【写真】しっかりとしたMMA観がある野村。レスリングベースの練習仲間の多さが、野村のMMA観を養っているのか(C)MMAPLANET
11日(日)、東京都港区のニューピアホールで開催されるDEEP TOKYO IMPACT2022#07で野村駿太が、小金翔と対戦する。
伝統派ノンコン競技空手出身、デビューから1年3カ月で3勝1敗の戦績を残す野村は、キャリア20勝4敗2分の小金との対戦前日──計量後にも関わらず落ち着き払ってインタビューで答えていた。
空手ベースのストライカーではなくウェルランダ―としてトップを目指す野村は自らの試合、先輩・五明宏人について話した。
──計量を終えて、今の心境を教えてください。
「明日やるぞという気持ち、それだけです」
──かなり頬がこけていますが、減量の幅はどれぐらいなのでしょうか。
「もともと普段からプヨプヨになるようなことはないのですが、摂生していて水抜きも合わせて7、8キロですかね。体重自体は変わらないのですが、レスリングの練習量が増えると体つきが変わって大きくなったようです」
──筋トレではなくて、レスリングで体が大きくなると。
「そうですね。それとイチロー選手がやっていた初動負荷トレーニングをやっています。関節を細かく動かして、可動域を広げるという感じのトレーニングです。人間が持っているバランスを大切にした体の使い方が必要だと、自分は思っていて。変に体を大きくするのではなくて、もともとのバランスを大事にしてトレーニングをしていると、筋肉もついてきた感じです」
──タイミングとスピードが大切だった空手家時代と比較して、組みがあることで練習内容も変化し体つきも変ったということですね。
「ハイ。耐久力、瞬発力、引きつせる力もパワーということではなくて、上手く体を使うことで出てくるというのが最近少し分かってきました。レスラーにはレスラーならではの体つきがあるように、空手家には空手家の体つきがああります。レスラーの真似はできないので、工夫してやっていかないといけないです」
──7月の泉武志選手との試合、まさにレスラーとの対戦で競り勝ちました。
「普段練習させていただいている武田(光司)さんより実績があるということで、警戒し過ぎた部分が多かったです。そんなレスラーの泉選手から、自分的には思ったほどテイクダウンもされずに凌げたというのはあります。ただし、あの展開では自分も打撃を出すことができなかった。内容的には何もされなかったけど、何もしていないというモノになりました。
なので今回は、そこを変えられるよう試行錯誤して練習をしてきました。この5カ月は自分を見直す時間になりました。泉選手との試合で、自分と堀口選手の違いが実感できる試合だったので」
──レスリングを凌ぐだけでなく、空手……打撃で攻めたいと。
「ハイ。空手というよりもMMAファイターとして打撃を使って攻められるようになりたいです。欲を言えば、ああいう相手に打撃を使って倒したいというのはありますが、そこだけに頼るのではなくてMMAファイターとして、打撃以外のところでも勝負できるようになりたいと思っています」
──そして今回の相手である小金選手は、ZSTのチャンピオンであったり、日本のトップ選手とも戦っているファイターです。
「ハイ。戦績的には自分よりもずっと上の選手ですけど、普段から練習させてもらっている練習パートナーと比較すると怖い部分がないです。良くも悪くもウェルラウンダーで。自分はどちらかというと打撃中心で、組みとか寝技が出せていないので、打撃だけでないと見せることができる試合になると思います」
──ステップアップを考えると、凄く大切な試合になります。
「この試合で今後スッと上に行けるのか、またやり直しになるのか。そこが変わって来る試合で、ここに勝てばトントンと上に行けると思っています。なので自分の得意なところ、皆ができないだろうと思っているところも形になっているので、そこしっかりと見せたいです。そして『こんなに隙がないのか』と思われるよう戦いたいです」
──押忍。あと明日の試合に関係ないのですが、同じ伝統派空手からMMAに転じた五明宏人選手がいます。彼のことを意識しますか。
「宏人先輩ですか?」
──えっ、先輩なのですか。
「帝京大学で自分が1年の時に、宏人先輩は3年でした。自分の部屋の先輩と仲が良くて、いつも部屋に来ていました。僕の試合も応援に来てくれますし、僕も前回の試合は見に行かせてもらいました。凄く良い刺激になっています」
──五明選手は空手の蹴りを使いつつ、喧嘩が強かったんじゃないかという圧力をかけて顔面を殴っています。
「自分は空手を小さな頃からやっていなかったので、トップ戦線で戦うのが遅かったです。でも宏人先輩は高校の時からトップでやってきて、空手の上手さを凄く持っています。MMAに来てからは、自分が知っている宏人先輩ではないような戦いになっています。
本当に負けない戦い方ができる空手家で。今、あんな風にガンガンと攻めることができるのも貰わないという自信があるからだと思います」
──五明先輩に負けたくないという気持ちはありますか。
「ハイ。でも自分は空手ベースですが、ストライカーというよりもウェルラウンダーとしてやっていきたいというのがあります」
──なるほどっ!! では明日の試合に向けて、読者に一言お願いします。
「しっかりと小金選手に勝って、武田さんのようにライト級のトップ戦線に駆け上がっていきたいです。応援の方、宜しくお願いします」、
■視聴方法(予定)
11月23日(日)
午前11時30分~SPWN PPV
午前11時30分~ニコニコ生放送
■ DEEP Tokyo Impact07計量結果
<フライ級/5分3R>
小川徹:57.05キロ
原虎徹:57.2キロ
<59キロ契約/5分3R>
駒杵嵩大:58.9キロ
RYOGA:58.85キロ
<ライト級/5分3R>
小金翔:70.7キロ
野村駿太:70.75キロ
<63キロ契約/5分2R>
木下尚祐:63.15キロ→63.1キロ→63.0キロ
窪田泰斗:62.95キロ
<フライ級/5分2R>
渋谷カズキ:57.05キロ
松丸息吹:57.0キロ
<フェザー級/5分2R>
劉獅:66.15キロ
狩野優:65.95キロ
<フェザー級/5分2R>
鬼山斑猫:66.05キロ
梶本保希:65.75キロ
<ウェルター級/5分2R>
小林ゆたか:77.3キロ
マッスル岩倉:76.65キロ
<ライト級/5分2R>
涌井忍:70.45キロ
岩倉優輝:70.65キロ
<ライト級/5分2R>
倉本大悟:70.75キロ
森俊樹:70.6キロ
<フライ級/5分2R>
根本元太:57.1キロ
三好マヒロ:57.2キロ