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【Shooto2022#03】石井逸人の挑戦を受ける環太平洋バンタム級王者 小野島恒太「自分にはないセンスが」

【写真】前回の試合と違い3R、両者揃ってこの間の成長が問われる試合となる (C)SHOJIRO KAMEIKE

22日(日)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるShooto2022#03のメインで、修斗環太平洋バンタム級王者の小野島恒太が、石井逸人を挑戦者に迎えて初防衛戦を行う。
Text by Shojrio Kameike

今年1月に藤井伸樹を判定で下して環太平洋のベルトを巻いた小野島と、石井は2020年8月にインフィニティリーグで対戦し、ドローに終わっている。前戦から約2年――その間に修斗世界バンタム級の王座は、岡田遼から安藤達也に移った。大きく動き始めた修斗バンタム級で、小野島が目指すものとは何か。


――環太平洋のベルトを獲得してから約4カ月が経ちました。小野島選手の気持ちや生活の面で、何か変化はありましたか。

「自分は試合前から、何も変わらないだろうなぁと思っていたんですよ。8年前にベルトを獲れなかった悔しさからMMAを続けていたところがあるので、そういう意味ではホッとしたというか。毎日飲むコーヒーの味のレベルが上がったと思います(笑)」

――朝起きて飲むコーヒーが美味しい。それは一番幸せな時間の一つではないですか。

「そうなんですよね。他の人からの評価に興味がないわけではないです。でも、そういった評価を意識してMMAを続けてきたわけではないので。自分の中で、一つ目標を達成した。それ以外では特に変化もないです。逆にベルトを獲ったことでMMAへのモチベーションが下がることもなく、今も淡々とMMAをやっていますね」

――ベルトを獲得したことで「もうこれでいいかな」という気持ちは起きなかったのですね。

「全然そういう気持ちはないです。むしろ修斗の環太平洋のベルトを獲ったからといって――こう言っては何ですけど、世界のベルトではないですからね。今の目標の一つが、世界のベルトを巻くことです。僕は自分のMMAの完成度を高めるために続けているので、一つひとつその完成度を、ベルトという形として証明していきたいです」

――自分のMMAの完成度について考えた場合に、何をもってゴールとするかは難しくはないですか。

「ゴールはないようなものですからね……。正直、自分も年齢が年齢なので、いつ最後の試合になってもおかしくないと思っています。それは体の怪我なのか、それとも心が『これ以上はキツい』と思うのか。今もキツいことはキツいですよ。楽しいけど、シンドイこともありますし、生活を犠牲にするところもあるので。いつ現役生活が終わっても……という気持ちは持っています」

――……。

「もう今からUFCに行ってどうこう、と口にできる年齢でもないですし。でも、そういう若い選手が抱く夢とは別に、まだ自分に伸びる余地があるなかで、自分自身のMMAの完成度を高めていくことが楽しいんです」

――なるほど。すると前回の試合は、自分にとってはMMAとしての完成度が高まった試合だったと思いますか。

「そうですね。高まるように頑張って……頑張ったけれども、自分はまだまだだなって思わされた試合でした(苦笑)」

――どのような点が、まだまだと感じられたのでしょうか。

「自分はKOや一本でフィニッシュするタイプではないと思います。実際、フィニッシュしている数も少ないですよね。まず勝つことを目指して、どうやったら勝てるかということを考えています。そのうえで前回の試合は、自分の完成度が低くて相手をコントロールしきれていなかったり、相手にバックを取られてしまう場面もありました」

――試合では相手に何もさせずに勝つことが理想なのですか。

「それが理想ではあります。チャンピオンクラスやランカークラスに、そういう試合ができるのは理想です。なかなか難しいですけど」

――対照的な内容として、3月の世界チャンピオンシップはKO決着となりました。修斗の世界王座を目指すのであれば、あの試合はどのように見ましたか。

「やっぱり安藤選手の武器――切れ味鋭い打撃が生きて、まさに持っている選手なんでしょうね。もちろん本人の努力もあるでしょうし、すべて含めて持っている選手だということですよね。特に安藤選手は、自分にない武器を持っている選手だと思います。反対に――分かりづらいところなんですけど――僕は安藤選手が持っていない武器を持っていると思っています。今回対戦する石井選手もそうですよね」

――というと。

「石井選手は僕と比べると、鋭い武器を持っています。しかも能力が高い武器を持っていて」

――その石井選手とは一度、2020年8月に対戦しています。インフィニティリーグということで2R制、結果はドローでした。

「あの試合に関しては、自分の悪いところが出ました。試合中に自分の中で勝手にポイントを計算していたんです。それで今ポイントを取っているなと判断して……その点は反省しています。あの試合を通じて、もっと自分の完成度を高めていこうと思いました。具体的に言えば、テイクダウンしたあとも展開を作っていこうと考えた試合でしたね。

あの試合で評価されずドローになったからこそ、そういう部分を鍛えようと思うことができたんです。おかげで以降の試合では、勝つために自分がもっと決定的な場面を作るように努力し始めました。その意味で、自分にとっては大きなキッカケになった試合でした」

――ポイントを取ったと思ったことで、自分の動きを抑えてしまったのでしょうか。

「抑える部分というよりは、もう一歩踏み込まないというか。相手も強い選手なので、踏み込みすぎると危ないと思っていました。それはグラウンドでも、スタンドでも。そこで自分としては、リスクを冒さない戦い方に寄っていたと思います」

――インフィニティリーグでは、続く野尻定由戦がドローでした。以降の小野島選手は、組んでも寝かせても手を止めない、よりノンストップファイターになったと思いますが、それは石井選手との初戦の判定結果があったからなのですね。

「石井戦と野尻戦がドローという結果になり、その結果が一番生かされたのはRoad to ONEの試合だったと思います。ダメージ優先というONEの判定基準もあったので、よりダメージを与えていく戦い方に繋がっていきました」

――結果、MMAゾンビと呼ばれる藤井選手を相手にノンストップで攻めることができていました。約2年前の初戦から、そのように小野島選手が成長してきたなかで、対戦相手の石井選手はどう変化したと思いますか。

「石井選手については、田丸戦から注目して見ていました。すごく動きのある良い選手だなと思っていて。試合前だから、あまり相手のことは褒めたくないんですけど(笑)」

――アハハハ。しかし、褒めざるを得ない選手であると。

「自分にはないセンスがありますよね。極める力や、投げる力に関して切れ味鋭い部分がある選手です。若いからか、フィジカル面も充実してきて。あとTRIBEでトップ選手たちと練習している部分も強いのかなと思います。そういう良い環境で揉まれて、強くなっている印象があります」

――では現在、小野島選手はどのような環境で練習しているのでしょうか。

「練習会やプロ練習のようなものに参加するというよりは、スパーリングパートナーに来てもらって、マンツーマンで練習することがメインになっています。

今のスパーリングパートナーは、パンクラス王者の中島太一選手です。お互いチャンピオンになる前から一緒に練習していて、中島さんもチャンピオンになったので嬉しいです。他にも元ONE世界王者の猿田(洋祐)さんとか。猿田さんもONEのチャンピオンになる前から一緒に練習していました」

――練習会やプロ練習など集団で練習するよりも、マンツーマンでの練習することのメリットは何なのでしょうか。

「集団で練習することも大事だと思います。自分も、もともとは出稽古させていただいたりしていましたから。でもマンツーマンでより深く技術を研究し、お互いにアドバイスして、お互いに感じたことを伝え合う。次にまた同じ人とスパーリングをして……という練習で突き詰めていくなかで、どんどん完成度が高まっていくのかなと思っています。

初めての方とのスパーリング、慣れていない方とのスパーリングだと、どうしても遠慮が出でしまったりすることがあるんですよね。対してマンツーマンのほうが運動強度というか、練習の質が上がってくるのかなっていうメリットはあります」

――なるほど。それとベルトを巻いた直後に、次に対戦したい相手として手塚基伸選手と中村倫也選手の名前を挙げていました。いずれも試合が実現しなかったことについては、どのように考えていますか。

「1月16日の時点で誰と戦いたいかと言われたら、手塚選手と中村選手ではあったんです。あの時点で3月や5月の試合が決定すれば、ですよ。でも3月に石井選手が石橋(佳大)選手に一本勝ちしましたよね。石橋選手は、ああいう負け方をしたことがなかったと思うんです。だから石井選手が石橋選手に勝った時点で、次は石井選手とやるべきじゃないかと思いました。石井選手の挑戦を受けないと、チャンピオンじゃないでしょって」

――そうだったのですね。今回は再戦となりますが、前戦とはまったく違うものになると思いますか。

「意外と全然違う展開になるんじゃないでしょうか。お互い狙っているもの、やることっていうのは、あまり変わっていないと思います。石井選手は打撃でペースを握って、グラウンドに持ち込んで自分のペースで試合を握りたいでしょうし、それは自分も同じです。ただ、自分のペースに持ち込めなかった時に、スタンドかレスリングの展開になるのか、グラウンドになるのかはフタを開けてみないと分かりません。でも、どんな展開になっても自分は大丈夫です」

――そのように冷静に分析できるということは、自身の中で試合に向けて出来上がっているということなのでしょうか。

「はい。試合はフタを開けてみないと分からない、神のみぞ知る部分が多いですよね。でも、どうなっても大丈夫なように対策はできています。今は自分も世界ランキング1位ですし、この試合に勝ったら次は世界チャンピオンシップだと思っています」

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【修斗】5.22後楽園ホール ABEMA中継なし ツイキャスPPV配信!

5月22日に後楽園ホールで開催されるプロフェッショナル修斗公式戦PROFESSIONAL SHOOTO 2022 Vol.3。小野島恒太(Combat Workout Diamonds)×石井逸人(TRIBE TOKYO MMA)の環太平洋バンタム級チャンピオンシップなど好カードが発表されていますが、昨日になって同大会がツイキャスでPPV配信される事が公式Twitterで明らかになりました。

ツイキャスで配信されるという事は、これまで無料配信していたABEMAでの中継がないという事。その後、ABEMA格闘ch エグゼクティブプロデューサー北野雄司氏もTwitterを更新。ABEMAでオンエア出来なかった苦しい胸の内をツイートしました。

ABEMAの登場以来、無料中継が完全に標準になっていましたが、他の格闘技イベントはほぼ有料配信。そもそも中継を入れてくれて、生観戦出来るだけでもありがたい。それだけにツイキャスでのPPV中継は個人的には違和感はありません。むしろ今まで無料で中継してくれてすみません、、、ありがとうございますという気持ちです。

少し気にしているのはPPV化が今回だけなのか、今後も継続されるのか。格闘技への出費に財布の紐が相当緩いマニアならまだしも、ちょっと興味を持ったライトなファンには3500円はやや敷居が高い金額。MMAの浸透、修斗の普及という点でABEMAの無料配信の功績は見過ごせません。今後のABEMAの対応に注目です。
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【Road FC60】韓国に戻った山本聖悟。イ・ジュンヒョン戦へ「過去の自分を新しくなった自分が倒す」

【写真】インチョンからテグまで移動する社内で今回のインタビューは行われた。まるでインプラントのような真っ白な歯は「日焼けして真っ白く見えるだけ」とのこと (C)MMAPLANET

14 日(土)、韓国テグのテグ体育館でRoad FC60が開催れて、現地ではキム・ソンオ名──山本聖悟がコロナ以降、初めて母の母国のケージに足を踏み入れる。

完全打撃は、バチバチの殴り合いを求めRoad FCと契約、2019年11月の初陣ではパク・ソクハンを2分45秒でKOした。しかし、コロナパンデミックを機に拠点を移していたプサンから帰国、RIZIN、DEEP、Road to ONEと3連敗を喫した。

その山本が再びRoad FCで戦う。対戦相手は6勝0敗のホープ=イ・ジュンヒョンだ。殴り合い上等の地に再び赴いた山本はこの2年間の日本での戦いでMMAファイターとしてMMAの見方、取り組み方が変化していた。

計量前日、お隣の国とは思えないハードな移動と、待ち受ける水抜きを目前に控えた山本に話を訊いた。


──空港を出てテグへ向かう最中にインタビューを受けていただきありがとうございます。

「いえ、4時間以上かかるので全然大丈夫です」

──えっ、4時間以上もかかるのですか!! プサンのキメ国際空港からだと2時間も掛からなかった記憶があります。いや、それ以前にLCCで成田~テグの直行便があったかと。

「それがコロナの影響で、国際便はインチョン国際空港しか発着していないんですよ」

──ではコロナ以前に拠点を置いていたプサンで試合の準備をするという考えはなかったですか。

「考えました。ただ仕事を休むことになるのと、減量もきつくて。塩抜きの食事を摂るのも日本の方が成分表示なんかも信用できるんです。それに症状がなくても、コロナの陽性者数が韓国がもの凄く多くて。それで試合ができなくなるのは避けたかったです。日本でフライトの48時間以内にPCR検査をして、陰性で現地に向かう方がリスクは低いと思いました。

隔離の免除も申請が必要で、それと観光客は受け入れていないので入国にはビザが必要です。僕の場合は興行ビザを取得して韓国にやってきました。日本に戻る時も陰性証明がいりますし、正直ワクチンは反対派だったんですけど海外で戦う、韓国で戦う選択をしたのでワクチン接種も済ませました」

──コロナとの共生時代に入っても、以前と比較すると全くもって不便なままですね。

「ハイ。日本は6月から規制が緩くなるとも聞いていますし、韓国もそこに追従して楽になって欲しいです。本当は日本で勝ち星を得ることが大切だと分かっているんです。でも、こうやってこのタイミングで韓国で戦えるのは僕にしかできないことなので、この選択をしてしまいました。

今、日本とK-MMAを誰がつなげるのかとなったら、韓国にルーツがある僕にしかできないことなので。それが僕の役割で、Road FCが呼んでくれましたし役割を全うします」

──それだけ面倒なことクリアしての渡韓ですし、覚悟のほどがうかがえます。それと今、ZOOMの画面で見る限り相当に頬がこけており、計量前日の現地入りだと相当に絞り込んで韓国に入ったということでしょうか。

「そうですね、日本で落として創ってきました。あと水抜きで4キロですね」

──えぇ、まだ水抜きで4キロも落とさないといけないのですか!!

「今回73キロから落としてきたので」

──73キロ!! 確認しますが、フライ級マッチですよね?!

「そうです。16キロ減量する必要がありました。このところ、秋山さんとのフィジカルトレーニングが成果があって筋量が増えてきたんです。正直、フライ級に落とすのは本当にしんどいとは思っていました。でも、その秋山さんが青木さんとの試合であそこまで落とし切ったので、さすがに僕がノーだとか計量失敗はできないです。だからメチャクチャ怖いです。今もビビっています……(苦笑)。今日の夜が一番怖いです。

藤田選手と戦ったときも水抜き5キロで本当に厳しくて。アレを思い出してしまいます……。ホントはフライ級だとコンディションはバンタム級より悪いです。でも、未練があるというか──フライ級でやるべきことをやっていないので」

──そこに行き着くまでに、まずは減量という大勝負が待っているわけですね。そして現状、3連敗中です。日本で勝ち星が挙げることができず、勝負のファイトになります。対戦相手のイ・ジュンヒョン選手の印象を教えてください。コロナ禍でRoad FCとAfreecaTVの共催イベント=ARCで5勝、Road FCでは1勝と無敗の選手です。ただ、個人的にARCは3分✖3Rで寝技は30秒という限定でMMAであって、本当のMMAではないと思っています。

「僕もそう思っています。あのルールなら、僕もレコードを稼ぐことができます。だからこそ僕は今回の相手にしっかりとMMAを3Rやりきることがテーマです。KOしたいとか、打撃で勝つということじゃないんです。イ・ジュンヒョンもそうだし、打撃ばかりやっている韓国の若い選手達って昔の自分を見ているみたいなんです。

打撃ばっかりだと試合をしていても楽しいです。でも、それじゃ勝てない。MMAなので。今回はMMAをやりに韓国に来ました。僕は日本で3連敗しましたけど、小野島選手と試合ができて本当に良い経験になりました。あの試合もオファーが2週間前で、しかも秋山さんからだったから断れなくて受けました」

──ケガもあって本調子でなかったとも、オフレコで試合前に話してくれました。

「そういう状況で戦って、小野島選手にテイクダウンを奪われても立つことができた。凄くしんどい試合で負けもしましたが、しんどいことを最後まで投げずにできたので自分のなかで成長も感じることができたんです」

──では今回の試合前は組みという部分も重視してきたと。

「試合前だけでなく、小野島選手との試合前からそうです。この試合に向けてもグラント・ボクダノフ選手のALFA FIGHT GYM LIFEで練習してきて。セコンドに就いてくれる吉野(光)選手も『倒せない。立たれる。ブリッジ返しもできない』って言ってくれて。その成果を試合で見せたいですね。

母親の祖国で試合をすることは、いつも楽しみで。それに3連敗してもRoad FCがオファーをくれた。だから彼らの期待を裏切る試合展開になり、もう声が掛からないようになるかもしれないですけど、僕はテイクダウンをして判定勝ちしたいと思っています。それが僕にとって成長になるので。そこを試したうえで打撃を使う試合をしたいです」

──正直、凄く変わりましたね。

「ROAD FCは自分が大好きな大会です。でも鎖国してしまっている状態です。日本に帰国して試合をして、自分が井の中の蛙だったと気づかされました。さっきも言いましたが、今回の相手や韓国の若い選手を見ていると昔の自分を見ているみたいなので。MMAはテイクダウンを織り交ぜた方が、勝つ確率が1パーセントでも上がります。

現状、向うは6連勝の選手で僕は3連敗中。ここで勝たないと終わりだというぐらいの気持ちです。だからこそ今回は自分との戦いだと思っています。過去の自分を新しくなった自分が倒すつもりです」

──ここで勝てばタイトル戦が見てくる試合だと、韓国から伝わっています。

「ハイ。なのでここで勝って、もう1試合フライ級で戦ってベルトを巻いてバンタムに上げます。そして日本に戻って試合をしたいと思います。小野島選手まで辿り着きたいです。僕と戦った次の試合で、小野島選手がチャンピオンになったのは嬉しかったです。次は石井逸人選手と防衛戦ですけど、前の試合は小野島選手が勝ったと僕は思っています。僕自身、石井逸人選手レベルまで上がっていかないといけないです。

そこまであと2段階ぐらい。手を伸ばせて届くところまで来ていると思うので、そこまでしっかりと行きたいと思います」

■ ROAD FC60対戦カード

<Road FCフェザー級選手権試合/5分3R>
[王者]パク・ヘジン(韓国)
[挑戦者]キム・スーチョル(韓国)

<85キロ契約ボクシング戦/3分3R>
クォン・アソル(韓国)
ナム・ウィチョル(韓国)

<フライ級/5分3R>
イ・ジュンヒョン(韓国)
山本聖悟(日本)

<バンタム級/5分3R>
キム・ヒョンウ(韓国)
ヤン・ジヨン(韓国)

<73キロ契約/5分3R>
ムングントスウ・ナンディンエルデン(モンゴル)
ヨ・ジェウ(韓国)

<ミドル級/5分3R>
イム・ドンフアン(韓国)
ユン・テヨン(韓国)

<ライト級/5分2R>
ジャン・ギョンビン(韓国)
ヤン・ジファン(韓国)

<51キロ契約/5分2R>
ゴ・ナヨン(韓国)
パク・ソヨン(韓国)

<バンタム級/5分2R>
イ・シンウ(韓国)
イ・ジョンヒョン(韓国)

<フライ級/5分2R>
ジョン・セボック(韓国)
キム・ミョンハン(韓国)

<フライ級/5分2R>
パク・ジンウ(韓国)
キム・ジュンソク(韓国)

<バンタム級/5分2R>
キム・ジングク(韓国)
ジョ・ミンギュ(韓国

<ライト級/5分2R>
キム・ミンヒョン(韓国)
ウィ・ジョンウォン(韓国)

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【PFL2022#02】世界と戦う日本人(06)工藤諒司─後編─「格闘家として、そういうところに挑戦したい」

【写真】PFLへの挑戦、強さへの欲求という自己満足を満たす最高の機会だ(C)MMAPLANET

28日(木・現地時間)、テキサス州アーリントンのEスポーツ・スタジアム・アーリントンで開催されるPFL2022#02。フェザー級レギュラーシーズンの第1戦でブレンダン・ラウネーンと対戦する工藤諒司インタビュー後編。

北米第3のMMAプロモーションに挑む工藤だが、国内にあってはその注目度は決して高くない。優勝賞金100万ドルに関しても、特に気にすることなくタフな連戦に挑む工藤、その真意にある想いとは。

2022年、春~世界に立ち向かうJ-MMAファイター特集~。第6弾─後編─、工藤諒司の話に耳を傾けたい。

<工藤諒司インタビューPart.01はコチラから>


──第2戦目を頭に入れて戦うのがPFLだと思うのですが、そうなるとケガがつきもののMMAでケガをしないことが大切になってきます。

「そうなんです。4月の次が6月ぐらいで。2カ月のインターバルなので、やはりケガは気を付けないといけないです。ただ自分も今までベストコンディションで戦えた試合がなくて、ケガをしてギリギリで出たり、ケガが癒えないまま戦ってきました。

そのなかでも今回は、本当にケガもなくベストコンディションで来ることがデキています。例え今回の試合でケガをしても、次の試合まで創れるようにはできると思っています」

──プレーオフ出場を目指すうえで、2試合目はこの選手と戦いたいというのはありますか。

「いえ、そこまで考えていないです。次の試合のことしか今は考えていないです」

──ではPFL出場が決まった時、誰か戦ってみたいという選手はいましたか。

「それも特に考えていなかったです(笑)。相手が決まれば、そこに合わせていこうと思っていました」

──ところでTRIBE TOKYO MMAでは長南亮代表がセコンドから離れると宣言したことがあったではないですか。

「ハイ……(苦笑)」

──あの宣言があった時、長南門下の選手はどのような空気になっていたのでしょうか。

「長南さんはかなり落ち込んでいて、精神的なダメージは相当だったと思います。それまで蓄積してきたものが、佑弥君の負けで弾けてしまったというか。本当にダメージがあることは、僕だけでなく誰が見ていた分かったぐらいで……。いつも戦う選手以上に対戦相手のことを研究して、どう戦うのかを腐心されているので。それだけダメージが大きかったんだと思います。

ただ理由とかは直接は聞いていないのですが、凄く戻ってきていました。前向きに考えてくれたようで……。いつも以上に戻ってきてくれました。

僕らも長南さんのあの様子を見た時に、勝って──日ごろ指導してくれている長南さんに恩返しをしたいです。普段から、どれだけ選手のことを考えてくれているのかということに改めて気づかされました。長南さんが傷ついていた時、TRIBEの皆の気持ちが一つになったというか……。勝たないといけないという気持ちを、皆がより強く持つにようになっています。頑張らないといけないです」

──長南さんも一度、気持ちが落ちて、また上がった。ずっと張りつめていると本当にパンクしてしまうので。ここから、またTRIBE勢の盛り返しに期待したいです。ところでPFLで戦う、UFCではなくBellatorでもない。ただし、北米第3位のプロモーションで戦うことに関して、改めてどのような気持ちで工藤選手は臨んでいるのでしょうか。

「修斗で負けて……また頑張ろうと思っていました。ちょっと言い方は悪いですが……そんな時により大きなチャンス、海外で世界を相手に戦える機会が巡ってきました。やっぱり格闘家として、そういうところに挑戦したい。日本だけでなく外に出て挑戦したい。そういう場所で頑張りたいという気持ちですね。

これまで戦ってきたレベルと違うかもしれないですし、どこまで自分の力が通じるのか。それでも緊張は全くしていなくて、ワクワクする気持ちが大きいです。代わるのは相手だけ。他はこれまで通りのつもりで戦います」

──4連勝で100万ドルです。

「そこも考えていないです(笑)。そこまでお金のことは、全然入っていないです」

──ではぜひ決勝戦まで行ってください。そこで勝てば1億3000万円。その時、工藤選手がどのような気持ちでいるかをぜひ聞きたいです(笑)。

「アハハハハ。ハイ、決勝に行けるように頑張ります」

──そんなPFLへの挑戦。MMAファンと口にする人でさえPFLをこれまでチェックしてきているのか。ただし、確実に国内より高いレベルの試合が行われている。そういうところで戦うことに関して、どのような気持ちでいますか。

「そうですね……挑戦したい。今の気持ちでいうと、海外の強い選手と戦って勝つことを目的として、挑戦したいし経験したい。こういう場所で頑張ることを日本の皆に見せることができればとも思います。ジムの石井逸人君が、『工藤さんが道を開いてくれたら、俺もいく』と言っていましたし」

──石井選手には「PFLにはバンタム級はないんです。残念」──と(笑)。

「アハハハ。自分は今回の機会を得ることができました。凄く有難いことだと思っているので、ベストを尽くしてきます」

■視聴方法(予定)
4月29日(金・日本時間)
午前7時00分~DAZN

■ PFL2022#02対戦カード

<ヘビー級/5分3R>
ブルーノ・カッペローザ(ブラジル)
スチュアート・オースチン(英国)

<フェザー級/5分5R>
ブレンダン・ラウネーン(英国)
工藤諒司(日本)

<ヘビー級/5分3R>
アンテ・デリア(クロアチア)
マテウス・シェッフェウ(ブラジル)

<ヘビー級/5分3R>
ヒーナン・フェヘイラ(ブラジル)
ジャマル・ジョーンズ(米国)

<フェザー級/5分3R>
ランス・パーマー(米国)
クリス・ウェード(米国)

<フェザー級/5分3R>
バッバ・ジェンキンス(米国)
カイル・バチニアック(米国)

<ヘビー級/5分3R>
デニス・ゴルソフ(ロシア)
サム・ケイ(トンガ)

<ヘビー級/5分3R>
アダム・レレッシュ(イスラエル)
クリジソン・アブレウ(ブラジル)

<フェザー級/5分3R>
シェイモン・モラエス(ブラジル)
ボストン・サルモン(米国)

<フェザー級/5分3R>
アレハンドロ・フローレス(メキシコ)
サバ・ボラギ(ドイツ)

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『PROFESSIONAL SHOOTO 2022 Vol.2』試合結果


第9試合 メインイベント 修斗世界バンタム級チャンピオンシップ 5分5R
×岡田 遼(パラエストラ千葉/世界王者)※2度目の防衛戦
○安藤達也(フリー/世界1位、環太平洋2位、元環太平洋王者)
2R 0’53” KO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)
※安藤が第12代王者に

第8試合 セミファイナル ウェルター級 5分3R
○西川大和(西川道場/ライト級世界王者)
×山田崇太郎(The Pandemonium/ウェルター級世界3位、環太平洋4位、ZST同級王者)
3R 4’10” 腕ひしぎ十字固め

第7試合 バンタム級 5分3R
○石井逸人(TRIBE TOKYO MMA/世界5位、環太平洋3位)
×石橋佳大(ZEEKジム/世界6位、環太平洋5位、元環太平洋王者)
2R 2’04” 裸絞め

第6試合 バンタム級 5分3R
○後藤丈治(TRIBE TOKYO MMA/世界7位、環太平洋6位)
×ダイキ・ライトイヤー(修斗GYM神戸)
判定3-0 (片岡30-27/豊永29-27/柴田30-26)

第5試合 フライ級 5分3R
○関口祐冬(修斗GYM東京/世界4位)
×宮城友一(キックボクシングDROP/世界5位、元GLADIATORライトフライ級王者)
判定3-0 (豊永30-27/福田29-28/柴田29-28)

第4試合 フェザー級 5分3R
―岩本健汰(ロータス世田谷/世界7位)
―飯田健夫(フリー)
中止 (飯田が体重調整中に体調不良で病院に搬送されたため)

第3試合 バンタム級 5分2R
×Lyo’o[りょう](reversaL Gym OKINAWA CROSS×LINE)
○齋藤奨司(FIGHT FARM)
判定0-3 (福田18-20/片岡18-20/柴田18-20)

第2試合 フライ級 5分2R
×大竹 陽(HAGANE GYM)
○山内 渉(FIGHT FARM)
判定0-3 (福田18-20/片岡18-20/豊永18-20)

第1試合 フライ級 5分2R
○内田タケル(パラエストラ松戸)
×佐々木駿友[はやと](T-GRIP TOKYO)
1R 1’36” 裸絞め

 3月21日に後楽園ホールで開催された『PROFESSIONAL SHOOTO 2022 Vol.2』試合結果。メインイベントのバンタム級タイトルマッチは安藤達也が岡田遼に2R KO勝ちし新チャンピオンに。西川大和は山田崇太郎に3Rアームバーで勝利しています。続きを読む・・・
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【Shooto2022#02】石橋に激闘を許さず、石井逸人がRNC斬り。「足らないのはベルトだけ」

<バンタム級/5分3R>
石井逸人(日本)
Def.2R2分04秒 by RNC
石橋佳大(日本)

ジャブから左ハイを蹴る石橋。石井はローを返す。石橋はハイから右ストレート、石井がローを蹴り、直後のステップインにダブルレッグを合わせてテイクダウンを決める。立ち上がった石橋がボディロックテイクダウンを決めると、石井は背中をつかされバタフライガードからスイープを狙う。

腕を取り、力点としてバックを取った石橋が両足をフックする。左肩を抜かれると、右腕に腕十字を仕掛けた石橋に対し、腕を抜いた石井がパンチを落とす。ここで再び右腕を取りケージを蹴ってからの後方回転で、背中を取りにいった石橋。ソレを落とした石井がトップをキープして鉄槌を落とす。ハーフで足だけでなく左足までフックした石橋が、下からパンチを連打する。抜いた石井がパウンド、上体を起こしてきたところでエルボーを打ちつけラウンド終了となった。

2R、右ローをキャッチして右を2発入れた石井は、ジャブから左ミドル。さらに右ローを入れ、右を伸ばす。ここからアッパーを決めて組んだ石井はボディロックで後方へ崩しつつ、大腰気味に前方にテイクダウンを決める。このままバックを制した石井は四の字フックへ。パンチを警戒したか右腕を伸ばした石橋に対し、石井が巧みに右腕を差し込みRNCへ。懸命に耐える石橋だったか、腕を組み変えられて観念──タップした。

「サイコー。皆、見たでしょ。これがリアルだから。俺に足らないのはベルトだけだから、次、ベルトお願いします」と勝者は話した。


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【Shooto2022#02】安藤達也の挑戦受ける岡田遼─02─「自分で自分を試す試験です」

【写真】対策練習は、仮想安藤=鶴屋怜とのスパーリングで行ってきた(C)MMAPLANET

21日(月・祝)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるShooto2020#02 のメインで安藤達也の挑戦を受ける修斗世界バンタム級チャンピオン岡田遼インタビュー後編。

修斗が格闘家生活の本編と語る岡田。今年いっぱいの活動という区切りをつけたチャンピオンは2度目の防衛戦を「自らの試す試験」と表現した。

<岡田遼インタビューPart.01はコチラから>


──安藤選手は今回アルファメールではなくて、国内で調整しているようですね。

「あぁ、そうなんですか。良い状態で来て欲しいと思います。強い安藤とやりたいです。そうでないとラスベガスまで行った意味がなくなりますし」

──ATTとエクストリーム・クートゥアー、どのような違いがありましたか。

「施設面で充実しているのはATTです。どちらもメガジムですが、ATTは上に宿泊施設があったり、カフェまで揃っています。サウナや水風呂なでも完備されています。ただし、エクストリーム・クートゥアーは同じストリートにUFC PIがあってUFCファイターはエクストリーム・クートゥアーで練習をして、PIに行って飯を食って体のケアができます。そしサプリメントを補充してもらって帰る。それが全て無料でできる。

パーソナルトレーニング、治療もフリー。朝から晩まで三食、選手の体のことを考えられた食事が用意されています」

──ベガス在住の選手でなくても、定期的にボディチェックがあって個々にあったサプリメントの支給を受けるそうですね。

「データが残っていて、何が必要かとか全て教えてもらっていました。そりゃあ、UFCファイターはラスベガスでファイトキャンプをしますよね。これはATTにはないです。めちゃくちゃ充実した保障で、アジアの選手だってラスベガスに行きますよ」

──絶望的な気持ちになってしまいますね……。

「えっ? あぁ、UFCファイターでないと……ですね。それは僕も感じました。この差をどう埋めろっていうんだって(笑)。こんなに手厚いサポート、保障がある。あのアドバンテージは凄まじいです」

──おかしなクスリに手を出すなということだと思うんです。

「そうですね。それもありますよね」

──そういうなかでエクストリーム・クートゥアーで得た手応えというのは?

「何か一つの項目が、ドーンと伸びたということはないです。局面のディティールを詰めていく、そういう地味な作業をしてきました。おさらいですね。特に新しいテクニックを教わって『面白いっ』っていうようなATTの時のようなことはなかったです。

ただ寝技のコーチがジェイク・シールズで、ベーシックなことを丹念に何度も繰り返すんです。そして『ここに隙間がある。もっともっとタイトにしろ』とか言ってもらえて、細かいディティールを詰めてきました。だからATTとは違う意味で、凄く役に立ちました」

──練習して面白い選手はいました。

「なぜか、ずっとパッチー・ミックスがスパーリングパートナーに指名してくれて。週に2回のスパーリングの日は必ずパッチーとスパーをしていました。あの極め、ギロチンはヤバいです。初見だと、やられてしまいます。シングルに入らせて、マルセロチン。あれは元谷君の気持ち、分かりました(笑)。いや、充実していましたね。

ただラスベガスでやってきたからって、どうこうっていう試合じゃないですけどね。今回の試合は」

──その通りですね。

「それに最初に言いましたが、安藤君に勝ちたいとかじゃないんです。やり切りたい、自分を出し切りたい。自分のためだけのモチベーションではもう頑張れなくて。応援してくれる人に喜んで欲しいですし、ずっと僕の試合を見てくれている人に成長しているなって思って欲しい」

──それでも勝利を手にするために、何をしないといけないと思っていますか。

「勝つために……特別にすることではなくて、良いコンディション、良いメンタルで今までやってきたことを出すだけで、勝てると思っています。何も特別なことをする必要はない。100を110にするのではなく、80点以下にならない仕上がりで行こうと思います」

──それで凄く強い岡田遼を見ることができれば、もっと岡田選手の試合が見たくなるのが世の常です。

「本当ですか!!」

──世の常というか、私個人ですね(笑)。今日のスパーリングを見ていても、自分は総合力でMMAを勝つという意見は実はあまり信用していなくて。やはりレスリングが強く、打撃で勝てる人がMMAは強い。そういうなかにおいて、岡田遼は回転しているなと感じました。

「嬉しいです(笑)。それを確認するための試合です。どれくらい試合でできるのか、自分で自分を試す試験です。そして──修斗愛を見せます」

──しっかりとまとめてもらってありがとうございます(笑)。

「アハハハ。鶴屋怜に頭から落とされていますけどね(笑)」

■視聴方法(予定)
3月21日(日)
午後6時30分~ ABEMA格闘チャンネル
             
■対戦カード

<修斗世界バンタム級王座選手権試合/5分5R>
[王者]岡田遼:61.1キロ
[挑戦者]安藤達也:61.1キロ

<ウェルター級/5分3R>
西川大和:76.6キロ
山田崇太郎:77.3キロ→77.1キロ

<バンタム級/5分3R>
石井逸人:61.0キロ
石橋佳大:61.2キロ

<バンタム級/5分3R>
後藤丈治:60.8キロ
ダイキ・ライトイヤー:61.0キロ

<フライ級/5分3R>
関口祐冬:57.0キロ→56.7キロ
宮地友一:56.5キロ

<バンタム級/5分2R>
Lyo’o:61.2キロ
齋藤奨司:61.0キロ

<フライ級/5分2R>
大竹陽:56.6キロ
山内渉:56.5キロ

<フライ級/5分2R>
内田タケル:56.5キロ
佐々木駿友:56.4キロ

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【Shooto2022#02】計量終了 ポスト岡田遼時代に向け、負けられない石井、石橋、後藤、ライトイヤー

【写真】ランキング的には5位✖6位、7位✖ランク外対決となる(C)THE ONE

20日(日)、東京都港区の10KOLで明日21日(月・祝)に文京区の後楽園ホールで開催されるShooto2022#02の計量が行われた。

メインは修斗世界バンタム級チャンピオン岡田遼が、安藤達也を挑戦者に迎え2度目の王座防衛戦=Road to 有終の美に臨む今大会──選手権以外でバンタム級戦が2試合組まれている。


西川は山田の計量を終わるのを裸足で待ち続けていた。明日は、体格差がかなりありそうな両者だ

2021年を飛躍の年とできなかった石井逸人と後藤丈治が、それぞれ石橋佳大、ダイキ・ライトイヤーと相対する。王者が今年限りで引退と公言しているだけに、永遠と続く潰し合いを抜け出すためにも、この2試合は結果が求められるファイトとなる。

さらにコメインでは世界ライト級王者の西川大和が、山田崇太郎とウェルター級で戦うという要注目のカードが組まれている──が、山田が計量当日にシャワーを浴びると水分を吸ってしまい体重が増えるという事態に陥る。

計量開始から1時間を過ぎたころに会場に到着した山田だが、100グラムオーバーに。これを落とすのに30分以上かかるも最終的にはクリア。西川もパスするまで見届け、両者で撮影となった。

また岩本健汰と対戦予定だった飯田健夫が減量中に体調不良に陥り病院へ。この一戦は中止となった。

■視聴方法(予定)
3月21日(日)
午後6時30分~ ABEMA格闘チャンネル             
■ Shooto2022#02計量結果
<修斗世界バンタム級王座選手権試合/5分5R>
[王者]岡田遼:61.1キロ
[挑戦者]安藤達也:61.1キロ

<ウェルター級/5分3R>
西川大和:76.6キロ
山田崇太郎:77.3キロ→77.1キロ

<バンタム級/5分3R>
石井逸人:61.0キロ
石橋佳大:61.2キロ

<バンタム級/5分3R>
後藤丈治:60.8キロ
ダイキ・ライトイヤー:61.0キロ

<フライ級/5分3R>
関口祐冬:57.0キロ→56.7キロ
宮地友一:56.5キロ

<バンタム級/5分2R>
Lyo’o:61.2キロ
齋藤奨司:61.0キロ

<フライ級/5分2R>
大竹陽:56.6キロ
山内渉:56.5キロ

<フライ級/5分2R>
内田タケル:56.5キロ
佐々木駿友:56.4キロ

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【Shooto2022#05】常に怪物化は可能か──岡田遼に挑戦、安藤達也「俯瞰できるように」

【写真】後半ではMMAを舐めていた時の話が存分に……(C)SHOJIRO KAMEIKE

21日(月・祝)、東京都文京区の後楽園ホールで開催される『プロフェッショナル修斗公式戦2022 Vol.2』で、岡田遼の持つ修斗世界バンタム級王座に、ランキング1位の安藤達也が挑む。
Text by Shojiro Kameike

安藤といえば、ここ数年の国内MMAの中で、最も将来を嘱望されたファイターの1人だった。しかし2015年のRoad to UFC以降、フェザー級からバンタム級に落としてからは、プロデビュー当時の輝きを失ってしまった――誰もがそう思ったに違いない。

本人もその理由は分かっており、反省もしている。そしてファイターならば、それは試合で証明していくしかないことも分かっている。だからこそ、2019年9月に対戦しドローに終わった岡田遼と、今度こそ決着をつけなければいけない。自身の格闘技人生を左右するであろう大勝負を前に、安藤が岡田戦への想いを語ってくれた。


――試合を5日後に控えてのインタビューとなります(※取材は3月16日に行われた)。前回の環太平洋王座の防衛戦前には、米国のアルファメールで練習していた安藤選手ですが、国内ではどのような環境で練習しているのでしょうか。

「今までと変わらず、さすらいスタイルで毎日違う場所に行かせてもらっています。週によって違うんですけど、ロータス世田谷、KRAZY BEE、CUTEジム、トライエイチ、それとTRIBEとかですね」

――古巣であるTRIBEでも練習しているのですか。

「最近だと、2週間ぐらい前に行かせてもらいました。石井君(石井逸人、TRIBE所属)との試合が決まる前も、何度か行かせてもらっていたんです。良い練習が行われているなって、改めて感じます。僕がいた頃から、若い選手が育ってきていて、今すごく良い雰囲気だなって思いました」

――その石井戦ですが、試合後には手応えを感じたようなコメントもありました。

「でも、やっぱり課題はありましたよ。試合を見返すと、ここは良くないなぁとかって。勝った試合でも負けた試合でも、そういう課題はあると思うんですけどね。あの時は米国で練習していて、練習の質は高かったと思います。ただ、今は日本で、しっかり量はこなしてきているので」

――試合5日前ということは、今は減量のピークなのでしょうか。

「そうですね。今は試合をするたびにコンディションも、体重の落ち方も良くなっていると思います。最近、初めてバンタム級へ落とした佐藤将光戦(2015年9月、判定負け)を見返したんですけど、本当にダメでしたね。

でも、そこから自分が進化していることを再確認したし、今もここが変わっていないな、ここを変えるべきだなっていうのも俯瞰できました」

――フェザー級とバンタム級では、それだけ減量が大きく違いましたか。

「その違いは、すごく大きかったです。僕って高校生の時から、レスリングも66キロでやっていたんですよ。普段の体重は72、73キロぐらいで。高校生の時にレスリングを教わっていた恩師から言われたのは、あまり減量しすぎるのは、将来的なことを考えたら良くないと。それで高校から大学までずっと同じ階級で、MMAでもプロ3戦目まではフェザー級でやっていたんです」

――安藤選手はフェザー級でプロデビューし、Road to UFCを経てバンタム級に転向しました。バンタム級に落とした理由は……。

「国内で一番層が厚かったのがバンタム級でしたからね。それと修斗に出る時、『将来的に世界を目指すならフェザー級よりもバンタム級のほうが良いんじゃないか』っていう話になったんです。Road to UFCで、フェザー級では僕が小さく見えたんじゃないですか?

大尊(伸光)君、ウィッキー(聡生)さん、長倉(立尚)さんとかに比べたら。ただ、バンタム級に落とした頃はTRIBEにいて、格闘技人生の中で一番練習していた時期だったんです。だから、もちろん体力はありました。でも12キロも落として、かつ戦えるコンディションを作るっていうことは、すごく苦労しました。減量の知識もなくて……。石橋さんとの試合(2016年7月、RNCで一本負け)の時は計量オーバーで」

――そこまで減量が厳しいと、フェザー級に戻そうとは思わなかったのですか。

「フェザー級の時の体と比べたら、筋量とか筋肉とか落ちましたよね。でも、何て言うんだろうな……自分で決めたことじゃないですか。だから、あの時の選択は間違っていなかった――そう思えるようなキャリアを歩んでいきたいんです。石橋戦後から、自分自身で減量やコンディションの作り方を考えるようになって、今はだいぶ良くなってきていますね。もっと良い方法もあると思うし」

――結果、石橋戦後から5連勝を収めています。

「ケビン・クルームに勝ってから(2016年11月、RNCで一本勝ち)ですよね。そのころから、これはやったほうが良い、これが良くないというのが分かってきて。やっぱり軽量級はスピードとスタミナが大事だと思うんで。特にスタミナは、どれだけ普段から自分のコンディションに気をつけているかが重要で、それが今後の課題です」

<この項、続く


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【Shooto2022#02】Road to Second Life=安藤達也の挑戦受ける岡田遼─01─「修斗王者を全うする」

【写真】ある意味、この選手が現代MMAにおいて──もっとも打・投・極を回転させることができているかもしれない──ほめ過ぎか…… (C)MMAPLANET

21日(月・祝)、東京都文京区の後楽園ホールでShooto2022#02 が開催され、メインで修斗世界バンタム級王者の岡田遼が安藤達也の挑戦を受ける。

昨年3月に大塚隆史を下し初防衛に成功した岡田は、その後RIZINバンタム級GPに出場して一回戦負け。修斗の強さを自らの力で示すことができなかった。そんな修斗愛に満ち溢れた岡田にとって、今回の防衛戦が意味することは何なのか。彼の修斗愛は真実なのか──を問うた。


──岡田選手に問いたいことがあります。

「えっ、何ですか」

──修斗愛について、です。

「もう、めちゃくちゃありますよ」

──凄くあることは理解しています。そして修斗バンタム級王者としてRIZINバンタム級GPに挑み、DEEP王者の元谷友貴選手に敗れての防衛戦です。タイトルマッチを戦った倉本一真選手、大塚隆史選手、誰もベスト4にも残れなかったです。

「ただ、優勝したのは修斗の扇久保博正です」

──もう完全に質問の途中から答を用意していましたね(笑)。

「アハハハハ」

──その答えで岡田選手の心は晴れ渡るのでしょうか(笑)。

「アハハハハ。そうですね……。あの場でDEEPのチャンピオンに負けたことは送り出してくださった修斗関係者の皆さま、サステインの坂本代表、応援してくださった皆さまに対して、本当に申し訳ないと思っています。

でも、元々は岡田遼という格闘家のストーリーの本編はずっと修斗だったので。RIZINのバンタム級トーナメントは僕のなかでは番外編なので、また本編に戻ってきたという感じです」

──岡田選手のなかでMMAファイターとして、あの場で負けたことをどのように消化できているのでしょうか。また、どういう風に払拭しようと考えているのか。実はUFCを目指し叶わなかった。そしてRIZINに出た。だから、負けた時点で引退するのではないかと勝手に想像していました。

「まさに僕のMMAファイター人生、今、言われたように修正を加えたモノです。本当は修斗のチャンピオンになった時点で北米を目指していた。それが無理だったからRIZINに出ました。ただRIZINに出たのもトーナメントだったからです。トーナメントは勝ち続けても年末に終わっていた。ということは修斗の防衛期限内に終了している。例え優勝していても、3月に修斗の防衛戦を戦うつもりでいたので。

集大成としては集大成だったのですが、あそこで現役を終えるつもりはなく、必ず防衛戦を戦うと坂本さんと約束して出場しました」

──そこは初志貫徹なわけですね。そして平良達郎選手とラスベガスで練習もしてきました。

「ハイ。前回、不甲斐ない試合をした分、今回のタイトルマッチで修斗のチャンピオンとしてもう1回死ぬほど気合を入れて、最後まで修斗のチャンピオンを全うしたいと思いまいラスベガスで練習してきました」

──この後は、どのように考えているのですか。

「それは去年、話した時と変わっていなくて2022年で格闘技の旅を終えようと思っています。その考えは全く変わっていなくて……ただ、この試合で終えるのか、年内にあと1試合、あるいは2試合戦うのかは鶴屋さんと、防衛戦を終えてから相談しようと考えています」

──やり切るため、ですか。

「ハイ。そうですね」

──戦う選手の気持ちは記者には分からないのですが、やり続ける選手とやり切る選手では気持ちに違いなど出てくるものでしょうか。

「う~ん、ハッキリ長くやらないと宣言したことで、残りの格闘家人生の価値が自分のなかで変わりました。ラスベガスに一緒に行っていた平良は、いくらでも時間があります。でも俺はこれが最後の海外修行だと思うと、1日1日の集中力だったり、賭ける気持ちが全然違うので。今現在は、凄く張りのある生活ができています」

──その心境で臨む、2度目の防衛戦。チャレンジャーが安藤達也選手です。

「安藤君はないと思っていました(笑)。安藤達也はねぇだろうと。大塚選手にああいう形でTKO負けしているので、もうないというのは自分のなかで勝ってに思っていましたね。それでも今回。安藤君が挑戦者だという流れになり『やります』と。それしか、言えないです(苦笑)。

だから今回は相手どうこうでのモチベーションというよりも、修斗のチャンピオンとして防衛期限内に防衛義務を果たすという責任を全うしたいという気持ちでやっています」

──前回がドローだったので、決着戦だという気持ちは?

「石井逸人戦の安藤君はデビュー当時、底の見えない怪物みたいな安藤達也に戻ったのかなっていう風には見えました。ただし、波のある選手ですからね」

<この項、続く>

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