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【ONE FF10】ロシアの猛者パルシコフと対戦、狩野優「この2年半の戦いが何であったか証明する」

【写真】無口な狩野の代わり、長南代表が計量に関して話してくれた(C)MMAPLANET

本日24日(金・現地時間)、タイはバンコクのルンピニースタジアムでONE Friday Fight10が開催され、狩野優がイヴァン・パルシコフと対戦する。

昨年はDEEPでも戦い、目標とするステージはRIZINかと思われた狩野だが、一転ONE FFでロシア人ファイターと戦う。現状、日本にいては経験できない相手との試合は狩野のためのファイトでなく、ONEのヒエラルキーのなかでの生き残り合戦という位置づけだ。ここから先を目指すために、この戦いに集中するという狩野と師・長南亮にハイドレーション対策から、まずは話を訊いた。


──狩野選手、試合前夜にありがとうございます。無事、計量を終えフェイスオフも済ませたようですが、昨年にはチームメイトの若松佑弥選手がハイドレーション失敗を経験しており、ホッとしたところがあるのではないですか。

「ちょっと苦しめられました。いつも通りの減量をしていると、きっと失敗していたと思います」

──そうだったのですか。確か狩野選手はコロナ禍で一階級上&当日計量の経験はありますが、ハイドレーションは初めてでしたね。

「ハイ。ライト級が77キロだったり、フェザー級が70キロというのは経験していますが、ハイドレーションは初めてなので難しくて、ちょっと今回はアドバイスがないとクリアできなかったと思います」

長南亮 狩野は言葉が足らないので自分が付け足させてもらって良いですか。

──もちろんです。宜しくお願いします。

長南 彼は慎重派で、日本でも計量ではアンダーするぐらいに落としているんです。北米ユニファイドならもう1階級下の61.2キロのバンタム級でも行けるんじゃないかというぐらい、計量の前日に65.8キロを余裕で下回っています。普段の練習と摂生で、そこまで行くんです。

──なのでONE階級だとバンタム級で、フェザー級ではないのですね。

長南 ハイ。ただ、そうやって練習をして体重が落ちるモノだから1週間前からハイドレーションがオーバーしている状態で。練習後に測ると、ずっと尿比重が規定を越えてしまって。汗はたくさんでるのですが、尿はあまり出ない体質のようで。凄く濃いのが出てしまうんです。

──う~ん、難しいです。

長南 尿比重は規定はあっても、個人差があるので。水抜きする・しない以前に、普通に慎重に体重を合わせていくと小便が濃い。

──解決策としては、普段からこまめに水を飲んで、ウォーターローディングするような形だったのですか。

長南 そうですね。それと活動時間ごとに尿比重計で細かくチェックしていると、夜になる……活動をしていると尿比重は上がることが分かりました。朝は大丈夫でも、練習すると肝臓のなかのグリコーゲンが不足して尿比重は上がる。そのデータに基づいて計量に臨んだら、余裕でハイドレーションもクリアしました。

狩野は普段から食事も練習もちゃんとしているから、体重をしっかり落とすと尿比重が上がっていた。そこが掴めると、余裕でした。逆に以前の北米ユニファイドの計量の時は、食事も水分ももっと摂って体重を落とそうって言っていたんです。それがファイトウィークに入るころには、もう2キロオーバーとかの状態になっていたので。

─普段から摂生していると何かの時に修正しやすくるわけですね。ともかく、まずはハイドレーションのストレスから無事解放されましたね。

「ハイ。気持ち的にはストレスになっていましたけど、もうクリアできたので達成感もあります。もう試合は試合なんで、そこはもう大丈夫です」

──ところで狩野選手は昨年、EXFIGHTからPOUNDSTORM、そしてDEEPで2試合を戦いました。DEEP出場でてっきり目標はRIZINかと思っていたのですが、ここにきてONE FF出場は少し驚きました。

「DEEP参戦は……何だったんですかね」

──アハハハハ。

長南 中村大介がTRIBEの人間と戦いたい発言をして。ウチのチームの選手とやりたいということで、狩野もその試合は興味があると。でも、中村大介が韓国で試合をしたり、すぐに組まれなかったんですよ。50歳過ぎても現役にいると言っていても、彼が強い間に戦わせたかった。でもタイミングが合わなくて、違う相手と組まれて。それでは狩野に必要な経験を積ませることができなくなります。なら、必要な戦いをしようということでONE FFに出ることに決めました。

──DEEPでは中村選手以外には興味がなかったですか。

「なかったです。すぐに戦わせてもらえると思ったので」

──せっかく佐伯✖長南のラインが復活したのに……。

長南 でも他の選手もDEEPに出ますし。狩野にしても、彼にとって必要な試合が組まれれば、また出るかもしれないです。現状、狩野が戦いたいと思う選手がいなかった。今のチャンピオンでも勝てるでしょ?

「それはもう、気持ちは全然勝てます」

長南 気持ちかよ(笑)。

「いや、勝てます!!」

──アハハハ。言い換えると、ONE FFには今必要な試合があったというわけですね。

「そのうち、海外で国際戦を戦うことになると思っていました。先輩方が通ってきた道、活躍している団体で戦えるのは光栄なことなので」

──そして対戦相手は東南アジア系でなく、タイ在住のロシア人が来ました。

「自分が経験したことがないフィジカルの持ち主と、戦ってきたんだろうって思います。でも自分もそういう経験を積んでいかないと、この先勝てない。ここでロシア人と戦えることは、日本では経験できない貴重な機会になります。ロシア人が来るのかって、正直思いましたけど」

長南 日本で(エフェヴィガ)雄志とか、自分より大きな相手と練習してますからね。何回りか小さくても、やり合えていますからね。トレーナー目線で、パワーの差はそれほど気にしていないです。ただし何も狩野のために組まれた試合じゃない。強い者が勝ち残るという戦いですね。

──では狩野選手、イヴァン・パルシコフにどのような印象を持っていますか。

「組みとか寝技もできるんですけど、負けん気が強いというか。そういう感じですよね、フルラウンド戦い切れる。気持ちが強いです。だから、自分はソレを上回る気持ちの強さで勝負します。そういうところで勝負していかないと、勝てないです。自分の戦いを貫くことが一番大事になってきます。タフな試合になることは覚悟していますけど、一方的に勝つ……試合を通して自分が圧倒していたいです」

長南 技術面は自分が担当しているので。そこは、全部計画を立てています。一方的に勝つことを目指しながら、競り合いになっても勝つ。我々の戦いに、無暗に殴り合うというのは入っていないので。スタミナ勝負、何か必要というところで前に出て仕掛けることができるか。それが根性勝負で、決して殴り合うことではないです。

──ONE FFで戦うということは、今後の目標はONE本戦ですか。

「海外で戦うということです。自分の名前を海外で外国人と戦って浸透させる。海外で戦う、そこしか考えていなくて。そのステップアップのための試合なので、明日の試合より先のことは考えていないです」

──では最後に意気込みの方を改めてお願いします。

「日本で戦ってきた2年半が何だったのかを証明するために戦います」

■放送予定
3月24日(金・日本時間)
午後9時30分~ ABEMA格闘チャンネル

■ONE FF10 MMA対戦カード

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
狩野優(日本)
イヴァン・パルシコフ(ロシア)

<ヘビー級(※102.01キロ)/5分3R>
ローレンス・フィリップス(米国)
アクメド・バグスハエフ(ロシア)

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ABEMA MMA MMAPLANET o ONE ONE Championship ONE FN08 ONE163   ハム・ソヒ 平田樹 若松佑弥

【ONE FN08】平田樹「何度もごめんなさい」✖ハム・ソヒ「日本が大好きです。応援してくれたら嬉しい」

【写真】このスポーツで最も空虚で悲しい、セレモニアル計量&フェイスオフ。もう、こんなことがないように (C)ONE

8日(水・現地時間)、ONE championshipより3月25日(土・同)にシンガポールのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE Fight Night08に平田樹が出場し、ハム・ソヒと対戦することが発表された。

両者は昨年11月に対戦予定だったが、平田がハイドレーションに苦戦し、基準値を下回ると体重オーバーという状態で計量をクリアできず。ハム・ソヒがキャッチウェイト戦を拒否したという経緯があった。


今回の発表に関するリリースに寄せられた両者のこの試合に対するコメントは以下の通りだ。

平田樹
「改めてこの試合のオファーをもらった時の気持ちは、『やることは変わらない。このチャンスを頂けたことに感謝』そういう思いでした。ニューヨークにまた戻ってきて、立ち技も寝技も偏ることなく毎日練習に励んでいます。私はチャレンジャーで、この大きなチャンスを掴みに試合に臨みます。しっかりMMAの試合運びを見せたいと思います。ハム・ソヒさん、お待たせしました。応援してくださっている皆さん、何度もごめんなさい、でもしっかり勝ってきます!」

ハム・ソヒ
「ファンの声によっては私の前回の(試合をしないという)判断に色々と意見があったのも事実だったので、イツキとのことは早くケジメをつけたかったから、オファーをもらえて良かったです。トレーニングは、今まで通りやっています。試合に向けても時間がたっぷりあるので、細かい部分や自分の体のコンディションにもより気にして過ごしています。この試合で勝って、自分が次のタイトル挑戦者であることを伝えたいし、この階級で自分が一番だってことを見せたいです。日本のファンの皆さん、前回の私の判断に賛否があったと思いますが、私は日本が大好きです。応援してくれたら嬉しいです!」

※関連リンク【ONE163】計量終了 崩れゆく理想論─。平田樹と若松佑弥が計量通らず。平田✖ハム・ソヒはキャンセル

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【ONE】若松佑弥の今―03―「MMAの練習ができない間に山登り、滝行、カポエイラをやってみました」

【写真】ここが若松の人生の分岐点となった──かもしれない (C)MMAPLANET

2023年に向けて『2022年中に話を訊いておきたい』勝者、敗者を6人リストアップしたインタビュー──若松佑弥編Part.03。

もって生まれた性格でなく、自己をコントロールする。その難しさを理解し、そうなろうとする自分。そんな若松佑弥の今が語られた。

<若松佑弥インタビューPart.02はコチラから>


──ウ・ソンフン戦の負けで、ある意味人生観が変わったということでしょうか。

「勝ち続けて調子に乗る。そういう人間は五万といます。僕はもう、そういう人間にならない。その機会を与えてもらったと思います」

──試合での敗北。人生を賭けて戦っているのだから、自分の人生が負けて全てを失ったような感覚に陥るかもしれないです。ただし、人生の負けではなく一時的な失敗。その失敗を如何に見つめるのかが、次に繋がる。年を取るとそんな風に思えるようになってきました。

「ハイ、そこはしっかりと見ようと思います。目を瞑るということは妥協することで。妥協しようと思えば、いくらでもできます。敗北に向き合うと……正直、あの負けを思い出して叫びそうになったこともありました。うわぁ……って。それができれば、楽だったかなって思います。

僕が終わったという風に言っている人もいます。それは、僕自身も以前は他の選手のことで『あぁ、あの選手見なくなったな』って簡単に思っていました。でも、その選手だって姿を見せなくて、色々な発信していなくても裏では戦っていたはずです。

そんなこと誰も知らないし、僕も分かっていなかった。でも、今の僕はそれが分かる。分かったことで、自分に対しても『休めってことだな。まぁ、見ておけよ』って思えるようになったんです」

──う~ん、深いですねぇ。

「この間、MMAの練習ができない間に山登り、滝行、カポエイラをやってみました」

──カポエイラ?

「ハイ。運動というか……MMAとは別モノと考えて」

──いや、カポエイラの準備運動をするだけでもコーディネーション能力のアップにつながると自分は思っています。

「あぁ、あの動きは……そうかもしれないですね。器械体操とかと同じですね。体を自在に操れるというか……。僕、バック宙もやってみると、できたんです。自分でもバック宙ができることを知らなかったです。カポエイラもそうですけど、知らないことが多すぎました。MMAだけに集中して、そこだけに全てを賭けてやってきたけど、自分のことですら知らないことだらけだったんです。

カポエイラにしても、他の人がやっているのを見て『俺もできると思う』ぐらいでいるとダメで。自分でやらないと分からないです。本当に……滝行なんて、実際にやってみないとあのキツさは分からない。そういう格闘技でなくても知らないことがあって、知らないことを知る。そのことが自分に役立つ。

カポエイラの動きでMMAを勝つわけじゃないけど、カポエイラをやることで僕の蹴りが良くなるかもしれない。リュックを背負って山の中を走ることで、パンチが良くなるかもしれない。滝行もそうで、MMAとは違うところで体と精神に刺激を与えてやる。そこには達成感や喜びもあって、色々と感銘を受けることができます。そういうことを自ら体験していかないといけない」

──ここも誤解されるようなことかもしれないですが、全ては自分が強くなるために必要だということですね。いやぁ、でも迷走していると思われるかもしれないですね。

「そんなもんは……僕はもう自分勝手にやっちゃっているんで。安藤(達也)さんって『練習していない』って思われるじゃないですか」

──ハイ。安藤選手、夜叉坊選手。山に行って、水泳して。何やってんだ、と。

「僕も前はそう思っているところがありました。でも、『いや、そうじゃない』って感じて。多分、安藤さんからすると『あっ、祐弥。気付いたんだ。そこに』みたいに思っているかもしれいないです。自然に身を置く、そういう観点だって存在している。

MMAをやっていると、そういう人たちは遊んでいるように見えると思います。でも、そうじゃない。それが分かりました。全てが修行で……。でもリラックスとか精神世界に走る気はないです。お坊さんの話を聞いたり、精神性という部分では参考にさせてもらっても。

僕は試合に勝ちたい。そして、人間として強くありたい。ずっと試合に勝ち続けること、ずっと努力し続けることが強くなるということだと思っています。結局はシンプルにプラス思考で生きること。それは全てに感謝するということで。そうできることが、素晴らしい人生を送るということ。『喧嘩に勝ちたい』という風にただ肉体的な強さに憧れていた以前の自分が、今の自分を見ると『お前、詰まんねぇなぁ』って言うと思います(笑)。

でも、今の方が自分に対して、将来に対して楽観視できています。以前は『こいつら、会った時はぶっ飛ばしてやろう』と思っていたような連中に対しても、そういう気持ちはなくなりました。やっておけば良いよって。ぶっ飛ばしてやろうと思っていたこと自体が、自分の弱さでした」

──人に優しくなれた?

「いえ、そうではなくて自分がコントロールできるようになった。自制できるようになったと思っています。千日回峰行を達成した人でも、やっぱり自分に甘く接したい時があるはずです。でも、それをすると全てが崩れる」

──自分をコントロールすること、それこそ精神的に一番の苦行かもしれないですね。

「だからこそ日々、学んで自制していくこと。そうすることで自分は進化できる。それでも勝った負けたでいえば、いつも良い結果が出るものじゃない。でも負けても……負けたら、負けたでまた考えれば良い。そういう境地じゃないですけど、これまで分かっていなかった気持ち、精神的な弱さがあったことに11月の負けで気づけました。

だから、これまでもやってきたのですが……当てられた相手に勝つ。さらにシンプルに自分のやるべきことはそれだけだと思っています。必要以上に多くを語る必要はなくて。内に秘めて、自分のやるべきことを全うしていくごことできれば……それで良いかなって。それが日々の修行になる。そう思います」

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【ONE】若松佑弥の今―03―「MMAの練習ができない間に山登り、滝行、カポエイラをやってみました」

【写真】ここが若松の人生の分岐点となった──かもしれない (C)MMAPLANET

2023年に向けて『2022年中に話を訊いておきたい』勝者、敗者を6人リストアップしたインタビュー──若松佑弥編Part.03。

もって生まれた性格でなく、自己をコントロールする。その難しさを理解し、そうなろうとする自分。そんな若松佑弥の今が語られた。

<若松佑弥インタビューPart.02はコチラから>


──ウ・ソンフン戦の負けで、ある意味人生観が変わったということでしょうか。

「勝ち続けて調子に乗る。そういう人間は五万といます。僕はもう、そういう人間にならない。その機会を与えてもらったと思います」

──試合での敗北。人生を賭けて戦っているのだから、自分の人生が負けて全てを失ったような感覚に陥るかもしれないです。ただし、人生の負けではなく一時的な失敗。その失敗を如何に見つめるのかが、次に繋がる。年を取るとそんな風に思えるようになってきました。

「ハイ、そこはしっかりと見ようと思います。目を瞑るということは妥協することで。妥協しようと思えば、いくらでもできます。敗北に向き合うと……正直、あの負けを思い出して叫びそうになったこともありました。うわぁ……って。それができれば、楽だったかなって思います。

僕が終わったという風に言っている人もいます。それは、僕自身も以前は他の選手のことで『あぁ、あの選手見なくなったな』って簡単に思っていました。でも、その選手だって姿を見せなくて、色々な発信していなくても裏では戦っていたはずです。

そんなこと誰も知らないし、僕も分かっていなかった。でも、今の僕はそれが分かる。分かったことで、自分に対しても『休めってことだな。まぁ、見ておけよ』って思えるようになったんです」

──う~ん、深いですねぇ。

「この間、MMAの練習ができない間に山登り、滝行、カポエイラをやってみました」

──カポエイラ?

「ハイ。運動というか……MMAとは別モノと考えて」

──いや、カポエイラの準備運動をするだけでもコーディネーション能力のアップにつながると自分は思っています。

「あぁ、あの動きは……そうかもしれないですね。器械体操とかと同じですね。体を自在に操れるというか……。僕、バック宙もやってみると、できたんです。自分でもバック宙ができることを知らなかったです。カポエイラもそうですけど、知らないことが多すぎました。MMAだけに集中して、そこだけに全てを賭けてやってきたけど、自分のことですら知らないことだらけだったんです。

カポエイラにしても、他の人がやっているのを見て『俺もできると思う』ぐらいでいるとダメで。自分でやらないと分からないです。本当に……滝行なんて、実際にやってみないとあのキツさは分からない。そういう格闘技でなくても知らないことがあって、知らないことを知る。そのことが自分に役立つ。

カポエイラの動きでMMAを勝つわけじゃないけど、カポエイラをやることで僕の蹴りが良くなるかもしれない。リュックを背負って山の中を走ることで、パンチが良くなるかもしれない。滝行もそうで、MMAとは違うところで体と精神に刺激を与えてやる。そこには達成感や喜びもあって、色々と感銘を受けることができます。そういうことを自ら体験していかないといけない」

──ここも誤解されるようなことかもしれないですが、全ては自分が強くなるために必要だということですね。いやぁ、でも迷走していると思われるかもしれないですね。

「そんなもんは……僕はもう自分勝手にやっちゃっているんで。安藤(達也)さんって『練習していない』って思われるじゃないですか」

──ハイ。安藤選手、夜叉坊選手。山に行って、水泳して。何やってんだ、と。

「僕も前はそう思っているところがありました。でも、『いや、そうじゃない』って感じて。多分、安藤さんからすると『あっ、祐弥。気付いたんだ。そこに』みたいに思っているかもしれいないです。自然に身を置く、そういう観点だって存在している。

MMAをやっていると、そういう人たちは遊んでいるように見えると思います。でも、そうじゃない。それが分かりました。全てが修行で……。でもリラックスとか精神世界に走る気はないです。お坊さんの話を聞いたり、精神性という部分では参考にさせてもらっても。

僕は試合に勝ちたい。そして、人間として強くありたい。ずっと試合に勝ち続けること、ずっと努力し続けることが強くなるということだと思っています。結局はシンプルにプラス思考で生きること。それは全てに感謝するということで。そうできることが、素晴らしい人生を送るということ。『喧嘩に勝ちたい』という風にただ肉体的な強さに憧れていた以前の自分が、今の自分を見ると『お前、詰まんねぇなぁ』って言うと思います(笑)。

でも、今の方が自分に対して、将来に対して楽観視できています。以前は『こいつら、会った時はぶっ飛ばしてやろう』と思っていたような連中に対しても、そういう気持ちはなくなりました。やっておけば良いよって。ぶっ飛ばしてやろうと思っていたこと自体が、自分の弱さでした」

──人に優しくなれた?

「いえ、そうではなくて自分がコントロールできるようになった。自制できるようになったと思っています。千日回峰行を達成した人でも、やっぱり自分に甘く接したい時があるはずです。でも、それをすると全てが崩れる」

──自分をコントロールすること、それこそ精神的に一番の苦行かもしれないですね。

「だからこそ日々、学んで自制していくこと。そうすることで自分は進化できる。それでも勝った負けたでいえば、いつも良い結果が出るものじゃない。でも負けても……負けたら、負けたでまた考えれば良い。そういう境地じゃないですけど、これまで分かっていなかった気持ち、精神的な弱さがあったことに11月の負けで気づけました。

だから、これまでもやってきたのですが……当てられた相手に勝つ。さらにシンプルに自分のやるべきことはそれだけだと思っています。必要以上に多くを語る必要はなくて。内に秘めて、自分のやるべきことを全うしていくごことできれば……それで良いかなって。それが日々の修行になる。そう思います」

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【ONE】2023年へ、若松佑弥―02―「分かってくれる人がいる。そこへの感謝の気持ちがあれば」

【写真】取材時には、当然いくらでも笑顔になっていた若松 (C)MMAPLANET

2022年も最後の1日に。この1年もMMA界には色々な出来事があり、多くの勝者が誕生し、同じ数だけ敗者も生まれた。

2023年に向けて『2022年中に話を訊いておきたい』勝者、敗者を6人リストアップしインタビュー──若松佑弥編Part.02。

ウ・ソンフン戦の敗北で、一時的でもMMAが嫌になったという若松は、この敗北を誰の責任にも転嫁せず、自分を見つめなおす材料とした。

<若松佑弥インタビューPart.01はコチラから>


──完全に足に来ていたようにも見えました。あの左を貰ってからの下がり方は。そうでないと若松選手は被弾して下がるタイプの選手ではないと思いますし。

「頭では『ここから盛り返す』って感じだったんですけど、体がまるでいうことを聞かなかったです。今から思えば、それが普通なんですよね。パンチを効かされるということは。ここまでMMAを続けてきて、自分がそうなって初めて怖さが分かりました。

皆が『危ない』と言っていても、あんな風に貰ったことが無いので分かっていなかったです。この負け方は今後MMAを戦っていくうえで必要だった。それこそ神様が教えてくれたお告げだと捉えています。

勝敗に関して……仙三さんのように打たれても前に出て勝てる人もいるけど、それは皆に当てはまることじゃない。僕が試合前に思っていたような仙三さんみたいになりたいというのも違っていて。その必要はないと思い知りました。

無理矢理打ち合わなくても。MMAは戦争じゃないと分かったし。決まった時間内で、自分のテクニックを出して勝ち切る。判定だとつまらないと言われることもありますが、やはり勝たないと始まらないです」

──「もう嫌だ」という気持ちは、どれぐらい続いていましたか。

「そうですね……試合後は『俺が屑だから、勝てなかったんだ』と自分を全否定して、穴があったら入りたいぐらいのきもちでした。頭のなかも真っ白になって。これから、どうすれば良いのか分からない。

長南さんにも『俺、もう辞めます。こんなのやっていられない』って伝えました。長南さんも『辞めたければ、辞めれば良い。でも、俺はずっとTRIBEにいるから。やりたいときはいつでも来い。待っているから』と言ってくれました」

──いや、それ長南さんに言わせちゃダメですよ。若松選手──。

「そうなんです。こんな最高な……幸せなことをやってきて、すぐにそういうことを想うからダメなんだって考え直せました。やるだけのことやったんだから。家族のため、仲間のために妥協せずにやってきた。

それを分かってくれる人いる。なので『俺がやってきたことは間違いない』と気持ちを入れ替えることはできました。同時に家族のために、殺されないために殺しにいく。そんな使命感を持って戦うんじゃなくて、気楽に楽しんで戦おうと。強靭なメンタルも柔軟性があってこそ、だから心の修行をしているんだと敗北を飲みこみました」

──若松選手は敗北を第三者の責任にしていないですね。

「全ては自分の責任です。練習環境でもない。それに今の僕は米国で練習する必要が無いような練習環境があって。そこで、やれるだけのことやって……皆にやらせてもらって。結果として『ああすれば良かった』、『こうすれば良かった』ということは出てきますけど、それは勝っても負けてでも出てくることなので。

ただ入れ込み過ぎない。僕もこれからの人生は長いし、これで終わりじゃないです。長南さんからも『鹿児島にいた時はどうだった? こんなに応援してくれる人間がいたか』と指摘されました。

いなかったです。そうですね……こういう時期なんだなって。TRIBE勢はあれから3連敗して……負けた人間の気持ちも分かるし。それでも確かなことは皆、戦っている。肉体的な強さだけでなくて、精神的に強くなること。それが今、自分に課せられていることだと思っています。

精神力は……自分は全然弱いので。僕は生まれながらに、多分そこが弱いんです。勝っている時は良いんですけど。負けて、それも再確認できました」

──ONEで戦っている日本人選手、特に若松選手や和田竜光選手には世界で名の通った相手、もしくは通のファンなら分かる強豪と試合をしてほしいと常に思ってきました。だからONEでキャリアアップ途中の選手だと、勝って当然という風に捉えがちでした。そこは自分も反省しています。若松選手の敗北を目の当たりにして。もっと対戦相手のことも知らないといけないと感じました。

「いえ、僕もあの相手に負けていられないと思っていたので。本当にそういうところから、自分を見つめ直さないといけないと感じました」

──では現状、練習の方は?

「試合でケガもありましたし、組みも含めてコンタクトする練習はしてこなかったです。また年が明ければ、試合に向けての練習を再開させます。練習には制限があるので、他に自分のできることを試してきました。カポエイラに行ったり、こないだは滝行に行ってきました。それから修行のことを勉強して。千日回峰行って分かりますか」

──クレイジージャーニーか何かで、塩沼亮淳さんの荒行を拝見したことがあります。1日に数10キロ、山道、獣道を歩き、その間人とも話さない。それを9百数十日続けるとか……。

「今、そういう修行を勉強しているんです。悟りを開いて無になるとか。結局、人間って弱いから荒々しい態度を取ったり、色々な手段で自分を強そうに見せます。そういう人がなぜイライラしているのか、相手の気持ちを考えることから考えようと思うようにしています。

結局、シンプルに全てに感謝して。あの敗北にも『ありがとう』と思って生きないといけないし。僕はこれで飯も食えているわけで。如何に自分が幸せなのか改めて分かりました。あの試合で勝っていたら、こういう風にはなっていない。

僕は負けてストーリー作りとかできないけど、ごく僅かでもちゃんと分かってくれる人がいる。そこへの感謝の気持ちがあれば、今後、自分がどういう立場になっても他の人に対して、偉そうな態度を取ったりすることはないと思います。そこに気付けた。自分は恵まれている人間です。そうなる状況を与えてもらえました」

<この項、続く>

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【ONE】2022年中に話が訊きたかったファイター。1人目、若松佑弥―01―「もう嫌だ。やっていられない」

【写真】覚悟のある言葉が、終始聞かれた若松佑弥 (C)MMAPLANET

2022年も最後の1日に。この1年もMMA界には色々な出来事があり、多くの勝者が誕生し、同じ数だけ敗者も生まれた。

2023年に向けて、MMAPLANETでは『2022年中に話を訊いておきたい』勝者、敗者を6人リストアップしインタビューを行った。

第1弾は3月にONE世界フライ級王座に挑戦するも一本負け。再起戦は対戦相手の体重オーバーで消滅。仕切り直しの11月19日、ONE163でのウ・ソンフン戦ではまさかの計量失敗TKO負けを喫した若松佑弥に――あの日を振り返ってもらった。


――2022年、若松選手は結果的に0勝2敗。何よりウ・ソンフン戦ではハイドレーションに失敗してキャッチウェイト戦になってしまったうえでの敗戦でした。試合前にインタビューを受けてもらった時は、当然のように負傷などあっても公言できるものではないですが、実際には何か体調不良でもあったのでしょうか。

「いえ、そういうことは一切なかったです。僕はこういうとアレですけど、普段から他の選手と比較しても体のことは考えている方です。酒も飲まないし、不摂生になるようなことはしない。あの試合の時も体重を抑え気味にして、普段よりも1キロぐらい軽い状態で調整していました。

コンディションもバッチリで、計量前には(品川)朝陽君や(平田)樹ちゃんのように慌てることもなかったです。これまで通りにできていて、過去にハイドレーションで引っかかったこともなかったので。トレーナーとも『問題なくきている』という風に話をしていた状態でした。

それなのにハイドレーションがオーバーしてしまって。体重はいつもリミット丁度に合わせていたのに対し、今回は万全を期してアンダーにしていたのですが……。そこから水分を補給しても、いつものような数値にならなくて。あの時は頭の中が真っ白になりました」

――これまで通りの調整だったから、対処のしようがなかった?

「ハイ。まさか……の何も想定していない状況でした。13時計量開始で、僕の順番は13時半ぐらいで。そこから4時までに体重とハイドレーションをパスしないといけないので、長南さんと部屋に戻って調整をして。2度、4時までに小便をしてハイドレーションを測っても無理で。3度目も……どんどん濃くなっていて。でも、本当になぜかが分からなくて……」

――ここ最近のONEは試合前日だけで、当日の再計量はないという方針です。

「ハイ、午後4時までにクリアしないとハイドレーションをパスした体重のキャッチウェイトになって……罰金を支払う形です。僕は最悪、当日になってもパスをするというつもりだったのですが……あの時から、計量方法が変わって」

――ということはセレモニアル計量とフェイスオフの時には若松選手はキャッチ戦が決まっていて、平田選手など試合がなくてもあの場に立たないといけなかったということですね。

「あの時点で樹ちゃんはもうないと思っていたはずです。体重をパスできないのはありますけど、試合がなくなって涙している彼女がアレをやるのはちょっと厳しいなと思いました」

――生理があっても落とすのがプロ。その生理が来ないようにしている選手もいる。そして平田選手が落とせかった理由がどこにあるのか、分かっていないです。そこも踏まえて、男子と女子は肉体特性が違う。そして女子には妊娠&出産があるという一点において、女性と男では計量のレギュレーションは違うモノがあっても良いかと思ってしまいます。

「……。ハイ、そういう風に考えないといけないのかもしれないですね」

――話を戻しますと、若松選手は頭を剃ってセレモニアル計量の場に立っていました。あれは禊の意味だったのでしょうか。

(C)ONE

「いえ、あれは少しでも体重を軽くするためです。

体重自体はアンダーでも、水を飲むので髪の毛の分でも軽くしようと長南さんと話して、剃りました。僕らも習慣的に体重を絶対にアンダーにしたいです。そうするとハイドレーションがオーバーするので、ハイドレーションがパスするまで水を飲むことになり、その時の体重で試合をすることになります」

――ONEではその結果が発表されているのかどうかは不明ですが、リカバリーも105パーセントまでという規定がって、試合後に体重を測る。これでオーバーしている選手は、勝者など試合結果は変更されないですが、罰金があるようですね。

「ハイ。僕だと62キロぐらいでパスして、64キロぐらいまでしか戻せないです」

――正直、ONEのハイドレーションは水抜き減量をしないためのモノですが、サウナスーツを着て汗をかいている時点でドライアウトなわけですし。それでもハイドレーションをパスする術をほぼほぼ出場選手とその陣営は持っているというのが、私個人の見解です。ほぼ皆が水抜きして、通常体重の選手の方が一握りだと。北米とリミットが違うからこそ、カラカラにならず体重を落として、水分補給をしてクリアする。でも、まだノウハウが確立できない部分もあるのですね。

「なんで……俺は……って。正直、そういう気持ちにもなりました。もう、どうしようもできないです。何カ月もやってきて、それが最後にああいう風になる。実際に水抜きより難しい面もあります。なら、それが起こったことで何か自分にとって意味があるんだと考えるようになりました。

天命じゃないけど、これも天が与えた試練。ここを乗り越えて強くなるんだって。結果としてキャッチウェイトになった経験を、今では受け入れています。

全ての規定を僕は知っていて。だから全ては自分の責任です。以前に樹ちゃんが計量オーバーをしたことに対して、批判をしました。でも自分が経験すると、彼女がどういう状況だったのか理解せずに発言していたなって。だから、ああいうことも言う必要はなかったです」

――今回のハイドレーション失敗を経て、現状で解決方法は見いだせたのでしょうか。

「とりあえず……通常体重を落として、水抜きにならないよう体重を調整する。それしかないと思っています」

――そうなると水抜きをして、上手くハイドレーションをクリアした選手との体格差が出てこないでしょうか。

「……。サウナスーツを着て、ウォーターローディングしてパスをする選手は確かにいると思います……。でも、僕はハイドレーションにパスしなかったので、『もう嫌だ』という気持ちになっています」

――今後にも関係している計量失敗ですが、試合に向けては気持ちを切り替えることは?

「それはしていました。これも運命だと受けいれていた自分がいて……究極に自分を追い込んで、でも正常を保つ。そんな精神状態でいられるようにしようと。だから試合前は、絶好調で、気持ちとしては『やるだけのことはやった。あとは勝つだけ』というぐらいでした。で、結局負けてしまったんですけど」

――……。

「正直、戦っている最中はプレッシャーとか、何も感じなくて。相手のパンチは一発も当たる気がしていなかったです。気持ちも乗っていて……『こいつのパンチなんか当たっても倒れない』とか感じてしまうぐらいになっていました。『俺は自分を越えるぞ』という感覚になっていました。

ずっと、ビビっている自分を変えたい。そう思ってMMAを戦ってきました。仙三さんみたいに、打たれても前に出る。倒れても立ち上がる。1秒でも早く勝つ……そんな風に気持ちが昂っていたのはあったと思います。戦略的に強いのではなくて――そうですね、スポーツとかでなく、心の中の何かを克服したい。ここで自分から行って、違う自分になるんだって。

それもあって試合後は……『もう嫌だ』と思いました。これだけ練習して、自分を追い込めるだけ追い込んで。でも、こんなに呆気なくやられるんなんて、もうこんなこと続けられない……って、MMAが嫌になりました。『もう嫌だ。やっていられない』と。でも、実際には人間は脆い生き物で。今から思えば、変なプレッシャーを自分に掛けていたのかなと思います」

<この項、続く>

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【ONE】国際戦負け続け。PPVビジネスは成立するのかを北野Pに尋ねる─01─「そもそもPPV云々以前の段階」

【写真】日本人が負け続ける状況に、ファンは有料で中継を視聴し続けてくれるのか(C)ONE

11月19日(土・現地時間)にシンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムで開催されたONE163「AKIMOTO VS PETCHTANONG」。日本ではABEMAがPPVライブ中継を行ったが、MMAでは若松佑弥がウ・ソンフン、岡見勇信はオンラ・ウサン、青木真也はザイード・イザガクマエフに敗れ、平田樹は計量失敗でサークルケージに足を踏み入れることすらなかった。

ABEMA格闘チャンネルは無料配信からストーリーを組み立て、PPVでピークを迎える手法が採られている。ただし、ONEのPPVに関していえば主役たる日本人選手たちの戦績が芳しくない。いや、芳しくないどころでなく散々たる結果といっても過言でない。

3月26日のONE XではMMAでは国際戦4戦全敗、そして上記にあるようにONE163でも3戦全敗。さらにONE Xにおいてキックで世界バンタム級王座を獲得した秋元皓貴が、そのベルトを失った。勝った負けたが全てでない──と同時に、勝敗は絶対だ。人は強さに憧れ、夢中になる。これだけ敗戦が続くなかで、ONEのPPV中継はビジネスとして成り立つのか。北野雄司エグゼクティブ・プロデューサーに話を訊いた。

これからの日本勢の巻き返しに何が必要なのか。


──11月19日のONE163、PPVでABEMAは中継を行いまいした。同じくABEMAで「FIFA ワールドカップ カタール 2022」を全試合無料生中継して日本が予選を突破。しかもドイツとスペインに勝利ということもあり視聴者数の更新が続きました。対してONEでは品川朝陽選手以外がことごとく敗北。平田樹選手は計量オーバーで欠場に。ラグビーのワールドカップもそうですが、サッカーも五輪競技でも日本が勝つことで視聴者が増える。その点、この敗北続きで2023年に予定されるONEの大会中継やPPV配信は果たして継続できるのか。選手育成から関わっているABEMAの格闘チャンネルとすれば、どのようにこの敗北を捉えていますか。

「日本人選手が勝てない。上位になるほど勝てないのは、ここ2年ほど続いているので正直、そこに驚きはそれほどなかったです。PPVのなかで勝ったり、負けたりしながらストーリーを見せていくPPVスターという存在が必要だという点で言えば、青木真也選手以外にストーリーを紡げるような負け方は見られなかったと感じました」

──う~ん、負けてストーリーを紡ぐというのは現状のファンの間で起こる事象であり、ABEMAと青木選手のマターとして進めていただくとして。ONEをより広く浸透させるためにはやはり日本人の勝利は欠かせないかと。ただし、勝てる法則も魔法もない。そのなかで現状、ONEの日本人選手でPPVビジネスが成立するのか。どのように考えておられますか。

「そうですね、質問への返答としてはズレるかもしれないですが、最近の日本のMMAの国力が他の国と比較すると下がった。そこを改めてシンガポールで感じました。計量とハイドレーション・テストが試合前日の1度になったじゃないですか」

──ハイ。

「ザイード・イザガクマエフは実質、水抜きをしていますよね。実際はどうか分からないですが、見た目の印象ではやっているかと」

──イザガクマエフに限らず、日本勢も含めて事実上の水抜きをしている選手は多いと思います。

「水抜きをしていると思われる選手と、通常体重で戦う選手は契約体重が同じでも体の大きさが違います。青木選手は水抜きをしません。そして他の日本人選手はハイドレーションでかなり苦労しています。平田選手はパスできなかった。あのシステムに苦労をしているのは試合をした選手も、辿り着けなかった選手も同様でした。

あの状況を目の当たりにして、対応能力という面でMMAに対する国力が低下していると試合前に実感しました。海外の選手たちはハイドレーション・テストを利用し、さらに自分を有利にしている。それなのに日本人選手は四苦八苦して試合ができない選手までいる。

選手育成なのか、マネージメントなのか、僕らのような中継する側が原因となっているのか分からないですが、試合前から負けている。そもそもPPV云々以前の段階だと感じています」

──とはいえ来年にはPPVを複数回行うということが発表されています。PPVを軸としたストーリー作りを必要としているなかで、PPV以前の段階に問題がある……。

「PPVにて配信した大会を3月と11月に行い、いずれも国際戦で日本人選手がことごとく敗れるという状態になっています。現状の戦力を僕がどうこう言えることではないのですが、新しい血が必要なことは間違いないです。海外で鍛えられた、新しい血が。一歩日本の外に出れば、日本と同じことをするにもエネルギーが必要です。電車に乗るにも、バスに乗るにも、食事をとるだけで日本にはない障害にぶつかります」

──ハイ。その通りですね。

「そういうことを当たり前のモノとして生活し続ける──格闘バガボンド的な新しい血を送り込む必要があるかなと思っています。ONEに限らず、世界に向けて。今は本当に限られた選手がUFCやBellator、PFL、そしてONEと契約できる状況ですが、あえて言うと下手な鉄砲数打ちゃ当たるというような……間に入る人の偏向した選球眼のない状態で、条件さえクリアできれば海外で試合ができる人達がもっと多く出てくるべきじゃないかと。

Road to UFCだけでなく、UFCでもアジアでのイベントが再開され、ABEMAではONEやLFA、CFFCを中継するなど海外での試合が目に届く状況が増えてきました。つまり出場機会が増えます。北米では様々なフィーダーショーが存在していて、そういう場所で戦って勝ち残った選手がメジャーと契約できる。日本もそういう状態に、あと2年ぐらいでしていかないと、僕らのPPVビジネスも終わるんじゃないですかね。

色々な場所で数多くの国の人が交わって、格闘技のイベントが行われている。だから3カ月経つと潮流が変わることがいくらでもあります。複数の国の人達がせめぎ合っている環境だから、直ぐに何かが変わる。それが当たり前のことです。3カ月前は居心地が良かった場所が、そうではなくなることが平気で起こるのが海外です。自分のスピードで、世界が変化するのではなくて世界のスピードに合わせて、自分が変わる必要がある。生き残るのは大きな魚でなくて、動きの速い魚だというじゃないですか。そういう時代になったと思います」

──居心地の良かった場所が、そうでなくなる。これはもう日本人選手にとっての2019年のONEと、2022年のONEで明白になっています。そのONEでは2023年のスケジュールも1月から5月の米国進出まで、PRIME VIDEO大会──ファイトナイト大会のみの発表となっています。ABEMAが日本で行ったPPV大会のような土曜日の特別なイベントでない場合は、従来のアジア向けの金曜日の夜のナンバーシリーズ枠がなくなるという話も伝わってきます。そうなると日本人選手の出場枠の確保が、この戦績では難しくなることはないでしょうか。

「そこに関して言えば、ONEルンピニーが毎週金曜日に年間で50大会行われることになりました」

──ハイ、ABEMAも毎週ライブ中継すると。クレイジーな発表もありました。

「50大会もあるので、放送する面においても色々なチャレンジができると思います。解説者も大沢ケンジさんを脅かす存在が出てきてほしいです(笑)。ただ、これを決めたのには高尚な理由はなかったです。ONEルンピニーが決まった時にチャトリさんが電話してきて『ユージ、これまさにお前のためのコンテンツだよ。ユージは格闘技がメチャクチャ好きだから、毎週視られるよ』って(笑)」

──視るのと中継するのは、話が違うかと(苦笑)。

「だからオンエアーしろって。これ、ホントの話で(笑)。でも、毎週やるのは面白いなって思いました。勿論、予算の問題もあるし各署と話す必要はあったのですが。今のナンバーシリーズやファイトナイト大会のような規模ではないです。でも、そこで日本人選手が20~30人ぐらい戦っていく。延べで100人、毎週2人ぐらいルンピニーで試合をしてほしいと思っています。ONEとABEMAのNew Blood Projectですね」

──ONEルンピニーに新しい血を導入していくと。

「前半6試合、後半6試合で全12試合。国際試合は6試合だから、そのうち2試合ぐらいは日本人選手が出てほしいです。契約形態でいえば年間契約の選手も、スポット契約の選手もいるかと思います。今のONEのロースターである選手も、ファイトマネーが折り合えば出場するでしょうし」

<この項、続く>

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o ONE ONE Championship   若松佑弥

2023年5月5日、ONE Championship初のアメリカ大会が決定/メインイベントはデメトリアス・ジョンソン vs. アドリアーノ・モラエス3


Demetrious Johnson(Sherdog)

Adriano Moraes(Sherdog)

 ONE Championshipが来年5月5日(日本時間5月6日)にアメリカ大会を開催することを発表。会場はコロラド州ブルームフィールドの1stバンク・センターでメインイベントはデメトリアス・ジョンソン vs. アドリアーノ・モラエスのフライ級タイトルマッチです。

 両者はこれが3度目の対戦で、ジョンソンに至っては3試合連続でモラエス戦。モラエスは初戦と2戦目の間に若松佑弥戦を挟んでいます。初対決は2021年4月の『ONE on TNT 1』でこの時はモラエスが2R KO勝ちで王座奪取、2戦目は今年8月の『ONE Fight Night 1』でこの時はジョンソンが4R KO勝ちで王座奪回しています。

 ハッシュタグが「#ONEonPrimeVideo10」になっているので、日本での大会名称は『ONE Fight Night 10』になると思われます。続きを読む・・・
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【Shooto2022#07】ラストファイト=山内渉戦へ、清水清隆─02─「全力で、何も言い訳できない試合に」

【写真】最後の最後が、迫ってきた清水(C)SHOJIRO KAMEIKE

27日(日)、東京都文京区の後楽園ホールで開催される『Shooto2022#07』で、山内渉を相手にMMA引退試合を行う清水清隆インタビューの後編。
Text by Shojiro Kameike

今回は引退試合を迎えるにあたり、山内戦だけでなく清水自身のキャリアについても語ってくれた。どうしても想い出話や感慨深い内容になってしまうなか、常に後輩やアマチュア選手たちの話題になるのが、彼らしさだろう。不器用な人間だ。決して喋りが得意なほうではないと思う。だからこそ、ラストマッチで表現される清水清隆の想いを見届けてほしい。

<清水清隆インタビューPart.01はコチラから>


――前回の試合では、テイクダウンに対する反応や反射を100パーセント取り戻せていなかった、ということでした。この4カ月間で取り戻せるものなのでしょうか。

「それは大丈夫です、感覚だけの問題なので。この期間に安永有希さんのCUTEジムで、中村倫也、安藤達也、上田将勝さんたちの練習会に参加させてもらっていたんですよ。全員サウスポーで、瞬発力も強いファイターばかりじゃないですか。おかげで感覚は良くなってきたと思います」

――そうしたファイターたちと練習していて……次が本当に引退試合なのでしょうか。

「もちろんですよ(笑)。これで勝って、次はどこでラストファイトを――っていうのは絶対にないです。この試合に勝ったら……なんて他の人にも言われるけど、その続きはないです。もちろん勝ちますけどね」

――きっと他の人たちも、清水選手の引退を受け入れることが難しいのではないですか。

「もし次の試合は速攻でKO勝ちして、しかもランキングが上がったら、タイトルマッチも狙えるポジションじゃないですか。だから――って言われるんですけどね。自分が今ここでって思った時に辞めることができるのが、一番良いと思います。『辞めるって言ったじゃん』なんて言われるよりは(笑)。

先週、追い込みの練習を終えたんですけど、長南さんは若松佑弥と一緒にシンガポールへ行っていて。生意気ながら、自分が練習を仕切らせてもらった時があったんです。そうしたら、所縁のある選手がたくさん来てくれて……。その時は、あぁコレが本当に終わりなんだなって感慨深くなりました」

――今回の試合が終わったら、もうそれだけハードな練習をすることはないのですね。

「練習自体は好きだから、体を動かすことはしたいと思います。ただ、たとえ長南さんから来てもいいよって言われても、自分は試合に向けて体が仕上がっていない状態じゃないですか。そんな状態でプロ練に参加することは、他の選手に失礼ですからね。ジムに行っても、彼らのハードな練習を外から見ています(笑)」

――アハハハ。前回のインタビューにもあったとおり、柔術などは続けていくのですか。

「そうですね。やっぱり学び続けたいです。本当に、柔術を始めて学ぶことが多かったので。この選手はココでコレをやっていたんだなと繋がっていくんですよ。それは面白かったし、今後にも役立つと思うので。プロMMAを引退しても、ファイトスポーツは続けていきます。柔術は続けて、コンスタントに試合は出て――実績をつくりたいですね」

――実績をつくって、MMAも含めたご自身のジムをつくるプランはあるのでしょうか。

「自分のジムを出すのも、なかなか簡単じゃないですからね。まだそこまでハッキリとはしていないです。本当なら、引退後のことも考えながらやっていたら良いかもしれないけど、自分がそういう同時進行ができないタイプなので。まずは現役選手として、ちゃんと試合に向けてやっていかないと」

――最後の追い込み練習の際に感じた感慨深さ以外に、これまでのキャリアのことを思い返すことはありますか。

「それはあります。人生って良いことばかりじゃなくて、こんな嫌なこと言われたな、こんな嫌なことされたな、とか。なぜかマイナスなことばかり浮かびました」

――なぜマイナスなことばかりなのですか(笑)。

「アハハハ。TRIBEの会員さんとか、アマチュアの子たちと話をしていたら、昔のことを思い出すんですよね。上京したての頃、キックボクシングのRISEでアマチュアの試合に出たり(2007年KAMINARIMON 55キロ級優勝)、新空手の試合に出たりしていたんですよ。MMAでもパンクラスやZSTのアマチュアの試合に出ていて。サンボは全日本選手権で優勝して、世界選手権にも出ていますから。当時のジム(SKアブソリュート)の先輩方が、試合に出ることに対してアグレッシブで。サンボはもちろんコンバットレスリングとか、出られる試合は何でも出ていました」

――それだけ様々な競技に挑戦していた清水選手にとって、最も想い出深いことを教えてください。

「2019年1月の前田吉朗戦(1R TKO勝ち)と、2016年9月の古間木崇宏戦(判定勝ち)ですね。自分は2015年に4連敗してから少し休んだあと、パンクラスのメインで復帰させてもらうことになったんです。その試合の直前に、ジムの後輩の秋葉尉頼が事故で亡くなって……。他の試合ももちろん負けられないけど、あの試合は特に気持ちが入っていました」

――個人的には修斗でマモル×漆谷康宏×BJの三すくみ時代があり、対してパンクラスで清水選手と砂辺光久選手が4度戦うなど、国内フライ級が盛り上がり始めた時期が印象に残っています。

「いやぁ、たまたま自分は良い時代にパンクラスのベルトを防衛できただけで――ラッキーだったと思います」

――……プロキャリアを振り返って、ご自身はラッキーだったと思いますか。

「ラッキーだったんじゃないですか。パンクラスのフライ級創成期で、ネオブラで優勝してすぐランキング戦からタイトルマッチで。キャリア的にはベルトを巻くのも早かったと思います。同じ時期に砂辺さんがいて――砂辺さんがいなかったら、自分のキャリアも目立なかったかもしれないですしね。

あの頃は何も考えていなくて、何か計算できるわけでもなく、ただただ一生懸命練習しているだけでした。それで結果もついてきたので、ラッキーだったと思います。仕事しながら練習して、ハードワークだったから体調が悪くなることもあって。でもトレーナーさんたちが親身になって見てくれるし、元気なうちに引退試合ができて良かったと思います。元気だからこそ、全力で、何も言い訳できない試合になります」

――これがプロMMAファイターである清水選手への最後の質問となります。ラストマッチでは、どんな試合を見せたいですか。

「一生懸命やるのは間違いないんですけど、ああだこうだと欲を出してしまったら、悪い結果に繋がることもあるので。何より応援に来てくれた人たちが、メチャクチャ良かったねと水道橋駅に向かっている姿は、もう想像できていますから。KOでもサブミッションでも、自分が勝ちます。それと――これで自分のMMAは最後ですけど、TRIBEには若くて良い選手がたくさんいますから。彼らのことを見続けてやってください。お願いします」

■視聴方法(予定)
11月27日(日)
午後6時00分~ ABEMA格闘チャンネル
             
■Shooto2022#07対戦カード

<修斗環太平洋バンタム級選手権試合/5分3R>
[王者] 石井逸人(日本)
[挑戦者] 藤井伸樹(日本)

<フライ級/5分3R>
清水清隆(日本)
山内渉(日本)

<バンタム級/5分3R>
後藤丈治(日本)
須藤拓真(日本)

<フライ級/5分3R>
新井丈(日本)
大竹陽(日本)

<女子フライ級/5分3R>
ライカ(日本)
キム・ソユル(韓国)

<フライ級/5分3R>
内藤頌貴(日本)
高岡宏気(日本)

<インフィニティリーグ2022女子アトム級/5分2R>
澤田千優(日本)
小生由紀(日本)

<インフィニティリーグ2022女子アトム級/5分2R>
中村未来(日本)
久遠(日本)

<2022年度新人王決定T準決勝バンタム級/5分2R>
齋藤奨司(日本)
新井拓巳(日本)

<2022年度新人王決定T準決勝フライ級/5分2R>
須藤晃大(日本)
打威致(日本)

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K-1 MMA o ONE ONE163 PRIDE UFC キック チャトリ・シットヨートン パンクラス 修斗 岡見勇信 平田樹 平良達郎 木下憂朔 海外 猿田洋祐 神龍誠 若松佑弥 西川大和 青木真也

【ONE】ONE 163日本人全敗とチャトリCEOの発言を考える

昨日行われたONE163。平田樹は計量をクリア出来ずに試合が消滅。そればかりか、青木真也、秋元皓貴、岡見勇信、若松佑弥の日本人選手は全敗という燦燦たる結果に終わりました。平良達郎のUFC参戦でにわかに活気づいてきた日本人の海外挑戦ですが、やはりそう簡単にはいかない事を改めて痛感させられました。そんな中、ONEのチャトリ・シットヨートンCEOが囲み取材に応じ、日本人選手に対して次のように答えました。ネタ元はENCOUNTさん。

「この30年間で、日本の格闘技のレベルは下がっていってしまっているね。武道の文化、歴史があるのに世界レベルじゃないね。これは本当に残念です。キックもダメ、MMAもダメ、グラップリングもダメ。私は半分日本人、これは本当に悲しい結果です」

今大会の結果を前に日本人が結果を出せなかった事は疑いの余地はありません。でも「この30年間」って、30年前と言ったら1992年。PRIDEはおろか、修斗やパンクラス、旧K-1ですら活動していなかった時代です。そんな時代の一体何と比較して「レベルは下がった」と言っているのか。

捉え方は人によって差異があると思いますが、私は日本人が世界で勝てなくなってきたのはここ数年の話だと思っています。だって、猿田洋祐と青木真也がONEで王者になったのが2019年。内藤のび太は2018年。そして秋元皓貴は2022年におたくの王者になっていますよ?30年前の訳のわからない幻想と比較して誤った評価をするのは止めてもらいたい。

日本人が世界で勝てなくなった現実。それは間違いありません。でもその圧倒的な現実を選手も関係者もファンを受け入れ、次の一歩を踏み出し始めました。ドン底から平良達郎、神龍誠、木下憂朔は海外でしぶとく勝ち上がり、西川大和もUFC参戦目前。ムエタイでは吉成名高が圧倒的な強さを見せ、Z世代の日本人は世界で結果を残すべく、着実に育っています。でも残念な事に、今のところ誰一人として戦いの場にONEを選んでいない。それもまた現実です。

そう簡単にはいかないでしょうが、彼らがUFCで結果を残して、チャトリの鼻を明かしてくれる。それを秘かな楽しみにするとしましょう。ハッ、、、これは日本人を奮起させるためのチャトリ流の叱咤激励、、、半ば無理矢理ポジティブに捉えてみました。チャトリさん、ありがとう。