともとキックボクシングの72.5キロやっていた時は、格闘技について何も分かっていなかったんです。MMAを始めて77キロで試合をするうちに……力負けすることはなくて。でもウェルター級やミドル級の練習仲間のなかで、僕は体が大きいほうではなかったので、自分はウェルター級ではないなと思い始めたんですよ」

――ウェルター級やミドル級の練習仲間というと……。

「特にGENスポーツパレスで岡見(勇信)さんと練習していて、岡見さんがウェルター級なら自分は絶対にウェルター級じゃないなと思いました(笑)」

――なるほど。

「でも、GENでは良い練習をさせてもらっています。中尾さんのチームタックラーが解散してからGENへ行かせてもらうようになりました。今はいろんな階級の選手が集まっていますけど、当時はウェルター以上の選手ばかりで。だからこそ良い練習になっていましたね」

――それまでの練習と、GENでの練習は何か違うものはありましたか。

「自分がMMAについて、どこかのジムで学んだわけではないんです。中尾さんと一緒に練習していた頃は、ほぼスパーリング中心でした。そういう練習をしていると、頑張ってディフェンスは強くなるんですけど、自分が攻める方法が分からなくなってくるんですよ。
GENに集まるのも練習会なので、スパーリング中心です。でもトップ選手が集まって技術交流をするのは、すごく大きいですね。トップ選手が教えてくれる技術や、スパーリングの動きに対して指摘してくれたり……そういう練習会があるのは嬉しいです」

――そうしたキャリアを経て、ベルトを獲得したのはHEATライト級王座が初となります。

「そうですね。やってきたことが形になって嬉しかったです。そもそもがマイナススタートでしたからね。まず自分がプロ選手として試合をするということが考えられなかったので。高校や大学の友達は、格闘技をやっていると言っても信じてくれませんでした(苦笑)」

<この項、続く

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