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【NEXUS28】須藤拓真と仕切り直しの防衛戦、河村泰博「人とは違うことをしたいんです」

【写真】ある意味、下と下の争いという現代MMAにあって――まさに人とは違う試合展開となるのか(C)SHOJIRO KAMEIKE

7日(日)、東京都新宿区のGENスポーツパレスで開催されるNexus28で、バンタム級王者の河村泰博が須藤拓真を挑戦者に迎えて防衛戦を行う。
Text by Shojiro Kameike

当初この試合は、2月13日に開催されるはずだった。しかし河村が試合前にコロナウイルスに感染したため中止に。今大会で仕切り直しの対戦となった。その間、須藤はRIZINに出場して渡部修斗に勝利。一方の河村はパンクラスに出場予定であったものの、今度は対戦相手の負傷により試合が消滅している。その時間が、今回の試合に与える影響はあるのだろうか。試合直前、王者の河村に訊いた。


――河村選手は今年に入り、2試合が連続で中止となりました。まず2月に行われる予定であった須藤拓真選手とのタイトルマッチは、河村選手がコロナウイルスに感染したために中止となっています。その時の状況から教えていただけますか。

「まず家族が感染して、自分は濃厚接触者になりました。その段階でプロモーターサイドには連絡していたのですが、数日後に僕も体調が悪くなり……。調べてみたら自分も感染していて。それが判明したのは、試合まで2週間を切ったぐらいのタイミングでした。

かなりコロナが流行っていた時期で、そこから2週間の外出禁止になりました。職場も2週間の出勤停止になり、試合もプロモーターと協議して中止としていただきました」

――現在は第7波と言われ、コロナウイルスの感染者も急増しています。格闘技関係者でも感染している方が多いのですが、その時はご自身が感染して、どのように思いましたか。

「まさか自分が……という感じでした。しかも、このタイミングで。大会のメインを務めることになっていて、対戦相手はもちろんプロモーター、お客さんにも申し訳ない気持ちでいっぱいでした」

――次に、4月29日にパンクラスで予定されていた高城光弘戦は、高城選手の負傷によって中止となりました。この試合のオファーは、コロナ療養中に来ていたのでしょうか。

「いえ。2月にタイトルマッチが行われていても、その勝敗に関わらずパンクラスが僕を出したいというオファーが、山田代表(山田峻平ネクサス代表)のところへ届いていたようで。山田代表はタイトルマッチが終わったあとに、その話を僕に伝えようと考えていたそうなんです。

でもタイトルマッチがなくなってしまいました。本来は5月にタイトルマッチを仕切り直す予定だったらしいのですが、対戦相手とスケジュールが合わなくなって。『それならパンクラスで1試合挟んでもいいよ』という話になったんです。それでパンクラス出場を決めて準備していたという流れです」

――その試合も中止になった時の心境というのは……。

「意外と前向きな気持ちでしたね。パンクラスの試合が決まる前から、いずれどこかのタイミングで須藤選手とのタイトルマッチはやることになっていて。だから、次の試合が無いということはない。4月の試合までは、しっかり追い込んで練習もできていましたし、仕切り直しの須藤戦に向けて気持ちを切り替えることができました」

――なるほど。ここから少し河村選手のキャリアについてお聞きしたいのですが、MMAを始めたのはいつ頃でしょうか。

「大学生の時です。高校生の時にブラジリアン柔術を始めていたのですが、もともとMMAをやりたくて柔術道場に通っていました。でも親から『MMAはダメだ』と言われて……。サークルみたいなところで柔術を始めてから3年ぐらい経って、MMAをやるために今の和術慧舟會AKZAに入会しています」

――高校生の時に柔術を始めたキッカケは何だったですか。

「ずっと野球をやっていたんですが、当時は格闘技ブームで。自分も格闘技が好きだったので、思い切って始めてみようと思いました。2005年、2006年ぐらいの話ですね。PRIDEやK-1 MAXがあった時で、僕はPRIDEを見てMMAをやりたい、と。あの頃は桜庭選手や五味選手の試合を、それこそビデオテープが擦り切れるぐらい見ていましたね」

――桜庭選手や五味選手の試合を見ながら、レスリングやグラップリングではなく柔術を学び始めたのですか。

「実は……桜庭選手とヒカルド・アローナの試合が、すごく印象深くて」

――2005年6月、アローナが4点ヒザで桜庭選手を負傷TKOに追い込んだ試合ですね。

「そうです。あのヒザ蹴りで桜庭選手の顔がボコボコになっていたのに驚いて。アローナやブラジリアン・トップチームのメンバーってカッコいいな、と思ったんです。この人たちは何だろうと思って調べたら、ブラジリアン柔術にたどり着きました。

同じBTTでは、ノゲイラ(アントニオ・ホドリゴ・ノゲイラ)も凄かったじゃないですか。親がMMAはダメだと言っていたのは、打撃が理由だったんです。だったら柔術をやってみたいと思って」

――河村選手がMMAの試合では三角絞めによるフィニッシュが多いのは、もしかしてミノタウロの影響なのでしょうか。

「いえ、そんなには意識していないですね……。三角絞めが得意になったのは、たまたまです(笑)。もともと手足が長いので。初めて出た柔術の試合で、三角絞めで勝ってから得意技になっています。アマチュアMMAも三角絞めで勝ったことが多いんですよ。

自分が三角絞めを好きになったのは、青木真也さんの影響が大きいと思います。PRIDEからMMAを見始めて、他のプロモーションも見ていたら修斗にメチャクチャ寝技の強い人がいるぞと。それが青木さんでした。当時は下からガンガン攻めていたので、僕もそれを真似していました。僕も柔術でラバーガードばっかりやっていましたね(笑)」

――ただ、青木選手もそうであったように河村選手もトップゲーム主体へ移行することはなかったのでしょうか。

「それは考えた時もありました。でもトップゲームで相手を固めて時間を過ごすのは、練習でも試合でも楽しいとは思えなくて。やっぱり僕はタップを奪いたいんですよ。トップを奪って5分間制圧しても……それよりは一本を目指したい。じゃあ自分が何で一本を取れるのかといえば、下からの三角絞めとか、下から攻めるほうが得意なので」

――そうだったのですね。昨年7月の福島啓太戦はケージレスリングの末に最後は下から三角絞めを極めたのは、なぜなのだろうかと思っていました。

「福島戦も最後に僕がバックを奪ってから、周りが『削ったほうがいい』と言っていたんです。でも僕は、削るより一本を取るほうが楽なので(笑)。バックを奪ってから、相手はこう動くから、そこで一本取れるなっていう考え方のほうが先にありました」

――そのほうが確実に勝利できるのであれば、当然の選択ですよね。

「試合をしていても、どんどんその方向性になっています。正直、抑え込むのって疲れるじゃないですか。だから一本取って早く試合を終わらせたいですね」

――一方で、これまで相手がトップゲームを選択して、河村選手が敗れることもあったと思います。

「はい、ありました。でもそこで自分を変えようとは思いませんでした。判定で勝っても面白くないですし、あとは僕に求められているものは打撃で勝つことや、抑え込んで勝つことではないと思うので。だから、それに特化したほうがよいと考えています。

もちろん、僕自身もそうやって勝つ練習もしています。でも試合が始まると、やっぱり寝技をやろう、寝技で勝ちたいという気持ちになってしまうんですよね(苦笑)」

――今の河村選手にとっての目標は、一本で勝つことなのか。それとも勝ち星を増やして、より大きな舞台で進むことなのか……。

「目標ですか。うーん……やっぱりPRIDEを見て育ってきたので、大きな舞台で戦いたいという気持ちはあります。でも、それと同時に、人とは違うことをしたいんですよね。MMAでも打撃で勝つことや、トップゲームで勝つことが主流になってきたじゃないですか。そんななかで、他とは違う寝技で勝ったほうがカッコいいなと思っています」

――では、そうやって過ごしてきたキャリアの中で、昨年11月の佐藤将光戦の結果と内容については、どのように受け止めていますか。

「試合をする前は、結構いけるんじゃないかという気持ちがあったんです。でも実際に対峙してみたら、明らかに佐藤選手は強いなっていうことが分かりました。試合が終わって、単純に実力差があったなと。それは僕自身が一番分かっています。

試合内容でいえば、最初に僕のジャブが当たって、打撃の距離が良いと感じたんですよ。ただ、そこに迷いみたいなものが生まれて……。本当だったら寝技で勝負するのに、そこで佐藤選手を相手に『他のこともできるんじゃないか?』と思ってしまいました。

何より――佐藤選手が強かったから、その迷いが生まれたのかどうか。それが分からないままでした。あの試合は、自分の力を出せなかったことが一番悔しかったです」

<この項、続く

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【NEXUS28】ネクサスでもプログレス組み技マッチ=竹浦正起✖関原翔、濱岸正幸✖山田崇太郎──実現!!

【写真】柔術家がMMAファイターに攻められる展開が、活動初年度のプログレスではほぼほぼ見られていない。果たして、この一戦は?!(C)MMAPLANET

25日(月)、Progressが8月7日(日)に東京都新宿区GNEスポーツパレスで開催されるNexus28内で2試合のプログレス(フォークスタイルグラップリング)マッチを提供することを発表した。

同大会ではNEXUSバンタム級選手権試合=チャンピオン河村泰博✖チャレンジャー須藤拓真を始め、ライト級でコクエイマックスに敗れたジェイソン・ウィルキンスの再起戦=マーシーグローブTV戦、横山武司✖ファビオ・ハラダのフェザー級戦とタイトル戦線に影響を及ぼす注目のカードが組まれている。

そんな同大会にポイント制ケージグラップリングのプログレス・ルールで濱岸正幸✖山田崇太郎、竹浦正起✖関原翔の2試合が実施される。


共に当日計量で濱岸✖山田は86キロ契約、竹浦✖関原は68キロ契約で行われる。

濱岸は5月のHEAT50でレアンドロ草野と対戦し、柔術ベースのスクランブル&ポジションの草野に9-6で敗れたもの上下の入れ替わりでポイントが加算される同ルールの見所が詰まった戦いをやってのけた。

(C)MATSUNAO KOKUBO

対して山田は日本を代表するグラップラー。3月にプロ修斗で西川大和に腕十字で敗れたが、打撃のないなかでの組み技力はMMAにおける組技とは別モノだ。

そのMMAでは2015年10月にZSTで両者は肌を合わせており、濱岸がスプリット判定勝ちを収めている。レスラーがケージに押し込んでテイクダウン、そこからスクランブルという流れでないグラップリング、スイープやリバーサルを交えたサブミッション重視の試合になることが予想される両者の再戦、どのような組み技の攻防が見られるか楽しみだ。

竹浦✖関原は、まず関原の参戦に驚かされた。格闘代理戦争からIMMAF世界大会を経て、パンクラスでMMAデビューを果たした竹原は、ネクサスには2020年12月大会に1度参戦経験がある。

その試合後からDEEPを主戦場とし、昨年11月にはRIZIN出場も果たした関原は、NEXUS以降の戦績は7勝1敗──DEEPフライ級GPに現時点で名前がないのが不思議な国内フライ級の有望株だ。

とはいえ、このルールにおけるMMAファイターは攻撃力の前に防御力という部分で柔術家との力の差を過去7カ月で見せつけられてきた。実際、竹浦も5月のHEATで椿飛鳥と対戦した際には、シングルレッグに対して前転してビクトル投げの要領から50/50&内ヒールで一本勝ちしている。

上を取ることが有利なポイント制グラップリングであっても、引き込んで極める強さを森戸新士と竹浦は既にプログレス・ルールで示してきた。MMAファイター同士でない、異種格闘技プログレスの場合、関原がまずすべきことは引き込みに付き合わないこと。

ただし、そこは竹浦もジャンピンガードなどで工夫を凝らしてくるだろう。それ故にもう一段上を目指すと、これは濱岸にも当てはまるが、ガードワークに来られても頑強に抑えることができるかどうか。

パンチがなくても、足を絡まれようが竹浦と山田を胸をつけて抑える──いわゆる塩漬けにできれば、その組み技防御力こそMMAに役立つ。殴って逃げられる展開で、殴らなくて逃げられる術がある方がMMAファイターとして強い。

そう戦えるMMAファイターが出てくることで、柔術家も強化できる。何よりもMMAファイターだけでなく、柔術家やグラップラーも真剣勝負の場で自分を試すことができる──それこそが現時点でのプログレスの醍醐味だ。

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【NEXUS28】仕切り直し。須藤✖渡部修斗があったからこそ──2月とは違う河村泰博×須藤拓真が見られる!?

【写真】須藤の足関前、足関後の展開がより楽しみになったバンタム級タイトルマッチだ(C)MMAPLANET

27日(金)、NEXUSが8月7日(日)に東京都新宿区GNEスポーツパレスで開催するNexus28と対戦カードを発表し、仕切り直しのバンタム級タイトルマッチが決定した。

2月大会で予定されていた同階級の頂上決戦はチャンピオン河村泰博のコロナ陽性の影響で延期されていた。


その後、河村は4月29日のパンクラス立川大会で高城光弘戦が決まっていたが、対戦相手の負傷で中止に。河村にとって今回の王座防衛戦は昨年11月のVJT以来、9カ月振りの実戦となる。

一方チャレンジャーの須藤拓真は4月のRIZIN TRIGGERで過去に同王座を返上した渡部修斗と対戦しスプリット判定勝ちを収めている。この渡部戦、柔術家としてMMAを戦う信条を持つ須藤にとって、初めてMMAで足関節を極めることができなかった試合となった。それゆえにこれまでのMMAで詰めなかった経験となったはずだ。

足関節を極め切れない場合の処置、下にステイするのかトップをとりに動くのか──チャンピオン河村もまた、須藤✖渡部戦によって挑戦者への理解度が進んだであろう。結果的に、今回のタイトル戦は2月に実現していたケースと比較しても、より進化し、より緻密さが求められる戦いになる。

また今大会ではキャリア15年目を迎える小倉拓也のNexus初陣も決まっている。青森在住、修斗からTTFC、地元興行のGFGを経て札幌のPFCでベルトを巻いた小倉が4年10カ月振りに東京での試合に挑む。対するジェイク・ムラタはパンクラス、Nexus、そしてIREのコンバット柔術とケージの中で結果が残せていない状況が続いている。11月7日の後楽園ホール大会出場へジェイク・ムラタもそうだが、ジェイク・ウィルキンスや小森真誉らの再起が掛かった試合も注目だ。

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DEEP MMA MMAPLANET o RIZIN RIZIN TRIGGER03   キック ゲイリー・トノン タン・リー パンクラス ボクシング 修斗 河村泰博 渡部修斗 須藤拓真

【RIZIN TRIGGER03】「柔術はMMAより面白い」ことを証明するための一歩。須藤拓真、渡部修斗戦へ

【写真】言いたいことを口にするが、決して無礼ではない。そこは断言します(C)MMAPLANET

16日(土)に東京都調布市の武蔵野の森アリーナにて開催されるRIZIN TRIGGER03に須藤拓真が出場し、渡部修斗と対戦する。

昨年9月の全日本ノーギ・エキスパート・フェザー級優勝、紫帯で黒帯を撃破したことで一躍注目されるようになった須藤はMMAも戦う三足の草鞋を履く──グラップラーだ。いや、本人は柔術家がグラップリングとMMAを戦っているという自論を持つ。

そしてMMA、柔術、グラップリングは別モノだとも断言しつつ、自らの柔術でその全てで結果を残してきた。本来、2月にMMAで主戦場とするNEXUSバンタム級のベルトに挑戦予定だったが、王者の欠場で延期に。そして決まったRIZIN TRIGGERでは彼が目指すベルトを返上した渡部との対戦が決まった。

自身の気持ちをオブラートに包むことなく、言葉にする須藤。「柔術はMMAより面白い」という発言に信ぴょう性を持たせるためにケージに足を踏み入れる。TRIGGERという舞台で、どのような須藤拓真柔術を見せることができるか。渡部戦とこれから、を尋ねた。


──2月13日にNEXUSバンタム級チャンピオン河村泰博選手に挑戦予定が、王者のコロナ陽性で延期に。年明けに録った須藤選手インタビューがお蔵入りとなってしまいました。

「本当に、そうですよね。ただタイトル挑戦はやる予定です。本当は5月8日大会でオファーを一度は貰ったのですが、4月30日の全日本ノーギに出場するつもりでいて。ケガをするリスクがあるから、5月は回避されることになりました。まぁ僕が全日本ノーギを優先するって言ったからなんですけど」

──アハハハ。それは山田代表も厳しいですね。ただ本来は2月に挑戦予定で、延期は須藤選手の責任ではないですしね。もちろん、コロナは致しかたないことで。

「まぁ、そういう気持ちは自分のなかで多少ありました。オミクロンで流れるのはしょうがないとしても、僕自身は減量もしていたし……でもしょうがないですよね。練習中のケガとは違いますしね。怒りのぶつけどころがなかったです。僕も練習しているから、次は僕が罹患するかもしれないですし」

──では現状、全日本ノーギの方は?

「出ます。TRIGGERの2週間後なので大丈夫です」

──あははは、最高です。とはいえTRIGGERでの対戦相手はNEXUSで目指す王座を返上した渡部修斗選手です。ちょっと、この辺りも気持ちとしては微妙ではないでしょうか。

「奇妙でしょうがないです。そうですね……ネクサス同士で、ネクサスがそれでOKなのかと思いました(笑)」

──パンクラス、修斗、DEEPの選手と戦いたかったと?

「どうせなら違う団体の人と戦いたいというのは正直、ありましたね。でも、そこまで相手に拘りはなかったです。ここで勝つと、この選手が返上したベルトに挑戦するというのはやはり奇妙な感覚ですけど(笑)」

──では渡部修斗という選手に対して、どれだけ価値がある相手だと捉えていますか。

「正直、別にどうとも思っていないです。RIZINでめっちゃ勝っているわけでもないし、何の印象もないです」

──渡部修斗選手に限らず、RIZINで試合をすることが、RIZINで強い選手に勝つことより優先されているように感じる選手は少なくないです。

「あぁ、RIZINに出たいという感じが凄く出ていますよね。僕は強い選手と戦いたい気持ちが大きいです。だから、この試合は落とせないです」

──そんななか渡部選手の印象を教えてください。

「印象……グラップリングは強いと思います。ただ、怖さはないのかなとは……思っています(笑)」

──MMAPLANETで非常に良くしてもらっている柏木さんの試合予想で、総合力で渡部選手というような記述がありました。握手をしながら刺すわけではないですが、アレは自分とは見方は違います。

「自分の方が打撃は強いんじゃないかと思っています。渡部選手の打撃は見たことがないですし」

──キックボクシング歴4年ですから。12月に柏木さんの目の前で森山(壱政)選手の一発でダウンをしたことが、そういう印象を与えたのではないかと。

「あぁ、余り大きな口を叩くことはできないですね(笑)」

──そして足関節✖マジカルチョーク。ただ須藤選手が✖✖✖✖✖してしまえば。その展開は潰せるかと。

「そうなんです。そうすれば、別に平気です。その攻防にはならないです。そこから渡部選手が仕掛けてくれば、僕にとっては戦いやすくなります。ただし、そこも渡部選手は対策をこうじてくると思います。そのための練習もしているだろうし。そうなったら、打撃の勝負で良いかと。

仮に向うの得意な展開になっても、そこからパウンドを打ってくるのかなって。まぁ、打ってくれればその方が自分は戦いやすいです」

──ハーフガードから足関節の創りがあればそれは盛り上がります。が、タン・リーとゲイリー・トノンの例もあります。

「う~ん、米倉選手のプライベートを受けているようですけど、対処してくる相手を極められないと……足関節は極まらないですから。そこは大丈夫です。変に直前に練習してきたら、自信をもって付き合ってくれないかとも期待しています。やっていないと、逃げることに徹すると思うので。やり返せるっていう気持ちが、芽生えていて欲しいですね。

と同時に米国では足関節で勝っていた選手もスタイルチェンジしていますし。僕もここから変化していく必要があります。ただ僕は時代に即して足関節をしたんじゃなくて、好きだから練習してきただけなので。足関節だけでなく、柔術で勝負しても全然問題ないと思っています。

まぁ、ここを踏み台にしてというと失礼かもしれないですけど、勝って他の強い選手と戦いたいです。ただし、自分の力を過信せずにチョット謙虚に戦おうと思います(笑)」

──いや、笑っていますし。ところでX-TREME EBINAの柳澤哲裕代表は須藤選手のRIZIN TRIGGER出場で盛り上がっているのではないですか。

(C)お調子者?の師匠だが、須藤がダウンを喫した時の懸命な指示は──まるで別人だった

「喜んでいます。入場の時にアレやれ、これやれって。試合のことより、そこばかりです(笑)。でも道場の皆も盛り上がってくれて嬉しいですね」

──大舞台で緊張するということは? そこは渡部選手は経験済みです。

「毎試合、毎回のように緊張しているんで(苦笑)。ネクサスの会場でもメッチャ緊張していますし、観客のいない柔術のトーナメントでも緊張しています。どうしても緊張してしまうので、試合だっていう風にあまり気持ちをあげないようにしています。

試合直前まで道着を着た練習で女子選手の受け手になっています。いつも変わらず、このスタンスは一生変わらないと思います。それに会場でも試合前に気合を入れて大声出している選手とかいますけど、ああいうのを見ていると緊張してしまいます。この前の試合も実は試合の3分ぐらい前まで、柳澤さんと下らないしりとりをしていました(笑)」

──下らない話なら良いのですが……、しりとりって何ですか(笑)。

「アハハハ。しりとりをするのも、僕の緊張を解くとかではなく柳澤さんはただお茶らけているんだと思います(笑)」

──アハハハ。らしいです。ところで須藤選手は常々、柔術家としてMMAを戦うと言ってきましたが、RIZIN TRIGGERという大きな舞台で戦っても、その気持ちのままでしょうか。格闘家としての将来像に変化があって然りかと思いますが。

「MMAで上に行けるなら、上に行きたいです。柔術を見せるために。ただ柔術もノーギも出続けますし、MMAと柔術、グラップリングは別競技だけど自分がやっているのは同じことという考えは変わらないです。柔術をMMAで見せたいです。だから、今後はストライカーと戦いたいですね」

──須藤選手の試合を見て、柔術を始めた子が『ヒールはないのか』って思う。そんなケースが増えることを願っています。

「ありがとうございます。ホント、僕と同じようなところから柔術道場に通うようになり、柔術を楽しんでくれる人が増えれば嬉しいです。絶対に柔術はMMAより、面白いと思うので。柔術もMMAと同じような規模にしたいので、少しで柔術に興味を持ってもらえる面白いことができれば良いな──と思っています。でも打撃も練習しているから、満遍なく見せることができればと……。毎試合『打撃を見せる』と言って、そうなっていないですけど(笑)。倒されても行ける、そういう想いはあるので。殴り合って、最悪、寝転がります(笑)」

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ABEMA MMA MMAPLANET o PANCRASE Pancrase327 TSUNE 井村塁 河村泰博 高城光弘

【Pancrase327】5月22日にNEO BLOOD&Young Lion大会開催。立川で井村塁再起、ネクサス王者再登場

【写真】所属ジムのある立川で再起戦を戦う井村もネオブラ優勝者だ(C)MMAPLANET

2月28日(月)、パンクラスから2022年のネオブラッド・トーナメントの募集を開始し、そのプレスリリースに「全国の植えるFIGHTERよ、品川に集結セヨ」というキャッチフレーズとともに5月22日(日)、品川インターシティの文字が記されたCGを公開している。

品川インターシティは港区、品川の南にあるのに──なぜ北品川方面、海辺にあるホールで、椅子を敷き詰めた状態で収容700人の会場だ。

4月29日(金・祝)の立川ステージガーデン大会=Pancrase327に出場し、TSUNEと対戦することが発表されている井村塁は2020年のネオブラ・バンタム級優勝で、昨年末にはバンタム級王座決定戦を戦った。井村の例は特別かもしれないが、ネオブラがパンクラスでトップになるための登竜門であることは間違いない。

なお同大会ではネオブラのトーナメント戦だけでなく、メインカード出場を賭けたシングルマッチ、そしてアマの試合も組まれる──ネオブラ・ヤングライオン・イベントとなる。

またPancrase327では昨年末に2年のブランクを経て再起を果たした高城光弘と2月のネクサス・バンタム級王座防衛戦を欠場した河村泰博の一戦が組まれることも明らかとなっている。


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Column MMA MMAPLANET NEXUS26 o   修斗 寿希也 小森真誉 山本空良 川北晏生 河村泰博 竹上航平 藤原俊樹 須藤拓真 高岡宏気

【NEXUS26】試合結果 ダブルメインは小森&浜本が勝利。ネクサス再生工場で川北&高岡も生き残る

【写真】山本空良、寿希也の戦いにメインで勝利した小森は割って入ることができるか(C)NEXUS

13日(日)に東京都新宿区のGENスポーツパレスでNEXUS26が開催された。

NEXUSフェザー級選手権試合=チャンピオン河村泰博×チャレンジャー須藤拓真が、王者のコロナ感染で中止となった今大会。ダブルメイン制となり小森真誉が、階級上の
岸野”JUSTICE”紘樹に判定勝ち、浜本“キャット”雄大が荒井真人から初回TKO勝ちを収めている。

また昨年のパンクラス・ネオブラTバンタム級準優勝から、修斗四国大会=Force GIGを経てネクサスに初出場なった川北晏生が、フライ級KOPタイトルコンテンダーの安永有希を判定で下している。藤原俊樹は平井総一朗に94秒RNCに下り連勝ならず、最終試合では讃岐っ子シューター=高岡宏気が井上皓平に判定勝ちし、昨年12月に続きネクサスで2勝目を挙げている。ネクサス育ちのファイターと、ネクサスを再生の場としてファイターがタイトル挑戦権を巡って戦う戦況も一つの軸となり今後の展開が楽しみだ。

NEXUS26
<バンタム級/5分2R+ExR>
○高岡宏気(日本)2R
判定
×井上皓平
<ウェルター級/5分2R+ExR>
○前田啓伍(日本)1R0分34秒
TKO
×石原匠
<バンタム級/5分2R+ExR>
○谷育磨2R
判定
×青井心二
<ライト級/5分2R+ExR>
○マーシー・グローブTV(日本)2R
判定
×竹上航平(日本)
<フェザー級/5分2R+ExR>
○ゴリる(日本)1R4分13秒
ヒザ十字
×青井太一(日本)
<ライト級/5分2R+ExR>
○小森真誉(日本)2R
判定
×岸野”JUSTICE”紘樹(日本)
<バンタム級/5分2R+ExR>
○浜本“キャット”雄大(日本)1R4分06秒
TKO
×荒井真人(日本)
<フェザー級/5分2R+ExR>
○横山武司(日本)1R2分10秒
三角絞め
×木村豊(日本)
<バンタム級/5分2R+ExR>
○川北晏生(日本)2R
判定
×安永有希(日本)
<フライ級/5分2R+ExR>
○平井総一朗(日本)1R1分34秒
RNC
×藤原俊樹(日本)
<バンタム級/5分2R+ExR>
○辻村秀綱(日本)2R
判定
×岩松哲也(日本)
<フェザー級/5分2R+ExR>
○弐怪童幽侍(日本)2R
判定
×ふくやーまん(日本)
<フライ級/5分2R+ExR>
○空(日本)2R0分43秒
KO
×島崎俊(日本)
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MMA MMAPLANET NEXUS26 ブログ 小森真誉 岸野JUSTICE紘樹 河村泰博 須藤拓真

【NEXUS26】残念、バンタム級タイトル戦=河村×須藤が中止。新生・小森真誉に注目

【写真】バンタム級選手権試合中止は残念な限りだが、注目度が上がった小森にとっては絶好の機会だ (C)MMAPLANET

6日(日)、来週13日(日)に東京都新宿区のGENスポーツパレスで開催されるNEXUS26の試合順をネクサスが発表。同時にNEXUSバンタム級選手権試合=チャンピオン河村泰博×チャレンジャー須藤拓真が中止されることが明らかとなった。

中止理由は河村が、新型コロナウィルスに感染したため。非常に残念なニュースだが、オミクロン株の感染力を考えるとこのような事態はどのイベントの、どの試合にも起こり得ること。

重症化が少ないという状況も踏まえ、河村の早期復帰とタイトル戦の早期リセットを願いたい。


昨年12月大会で森山壱政を破り、ケージの中から王座挑戦をアピールした須藤に対し、河村がケージインして決まった注目のタイトル戦が流れ、荒井真人×浜本キャット雄大のバンタム級戦、岸野JUSTICE紘樹×小森真誉のライト級マッチの2試合がダブルメインとなった。

なかでも注目は小森か。前回大会で小森はパンクラスで4連敗から2年3カ月振りのネクサス出場となり、クラッシャー=島村裕を相手に序盤のダウンを挽回、中間距離のミドル、近い距離のパンチの交換、首相撲&ヒザで逆転勝ちを収めた。

島村の圧を跳ね返し、グラウンドでもバックマウントを奪った勝利は新生・小森を思わせるに十分な内容だった。対戦相手の岸野は昨年4月にZSTで小金翔に敗れて以来の再起戦となる。今回は当日計量のライト級マッチ、新設されるライト級王座を巡るトーナメント戦、寿希也が台頭しチャンプ山本空良がVJTとRIZIN TRIGGERという外の舞台で戦うフェザー級戦線、いずれの階級でもタイトルに絡むために小森としては島村戦の圧を維持したいダブルメインでの出場だ。

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MMA MMAPLANET NEXUS23 ONE Ring Girl Special 河村泰博

【Monday Ring Girl】NEXUS23

毎週月曜日にラウンドガールをご紹介する「MONDAY RING GIRL」。第394弾は2021年7月25日(日)に東京都新宿区のGENスポーツパレスで行われたNEXUS23のリングガールです。

<関連レポート>
【NEXUS23】新バンタム級王者は、寝技派=河村泰博「色んな団体のチャンピオンを倒していきたい」

(C)MMAPLANET

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【NEXUS26】川村泰博×須藤拓真=バンタム級選手権試合決定。見られるか──MMAでダブルガード

【写真】昨年12月19日、既に両者は対戦に合意していたが──楽しみな一戦だ (C)MMAPLANET

2月13日(日)に東京都新宿区のGENスポーツパレスで開催されるNEXUS26の対戦カードが発表されている。

メインではNEXUSバンタム級選手権試合=チャンピオン河村泰博×須藤拓真の一戦が組まれた。


昨年12月大会で森山壱政を破り、ケージの中から王座挑戦をアピールした須藤に対し、河村が了承していたタイトル戦が正式発表となった。

柔術紫帯ながら須藤は、ノーギではエキスパートの全日本王者、ワンマッチではUNRIVALEDで北田俊亮を破っている。レッグハンターの異名を持ちMMAで5戦5勝、5つの一本勝ちの内訳はヒザ十字、トーホールド、ヒールで全て足関でタップを奪っている。

対するチャンピオンの河村は11月のVJTで佐藤将光と対戦し、実力差が見られたパウンドアウト負け。後がない状況での新進気鋭のグラップラーの挑戦を受けることとなる。

河村もグラップリングベースで下になることを厭わない。まだトップの展開で課題がある須藤との対戦……足関節を防ぐことを念頭に置くと、MMAで見られることがないダブルガードの攻防が発生するかもしれない。

またセミでは同じバンタム級で荒井真人×浜本キャッチ雄大が組まれている。この2試合のみ従来のバンタム級のリミットで組まれ、当日計量でもないことを考えると──荒井×浜本は、タイトル戦に何かが起こった時の場合のバックアップマッチと考えて良さそうだ。

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【NEXUS25】ダウンを喫した須藤拓真が、内ヒールで森山壱政を破壊し河村泰博への挑戦決定

【写真】2月13日、GENスポーツパレスでバンタム級選手権試合=チャンプ河村✖チャレンジャー須藤の一戦が決まった(C)MMAPLANET

19日(日)に東京都新宿区のGENスポーツパレスでNEXUS25が開催された。

レポート第5回は当日計量=フェザー級で行われた注目のバンタム級対決=森山壱政✖須藤拓真の一戦の模様をお送りしたい。


<フェザー級/5分2R+ExR>
須藤拓真(日本)
Def.1R3分02秒byヒールフック
森山壱政(日本)

サウスポーの森山がローから左ジャブを当てる。さらにインサイド―ローを続ける森山は左ジャブに続き、須藤の左リードフックに右を打ち抜く。須藤は腰からキャンパスに崩れ落ち、飛び込んでいった森山はここでパウンドでなく胸をつけて抑え込みを選択する。

ハーフからハーフバタフライの須藤が、足を取りにいくと森山は体を反転させ足を引き抜きスタンドの間合いに。直後に組もうとした須藤をいなした森山が、離れてオーソの構えからジャブを入れる。

サウスポーに戻し、左ストレートを打つとダブルのタイミングで 2発目は、左ジャブを繰り出す森山のペースで試合は進む。

引き続き構えを小刻みに変える森山に対し、一気に距離を詰めた須藤が組んで引き込むと、外掛けで後転し、内掛けに変えてかえてヒールを仕掛ける。

立ち上がった森山に対し、金網を掴まないよう注意が入る。須藤が狙いを右足から左足に切り替え、外掛け&外ヒールへ。頭を支点に左側に回った須藤は、サドルを取り内ヒールをセットしていく。

上体を起こし須藤の頭を両手で取って防ごうとする森山は、左手をマットについて起き上ろうと下ところで──サドルを解いた左足で腰骨を押されて後方に尻もちをつかされる。

同時にバチっと嫌な音が響き、須藤が一本勝ちを決めた。マイクを取った須藤は「バンタム級のなかで自分が一番強いと思っているのですが、チャンピオン──どうですか、そろそろ自分のこと無視できないですよね」とライブ中継の解説をしていたバンタム級チャンピオン河村泰博に呼びかける。

ベルトを肩にケージインした河村は「須藤選手、おめでとうございました。2月にネクサスあるらしいんだけど、タイトルマッチやる?」と須藤に問いかける。

アバラは大丈夫ですかと切り返されたチャンピオンは「全然、大丈夫。絶対、俺の方が強いので2月、メインイベントでタイトルマッチやりましょうよ」と言葉を続ける。さらに──。

須藤 アバラが大丈夫で、万全でしたら。弱っている王者を倒しても、別に面白くないんで。

河村 いや、いい。万全とか良いから。2月にやる?

須藤 ぜひ。いつやっても自分の方が強いんで。いつでも、掛かってきてください。

河村 いや、掛かってきてくださいっていうか。俺がチャンピオンだから。あのう……2月やりましょうよ。

という流れで、2月13日に両者の間でバンタム級選手権試合が組まれることが決まった。

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