【写真】U turn meets I turn.北九州&博多コネクション (C)HANZO TANAKA
15日(日)、福岡市中央区のよしもと福岡大和証券 / CONNECT劇場で行われるTORAO27で、田中半蔵が結城大樹と対戦する。
Text by Shojiro Kameike
かつてシューティングジム横浜に所属していた田中は現在、地元である北九州市に拠点を移している。前回の試合から約1年半、復帰戦を控える田中が、これまでの苦悩と新しい練習環境について語ってくれた。
――田中選手は現在、出身地である北九州を拠点に活動されているのですよね。
「はい、地元に戻ってきて4年になります。今は北九州と博多のジムへ出稽古に行ったりしています」
――4年前というと、2018年10月のカイル・アグォン戦(田中が判定負け)の頃ですか。
「その前に上迫戦が流れて(注1)、その時には北九州へ帰ってきていたんですよ。そのあとマイク・グランディとの試合も流れて(注2)、次はアグォン戦でした」
注1:2018年5月20日に上迫博正戦が予定されていたが、前日計量で上迫が脱水症状に陥り、試合は中止となった。
注2:同年8月5日に予定されていたマイク・グランディ戦は、グランディが負傷のため試合2週間前にキャンセルとなっている。
――いきなりネガティブな話題で恐縮ですが、2017年ごろから黒星も多くなっています。その点については、どのように捉えていますか。
「自分で自分の戦績を見ても思うんですけど、前半のほうは連勝していて。そこから負けが続いているので。毎回厳しくなっていくなぁとは思いますね」
――厳しいと感じる要因は何かありますか。
「今まで瞬発系というか、カウンターを当てて倒していたんですよ。日沖戦(2017年5月にKO勝ち)までは自分のカウンターにも自信があって、実際に相手が入ってきたらパンチを当てることができていました。でもアグォン戦の次……堀江戦では、自分のカウンターが当たらなくなってきていることを痛感して」
――2019年3月、堀江圭巧戦では反対にカウンターの右ストレートを食らい、KO負けを喫しました。
「あの試合は、自分が打ちに行ったところまでは覚えているんです。でも相手の打撃をもらってからは、控室まで記憶がなくて。あの試合が初めてのKO負けでした。堀江選手もカウンターが巧いから、同じタイプと対戦すると自分のほうがパンチをもらってしまうようになっていたんですよね。
練習だけでは、自分のカウンターが落ちていることに気づかないんですよ。練習では思いっきりパンチを打てないから。試合をやってみて、初めて分かったんです。あぁ、自分のカウンターが当たらなくなっているなって」
――対して、現在はどのような環境で練習しているのでしょうか。
「所属(FUNS)は僕のスポンサーの会社名で、練習自体は出稽古が中心です。普段は博多だとレンジャージム、あとは今回の試合に向けてカルペディエム福岡で練習させてもらいました。北九州ではパラエストラ北九州で柔術をやっています」
――シューティングジム横浜に所属していた頃と比べて、現在の練習環境はいかがですか。
「うーん……横浜や東京では、同じくらいのレベルの選手と練習できていたんですよ。でも、こちらではプロ選手がいても階級がバラバラだったり、同じぐらいのレベルの選手が少なくて。ただ、寝技のレベルは横浜にいた頃よりも上がってきていると思います」
――田中選手といえば、カウンターを主体とした打撃が印象的です。それはシューティングジム横浜という、打撃面で優れた選手が多いジムの影響もあったかと思います。
「打撃は今、誠流会の溝口先生に教わっているんですよ」
――誠流会の溝口先生とは、元プロシューターの溝口直右(なおすけ)さんですか。
「そうです。パラエストラ北九州では水曜日と金曜日がMMAクラスなんですけど、そのMMAクラスにトレーナーで来られていて。その時にミットを持ってもらっています」
――北九州や博多のプロシューターが集結しているような雰囲気ですね。そのなかで今回の試合に向けて、カルペディエム福岡で練習することになったキッカケは何だったのでしょうか。
「もともとグラップリングの練習では何回かお世話になっていたんですよ。それで1カ月ぐらい前かな? 田村ヒビキ選手と時間を合わせて、MMAの練習をするようになりました。田村選手はジムの指導もあるので、昼の空いた時間に練習させてもらって」
――TORAO27では田村選手がメイン、田中選手がコ・メインという形で出場することになりました。そこで田村選手にもインタビューしていて、田中選手の印象をお聞きしています。田村選手はまず、ジャックナイフツネオ戦の印象が強いそうです。2010年3月、田中選手が右のカウンター一発で相手をKOした試合ですね。
「あぁ、なるほど。同じ日に田村選手も試合していたんですよね(田村は杉江アマゾン大輔に腕十字で敗れている)。同い年で、自分が修斗に出ていた時期に同じ大会に田村選手も出たりしていたから、同じ時代の選手だと思っています。でも当時はお互いに名前は知っているけど、話をしたことはなくて。田村選手と話し始めたのは、僕が福岡県に帰ってきてからなんですよ」
――今回、田村選手とはどのような練習を?
「まず自分の次の相手がグラップラーで、寝技が得意な感じなので、田村選手に連絡させてもらったんです。そうしたら田村選手の相手(ソーキ)がサウスポーで、僕もサウスポーですから。お互い次の対戦相手と同じ部分があるので、週2回ぐらい一緒に練習させてもらうようになりました。最初の練習で見つかった改善点を、次の練習で良くして、また見つかった悪いところを次の練習で改善して……という形だったので、良くなってきています」
<この項、続く>
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