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【ONE FN15】フー・ヨンが左フックでサプトラを粉砕。ONE3連勝を飾る

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
フー・ヨン(中国)
Def.1R1分03秒 by KO
エコ・ロニ・サプトラ(インドネシア)

いきなりヨンが飛びかかる。サプトラもハイキックを返して、ダブルレッグから右脇を差して組み付くが、ヨンはテイクダウンを許さない。試合がスタンドに戻るとサプトラが右ローを蹴る。

ヨンは右ストレートで前進。左ミドル→左フックでサプトラをぐらつかせると、そのままパンチの連打。右ボディからの左フックでダウンを奪うと、追撃の鉄槌を落としたところでレフェリーが試合を止めた。これでヨンは2021年12月に若松佑弥に敗れて以降、3連勝となった。


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【ONE FN15】暫定フェザー級王座決定戦は、実はパンチのタン・リー✖足・ヒザ・拳の連動フレイマノフ

【写真】どちらがコーナーに詰まるのか。そんな見所もある(C) ONE

7日(土・現地時間)、ONE Fight Night15「Le vs Freymanov」がタイはバンコクのルンピニー・スタジアムで開催される。日本からMMAで手塚裕之、青木真也がグラップリング戦に出場する今大会は、10試合中MMAが5試合組まれている。
Text by Manabu Takashima

10日間のショートノーティス出場となる手塚はジン・テホと戦い、全ストロー級王者ジョシュア・パシオの再起戦=マンスール・マラチェフ戦。若松佑弥に敗れたフー・ヨンが、インドネシアのレスラー=エコ・ロニ・サプトラと戦う一戦など興味深いカードが続くMMAマッチ、とりはメインイベント=ONE暫定世界フェザー級王座決定戦=タン・リー✖イリャ・フレイマノフ戦だ。


7月15 日のバンコク大会で王者タン・カイに、前王者タン・リーが挑む──タン・タン対決第2弾は、チャンピオンのヒザの負傷で延期となり、すぐに回復とならなかったため暫定王座が認定されることとなった。

今回のタイトル戦、タン・リーにとっては昨年8月にベルトを失って以来の実戦となる。フレイマノフのこの間に元二階級王者のマーチン・ウェン、草原の豪腕シネチャグタガ・ゾルツェツェグをTKO、そしてRNCで破っている。

オーソ基調のスイッチヒッターのフレイマノフは、蹴り終わりで構えを変えてパンチに繋げる動きに長けている。同様の動きはパンチへの連係だけでない。スレイマノフは蹴りからヒザ蹴り、そしてウェンに決定的なダメージを与えたヒザ蹴りからストレートというバラエティに富んだ足、ヒザ、拳のコンビネーションを有している。

このスイッチはテイクダウンにも応用でき、対戦相手からすればフレイマノフの攻撃は非常に予期しづらい。その一方でテイクダウンディフェンスにも長けており、倒されてからはスクランブルよりも背中をつけて極めとスイープの連係プレーも得意な流れといえる。

そんな万能ファイターのフレイマノフだが、シネチャグタガ戦では下がったところを追いかけて左を被弾したシーンがあった。この動きを見る限り、誘って左ミドルから左の追い突き、右の返しのフックというタン・リーの鉄板パターンにハマるケースも十分にあり得るだろう。

とはいえ、下がる相手に対してフレイマノフは圧倒的な強さを発揮するファイターだけに、タン・リーとしてはより中に入る打撃戦を繰り広げたいところだ。そこから組み&柔術もタン・リーにとってオプションの一つではあるが、組みぎわにスピニングバックエルボーを合わせる達人系の技を持つのが、フレイマノフ。

一点、タン・リーもスイッチヒッターだが、前手のパンチは粗く、奥手は真っ直ぐ綺麗に相手を射抜くシーンをたびたび見せてきた。これは左右どちらにも関係なく、大きな振りで釣って、奥からのストレートを打ち抜くという計算に基づいた攻撃手段のように感じられる。

武器の多さでフレイマノフ有利と予想される一戦をひっくり返すことができるタン・リーの攻撃は、このスラッピーな右からシュアな左ストレートと、蹴り&追い突きから&返しのフックというコンビだ。

それでもフレイマノフは常に蹴りと拳が連動しており、乱打戦になるとパンチに頼りがちになるタン・リーと勝負どころで差が出ることが十分に感がられる。結果、やはりフレイマノフに分がある暫定王座決定戦といえよう。

■放送予定
10月7日(土・日本時間)
午前8時30分~ABEMA格闘チャンネル

■ONE FN15対戦カード

<ONE暫定世界フェザー級(※70.3キロ)王座決定戦/5分5R>
タン・リー(米国)
イリャ・フレイマノフ(ロシア)

<ONEキックボクシング世界ストロー級選手権試合/3分5R>
[王者]ジョン・ディベラ(カナダ)
[挑戦者]ダニエル・ウィリアムス(豪州)

<キック・フェザー級/3分3R>
タワンチャイ・PKセンチャイムエタイジム(タイ)
ジョー・ナタワット(タイ)

<サブミッション・グラップリング無差別級/10分1R>
マイキー・ムスメシ(米国)
青木真也(日本)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
ジョシュア・パシオ(フィリピン)
マンスール・マラチェフ(ロシア)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
エコ・ロニ・サプトラ(インドネシア)
フー・ヨン(中国)

<ムエタイ121ポンド契約/3分3R>
ペッディージャー・ルクジャオポーロントン(タイ)
セレステ・ハンセ(豪州)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
ティモフィ・ナシューヒン(ロシア)
ジャン・リーポン(中国)

<ムエタイ174.5ポンド契約/3分3R>
バムパラ・クヤテ(フランス)
シャキル・アルテクレティ(イラク)

<ウェルター級(※83.9キロ)/5分3R>
手塚裕之(日本)
ジン・テホ(韓国)

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ABEMA MMA MMAPLANET o ONE ONE FN12 Special アドリアーノ・モライシュ ウ・ソンフン キック シェ・ウェイ ボクシング 修斗 大沢ケンジ 安芸柊斗 新井丈 柏木信吾 水垣偉弥 海外 若松佑弥 関口祐冬

【Special】月刊、大沢ケンジのこの一番:7月―その弐―:若松佑弥✖シェ・ウェイ「格闘技は、戦い」

【写真】計量失敗も集中力を増した感のあった若松。落とせない試合をモノにした(C)ONE

過去1カ月に行われたMMAの試合からJ-MMA界の論客3名が気になった試合をピックアップして語る当企画。
Text by Shojiro Kameike

背景、技術、格闘技観を通して、MMAを愉しみたい。大沢ケンジ、水垣偉弥、柏木信吾3人というJ-MMA界の論客をMMAPLANET執筆陣がインタビュー。今回は大沢ケンジ和術慧舟會HEARTS代表が選んだ2023年7月の一番、修斗世界ストロー級選手権試合=新井丈×安芸柊斗戦から、ONE FN12の若松佑弥×シェ・ウェイ戦まで語らう。格闘技は、戦いだ。

<月刊、大沢ケンジのこの一番:7月:新井丈✖安芸柊斗戦はコチラから>


――至近距離の練習、ですか。

「ウチのジムでは結構、至近距離の練習をやるんですよ。MMAのスパーリングでも、ボクシングやキックボクシングの距離でやらせます。これは『打ち合い上等』ではなく、少し打撃をもらう覚悟で前に出ていくことで、相手を削っていくということなんです」

――ボクシングジムでガードを固めている選手のグローブをトレーナーさんが叩き続けるトレーニング風景を見たことがあります。受けている選手は目を閉じず、目をそらさないでいるという。

「近い距離で目を慣れさせるためのトレーニングですね。MMAは特に、一発も食らわずに勝つことは難しいじゃないですか。打撃、組み――いろんな展開があるから。こういうことを言うと、僕が『気合いで行け』とばかり言っているように思われるんですけど(苦笑)」

――アハハハ。どうしても言葉の端々だけを取られてしまいますね。

「そう。分かりやすく『見えていれば効かないんだから行け』と言うんだけど、ただ見えているだけじゃダメなのは当たり前で(笑)。遠い距離で戦うタイプの選手は、相手に近い距離で張り付かれると疲れるものですよ。下がるほうがバテます。

でも至近距離の練習をしていない日本の選手は、距離が近くなるのを怖がっちゃいますよね。日本人選手が世界で勝てない理由の一つに、その距離の問題があるんじゃないかって感じます」

――身長差、リーチ差がある海外選手との試合では尚更のことで。

「MMAは階級制のスポーツじゃないですか。結局は同じ体重で戦うのだから、僕は身長差やリーチ差は特に気にしていないですね。日本にも海外の選手に体格で勝っている選手はいるし。それよりも戦うという気持ちのほうが大切で。倒しに行く姿勢を見せていれば、判定になっても有利になりやすい。最初からポイントを意識しすぎるよりも、フィニッシュに近づく展開を見せていれば結果的に判定で勝てると思っていますから」

――新井選手に関していえば、まさに関口祐冬戦がそうであったわけですね。下がらず、前に出て殴って判定勝ちを収めました。

「タイトルマッチや、タイトルに関わるような試合で、あそこまで前に出る選手は他にいないですよね。今後の対戦相手も嫌だと思います。『アイツ、とことん前に出て来るな』って」

――前に出ることで相手を削る。とにかく攻めて勝つ。それはONE FN15でシェ・ウェイをTKOで下した若松佑弥選手も同様だったと思います。

「佑弥の試合も良かったですよね。計量失敗があったので、完全に良かったと言ってはいけないけど……。ただ、佑弥も最近うまくいっていなかったじゃないですか。もともと上を目指すために新しく、いろんなものを身につけようとしていたんでしょう。アドリアーノ・モライシュ戦(昨年3月、ギロチンで一本負け)の前あたりから、組み技も試合で見せるようになっていて。オールラウンダーであり、巧い選手の戦い方を始めていました。

だけど、巧くなるにつれて自分に怖さがなくなっているかもしれない。それは本人も分かっていたと思うんですよ。結果はモライシュに一本負けして、次はウ・ソンフンにKO負けした。計量失敗もありましたし、選手の気持ちとしてはどん底ですよ。少なくともファンや関係者の信用を失うのは間違いない。

でも僕たちは、アイツが本当に頑張っていることは知っているから、このまま落ちていってほしくない。そう思いながら先日のシェ・ウェイ戦を視ていたら、完全に昔の若松佑弥を取り戻していたじゃないですか」

――試合後にも「殺してやるという気持ちで戦いました」とコメントしていましたね。

「何か吹っ切れたんでしょうね。たとえば最初にテイクダウンした時、体を起こそうとした相手の顔面にヒザを打ったじゃないですか。当てきれず反対に倒されかけていましたけど、ここ最近の佑弥だったら、あのヒザは打っていないと思います。もう一度テイクダウンした時も、すかさずヒジとヒザを連打していて。

今の日本のMMAなら、あの場面はまず――しっかり抑え込むように指示するでしょうね。勝とうとしているだけなら、あのタイミングでヒジとヒザは出さない。もし佑弥が負けていたら『ヒジやヒザを出すのではなく、まず抑え込むべきだった』と言う人もいたでしょうね。『仕掛けが早すぎる』とか。あの場面で自分から攻め続けて勝ったから、次に繋がるんですよ。攻めるべき時に、リスクを恐れずに攻める。だって、格闘技は戦いだから」

――「格闘技は戦い」。これも最近、大沢さんがよく口にする言葉ですね。

「もちろん計算しながら戦うことも必要です。でも計算しているのは、自分の中に恐怖心があるから。恐怖心があるために計算しすぎて、試合の中で自分が本来持っているものを出せなくなることって、本当によくありますからね。

でも佑弥は恐れず、自分らしさを出して勝った。昔のような殺気立った佑弥の試合を視て、人間がどん底から這い上がる浪漫を目撃した気がしますね。今後どういう展開になるかは分からないけど、この試合をキッカケに取り戻していくと思いますよ」

――MMAとして打ち合うことや、打撃を出し続けることが必ずしも良いとは思いません。しかし前に出ること、攻め続けることが勝つ術となることは理解できます。

「やらなきゃ自分がやられる。それが戦いであり、格闘技は戦いだから。たとえば試合でフィニッシュを狙わず、トップをキープするだけの相手って怖くないですよ。抑え込まれていても『相手は狙ってこないな』と分かるので、まず自分が仕留められる恐怖心はなくなります。試合中、精神的に追い込まれることはない。だから一切ダメージをもらわないことを考えるのではなく、まず気迫や殺気で相手を抑え込んでいくのも必要だということですね」

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F1 MMA o ONE ONE Championship   アマンダ・アレキン アーロン・カニャルテ キック ゲイリー・トノン シェ・ウェイ シャミル・ガサノフ ボクシング ルンピニー 若松佑弥

『ONE Fight Night 12』試合結果/ハイライト動画

VENUM ONE FC Impact / インパクト ラッシュガード - 半袖(黒/黒) // ONE Championship


第9試合 メインイベント ムエタイ 136ポンド契約 3分3R
○スーパーレック・ギャットムーカオ[キアトモー9](ムエタイ1位、キック王者)
×タギール・カリロフ
2R 1’42” TKO (レフェリーストップ)
※スーパーレックが計量でフライ級(135ポンド)を0.25ポンド(0.11g)オーバー

第8試合 コーメインイベント MMA フェザー級 5分3R
○ゲイリー・トノン(2位)
×シャミル・ガサノフ(5位)
2R 2’26” 膝十字固め

第7試合 MMA ヘビー級 5分3R
○アミル・アリアックバリ
×ダスティン・ジョインソン
1R 1’48” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)

第6試合 MMA 136ポンド契約 5分3R
×シェ・ウェイ(中国/フライ級5位)
○若松佑弥(TRIBE TOKYO MMA)
1R 2’03” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)
※若松が計量でフライ級(135ポンド)を0.5ポンド(0.22kg)オーバー

第5試合 MMA フェザー級 5分3R
×アーロン・カニャルテ
○アクバル・アブドゥラエフ
1R 0’41” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)

第4試合 ムエタイ 女子アトム級 3分3R
×ララ・フェルナンデス
○ペッディージャー・ルクジャオポーロントン
1R 0’26” TKO (レフェリーストップ:パンチ連打)

第3試合 MMA 136ポンド契約 5分3R
×ボルター・ゴンサルベス
○バンマ・ドゥオジ
判定0-3
※ゴンサルベスが計量でフライ級(135ポンド)を0.75ポンド(0.34kg)オーバー。

第2試合 グラップリング 女子ストロー級 10分1R
○タンミ・ムスメシ
×アマンダ・アレキン
判定3-0

第1試合 キックボクシング ライト級 3分3R
×コンスタンティン・ルス
○ボグダン・シュマロフ
3R 1’33” TKO

 7月15日にタイ。バンコクのルンピニースタジアムで開催された『ONE Fight Night 12』の試合結果。第6試合で若松佑弥がシェ・ウェイに1R TKO勝ち。第8試合でゲイリー・トノンがシャミル・ガサノフに2R膝十字固めで勝利。第7試合でアミル・アリアックバリがダスティン・ジョインソンに1R TKO勝ちしています。


 スーパーレック・ギャットムーカオ vs. タギール・カリロフ ハイライト動画。


 ゲイリー・トノン vs. シャミル・ガサノフ ハイライト動画。


 アミル・アリアックバリ vs. ダスティン・ジョインソン ハイライト動画。


 若松佑弥 vs. シェ・ウェイ ハイライト動画。続きを読む・・・
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MMA MMAPLANET o ONE ONE FN12 シェ・ウェイ 若松佑弥

【ONE FN12】押し倒して殴って勝つ。有言実行、計量失敗からの勝利で若松佑弥が一歩前進

<135.5ポンド契約/5分3R>
若松佑弥(日本)
Def.1R2分03秒by TKO
シェ・ウェイ(中国)

若松は左に右を合わせ、蹴り足を掴まれて下になってもすぐに立ってテイクダウンを奪う。シェ・ウェイも即立ち辺り、ロープに若松を押し込む。細かいヒザを打つシェ・ウェイだが、若松もヒザを返しコーナーを背負いながらヒザを狙われたところで右足を抱えてテイクダウンを奪う。サイドを取った若松は右パンチを連打し、上体を起こそうとしたシェ・ウェイに右ヒザを連打する。

それでも起き上がってきたシェ・ウェイを制し、バックを制して押し倒してマウントを取った若松は左右のパウンドを続けTKO勝ちを決めた。リング下りようとした若松は呼び止められインタビューを受けると「体重オーバーをしてしまったこと、申し訳なく思っていて。ソレが自分を強くしてくれました。前回はソレに負けたので。殺してやるという気持ちで戦いました」と話した若松。計量オーバーで5万ドルは獲得とならなかったが、「復活です。次を楽しみにしてください」とコメント。次の相手に関して若松は「誰でも良い。DJでも良いんじゃないですか」と言葉を続けた。


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ABEMA MMA MMAPLANET o ONE ONE FN12 Road to UFC UFC ウ・ソンフン キック シェ・ウェイ チャンネル ルンピニー 若松佑弥

【ONE FN12】まさかの計量失敗、再び。若松佑弥が2日前に話していたこと。「暴力というテクニック」

【写真】顔を上げ、ひたすら勝利目指し。勝って、頭を下げれば良い (C)ONE

明日15日(土・現地時間)にタイはバンコクのルンピニースタジアムで開催されるONE FN12「Superlek vs Khalilov」で、若松佑弥はシェ・ウェイとフライ級3回戦で戦う予定だった。

昨年11月のウ・ソンフン戦で体重は落とせてもハイドレーションをパスしなかった若松は、今回はハイドレーションはパスしても135ポンドのリミットに対し下着を脱いでも135.5ポンドと0.5ポンド(226.79グラム)オーバーに。

その後2度トライした再計量ではハイドレーションに失敗した若松に対し、シェ・ウェイは3度目の計量で両方でパス──この試合はキャッチウェイトマッチで実施されることとなった。

水抜き防止のためにハイドレーションが導入されたONEの計量では、ミスをするファイターが後と絶たない。今大会もメインのムエタイ戦出場のスーパーレック・ギアットムーガーオ、MMAでは同じくフライ級のヴァウテル・コンサスベスが計量失敗となっている。

MMAPLANETでは若松を12日(水・同)にインタビュー。トレーナーを帯同し、計量に向けて絶対の自信を持っていた若松は、MMAファイターとして原点回帰することを断言していた。もちろん、計量をパスした選手の方が圧倒的に多く、2試合連続の失敗は弁明の余地が所属するTRIBEとしてないのは確かだ。と同時にシェ・ウェイが200グラム超過のキャッチ戦を受けた。この時点で、両者の立ち位置は全く変わらない。若松は気持ちを入れ替えるということでなく、ただ勝利を掴むために邁進してほしい。

良心の呵責など、試合が終わるまで必要ない。ここは人間性より、試合に勝つための人種=ファイターとして明朝のリングに上がり、インタビューで話していた通りの試合を実践するのみだ。


──去年の11月以来の試合となります。色々と考えることがあったと思いますが、改めて試合に向けてのどのような気持ちですか。

「順調で、ベストコンディションですし、最後まで気を抜かずにいきます。その時、その時を本気で生きてきて、今に至っています。練習環境もベースは変えないで、補助的に悪かったところを見直してきました。全てを変えてしまうと、良い所も失ってしまうので。そこは変えずにやってきました。前回の負けも必然だったと思えるまで、全力でやってきました」

──長南さんがキルクリフFCを視察し、帰国後はより声を出して厳しくするとアマチュアの子たちが来なくなったという話を伺いました。

「まぁ、そういう風になりますよね(笑)。でも、しっかりとした子は変わらずに練習を続けて育っています」

──ハイドレーションの失敗を経験して、普段の体重をフライ級のリミットに近くすると言われていましたが、普段から61、2キロに近い体重で過ごすようになっていたのでしょうか。

「自分は結構、摂生している方だと思います。そこは変わらず──です。前回はONEで8試合しているうちの、1つの試合。そういう風に思っています」

──既に頬がこけていますが。

「体を見たら、ビックリしますよ(笑)」

──ではここで上半身を見せて欲しいのですが、我慢します(笑)。セレモニアル計量でなく、本計量の前後の写真を送ってきてください。それを楽しみに待ちますね。

「ハイ(笑)。堀江(登志幸TRIBEフィジカルコーチ)さんのお陰で、しっかりとフィジカルをやってきて。今回はタイまで帯同していただいて、そっちの計量の面でもバッチリです」

──対戦相手のシェ・ウェイですが、どのような印象を持っていますか。

「素晴らしいファイターで、本当に強い選手です。尊敬しています。自分も凄く好きな選手です」

──打撃は強い。しかし、組みには穴があると思っていたら、ジムごとタイに移動してロシア人コーチを雇い、しっかりとレスリングやグラップリングもやり込んできたと自信を見せていました。

「まぁ、気にしないです。それがMMAファイターです。穴がある方がおかしい」

──ではどのようなところに気を付けないといけないと思っていますか。

「やっぱり近い距離のパンチには気を付けないといけないです」

──そこに対して、若松選手がやるべきことは?

「貰わないことは第一で。でも、試合だから貰う覚悟はあります。勝負に出て打ち合う場面も出てくるだろうし、そこもしっかりとやります」

──MMAで勝てば良い。でも喧嘩になっても負けないということを内包していないといけない。そういう難しさが、今のMMAにはあるかと。

「振り返ってみると、自分が理想にしていたのはテイクダウンをしても、しっかりと殴って削ることだったんです。キックボクサーやボクサーでなくて、MMAでも打撃を入れること。テイクダウンしても殴って、そこで立ってきてもまた倒して殴る。相手がビビってくるようなことをする。そうすることでテイクダウンの振りをして、また殴ることもできる。

雑でも良いので、寝かせたら寝ている状態の相手を殴る。自分がメチャクチャだった時代を思い出すわけじゃないですけど、俺はそれしかできない。上久保(周哉)さんや(和田)竜光さんのように理詰めで行くのではなくて、もっと暴力的に戦うつもりです。背中を見せるようなら、スルっと入るんではなくて暴力的に絞めるみたいな感じで。寝技だって喧嘩をする。それが僕の理想だったはずで。

それが現代MMAになると、よりテクニカルになる。そこを自分のモノにしようとする余りに、殺傷能力を失っていました。テイクダウンして抑えることができるようになると、打撃ができないレスラーのような戦い方をするようになったので、もっと自分の拳に自信を持って──その武器を持っているので、しっかりと使おうと思います。自信を持って寝技になった時に暴力をしたい。そういうイメージですね。殴り合いに自信を持っている人間と、足を止めて打ち合うのではなくて。それってベアナックルファイトになってしまうので、蹴りもヒザも使えるし、際でエルボーも入れてテイクダウンもできる。全局面で喧嘩してきます。なんか……話し過ぎましたね(苦笑)」

──いえいえ、ありがたいです。それができるのも、しっかりとテイクダウンをして抑えて勝つという努力をしてきたからではないでしょうか。

「しっかりと抑えて時間を使うという考えを持ってしまっていたのですが、僕が『抑えました。じゃあ殴る』という戦いをした時に、打撃しかない人間が勝てるわけがない。これまでの試合で学んできた、暴力というテクニックが出るんじゃないかと思います。やっぱり、ちょっとしゃべり過ぎましたね(苦笑)」

──Road to UFCで再確認させられたのは、世界中が強い連中ばかり。それはUFCだからでなく、ONEで戦う中国人ファイターも同じことだと思い直せました。若松選手や和田選手は、名前はないけどそういう相手と戦ってきた。今回も弱いわけがないシェ・ウェイ戦、何を見せてくれますか。

「まず自分に打ち克って、自分のやるべきことをやる。負けたらいけないとか、相手が強いとか思い込んでしまうので、まずは自分に打ち克って、自分のやるべきことを15分間しっかいとやる。そうすれば自ずと相手は倒れているので、楽しみにしてほしいです」

■放送予定
7月15日(土・日本時間)
午前9時00分~ABEMA格闘チャンネル

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【ONE FN12】若松佑弥と対戦、リアル嵩山少林寺MMA戦士シェ・ウェイ「新しい面を見てもらえる」

【写真】 後列右端がシェ・ウェイ。左から2人目はONE世界フェザー級王者タン・カイ。ジムごと、タイに移動。そりゃあ強くなっているだろう……(C)ONE

15日(土・現地時間)にタイはバンコクのルンピニースタジアムでONE FN12「Superlek vs Khalilov」が開催され、シェ・ウェイが若松佑弥と対戦する。

両者は昨年9月に戦うことが決まっていたが、シェの負傷で若松の対戦相手はワン・シュオに変更され──しかも体重オーバーで試合は流れた。若松はその後、11月大会で韓国のウ・ソンフンに敗れる波乱が起こり、9カ月振りの再起戦でシェ・ウェイと拳を交えることになった。

そのシェ・ウェイは実現しなかった若松戦以前に、リース・マクラーレンにRNCで敗れるなど、絶対的な打撃の強さの裏に絶対的に組み技が弱点であった。しかし、今の彼はレスリングとグラップリングにも相当な自信を持っている。その要因を尋ねると、まさに躍進中国MMAの経済力を見せつけるような事実が垣間見られた。

同時に中国武術の伝統の象徴といえる嵩山少林寺での修行経験があるなど、今はタイ在住のシェ・ウェイは伝統と経済力を兼ね備えた──C-MMAファイターの怖さが集約されているといっても過言でないファイターだ。


──インタビューを受けてくれてありがとうございます。

「自分の方こそ、インタビューをしてくれて感謝しています」

──来週の土曜日に若松佑弥選手と対戦します。今の気持ちを教えてください。

「しっかりと準備できているから、凄く楽しみだよ」

──若松選手とは昨年9月に対戦予定でしたが、欠場となりました。

「試合のための練習中にケガをしてしまって。だから、1年も試合ができなかった。ケガをしたのはタイでの練習中で、それから中国に戻って半年間治療に専念していたんだ。今年の初めになって、ようやくトレーニングを再開したよ」

──シェ・ウェイ選手に関して、以前から一つ気になっていたことがありました。ONEでは少林ファイターという紹介もされていて、修行僧の恰好をした写真も見ました。あれは嵩山少林寺で修行をしていたということですか。

「そうだよ。撮影のためとかでなく、本当に嵩山少林寺(ソンシャン・シャオリン・スー)で修行をしていた時のもので。自分は少林寺で4年間過ごしていたんだ」

──!!! 4年も少林寺で修行をしていたのですか。

「修行は最初の3年間で、最後の1年は指導をしていた」

──少林寺のデモンストレーションをパリで観たことがあったのですが、もの凄くアクロバチックなショーであって、ファイトと共通点があるとは思えなかったです。

少林寺武術ショーは少林寺の商業的な活動で、世界各地で公演が行われている。

「あれは一つの側面で。実際にあのような動きを身に着けることで自分の体の機能をよく理解し、より思ったように動かせるようになるんだ」

──つまりはコーディネーションですね。

「そう。それに少林寺では伝統的な武術(ウーシュウ)の稽古だけでなく、散打の練習もしっかりとやっている。この2つを続けてきたことで、ボディ・コーディネーションという面は絶対的に成長できた。

MMAはあらゆるスタイルの競技が融合されている。そのなかで武術の業が生きるケースも当然ある。加えて少林寺での経験により、心が鍛えられた。少林寺では1日に4度の修行の時間があるからね。まず朝の5時に最初の修行が始まり、山中を駆け回るんだ。

嵩山は一つの山でなく、山岳群で3つの高峰の一つである小室山の麓に少林寺はあり、小室山は小室36峰と呼ばれている。古代より道教、仏教、儒教の聖地とされている。

そして午後からは技術や動きの修行が2度行われている。あの修行の日々は自分の心身を鍛え上げ、当然のようにMMAに必要な一つ一つのテクニックに生かされている。少林寺の修行で自分は、ずっとタフになれたよ」

──もの凄く興味深い話です。では、若松選手の印象を教えてもらえないでしょうか。

「ユウヤは既にタイトル挑戦経験のある優れた選手だ。それに自分は弱い相手とは試合をしたくない。それでも、ユウヤの弱点は見つけているよ」

──これまで常にKOパワーのある打撃を見せてきましたが、正直なところをいえば過去に敗れた試合では組み技という面で課題が見られたと思います。若松選手は今やテイクダウン能力の高い総合的なファイターですが、その辺りをどのように考えていますか。

「自分がケガをした後、シンジャン・ファイトジムのオーナーがジムをチンタオからタイに移すことを決め、パタヤに新しいジムを創ったんだ。そしてロシア人コーチを招聘してくれて、自分のレスリングとグラップリングの技術力は凄く伸びている。だから、次の試合では新しい面を対戦相手だけでなく、ファンにも見てもらえることになるだろう。

もともと打撃に関してはユウヤよりも、自分の方が上だと思っている。そこにレスリングとグラップリングが成長した。試合がどうなるのか、楽しみにしてほしい」

──若松選手に勝つ自信は、十分にあるようですね。

「100パーセントだ」

──では、若松選手との試合ではどのような姿を見せたいと思っていますか。

「自分にはレスリングとグラップリングという弱点があった。その2つの局面で自分が如何に強くなっているかを皆に見て欲しい。ユウヤは素晴らしいファイターなので、きっと良い試合になるから楽しみにしてほしい。楽しめる試合になるよ。もちろん、日本の皆にとってもね」

──押忍。ありがとうございました。

「自分の方こそ、日本のファンに知ってもらえる機会を与えてもらって凄く嬉しい。ありがとう」

■放送予定
7月15日(土・日本時間)
午前9時00分~ABEMA格闘チャンネル

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o ONE フー・ヨン 若松佑弥

ONE Fight Night11:第2試合・フー・ヨン vs. ウ・ソンフン

フライ級。

ONEヒーローシリーズでキャリアを積んだフー・ヨンは2021年のONEデビュー戦でヨッカイカー・フェアテックスに判定勝ち。しかし2戦目は若松佑弥に判定負け。昨年12月には元フライ級王者のゲヘ・ユースタキオを1RKOしている。27歳。

韓国のソンフンも同じくONE本戦で2勝1敗。こちらは昨年11月の前戦で若松佑弥を1RKOしている。一発のあるストライカーで、フー・ヨンが判定勝ちしたヨッカイカーも18秒でKOしている。30歳。

フー・ヨンが組んでテイクダウン。すぐ立つソンフンだが、フー・ヨンまた担ぎ上げると逆コーナーまで持っていってテイクダウン。立ったソンフンだが、フー・ヨンが強烈なパンチを打ち込む。倒すと強烈なパウンド。立ったソンフン。フー・ヨンパンチをブンブン振り回す。しかしソンフンのパンチをもらった。コーナーに詰めたソンフンがタックル。倒すとバックマウント。チョーク。外れた。残り1分。股下から抜けて立ったフー・ヨン。パンチを打ち込むソンフンだが、フー・ヨンが打ち返した際にバッティング。再開。飛び膝を放つフー・ヨン。ゴング。

2R。全部全力のパンチを出していくフー・ヨン。ソンフンコーナーに詰めた。フー・ヨンタックル。テイクダウン。ロープ際で立ったソンフン。ボディロックから投げたが、逆にバックについたソンフン。立ち上がるフー・ヨンだが、ソンフンまた倒すと背中に乗った。背負って立つフー・ヨンだがチョーク。腕を掴んでディフェンスするフー・ヨンだがグラウンドになりバックマウント。立って離れたフー・ヨン。またパンチを振り回していくフー・ヨンだが、さすがにスピードが落ちている。アッパーを打ち込むフー・ヨンだが、ソンフンが詰めていきロープを背負う展開に。組んだソンフンだが、フー・ヨンこらえて離れる。ゴング。

3R。ソンフンパンチ・ローで出ていく。フー・ヨンは相変わらず全て全力パンチ。的確にパンチを当てていくソンフン。フー・ヨンもパンチを出しているがクリーンヒットがない。フー・ヨンの連打。しかしヒットしてもソンフンそこまで効いた様子がない。残り30秒。パンチで出るソンフン。かわして右を入れたフー・ヨン。タイムアップ。

判定スプリットでフー・ヨン勝利。

1Rダウンを取ったフー・ヨンと、その後テイクダウンから攻めたソンフンでどちらに入ってもおかしくない試合。

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ONE FIGHT NIGHT10:ボーナスバウト第2試合・カイラット・アクメトフ vs. リース・マクラーレン

フライ級。アクメトフ2位、マクラーレン4位。

カザフスタンのアクメトフはONE7勝2敗。2018年、暫定王座決定戦でジェヘ・ユースタキオに判定負けしてから5連勝中。前戦は和田竜光に判定勝ち35歳。マクラーレンとは4年前に対戦しアクメトフが勝利。35歳。

オーストラリアのマクラーレンはONE9勝5敗。バンタム級でビビアーノのタイトルに挑戦したがスプリット判定負け。フライ級では7勝4敗。2年前に若松佑弥に敗れてから2連続フィニッシュ勝利中。31歳。

パンチを振って出たアクメトフ。ケージまで下がったマクラーレンにタックル。リフトしてテイクダウン。バックを取らせて立ったマクラーレンだが、スタンドバックからまた投げた。またすぐ立つマクラーレン。スタンドバックからボディロックに変えてテイクダウンしたマクラーレン。サイドに出た。ハーフからフルガードに戻すマクラーレン。ケージを使って立ったマクラーレンだが、すぐにまたスタンドバックに回るアクメトフ。テイクダウン。マクラーレンのガード。アクメトフ立たせずにパウンドを入れる。肘。マクラーレンは下で凌ぐのみ。ゴング。

2R。マクラーレンが飛び込んでパンチを打ち込むが、かいくぐってテイクダウンしたアクメトフ。マクラーレン立ったがスタンドバックから後方に投げてテイクダウンしたアクメトフ。ケージで立ったマクラーレン。アクメトフまたケージに押し込む。引き剥がし離れたマクラーレン。大振りのパンチを振って出る。アクメトフもワンツーを入れる。自ら組んだマクラーレンだが離れた。残り1分。アクメトフ左を当ててタックル。尻餅をつかせた。立ったマクラーレンだがスタンドバック。マクラーレン出て行くがゴング。

3R。アクメトフケージに押し込む。ダブルレッグでテイクダウンしたアクメトフ。マクラーレン口が開き気味。高地で疲れが出てきたか。背中を付けたマクラーレン。ケージを蹴って返そうとするマクラーレン。亀になってアクメトフがぶったが振りほどき離れた。マクラーレンローを入れたがキャッチサれた。振りほどいて離れようとするマクラーレンだが、アクメトフ追いかけてケージ際でタックル。こらえるマクラーレン。アクメトフはボディに膝を入れて離れた。ミドルを入れるアクメトフ。アクメトフタックル。切るマクラーレンだが時間が過ぎる。離れた瞬間に左右のパンチを入れるアクメトフ。そのまま出てケージに押し込んだ。離れた。パンチを振り回して出たアクメトフ。タイムアップ。

判定3-0でアクメトフ勝利。

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【ONE FF11】アリ・モタメドと対戦、安藤達也─02─「俺はここから上がっていく」

【写真】盟友・川原波輝と。勝てば道は開かれる(C)TATSUYA ANDO

本日、31日(金・現地時間)にタイはバンコクのルンピニースタジアムで開催されるONE Friday Fight11でアリ・モタメドと対戦する──安藤達也インタビュー後編。

Road to UFC出場を逃した安藤が、ONEというステージをターゲットにし、キャリアの再構築を図る。バンコクでの合宿から、今の練習環境、そして今後に向けて安藤に話を訊いた。

<安藤達也インタビューPart.01はコチラから>


──えぇ、モタメドが苦手なタイプというのは?

「ローキックで崩してくるところなんか。実際にやってみないんと未知数なところはあるんで。自分がこのタイに来て、どれだけパフォーマンスを発揮できるのか。自分自身が、これまでに如何に自分に打ち克ってきたのかということが、試合で表れるかと思います」

──ただ吉野光選手との試合が印象に残っていて。安藤選手とはタイプが違いますが、あれだけテイクダウンされて何で勝ちなのかと。

「あれは酷かったですね(笑)。あれは謎でした。でもONEでやっていくには、決着をつけることが重要になってくるんだなって」

──先ほど言われた自分に打ち克ってきた点に関してですが、ここまでどのように積んできたのでしょうか。

「今回は準備する期間が長くて、波輝君とタイで合宿をして。凄く練習に打ち込めました。その成果が出るのか、試される試合です」

──タイで練習というのは、どこのジムで?

「アルファメールの元打撃コーチが、バンコクの中心部から少しだけ離れたところ(スワンルワン区)でジムをやっていて」

──マスター・トンですか?

「そうです、そうです!!(笑)。マスター・トンはフィットネスジムみたいなのを開いていて、そこでパーソナルでミットを持ったりしてくれるんです。自分には自分のスタイルがあるんですが、一回それを忘れて基礎からやってきました。

マスター・トンの打撃は、ムエタイっぽくなくて。キック、ボクシング、ムエタイのテクニックが混ざってMMAにフィットさせるみたいな感じで、教えてくれました。TJ・ディラショーに近いテクニックのように感じました。ムエタイではなくて、MMAの打撃ですね。キックやボクシングをMMAに落とし込んでいるような。ミットもメチャクチャ凄かったです。何よりもハートですね、マスター・トンのハートが良かった」

──ハート。それだけ厳しい練習ということですか。

「練習は厳しいです。だから楽しんでやろうって、途中で笑いを混ぜてくるんです。すっごい面白い人で(笑)。でも、相当に追い込まれました。だからといって3週間で、自分が劇的に変わることはないし、そんな甘いモノじゃない。でも最初は10日間のつもりが、2週間延長して練習させてもらいました。フリーになってからスパーリング中心の環境でやってきたので、マンツーマンでしっかりと教わることができました。

試合でこういうことができるとはハッキリ言えないですけど、基礎の底上げができたので、随所で学んだことが関係してくると思います」

──「安藤達也はちゃんと練習すれば、こんなものじゃない」という言葉がずっと聞かれてきました。ただ若松佑弥選手が「安藤選手は練習しています」と言っていたのですよね。それが印象的で。

「土曜日のCUTEの練習に祐弥が来てくれるんですよ。多分、そこで『実はやっている』と……まぁ『皆が思っているよりはやっている』ということかもしれないですけどね(笑)」

──アハハハ。CUTEでの練習は、どのようなメンバーが集まっているのでしょうか。

「CUTEは……もともとイエローマンズ時代に臼井(知史)さんが、安永(有希)さんや長倉(立尚)さん、吉田(善行)さんたちの練習を見ていて。それに臼井さんは僕がTRIBEにいる時、デビューする前からミットを持ってくれていて。で、ジムを離れた時に頼ったんです。『なら来たらええねん』って言って貰えて、イエローマンズ時代から通わせてもらって。

今も臼井さん練習が土曜日にあって、そこに祐弥や上田(将勝)さん、それに(中村)倫也も来てくれるようになって。凄く良い練習になっています」

──だからこそ、ちゃんとやったら強いというところを見せてほしいです。

川原 アハハハハハ。

「そうッスね(笑)。実はこそこそやっているので」

──ところでONE本戦出場という目標がある限り、もうルンピニーでは求められていることは明白です。

「やっぱフィニッシュしないといけないなって思っています。シンプルに。倒しに行く試合を見せたいです。『コイツが試合に出たらワクワクするな』っていう試合をしたいですね。ここから、でっかいステージに行きたいので。なんか、ぶち上げたいですね。『おっ、来たな』って。下から上がって、ぶち上げていきたいです」

──修斗世界王者でもルンピニーからかと。山北渓人選手は本戦だったじゃないか──そんな想いは?

「全くないです。俺はここから上がっていく方が、良いよなって思っています」

■放送予定
3月31日(金・日本時間)
午後9時30分~ ABEMA格闘チャンネル

■ONE FF11 MMA対戦カード

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
安藤達也(日本)
アリ・モタメド(イラン)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
アリソン・バルボーザ(ブラジル)
アリ・カブドゥラ(カザフスタン)

<女子ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
アレクサンドラ・サビチェバ(ロシア)
アネリヤ・トクトゴノバ(キルギス)

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