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【Gladiator027 & Gladiator CS02】南友之輔、テムーレン戦決定。Fe級T補欠戦でハンセン×パク&水野×田口

【写真】デビュー10カ月で、国際戦を戦うことが決まった南(C)MMAPLANET

27日(木)、Progress実行委員会より7月12日(金)に会場非公開で開催される無観客&配信大会GLADIATOR CHALLENGER SERIES02「Matsushima vs Sodnomdorj 」でバンタム級3回戦=テムーレン・アルギルマー×南友之輔戦が組まれることが発表された。
Text by Manabu Takashima

また26日(水)にはGLADIATORより同7日(日)に豊中市の176BOXで行われるGLADIATOR027でフェザー級挑戦者決定トーナメント・リザーブ戦としてパク・サンヒョン×ハンセン怜雄、水野翔×田口翔太の2試合と全15試合のラインナップが明らかとなっている。

全空連、WKFルールの空手で中学・高校・大学の各世代で日本代表に名を連ねていた南は、パリ五輪に空手が採用されなくなりMMAを目指すように。宮田和幸氏率いるBRAVE GYMの門を叩き昨年9月にMMAデビューを果たした。


小松祐貴を3分19秒でKOして初陣を飾ると、12月の健太エスペランサ戦は3-0の判定勝ち。今年2月のGrachan67 における徳弘拓馬戦では450グラムオーバーで計量失敗。勝っても試合不成立という状況下で、右ストレートでカットに追い込み僅か46秒でレフェリーストップも──規定通りノーコンテストとなっている。

その後、5月のGLADIATOR026で秋田良隆を初回終了間際に鉄槌の連打で破ると、ケージの中からテムーレンをコールアウトしていた。テムーレンもSNSでこれに呼応し、両者の対戦実現への機運が高まっていく。

テムーレンは去年の3月に初来日し、当時のGLADIATORバンタム級王者の神田周一をスラムからパウンドアウトという鮮烈な日本デビューを飾ると、2カ月後には神田を返り討ちしバンタム級のベルトを巻いた。

しかし9月には竹本啓哉に敗れ、12月には竹中大地にRNCで敗れるなど、壁にぶち上がっていた。そんなテムーレンに対戦要求をした南は年内の王座奪取を公言しており、ステップアップするための格好の標的としてテムーレン戦を望んでいた。半面、師匠の宮田氏は南のキャリアアップには慎重な姿勢を持っていたが、本人の意志の強さに折れるような形で、「なら、やってこい」と背中を押すようになったという話も伝わってくる。

対してテムーレンといえば、南の対戦要求に応えた直後にFalcon FCへのスクランブル出場を決める。しかしながら急激な減量でカツカツとなっていたボディは、2R以降を戦うだけのエネルギーを保有しておらず、シネバートル・バットエルデネに逆転で判定負けを喫している。

勢いは完全に南にある。とはいえBRAVEで原口兄弟らレスラーに鍛えられる南ではあるが、そこは宮田氏が危惧するように絶対的に経験値は足りていないのも事実だ。2戦目&4戦目を見る限り、相手が下になる選手だったこともあり寝技の展開を捌くことには成功していたが、トップ系のファイターへの対応力は未知数だ。

つまりテムーレンに組みの展開に持ち込まれると、跳ね返せずにコントロール&パウンドという攻撃を受ける可能性は十分にあるということ。と同時にアグレッシブ、パワフル&スラッピーなテムーレンの打撃に対して、前に出てくる相手だからこそ南の間合いを取る能力と、踏み込みの速さという武器が最大限に生きることも絶対だ。

無敗のファイターだけが持つ真っ新な勢いと、だからこそ見えていない欠点。この両方を併せ持つ南と後がないテムーレンの戦い、初回4分までに南が決めることができるのか。その辺りがこの両者の対決の分水嶺になるやもしれない。

2月スタートのフライ級王座決定トーナメントのようにアジアのフィーダーショーを目指すGLADIATORでは、ステップアップを図る選手のトーナメント離脱に関して、もろ手をあげて歓迎しているという事実がある。

よって今回のフェザー級挑戦者決定トーナメントも、トーナメント戦特有の勝者の負傷欠場だけでなく勝者のステップアップという事態も考慮しリザーブ戦が組まれた。チハヤフル・ズッキーニョスに敗れているハンセン怜雄とパク・サンヒョン、中川晧貴に判定負けを喫した水野翔にとってはトップ戦線に割り込む資格を争うサバイバル戦という見方ができる。

いうと代替出場がなるかは誰にも分からない。とはいえトーナメント出場3選手がグラジのフェザー級戦線の1部リーグファイターとすれば、今回のリザーブ戦で勝てば──トーナメント初戦敗退組と入れ替え戦に挑む資格を得ることができる。それだけにリザーブ戦から白熱の勝負が繰り広げられるだろう。

なおプレスリリースに寄せられた6選手の今回の試合に向けての抱負は以下の通りだ。

テムーレン・アルギルマー
「久々にGladiatorで試合が出来ることになり、とても嬉しくてワクワクしている。相手の南選手は5月大会で私に対戦要求をしていたが、彼はまだ私のレベルには達していない。7月12日の対戦を楽しみにしているので、しっかり練習してきて欲しい。試合当日、彼は悪夢を見ることになるだろう」

南友之輔
「自分のポテンシャルを引き出してくれる相手と試合できるのを楽しみにしています。最高のKOを見せられるよう当日まで準備します」

ハンセン怜雄
「今回の試合はトーナメントの補欠戦なので、勝ってもトーナメントに出られるかはわからないですが、トーナメントに出られれば優勝出来ると思っています会場で観ている人にもそう思ってもらえる試合をします。今大会はフェザー級の試合も多いですが1番面白い試合をして勝ちます!」

パク・サンヒョン
「先ず、グラジエイター26の敗北にも関わらず、7月7日の大会にもお声がけ下さったGLADIATOR関係者の方々、誠にありがとうございます。前回はズッキーニョス選手との試合に自信を持って応じましたが、準備期間が短いせいなのが、体が思う通りに動かず負けでしました。私を信じてチャンスを下さった方々には申し訳が無い結果で本当にすみませんでした。今回の相手、ハンセン選手は打撃が得意なストライカーです。自分も一応、打撃に自信があるストレイカーの端くれなので良い試合になるかと思います。精一杯頑張りますので応援宜しくお願い致します」

水野翔
「今回フェザー級トーナメント補欠戦ですが、ここでしっかり勝ってトーナメントにいつでも出られるように準備します。デビュー4連勝から前回、初めての負けを経験しましたがまだまだ勢いは止まっていません!」

田口翔太
「この度はフェザー級トーナメントの補欠戦出場の話を頂きありがとうございます。選ばれたからには必ず勝利し自分がダークホース的存在になれるようしっかりと結果を出します。当日はKO決着にて自分が勝ち取ります」

■Gladiator027視聴方法(予定)
7月7日(日)
午後12時30分~ THE 1 TV YouTubeチャンネル

■Gladiator Challenger Series02視聴方法(予定)
7月12日(金)
午後6時30分~ THE 1 TV YouTubeチャンネル

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【Gladiator026】MMA三戦目、木村柊也「対策をして試合でパフォーマンスを見せることが本当は得意」

【写真】取材時より9キロほど絞り、リカバリーは7キロほどを予定していると言う木村だった(C)MMAPLANET

本日5日(日)、豊中市の176BOXで開催されるGLADIATOR026。同大会で木村柊也が塩津良介と対戦する。
Text by Manabu Takashima

昨年12月のGladiator024での田口翔太戦でMMAデビュー、3月のGerachan68XBrave Figth31で2戦目=長男崇志戦と2試合連続初回KO勝ちを木村を修めている。合計試合タイムは驚異の1分58秒と、秒殺KO勝ちを飾っている。そんな木村は学生で全日本拳法総合選手権大会を2連覇した唯一の存在で、日拳史上最強の異名を持つ。

MMA三戦目に向け、まだ対戦相手が決まっていない状況でのインタビューで木村は調整&対策の大切さと、日拳のMMAでの生かし方、そして組み技の習得状況を話してくれた。既に一つの競技の頂点を極めた故の完成した格闘技観、木村柊也は半端なく只者でない感を醸し出している。


――プロ3戦目が5月5日のグラジエイターに出場する木村選手ですが、まだ対戦相手が決まっていないそうですね(※取材は4月4日に行われた)。

「相手が決まっていないので減量を始めることもできないですし、5月5日に戦うことは自分でも分かっているのですが、緊張感がないというのはあります。プロなので、もう少し早く相手が決まって欲しいです。プロだからこそ、2カ月や1カ月半をかけて相手の対策をして、その間の練習の成果をケージで出したいので。そういう部分で気持ちを入れるのが、大変だというのはあります」

――デビュー戦の時の準備期間は?

「ちょうど1カ月です。12月9日の試合で、11月9日にオファーがあり対戦相手も決まっていました。だから、すぐに減量を始めることもできました」

――対して3月のGrachanはライト級でしたが、それは対戦相手が決まらないということが影響していたのでしょうか。

「デビュー戦が終わって2日か3日後に、3月に試合ができることは決まっていました。それから他の試合が発表されても、自分は相手の候補すら名前は聞かされていなかったです。結局、試合の2週間前ぐらいに決まったのですが、ライト級というのが条件でした。

そこを自分が嫌うと、本当に対戦相手が見つからなくて試合ができないと思って受けました。今回も3月の試合後の1週間、10日後ぐらいに対戦相手込みでオファーはありました。自分も凄く嬉しくて『やります』と即答したのですが、その相手の選手がケガをしたみたいで……今、新しい対戦相手を探してもらっています」

――木村選手の評判の高さが、対戦相手が見つからないことに通じているのであれば、格闘競技の本質とは何かと考えてしまいます。

「自分は……そういう気持ちになったことがないので、分からないです。けど……それぞれがケージの中で自分の戦いを見せたいはずです。だから組みの選手は殴り合いをしたくなくて、自分とは戦いたくないとかあるのかと……」

――ならMMAでなく、グラップリングをしましょうよと言いたくなりませんか。

「いや、それはそういう風に思っているのかは分からないでので(笑)……う~ん、どういう気持ちでオファーを断るんですかね(苦笑)」

――と同時に日本拳法史上最強という肩書の持ち主です。いわば中村倫也級のルーキーだろうと。そうすると町道場でMMAを始めて2戦目や3戦目の選手に、木村選手と試合はさせられないと指導者が判断するのも致し方ないことかと。

「僕自身、プロ10戦ぐらいの人がどれぐらい強いのか見ていても分からないので、実際にケージの中に入って体感したいという気持ちはあります」

――押忍。ところで過去2試合では凄まじい勝ち方だけでなく、ヒヤッとする場面もありました。その辺り、どのように捉えていますか。

「自分としては、ヒヤッとすることはなかったです。決して殴られても殴り勝てば良いという考えではないですが、試合になると、視界が狭くなってしまって……デビュー戦の時はそうでしたね。

でも2戦目は慎重に行こうとして、インローから様子見をして『行けるな』と感じて仕留めに行きました」

――それが感覚で分かるものなのですか。

「そうですね。ある程度、分かりますね。20年やってきた日拳時代は向かい合った時に相手の距離、強さとか……苦手にしているところまで分かりました」

――危機察知能力もあるわけですね。木村選手がそのようになる試合をMMAでも早く見てみたい気もします(笑)。

「そういう強い人と戦う時こそ1カ月半、2カ月前のオファーが欲しいです。自分、相手の対策をして試合に出る……相手のことを知った上で、実戦でパフォーマンスを見せるのが本当は得意なんです。だから準備期間が欲しいというのはありますね」

――それが本当の木村柊也だと。

「そうですね、2週間前だと減量に集中しないといけないので。もっと準備期間があれば、もっと良いパフォーマンスを見せることができると思っています」

――「何が日拳最強だ。これはMMAだ」という感じの対戦相手が現れてほしいものです。

「それは僕も思っています。そして、そういう人を倒す自信もあります」

――おお!! ポイント制の日拳は、いえばずっと組みが続くことはなかったかと思います。そのなかでタイ人コーチとのミットや、首相撲……組みの打撃という練習をしていたことも気になります。

「ストライカーとしては、凄く良い練習になっています。テイクダウンを完全に切れなかった時、そこがヒジの距離だったりして。そこを知っているのと、知らないのでは全然違います。組みづらくなる技を教えてもらっています。そういう意味でも、凄く良い練習ができています」

――いわゆるゼロ距離。相手の組みへの対処で、日拳も一瞬の担ぎ技、崩し技はあったかと思います。その辺りの日拳の組みがMMAに生きることはありますか。

「あります。やりあっているなかで、一瞬力を抜くとか。そうやって相手を崩して、足を掛けるだとか。最後に決めるのは瞬発力。そういう部分で、凄く生きています」

――その日拳の瞬発力、持久力が大切なエレメントとなるMMAでいかに落とし込めるのか。楽しみです。

「戦っている時に100の状態を続けることは絶対に無理です。なので抜くところは抜く、その切り替えをしっかりとすることで5分間でも問題なく戦えます。パンチの当たらない距離で力をそんなに入れることもないですし、自分の距離に入った時だけ100パーセントの力で打ちます」

――そこがもう体に染みついているわけですね。

「そうですね。考えるのではなくて、その距離になった時に『当たる』という感覚で動いています」

――それはもう本能のようで、タイムラグがなくなりそうです。

「だからこそ自分の踏み込んで効かせる打撃を使い、相手が倒れなかった時は近い距離にいるのでムエタイの練習で身に着けた……あの距離でのミドル、ヒザ、ヒジを使えると思います」

――体の使い方は違うかと。

「ハイ。でも、戸惑うことは今のところはないです。基本は違うけど、やっていることは同じ。自分の持っているスタイルに、指導を受けたことを組み合わせるために調整をする。そのアジャストも自分の感覚です。

自分のスタイルがなくて、色々と教わったことを採り入れると試合で何をやれば良いのか分からなくなるはずです。まずは自分のスタイルを理解したうえで、色々と教えてもらう。だから自分の打撃に組み合わせる。そうでないと、教えてくれた人のスタイルになるだけです。自分のスタイルに、他に人のスタイルを嚙み砕いて採り入れる。それをずっとやっています」

――組み、寝技に関してはいかがですか。

「まずは基本です。打撃も足の位置、重心の位置という基本がなっていないと良いパンチは打てないです。現時点で組み技は基本通りにやっています。ここから自分のやりやすい動きが出てくるはずなので。そのために打ち込みをやって、スパーリングで確認しています。」

シングルやダブルに入られたときに、どう対応するか。何をやるかが決まっているので、それ以外の動きはしない。そうしていると自分でもなぜか分からないのですが、バランスが良くなっているように感じます」

――今日も原口伸選手のバックを正対していました。

「アレはたまたまです(笑)」

――ハハハハ。一つのスタイルを究めた強さが、本当に木村選手からは感じられます。では大阪でどのような試合をしたいのか、教えていただけますか。

「KOしか狙っていないです。判定は最初から考えていないので、試合が始まったら――相手の動きを研究して、一瞬にして落とす。それだけです。面白い試合をしていればチャンスが広がってくると思いますし、勝ち負けよりもまずは会場を沸かせる試合をしていきたいと思います」

■視聴方法(予定)
5月5日(日)
午後12時30分~ THE 1 TV YouTubeチャンネル

■GLADIATOR026対戦カード

<バンタム級/5分3R>
竹本啓哉:61.7キロ→61.65キロ
デッチプール:60.6キロ

<フライ級/5分3R>
山上幹臣:56.65キロ
今井健斗:57.1キロ

<フェザー級/5分3R>
中川晧貴:65.85キロ
水野翔:66.1キロ

<68キロ契約/5分3R>
チハヤフル・ズッキーニョス:68.35キロ
パク・サンヒョン:68.25キロ

<PROGRESフォークスタイルグラップリング64.4キロ契約/5分2R>
上田祐起:64.4キロ
江木伸成:61.75キロ

<フェザー級/5分2R>
木村柊也:66.15キロ
塩津良介:64.95キロ

<バンタム級/5分2R>
南友之輔:61.4キロ
秋田良隆:61.25キロ

<フライ級/5分2R>
古賀珠楠:57.15キロ
田中義基:56.85キロ

<ライト級/5分2R>
磯嶋祥蔵:70.4キロ
都市弦介:70.25キロ

<フライ級/5分2R>
大月宣樹:60.65キロ
カーヴィ:60.55キロ

<バンタム級/5分2R>
ルキヤ:60.0キロ
小見山瞬:61.35キロ

<フライ級/5分1R>
伊藤琥大郎:56.4キロ
塩谷尚也:56.0キロ

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【DEEP Nagoya Impact2024#02】MMAデビュー戦で富松恵美と対決、マユミGSB「完全に制圧して勝つ」

【写真】マユミ・グラップリングシュートボクサーズジムとヌルマゴスタイルMMA(C)SHOJIRO KAMEIKE

7日(日)、愛知県春日井市のホテルプラザ勝川で開催されるDEEP Nagoya Impact 2024#02で、マユミ・グラップリングシュートボクサーズジムが富松恵美と対戦する。
Text by Shojiro Kameike

昨年8月、マユミGSBは須田萌里とのグラップリングマッチで勝利したことで、一気にその名が知られるようになった。そのマユミGSBが今回、MMAデビュー戦に挑む。試合直前の4月1日、所属するGSB公武堂MACSに尋ねると、そこには通常運転というべき緊張したマユミGSBの姿があった。ネガティブな言葉が並ぶ点は変わらない。しかし憧れのMMAに対して決意は固まった――と思われるが、如何に。


――昨年8月の初インタビューはリモートで、マユミ選手の緊張も伝わってきました。今回はジムに伺い対面でお話をお聞きするためか、若干は緊張も和らいでいるように感じます。

「アハハハ。すみません(苦笑)」

――須田戦以降はプロ、アマ含めて試合には出場していなかったのですか。

「出ていないです。基本的には試合に出たくないし、近くで大きな大会があっても興味がなくて……(苦笑)」

――では今回、どのような経緯でMMAデビューに至ったのでしょうか。

「(坪井淳浩GSB代表をチラッと見て)……断れませんでした」

坪井 え!? 僕の目が怖くて断れなかったんですか(笑)。

――アハハハ。

坪井淳浩GSB代表と。緊張しながらも信頼感がうかがえる(C)SHOJIRO KAMEIKE

「実は、最初は去年12月にDEEPでパク・シウ戦のオファーがあったんです。でも仕事の都合がつかず、そのオファーはお断りさせていただきました」

坪井 実際、DEEP以外からもオファーはあります。でも試合に出るか出ないかは本人の気持ち次第ですし、まず『MMAをやるなら打撃のスキルを上げたい』という希望もありました。僕としても本人の意思を無視して試合をやらせるつもりはなくて。

ただ、何をするにしても1回やってみないと分からないことは多いですよね。だから、まずはMMAの試合をやってみる。そこで今回は富松選手がオファーを受けてくれました。

――現在の打撃スキルはいかがですか。

「今回の試合が決まってからは多くて週4回、打撃の練習をしています。でも、自分では自信がないです。何年か前から打撃のクラスには出ていましたが、ずっと参加したり参加しなかったりで。特にグラップリングの試合が決まると、打撃の練習には参加しなくなりますし。クラスに参加するのは、気が向いたらという感じでした。今は試合用の打撃も練習していますが、とにかく恐ろしいですね……」

――何が一番恐ろしいのでしょうか。

「痛いし、人に殴られるのって怖いじゃないですか」

――反対にマユミ選手が殴ることができますし、相手も痛いです。

「……あまり人を痛めつけたいという気持ちがないです。打撃も相手をKOするためではなく、自分が優位な状態でグラップリングに持ち込めるようにと意識しています。何て言うんでしょうか――相手に殺されたくないから、打撃のスキルを上げておかないといけないと思っています」

――「相手に殺されたくないから、打撃のスキルを上げておかなくてはいけない」というのは、重要な意識だと思います。特にディフェンス面においては。

坪井 打撃については、特にこれまで打撃ありの試合をしたことがないと難しいですよね。僕としても、まずマユミさんは何が得意かと考え、そこにアジャストしていくように教えないといけない。打撃の基本をイチから10まで教えるということではなく、マユミさんが得意なことに繋げる打撃を教えています。オフェンスをさせることではなく、ディフェンスをさせることでもなく、マユミさんが得意なグラップリングに入るための打撃なので。

――前回のインタビューでは、元UFC王者カビブ・ヌルマゴメドフのファンだと仰っていました。打撃もスタンドだけでなく、グラウンドで削って仕留めるパンチも楽しみです。

「やっぱりトップから攻めるほうが好きです。もちろん次も『こういう試合ができたらなぁ……』とは考えていますが、そうなる自信はないです」

――ネガティブな感じは変わらないですが、試合となれば別人のようにアタックしていくので驚きです。対戦相手の富松選手はベテランMMAファイターです。

「私はデビュー戦なので経験の差はあると思いますし、それが心配で……。でも富松さんほどのキャリアがある方と試合ができるのは光栄です」

――試合前に対戦相手の研究はするほうですか。

「……カッコ悪いんですけど、試合映像を視るのが怖くて(苦笑)。『私もこうなってしまうのかなぁ』『これを食らってしまうのか……』と考えたりして。そんなにたくさんは視ていないです。さすがに全く視ないと怒られるかなと思って、何試合かは視ました」

――今もまだ試合への恐怖は拭えないのですか。それが緊張だったり、ドキドキワクワクだったり、というのは……。

練習仲間の朱里GSBと古林礼名。彼女たちが傍にいるとマユミGSBの表情も明るくなった(C)SHOJIRO KAMEIKE

「怖さと緊張だけで、ドキドキワクワクはないです。試合が決まると、練習も憂鬱になります。ずっと私は格闘技が好きで、ただ練習していただけなので……。でも今までプロの舞台で2試合させていただいて、試合することへの恐怖も少なくなっています」

――しかし本当に怖かったら、試合には出ないでしょう。オファーも断り続けるはずです。やはり試合に出ること、そしてMMAに憧れはあったのではないですか。

「やっぱりMMAに対して、憧れはメチャクチャありました。格闘技が好きで、UFCが好きでジムに入ったので。でもずっとUFCファンとして格闘技をやっていただけで、いざ試合となると今は怖さのほうが勝ってはいます。ジムに入った頃は、自分が選手になるとは想像していませんでしたし、まだファンの気持ちが強いです」

――ただ、前回のインタビューの時と比べて顔つきは変わっているように思います。ファイターの顔になりつつあるといいますか。

前日計量では全選手がクリア(C)DEEP

「え、そうですか」

坪井 おぉ、試合に向けて腹を括ったかな。マユミさんのように、たまに試合に出てバシッと勝つような職人タイプもいて良いと思うんですよ。

――しかも、試合スタイルはヌルマゴで。

「ヌルマゴみたいになれたら良いなぁ、とは思います。でも私にはバックボーンも何もないので。もともとレスリングや柔道をやっていたわけではなく、あんなフィジカルもありません。ただ、相手に何もさせずに制圧する試合はカッコ良くて憧れです。何もさせずに一本勝ちしたいし、判定勝ちでも相手を完全に制圧して勝ちたいです」

■視聴方法(予定)
4月7日(日)
【NAGOYA FIGHT FES】ナゴヤファイトフェス YouTubeチャンネル
1st ROUND 12時30分開始
2nd ROUND 17時30分開始

■DEEP Nagoya Impact 2024 1st ROUND対戦カード

<フライ級/5分2R>
中西哲生(日本)
松岡疾人(日本)

<ストロー級/5分2R>
多湖力翔(日本)
鶴斗(日本)

<75キロ以下契約/5分2R>
小林ゆたか(日本)
岡田充広(日本)

<フェザー級/5分2R>
宜野座ケビン(ペルー)
田口翔太(日本)

<バンタム級/5分2R>
野木崇政(日本)
岩翔哉(日本)

<アマチュアルール ライト級/3分2R>
真野亜三瑠(日本)
松川翔音(日本)

<アマチュアルール フライ級/3分2R>
谷口仁歩(日本)
山田悠太(日本)

<アマチュアルール バンタム級/3分2R>
時任流架(日本)
倉冨立聖(日本)

■DEEP Nagoya Impact 2024 2nd ROUND対戦カード

<バンタム級/5分2R>
吉田陸(日本)
切嶋龍輝(日本)

<女子51キロ契約/5分2R>
富松恵美(日本)
マユミ・グラップリングシュートボクサーズジム(日本)

<ライト級/5分2R>
今村滉(日本)
河添幹斗(日本)

<フライ級/5分2R>
廣瀬裕斗(日本)
加藤聡志(日本)

<バンタム級/5分2R>
Ryoma(日本)
脇田仁(日本)

<バンタム級/5分2R>
Akiyoshi(日本)
土本暉弘(日本)

<アマチュアルール バンタム級/3分2R>
熊澤愛希也(日本)
平山稔和(日本)

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【Gladiator025】モンゴルの新鋭オトゴンバートルと対戦、久保健太「大人として、面白く持っていく」

【写真】 昨日の計量での両者(C)MMAPLANET

本日、もう1時間後には大阪府豊中市の176boxで戦いの火蓋が切って落とされるGLADIATOR025。同大会で実施されるフライ級王座決定トーナメント準々決勝で久保健太が、オトゴンバートル・ボルドバートルと対戦する。
Text by Manabu Takashima

現在41歳、プロデビューは36歳の時。それ以前、ヤンチャの道で頂点を極め、地下格との出会いで人生を軌道修正した。優れた距離感覚と当て感、身を守る術が備わっている久保健太のMMA道と今回の試合への意気込みを訊いた。


――41歳ということですが、私が初めて久保選手の名前を認識させていただいたのが鶴屋怜選手と戦った時でした。怜選手のお父さん、鶴屋浩さんが「プロテクトとか言われているけど、久保選手は凄く打撃が強くて。厳しい試合なんですよ」と言われていて。そして久保選手のことを改めて調べると、プロデビューが36歳でした。

「そうなんですよ、意外と遅咲きのプロデビューで」

――意外というか、ありえないと感じました。

「アハハハハハ」

――そもそもMMAを始めるきっかけは何だったのでしょうか。

「幼少期から少林寺拳法を7年間やっていて、そこから道を反れて不良になり。道を戻すきっかになったのが、地下格闘技でした。それが27歳、28歳の頃で。自分には武道の経験もあるので、行けるだろうと。友達と車に武具を積んで見様見真似で公園で練習を始め、柔道の経験のある友達、ボクシングで高校と大学で全国大会に出場している幼馴染がいたので教わったり……。そこから小さな倉庫、そして少し大きな倉庫、それから自分のジムになった形です。

地下格闘技は階級とかもないので、今よりも10キロほど軽くて。相手に打撃を食らわせても、判定で負けるということがデビューした頃にありました。そういう敗北から、負けん気の根性でずっとやってきて、地下格闘技の中盤……後半にGSB多治見さんに出会って所属させてもらうようになりました。そうやって今に至るという感じですが、自分でやっていた期間は何年も遠回りしたと思っています」

――道を外していた時期に、戦いに必要な素養を身に着けたという感覚はありますか。

「そうですね……。地元でヤンチャをしていましたので、駆け引きなどを含めてMMA。それは自分に合っている。自分ならいけるとは思っていました。ヤンチャの方でも天辺の方に行った経験もありましたので」

――ハハハハ。天辺ですか(笑)。

「そういう感覚を掴むことはできましたね。でもヤンチャすぎて、回りが離れて行って。その時に色々と気づいたこともあり、出会ったのが地下格闘技だったんです」

――20代半ばまでヤンチャというのは、正直なところなかなか痛いですね(苦笑)。

「20代前半です(笑)」

――あまり変わらないかと……(苦笑)。

「暴走族は年頃までやって、それからチーマーとか……絡まれることがあると、自分から入っていったり。ただ痛い目にあったことがないので……そういうところは自分は万能なのかと。不良をしながらもスポーツも続けていましたし、タバコを吸ったことも一度ないです。お酒を買ったのも、最近になって配信のイベントだけで。お酒も飲まないです」

――体には健全な道の外し方だったのですね(笑)。

「ハイ(笑)。酔っぱらったことがないです」

――でも腕っぷしには自信があったと?

「そうですね。少林寺拳法の護身という部分が役に立ったのか、防御能力にはもともと優れていまして。まだボコボコにされたことがないんです。だから、ボコボコにされたときが身を引く時とか思ったりしています。

自分……集中すると一つのことにのめり込むタイプなので。プロデビューしてからも月・火・水・木・金・土と毎日練習して、1週間とか休んだこともないです」

――GSBで練習をするようになってから、それ以前と違いはありましたか。

「不良だった時の後輩で、僕の前では直立不動の姿勢を取っていた石田雄大選手とか、梶田髙裕先生とかプロでやっている人たちには全く歯が立たなかったです。全然、話にならなかった。最初の頃は悔しくて半泣き状態でした。ただ地下格闘技の実績から、先生も『いけるかもしれない』と思ってくれたようです。記録に残っていないのですが、名古屋でDEEPで隣のジムに所属している若い子とプロデビューで戦って……判定負けしました。大泣きして、そこからですね――本当に目覚めたのは」

――久保選手といえば、やはり勝負度胸が印象深いです。

「少林寺拳法の防御、不良時代の駆け引きというものがあるのですが、緊張もしますし、試合は怖いです。実際、やりたくないです。でも練習を思い切りすることで自信に変え、応援の声に背中を押されて戦うことができています」

――そんな久保選手のプロキャリアですが、GLADIATORでは地方大会で地方の選手と戦うという次元でない試合を経験するようになりました。

「チェ・ドンフン選手は距離感、感覚とも自分に似ていると感じました。若いけど、本当に強いと試合前から思っていて。実際に戦うと、丁寧で華麗で。そこそこの選手では勝てない。フィニッシュがないとか言われていたそうですが、そういう選手はチェ・ドンフン選手と戦うとカウンターを合わせられてボコボコにされますね。読みが凄くて……正直、あの負けでトーナメント出場はないと思っていました。

どういう流れか分からないですけど、次のチャンスをいただいて気合が凄く入っています」

――韓国の新鋭に続き、モンゴルの新鋭であるオトゴンバートル・ボルドバートルが相手となりました。

「ベースがレスリングで、実績もある。所属ジムの先生が相手がいないと言っていることも聞いています。強い選手だということは、もう承知しています。これまで鶴屋怜選手、中西テツオ選手など組みの強い選手と戦ってきました。そこは僕の経験値で、どれだけレスリングが凄くても簡単に組まれて極めに持っては行かれないぞ、と。

加えて僕も組みの方は成長していますし。ただ。相手のスタイルを考えると自分の戦い方も決まってくるのかと思っています。トーナメント戦でもあり優勝を目指してやっていきたいのですが、まずは初戦。オトゴンバートル選手のことだけを考えて、勝ちにこだわって……ベタな試合になってしまうかもしれないですが、しっかりと自分の戦い方で勝ちたいと思っています」

――勝ちにこだわる姿こそ、格闘家だといえるかと。

「本当にドロ試合になってでも、ジャブで制して……。ワンツー・スリー、フォーなんて突っ込むともう向こうがやってくることは分かっています。そこをしっかりと大人として、面白く持っていくことができるように頑張りたいと思います」

■視聴方法(予定)
3月3日(日)
午後12時30分~ THE 1 TV YouTubeチャンネル


■Gladiator025計量結果

<GLADIATOR暫定ライト級王座決定戦/5分3R>
田中有:70.15キロ
ジョン・ハングク:71.10キロ→70.9キロ

<Gladiatorフライ級王座決定T準々決勝/5分3R>
NavE:57.1キロ
藤沢彰博:56.8キロ

<Gladiatorフライ級王座決定T準々決勝/5分3R>
久保健太:57.05キロ
オトゴンバートル・ボルドバートル:56.95キロ

<Gladiatorフライ級王座決定T準々決勝/5分3R>
イ・スンチョル:56.4キロ
ツェルマー・オトゴンバヤル:57.1キロ

<フェザー級/5分3R>
チハヤフル・ズッキーニョス:66.15キロ
石田拓穂:66.1キロ

<フェザー級/5分3R>
ハンセン玲雄:66.2キロ
桑本征希:66.05キロ

<バンタム級/5分3R>
藤原克也:61.05キロ
上荷大夢:61.4キロ

<フェザー級/5分2R>
水野翔:66.05キロ
福田泰暉:65.65キロ

<バンタム級/5分2R>
吉田開威:61.3キロ
土本暉弘:61.65キロ

<フライ級/5分2R>
宮川日向:57.15キロ
八木祐輔:56.85キロ

<フライ級/5分2R>
澤田政輝:56.6キロ
田中義基:56.35キロ

<ライト級/5分2R>
八木敬志:70.05キロ
磯嶋祥蔵:70.4キロ

<フェザー級/5分2R>
田口翔太:65.95キロ
髙橋惺哉:67.85キロ

<バンタム級/5分1R>
ルキヤ:59.55キロ
岩田虎之助:60.95キロ

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【Gladiator025】イ・スンチョルとフライ級王座決定T準々決勝、オトコンバヤル「パンチで打ち勝ちたい」

【写真】リカバリーはどれぐらいなのか、気になる (C)MMAPLANET

3月3日(日)、大阪府豊中市の176boxで開催されるGLADIATOR025。同大会ではフライ級王座決定トーナメント準々決勝が3試合組まれている。
Text by Manabu Takashima

日本人対決が1試合、日本人×モンゴル人が1試合、そしてモンゴル人×韓国人が1試合とアジアのフィーダーショーを目指すグラジらしい3つの準決勝だ。そのモンゴル×韓国対決でイ・スンチョルと対戦するのがツェルマー・オトゴンバヤルだ。

昨年11月にBloom FCで上田将年に判定負けを喫したオトコンバヤル――捲土重来のグラジ初出場に向け、その心境を尋ねた。


──3月3日、GLADIATORフライ級王座決定トーナメント準決勝でイ・スンチョルと対戦するオトコンバヤル……ですが、激しい練習がその青タンに合われていますね。

「今日は(※取材は2月17日に行われた)、こんな顔なのでサングラスをかけたほうが良いでしょうか」

――いえいえ、大丈夫です(笑)。サングラスをかけている方が、怖い人かと思われます(笑)。

「(微笑)」

――今回のオファーを受けた時、どのような気持ちでしたか。

「本当に嬉しかったです。この試合機会を与えてくれた関係者の皆さんに感謝したいです」

――やはり昨年11月にBloom FCで上田将年選手に敗れ、日本で戦うチャンスが無くなったという想いだったのでしょうか。

「そんな風には考えないようにしていました。あの試合で負けた後も、いつかまたチャンスが来るかもしれないと練習だけは続けてきました」

――上田選手との試合では三角絞め、腕十字を耐える気持ちの強さが見えた一方で、攻撃面では攻勢に出ることができなかったです。

「初めて日本で試合ができるチャンスを貰ったことが嬉しかったです。その機会をモノにしたいと思って、試合を諦めることは絶対にできませんでした。打撃で勝負をするつもりでしたが、上手く捌かれて寝技に持ち込まれました。そこからは上田選手の寝技の巧さ、技術的な巧さを感じました。組み技、寝技を向上させる必要があるとあの試合で学びました。ベテラン選手の巧さを感じましたね」

――では帰国してから、組み技の練習の比重を増やしたなどありますか。

「自分が弱いと思ったレスリング、寝技の部分を振り返ったうえでダムランプレウ先生と話し合って、練習に取り組んできました。加えて柔道やレスリングのトレーニングも取り入れました」

――ところで次の試合は日本のベテランではなく、韓国の新鋭選手との試合になりました。

「試合の映像をいくつか見ましたが、動きが速くて攻撃的な選手です。スタイル的には似ている部分があると思います。イ・スンチョル選手との試合は噛み合いそうなので、自分のスタイルで殴り合い、このチャンスを生かしたいです」

――殴り合いになると、自分のモノだという気持ちがありますか。

「近い距離で打ち合いに持ち込めたら、自分が勝ちます。上田選手との試合は、組まれたくないという気持ちが強くなり、距離が遠くなってしまいました。遠い距離なりに打開できたかと思いますが、自分が思うような戦いができなかったです。

なのでイ・スンチョル選手にはパンチで打ち勝ちたいです。ただし、どういう風に攻めてくるのか分からないので、立ち技でも寝技でも対応できるよう練習はしてきました。可能なら早い時間帯で、勝負を決めたいです。勝つのはもちろんですが、お客さんが喜ぶ激しい試合をしたいので、イ・スンチョル選手はこの気持ちに応えてほしいです。本当に日本で戦うチャンスを与えてもらい感謝しています。その期待に応えるような試合をします」

■視聴方法(予定)
3月3日(日)
午後12時30分~ THE 1 TV YouTubeチャンネル


■Gladiator025計量結果

<GLADIATOR暫定ライト級王座決定戦/5分3R>
田中有:70.15キロ
ジョン・ハングク:71.10キロ→70.9キロ

<Gladiatorフライ級王座決定T準々決勝/5分3R>
NavE:57.1キロ
藤沢彰博:56.8キロ

<Gladiatorフライ級王座決定T準々決勝/5分3R>
久保健太:57.05キロ
オトゴンバートル・ボルドバートル:56.95キロ

<Gladiatorフライ級王座決定T準々決勝/5分3R>
イ・スンチョル:56.4キロ
ツェルマー・オトゴンバヤル:57.1キロ

<フェザー級/5分3R>
チハヤフル・ズッキーニョス:66.15キロ
石田拓穂:66.1キロ

<フェザー級/5分3R>
ハンセン玲雄:66.2キロ
桑本征希:66.05キロ

<バンタム級/5分3R>
藤原克也:61.05キロ
上荷大夢:61.4キロ

<フェザー級/5分2R>
水野翔:66.05キロ
福田泰暉:65.65キロ

<バンタム級/5分2R>
吉田開威:61.3キロ
土本暉弘:61.65キロ

<フライ級/5分2R>
宮川日向:57.15キロ
八木祐輔:56.85キロ

<フライ級/5分2R>
澤田政輝:56.6キロ
田中義基:56.35キロ

<ライト級/5分2R>
八木敬志:70.05キロ
磯嶋祥蔵:70.4キロ

<フェザー級/5分2R>
田口翔太:65.95キロ
髙橋惺哉:67.85キロ

<バンタム級/5分1R>
ルキヤ:59.55キロ
岩田虎之助:60.95キロ

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【Gladiator025】最初で最後――にさせないための凱旋マッチ、藤沢彰博「綺麗に決着がつくように」

【写真】MMAファイターとしては日本生まれ、タイ育ちの藤沢。(C)MMAPLANET

本日3日(日)、大阪府豊中市の176boxで開催されるGLADIATOR025でプロMMAでは初めて日本での試合を迎える藤沢彰博。
Text by Manabu Takashima

フライ級王座決定トーナメント準々決勝で元王者NavEと対戦する藤沢は、タイでプロMMAにデビューしONEでも戦った経験があるが、日本でプロMMAを戦ったことはなかった。その藤沢、今回の凱旋マッチを負ければ最後という覚悟で挑む。


――3月3日にGLADIATORでNavE選手との対戦が決まりました。日本でプロのMMAの試合は初めてになります(※取材は2月11日に行われた)。

「そうですね。キックは2試合ほどやっていて、それももう10年以上前です(苦笑)」

――今回、オファーがあった時はどのように思いましたか。

「もう、そろそろ自分のキャリアも終わりに差し掛かっている。このタイミングでお話をいただいて、強い相手と当ててもらえる。なんか、爪痕を残したいというか。日本人なんで、日本の格闘技ファンに何か見せることができれば――と思って受けました」

――フライ級王座決定トーナメント、ベルトが懸かった試合の一歩でもあります。

「トーナメントは勝ち進めば、試合を連続でしないといけないのですが……実は、そこはちょっと分からないんですよ」

――えっ? どういうことでしょうか。

「実は今、バンコクで仕事をしているのですが、その職場の方からヨーロッパに行かないかという話があって。ただ、まだ時期や国も確定はしていない状況で……。格闘技ができる環境があれば続けたいとは思っています。もちろん勝てば次を見据えて、どこまで行けるのか。自分を試したいというのもありますし。

強そうなモンゴル人がいたり、フライ級の強い人を決めるという感じのトーナメントで。フライ級を盛り上げることができる、楽しみなトーナメントです」

――そのなかで日本人対決となりましたが、プロになってから日本人と戦うのは?

「初めてです、プロになってからは。アマチュアの時はありましたけど」

――外国人選手とここまで戦ってきたことが、役立つと思われますか。

「フィジカルという面では練習も含めて、外国人が相手だとビックリすることが日本人相手よりも多いと思います。なのでフィジカルで驚くことはないですけど、日本人選手は細かい技術を持っている選手が多いと思います。丁寧に綺麗に詰めてくる」

――ではNavE選手の印象を教えてください。

「キャリアもあって、元チャンピオンで。柔道ベースですけど、ウェルラウンダーでなんでもできる。打撃もできるという印象を持っています。立っても寝ても、こっちが上回れるように意識して練習をしています」

――さきほど、仕事の関係で欧州へ行くかもしれないという話もありましたが、結果によっては進退も考えるということでしょうか。

「当然、負けたら終わりという感じです。勝って次があるとかってなると、その時の状態で考えないといけないですけど、負ければMMAの選手としては一線を引こうという気持ちでやっています」

――その決意を淡々と話されているので……逆に驚かされてしまいます。

「そうですか(笑)。ホント、年も年で軽量級は反射神経や瞬発系が落ちてくるとしんどいというのは練習をしていても感じているので。ただタイミング的にお話をいただいて、迷ったところもあったのですが、最後に何かやりたいという気持ちがあって。日本だし、相手も強いし、これはちょっと何か見せたいので……負けたら、終わりっていうところですよね」

――今回、藤沢選手はタイ代表という見方もされています。

「日本のMMAと違うモノを見せたいというのもあります。日本で格闘技を始めたのですが、海外でずっと外国人選手とやってきて……シンガポール人とか海外の選手に教わってきたので。何かちょっと日本とは違う技術体系があると思うので、そういうモノを出すことができれば良いですね。もちろんタイ代表という見方をされるのは光栄です」

――その気持ちは内包して、どのような試合をNavE選手相手にしたいと考えていますか。

「僕は勝っても負けても判定がないので、倒すか、倒されるか。極めるか、極められるか。そんな風に綺麗に決着がつくようにとは思っています。日本のMMAファンの方は、あまり馴染みがないと思いますが――覚えてもらえるようにインパクトを残せるような勝ち方をしたいと思って戦います」

■視聴方法(予定)
3月3日(日)
午後12時30分~ THE 1 TV YouTubeチャンネル


■Gladiator025計量結果

<GLADIATOR暫定ライト級王座決定戦/5分3R>
田中有:70.15キロ
ジョン・ハングク:71.10キロ→70.9キロ

<Gladiatorフライ級王座決定T準々決勝/5分3R>
NavE:57.1キロ
藤沢彰博:56.8キロ

<Gladiatorフライ級王座決定T準々決勝/5分3R>
久保健太:57.05キロ
オトゴンバートル・ボルドバートル:56.95キロ

<Gladiatorフライ級王座決定T準々決勝/5分3R>
イ・スンチョル:56.4キロ
ツェルマー・オトゴンバヤル:57.1キロ

<フェザー級/5分3R>
チハヤフル・ズッキーニョス:66.15キロ
石田拓穂:66.1キロ

<フェザー級/5分3R>
ハンセン玲雄:66.2キロ
桑本征希:66.05キロ

<バンタム級/5分3R>
藤原克也:61.05キロ
上荷大夢:61.4キロ

<フェザー級/5分2R>
水野翔:66.05キロ
福田泰暉:65.65キロ

<バンタム級/5分2R>
吉田開威:61.3キロ
土本暉弘:61.65キロ

<フライ級/5分2R>
宮川日向:57.15キロ
八木祐輔:56.85キロ

<フライ級/5分2R>
澤田政輝:56.6キロ
田中義基:56.35キロ

<ライト級/5分2R>
八木敬志:70.05キロ
磯嶋祥蔵:70.4キロ

<フェザー級/5分2R>
田口翔太:65.95キロ
髙橋惺哉:67.85キロ

<バンタム級/5分1R>
ルキヤ:59.55キロ
岩田虎之助:60.95キロ

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【Gladiator025】草原のモカエフ、モンゴルのフューチャー=オトゴンバートル「久保選手は父親世代」

【写真】百戦錬磨の久保健太に対して、どのようなMMAを見せることができるか (C)MGL-1FC

3日(日)、大阪府豊中市の176boxで開催されるGLADIATOR025では、2月16日のGLADIATOR CHALLENGER SERIES01に続き、フライ級王座決定トーナメント準々決勝が3試合組まれている。
Text by Manabu Takashima

元王者NavE。タイ在住で初めての凱旋試合となる藤沢彰博。チェ・ドンフンと並ぶ韓国の新鋭イ・スンチョル。そしてモンゴルからツェルマー・オトゴンバヤル、久保健太と対戦するオトゴンバートル・ボルドバートルの2選手が出場する。

昨年5月にモンゴルを訪れた中村倫也が「めちゃ負けず嫌いで、レスリングが強い。キャリア序盤に無理をして変なダメージを溜めることがないと、かなり上に行きそうです」とポテンシャルを認めるのが、プロ2戦目のオトゴンバートルだ。

IMMAFアジア大会2位、レスリングをベースに1年半に渡りジャダンバ・ナラントンガラグの下でMMAを学び、1月にプロデビューを果たしたばかり。草原のモカエフ──そしてモンゴルのフューチャーこと、オトゴンバートルに話を訊いた。


──昨年の5月にシャンダスMMAで練習を見させていただいた時と比べると、髪の毛が伸びましたね。

「切ろうかと思っていたのですが、練習に集中しすぎで散髪に行くことができなかったんです(笑)」

──なるほどです(笑)。1月にMGL-1FCのおけるプロデビュー戦で勝利しました。プロデビュー戦を終えて、どのような気持ちでしたか。

「1月のMGL-1FCで試合をしたのは、イレギュラー的でした。本来はIMMAFの世界大会で戦うつもりだったのですが、ビザが間に合わず出場できなくなりました。今度はどうしようかとナラントンガラグ先生と相談したところ、『世界大会にいけないのであれば、プロデビューをしたらどうか』とアドバイスをもらい出場を決めたんです。

MGL-1FC20が12月初旬から1月に延期されたのですが、対戦相手(ツォグトゲレル・ニャムゲレル)は予選から勝ち上がってきた選手で気合いが入っていました。得意の組み技で勝負するという作戦でしたが、一発貰ってしまいドタバタと組むような試合になってしまいました。結果的に勝つことができて良かったですが……」

──IMMAFはトーナメント戦ですが、1試合に集中して戦うことで何か違いはありましたか。

「やはりアマチュアとプロの大会は違いました。アマのトーナメント戦は1回戦の相手は、全くどういう選手が分からないです。だから対策の立てようがなく、探りながら戦う必要があって凄く難しいです。勝ち上がると、戦う相手の試合もチェックはできるのですが、やはり分からない相手と戦う難しさはあります。

プロの試合は1、2カ月前に相手が決まっているので、作戦を立て対策練習をして準備ができます。そこはまた違う難しさはあるとは感じていました」

──レスリングからMMAに転向したのは、どのような理由があったのでしょうか。

「自分は小さな時からUFCの試合を視てきて、いつかMMAをやりたいと思っていました。実はレスリングをする前に、ボクシングを少しだけ齧っていました。そこからレスリングに転向しましたが、ある程度の成功を手にしたらMMAをやろうという気持ちでいました。なのでMMAファイターになったのは、自然な流れです」

──正式にはいつ頃からMMAを?

「2022年の9月からMMAの練習を始めました。レスリングはきっぱり辞めて、MMA一本でやっていこうと思って。それでナラントンガラグ先生に習いたいと思って、2022年の6月にメッセンジャーで『先生の下で練習をしたいので、私を受けいれてもらえないでしょうか』と尋ねたのですが、全く返事が来なかったです(笑)」

──アハハハ。それで9月から練習を始めたということなのですね。返事が届かなかった間、他のジムで始めようとは?

「やっぱりナラントンガラグ先生の指導を受けたかったので、待っていました。もう1度メッセージを書こうか、直接ジムに尋ねようかと考えていた時に返答がありました。あとから聞いたのですが、先生にはものすごい数のメッセージが届くので、その中に埋もれてしまっていたそうです。で9月になって、自分が送ったメッセージに気付いて返信をくれたという流れです」

──3カ月も待つことができる。オトゴンバートルは気が長いのですね(笑)。

「自分はバヤンホンゴルという地方都市の出身なんですが、レスリングの練習ができたので返事を待っていました。あのまま返事がなければウランバートルに行って、直談判しようということも考えていました」

──詳しくは分かっていないのですが、モンゴルでは他の街とウランバートルは全然違うという話をよく聞きました。シャンダスMMAで練習をするということは、ウランバートルでの生活がスタートすることになるわけですが、戸惑いはなかったですか。

「最初は大変でした。地元で生活している時は、レスリングの練習をするのも歩いて数分の距離でした。それに家族もいて、何も不自由なことはなかったです。でもウランバートルに来ると、とにかく渋滞だらけで移動をするのが大変で。1人暮らしの環境創り、そして生活のリズムを掴むことにも苦労しました」

──現状は働きながら、練習をしているような形なのでしょうか。

「MMAの練習を始めた時は、仕事もしていました。今は幸運なことなのですが、スポンサー企業がついてくれて練習に専念し、仕事は免除されて給料を支払ってもらっています」

──フルタイムのプロMMAファイターなのですね。

「そうですね(笑)」

──そのなかでプロ2戦目にして王座決定トーナメント出場という現実、どのように考えていますか。

「こんな大きなチャンスが巡って来るとは、全く想像していなかったです。1月の試合後にすぐにオファーをもらった時は、ビックリしました。信じられなくて、ナラントンガラグ先生に相談したのですが、『挑戦したいなら、止めない。しっかりと自分で考えて結論を出しなさい』と言ってもらえました。結果的に、このオファーを受けることにしたのですが、全く想定していなかったです。ただし、今はこのチャンスをモノにして絶対にチャンピオンになれる。そう信じて、練習をしています。トライしたいのではなくて、結果を残すために戦います」

──では対戦相手の久保選手の印象を教えてください。

「試合映像は見ました。打撃が強い割に、判定勝ちが多いです。自分としてはレスリングがベースなので組みには自信があるのですが、打撃でも勝負したいと思っています。MMAファイターとして完成度をあげたいですし、打撃にも自信を持っているので」

──このベルトは同じチームのニャムジャルガル・トゥメンデムベレルが巻き、それをステップにRoad to UFCと契約。先日、UFCとサインに至りました。そのベルトを賭けて戦うことについてどのような気持ちですか。

「ニャムジャルガルさんとは当然のように、一緒に練習をする間柄です。そして『次のチャンピオンはお前だ』と言われています。もちろん、そのつもりです。次のチャンピオンは自分になると確信しています」

──ニャムジャルガルはグラジ初戦で7秒KO勝ちという衝撃を残しましたが、オトゴンバートルはどのような試合を日本でしたいと思っていますか。

「久保選手は自分のキャリアからも、組んでくると思っているはずです。でも自分は打撃でも勝負するつもりです。立ち技の激しい試合を日本の人達に見て欲しいです。こういうと失礼かもしれないですが、久保選手は自分の父親の世代、そういう年齢です。自分は久保選手より遥かに若いです。若い人間のスピードと勢いを見せつけたいです。なので久保選手にはしっかりと練習してきて欲しいです。激しく、興味深い試合をしましょう」

■視聴方法(予定)
3月3日(日)
午後12時30分~ THE 1 TV YouTubeチャンネル

■Gladiator025対戦カード

<GLADIATOR暫定ライト級王座決定戦/5分3R>
田中有(日本)
ジョン・ハングク(韓国)

<Gladiatorフライ級王座決定T準々決勝/5分3R>
NavE(日本)
藤沢彰博(日本)

<Gladiatorフライ級王座決定T準々決勝/5分3R>
久保健太(日本)
オトゴンバートル・ボルドバートル(モンゴル)

<Gladiatorフライ級王座決定T準々決勝/5分3R>
イ・スンチョル(韓国)
ツェルマー・オトゴンバヤル(モンゴル)

<フェザー級/5分3R>
チハヤフル・ズッキーニョス(日本)
石田拓穂(日本)

<フェザー級/5分3R>
ハンセン玲雄(日本)
桑本征希(日本)

<バンタム級/5分3R>
藤原克也(日本)
上荷大夢(日本)

<フェザー級/5分2R>
水野翔(日本)
福田泰暉(日本)

<バンタム級/5分2R>
吉田開威(日本)
土本暉弘(日本)

<フライ級/5分2R>
宮川日向(日本)
八木祐輔(日本)

<フライ級/5分2R>
澤田政輝(日本)
田中義基(日本)

<ライト級/5分2R>
八木敬志(日本)
磯嶋祥蔵(日本)

<フェザー級/5分2R>
田口翔太(日本)
髙橋惺哉(日本)

<フェザー級/5分1R>
向井琉綺弥(日本)
岩田虎之助(日本)

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45 AB Eternal MMA82 Gladiator Gladiator024 Gladiator025 KTT LFA MMA MMAPLANET NavE o ROAD FC Road to UFC UFC YouTube   イ・スンチョル ウェズ・キャッパー オトゴンバートル・ボルドバートル グスタボ・ウーリッツァー ジョン・ハングク チハヤフル・ズッキーニョス チャンネル ツェルマー・オトゴンバヤル ハンセン玲 ハンセン玲雄 ホン・ソンチャン マックス・ザ・ボディ 上荷大夢 久保健太 佐々木信治 八木敬志 吉田開威 桑本征希 澤田政輝 田中有 田口翔太 藤沢彰博

【Gladiator025】フライ級王座T3試合。メインは田中有✖韓国の名勝負製造機=暫定ライト級王座決定戦

【写真】この試合を乗り越えることで、マックス・ザ・ボディ戦の敗北も払拭したい田中(C)MMAPLANET

北は北海道から南は九州まで各週末でMMA大会が開かれるJ-MMA月間。3日(日)には北のMMAことPFCだけでなくアジアのフィーダーショー化を目指す活動が2年目に入るGLADIATOR本戦の2024年第1弾=Gladiator025が開催される。
Text by Manabu Takashima

16日の無観客&配信特化大会=GLADIAGOTR CHALLENGER SERIES01に続き、フライ級王座決定トーナメント準々決勝3試合が組まれた同大会、メインはGLADIATOR暫定ライト級王座決定戦=田中有✖ジョン・ハングクの一戦が組まれている。


昨年12月のGLADIATOR024で挑戦者決定戦=グスタボ・ウーリッツァー戦に勝利し、ケージの中でチャンピオン佐々木信治と握手を交わした田中だが、佐々木はRoad FC出場の話などがあり、今大会でのタイトル戦は実現しなかったという。

そこで挑戦者の資格を得ている田中が暫定王座に挑むこととなった。当初、対戦相手の一番手はKTT所属でRoad to UFCベテランのホン・ソンチャンであった。しかし、ホン・ソンチャンは今月10日のEternal MMA82で体重オーバーしたウェズ・キャッパーに判定負け。ダメージも考慮したうえで彼の出場は取りやめとなった。

その一方でジョン・ハングクはホン・ソンチャンが第一候補ということを承知のうえで、バックアップファイターとして3月3日に向けて調整を続けてきた。韓国の名勝負製造機=「信じて見るジョン」と呼ばれるアグレッシブかつ真っ向勝負が信条のファイターはキャリア10勝9敗2分ながら、Gentleman Flower FCとZEUS FCのライト級王座を持つことでタイトルを争うに相応しい実績の持ち主と認められた。

この他、プレリミながら3回戦で組まれたフェザー級のチハヤフル・ズッキーニョス×石田拓穂、ハンセン玲雄✖桑本征希戦はGLADIATORの原点といえる関西勢のサバイバルバトルだ。

なお19日に出されたプレスリリースに寄せられたタイトル戦に出場する両者のコメントは以下の通りとなっている。

田中有
「佐々木さんとのタイトル戦だと思っていましたが、誰が相手でも倒すだけです! なので何も問題ないです!

GLADIATORを背負い、LFAや世界の舞台に自分も挑戦したいです! まずは今回しっかり勝てるよう準備しています。皆さん、楽しみにしていてください」

ジョン・ハングク
「自分は韓国で”信じて見るジョン”と呼ばれるように、常に面白い試合をしています。どのような選手が相手でも、決して怯むことなく、血まみれになるような戦いを得意としています。

またそのような機会を心待ちにしていたところ、GLADIATORさんからライト級暫定タイトル戦の話を頂き、参戦を決意しました。有難いチャンスなので、既に私のことを認識している韓国のMMAファンだけでなく、日本のファンにも忘れられなくなる試合をしますので、ご期待して下さい。

田中君、お互い無傷で帰るは諦めましょう。タイトルマッチに相応しい試合しましょう。田中君の健闘を祈ります」

■視聴方法(予定)
3月3日(日)
午後12時30分~ THE 1 TV YouTubeチャンネル

■Gladiator025対戦カード

<GLADIATOR暫定ライト級王座決定戦/5分3R>
田中有(日本)
ジョン・ハングク(韓国)

<Gladiatorフライ級王座決定T準々決勝/5分3R>
NavE(日本)
藤沢彰博(日本)

<Gladiatorフライ級王座決定T準々決勝/5分3R>
久保健太(日本)
オトゴンバートル・ボルドバートル(モンゴル)

<Gladiatorフライ級王座決定T準々決勝/5分3R>
イ・スンチョル(韓国)
ツェルマー・オトゴンバヤル(モンゴル)

<フェザー級/5分3R>
チハヤフル・ズッキーニョス(日本)
石田拓穂(日本)

<フェザー級/5分3R>
ハンセン玲雄(日本)
桑本征希(日本)

<バンタム級/5分3R>
藤原克也(日本)
上荷大夢(日本)

<フェザー級/5分2R>
水野翔(日本)
福田泰暉(日本)

<バンタム級/5分2R>
吉田開威(日本)
土本暉弘(日本)

<フライ級/5分2R>
宮川日向(日本)
八木祐輔(日本)

<フライ級/5分2R>
澤田政輝(日本)
田中義基(日本)

<ライト級/5分2R>
八木敬志(日本)
磯嶋祥蔵(日本)

<フェザー級/5分2R>
田口翔太(日本)
髙橋惺哉(日本)

<フェザー級/5分1R>
向井琉綺弥(日本)
岩田虎之助(日本)

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【Special】J-MMA2023─2024、史上最強の日本拳法家=木村柊也「自分の人生なので自分の好きなことを」

【写真】一つの競技で日本の頂点にあるような選手は、競技特性とは別にフィジカル、勝負師としてプロ5戦ほどのレベルからのスタートでも良いのかと思ってしまう(C)MMAPLANET

2023年が終わり、新たな1年が始まるなかMMAPLANETでは2023年に気になった選手をピックアップ──過ぎ去った1年を振り返り、始まったばかりの1年について話してもらった。
Text by Shojiro Kameike

J-MMA2023-2024、第十二弾は史上最強の日本拳法家からMMAに転向、BRAVE所属の木村柊也に話を訊いた。

渡辺二郎、猪狩元秀、長島☆自演乙、中村優作などボクシング、キック、MMA界にハードパンチャーを送り出して来た日本生まれの総合武道=日本拳法の全日本最年少王者からMMAに転じた木村。明日のMMA日本代表候補に、まずは日本拳法家人生を尋ねた。

■2023年木村柊也戦績

12月9日 Gladiator024
○1R1分16秒 by KO 田口翔太(日本)


──木村選手に関して、中村優作選手から『同じ日拳出身でも、彼は僕なんかと比較にならない。ホンマの日本最強です』と聞かされたことがありました。私は日本拳法のことはほとんど理解できていないのですが、中村選手の言葉を聞いてどのように思われますか。

「嬉しいです(笑)」

──ハハハハハ。その評価という点においては?

「そこは日本拳法からボクシング、キックボクシグ、MMAに転向した選手がたくさんいますけど、そのなかでも日本拳法の実績では僕が一番だと思います」

──おぉ。木村選手が日拳をやり始めたきっかけは何だったのでしょうか。

「3歳の時に父が地元の道場で趣味程度で始めて。自分も父について遊び半分で道場に通うようになりました。中学3年生まで地元の道場でやって、高校は大阪の関西福祉科学大学付属高校に推薦で入学して、3年後にまた推薦で明治大学に進んで東京で日本拳法を続けていました」

──明治大学は中央大学と並んで、拳法の強豪大学だったと芳賀ビラル選手から伺ったことがあります。

「芳賀選手は自分は入学した時に、ちょうど中央大学を卒業されて入れ違いでした。僕らの時代は明治がずっと最強でした」

──中村選手がいうホンマの日本最強というのは、木村選手のどのような実績になるのですか。  

「全日本拳法総合選手権大会という大会があって、そこに出るには地方の大会で優勝やベスト4に入るなど結果を残さないと出られない──全国大会ですが、レベル的には世界大会のようなモノです。その大会で大学1年生の時に最年少で優勝をしました。プロレスラーの拳王さんが明治大学の先輩で。拳王さんが大学1年の時に勝って以来、自分が総合選手権史上2人目の最年少優勝になりました。それが2019年で、2年と3年の時はコロナで大会がなく4年の時に再開され、優勝できました。事実上の2連覇で、学生で全日本を2連覇した選手は過去にいないと思います」

──コロナがなければ4連覇だった?

「その自信はあります。全日本学生は3年の時に大会が復活したので、1年と3、4年で優勝しているので」

──日本拳法は無差別ですよね。どれぐらい大きな相手と戦うことがあったのですか。

「190センチで100キロとか」

──動ける選手たちなのですか。

「ハイ。自衛官の人たちなので、大きくて動けます」

──技術があって大きな選手を相手にしに、どのようにして勝つことができたのですか。

「日本拳法のルールをしっかりと知った上で、どう戦うのかを研究していたからだと思います。ただスピードだとか、力ということでなくて。ルールに則ったうえでスピードと力、技を使い分けること。それができないと、自分より大きなヤツには勝てないです。逆を言えば、そこをしっかりとやれば勝てます」

──ルールを把握して勝つ。木村選手の勝ち筋はどういうモノだったのでしょうか。

「自分は日本拳法ではオールラウンダーだったので、これといった必勝パターンはなかったです。相手に合わせる。相手が嫌がる攻めをする。トーナメントで1日7試合ほど戦うので、誰が上がってくるのかある程度予想をして映像のチェックもしていました。大体の対策をして、向かい合うと軽く調整して戦っていました」

──何度か稽古を見学させてもらったことがあるのですが、お面をつけてガンガン殴っているのでビックリしました。

「高校の時から週に6日、防具をつけてガンガン練習していました。自分もそれが当然だと思っていたのですが、大学になると防具をつけての練習が3日になりました。それから自分の成績も上がったんです。ずっと殴り合っていても……というのは、僕のなかでも思うようになりました」

──同時に素面でなく、面で効かす突きが凄く多いようにも見えて。あれは脳みそが揺れるぞ、と……。

「試合でも、相手が遠い距離だった場合はジャブで面を引っかけて、顔が空いたところにストレートで打ち抜くとか。そういう技術もありました」

──なるほどぉ。興味深い話をありがとうございます。ところで五輪などがない日本拳法という競技の頂点にいることに関しては、どのような想いがあったのでしょうか。

「国際大会があっても、日本人が一番強く、日本での大会が一番大きいです。今、言われたように五輪もないですし、日本拳法を続けても稼げない。実業団の大会も今も続いてはいますが、会社で趣味程度でやっているような印象があります。大会自体も小さな町の体育館で開かれているようで。本当に好きな人は警察や消防に行って拳法を続けている人も多いですが、競技一本という生活ではなくなります。

だからこそプロ格闘技の世界に進む人が、日本拳法では多いのかと……。自分も大学に入った時から、日本拳法は大学までと決めていました」

──では大学に進学した時からMMAを始めようと思っていたのですか。

「いえ最初は4年間やり切って警察なり、消防に進もうと思っていました。全日本総合選手権で優勝したときからですね。拳法で日本のタイトルを取ったので、次は世界を目指したい。世界って何かと考えると、MMAで戦いたいと思うようになりました。結局、自分の人生なので自分の好きなことをやりたい。今、やれることに挑みたいと」

──もうMMAをチェックしていた?

「いえK-1を見ていました。RIZINとかは見ていましたけど、本気で見たことはなかったです。ただ、自分の父親の知人が宮田(和幸BRAVE代表)先生と知り合いで。その流れで『BRAVEで練習するのはどうですか?』という流れになり、大学1年生の終わりにMMAをやりたいと思うようになったんです」

──では他のMMAジムの所属になる可能性は、ほぼなかったわけですね。

「BRAVE一択でしたね。大学2年の11月ぐらいに無理をしない程度ですが、BRAVEの練習に加わるようになりました。軽くレスリングやグラップリングの練習を行ける時に、する。そこまでガチガチのトレーニングはしていなかったです」

<この項、続く>


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【Gladiator024】日本拳法王者・木村柊也、右ストレートで一撃KO!MMAデビュー戦を飾る

【写真】宮田和幸率いるBraveからまた一人大型ルーキーがデビュー(C)MMAPLANET

<フェザー級/5分2R>
木村柊也(日本)
Def.1R1分16秒by KO
田口翔太(日本)

木村は日本拳法をバックボーンに持ち、全日本大会で2度優勝している猛者。今回がプロデビュー戦となった。

木村が突っ込む田口に右ストレートを当てる。これで後方に倒れる田口だが、すぐに立ち上がる。木村は右ストレートを打ち込み、離れた間合いから飛び込んで右ストレートを当てる。

さらに組みになると豪快な投げでテイクダウンする。ここでマウントポジションをとった木村だったが、上には乗りすぎてしまい、田口がそのまま立ち上がる。

試合がスタンドに戻ると木村は右カーフキックを2連発。そして強烈な右ストレートを叩きこむと、この一発で田口がばったりと崩れ、木村が衝撃的なKO勝利を収めた。

試合後、木村は「デビュー戦だったんですけど、バックボーンが日本拳法で、絶対に勝たなければいけないと思ってホッとしています」とデビュー戦を終えた心境を語った。


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