カテゴリー
ABEMA DEEP MMA MMAPLANET o PANCRASE Pancrase330 RIZIN Road to UFC SASUKE UFC   パンクラス 上田将竜 久保健太 猿飛流 秋葉太樹 鶴屋怜

【Pancrase330】12・25を読む 鶴屋怜の挑戦を受ける猿飛流─01─「正直、『嫌だ。やりたくねぇなぁ』」

【写真】調印式でも緊張しているという猿飛流──確かにそのような表情だ (C)MMAPLANET

25日(日)、横浜市中区の横浜武道館で開催されるPANCRASE330。同大会のメインでフライ級キング・オブ・パンクラシストの猿飛流が、鶴屋怜の挑戦を受ける。

超新星、UFCしか見ていない。パンクラスのベルトは、そのために必要なアイテム。対戦相手のことは意に介さない。いつものように初回で勝つ──そんな空気を醸し出し続けている鶴屋に対し、王者は素直に「大物。ここは眼中にないと伝わってきた」とその強さを認めている。

それでも猿飛流の中にも、会見では言葉にすることはなかった熱い想いが存在している。パンクラスの2022年フィナーレ、横浜武道館大会――12・25を読む。第5弾は猿飛流インタビュー前編をお届けしたい。


──人生2度目の調印式が終わりました。

「そうですね、3月の小川(徹)さんとのタイトル戦に続いて、2回目です」

──調印式が終わると、いよいよタイトルマッチだという感覚になるものなのでしょうか。

「やっぱり、なりますね。緊張感が高まります。調印式自体に、僕の場合は緊張してしまうので(苦笑)」

──ぶっちゃけて、鶴屋怜選手から『そこを見ているわけではない。相手にしていない』という空気が伝わってきました。

「やっぱり大物ですよね。なんか、調印式でも微動だにしないというか。本当に自信があふれ出ていて、『やるべきことをやるだけ』という感じでした」

──この野郎という気持ちには?

「生意気だとか、そんなことは全く思わないです。本当に世界を見据えているんだなって。この先を見ている。ここは眼中じゃないんだなって伝わってきました」

──そのような怜選手の様子を見て、燃える材料になるのでしょうか。

「う~ん、そんなに気にしていないです。僕がここで勝って、世界に行くのを止めてやるという気持ちでなく、ただ怜君と最高の試合をして……僕が勝つ。そこに集中している感じですかね」

──今年の6月ですか。ゴン格でインタビューをさせていただいた時に、シンガポールでUFCのPPV大会を観戦して「やはりUFCに行きたい」ということを言われていました。

「それは……あります。さっき言ったように、怜君が世界に出ていくのを止めたいという気持ちなくて。ただし、自分が世界に行きたいという気持ちは相当に高まりました。佐須(SASUKE)君と一緒にRoad to UFCに行って、『やっぱりここだな』って思いました。佐須君とはシンガポールに残って、UFCのチケットを買ってPPV大会を観に行きました。あれは……本当に行って良かったです。

正直、年齢も年齢ですから、30歳を過ぎればUFCは諦めていました。パンクラスでベルトも取れたから、最後はRIZINに出て名前を残すことが一番だろうとジムの代表とも話をして。それがあの時に佐須君とシンガポールでUFCを観て、本当に気持ちが変わりました」

──それでも会見でも一度たりとも「鶴屋怜を倒して、自分がUFCに行く」という発言は聞かれなかったです。

「なんか……UFCには行きたいと思っているんですが……正直、思っています。『俺が行くぞ』って。ただ、それを言えるのは勝ってから。だからケージの中で言おうと思っていました」

──スミマセン。先に言わせてしまって……。

「いえ、それは全然構わないです。調印式では言えなかった本心を引き出してもらって。ただ勝ってから言えることだと自分は思っていて。UFCというのは、こうやってインタビューで引っ張り出して貰わないと言葉にできなくて……。いや、これまでのインタビューでも、その発言はできなかったです。

UFCがとんでもない所だと分かっているので、怜君に勝って初めて口にすることができる団体だと思っています」

──いやぁ、重ねてスミマセン……。

「大丈夫です(笑)」

──私自身DEEP時代に久保健太選手に圧勝してなお、実力未知数という風に怜選手のことを見ていました。ただし、パンクラスに来て秋葉太樹選手、さらには上田将竜選手まで初回で下すとなると、もう疑いようがない。特に上田戦ですね。我々のように年を重ねていると、努力し続けてきた選手への信用度が高くなります。上田選手はそこに加えて地方で頑張っているという要素も加わり、根性……怜選手の攻撃を気持ちで凌いで慌てさせることがあるのではないか。ドロドロの展開に持ち込むことも可能かと思っていました。

「自分も思っていました(笑)」

──ただし、初回フィニッシュ記録が伸びる結果になりました。試合を重ねれば重ねるほど、鶴屋怜という物体が底知れなく感じるようになっています。

「本物だという想いは、絶対に増していますね」

──なら上田戦がある前に戦っていた方が精神的に、信じられるモノが多かったのではないかと。猿飛流選手は上田選手とはせめぎ合いがあってのスプリット判定勝ちだっただけに。

「正直、あの試合を会場で見ていて……『これは強いな』と。率直に思いました、『嫌だ。やりたくねぇなぁ』って。佐須君から『猿飛流さん、落ち込んでいると思っていました』と連絡があって(笑)」

──図星だったわけですね。

「まぁ、自分はいつもそんな感じなので。競った相手の上田さんが、ああいう風にやられてしまった。今回も下馬評では怜君が強いと言われていますが、自分はどれだけ強いと言われている相手にも……どれだけ実力差があろうと、誰とでも競った試合がデキると思っています。ハイ。それを今回もできるんじゃないかという自信があります」

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
12月25日
午後2時30分~U-NEXT
午後2時30分~ ABEMA PPV ONLINE LIVE

The post 【Pancrase330】12・25を読む 鶴屋怜の挑戦を受ける猿飛流─01─「正直、『嫌だ。やりたくねぇなぁ』」 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
ABEMA DEEP MMA MMAPLANET o PANCRASE Pancrase330 UFC   アミール・アルバジ ジエゴ・パイヴァ パンクラス 上田将竜 修斗 平良達郎 猿飛流 神龍誠 鶴屋怜 鶴屋浩

【Pancrase330】12・25を読む 猿飛流に挑戦。鶴屋怜─01─「スーパー銭湯で神龍選手と会いました」

【写真】どのような質問に対しても、自身への信頼感がブレることがない鶴屋怜 (C)MMAPLANET

25日(日)、横浜市中区の横浜武道館で開催されるPANCRASE330。同大会のメインで猿飛流の持つフライ級王座に鶴屋怜が挑戦する。

デビューから1年10カ月で、鶴屋怜が日本の老舗タイトルに挑む。デビュー以来の連続フィニッシュ勝利は5を数え、誰もが能力と勢いを認めている。今後の飛躍への期待が高まる一方の鶴屋にチャンピオン猿飛流、平良達郎のUFCでのフィニッシュ勝利、そして神龍誠のCFFCの一本勝ちについて話を訊いた。パンクラスの2022年フィナーレ、横浜武道館大会――12・25を読む。第2弾は鶴屋怜インタビュー前編をお届けしたい。


──調印式直前の怜選手ですが、今の心境を教えてください。

「そうですね。デビューしてから、こういう調印式っていうのも初めてなので試合とは別にワクワクしているというか楽しみです」

──こういう形で事前に調印式があるも日本の主要プロモーションではパンクラスだけですしね。

「ここが終わればもう試合だけですし、パンクラスのベルトというのは一番近くにある目標なので普通……いつも通り毎日2部練をやるという風にやることは変わっていないですが、気持ちはより気合が入ってきています。絶対にチャンピオンになるんだっていう感じで」

──DEEP時代の3連勝の間は「本当のところは、どうなんだろう?」という見方をされていたと思います。そこからパンクラスの2連勝で周囲の反応等に変化は感じられますか。

「今年はパンクラスのランカー2人を相手に戦ったので、それまでの時の『鶴屋怜、言うてどれぐらい』という感じではなくて。『あの選手に1Rで勝つって凄いね』という風に言ってもらえるようになり自信になっています。評価的には少し上がっているのかって感じています」

──9月の上田将竜戦は努力の人の粘り、強さとのぶつかりあいに焦点が当てられていました。その粘りに怜選手が自分のペースを失うこともあるかと。

「5Rを戦う経験やタフファイトの経験も必要だという気持ちはあるのですが、上田選手との試合から自分自身がケージの中で実際に戦うことに慣れたという気がしました。凄く落ち着いて戦うことができた結果が、あのパウンドアウトだと思っています」

──そしてチャンピオンの猿飛流選手もまた、努力の人です。お父さんから見て、上田戦の勝利と今回の猿飛流戦は過去の対戦とは違うという感覚なのでしょうか。

鶴屋浩 もちろん、そうです。内藤のび太のような粘りのある選手なので、そういうパターンになる可能性があるということは上田選手との試合、そして猿飛流選手との試合に関しても言っています。それを差し引いても、彼の今の調子を見ていると問題ないかとも思っています。

──上田選手と猿飛流選手はスプリットで猿飛流選手。その上田選手を初回でパウンドアウトした。なら猿飛流戦も違いはないという気持ちでいますか。

「これまでデビュー戦から全てフィニッシュして勝っているので、次の試合もフィニッシュして勝ちたい。いつもと変わらないです」

──ではMMAファイターとして、猿飛流選手の長所はどこだと思っていますか。

「技術的にいえば大学のレスリング部に行って、僕との戦いに備えているようですけど……別にどこも負けないです。ただ猿飛流選手は色々と努力していて、気持ちがスタミナ以上にある。その強さがあるので、舐めることなく一生懸命に勝ちに行きます」

──怜選手自身は、今回の試合に向けてどのような練習をしていますか。

「普通にこれまで通り、パラエストラ柏の昼練でプロとやって。夜も普通にプロとやって。この試合だからといって、何か特別なことをするわけでなく、今まで通りにしています。あっ、それとTRIBE TOKYO MMAさんで練習をさせてもらったことがあります。それもこの試合というわけではないですが、若松選手や和田選手とも組ませてもらいました」

──おぉ、それは興味深いですね。その一方で充実のパラエストラ千葉ネットのフライ級選手たちも秋の勝負で全員が想ったような結果を残すことはできなかったです。練習仲間が結果を残せない時に何か感じることはありますか。

「それは個人的な問題だと思っています。試合で強いタイプだったり、弱いタイプだったりもあって。自分は絶対に試合でヘマをしない、勝つっていう拘りがあります。そこは気持ちの問題だと思っています」

──「あそこで腕十字に入られるのか!」というのは、ありましたか。

「それは(内田)タケルのことですか」

──そうです。9月の修斗で関口佑冬選手に腕十字で一本負け。年齢的にも一番言及しやすいかと思って、突っ込ませていただきました。

「あぁ……(苦笑)。いつもタケルなら、普通に勝てると思います。相手がランキングの1位ということもあって、緊張してしまっていたのかとか色々と想うところはあります。ただし、そこも気持ちも問題なのかと。試合なので何が起こるかわからないから、ああいう負けもあるとは思います。でも自分は勝ちにこだわっているので、そういうヘマをしないように戦っています」

──では平良選手がしっかりとUFCで内容を伴った勝ち方をしていることに刺激を受けますか。

「自分的には……相手がUFCのランカーじゃなかったら、ああいう勝ち方ができるかなって思っています。それこそラスベガスでアミール・アルバジと練習した時も余裕でボコったし。そうッスね、自分がUFCで戦っていてもあの相手には、ああいう風にフィニッシュはできると思いました」

──続いて、答え辛い質問第一です(笑)。神龍誠選手のCFFCにおける素晴らしい勝利に関して、どのような感想を持っていますか。

「あぁ、そうですね。最終的にフィニッシュの仕方として、良いフィニッシュでした。けど、でもあの相手のテイクダウンを切れないようなら、自分のテイクダウンも切れないと思います。最終的には良い勝ち方だけど、全体的に見るとそこまでじゃない」

──……。刺激を受けるかという問いに対し、怜選手は対戦モードになるのですね(苦笑)。しかも平良選手の場合は、自分が相手と戦ったらという目線で。神龍選手に対しては、彼と戦ったらという目線になっています……(笑)。

「ハイ。自分的にはもっと早く仕留めることができたと思います」

──いやぁ対戦相手のジエゴ・パイヴァは組みが相当にできる選手だと思いますが……。

「う~ん、そこまでじゃないと思います。実はこの間、神龍選手とスーパー銭湯に行ったらたまたま会いました(笑)」

──うわっ……それを聞いただけで緊張してしまいますね。

「キッズレスリングはジムが一緒で、中学の柔道部でも1年上の先輩だったし。ずっと知っているので、タメ口で話しています。それと神龍選手のセコンドとは凄く仲が良くて、昨日も電話で話しました」

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
12月25日
午後2時30分~U-NEXT
午後2時30分~ ABEMA PPV ONLINE LIVE

The post 【Pancrase330】12・25を読む 猿飛流に挑戦。鶴屋怜─01─「スーパー銭湯で神龍選手と会いました」 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
ABEMA MMA MMAPLANET o PANCRASE Pancrase330 TSUNE   パンクラス 中島太一 猿飛流 田嶋椋 鶴屋怜

【Pancrase330】フライ級選手権&バンタム級王座決定戦、調印式終了。田嶋椋「笑いが起こるのも作戦」

【写真】18勝11敗4分け、37歳のTSUNEと5勝1敗で23歳の田嶋の間でバンタム級暫定王座が争われる(C)MMAPLANET

8日(木)、東京都新宿区の新宿サンエービル地下1階会議室で、25日(日)に横浜市中区の横浜武道館で開催されるPancrase330で実施されるKOPCフライ級戦及び、暫定バンタム級王座決定戦の調印式が行われた。

まずフライ級選手権試合で戦うチャンピオン猿飛流とチャレンジャー鶴屋怜が調印式に臨み、鶴屋が「タイトルマッチなんですけど、タイトルマッチだからどうこうでなく、普段の試合と変わらないような動きでKO、もしくは一本でしっかり勝ちたいと思います」と挨拶した。

続いて猿飛流は「今回、鶴屋怜君とタイトルマッチ5分✖5Rを戦わせていただきますけど、怜君はこれから世界に出て戦う日本を代表する選手だと思います。ここで王者として怜君に1回だけ黒星をつけて色々と学んでもらおうと思います。僕の強さを見せます」と話し、質疑応答から調印、撮影となった──※MMAPLANETでは会見前後に行われた両者のインタビューを後日アップします。

フライ級タイトル戦に続き、TSUNEと田嶋椋の間でベルトが争われるバンタム級暫定王座決定戦の調印式が取り行われた。


ここでは質疑応答からMMAPLANETの質問に対する両者の返答をお届けしたい(要約)。

──TSUNE選手、ファイターであるならベルトは目標であると同時に少しでも強い選手と戦いたいという気持ちがあるかと思われます。そのなかで今回はチャンピオンの中島太一選手が欠場となり、挑戦者の立場から王座決定戦で若い田嶋選手と戦うことになりました。この変更について、どのように思われましたか。

TSUNE 結構キャリアはあるのですが、対戦相手が代わるのは初めてでだいぶ動揺しました。「1日待って欲しい」ということだったのですが、試合がなくなるかなと思いながら1日過ごしていました。対戦相手が見つかったということで、試合ができることが一番嬉しいです。チャンピオンシップに来て、待たされるのはアレなんで。相手どうこうより、誰とでもチャンピオンシップをやってもらえることが──。

──田嶋選手、その言葉を受けてどのように思われますか。

田嶋 自分も同じような気持ちです。試合ができれば、良い。さらにチャンピオンシップなので関係者の方には本当に感謝しかないです。

──TSUNE選手、Me,Weは山﨑剛さんの指導の下、つねに雰囲気が良いです。現状、ジムではタイトルマッチで勝ったり負けたりがあるなかで、Me,Weの選手としてこの試合に賭ける想いを教えてください。

TSUNE 自分のなかでMe,Weが一番良い環境のジムだと思ってやっています。バンタム級も育っていますし、下の階級にチャンピオンもいます。そのなかで年齢もだいぶ上のほうで、勝つべき立場にあるのでジムの看板を背負って戦います。

──田嶋選手の師匠であるOOTA DOJOの太田純一さんはパンクラスの審判団でありながら、セコンドでは冷や汗が出てくるような際どいことを口にされる傾向があります。田嶋選手にとって太田さんのセコンドでの存在はどれほど大きいですか。

田嶋 めちゃくちゃ大きいです。会場に笑いが起こるのも、作戦のうちです。ハイ(笑)。

■視聴方法(予定)
4月29日
午後2時30分~U-NEXT
午後2時30分~ ABEMA PPV ONLINE LIVE

The post 【Pancrase330】フライ級選手権&バンタム級王座決定戦、調印式終了。田嶋椋「笑いが起こるのも作戦」 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
ABEMA DEEP MMA MMAPLANET o PANCRASE Pancrase330 パンクラス 上田将竜 猿飛流 鶴屋怜

【Pancrase330】パンクラスはタイマンで。フライ級KOP選手権試合、猿飛流✖鶴屋怜──正式発表

【写真】さぁ、師走の大一番が決まった(C)SUSUMU NAGAO

6日(木)にパンクラスより、12月6日(日)に横浜市中区の横浜武道館で開催されるPancrase330でフライ級KOP選手権試合=チャンピオン猿飛流✖チャレンジャー鶴屋怜の一戦が組まれることが正式発表された。

パンクラス、2022年シーズンフィナーレは9月11日の立川大会で鶴屋が上田将竜を初回で破った直後に猿飛流をコールアウトし、ケージ内でチャンピオンも「お願いします」と対戦を了承した。


経験不足、対戦相手の質など、注目されればされるほど否定的な意見も聞かれた鶴屋の快進撃だったが、もはや誰も彼のベルト挑戦に異論を挟む者はいないだろう。昨年2月にDEEPでデビューを飾って以来、5試合連続のフィニッシュ勝利──うち4試合が1Rでケリをつけている。

パンクラスに戦場を移してからは経験値で明らかに上回る元ランカー&タイトルコンテンダーにハッキリと違いを見せて勝利を手に挑戦権を手にした。

猿飛流自身が過去に練習したことが経験から、「ぶん投げられ何もできなかった」と鶴屋の強さを十分に認めている。と同時に「悔しいけどポテンシャルも実力も玲君の方が上。これからどんどん強くなるから今年の間にやった方が良い」という発言も聞かれた。

ここまでもくると、もう挑戦者が圧倒的有利という事前の予想になるのも認めるしかないなかで、考え抜いてMMAを戦うチャンピオンが、紆余曲折あった自身の人生で養った精神力と叡智をどう金網のなかでぶつけるか。あるいは、そんなセンチメンタルな想いを木端微塵に打ち砕く非情さを鶴屋が見せつけるのか。

J-MMAのフライ級戦線──DEEPでは16人から8人に絞られた過酷な生き残り合戦が繰り広げられるなか、パンクラスはタイマンで2022年の戦いを締めくくる。

The post 【Pancrase330】パンクラスはタイマンで。フライ級KOP選手権試合、猿飛流✖鶴屋怜──正式発表 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
ACA KAREN MMA o PANCRASE TSUNE   アキラ パンクラス 上田将竜 中島太一 中村勇太 修斗 原田よき 宮澤雄大 平岡将英 平田丈二 松岡嵩志 松本光史 沙弥子 猿飛流 鶴屋怜

『PANCRASE 329』試合結果


第11試合 メインイベント パンクラス・ライト級暫定王者決定戦 5分5R
×松本光史(M PLATIC/2位、元修斗世界王者)
○アキラ(武蔵村山さいとうクリニック/&mosh)
3R 1’25” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)
※アキラが暫定王者に

第10試合 コーメインイベント フライ級 5分3R
×上田将竜[まさたつ](G-face TEAM緒方道場/1位)
○鶴屋 怜(パラエストラ松戸/3位)
1R 2’33” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)

第9試合 女子ストロー級(ノンタイトル戦) 5分3R
○KAREN(PRAVAJRA/王者)
×宝珠山[ほうしゅやま]桃花(赤崎道場A-SPIRIT)
判定3-0 (大藪30-27/出口30-27/梅木29-28)

第8試合 ライト級 5分3R
○雑賀[さいか]“ヤン坊”達也(DOBUITA/4位、元暫定王者)
×松岡嵩志 (パンクラスイズム横浜/5位)
1R 1’36” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)

第7試合 バンタム級 5分3R
○井村 塁(Nexusense/3位、ネオブラッドトーナメント2020同級優勝・MVP)
×平田丈二(闇愚羅/6位)
2R 2’38” 裸絞め

第6試合 バンタム級 5分3R
○TSUNE(リバーサルジム新宿Me,We/2位)
×平岡将英(KRAZY BEE/ネオブラッドトーナメント2019同級優勝)
1R 2’49” 裸絞め

第5試合 ウェルター級 5分3R
×中村勇太(T-Rex Jiu-Jitsu Academy/5位)
○林 源平(和術慧舟會Iggy Hands Gym/ライト級8位)
判定0-3 (荒牧28-29/大藪27-29/梅木28-29)

第4試合 ストロー級 5分3R
×宮澤雄大(K-PLACE/4位)
○若林耕平(コブラ会)
判定0-3 (出口28-29/大藪27-29/梅木28-29)

第3試合 ウェルター級 5分3R
×髙橋攻誠(RIGHT THING ACADEMY/4位)
○押忍マン洸太(DESTINY JIU-JITSU)
1R 3’48” KO (左フック)

第2試合 フライ級 5分3R
×荻窪祐輔(K-PLACE)
○萩原幸太郎(パラエストラ八王子)
3R 1’25” TKO (コーナーストップ:マウントパンチ)

第1試合 女子アトム級 5分3R
○沙弥子(リバーサルジム横浜グランドスラム)
×原田よき(mma ranger gym)
1R 3’22” アームロック

プレリミナリー第2試合 フェザー級 5分3R
×工藤修久(禅道会小金井道場)
○立成洋太(パラエストラ千葉)
1R 4:30、TKO (ドクターチェック:左まぶたの負傷)

プレリミナリー第1試合 ライト級 5分3R
○水戸邉[みとべ]壮大(TRIBE TOKYO MMA)
×山﨑聖哉(BRAVE)
1R 2’22” TKO (ドクターストップ:肘打ちによる額のカット)

 9月11日に立川ステージガーデンで開催された『PANCRASE 329』の試合結果。メインイベントのライト級暫定王座決定戦はアキラが松本光史に3R TKO勝ちし王座戴冠しています。続きを読む・・・
カテゴリー
o PANCRASE TSUNE パンクラス 中島太一 猿飛流 鶴屋怜

【パンクラス】12.25 PANCRASE 330 横浜武道館で開催!

eye-catch-1662720127
12月25日に横浜武道館で開催される事が発表されたPANCRASE 330。パンクラスのホームグラウンドと言っても過言ではない横浜。本当に久しぶりですが、早くも好カードが集結する予感がひしひしとしてきました。

まず、昨日開催されたPANCRASE 329で勝利したTSUNEがバンタム級暫定王者の中島太一に戦線布告。これに中島も応えた事でタイトルマッチが内定しました。さらにセミではサラブレッド鶴屋怜がパンクラス2試合目にしてフライ級ランキング1位の上田将勝を秒殺。王者・猿飛流に対して対戦をアピールすると、猿飛流もこれを快諾。奇しくも二大タイトルマッチが決定しました。

ちょっと早いクリスマスプレゼントにファンは歓喜するばかり。来年30周年のメモリアルイヤーを迎えるパンクラスにとって最高のスタートになるのは間違いありません。正式発表が楽しみで仕方ありません。
カテゴリー
MMA MMAPLANET o PANCRASE Pancrase329 上田将竜 猿飛流 鶴屋怜

【Pancrase329】鶴屋怜が上田将竜を寄せつけずパウンドアウト。KOP猿飛流を呼び入れ――横浜で挑戦か

<フライ級/5分3R>
鶴屋怜(日本)
Def.1R2分33秒 by TKO
上田将竜(日本)

サウスポーの鶴屋が距離を詰める。上田は右ミドル。組みついた鶴屋がバックをうかがいながら、足をかけてくる上田をリフトアップし後ろに倒した。鶴屋の左腕を抑えた上田、しかし鶴屋は右足を絡めながら右の拳を叩き込んでいく。ケージに背中を着けながらRNCを狙った鶴屋、これは極められずも4の字ロックから右のパンチを連打。上田は防戦一方となり、バックから左の連打を浴びせた鶴屋がレフェリーストップを呼び込んだ。

勝者の鶴屋はインタビューでフライ級KOPの猿飛流をケージに呼び入れ、12月25日の横浜武道館でのタイトルマッチを要求。猿飛流も「お願いします」と答えた。


The post 【Pancrase329】鶴屋怜が上田将竜を寄せつけずパウンドアウト。KOP猿飛流を呼び入れ――横浜で挑戦か first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
DEEP DEEP109 DEEPフライ級GP Interview MMA MMAPLANET o パンクラス 五明宏人 今成正和 伊藤裕樹 住村竜市朗 前田吉朗 原虎徹 安谷屋智弘 小川徹 山本歩夢 山本聖悟 本田良介 村元友太郎 海外 渋谷カズキ 猿飛流 石司晃一 福田龍彌 誠悟 越智晴雄 長谷川賢

【DEEP109】元KOP小川徹がDEEPフライ級GP参戦「長南亮の弟子としてDEEP初戦は落とせない」

【写真】元フライ級KOP小川徹の参戦。誰と対戦しても楽しみななか、1回戦の相手に安谷屋智弘を選んだ(C)MMAPLANET

21日(日)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP109では、DEEPフライ級GP1回戦として元KOPの小川徹が安谷屋智弘と対戦する。
Text by Shojiro Kameike

今回のDEEPフライ級GP最大のサプライズは、元フライ級KOP小川の参戦だった。長年TRIBEからのDEEP参戦がないなかでの、小川の出場。今年3月、猿飛流に敗れてパンクラスのベルトを失ってから抽選会場への登場までの経緯と、GPへの意気込みを訊いた。


――今日はよろしくお願いいたします。小川徹選手のDEEPフライ級GP参戦には驚かされました。

「えっ、本当ですか。そう言ってもらえると嬉しいです」

――まず今回の参戦経緯から教えていただけますか。

「今年の4月ぐらいに、DEEPの公式SNSで『トーナメントを開催します。出場選手を募集しています』といった内容の投稿がありまして。それを見た時に、面白そうだなと思いました。ただ、TRIBEからは7年ぐらいDEEP参戦がなかったじゃないですか。確か中西さんの試合(2016年8月、長谷川賢戦)が最後だったかな? それで、ここは踏み込んでいいところなのかどうか分からずに、スルーしていたんです(苦笑)。

そうしたら長南さん(長南亮TRIBE TOKYO M.M.A代表)から『DEEPフライ級GP、面白そうじゃない?』と言われて。僕も『面白そうなので出たいです』と答えたら、長南さんが調整してくださったんですよ。だから僕は出たいと思ったし、そんな僕の背中を長南さんが押してくださったという形です」

――ちょうどお二人の気持ちが合致したのですね。その前に小川選手から、DEEPフライ級GPに出たいというような素振りを見せていたのではないですか(笑)。

「アハハハ。3月の試合のあとは、すぐ練習を再開していて、試合ができる準備も進めていました。でもタイトルマッチで負けて、またパンクラスでリベンジするかどうか気持ちがフワフワしていたところはあったんです。自分としては、そんな素振りは見せていなかったつもりですが、やっぱり分かっていたのかもしれないですね(笑)」

――もちろん元パンクラス王者のDEEPフライ級GP参戦というのも驚きでしたが、もう一つは久々にTRIBE勢がDEEPに出場するというのも意外なところはありました。

「前田吉朗さんのジムオープンの日に、長南さんが佐伯(繁DEEP代表)とお話されたそうで。そこから長南さんが『DEEPにも誰か出られるチャンスがあれば……』ということを、チラっと仰っていたんですよ。そういった経緯もありました」

――小川選手がDEEPに参戦することになり、周囲の反応はいかがですか。

「TRIBEの会員さんは、喜んでくれる方が多いですね。TRIBEが出来た頃からの会員さんは、長南さんがDEEPのベルトを巻いている姿を知っていますから。特にラストマッチはDEEPで勝ってベルトを巻いていて」

――ダン・ホーンバックルを相手に、最後はアンデウソン・シウバをタップさせたフライング・ヒールフックまで見せて勝利した、あの伝説的なラストマッチですね。

「それですよ(笑)。皆さん、その長南さんが残したイメージがあると思うんですよね。だから長南亮の弟子としてDEEP初戦は落とせないですし、そのイメージを裏切らない盛り上がる試合をしたいです」

――なるほど。3月にパンクラスで猿飛流選手に敗れてベルトを失いました。そこでリベンジするかどうか気持ちがフワフワしていたというのは……。

「試合直後は、今までの敗戦では味わったことのない気持ちがありました。ポッカリと心に穴が開いてしまったというか。今後どうしようかと。引退するかどうかではなく……まずあの結果を想像していなかったんです。だから自分の気持ちの落としどころが分からなくて」

――それはベルトを失ったことに対して、ですか。それとも試合内容に関してでしょうか。

「ベルトを失ってしまったことです。試合内容についても、後悔している部分はあります。自分の中で出し切れなかったところがあって。特に4R目と5R目で守りに入ってしまい、自分のパフォーマンスを100パーセント出し切れなかった悔しさもありますね」

――パンクラスはラウンド終了時に採点を公開しています。猿飛流戦では4Rが終わった時点でイーブンになっており、5Rを取ったほうが勝つという状況でした。そこで5R目に自分の力を出し切れなかった要因は何だったのでしょうか。

「それが実は……1R、2R、3Rは自分が取っていると思ったんです。2Rは猿飛流選手についていることを認識できていなくて。それで4Rは、ダウンもあったから相手に取られている。そこで自分がベルトを守るために、KOされたり一本を取られなければいいという考えを持ってしまいました。判定でも5Rで10-8がつかなければ勝てる、と。そういう意識で5R目がスタートしました。それぐらい自分の中で冷静さを失っていたんですね」

――それは5R開始前に、セコンドから『5Rを取ったほうが勝ち』という指示はなかったのですか。

「採点だけでなく、長南さんをはじめチームからは的確なゲームプランとアドバイスがありました。ただ、そこで行くか行かないかの戦略は、自分で判断して5Rを戦わないといけません。結果として、そこは自分の判断ミスだったなと思います。

これが海外の試合だったら、アナウンスも全て日本語ではないし、もっと分かりづらい部分はありますよね。でも、そんななかでも状況を把握して、冷静に判断して戦わないといけない。前回の試合は場所が日本だったというだけで、どこでどう戦おうと冷静に戦わないといけないし、まだ自分に足りない部分があると感じました」

――結果、ベルトを失って開いた心の穴が埋まったのは、DEEPフライ級GP参戦が決まってからなのでしょうか。

「いえ、その前に練習も再開していましたし、気持ちは切り替わっていました。ただ引き続きパンクラスに出るのか、あるいは他のプロモーションも面白そうだな……っていう、自分の方向性は定まっていなかったです。だからGP参戦が決まるまで、まだ本腰は入っていなかったな、という感じですね」

――そこでDEEPフライ級GP参戦が決まり、出場メンバーを聞いた時の印象はいかがでしたか。

「出場メンバーは、抽選会の時に初めて知りました(笑)」

――えっ、会場に誰がいるかも分からずに抽選会場へ行ったのですか。しかもご自身の参戦がサプライズで。

「はい(笑)。抽選会場で他の選手を見た時、やっぱり面白そうだと思いました。トーナメントに出るかぎりは、誰が相手でも優勝したいです。でも強い選手に勝って優勝しないと、自分の地位も上がっていかないので。今回のフライ級GPは、この中で優勝したら面白いな、って思えるメンバーが集まっています」

――抽選会場で出場メンバーを見てから、1回戦では誰と対戦したいと思いましたか。

「正直、誰と対戦したいという気持ちはなかったです。でも初戦から知り合いと試合したくはないなぁ、と思っていました(苦笑)」

――知り合い、というと?

「村元友太郎選手と福田龍彌選手ですね。福田選手はTRIBEで一緒に練習したこともあるので。越智(晴雄)さんも以前、一緒にトレーニングしたこともありました」

――抽選では小川選手が安谷屋選手を相手に選び、最後に越智選手と本田良介選手の盟友対決が決定しました。

「……アレ、僕のせいですよね」

――アハハハ、誰を相手に選ぶかは選手側の権利ですし、決して小川選手のせいではないでしょう。

「アレは狙っていたでしょう、って記者の方に言われました(苦笑)。でも本当に狙ってはいなくて、安谷屋選手の隣が空いていたのを見た時に、チームメイトの秋葉尉頼のことが頭をよぎったんです。2016年に亡くなった秋葉にとって、最後の対戦相手が安谷屋選手でしたから」

<この項、続く

■視聴方法
8月21日(日)
午後5時40分~SPWN PPV
午後5時40分~ニコニコ生放送PPV

■ DEEP109対戦カード

<DEEPフライ級GP1回戦/5分3R>
伊藤裕樹(日本)
原虎徹(日本)

<DEEPフライ級GP1回戦/5分3R>
安谷屋智弘(日本)
小川徹(日本)

<DEEPフライ級GP1回戦/5分3R>
本田良介(日本)
越智晴雄(日本)

<DEEPフライ級GP1回戦/5分3R>
渋谷カズキ(日本)
ビョン・ジェウン(韓国)

<フェザー級/5分3R>
今成正和(日本)
芦田崇宏(日本)

<ウェルター級/5分3R>
住村竜市朗(日本)
鈴木槙吾(日本)

<バンタム級/5分3R>
石司晃一 (日本)
山本聖悟(日本)

<メガトン級/5分2R>
誠悟(日本)
トーマス(米国)

<フェザー級/5分2R>
高野優樹(日本)
山本歩夢(日本)

<ストロー級/5分2R>
林豊(日本)
中村真人(日本)

<フェザー級/5分2R>
五明宏人(日本)
ゲオ・レバナ(コンゴ)

<バンタム級/5分2R>
KENTA(日本)
岩見凌(日本)

The post 【DEEP109】元KOP小川徹がDEEPフライ級GP参戦「長南亮の弟子としてDEEP初戦は落とせない」 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
ABEMA LFA MMA MMAPLANET o PFL Road to UFC SASUKE UFC イ・ジョンヨン イー・チャア ウリジブレン オーデ・オズボーン キム・ギョンピョ キム・ハンソル シャオ・ロン ジョーダン・ラヴィット トップノイ・キウラム ドナルド・セラーニ ナタン・レヴィ パク・ヒョンソン パンクラス ホン・ジュンヨン ボクシング マラブ・デヴァリシビリ ヴィンス・モラレス 中村倫也 修斗 内田タケル 堀内佑馬 宇佐美正パトリック 松嶋こよみ 海外 猿飛流 野瀬翔平 風間敏臣

【RTU ASIA2022】SASUKEのUFCへの道─01─before Road to UFC「前例のないことをやっていこうかと」

【写真】ラスベガスから戻ってきて、マスタージャパンで以前のように練習を続けているSASUKE(C)MMAPLANET

6月10日(金・現地時間)、シンガポールはカレンのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるRoad to UFC ASIA Episode01でイー・チャアと対戦するSASUKE。

修斗世界フェザー級王者のRoad to UFC出場が決まったのは、彼がラスベガスのシンジケートMMAで出稽古を行っている終盤だった。UFCで戦う目標を持ち続けていたSASUKEはRoad to UFC出場決定以前に何を考えていたのか──をまず、訊いた。


──まずラスベガスのシンジケートMMAで3月、4月と2カ月間、出稽古をされていましたが、あの時はRoad to UFCと出場ということは頭にあったのでしょうか。

「全くなかったです。開かれることも知らなかったですし」

──では、このタイミングでベガスで練習をしようと思ったのは?

「ルートはどうであれ、米国で戦いたいということは最初から思って来たことです。修斗でベルトを獲って、そこに行けるかもしれないという可能性が見えてきたときに──実際に海外の試合のオファーもいただきました。ただ色々な事情があって……行けなくて」

──ぶっちゃけ自分が掴んでいた話では昨年10月のPFLフィナーレ大会、そこで勝てば2022年シーズン出場ということだったかと。

「ハイ……。結果、あそこで行かなくて良かったと思います。PFLで戦う話がなくなり、暫らく試合がないという状況はケガもしてないのに初めてでした。その時間をどうしようかと考えた時に、海外に練習に行けるなと思いました。マネージャーから『昔、弘中(邦佳)がUFCと契約した時、そのまま試合をさせたけど、1度海外で練習を経験させていれば結果は違っていたかもしれない(※グラップリングや柔術、ハワイのプロ修斗など試合は経験していた)』という話を聞くことがデキました。『右も左も分からないままUFCへ行った』と。

『そういう先人達の経験からしっかりと学ばないとダメだ』とも言って貰えました。弘中さんも色々と助言をしてくれて、ルートを示してくれました。サステインの坂本さんと会って話した時に『君はコーチがいなく、1人で考えてやってきた。だから君のような選手こそ準備が必要だ』ということを言っていただき、腑に落ちるモノがありました。確かに何も知らないで、飛び込むことは……PFLのオファーは1カ月後だったので。

それでも悩みましたし、もちろん戦いたかったです。いつ試合が組まれるのか分からない状態で、気持ちは若いですけど実年齢は27歳と行ってしまっているので(笑)。残されている時間は少ないと思って、僕自身は戦うつもりでワクチンも接種しました(苦笑)。

ただし実際にUFCを経験した弘中さんの言葉は、絶対に確かなことで。凄く葛藤があったけど、自分で行かないと決めました。今となっては、それが良かったです。経験のあるなしという部分でラスベガスにいた2カ月間で、凄く色々な経験ができました。『これならやっていける』という自信もつきました。それがあったからRoad to UFCで強い選手と戦うことが決まっても変に舞い上がったり、緊張することがないです。だから、あのタイミングでPFLで戦わなかったことは、結果としてプラスになって戻ってきています。

向うで特にUFCで戦っている選手と殴り合い、蹴り合い、倒し合う経験をしました。それで外国人選手のパワー、技術、練習を経験値として貯めることができました。

悩んでどっちかを選択した時、どっちが正解かということではなくて、自分で正解にしないといけないじゃないですか。だからPFLに行かなかった決断、ラスベガスで練習したこともRoad to UFCで優勝して契約をすることで正解にします」

──う~ん、深いです。そしてベガスでの練習ですが、どのようなメンバーと主に練習してきたのでしょうか。

「ジョーダン・ラヴィット、ナタン・レヴィ、ブランドン・ジェンキンス、ヴィンス・モラレス、オーデ・オズボーンとかほとんどのUFCファイターとスパーリングをしてきました。カイル・ラウントリーのようなライトヘビー級の選手とはやっていないですけど(笑)。

あとラスベガスにあるので、色々なUFCファイターが集まるのでドナルド・セラーニとグラップリングのスパーをやりましたし、デロン・ウィンっていうミドル級で一番背の低い選手とも手を合わせました。マラブ・デヴァリシビリともスパーをしましたね」

──ラヴィットやレヴィ、LFAやコンテンダーシリーズから王道のステップアップを果たした選手と肌を合わせた感覚が非常に気になります。

「彼らは凄く考えながら練習していました。もちろん強いです。そのなかで柔軟に考えて……特にジョーダンはそのスタイルを見ても分かるかと思いますが。柔の強さというのか、ケガをしなくて丁寧にできて、抑えるところを抑える。僕がプレスを掛けるスタイルで、クリーンヒットとか貰わないですけど、5分のスパーリングをやったあとに精神的に削られています。ジョーダンとのスパーがそういう意味で、一番しんどかったですね。

ナタンは空手ベースで蹴りが重いです。中間距離の打ち合いとかでの一発とか、凄く重かったです。個性はあれど、柔軟に強かったです」

──ボクシング&レスリングの軸があるなかで、特色を持つ選手も多い。

「その通りですね。個性があります。人数が多いから色々なタイプの選手と練習できるのは当然ですけど、ジムの広さを存分に使った練習、ヘッドコーチのジョン・ウッドがいて、レスリングコーチのフランク・ヒックマンが最初の1カ月ほどいて。他のコーチも実際にスパーに参加して、体を動かしているんですよね。

自分の得意じゃないところで選手に極められたりもします。でも、あの一緒にやる姿勢があるからこそ信頼関係が生まれるというのか。また選手達も、自分で良く考えている。自分で考えてやっている姿を見て、環境は違いますが自分がやってきたことは間違っていなかったと思えました」

──その経験をすると、ずっと向うで練習したくならないですか。

「心の中ではそうです。ただ、今できることを……向うで学んだ技術は全てメモしてきているので、マスタージャパンの上のメンバーに指導しています。向うと同じではないですけど、そうやって指導できるようになることで彼らのレベルも上がり、自分のレベルも上がると思います」

──では帰国後も練習環境などは以前と同じで。

「ハイ、マスタージャパンを中心にあとはパンクラスのフライ級チャンピオンの猿飛流さんと、技術交流をして打ち込みをやったりで。帰国したら、これまでと変わりなく日本でやれるベストのことをやっています」

──ところで実際にはRoad to UFC出場が決まったのは、いつ頃だったのでしょうか。

「最初に話を貰ったのは……ハッキリ覚えていないですけど、4月の頭ですね。Road to UFCがあるから行きたいかと聞かれて、『行きたいです』と即答しました。試合映像とかも送って、暫らく音沙汰がなかったです。でも毎日、練習を繰り返すという日々だったので、そんなに気にすることはなかったです。もうダメかな、多分ないなぐらいに思っていた時に、帰国する1週間前に決まりました。

それでも『じゃあやるか』というぐらいの感じで。嬉しかったですけど、久しぶりの試合だなっていう感じになったぐらいでしたね」

──ではRoad to UFCがこのタイミングでなければ、どのようなステップアップ方法を考えていたのでしょうか。

「修斗で戦うことですね。修斗で防衛をしながら……前チャンピオンがやらなかったことで、道を切り開こうという考えはありました。難しい話ですけど、ベルトを持ったまま他団体のチャンピオンを倒して、団体統一チャンピオンではないですけど、フェザー級の強いのを倒そうと。修斗のベルトを持って、他の団体のチャンピオンに挑戦しようかとか。前例のないことをやっていこうかと薄々考えていました」

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
Episode01
6月9日(木・日本時間)
午後3時30分~UFC FIGHT PASS
Episode02
6月9日(木・日本時間)
午後6時30分~UFC FIGHT PASS
Episode03
6月10日(金・日本時間)
午後3時30分~UFC FIGHT PASS
Episode01
6月10日(金・日本時間)
午後6時30分~UFC FIGHT PASS

■ROAD TO UFC AISA2022 Episode01対戦カード

<Road to UFCフェザー級T準々決勝/5分3R>
SASUKE(日本)
イー・チャア(中国)

<Road to UFCライト級準々決勝/5分3R>
パラチン(中国)
キ・ウォンビン(韓国)

<Road to UFCバンタム級準々決勝/5分3R>
風間敏臣(日本)
クルムアリ・マイマイティトゥハティ(中国)

<Road to UFCフライ級準々決勝/5分3R>
チェ・スングク(韓国)
ラマ・スパンディ(インドネシア)

<ライトヘビー級/5分3R>
チャン・ミンヤン(中国)
トゥコ・タクコス(ウクライナ)

■ROAD TO UFC AISA2022 Episode02対戦カード

<Road to UFCバンタム級T準々決勝/5分3R>
シャオ・ロン(中国)
キム・ミンウ(韓国)

<Road to UFCフェザー級準々決勝/5分3R>
松嶋こよみ(日本)
ホン・ジュンヨン(韓国)

<Road to UFCフライ級準々決勝/5分3R>
チウ・ルェン(中国)
ウォーレン・デルロサリオ(フィリピン)

<Road to UFCライト級準々決勝/5分3R>
アイリヤ・ムラトベク(中国)
パワン・マーン・シン(インド)

<フライ級/5分3R>
ショーン・エチェル(豪州)
内田タケル(日本)

■ROAD TO UFC AISA2022 Episode03対戦カード

<Road to UFCフェザー級T準々決勝/5分3R>
シェ・ビン(中国)
イ・ジョンヨン(韓国)

<Road to UFCフライ級準々決勝/5分3R>
堀内佑馬(日本)
トップノイ・キウラム(タイ)

<Road to UFCライト級準々決勝/5分3R>
アンシュル・ジュビリ(インド)
宇佐美正パトリック(日本)

<Road to UFCバンタム級準々決勝/5分3R>
中村倫也(日本)
ググン・グスマン(インドネシア)

<女子ストロー級/5分3R>
ソ・イェダム(韓国)
ジョセフィン・クヌトゥソン(スウェーデン)

■ROAD TO UFC AISA2022 Episode04対戦カード

<Road to UFCバンタム級T準々決勝/5分3R>
野瀬翔平(日本)
ウリジブレン(中国)

<Road to UFCライト級準々決勝/5分3R>
キム・ギョンピョ(韓国)
アスクルバイ(中国)

<Road to UFCフェザー級準々決勝/5分3R>
ルー・カイ(中国)
アンガ・ハンス(インドネシア)

<Road to UFCフライ級準々決勝/5分3R>
パク・ヒョンソン(韓国)
ジェレミア・シレガー(インドネシア)

<ウェルター級/5分3R>
ジョン・アダハー(フィリピン)
キム・ハンソル(韓国)

The post 【RTU ASIA2022】SASUKEのUFCへの道─01─before Road to UFC「前例のないことをやっていこうかと」 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
ACA KAREN MMA o PANCRASE RYO   ハンセン玲雄 パンクラス ロッキー川村2 中村勇太 中田大貴 亀井晨佑 修斗 内村洋次郎 内藤由良 名田英平 小川徹 尾崎龍紀 岩本達彦 松本光史 猿飛流 葛西和希 藤野恵実 透暉鷹 遠藤来生 高島俊哉

『PANCRASE 326』試合結果


第2部

第7試合 メインイベント パンクラス・フライ級チャンピオンシップ 5分5R
×小川 徹(TRIBE TOKYO MMA/王者)※2度目の防衛戦(正規王者としては初防衛戦)
○猿飛流[さとる](リバーサルジム川口REDIPS/1位、ネオブラッドトーナメント2019同級優勝&MVP)
判定0-3 (山﨑47-48/大藪47-48/太田47-48)
※猿飛流が王者に

第6試合 コーメインイベント パンクラス女子ストロー級チャンピオンシップ 5分5R
×藤野恵実(トライフォース赤坂/王者)※初防衛戦
○KAREN(PRAVAJRA/1位)
4R 3’18” TKO (レフェリーストップ:右肘打ちによる頭部のカット)
※KARENが王者に

第5試合 パンクラス・ミドル級王者決定戦 5分5R
○内藤由良[ゆら](リバーサルジム横浜グランドスラム/1位)
×ロッキー川村2(パンクラスイズム横浜/2位、元ミドル級&ライトヘビー級王者)
1R 0’42” KO (左フック)
※内藤が王者に

第4試合 パンクラス・フェザー級王座挑戦者決定トーナメント一回戦 5分3R
×中田大貴(和術慧舟會HEARTS/1位)
○亀井晨佑[しんすけ](パラエストラ八王子/3位、ネオブラッドトーナメント2018同級優勝)
判定1-2 (28-29/29-28/28-29)

第3試合 パンクラス・フェザー級王座挑戦者決定トーナメント一回戦 5分3R
○岩本達彦(BLOWS/2位、ネオブラッドトーナメント2020同級優勝)
×Ryo(4位、元THE OUTSIDER 75-70kg王者)
1R 3’17” アームロック

第2試合 ライト級 5分3R
×葛西和希(マッハ道場/3位)
○松本光史(M PLATIC/5位、元修斗世界王者)
判定1-2 (28-29/29-28/28-29)

第1試合 フライ級 5分3R
×田代悠生(パラエストラ千葉)
○前田浩平(GRABAKA)
2R 2’16” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)

第1部

第7試合 パンクラス・フェザー級王座挑戦者決定トーナメント・リザーブマッチ 5分3R
○透暉鷹[ときたか](ISHITSUNA MMA/5位、修斗2019同級新人王)
×名田英平[ようへい](コブラ会/8位、ネオブラッドトーナメント2019同級優勝)
2R 1’31” 裸絞め

第6試合 フェザー級 5分3R
×遠藤来生[らいき](Power of Dream Sapporo/10位)
○内村洋次郎(イングラム/元ZSTウェルター級王者)
判定1-2 (28-29/29-28/28-29)

第5試合 ストロー級 5分3R
○高島俊哉(リバーサルジム新宿Me,We/4位、ネオブラッドトーナメント2017同級優勝)
×尾崎龍紀(コブラ会/6位、ネオブラッドトーナメント2019同級優勝)
1R 1’54” 裸絞め

第4試合 ライト級 5分3R
×渡部拓馬(reliable)
○DARANI(PRAVAJRA)
1R 0’38” 裸絞め

第3試合 ウェルター級 5分3R
×中村勇太(T-Rex Jiu-Jitsu Academy/4位)
○髙橋攻誠(RIGHT THING ACADEMY)
1R 2’40” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)

第2試合 フェザー級 5分3R
×ハンセン玲雄(reliable)
○鹿志村仁之助(IGROO)
2R 0’58” 三角絞め

第1試合 ストロー級 5分3R
×大城正也(T-Rex Jiu-Jitsu Academy)
○植松洋貴(NEVER QUIT)
判定0-3 (28-29/28-29/28-29)

 3月21日にベルサール高田馬場で開催された『PANCRASE 326』の試合結果。メインイベントのフライ級チャンピオンシップは猿飛流が小川徹に判定勝ちし新チャンピオンに。女子ストロー級チャンピオンシップはKARENが藤野恵実に4R TKO勝ち。ミドル級王者決定戦は内藤由良がロッキー川村2に1R KO勝ちし新チャンピオンになっています。続きを読む・・・