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【LFA117】LFA初陣、孤高過ぎる田中路教─01─「動きが2カ月前と比較しても、どんどん良くなっている」

【写真】角刈り返上。試合モードになってきた(C)MMAPLANET

5日(金・現地時間)、カリフォルニア州ヴァイセイリアのヴァイセイリア・コンベンションセンターで開催されるLFA117「Dias vs Tanaka」。イベント名にあるようについに田中路教が、LFA初陣に臨む。

対戦相手のヒカルド・ディアスはKINGS MMA所属のブラジリアン、キャリア10勝4敗ながらLFAでは連勝中で5月のジョージ・ガルシア戦ではヒザ蹴りでKO勝ちを収めている。

UFCで再び戦うことだけを考え、それでいて自分のスタイルをコンテンダーシリーズ的ファイトに寄せることが決してない田中に、この試合に向けての調整方法や対策について尋ねた。


──5日後にLFAデビュー戦が控えています。今はどのような心境でしょうか。

「いつものことなんですが、あまり実感がないというか。そこまで張り詰めた感じはしていないです」

──2019年3月以来、2年8カ月振りの実戦です。その前の試合が2017年10月だったと考えると、この4年で3試合目、異常ともいえる実戦の少なさと言わざるをえない状態です。

「そうですね。何年に戦ったか、僕もちょっと覚えていないです(笑)。ただ不安はないです。僕のキャリアを振り返ると、コンスタントに戦えた年ってないんですよね。PXCで戦っていた時(2012年11月から2013年10月までに4試合)と修斗の新人王トーナメント(2011年4月から同年12月8日までに3試合)ぐらいじゃないですか」

──その2年でキャリアの半分の試合をしていることになります……。

「それでも新人王トーナメントの時も1回戦がキャンセルになったりしていますからね。あの時は20歳だったんで、もう11年も前です(笑)」

──このブランクはやはり気になります。前回のウラジミール・レオンティプ戦でも思ったような試合ができなかったですし。

「あの試合のコンディションが悪かったのは、ブランクのせいではなかったです。それは今になって本当に痛感しています。それでも、次の試合で試合勘というものが関係してくるかもしれないですが、気にしてもしょうがないですから。とにかく集中するだけです」

──6週間の練習、1週間の休息というルーチンを確立している田中選手ですが、試合が決まってからもこの周期は変更ないのでしょうか。

「ちょうど試合のオファーが来たのが6週間前の休息期間中だったんです。次の週から試合のため練習を始めて、ここで6週間なので凄く良いタイミングで試合ができます。仕上がりに関しても問題ないと思います。良い感じで来ています。ただ……」

──ただ?

「自分の動きが2カ月前と比較しても全然良くなっているので、そこを纏めることに関しては少し戸惑いはありました。良い方に変わってきたのですが、打撃にしても成長している分だけ使えるコンビネーションとかが違ってくるので。そこをアジャストさせるのは、結構難しかったですね」

──2カ月で違いが実感できるほど、変わるものなのですね。

「ハイ、距離感とかどんどん変わってきています。良い時の感覚に、ファイトキャンプ中に戻ってきましたね。その距離感を今の自分の技に馴染ませるのに少し手間取ったというのはありますが、手応えは凄く感じています」

──普段は午前中のプロ練習だけで、午後はジムに行かないという生活スタイルになっていましたが、ファイトキャンプ期間もジムでの練習は午前中だけだったのですか。

「試合が決まってユライア(フェイバー)から、『今週中に2人で話そう』ということになってミーティングを行いました。ユライアがファイトキャンプのスケジュールを立てようということで、今回は2人で話して練習スケジュールを創りました。

1週間の細かい練習スケジュールを決めたのですが、ユライアから午後も練習をしろということはまず言われました。プロ練習は全て出て、午後からもミット打ち、ムエタイのクラス、ユライアとのプライベートレッスンという感じで練習してきました」

──田中選手は疲労の蓄積を嫌っていましたが。

「ユライアの考え方として、ファイトキャンプ中は疲労が溜まるもの。そういう揺らぎない考え方だったから、僕も徹底して追い込んできました」

──ユライアはUFCでもLFAでも、コンテンダーシリーズでも必ずと言って良いほどアルファメールの選手のセコンドに就いていますが、どの選手とも田中選手と同じような距離感で、試合まで創っているのですか。

「他の選手とどういう付き合いかは、正直分からないです。他の選手との関係は見ていないのですが、僕にはそういう風に接してくれています」

──いやぁ、本当にアルファメールにいることには拘っているのに、そこでの人間関係の構築に関しては本当に希薄ですよね(苦笑)。NYでの生活に戻った嶋田裕太選手とプライベートのやり取りをしている時に、「田中選手からセコンドのお願いをされたのですが、自分も翌週に試合があるから、カリフォルニアまで行くことはできなくて……どうしようか」という話を聞いて、アルファメールにセコンドを頼める人間もいないのかと愕然としました。

「アハハハハ。そんな大げさなモノじゃないですよ。1人、ジムの人間に頼もうと思ったら、用事があって試合当日しか来られないってことだったので、『あっ、嶋田君がNYにいるなぁ』と思って連絡したんです(笑)。でも試合があるからと言われて、それならしょうがないって。ユライアも試合当日に来てくれるのですが、やっぱり現地にいる3日間ぐらいって気を使わないですむ人といたいじゃないですか」

──こんなこと書いても良いのか、嶋田選手は「本当に大切な試合で、僕の力が必要ならここは力にならないといけない」とかって言いだしたので、「いや、嶋田選手は自分のためにNYに行っているのに」という会話になって……。

「いやぁ、それは嶋田君に申し訳なかったです。そんなに深刻にお願いしたわけでもなかったのに……(苦笑)。そりゃあ、トーナメントに出るならそこに集中してほしいですから。軽いつもりでお願いしてしまったから、本当に申し訳なかったです……。嶋田君に連絡をしたのは、やっぱり居心地の良い人間と一緒にいたいなって。確かに僕は友達がいないから……」

──友達がいない……。

「アハハハ。でも、皆そんなもんじゃないんですか」

──で、セコンドのほうは?

「結局、ユライアが勧めてくれた人が就いてくれることになりました。でも、考えたら車で3時間半ほど移動しないとダメだから、車で一緒に行ってくれる人が必要だったんですよね(笑)」

──嶋田選手に頼んでいたら基本的な抜けがあったと(笑)。それにしても、そのような人間関係で、対策練習などは問題なく消化できたのですか。

「本来はユライアとのマンツーマンの練習で、他から対策練習用のパートナーを呼ぼうかという話もあったのですが、ユライアの考えていた選手の都合がつかなくて。結果、ユライアが対戦相手の研究をして、こういう動きがあるから、こんな動きの練習をやろうという感じで練習してきました。

それでも僕はパートナーを決めて対策練習をしたかったので、2週間ぐらい前からですけど、(川原)波輝君にお願いして対策練習をマンツーでやってもらっています」

──ついに川原選手と!! そのような関係になっていると聞いてホッとしています。

「ついに?(笑)」

──さきほどのセコンドの話もそうですが、田中選手は孤高の人感が際限極まりなくて……。

「波輝君が日本に戻っていたし、この間にまた戻って来ると思っていなかったんですよ。でも、本当に波輝君は良くしてくれます。人間として、人のために動くっていうことを無理なくできるというか……本当に他人に優しいです」

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
11月6日(土・日本時間)
午前11時00分~UFC Fight Pass
午前11時00分~ABEMA格闘チャンネル

■LFA117対戦カード

<バンタム級/5分5R>
ヒカルド・ディアス(ブラジル)
田中路教(日本)

<フライ級/5分3R>
堀内佑馬(日本)
マーク・クライマコ(米国)

<160パウンド契約/5分3R>
エミリオ・ウィリアムス(米国)
バットスムベレル・ダグワドルジ(モンゴル)

<150ポンド契約/5分3R>
ハイダー・アミル(米国)
ホブソン・ジュニオール(ブラジル)

<175ポンド契約/5分3R>
クリスチャン・アヴァロス(米国)
ジェフリー・クレイグ(米国)

<175ポンド契約/5分3R>
アルバート・ゴンザレス(米国)
ドミニク・サマー(米国)

<フェザー級/5分3R>
ブロック・ディアス(米国)
カーロス・フィゲロア(米国)

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11.5『LFA 117』のメインイベントで田中路教とヒカルド・ディアスが対戦


Ricardo Dias(Sherdog)

Michinori Tanaka(Sherdog)

 LFAが11月5日にカリフォルニア州ヴァイセイリアのヴァイセイリア・コンベンションセンターで開催する『LFA 117』のメインイベントがヒカルド・ディアス vs. 田中路教のバンタム級マッチになることを発表。

 ディアスは現在30歳のブラジル人で戦績10勝4敗。5月の『LFA 107』でジョージ・ガルシアに2R KO勝ちして以来の試合で現在3連勝中。

 田中は2019年3月の『PANCRASE 303』でウラジミール・レオンティブに判定勝ちして以来2年8ヶ月ぶりの試合で現在2連勝中。グラップリングでは昨年4月の『Road to ONE 02』で宮田和幸と対戦し引き分けてます。

【LFA117】ついに田中路教のLFA初戦が決定。11月5日、メインで難敵ヒカルド・ディアスと対戦(MMAPLANET)

【LFA117】ヒカルド・ディアス戦が決まった田中路教「良いコンディションで戦うための必須の期間だった」(MMAPLANET)
「11月5日に試合が決まりました。すでに試合に向けファイトキャンプに入っていて、チームアルファメールで毎日練習漬けの日々を送っています。僕の試合を楽しみにしてくれていた方達には、大変お待たせして申し訳ありませんでした。

ただこの期間も自分が良いコンディションで戦うための必須の期間だったと思っています。そしてユライアが対戦相手の対策を買ってでてくれて、当日はセコンドにもついてくれています。当日は最高の状態に仕上げて試合に臨みますので、ABEMAで観戦して頂けたら嬉しいです。よろしくお願いします」

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【LFA117】ヒカルド・ディアス戦が決まった田中路教「良いコンディションで戦うための必須の期間だった」

【写真】ハードな練習で相当に疲弊気味だという田中。米国ではどの美容院に行っても「角刈りになる」とのこと (C)MICHINORI TANAKA

11月5日(金・現地時間)、カリフォルニア州ヴァイセイリアのヴァイセイリア・コンベンションセンターで開催されるLFA117「Dias vs Tanaka」で田中路教がヒカルド・ディアスと戦うことが決まった。

実戦は昨年4月のRoad to ONE02のグラップリング=宮田和幸戦以来、1年7カ月振り。MMAに至っては2019年3月のウラジミール・レオンティブ戦から、実に1年8カ月振りとなる。その田中から、今回の試合に向けての意気込みが届いた。


田中路教
「11月5日に試合が決まりました。すでに試合に向けファイトキャンプに入っていて、チームアルファメールで毎日練習漬けの日々を送っています。僕の試合を楽しみにしてくれていた方達には、大変お待たせして申し訳ありませんでした。

ただこの期間も自分が良いコンディションで戦うための必須の期間だったと思っています。そしてユライアが対戦相手の対策を買ってでてくれて、当日はセコンドにもついてくれています。当日は最高の状態に仕上げて試合に臨みますので、ABEMAで観戦して頂けたら嬉しいです。
よろしくお願いします」

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【LFA117】ついに田中路教のLFA初戦が決定。11月5日、メインで難敵ヒカルド・ディアスと対戦

【写真】非常に怖い、そして北米にはゾロゾロいる相手=ヒカルド・ディアス (C)LFA

田中路教のLFAデビューが11月5日(金・現地時間)、対戦相手はブラジル人ヒカルド・ディアスに決まった。

再渡米から半年、ようやく田中のLFA初陣が確定した。舞台は上記にあるように11月5日にカリフォルニア州ヴァイセイリアのヴァイセイリア・コンベンションセンターで開催されるLFA117「Dias vs Tanaka」──つまりメイン出場となる。


サクラメントから約200マイル南下したセントラル・カリフォルニア──サンホアキンバレーにあるセコイア農業地域の中心、人口も急激に増加している成長過程にある街で田中がUFCへのラストロードの一歩を踏み出す。

対戦相手のディアスは10勝4敗、ハファエル・コルデイロ率いるKINGS MMA所属のブラジル人ファイターだ。LFAでは昨年8月に初戦を戦いデスモンド・トーレスにスプリット判定勝ち、今年の5月にはジョージ・ガルシアをヒザ蹴りでKOし2連勝している。

ガルシアは近い距離でパンチとロー、そして首相撲&ヒザ蹴りから組んでテイクダウン、あるいはバック奪取と所謂コンテンダーシリーズ・スタイルを地で行くアグレッシブ&ハイペースを信条としている。LFAのケージではカーフ&ロー、右オーバーハンド、左フックの返しにハイキックを織り交ぜ近い位置をキープして戦ってきた。

そこでスピニングバックフィストや後ろ回し蹴りなど回転系の打撃を繰り出す点には、田中も注意したい。またガルシア戦のKOは右フックでダウンを奪い、その立ち上がり際にヒザを入れるという反則ギリギリのタイミングでの危ないフィニッシュだった。

韓国で開催されたARZALETに出場経験もあり、その際にはRoad FC、日本でもGrachanやWardogに出場経験のあるキム・ウジェの左フックを被弾しながら、ニータップでテイクダウンを奪うやスクランブルでバック奪取、RNCで仕留めている。

当時はハファエル・コルデイロのカリフォルニア進出を大いにサポートしたクレバー・ルシアーノ門下で、ディアスも柔術を十分に使いこなしていた。さらにブラジル時代には今より荒い打撃を駆使しつつ、シングルで倒された直後にバタフライスイープ→蹴り上げ→後方回転でヒザ十字という間断のない下攻めMMAグラップリングも見せている。

近距離でプレッシャーを掛け、倒すことができるストライカーでありながら、トップだけでなくボトムでも確かなグラップリング能力を持つディアス。

LFAでもトップからヒールに取りに行く動きも見せており、打撃も寝技もカウンターアタック覚悟の非常に攻撃的な選手といえる。現状、日本にいては戦うことができなかった難敵だ。

とはいえ、ディアスのような強敵に勝つために日本を離れ、アルファメールでトレーニングを積む田中にとって、危険は承知──勝てばUFCの俎上にのる、待ち望んだ相手といえるだろう。

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Fight&Life Interview ブログ ユライア・フェイバー 田中路教 石原夜叉坊

【Fight&Life】ユライアが語った田中路教&<未掲載>石原夜叉坊「テルトの戦いは終わっていない」

【写真】世界中からファイターがユライアの下に集まる(C)MICHINORI TANAKA

23日(月)発売のFight&Life#86にカリフォルニア州サクラメントに移り住んで4カ月が経過した、田中路教のインタビューが掲載されている。

その囲み記事で、ユライア・フェイバーが田中について語った。ここではユライアが田中に対して、どのような想いでいるのかに加え、本誌で掲載できなかった──ユライアが考えるチーム・アルファメールに世界中から選手が集まってくる理由と、結果が出ない石原夜叉坊についてどういう想いでいるのかを紹介したい。


「タナカが4年振りにアルファメールに戻ってきたことは、本当にアメージングだ。

技術的な成長は当然して、ファイターとしてだけでなく人として成熟していた。オープンマインドで、懸命に学ぼうという姿勢は常に好感が持てる。彼が僕のことやチーム・アルファメールに慕ってくれていることに感謝している。

僕は気持ちが強くて、ハードワークを続けることができる選手を見出すことができると思っているけど、タナカは未来を掴み取るために必要な正しいメンタルの持ち主だ。持って生まれた才能に加えて、たゆまぬ努力を続けることができるタナカのことを僕は信じている。

2度目のチャンスを掴むためには、とにかく連勝が必要だ。そしてエキサイティングな試合を、以前と変わらずしてほしい。これから待っている勝負では、相手より強い意志で戦う必要がある。そのために世界で最高のチームで、自らを奮い立て一心不乱にトレーニングしているんだ。彼は目標を達成するために、ペダルから足を外すことがない。何をすべきかを分かっている。タナカならLFAでチャンピオンになり、UFCでまた戦うことができるに違いない」

※未掲載分

──なぜ、世界中から成功を求めるファイターがユライアの下に集まってくるのでしょうか。本人に尋ねるのもなんですが、ユライア自身はどのように考えていますか。

「伝統……チーム・アルファメールの伝統だと思う。アルファメールのファイターは、UFCを代表とするMMAのビッグショーで成功を収めてきた。このスポーツでフィーダーショーだけでなく、メインステージでも勝ち残ってきたんだ。MMAが注目を集め始めた時に、僕らはUFCで結果を残している。

そういう姿を見ていた世界中のファイターが、アルファメールに集まるようになった。そして、また成功を収める選手が生まれ、また彼らのようになりたくて世界中から選手がやってくる。ビッグショーのメインステージで、結果を残す。それがチーム・アルファメールの伝統になっており、次世代、また次世代と続いているんだと思うよ。

でも若い選手だけじゃない。チーム・アルファメールにはこのスポーツで活躍し続けてきたクレイ・グイダやダレン・エルキンスのようなファイターが、今も成長していることを試合で証明している。それも皆がサクラメントにやってくる大きな要因になっていると思うよ」

──国籍を問わず、ソン・ヤードンやパウリアン・パイヴァなどの試合でもユライアがコーナーにいます。

「タナカ(田中路教)もその1人だ。彼はLFAで戦うためにアルファメールに戻ってきた。田中はLFAでチャンピオンになってUFCに戻る。日本のファイターは、昔ながらのファイティング・スピリットを持ち続けている。それはファンが、MMAを理解してちゃんと選手のことを見ているからだと思うんだ。

そのMMAの見方が日本人選手の精神性を、世代を越えたモノにしているんだよ」

──なるほど、そんななか田中路教選手と並んで、日本人で古株となった石原夜叉坊選手ですが、先日のFury FCの試合でも敗れてしまいました。敗れたことよりも、今ユライアがまさに口にしていた……戦う気持ちが伝わってことなかったことが本当に気になります。ユライアに全幅の信頼を寄せてアルファメールで練習している夜叉坊選手について、どのように考えていますか。

「君の言ったことは正しい。テルトからウォリアー・スピリットが感じられなかった……。このスポーツは本当にハードなんだ。彼は4連敗中だった……そしてまた敗れてしまった。彼の動きが悪くて負けた試合もあるけど、テルトの動きが良くても、それ以上に相手が良かった試合もある。

でもテルトの心はまだライフ・マーシャルアーチストだと僕は思っている。まだウォリアー・スピリットも持っているはずだ。まだテルトの戦いは終わっていない。

ダレン・エルキンスを見てくれ。4連敗から復活した。クレイ・グイダもそうだ。4連敗しても、終わっていない。ルイス・ゴンザレスは負けても、負けても立ち上がっている。

テルトはファイティング・スピリットを失っていない。でも、眠ってしまっているんだ。テルトが再び目を覚ますことを僕は信じている」

※同インタビューでは田中路教のアルファメールでの練習やサクラメントでの生活。そしてプライベートでの嬉しいニュースなどが語られています。

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BELLATOR K-1 LFA LFA110 MMA UFC エド・ソアレス チャールズ・ジョンソン ブランドン・モレノ 堀内佑馬 田中路教

【LFA110】ABEMAでライブ中継決定、LFAエド・ソアレス代表「去年60人以上をネクストレベルへ」

【写真】「Black Houseからだと、1年で5人程度しかUFCと選手の契約ができない。LFAなら20人、30人のファイターをUFCにステップアップさせることができる」と話していたソアレス。本当に選手想いのプロモーターだ(C)MMAPLANET

2日(金・現地時間)にオクラホマ州ショーニーのグランドホテル・カジノ&リゾートで開催されるLFA110「Johnson vs Horiuchi」。

ABEMAのライブ中継も決まった同大会を前に、LFAのエド・ソアレス氏にインタビューを試みた。世界最強のふぃだーそーのかじ取りをするソアレスからは、根っからのMMAナードぶりが伝わってきた。


──パンデミック後、昨年7月に活動再開し2日のLFA110まで1年間で27イベントを開催しました。

「パンデミックは世界中を、とんでもない時代にしてしまったとは間違いない。MMAワールドでも、数多くのイベントがキャンセルを強いられた。でもLFAのチームは感染予防を追及しつつ、どうにか活動できないかと模索した。そしてUFC FIGHT PASSという素晴らしいパートナーのおかげで、この間も活動するだけでなく成長できたと思っている。

世界でこれだけの数のイベントを開けたプロモーションは、LFA以外に2つしかない。2020年はパンデミック前と合わせて17イベントを開催した。2020年の1年と、2021年のここまでにLFAから48人の選手がUFCと契約し、18人がBellatorとサインした。60人以上のファイターがネクストレベルに進めた。2020年もLFAは成功の年にしたんだ」

──WOW!! そして田中路教選手がついに渡米し、堀内佑馬選手はフライ級チャンピオンシップに出場します。

「ホリウチは前回の試合で、とても経験豊かなドノヴァン・フリローに一本勝ちし、ベルトへの挑戦をアピールしていた。そしてフライ級王者アルタミラノがコンテンダーシリーズと契約したから暫定王座を設けて、ホリウチとチャールズ・ジョンソンが戦うことをマッチメイカーが決定したんだ」

──この大会は日本ではABEMAで日本語の実況でライブ中継されることが決まりました。

「最高にエキサイトしている。日本語でLFAの試合が流されるなんて」

──解説はWEC、そしてUFCファイターだった水垣偉弥氏になると聞いています。

「おお、それは知らなかった。素晴らしいね。本当に日本向けの中継を視てみたいよ(笑)。我々は国籍に関係なくタイトルに挑戦してほしいと考えているし、日本人選手がLFA王座に挑む試合を日本のファンに見てもらえ、本当に良かったと思う。

LFAフライ級王者がUFCで通用することは、ブランドン・モレノが証明している。元LFAフライ級王者がUFCフライ級王者になったことは、彼のやる気、努力の証だ。私もとても嬉しい。

そして、タナカだ。彼は契約からビザの取得まで10カ月も時間がかかってしまったけど、もうカリフォルニアに来ていて8月にはLFA初戦を戦えるよう話し合いを続けている。

彼のようなやる気に満ち溢れた選手は大好きだ。なぜUFCとBellatorがLFAの選手とこれだけサインをするのか。それはファイターが強い意志を持って戦っているからだ。LFAとサインし試合で勝った時点で、その選手は次のレベルに行く力を持っていることになる。イージーなマッチアップは絶対にないからね。

何よりLFAが国際的なショーになるには、日本人ファイターは欠かせない。私はPRIDE、K-1、DREAMの時代にジャパンには何度も足を運んだ。日本には素晴らしいMMAの土台がある。米国以外だとブラジルと日本は本当に大きな役割をMMA界ではたしてきた。

日本の選手がLFAで戦うことが嬉しくてならないよ」

──そんななか7月にはブラジルのリオデジャネイロで連続イベントを開くことになりました。

「LFAにとって大きな一歩であると同時に、ブラジルのMMAにとっても大きな一歩になると思う。今、ブラジルのMMAはひどい状態に陥っている。あれだけ優れたファイターが誕生しているのに、試合の機会が圧倒的に減ってしまったんだ。

まだブラジルの大地に眠っている才能を掘り起こすことができる。素晴らしいことだよ。彼らの才能を世界に披露するんだ」

──ブラジルの新型コロナウィルス感染状態は、今も厳しい状態にあります。

「だからこそショーが必要なんだ。LFAは米国で1年半やってきたようにバブルを創り、検査を重ねて無観客イベントを行う」

──現地のプロモーションと共催ということではないのですね。

「LFAの単独イベントだよ。無観客大会でチケットを売る必要がないから、可能になった。チケットセールスを気にすることなく、最高のショーにするために全力を注ぐことができる。7月17日は7試合、米国でやっているような通常の大会だ。

そして19日はLFAにとって初めて日曜日の大会で、ウェルター級王座決定GPを開催する。新ウェルター級チャンピオンは1日で2勝しないといけない。リオにバーリトゥードの伝統を持ち返るんだ」

──なんともロマン溢れるイベントですね。

「それにね、まだ正式発表していないけど……ブラジル大会ではアントニオ・ホドリゴ・ノゲイラが英語の実況チームに加わるんだ」

──ミノタウロが解説に!! エド、もうMMA愛の詰まったショーになること間違いないですね。

「皆が喜ぶと確信しているよ(笑)。凄くワクワクするし、誇りに思う。そして、とても光栄だよ。ミノタウロがLFAの中継に関わってくれることは」

──エド、ファイトウィークの忙しいところインタビューに応じてくれたありがとうございました。

「とんでもない。こちらこそ、ありがとう。日本のファンがLFAを楽しんでくれて、遅かれ早かれもっとライブ中継が増えることを願っている。日本の皆にLFAの応援をしてほしい」

■視聴方法(予定)
7月3日(土・日本時間)
午前10時00分~ABEMA格闘Ch
午前10時00分~UFC Fight Pass

■ LFA110対戦カード

<LFA暫定フライ級王座決定戦/5分5R>
チャールズ・ジョンソン(米国)
堀内佑馬(日本)

<ミドル級/5分3R>
マルクス・ペレス(ブラジル)
クリスチアーノ・フロウリッチ(ブラジル)

<ミドル級/5分3R>
シビウィケン・オンエネゲシャ(米国)
ヘナート・ヴァレンチ(米国)

<フライ級/5分3R>
クリスチャン・ナティヴィダッド(米国)
ルイス・アギーレ(メキシコ)

<女子ストロー級/5分3R>
ジェケリン・アモリン(ブラジル)
ミーガン・オーウェン(カナダ)

<フライ級/5分3R>
アルペン・グラン(米国)
オスカー・ヘレーラ(米国)

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Interview LFA84 other MMA エド・ソアレス ブログ 堀内佑馬 田中路教

【LFA84】LFAエド・ソアレス代表に訊く─02─「田中路教をバンタム級王座決定4人制トーナメントに」

【写真】左からタイラー・レイ、ナタン・レヴィ、カイル・エストラーダ、マイケル・スタック、エド・ソアレスが推す4選手(C)LFA

10日(金・現地時間)から4週連続でサウスダコタ州スーフォールズのサンフォード・ペンタゴンでイベントを開き、毎大会でタイトル戦を組むLFAのエド・ソアレス代表インタビュー後編。

北米MMA界のNCAAを自負するLFAは、UFCに数多くのファイターをステップアップさせてきた。そんなLFAの活動再開=4大会でエドが注目しているファイターは?

さらに3月にサインしたものの米国への渡航の道が、現在閉ざされている田中路教に関して話を訊いた。

<エド・ソアレス インタビューPart.01はコチラから>


──MMAは急激に進化し、ステラトジーを用いスコアリングメークで勝つ必要もありますが、LFAは両者がフィニッシュを狙うのでフィニッシュが多くなりますね。

「LFAが世界で最もエキサイティングなMMAショーの1つたる所以だね。LFAで戦っているファイター達は自分の試合がUFCやBellatorの人間が注意して視ていることを知っている。

それにUFCファイトパスで配信されるようになってから、LFAで戦っていた選手はさらにUFCで戦う機会が増えた。7月の4連戦では特にファイターたちは、そこを意識して戦うはずだ」

──7月の4連戦、サウスダコタ州のスーフォールズで開催されます。

「RFA時代からスーフォールズのサンフォード・ペンタゴンで大会を開いてきた。サウスダコタ州で初めてプロモーターライセンスを得たのが我々なんだ。RFAのプロモーターライセンスのナンバーは0001なんだよ(笑)。

以来サンフォード・ヘルスは我々のメディカル面をサポートしてくれている。今回も会場、ホテル、関係各所で彼らが州のレギュレーションに則した医療体制を整えてくれるから、ファイター、セコンド、スタッフのテストが実施できるんだ。サンフォード・ヘルスのおかげでLFAは可能な限り安全にイベントを開くことが可能になる」

──素晴らしいですね。心の底から思います。ところでエドはこの4連戦の間は、スーフォールズに滞在するのですか。

「スーフォールズは素晴らしい街だけど、それは無理だ(笑)。大会が終わるとLAに戻り、またすぐにスーフォールズに出かけるという慌ただしい日々を送ることになるよ」

──なるほど……どちらにしても大変ですね。エド、この4連戦でタイトル戦に出場する選手以外で日本のファンが誰に注目すべきかを教えてもらえないでしょうか。

「まずLFA84ではタイラー・レイだね。6勝1敗でヘンリー・フーフトの教え子だ。ベースはレスリングで良い試合をするよ。対戦相手のマイコン・メンドーサもタフで、これまでバチバチの試合をLFAでしてきた。2人は必ず激しいモノになるだろう。それとイスラエルのナタン・リヴィにも注目してほしい。

2週目はカイル・エストラーダだね。打撃主体で常にエキサイティングな試合をするけど、コンプリートなMMAファイターだよ。

LFA96ではアルトゥル・エストズラスかな。PFLやBellator、ACBを経験しているブラジル人選手だ。それにファビオ・チェラントの試合も楽しみにして欲しい。ファビオは東部のCESからコンテンダーシリーズに出場し負けてしまって、LFAで再起を図るんだ。

ニック・ブラウン(C)LFA

最後の大会ではマイケル・スタックだね。フェザー級で4勝0敗、彼の試合は絶対に見逃せないよ。それとニック・ブラウン──戦績は9勝1敗のライト級の注目株だよ。

それと7月の大会には出場しなくて、8月にLFAデビューが予定されているタバタ・ヒッチには絶対に注目して欲しい。日本ではモディファイドMMAのSEIZAに出ていたブラジルのムエタイ王者で、柔術は紫帯時代にノーギワールドで優勝し、アジア選手権でも3位になっている。今は柔術は茶帯で柔道が黒帯、マッケンジー・ダーンの練習仲間なんだ」

──必ず試合を見るようにします。それだけ期待の選手が毎大会出場しているのですね。彼らのLFAの活動再開に燃えているでしょうね。LFAに先駆け、パンデミックから2カ月でUFCが活動を再開したことは、どれだけMMAワールドにとって大切だったと考えていますか。

「極めて重要なことだよ。パンデミックが始まった時から、私はダナと話し合いを続けてきて、UFCの計画を説明してもらっていた。そして、ダナにはUFCが活動を始めればLFAもすぐに後に続くと伝えていたんだ」

──日本にいて1つ分からないことがあります。UFCは早々に活動を再開した。そしてFOXの重要なライブスポーツのコンテンツになっていると思います。なぜViacom CBSのパラマウントネットワークで、Bellatorは活動を再開させないのでしょうか。

「その通りだね。ベラトールの戦略は私にも理解できない。ただしスコット・コーカーというリーダーは、これまでに素晴らしい仕事をMMAで果たしてきた。彼はしっかりとこのビジネスに取り組んできた人間だ。彼の真意がどこにあるのか、ベラトールがまだ動かない理由は分からないけど、何か計画があるのだろう。。

きっとダメージを受けることなく、パンデミック前の状態で戻ろうとしているのだろうね。ただし私の立場としては、少しでも早くベラトールも活動を再開してほしいと思っている」

──UFCはリスクを冒していますよね。

「UFCはそういう組織だ。リスクを恐れることなく、これまでもやってきた。今やUFCは資金が4億ドルあるとか皆が簡単に言うけど、ロレンゾとダナが2001年からUFCの舵を取るようになった時に、ロレンゾは4500万ドルも使ってUFCを大きくしてきたんだ。リスクを承知でね」

──そのUFCへ復帰に執念を燃やす田中路教選手がエドと契約を交わし、あとはビザの取得へ……という時に新型コロナウィルスの問題が起こってしまいました。

「もうあとはタナカがアメリカ大使館に行って、ビザを取れればってところだったのに……。LFAには優れたバンタム級のファイターが多いから、タナカがLFAデビューを飾るとワンナイト4人トーナメントでバンタム級王座決定戦を組もうというプランもあったんだ。

でも、ビザ申請ができない状態になってしまっている。それにユーマ・ホリウチも日本に戻っているようだし……。幸い、タナカに必要なビザは今年中の発給が禁じられた5種類のビザに含まれていない。

とにかくCOVID19が終息に向かい、日本からタナカやホリウチの米国にやって来る日が来るのを楽しみにしているよ。

ミチノリ・タナカとユーマ・ホリウチをきっかけにして、LFAの試合をもっと日本のファンに視てもらいたいと思っているんだ。私はタナカとサインできた時は、本当にエキサイトしたんだ。これで彼は米国に滞在し、練習も試合もできるようになるって」

──少しでもその日が来ることを私も願っています。最後に日本のファンに一言お願いできますか。

「我々LFAはイベントを再開するためにハードワークをこなしてきた。これからもハードワークを続ける。LFAはMMA界にあって最高の人材育成大会に成長した。今後も未来のスーパースターを発掘し、成長をする場にしていくから日本のファンも是非ともLFAに注目してほしい」

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Interview J-CAGE ONE other MMA Road to ONE02 ブログ 宮田和幸 田中路教

【Road to ONE02】田中路教─03─最初で最後のグラップリング戦の理由。「負けたくないんで、他の練習が」

Nori【写真】柔軟性のないまま、突っ走るしかない(C)MMAPLANET

17日(日)に開催されたRoad to ONE02で宮田和幸とグラップリングマッチを戦い10分間時間切れとなった田中路教インタビュー最終回。

グラップリングマッチを終え、MMAファイター田中にとって打撃なしの組みの重要性、そして未だに終着点が見えないコロナ感染拡大のなか、LFAでの活動をどのように捉えているのかを尋ねた。

<田中路教インタビューPart.02はコチラから>


──スクランブルにはならなくても、MMAに生きるグラップリングになったのですね。

「グラップリングの試合をして、自分の不器用さが浮き彫りになったと思います(苦笑)」

──田中選手の最大の特徴である、経験しないと分からないという流れですねか(笑)。

「一つのことにしか、なかなか集中ができないんで(笑)」

──ただ、SNSで『これが最初で最後のグラップリングマッチ』という話がありましたが、『これが最後の日本での試合』とはならないのですか。

「まぁLFAと契約は結べましたが、その契約書をもってビザの申請に行くのに、今は受け付けてもらえない状況ですからね。これがいつまで続くのか分からないので、あの試合が日本で最後の試合になるかというのは断言できなかったです。ただ、グラップリングの試合をもうすることはないと思います」

──MMAのためになったのに、なぜグラップリングに出るつもりはないのはどういうことでしょうか。

「純粋グラップリングの技術は、僕に必要です。それはもう絶対なんです。でも、グラップリングの試合があると、練習もそこに集中してしまって……他の練習が疎かになることが今回の試合で分かりました。

やっぱり、負けたくないんで完全にグラップリングの試合のための練習ばかりになって」

──えぇ? では打撃やMMAの練習はその間はしなかったということですか。

「試合が決まったころはやっていたんです。でも、打撃のミット打ちとかやっていても、本当に集中できないことが分かって……。グラップリングの試合で勝ちたいから、打撃の練習をすることを体が拒否してしまっているような感じで(苦笑)。

MMAの練習でもパウンドも打つことができなくて……。止まってしまうんですよ」

──なんともまぁ、本末転倒じゃないですか。

「本当に……。だから、本気でグラップリングの技術を向上させるつもりはあっても、グラップリングの試合に出ることはMMAファイターである限り、止めようと思います。

練習に関しては続けます。グラップリングも打撃も僕はもって一つの局面を深堀りする必要があります。グラップリングに関しては嶋田君もそうだし、八隅(孝平)さんにセコンドについてもらって、その指示にしても凄く知識が深くて。

八隅さんのアドバイスがなければ、どんな試合になっていたか。八隅さんはきっと宮田さんがどう動くのか、全て見えていたと思います。嶋田君も1回、動画を見ただけメチャクチャ細かく指摘しれくれました。2人に比べると、僕のグラップリングの知識は全然で。結局のどれだけ自分が近視眼的にMMAをやっていたのかが分かりました。

だからこそ、この時期にグラップリングの試合ができたのはベストでした。今、MMAの練習を試合モードでしている選手なんて世界にほぼいない。そのなかで組み技でも実戦に向かうという日々を送れたのは大きいです」

──LFAの活動再開も、ビザの申請がいつから再開するのも見えないなか、今後はどのように過ごしていこうと考えていますか。

「やれることをやるしかないです。現状を見て……ここからコロナの感染が続き、格闘家だけでなく社会が疲弊してくると思います。活動を続けられなくなるプロモーションも出てくるだろうし。

結果的にファイターの需要が少なくなっていくかもしれない。なので、いつ、どこで、誰とでも戦える選手が求められる時代になる。僕自身ももっと覚悟が必要です。いつでも戦える心身状態にしておかないといけないです。

ただし、人に迷惑をかける行動はできない。そこは頭において、最大限に気を付けていきます」

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Interview J-CAGE ONE other MMA Road to ONE02 ブログ 宮田和幸 田中路教

【Road to ONE02】宮田和幸と組技戦を終え、田中路教─02─「内股を狙ったのですが、ビクとも……」

Nori vs Miyata【写真】試合序盤の立ちレスで、田中は宮田から何を感じ取ったのか(C)MMAPLANET

17日(日)に開催されたRoad to ONE02で宮田和幸とグラップリングマッチを戦い10分間時間切れとなった田中路教インタビュー第2弾。

試合直後に嶋田裕太に連絡を取り、寝技での展開での改善点を尋ねた田中だが、試合序盤のスタンド戦に関してはどのような経験ができたのか。

また嶋田の教えをMMAに生かすことができるのかを訊いた。

<田中路教インタビューPart.01はコチラから>


──嶋田選手に指摘してもらった寝技の攻防になる以前に、まずは立ちレスの展開になりました。試合前にはテイクダウンを取る宣言もありましたが……。

「レスリングでテイクダウン、柔道の投げという2つの選択肢があったのですが、実際に宮田さんを正面に見てレスリングをしようとはならなかったです。もう、これは感覚ですね。あの時、何を考えていたとか覚えていないので。隙がないって直感したんだと思います。ダブルやシングルに入ることができる軌道が見えなかったですから」

──宮田選手もその距離でテイクダウンを仕掛けるということはなかったですね。

「ハイ。なので組手勝負になりました。それもあると試合前から思っていたので、そこでもしっかりと勝負しようとは考えていたんです」

Nori vs Miyata 02──そこから投げを狙おうと。

「ハイ。最初は牽制ですね。投げることができるとは考えずに、先手をとるために出しました。

2度目は入るという感覚があって内股を仕掛けました。引手が不十分な状態でしたが、思い切り仕掛けました。いやぁビクともしなかったです。タイミングも良かったのに……。崩れるぐらいはあると思ったのですが、全く動かなかったです(苦笑)。練習ではそういうことがあっても、試合ではあれだけ崩せなかったことは過去になかったですね」

Nori vs Miyata 03──その後、もう1度仕掛けても投げられず右ワキを差されテイクダウンを奪われました。

「ビックリしました。ヒザがついたか、バランスを崩した時なんです。根本から僕の投げとは種類が違う。

僕の投げは浮かすというか、瞬間的に飛ばすモノなんです。でも宮田さんの投げは、合気道チックというか遠心力を使っているみたいな」

──達人系じゃないですか。

「そうですね、あまり食らったことのない投げでした。

力も使っているんですけど、そこ以外の要素が凄いと思います」

──そのテイクダウンからバックを許しましたね。

「上手かったですねぇ。一度、首を極めにこられて……。正直、バックを取られても早い段階で逃げる自信はあったんです」

──出ました。またバック取らせて、落とす理論。それでバックを取り続けられる選手が世界にいるというのが、もう8年ぐらい前から勝村(周一朗)さんが指摘していた部分ではないですか(笑)。

「アハハハ。2度目の投げを防がれた時点で、立ちレスで時間を費やすのは良くないって判断したんです。あのままではドン詰まりになって勝てない。なら投げられても、グラウンドになった方が良いと思いました。矢継ぎ早に動いて、宮田さんを休ませないというのが理想的な試合展開だったので。

Nori vs Miyata 04でもバックを取られて、すぐに胸を合わせることはできなかったですね。バックチョークが入る位置ではないですが、宮田さんの体にあった絞めです、アレは……。

レスリングのコントロールを利用した極めというか。

すぐには上を取れなかったですが、あのままバックを制され続けられるとも思わなかったです。逃げる自信はありました。思ったより時間が掛かっただけで」

──そして上になってからやるべきこと、その部分で嶋田選手の指摘が入ったような展開になったと。

「ハイ。本当はスクランブルの展開になってポジションを取る。それが理想の展開でした。そこから極めに移行していければと」

──宮田さんは下になると、あのまま下から仕掛け──柔術になりましたね。

「それをさせないことが大切だったのですが、やられてしまいました。僕が宮田さんをもっと動かせるまで、持ち込めなかったです」

Nori vs Miyata 05──あの時点で、MMAグラップリングでなくグラップリングになりました。

「それも想定していたのですが、隅返し風に返されてすぐに起き上った時はスクランブルになると思っていたので……あそこで宮田さんが下を続けたのは意外でした」

──もうレスリングをやり続けたから、今はスクランブルとかよりも柔術的なグラップリングを宮田さんは追及しているようでしたね。それでもオモプラッタはともかく、糸通しを狙ったのは驚きました。

「いやぁ、握力もそうだし力が強かったです」

──田中選手もMMAなら、あれだけパスを狙うこともないですしね。

「狙わないですね。だからこそ、しっかりとパスできる技術が僕には必要なんだと思いました。青木さんの言葉じゃないですが、これまでMMAグラップリングに偏っていました。だから、あそこで攻防が止まってしまう。

それ以降の攻防ができるためにも、しっかりとグラップリングの技術を身につけないといけない。それは今回の練習から試合までを通じて感じていたことです」

──パスガードにしても、純粋グラップリングとMMAでは違いもあるかと思いますが。

「それでも嶋田君が指摘されたことができるようになれば、それはMMAに生きると思います。また、しっかりとかみ砕いてこれからの練習に生かせるようにしたいですね。

嶋田君に教えてもらったことを踏まえて、ヒジとパウンド有りの目線を加えることで、その先を探っていけるんじゃないかと思っています。

それを考えると、世界的にみてもMMAの流れが現実として、止まっている中で、このグラップリングマッチを戦えたことは良かったです。試合に向けて一つの行程をこなすことができましたし、そのなかで学びが多くあり試合で改善点も見られた。

マットでのグラップリングでなく、スクランブルにはならなくても金網際での試合が続いたので、それも良い経験になりました。金網際で自分の動きにどれだけ制限が加わるのか、またどういう風になら動けるのかを実践で試すことができたので。金網があるプラス面、マイナス面を試合で理解できることも貴重な経験になりましたね」

<この項、続く>

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Interview J-CAGE JJ Globo ONE Road to ONE02 ブログ 嶋田裕太 田中路教

【Road to ONE02】宮田和幸とグラップリング戦を終え、田中路教─01─「嶋田君に改善点を尋ねました」

Michinori Tanaka【写真】最初で最後のグラップリングという発言の意図も、続編で語られた (C)MMAPLANET

17日(日)に開催されたRoad to ONE02に、田中路教が宮田和幸とグラップリングマッチを戦い10分間時間切れとなった。

試合前には五輪レスラーを相手にテイクダウンを奪い、一本勝ち宣言もあったが、どちらも公約を守ることはできなかった。LFAとの契約も終えビザを取得すると、日本を離れる予定だった田中だが、コロナ禍によって今はまた足踏み状態だ。そんななかで戦った宮田との組み技マッチで田中は何を感じ、何を学んだのかを尋ねた。


──Road to ONE02で宮田和幸選手とグラップリングマッチを戦って6日が過ぎました。試合後はどのように過ごしていたのですか。

「外に出ないようにしていました。軽く肉離れをしてしまったのですが、それでもランニングなどはできるので外に出たそれぐらいですね。あと一度、両親のところを訪ねたくらいで」

──アレっ、田中選手は米国から戻ってきてからは、ご両親と同居していたのでは?

「実はコロナの感染が広まってから、実家を出て知り合いの家に身を寄せています。うちは医療関係じゃないですか?  僕は自分の判断で練習をして、試合にも出たけど、それで親が僕から感染するようなことが起こると、どれだけ社会に迷惑をかけることになるのかと考えて、3月の途中から家を出ていたんです」

──なるほど、そこは田中選手としても気になっていたのですね。

「それでも格闘技をやっている人間は、自分は元気だから一般の人よりも大丈夫と思いがちなところもあるかと思います。それにあの大会に参加して、主催してくれた人たちの努力を無駄にしちゃいけないと強く思いましたね。試合を見ていた知り合いからも慎重に行動をした方が良いという進言もあり、大会後は大人しくしていました」

──大会前、青木選手が彼自身がメインで戦うことに若い選手は危機感を持て──というようなコトを発した時に田中選手は「試合前だから偉そうにいえないけど、終った時に僕の方が印象に残る勝ち方をする」と言っていました。

「ソレ言っちゃうんですか?(苦笑)。でも見事に返り討ちにあいましたね」

──青木選手は自ら塩試合だと振り返ってもいます。

「まぁ動きは僕の試合の方が多かったですけど、勝っていないので、まるでダメです」

──まるでダメだと思った試合、大人しくしていた期間に振り返ることは?

「まぁ、振り返るというか……今、NYから嶋田(裕太※昨年までプライベートでグラップリングの指導を受けていた)君がコロナの影響で帰国しているので、映像を見てもらって何がいけなかったかを尋ねました」

──へぇ、嶋田選手はどのようなことを指摘してくれましたか。

「凄く丁寧に返答をくれたので、僕にはまだ説明ができなし、嶋田君が送って来てくれたテキストを見せますよ」

──構わないのですか?

「構いません。その方が僕も頭に残りますし……。今、送りますね」

【嶋田裕太の田中路教へのアドバイス】

「試合も見て何よりも感じたのは、焦りすぎているということです。10分かけて、宮田選手を疲れさせようという意図も理解できましたが、初めてのグラップリングマッチで、ペース配分の感覚が掴めていなかったというのはあるかもしれません。でも焦ることによって以下のような事態を招いていました。

01 :パスガードを狙っているのですが、動きが中途半端になっていて崩し切れていないため失敗してしまう。
Tanaka vs Miyata 02
オープンガードに対して足を横に捌いたり、担ぎパスを仕掛けるのは良いのですが、一か八か一気にパスを狙うのではなく、仕掛けから50パーセント、60パーセント、70パーセントというように少しずつポジションを進めてみてはどうでしょうか。

それには形に応じて技のバリエーションを増やす必要がありますし、落ち着いて何ができるのか考えられるようにならないといけないです。

02:宮田選手のハーフガードやバタフライガードに対して、足を制する前に上半身にアプローチしてしまい、結果オモプラッタ、すみ返しスイープ、糸通しなど反対に上半身をコントロールされてしまう
Tanaka vs Miyata 01

ハーフガードに近い態勢からオモプラッタを食らうことが多かったですが、1度掛けられた技は同じ試合で2度と食らってはいけません。試合で出す技というのは相手の得意技である可能性が非常に高いです。1度目で逃げることができたら必ず頭に入れておいて、再び形にならないように動きを修正します。

03:クローズドガードを立ち上がって割るときのバランスが崩れる
Tanaka vs Miyata 03
クローズドガードに対して、立ち上がることは腕で足を抱えられたりするリスクとセットなので、あそこで慌てず、もっと時間をかけて腕を足から遠ざけてからエスケープを狙っても良かったと思います。

クローズドガードを立ち上がって割る際は、しっかりと腹を突き出して胸を張ること。前のめりでは相手の足を強く押したりできません。また腰を反るくらい身体を起こすことで、クローズドガードを組んでいる相手の足自体にプレッシャーをかけることに繋がります。

その一方で、ハーフガードで足を越えてからの動きは良かったです! アンダーフックと首への攻撃を同時にすることで結果的にハーフガードからエスケープできていました。腹固めのセットアップは理想的だったと思います。

足で腕を踏んでコントロールしようとしている場面も見受けられて、以前紹介した動きをやってもらえて嬉しかったです」

──最後には帳尻合わせのように褒めてくれていますが、なかなか手厳しいですね。

Tanaka vs Miyata 04でもその後にABEMAの画面を貼ってくれて(※ここでは同じシーンの写真を使用)、また解説してくれたんです。それがこのやりとりですね」

『このシーンでは下半身を制す前に上半身にアプローチしてしまいカウンターを食らってしまいました』

<この項、続く>

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