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【Gladiator022】今度はバンタム級GP!!。準々決勝前半戦でチャンプ神田✖テムーレン。竹本✖マルガリョ

【写真】 フェザー級王座決定T準決勝と共にバンタム級GP準々決勝。だんだんとグラジを無視できなくなってくる選手も出てくるのでは……(C)MMAPLANET & ELORDE MANAGEMENT

24 日(水)、Gladiatorより6月11日(日)に豊中市の176BOXで開催されるGLADIATOR022より8人参加のバンタム級GPがスタートを切り、同大会で準々決勝2試合が組まれることが発表された。

同GPはいわゆるBellator方式というべきチャンピオンが出場し、準々決勝、準決勝、決勝とその時点での王者が防衛戦を行うというもの。そして今大会ではGladiatorバンタム級チャンピオン神田T800周一✖挑戦者テムーレン・アルギルマーのタイトル戦、前チャンピオン竹本啓哉✖ジェイソン・マルガリョの2試合が準々決勝として組まれることが明らかになった。


3月のGLADIATOR021のノンタイトル戦で衝撃のモンゴリアン・スラムから神田をパウンドアウトしたテムーレンが、その神田がダイレクトリマッチでベルトに挑む。これは王者の強い要望で実現した選手権試合だ。

神田は王座の価値を下げたとベルトを返上してGP参戦する意向も持っていたが、「さらなるバンタム級の活性化を促すためにチャンピオンが参戦するGPトーナメントの開催」という櫻井雄一郎グラジ代表の言葉を受け入れ、王者のままGP出場を決意したという。

一方のテムーレンは王座挑戦がGP戦の一環として行われることを後から知り、母国モンゴルでなかなか試合経験を積むことができなかった状況を鑑みて、強い相手と戦えるのは大歓迎と張り切っているそうだ。

もう一方の準々決勝=竹本✖マルガリョは、事実上の次期挑戦者決定戦。2020年2月に神田との王座決定戦で同タイトルを獲得も2021年9月の釜谷真との防衛戦で、計量に失敗しタイトルを剥奪された竹本にとって、ようやくタイトル奪還の機会が巡ってきた。

この間、福島啓太に敗れて厳しい状況に追い込まれた後、江田こうすけ塾長、笹晋久選手を破り、今年の1月にはコンバット柔術マッチで江木伸也選手をRNCで下すなど、自力でGP出場枠を手にした。

聞くところによれば、竹本の対戦相手はグラジで結果を残してきた日本人選手や、若手の抜擢、他のアジア勢と二転三転した結果、マルガリョに決定したという。そのマルガリョのMMA戦績は11勝6敗で、BRAVE CFフィリピン大会、PXC、タイのFMD、さらにはUAEWと国際的なフィーダーショーで戦っており、国際戦という点においては竹本を上回る経験を持っている。

グラジでは1月大会で、不幸にも不可抗力の急所蹴りで一発反則負けを喫したジョン・オルニドを招聘予定だったが叶わず、同門のマルガリョを両者の師ロランド・ディに強くリコメンドしてきたそうだ。

1994年9月18日生まれ、28歳のマルガリョはボクシングベースでレスリング、柔術を習得したウェルラウンダーという触れ込みだ。とはいえ韓国、モンゴル勢が猛威を振るうグラジにあってフィリピンは結果を残せておらず、竹本はしっかりとグランドで仕留めることが求められている。

なお、このバンタム級GPは次回=10月1日大会で、残りの準決勝2試合を行い、12月大会、来年上四半期で準決勝と決勝戦を実施していく予定だという。

「10月1日の準々決勝2試合の出場選手は、国内外から初参戦選手を含め、よりGladiatorバンタム級戦線が盛り上がること間違いないファイターと現在交渉中です」と櫻井代表はリリースにコメントを寄せているが、どのようなメンバーが集まるのか──アジア#01フィーダーショーを目指す、攻めるGladiatorだけに──楽しみだ。

リリースに寄せられたバンタム級GP準々決勝出場4選手の抱負は以下の通りだ。

Gladiatorバンタム級チャンピオン神田T800周一
「前戦からテムーレンのことだけを考えてきました。この戦いが決まったことが嬉しいです。アジアからの参戦者も増え、Gladiatorのベルトの価値は上がり続けています。この一戦、このトーナメントを制して真のチャンピオンになりたいと思います」

Gladiatorバンタム級挑戦者テムーレン・アルギルマー
「自分がこのGPの勝者になる。その自信で溢れています。自分はチャンピオンになるために、必死に練習しています。神田選手、しっかりと練習してきてください。6月11日、前回以上に激しい試合になるはずなので会場に見に来てください。最後は僕がチャンピオンになります」

元Gladiatorバンタム級チャンピオン竹本啓哉
「再びベルトを締めるチャンスを与えてくださった櫻井代表ならびにGladiatorの関係者の方々に感謝しています。国際戦になって非常にワクワクしているのと同時に、積極的に海外選手を招聘して下さるGladiatorの中で日本人の強さを見せつける覚悟です。強さが試される試合になると思いますが、きっちり極め勝ちます。

対戦相手のマルガリョ選手はサブミッションでの勝ちが多いようですが、『柔の発祥地』のグラップリングを存分に味わって帰ってもらいます。西日本の選手を積極的に使ってくれるGladiatorで強さを示す事で、西日本の若手選手達に希望を与えたいです」

ジェイソン・マルガリョ
「フィリピンでは国際戦を戦う機会を得ることはとても難しいから、今回のGladiatorのオファーにはとても感謝している。タケヤは優れたグラップラーだけど、MMAにはパンチもキックもある。多くの武器を僕らは持っている。サブミッションオンリーではないし、試合はスタンドから始まるものだ。僕はタケヤ・タケモトを倒せる。彼のパンチとキックは本当に遅い。グラップリングのために使っているんだ。そこも研究している。日本のファンの皆には、僕とタケヤとの試合を楽しみにしてほしい。日本で会おう!!」

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Grachan Grachan61 MMA MMAPLANET o ライカ 小島勝志 福島啓太 高橋孝徳

【Grachan61】小島勝志とフェザー王座決定T決勝戦=高橋孝徳─02─「ツマラナイ試合というのはその通り」

【写真】前回の試合で勝ち名乗りを受ける時の表情。この時に想ったことが、どう生かされているのか。または焼き直されて、その感情は関係ないぐらい強い意思を持って臨むのか。明日が楽しみ (C)MMAPLANET

14日(日)、東京都の大田区産業プラザPIOで開催されるGrachan61にて、小島勝志とのフェザー王座決定トーナメント決勝に臨む高橋孝徳のインタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

前編に続き『試合が面白くなかった』という意見に反論するかと思えば、話は思わぬ方向に……。打ち合うのか、極め合うのか。あるいは潰し合うのか――この高橋×小島のトーナメント決勝は、『MMAとは何か?』と考えられるキッカケになるかもしれない。

<高橋孝徳インタビューPart.01はコチラから>


――MMAで打ち合うことが必要な場合もあるでしょう。ただ、それは勝つために打ち合いへ持ち込む場合であり、高橋選手の仰るとおり勝つと負けるでは違ってきます。

「スタンドの打ち合いだけじゃなくて、組み技についても同じだと思うんですよ。じゃあ極まらないサブミッションを掛け合うほうが面白いのかって。ポジションを整えるより、そちらのほうがアクションと見なされてしまうじゃないですか。テイクダウンに来た相手の首に腕を回していても、ギロチンを狙っているフリだけかもしれない。ちゃんと組み技の攻防が分かる、分かるから自分の試合がツマラナイっていう意見は、受け入れないといけないと思います。打ち合いを楽しみにしている人や、極め合うだけのグラップリングを求めている人が、そういうことを分かってくれる時代が来るのか……」

――大切なのは、やり続けること。そして勝利を目指し続けることではないですか。

「先日からMe,Weの仲間になった福島啓太君が、すごく嬉しいことを言ってくれて。僕が試合後『クソみたいな試合してしまった……』と言ったら、福島君は『でもみんな、1年後には勝ったか負けたかの結果しか覚えていないですから』と。確かにそうなんです。だからファイターって、まずは勝ってナンボだなって思いました」

――では高橋選手ご自身が、タイルの軸は同じであったとしても、小島選手に勝つために今の自分にとって必要なものはありますか。

「作戦に関わるので詳しくは言えないですけど……、何かを大きく変えないといけないとは思っていません。まだ出していない引き出しが、たくさんあるので。そこに相手をハメていけば勝てるんじゃないかと。『これをやりきれば自分が勝てる』という道筋は見えていて。あとは、相手がそれをやらせてくれるかどうか、というのがポイントですね」

――相手がやらせてくれるかどうかとは、相手次第の部分が大きいということですか。

「はい。小島選手の強さが想定を上回っていたら、通じないところもあると思います。そこは実際に試合をしてみないと分からない部分、ということですよね。ただ、特に小島選手はストライカーだし、自分が待つような展開になると、ポイントは相手についてしまう。まずは自分から能動的に動いて、その展開に持っていかないといけないです」

――一方、小島選手はケージに押し込まれてから逃れて打撃を当てる展開も巧いです。

「どうなんでしょうね。そこはまだ測りかねているところです。ここ数戦で間違いなく、テイクダウンディフェンスは強くなっています。簡単には倒せないとは思いますけど、絶対に倒せないかといえば……そこは楽しみにしていてください」

――なるほど。どんな展開になろうとも、小島選手を組み伏せることができる自信があるわけですね。

「組みの部分だけでいえば、僕のほうが強いです。ずっと腰が重く、体重も重い選手たちと練習しているので。そこは自信を持っています。打撃についても――相手の打撃から逃げていると、逆に組みつきにくい。僕にとって良くない展開になりますから」

――山﨑さんも『村田戦のほうが相手に打撃のプレッシャーをかけることができていた』と評していましたね。高橋選手はアップライトに構え、どちらかというと打撃の重心で。

「もう終わった試合なので今さら言ってもアレなんですけど……。実は村田戦も崎山戦も、最初は打撃で行くプランだったんです(苦笑)」

――えっ!? 今までの話が少し変わってきませんか(笑)。

「アハハハ、完全に打撃でやるつもりでした。でも試合の流れで組んだ時、これは組んだほうが勝てるなと感じたんです。それで勝つための戦略に切り替えました」

――とはいえ『これは組んで勝てる』と思って組んで勝つスタイルは、実際に組み力の差がないと実現できないようにも思います。

とはいえ、押し込んでから先の倒すという攻防が見たいのも見る側の心理にある

「よく言えば、結果的に打撃を出さなくても組むだけで勝てるという状態なんです。

特に崎山戦は、意外と容易にケージへ押し込むことができて、押し込んでからテイクダウンを奪うつもりでした。ただ、テイクダウンとなると崎山選手も強くて。この攻防を続けていると、自分も疲労とかリスクがある。

反対に押し込み続けることはできる、削り続けていけば勝てると判断しました。その結果、ああいう信じられないぐらいツマラナイ試合になってしまったんですよ。だからツマラナイ試合っていうのは、そのとおりで。本当にスミマセン(笑)」

――アハハハ。

「村田選手の場合は、相手のほうから組んでくると思っていました。もともと組みが中心の選手でしたから。僕としてはドロドロの展開に持ち込まれる展開が嫌で。それが思いのほか打撃で来たので――蹴り足をキャッチしたら倒せたし、『これは組みで負けない』と感じたんですよ。2Rは打撃でやろうと思いましたが、結果的には組みで圧倒することになって。

僕にとっても想定と違うし、物足りない試合内容になってしまいました。1回戦も準決勝も、試合後に僕の表情は冴えていなかったと思うんです。もっと苦しい展開になると思っていたし、とりあえず一安心っていう感じでした。でも周りからは『手の内を見せずに勝てたね』と言われて。まぁ打撃を出さなかったのか、出せなかったのかは、見た人の主観ですよ(笑)」

――そのどちらだったかは、次の試合で分かるということですね。

「自分で言うのも何ですけど、テイクダウンディフェンスからの打撃という小島選手のスタイルとは好対照じゃないですか。結構面白くなってきたと思いますよ。MMAだから、いろんなスタイルを見てほしい。そんなMMAの面白さを伝えるような試合をして、ベルトを巻きたいです」

■視聴方法(予定)
5月14日(日)
午後1時~Grachan放送局

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【Gladiator021】神田周一が、モンゴルのテムーレンと。中務修良はフィリピンのバトトと対戦

【写真】切磋琢磨という見方はケージの外だから。神田も中務も、ここで負けてはいられない(C)MMAPLANET

4日(土)、GLADIATORが26日(日)に豊中市の176BOXで開催するGladiator021の追加カードとしてバンタム級3回戦=神田T800周一×テムーレン・アルギルマー、55キロ契約3回戦=中務修良✖エイドリアン・バトト・ジェマーという2つの国際戦を発表した。

既報の通りGladiatorフライ級選手権試合=王者NavE ✖挑戦者ニャムジャルガル・トゥメンデムベレルに続き、今回もモンゴル、そしてフィリピンからの刺客をGladiatorとWARDOGのチャンピオンが迎え撃つマッチアップとなった。


昨年4月に福島啓太選手を破り、GLADIATORバンタム級のベルトを巻いた神田にとって初の国際戦、ベルト奪取以後は修斗公式戦=闘裸男で野尻定由選手を下しており、11カ月振りにホームに戻ることになる。

テムーレンはモンゴル・ボクシング界の名門シレンビーリ・ジム、元Road FCファイターでコンバットサンボ世界大会でも銅メダルの実績を持つダムランプレウ・パーサンフー率いるマザーライ・ファイティングセンター、そしてモンゴル随一の設備を誇る112ファイトアカデミーと3つのジムに所属しておりMMA戦績はプロで5勝4敗、アマで4勝0敗だ。

フィジカル&爆発力勝負という印象の強いモンゴル人ファイターにあって、レスリングを多用しつつ柔らかい動きができるファイターだ。またMMA以外ではムエタイで4戦4勝(モンゴル選手権優勝)、シュートボクシングは3勝0敗、散打とコンバットサンボでともに国内選手権銅メダルという結果を残しており、その打撃は組むためにも使われている。

一方、WARDOGストロー級王者としてRIZINでもパンクラス王こと砂辺光久選手をKOするなど結果を残した中務修良は、55キロ契約で──MMAに乗り出したフィリピン拳闘会の名門エロルデ・ボクシングジム・サウスボックス所属、柔術ではチェックマット・マニラに属するエイドリアン・バトト・ジェマーと戦うことが決まった。

NavEが名張なら、中務は津。揃って三重のMMAを引っ張る存在だ。レスリングベースで打撃も力をつけてきた中務と対するバトトは、昨年12月に長谷川賢タレントリレーション代表がフィリピン視察を行った際、エロルデ・ボクシングジムで行われたトライアウトに参加していた27歳のファイターだ。

同トライアウトでは、1月大会に来日したジョン・オルニドと並び、一際動きが良くトライアウトの機会を生かしてグラジへの来日がなった。プロMMAはまだ2勝1敗1分だが、アマでは6勝2敗。特にコロナ以降プロ大会がほぼ休止されていたフィリピンにあって、なかなかキャリアを積めない状況にあったのも事実だ。そのバトト、トライアウトではレスリングと柔術を融合させたサブミッション・レスラー振りを見せていたが、実は柔術は青帯で立ち技がベースのようだ。

リリースによるとバトトは2016年&2017年と昨年のムエタイ・フィリピン王者で、アマ・ムエタイでは12勝2敗。アマ・キックは4勝0敗。プロ・ムエタイは2勝0敗という戦績を残している。

戦績は少なくとも、ポテンシャルの高さを持つ選手の招聘という部分では、ジョン・オルニドの動きを見ている分には期待ができる。アジアとの拳を交えた交流が、日本を強くするのか。NavE✖ニャムジャルカル、神田✖テムーレン、中務✖バトト、興味深い戦いになる。

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【NEXUS28】須藤拓真と仕切り直しの防衛戦、河村泰博「人とは違うことをしたいんです」

【写真】ある意味、下と下の争いという現代MMAにあって――まさに人とは違う試合展開となるのか(C)SHOJIRO KAMEIKE

7日(日)、東京都新宿区のGENスポーツパレスで開催されるNexus28で、バンタム級王者の河村泰博が須藤拓真を挑戦者に迎えて防衛戦を行う。
Text by Shojiro Kameike

当初この試合は、2月13日に開催されるはずだった。しかし河村が試合前にコロナウイルスに感染したため中止に。今大会で仕切り直しの対戦となった。その間、須藤はRIZINに出場して渡部修斗に勝利。一方の河村はパンクラスに出場予定であったものの、今度は対戦相手の負傷により試合が消滅している。その時間が、今回の試合に与える影響はあるのだろうか。試合直前、王者の河村に訊いた。


――河村選手は今年に入り、2試合が連続で中止となりました。まず2月に行われる予定であった須藤拓真選手とのタイトルマッチは、河村選手がコロナウイルスに感染したために中止となっています。その時の状況から教えていただけますか。

「まず家族が感染して、自分は濃厚接触者になりました。その段階でプロモーターサイドには連絡していたのですが、数日後に僕も体調が悪くなり……。調べてみたら自分も感染していて。それが判明したのは、試合まで2週間を切ったぐらいのタイミングでした。

かなりコロナが流行っていた時期で、そこから2週間の外出禁止になりました。職場も2週間の出勤停止になり、試合もプロモーターと協議して中止としていただきました」

――現在は第7波と言われ、コロナウイルスの感染者も急増しています。格闘技関係者でも感染している方が多いのですが、その時はご自身が感染して、どのように思いましたか。

「まさか自分が……という感じでした。しかも、このタイミングで。大会のメインを務めることになっていて、対戦相手はもちろんプロモーター、お客さんにも申し訳ない気持ちでいっぱいでした」

――次に、4月29日にパンクラスで予定されていた高城光弘戦は、高城選手の負傷によって中止となりました。この試合のオファーは、コロナ療養中に来ていたのでしょうか。

「いえ。2月にタイトルマッチが行われていても、その勝敗に関わらずパンクラスが僕を出したいというオファーが、山田代表(山田峻平ネクサス代表)のところへ届いていたようで。山田代表はタイトルマッチが終わったあとに、その話を僕に伝えようと考えていたそうなんです。

でもタイトルマッチがなくなってしまいました。本来は5月にタイトルマッチを仕切り直す予定だったらしいのですが、対戦相手とスケジュールが合わなくなって。『それならパンクラスで1試合挟んでもいいよ』という話になったんです。それでパンクラス出場を決めて準備していたという流れです」

――その試合も中止になった時の心境というのは……。

「意外と前向きな気持ちでしたね。パンクラスの試合が決まる前から、いずれどこかのタイミングで須藤選手とのタイトルマッチはやることになっていて。だから、次の試合が無いということはない。4月の試合までは、しっかり追い込んで練習もできていましたし、仕切り直しの須藤戦に向けて気持ちを切り替えることができました」

――なるほど。ここから少し河村選手のキャリアについてお聞きしたいのですが、MMAを始めたのはいつ頃でしょうか。

「大学生の時です。高校生の時にブラジリアン柔術を始めていたのですが、もともとMMAをやりたくて柔術道場に通っていました。でも親から『MMAはダメだ』と言われて……。サークルみたいなところで柔術を始めてから3年ぐらい経って、MMAをやるために今の和術慧舟會AKZAに入会しています」

――高校生の時に柔術を始めたキッカケは何だったですか。

「ずっと野球をやっていたんですが、当時は格闘技ブームで。自分も格闘技が好きだったので、思い切って始めてみようと思いました。2005年、2006年ぐらいの話ですね。PRIDEやK-1 MAXがあった時で、僕はPRIDEを見てMMAをやりたい、と。あの頃は桜庭選手や五味選手の試合を、それこそビデオテープが擦り切れるぐらい見ていましたね」

――桜庭選手や五味選手の試合を見ながら、レスリングやグラップリングではなく柔術を学び始めたのですか。

「実は……桜庭選手とヒカルド・アローナの試合が、すごく印象深くて」

――2005年6月、アローナが4点ヒザで桜庭選手を負傷TKOに追い込んだ試合ですね。

「そうです。あのヒザ蹴りで桜庭選手の顔がボコボコになっていたのに驚いて。アローナやブラジリアン・トップチームのメンバーってカッコいいな、と思ったんです。この人たちは何だろうと思って調べたら、ブラジリアン柔術にたどり着きました。

同じBTTでは、ノゲイラ(アントニオ・ホドリゴ・ノゲイラ)も凄かったじゃないですか。親がMMAはダメだと言っていたのは、打撃が理由だったんです。だったら柔術をやってみたいと思って」

――河村選手がMMAの試合では三角絞めによるフィニッシュが多いのは、もしかしてミノタウロの影響なのでしょうか。

「いえ、そんなには意識していないですね……。三角絞めが得意になったのは、たまたまです(笑)。もともと手足が長いので。初めて出た柔術の試合で、三角絞めで勝ってから得意技になっています。アマチュアMMAも三角絞めで勝ったことが多いんですよ。

自分が三角絞めを好きになったのは、青木真也さんの影響が大きいと思います。PRIDEからMMAを見始めて、他のプロモーションも見ていたら修斗にメチャクチャ寝技の強い人がいるぞと。それが青木さんでした。当時は下からガンガン攻めていたので、僕もそれを真似していました。僕も柔術でラバーガードばっかりやっていましたね(笑)」

――ただ、青木選手もそうであったように河村選手もトップゲーム主体へ移行することはなかったのでしょうか。

「それは考えた時もありました。でもトップゲームで相手を固めて時間を過ごすのは、練習でも試合でも楽しいとは思えなくて。やっぱり僕はタップを奪いたいんですよ。トップを奪って5分間制圧しても……それよりは一本を目指したい。じゃあ自分が何で一本を取れるのかといえば、下からの三角絞めとか、下から攻めるほうが得意なので」

――そうだったのですね。昨年7月の福島啓太戦はケージレスリングの末に最後は下から三角絞めを極めたのは、なぜなのだろうかと思っていました。

「福島戦も最後に僕がバックを奪ってから、周りが『削ったほうがいい』と言っていたんです。でも僕は、削るより一本を取るほうが楽なので(笑)。バックを奪ってから、相手はこう動くから、そこで一本取れるなっていう考え方のほうが先にありました」

――そのほうが確実に勝利できるのであれば、当然の選択ですよね。

「試合をしていても、どんどんその方向性になっています。正直、抑え込むのって疲れるじゃないですか。だから一本取って早く試合を終わらせたいですね」

――一方で、これまで相手がトップゲームを選択して、河村選手が敗れることもあったと思います。

「はい、ありました。でもそこで自分を変えようとは思いませんでした。判定で勝っても面白くないですし、あとは僕に求められているものは打撃で勝つことや、抑え込んで勝つことではないと思うので。だから、それに特化したほうがよいと考えています。

もちろん、僕自身もそうやって勝つ練習もしています。でも試合が始まると、やっぱり寝技をやろう、寝技で勝ちたいという気持ちになってしまうんですよね(苦笑)」

――今の河村選手にとっての目標は、一本で勝つことなのか。それとも勝ち星を増やして、より大きな舞台で進むことなのか……。

「目標ですか。うーん……やっぱりPRIDEを見て育ってきたので、大きな舞台で戦いたいという気持ちはあります。でも、それと同時に、人とは違うことをしたいんですよね。MMAでも打撃で勝つことや、トップゲームで勝つことが主流になってきたじゃないですか。そんななかで、他とは違う寝技で勝ったほうがカッコいいなと思っています」

――では、そうやって過ごしてきたキャリアの中で、昨年11月の佐藤将光戦の結果と内容については、どのように受け止めていますか。

「試合をする前は、結構いけるんじゃないかという気持ちがあったんです。でも実際に対峙してみたら、明らかに佐藤選手は強いなっていうことが分かりました。試合が終わって、単純に実力差があったなと。それは僕自身が一番分かっています。

試合内容でいえば、最初に僕のジャブが当たって、打撃の距離が良いと感じたんですよ。ただ、そこに迷いみたいなものが生まれて……。本当だったら寝技で勝負するのに、そこで佐藤選手を相手に『他のこともできるんじゃないか?』と思ってしまいました。

何より――佐藤選手が強かったから、その迷いが生まれたのかどうか。それが分からないままでした。あの試合は、自分の力を出せなかったことが一番悔しかったです」

<この項、続く

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Gladiator017 MMA MMAPLANET o キック 神田T800周一 福島啓太

【GLADIATOR017】福島を押し込むも倒しきれず、打撃戦を凌いだ神田T800周一が新バンタム級王者に

【写真】大接戦のタフファイトを制した新王者、神田(C)MMAPLANET

<Gladiatorバンタム級王座決定戦/5分3R>
神田T800周一(日本)
Def.2-1:29-28.29-28.27-30.
福島啓太(日本)

サウスポーの神田に対し、福島は左の前蹴りとサイドキック。神田は右ローを返す。福島は左の関節蹴り、神田は左ハイを伸ばした。右ミドル、右の前蹴りと打撃で攻める福島は、ニータップを仕掛けるも外される。福島のハイをブロックした神田が組みつき、ケージに押し込むがテイクダウンはできず。再びケージ中央で互いのローが交錯するなか、福島のローが神田の下腹部を捉えたとのことで、試合は中断された。

再開後、互いにローをぶつけあう中、神田がパンチのフェイントから組みついた。相手をケージに押し込みながら左ヒジを2発当てた神田。しかし福島が離れて打ち合いに持ち込むと、神田も顔面にパンチをもらってしまう。前に出る福島、神田はダブルレッグで組みつき、右腕を差し上げて福島をケージに押し込んだ。

ケージ際で神田は左ヒジ、福島も右ヒジを返す。パンチの打ち合いから離れた両者だったが、福島がボディロックで組みつき神田を押し込んだ。ケージ際で体勢を入れ替えた神田は、肩パンチからダブルレッグを狙う。倒せずも押し込みながら左ヒジを繰り出す神田。しかし離れると福島のヒジがヒットしたか、神田の頭部から流血が見られる。打撃戦では神田が左ストレートを当てた。

1R終了後にドクターチェックが入る。チェック後に1分間のインターバルが与えられた。

2R、福島が左のサイドキックから左ジャブを当てる。神田は右ロー、福島のハイを捌いたあと、打撃を出しながらダブルレッグで組みついた。ケージ際でシングルレッグ、さらにボディロックへ切り替えた神田は、右足を差し込みバックを狙う。正対した福島が離れて、ローから右スイングを繰り出す。福島の右ローを受けながらダブルレッグで組みついた神田だが、テイクダウンまでには至らない。距離を詰めてきた福島に左ローを当てた神田は、またもダブルレッグで福島をケージに押し込むも、グラウンドに持ち込むことはできない。

下がる福島をケージに詰めてシングルレッグで組みついた神田。福島は倒されず神田のボディに正拳突きを連打する。神田はサイド組みつき、バックを狙いながら正対した福島の顔面に左ヒジを叩きつけた。左ボディストレートを伸ばしてから組みついた神田が、ボディロックからダブルレッグと上下に散らすも倒すことできない。離れると福島がローとパンチで攻め立てる。残り30秒で福島のパンチがヒット。さらに組みついてきた神田を福島が押しつぶし、トップを奪った福島のバックを神田がうかがう形でラウンドが終了した。

最終回、福島の右インローが当たる。神田の左ストレートをかわした福島は、左右のボディブローを連打。神田は打ち合いに応じながら、ケージ際でパンチを繰り出しつつダブルレッグで組みつく。福島の右足へのハイクラッチに切り替えた神田、しかし倒すことはできない。離れると福島が猛然とパンチのラッシュを見せる。さらに福島がダブルレッグを仕掛けてきたところで、カウンターのスイープを決めた神田だが、すぐに福島が返してトップを奪う。

バックを狙う福島、シングルレッグを狙う神田。スクランブルから立ち上がった両者、福島は左右のボディブローから顔面にパンチを集める。神田は右ハイをもらいながらも組みつき、福島に尻もちを着かせた。抑え込まれずに立ち上がる福島。距離が近くなると首相撲からボディブローへとつなげる。右スピニングバックフィストの連打は当たらず。ここでも神田はダブルレッグへ。福島はスプロールしてスタンドに戻る。

相手の打撃をもらいながら組み付く神田も、テイクダウンを奪うことはできない。残り30秒で離れた福島だが、疲労が見られる。それでも首相撲からボディへヒザ蹴りを連打して試合終了のゴングを聞いた。

裁定はジャッジ1人が福島にフルマークをつけるなか、残り2人が1ポイント差で神田を支持。スプリットで勝利した神田が、空位となっていたGladiatorバンタム級のベルトを巻いた。

「もっともっと自分の価値を高めたいし、自分の価値を高めることがグラジエーターの価値を高めることに繋がる。もっともっと強い選手とやらせてください」と新王者はアピールした。


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【GRADIATOR017】6年5カ月ぶりの復帰戦=井上啓太戦、レンジャーハント「もう1回、現役生活を全力で」

【写真】39歳、鋼のようなボディを披露したハント (C)MMAPLANET

5月1日(日)、大阪府豊中市の176boxで開催されるGLADIATOR017で大宮ハントことデンジャーハントが、井上啓太と対戦する。

最後の試合は2015年12月、今やレンジャージムの代表として、アマチュア大会の開催も含め後進の指導に当たってきた。そのハントが、ジムの名前をリングネームとし6年5カ月ぶりに復帰戦を戦う。

対戦相手の井上は黒帯柔術家でありながら、キックの練習を続けてきた個性的なフィニッシャーだ。組みの強さは絶対的に定評のある井上を相手に、レンジャーハントはどのようなMMAを見せるか。肩の力が抜けた、大人の受け答えをお届けしたい。


――突然のMMA復帰といいますか、実戦への復帰。とにかく驚きました。なぜ、このタイミングで試合をしようと?

「復帰しようとはずっと思っていたんで、タイミングですね。毎年、毎年、そうやって思っていたのですが、腰が重くてなかなか立ち上がることができなかっただけなんです」

――2015年12月の時点で、引退という意識はあったのですか。

「いつか復帰しようとは思っていました。ただジムもやっているので、時間が無かったというのもあります。今は選手も育ってきて、自分も戦いたいという気持ちが強くなりました」

――教え子に背中で指導する、と?

「そういうのはないです(笑)。ただ、自分も試合に出ればジムも盛り上がるかとは思っています」

――3年前にレンジャージムの取材をさせたいただいたときより、ずいぶんと引き締まっているように見えます。

「ああ、あの時は大きくなっていましたね。あの頃より7キロほど削っています。ただ基本的にそれほど体が大きくなることはなくて。今、75キロなのでここからもう一削りです」

――グラジエイターで復帰戦。この大会について、どのような印象を持っていましたか。

「大阪で精力的に大会を開いていて、選手も育っているという感じで見ていました。ここきっかけに、しばらく現役生活を続けようかと思います」

――ジムの運営、指導とあるなかで試合に向けての練習は以前のようにできましたか。

「今、ジムの方は任せているので。もう練習しかしていないです(笑)。ジムもまわっていますし。5月ぐらいに復帰しようかと考えていたら、グラジエイターが選手を探していると聞いて。そこでちょっと出ようかなという感じですね」

――練習はレンジャージムで?

「そうですね。打撃は他のジムに行って、MMAの練習はけっこう選手が集まっているので、自分のジムでできます。生活も楽しいです。1日中、練習しかしてないので。アハハハ」

――ズバリ6年半前と比べて、仕上がり具合は?

「練習を再開して2カ月ほどなので……。もう少し準備期間が欲しいというのはあります」

――不安と楽しみ、どちらの気持ちが大きいですか。

「もうワクワクしかないです(笑)。もう1回、現役生活を全力でやってみたいと思っています」

―おお!! MMAも技術的にも試合展開も変わってきました。その当たりについては?

「選手がけっこう集まっているので、新しい技術を持ってきてくれて。そういう技術も身に着けてアップデートしているので、技術的にも上がっていると思います。なので、ガッツリやります」

――では対戦相手の井上選手について、どのような印象を持っていますか。

「柔術家がMMAをやっているような感じですね。柔術家ですね。ボディへのヒザ蹴りで勝っていましたけど……打撃の圧は実際に対峙してみないと分からないですね。

僕に試合勘がないかもしれないので、練習通り動けるのか。そこですね。ただ何もさせずに……理想は、何もさせずに倒したいです」

――剛腕勝負ですか。

「剛腕……いえ打撃、レスリング、寝技、どこでも戦えるので。なんでも大丈夫です」

――いきなりですが、勝てばベルトが見えてくる試合です。

「そうですね。そこはタイミングで」

――では、戦ってみたい大会はありますか。

「団体にこだわることはないです。とりあえず今の生活を楽しみながら、出られるときに出て行こうと思います」

――5月には闘裸男の博多大会もあります。

「そうなんです。そこに出たいと思って、練習をし始めたので。やっぱり地元では試合をしてみたいですね」

――では大宮ハント改め、レンジャーハントの意気込みをお願いします。

「まぁボチボチやろうかなと。アハハハハ。まだ、試合をしていないのでデカいことは言えないです。試合をしてから、です」


■ GLADIATOR017計量結果

<Gladiatorヘビー級選手権試合/5分3R>
[王者] 大番高明:113.3キロ
[挑戦者] カルリ・ギブレイン:105.7キロ

<バンタム級王座決定戦/5分3R>
神田T800周一:61.1キロ
福島啓太:61.2キロ

<バンタム級/5分2R>
竹本啓哉:61.2キロ
エダ塾長こうすけ:61.15キロ

<ライト級/5分2R>
井上啓太:70.05キロ
レンジャーハント:69.95キロ

<バンタム級/5分2R>
土肥潤:60.9キロ
清水俊一:60.95キロ

<フォークスタイル・グラップリング70キロ契約/5分2R>
フェルナンド:69.3キロ
田中智也:67.7キロ

<フォークスタイル・グラップリング73キロ契約/5分2R>
赤澤智哉:70.4キロ
ビリー・フーカー:72.35キロ

<フォークスタイル・グラップリング75キロ契約/5分2R>
森戸新士:74.25キロ
長田拓也:74.50キロ

<フライ級/5分2R>
中西テツオ:56.7キロ
久保健太:56.45キロ

<バンタム級/5分2R>
上荷大夢:61.55キロ
谷口武:60.75キロ

<ライト級/5分2R>
八木敬志:69.85キロ
後藤陽駆:69.95キロ

<バンタム級/5分2R>
佐々木陽太:60.95キロ
別所竜也:61.05キロ

<フェザー級/5分2R>
桑本征希:65.95キロ
伊賀GORI:65.55キロ

<フライ級/5分2R>
松原聖也:56.55キロ
尾崎聖太:56.55キロ

<バンタム級/5分2R>
大和:61.25キロ→61.2キロ
小川隼人:69.9キロ

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F1 Gladiator017 MMA MMAPLANET o Progress   カルリ・ギブレイン フェルナンド レンジャーハント 中西テツオ 久保健太 井上啓太 八木敬志 土肥潤 大番高明 森戸新士 櫻井雄一郎 清水俊一 田中智也 神田T800周一 福島啓太 竹本啓哉 赤澤智哉 長田拓也

【GLADIATOR017】計量終了 ヘビー級&バンタム級のタイトル戦。渋いバンタム級&ライト級2試合に注目

【写真】今大会出場全選手と櫻井雄一郎グラジ代表(C)MMAPLANET

5月1日(日)、大阪府豊中市の176boxで開催されるGLADIATOR017の計量が30日(土)に同市のSMOKER GYMで行われた。

Gladiatorヘビー級チャンピオン大番高明が、カルリ・ギブレインの挑戦を受けるタイトル防衛戦、そして神田T800周一と福島啓太の間でバンタム級王座決定戦が組まれる同大会。

フェルナンド×田中智也、赤澤智哉×ビリー・フーカー、森戸新士×長田拓――也柔術家とMMAファイターの競演=Progress提供のフォークスタイル・グラップリングマッチ出場の6選手を加え、15試合=30選手中29人のファイターが本計量でクリアしている。


唯一、第1試合のバンタム級戦で小川隼人と対戦する大和が50グラムオーバーだったが、再計量で問題なくリミット以内まで体重を落としている。

タイトルマッチ以外にも竹本啓哉×エダ塾長こうすけ&土肥潤×清水俊一という渋いバンタム級グラップラー対決。

加えて6年5カ月ぶりの実戦復帰となるレンジャーハント×柔術とMMAの二足の草鞋を履く井上啓太、さらにDREAMERSから外敵というMMAファイター人生を選択した八木敬志×後藤陽駆という今後のタイトル戦線に関係してくるであろうライト級戦など、楽しみな試合が多いGladiator017出場、全選手の計量結果は以下の通りだ。


■ GLADIATOR017計量結果

<Gladiatorヘビー級選手権試合/5分3R>
[王者] 大番高明:113.3キロ
[挑戦者] カルリ・ギブレイン:105.7キロ

<バンタム級王座決定戦/5分3R>
神田T800周一:61.1キロ
福島啓太:61.2キロ

<バンタム級/5分2R>
竹本啓哉:61.2キロ
エダ塾長こうすけ:61.15キロ

<ライト級/5分2R>
井上啓太:70.05キロ
レンジャーハント:69.95キロ

<バンタム級/5分2R>
土肥潤:60.9キロ
清水俊一:60.95キロ

<フォークスタイル・グラップリング70キロ契約/5分2R>
フェルナンド:69.3キロ
田中智也:67.7キロ

<フォークスタイル・グラップリング73キロ契約/5分2R>
赤澤智哉:70.4キロ
ビリー・フーカー:72.35キロ

<フォークスタイル・グラップリング75キロ契約/5分2R>
森戸新士:74.25キロ
長田拓也:74.50キロ

<フライ級/5分2R>
中西テツオ:56.7キロ
久保健太:56.45キロ

<バンタム級/5分2R>
上荷大夢:61.55キロ
谷口武:60.75キロ

<ライト級/5分2R>
八木敬志:69.85キロ
後藤陽駆:69.95キロ

<バンタム級/5分2R>
佐々木陽太:60.95キロ
別所竜也:61.05キロ

<フェザー級/5分2R>
桑本征希:65.95キロ
伊賀GORI:65.55キロ

<フライ級/5分2R>
松原聖也:56.55キロ
尾崎聖太:56.55キロ

<バンタム級/5分2R>
大和:61.25キロ→61.2キロ
小川隼人:69.9キロ

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F1 Gladiator016 Gladiator017 MMA MMAPLANET o ROAD FC UFC パンクラス ビリー・フッカー フェルナンド フランキー・エドガー レンジャーハント 中西テツオ 中西哲生 久保健太 井上啓太 八木敬志 土肥潤 森戸新士 清水俊一 田中智也 神田T800周一 神田周一 福島啓太 竹本啓哉 赤澤智哉

【GLADIATOR017】福島啓太とバンタム級王座決定戦、神田周一「あの頃の価値観が根底にあるままです」

【写真】冬の時代=意外と純粋な時代。人によっては引きずっているという風に見るかもしれないが、夢を追い続けるってそういうことかと(C)MMAPLANET

5月1日(日)、大阪府豊中市の176boxで開催されるGLADIATOR016で、神田T800周一が福島啓太とGladiatorバンタム級王座を掛けて戦う。

2年2カ月前に取り逃したベルト、この間のグラジエイターでのファイト通じて自身のMMAの完成を目指すようになった神田にインタビュー。技術面、判定基準という話題の中で神田の明確な──あの頃のMMAを追求する姿勢が明らかとなった。


――福島選手とバンタム級王座を賭けて戦います。この王座ですが、2020年2月に竹本啓哉選手と王座決定戦で戦い敗れたベルトです。その竹本選手が、体重オーバーでタイトル剥奪となり、再び王座決定戦を戦うこととなりました。

「僕もグラジエイターに定期的に出場させてもらって2年以上になるのですが、竹本選手のことはずっと戦友であり、ライバルだと捉えていました。その彼がチャンピオンとして活動する姿を見るのは正直悔しかったです。でも、そんな彼があの失態でベルトを失った。自分が定期的に戦っている場所で、ベルトを持つ人間がああいう風になった時は悔しくて、もどかしかったです。自分が情けなかったですし。だからこそ、ベルトを獲ってしっかりと磨きたいと思います」

──1月大会で福島選手が、その竹本選手に判定勝ちを収めベルトを賭けて戦うことになりました。正直なところで、あの判定は最近の打撃有利的な部分が顕著になったようにも感じました。

「これは結構ぶっちゃけて言うと……僕はモニターをチラチラ見ながら、自分の試合が近いのでスタンバっていました。で、竹本がずっとバックを制していて。これは王座決定戦でまた竹本と戦うことになると思っていたんです。そこから集中しなおして、試合開始を通路の奥で待っていたら判定で竹本が負けて、ひっくり返りそうになりました(笑)」

──日本のMMAのジャッジの判断やブレイクの判断は、ずいぶんとストライカー寄りになってきたと思います。コントロールやポジション奪取は、ダメージを与えないということで評価が低くなった。もう、そういうモノになったと考えるしかないのかという想いもあります。神田選手はそういう裁定を意識することはありますか。

「僕の場合はゴールは一つ、サブミッションです。コントロールに関しては、パウンドとセットかなというのもあります」

──ただタメージのあるパンチを繰り出すと、上体を起こしてスペースを与えることになります。すると差されて立たれる。スクランブルに持ち込まれます。だからパウンドも難しいですよね。

「そう言った組み技が軽視されかねない今だからこそ、逆にクラシックなグラップリングにチャンスがあると思っています。寝かせ方もインスタントな格闘技をする人は、分かりやすい立ち方、逃げ方をしてくるかと思います。だからこそ、渋いゴールに誘う戦い方をしようかというのはあります」

──インスタントな格闘技、良い表現ですね。そこに神田選手がずっとやってきたことで打開したい?

「そうですね。僕は格闘技が冬の時代と言われた2010年代を何とかサバイブしてきた人間なので、やはりあの時代にやってきたことがベースになっています。僕のMMAは今時のちょっとインスタントで……ニータップといえばフランキー・エドガーでなく、朝倉未来選手になる世代とはチョット違うと自覚しています。制圧することこそ、格闘技だと思っている節が僕にはあるので(笑)」

──制圧。ドミネイターですね。話が振りやすくなりました(笑)。旧友、弥益選手の人気をどのように捉えていますか。

「嬉しいです。評価されて然るべき、面白いし勝っているし。しかも、やっていることは変わっていない。格闘技に対してはピュアなままですしね。言えば僕もサラリーマン・ファイターで、取捨選択をしないといけない子育てをしている人間です。だから参考にしているし、活躍が嬉しいです。その一方で、弥益の活躍は嬉しくても対比軸として不良カルチャーがあり、真面目なサラリーマンが戦う対比構造は陳腐だなと思っています。

弥益は素晴らしいと思っています。まぁマーケットの判断なんですけど、自分の信念というか。さっきの判定問題もそうですが、自分のMMAを追求する。タイトルマッチで勝ちたいというのも大きいですけど、インスタントに勝って人気者ごっこをしたいわけじゃないです。本当の強さに少しでも触れたい。自分がそういう存在になりたいという気持ちが強いです」

──人気的に冬の時代、皆がUFCを目指していた時代のMMAを神田選手は追及しているということですか。

「インスタントな格闘技人気が上昇したことで、若い人がMMAを始めたり、他競技から本気で転向してくるのは本当に良いことだとは思っています。これは本当です。とはいえ、僕の価値観は川尻選手がUFCで戦っていた時代にあります。日本はもう離されてはいたけど、北米を目指していたあの頃の価値観が僕の根底にあるままです」

──捉え方は違うのですが、K-PLACEの裁定方法から逆算した作り方も、十分に北米的でないでしょうか。

「僕もパラエストラ松戸で荻窪祐輔選手と練習していたことがあり、小池(義昭)代表が相当に熱心に指導されているジムだという印象を受けました。パンクラスでもランカーが多いですし、本当にきめ細かな取り組みをしていると思っています。でも、僕はここまでやってきたことを出すしかないです。ポイントゲームに長けている可能性もありますが、相手云々よりも自分がやってきたことをぶつける。そこが重要になってくるかと思います」

──つまりはテイクダウンして、コントロールすることを目指すファイトになるということでしょうか。

「そうです」

──とはいえ、だからこそ立ちの部分が大切になって来るかと思われます。

「僕も31歳になりますけど、立ち技に限らず技術の最終的な紡ぎ方、纏め方が分かってきました。組みなら差し、打撃ならワンツー。そこの完成度は上がってきている。その実感があるので、打撃も積極的にいけると思います。ざっくりした言い方になると、こっちから創っていこうと思います。あの強振を警戒しつつ、打撃と組みと自分の試合を創っていこうかと思っています。尻もちまでは行けるので、止まらずに攻め続けるとポジションも取れると思います」

──打撃が紡げて来ている要因は?

「それは冨樫健一郎選手との対話です」

──おおっ、冨樫選手ですか!!

「ハイ。冨樫さんと対話をするなかで、だんだん見えてきたというか。それこそ竹本戦の反省のようなモノが2年弱掛けて、この間の土肥戦で出てきたと思ったんです。長いストレート、下から突き上げるストレートであったり。僕が即効性を持って取り組めば、すぐに手に入れることができたモノかもしれないですけど、色々な人と戦いながら準備していくなかで、竹本戦でできなかったものが繋がって来るような感覚が最近多くて。そういった取りこぼした部分をしっかりと紡いでいけば、この年齢でも飛躍的に伸びることがあると実感できました。

ここまでやってきたことは福島選手にはハマりやすいかとは思っています。その理由は試合前には言えないですけど……。いつも通りのことを欲もかかず、慢心もせずカツカツとやっていけば勝てるのではないかと思っています」

──そうすれば磨きたいベルトも手に取れると。

「僕は自分が追及しているMMAを究めたいという気持ちが強いです。ただグラジのベルトに関しては……、ファイトマネーに関しても、高く評価していただいています。プロの試合に出ているのでお金もそうですけど、櫻井代表の姿勢ってコロナ対策という部分でもグラジエイターという格闘技イベントの在り方を選手に向けて、凄い熱量で話してくれたことがありました。関西であの規模のイベントを続けるって大変だと思います。そういうグラジエイターに感謝しているからこそ、このベルトを獲って磨きたいと思うんです」

──そのグラジエイターでプログレス提供試合のグラップリングマッチが組まれています。あの試みに関して、組み系MMAファイターの神田選手はどのように思っていますか。

「MMAファイターが強くなるという部分では、実は僕のような組み主体の選手が打撃なしでアレをやると遠回りになるかと思っています。ただ打撃系や、特にキッズですね。キッズにあの打撃のないMMAをしみ込ませていると、それこそ米国でカレッジスタイルのレスラーが強いように、これからの世代が強くなるのではないかというのが僕の考えです」

──なるほど、それは非常に興味深い発想です。

「僕らのような世代、練度になっているとMMAを強くするには、MMAをやるのが一番だと思います。でも、あのルールは見ていても面白くなりそうなグラップリングですし、しっかりと広めてほしいルールです。そういう動きがでてくるということはMMA、根本から見直す時期が来ているのかもしれないですね(笑)。

僕は金網に潜りますよ。名もなき技術と、そして金網を心中するつもりもあります」

──おお、でも心中しないのが一番ですので。タイトル戦後をどのように考えていますか。

「ベルトを磨くことと自分を磨くことは一致していると思います。団体の利害と個人の利害が一致するというわけじゃないのですが、さらなる挑戦をしていきたい。強い相手とやりたいです。ポスト・コロナが見えてきたので、グラジエイターに強い選手を呼んでほしい。僕、ホントにケージが好きなんです。だから、ROAD FCとかHEX FSとか挑戦したみたいです」

──おお、渋いところをつきますね。

「北米挑戦を高らかにできない、北米志向なんです」

──アハハハハ。

「だからそういう大会に挑戦して、グラジエイターのベルトも守っていきたい。グラジエイターが業界に一石を投じるイベントになり、そこを背負える選手になりたいと思っています」

■ Gladiator017対戦カード

<Gladiatorヘビー級選手権試合/5分3R>
[王者] 大番高明(日本)
[挑戦者] カルリ・ギブレイン(ブラジル)

<バンタム級王座決定戦/5分3R>
神田T800周一(日本)
福島啓太(日本)

<バンタム級/5分2R>
竹本啓哉(日本)
エダ塾長こうすけ(日本)

<ライト級/5分2R>
井上啓太(日本)
レンジャーハント(日本)

<バンタム級/5分2R>
土肥潤(日本)
清水俊一(日本)

<フライ級/5分2R>
中西テツオ(日本)
久保健太(日本)

<バンタム級/5分2R>
今村豊(日本)
谷口武(日本)

<ライト級/5分2R>
坪内一将(日本)
中西哲生(日本)

<ライト級/5分2R>
八木敬志(日本)
後藤陽駆(日本)

<バンタム級/5分2R>
佐々木陽太(日本)
別所竜也(日本)

<フェザー級/5分2R>
桑本征希(日本)
伊賀GORI(日本)

<フライ級/5分2R>
松原聖也(日本)
尾崎大和(日本)

<フォークスタイル・グラップリング75キロ契約/5分2R>
森戸新士(日本)
川崎聖太(日本)

<フォークスタイル・グラップリング73キロ契約/5分2R>
赤澤智哉(日本)
ビリー・フッカー(豪州)

<フォークスタイル・グラップリング67キロ契約/5分2R>
フェルナンド(ブラジル)
田中智也(日本)

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【Gladiator017】フォークスタイルGで長田拓也と対戦、森戸新士「柔術の試合とは全然違う疲れ方でした」

【写真】ケージとMMAグローブで、森戸がMMAファイターの壁になる。そんなグラップリングの将来像も楽しい(C)MMAPLANET

5月1日(日)、大阪府豊中市の176boxで開催されるGLADIATOR017にて、プログレス提供試合フォークスタイル・グラップリングマッチで森戸新士が長田拓也と対戦する。
Text by Shojiro Kameike

今年1月、GLARIATORのケージで初めて行われたプログレス提供試合に出場した森戸は、濱村健を相手に三角絞めを極めて勝利した。しかも引き込んで相手に2ポイントを献上しながら極め勝つのも、フォークスタイル・グラップリングルールの醍醐味であっただろう。今回もMMAファイターである長田との対戦となるが、そこで柔術家森戸はどんな試合を見せてくれるのか。MMAで強くなるためのルール――そんなプログレスルールで、柔術家としての強さを見せる森戸に、柔術とプログレスルールを並行して戦っていくことについて訊いた。


――最近は広島~山口の選手にインタビューすると、必ずといっていいほどお名前が出る森戸選手です。

「ありがとうございます(笑)。レオス柔術アカデミーを開いたのが、2020年2月ごろでした。まだスタートして1年数カ月なんですけど、MMAの強豪選手や柔術の黒帯選手が出稽古に来てくれて。あとは地方でやっている紫帯の選手とかも来てくれています。そうやってレオスを頼ってくれるのは嬉しいですね。僕自身の練習にもなりますし、お互いにメリットがあるなら、そういった練習会は続けていきたいです。選手が集まって、みんな良い環境で練習して――関東の選手に勝てるように。その意味では、良い流れができています」

――良い流れ……そうですね、それだけ各地方でも首都圏に劣らない練習環境が整いつつあるのだなと思います。

「僕も今、格闘技専業になったので柔軟に動けるようになったのかなと思います。でも柔術だけでなくMMAでも、地方だと専業の選手は少ないですよね。だから昼間にプロ練ができないんです。本当なら昼間にプロ練をして、夜は一般会員さんのクラス指導に集中する。そうすると僕も、より自分の練習に時間が割けるので、理想は昼にプロ練ができるようにしていきたいです。岩崎さんのところは昼にプロ練やっているんですよね?」

――岩崎正寛さんのカルペディエム芦屋は、そうですね。森戸選手がレオスで行われていることは、岩崎さんがカルペディエム芦屋で行われていることと重なる部分は多いです。

「関西まで行くと、中国・四国地方よりは専業の選手も多いと思うので、集まりやすいのでしょうね。ウチでいうと摩嶋(一整)さんが来るのは土曜日で、神田(T800周一)さんは仕事の都合で来られるのは別の曜日なんです。藤井章太さんは一緒にレオスで練習しているので、よく組めたりしているんですけど……バラつきがあるので、みんなが集まることができる環境になれば良いですね」

――そこで森戸選手に、レオスで練習している選手についてお聞きしたいと思います。まず摩嶋選手については、どのような印象を持っていますか(※取材は4月12日――摩嶋×金原正徳戦より前に行われていた)。

「摩嶋さんは、レオスを開いて数カ月ぐらいのタイミングから来られていて。でもクレベル戦のあとに『もっと組みたい』ということで、週1ペースで必ず組むようになりました。おかげで土曜日はメッチャ疲れるという(笑)。僕が協力できるのはグラップリングの面だけで、MMAのお話は難しいんですけど……摩嶋さんは対応力が凄くて。1回入った技は、もう次かその次の練習の時には入らなくなっています。だから僕も毎週、土曜日はどう摩嶋さんを攻略しようか考えているんですよ。摩嶋さんもUFCなどを見た技を練習でかけてきて、『これはどうですか?』ということを聞いてきたり。お互いに強くなることができているんじゃないかな、と思います」

――なるほど。次に5月1日(日)、福島啓太選手とのGLADIATORバンタム級王座決定戦を控える神田T800周一選手について教えてください。

「神田さん、ツイッターでイジっていますね(笑)。神田さんと定期的に練習するようになったのは最近の話なんですけど、それまでも僕が藤田柔術で練習している時に、神田さんが出稽古に来られたりとか。ただ、その時はギの練習でした。今レオスではギのクラスに参加してくれて、そのあと残ってノーギのスパーをしています。

神田さんは総合力に長けていますよね。ギの練習をしていると、僕も崩せたりするんです。でも距離が近くなると――MMAの距離になると、一気に強さを発揮します」

――MMAの距離ということはケージ際、ジムでいえば壁際の強さもあるのでしょうか。

「神田さんと壁の練習は、そんなにはやっていないんです。体重差もあるので。それでも壁際の技術は本当に巧いなと思います。まずポジションを取られても極めさせない技術が凄いんですね。そこから神田さんが逃げて、最終的には上を取っている。そういう展開が巧いので、さすがMMAの選手だなって思います」

――逃げて上を取る、神田返しについてはいかがですか。

「僕も神田返しは食らいました。柔術とは違うペースでスイープされるので、やりづらいです。相手が逃げると自分も疲れますし、MMAではそこに打撃が入ってくると考えたら、やっぱり怖いですよね」

――そしてもう一人、レオスでインストラクターを務める江木伸成選手が5月7日のHEATに出場し、コンバット柔術ルールで生田誠選手と対戦します。

「江木さんはすごくガードが強い選手ですね。摩嶋さんも江木さんと組んで、パスガードについては良い練習になっていると思います。もともと柔道をやっていたので立ちも強いですし、上を取った時のバランス感覚も良くて。それとMMAの練習もやっているんですよ」

――そうなのですか!

「藤井章太さんのMMAクラスにも参加していて、ノーギのテイクダウンにも力を入れています。だから総合的なグラップラーになってきていますよね。生田さんも柔術界のレジェンドで、ガードの強い選手ですから、その生田さんをどうパスするのかも見てみたいです」

――そう考えると、お互いガードの選手なのですね。

「江木さんは生田さんのセミナーを受けたことがあると言っていました。ガードについては、メチャクチャ生田さんの試合を参考にしているんですよ」

――その両者が対戦するとは、意外な事実です! ここで江木選手が勝てば……ある意味、師匠超えですね。

「アハハハ、でも簡単に超えられる壁ではないですからね。僕もどういう試合になるのか、本当に楽しみです。まず試合が始まって、どちらがどのポジションを取るのかは見どころです」

――では森戸選手ご自身の試合についてお聞きします。今年1月のグラジエイターにて、プログレスのフォークスタイル・グラップリングルールで濱村健選手に、三角絞めで一本勝ちしました。

「ケージを使ってガッツリ組んだのは、あの試合が初めてではなかったんです。でも……疲れました。やはり壁があるかどうかで、攻防が変わってくるので。マットで戦うノーギだと、壁際でテイクダウンを狙いに行くことがないですよね。だから僕も力の抜きどころとか、それほど分かっていなくて。1Rが終わった時に腕がパンパンになっていました。柔術の試合とは全然違う疲れ方でした」

――昨年12月に闘裸男で、田村ヒビキ選手とケージ・グラップリングを戦った時は、それほどケージ際の攻防が無かったですね。

「そうですね。あの試合は引き込んでもマイナスポイントはなかったので、すぐに引き込んでから足を狙いに行きました。あとはグローブもなかったので。僕としては、グローブがないほうが戦いやすいです(苦笑)」

――引き込みに対するマイナスポイントだけでなく、MMAグローブを着けて戦うのは素手だとケージに体の間に掌が入った時の負傷の防止のためで、プログレスのフォークスタイル・グラップリングの特徴です。

「あれはビックリしました(笑)。普段、MMAグローブを着けることがないので……掴む感覚も違いますし、グリップも疲れますから」

<この項、続く


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F1 Gladiator017 HEAT50 MMA MMAPLANET o ONE Progress コンバット柔術 ビリー・フッカー フェルナンド 修斗 前田吉朗 土肥潤 森戸新士 椿飛鳥 江木伸成 清水俊一 濱村健 生田誠 田中智也 神田T800周一 福島啓太 竹本啓哉 竹浦正起 葛西和希 赤澤智哉 長田拓也 長谷川賢

【GLADIATOR017】プログレスとコラボ第2弾は森戸新士×長田拓也など、フォークグラップリング3試合に

【写真】1月の試合で森戸は、引き込みで相手に2P献上ルールながら、リードした展開で引き込みから三角を極めた。今回はどのような試合になるか(C)MMAPLANET

21日(木)、PROGRESSより5月1日(日)に大阪府豊中市の176BOXで開催されるGladiator017内で3試合のグラップリング戦が組まれることが発表された。

長谷川賢率いるプログレスは「北米MMAとの差を埋めることを目標」にケージの中で米国カレッジスタイルレスリング=フォークスタイルレスリングのテイクダウン&リバーサルorスクランブルのポイント換算方式に、バッククラブのポイントとサブミッションを加えた──打撃のないMMAグラップリング・ルールセットだ。

柔術家もノーギながらスクランブルと極めを養え、ファイトマネーを得て実戦経験が積める。プログレスは自前のイベントを開催という形でなくMMAプロモーションのなかでグラップリングマッチに必要な資金を提供して試合を組むという形と取っている。

既にグラジエイターとは1月23日大会でコラボが実現しており、5月7日(土)のHEAT50でも生田誠✖江木伸成のコンバット柔術、竹浦正起✖椿飛鳥&レアンドロ草野✖濱岸正幸のフォークスタイルグラップリングがマッチアップされている。

そしてHEATの1週間前、グラジでも前回大会に続き3試合のプログレス提供組み技戦が決まった。


前回はサブオンリー・マッチが1試合組まれたが、今回は3試合ともフォークスタイルグラップリング戦となり、75キロ契約で森戸新士が長田拓也と対戦する。森戸は1月のグラジに続き連続で出場、前回はテイクダウンポイントでリードし最後は引き込み三角で濱村健から一本勝ちを手にしている。

昨年2月の葛西和希戦でテイクダウンからハーフ、スクランブルのバック狙いで前方に落とされて下になった長田。プログレスだと2-2のイーブンの攻防となる

昨年2月の葛西和希戦でテイクダウンからハーフ、スクだ、ランブルのバック狙いで前方に落とされて下になった長田。プログレスだと2-2のイーブンの攻防となる[/caption]今回も対戦相手はMMAファイターだ。

修斗、ONE Warrior Series、Road to ONEで戦ってきた長田は力強いテイクダウンが持ち味で、ポイント有り、ケージ際の攻防が興味深い一戦だ。

先日のJBJJF全日本ではライト級3位に終わったが、ノーギ&ケージというシチュエーションで森戸が強さを見せることで、間違いなくJ-MMAの強化につながる。

この他、競技柔術界からは京都のグラウンドコア所属の黒帯=赤澤智哉が出場し、修斗ジム神戸のビリー・フッカーと戦う。赤澤はJBJJF2019年アダルト茶帯ランク1位、2月の全日本マスター柔術では元MMAファイターの北田俊亮を下しマスター2フェザー級を制している。対するビリー・フッカーは修斗ジム神戸の柔術インストラクターで、古くは8年前にADCC JAPANの西日本オープンのアダルト・アドバンス77キロで優勝経験がある。

(C)SHOJIRO KAMEIKE

もう1試合はフェルナンドと田中智也のMMAファイター対決。

前者は10日の前田吉朗引退興行でパウンドでTKO勝ちたばかり、MMA4戦4勝の黒帯柔術家だ。一方、田中は柔術茶帯──北海道でキャリアを積み、直近の試合は昨年6月にGRACHANでヒールにより一本勝ちし9勝2敗のレコードを持つ。

GLADIATORバンタム級王座決定戦=神田T800周一✖福島啓太、
竹本啓哉×エダ塾長、土肥潤✖清水俊一というケージグラップラーのMMAファイトが並んだグラジエイターで組まれたフォークスタイルグラップリング戦。柔術家✖MMAファイター、柔術家✖柔術家、MMAファイター✖MMAファイターという顔合わせで、同じルールでもどのような試合展開になるか、非常に楽しみだ。


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