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【Grachan67】「なんで、取材がないんじゃ!」──怒りのフライ級チャンプ松場貴志の「?」な意気込み

【写真】一つ言えるのことは、松場は常に一生懸命ということ (C)MMAPLANET

本日1日(木)、携帯に見知らぬ番号からコールがあり、「なんで、僕には取材がないんじゃ」と怒りモードの第一声が聞かれた。
Text by Manabu Takashma

その声の主は、4日(日)に大阪府豊中市の176boxで開催されるGrachan67で御代川敏志の挑戦を受けるGrachanフライ級チャンピオン松場貴志だった。5年5カ月前にオ〇ン〇ヤロー(と絶叫癖のある)山本聖悟を破り、同級王座に就いた松場にとって、今回の防衛戦は2019年12月にNavEとGrandフライ級王座決定戦に出場して以来、4年1カ月振りのGrachan出場となる。

電話口での不満はメディアだけでなく、チャンピオンを軽視するホームの関係者にも向けられているようだったが、結論からいえば松場は「意気込みを送るので、もしよかったら掲載してください」という低姿勢のお願いをMMAPLANETにしてきたことになる。

取材がないなら、自ら売り込む。立派なプロ意識の松場の今回の防衛戦に臨む意気込みは以下の通りだ。


「4年1カ月ぶりにGrachanに参戦させて頂きます松場貴志です!

僕が以前、修行中の失敗で屏風から出してしまった虎が御代川選手の胸に閉じ込められていました。今回、元にあった屏風に返したいと思います!

一休さんの気持ちで戦います。MMAはトンチです!松場貴志は令和の一休さんです!」


■視聴方法(予定)
2月4日(日)
午後0時30分~ GRACHAN放送局

■ Grahan67対戦カード

<Grachanバンタム級選手権試合/5分3R>
[王者]手塚基伸(日本)
[挑戦者]TSUNE(日本)

<Grachanフライ級選手権試合/5分3R>
[王者]松場貴志(日本)
[挑戦者]御代川敏志(日本)

<ライト級/5分2R+Ex1R>
林”RICE”陽太(日本)
大道翔貴(日本)

<バンタム級/5分2R+Ex1R>
徳弘拓馬(日本)
南友之輔(日本)

<フェザー級/5分2R+Ex1R>
八木匠(日本)
櫻庭泰裕(日本)

<バンタム級/5分2R+Ex1R>
今村豊(日本)
堀之内蒼斗(日本)

<バンタム級/5分2R+Ex1R>
有田一貴(日本)
秋田良隆(日本)

<バンタム級/5分2R+Ex1R>
村上晴紀(日本)
木下竜馬(日本)

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【Grachan67】南友之輔と対戦、徳弘拓馬 with 日沖発「3歳から発先生の試合を観ていました」

【写真】戦極、修斗、カナダTKOのベルトが並ぶstArtジムにて(C)SHOJIRO KAMEIKE&MATSUNAO KOKUBO

2月4日(日)、大阪府豊中市の176boxで開催されるGrachan67で、徳弘拓馬が南友之輔と対戦する。
Text by Shojiro Kameike

徳弘は2022年、日沖発が主宰するstArtからデビュー。その後、アマチュアMMA全日本フェザー級を制し、昨年10月のグラチャン大阪大会で初勝利を挙げた。そんな徳弘が師である日沖とともに、出会いからこれまでのキャリアと今後の目標を語ってくれた。


――徳弘選手がグラチャン大阪大会でプロ3戦目を迎えます。徳弘選手は前戦も大阪で、名古屋から大阪で試合経験を積む形となっていますね。

前戦は昨年10月、有田一貴をバックマウントまで奪いユナニマス判定勝ち(C)SHOJIRO KAMEIKE

日沖 そうですね。まず現状として、名古屋は以前よりMMA大会が少なくなっています。一方、大阪であれば名古屋からも出やすいという面があって。グラチャンは一度、自分がグラップリングで対戦させていただいた縁もあって、徳弘がキャリアを積む場として良いんじゃないかと思いました。

――名古屋でMMA大会が多く開催されていた時代……日沖さんがキャリアを積んだ名古屋市公会堂と、鶴舞公園の桜が懐かしいです。現在21歳の徳弘選手は、その時代をご存じですか。

徳弘 はい! もともと僕の父がアライブの会員で、僕も3~4歳の頃に発先生の応援に試合会場へ行っていました。

日沖 実は戦極の試合も観に来てくれていたんですよ。

徳弘 戦極のタイトルマッチは会場に行けず、テレビで視ていたのですが、発先生が戦極で金原正徳選手と対戦した時(2009年8月、日沖が判定勝ち)は視に行きました。あと修斗のベルトを巻いた時(2010年5月、リオン武から修斗世界フェザー級を奪取)も現地で観ています。その時は全然、格闘技は全くやっていなかったのですが……。

――お父さんと一緒に格闘技をやろうとは思わなかったのですか。

徳弘 そこまで考えながら、発先生の試合を観ていたわけではなかったですね。

――では、その徳弘選手がなぜMMAを始めることになったのでしょうか。

徳弘 stArtがオープンした頃、僕は中2~3でサッカーをやっていました。高校に進学後もサッカーを続けようと考えていて、そこで父の勧めもあって発先生のフィジカルトレーニングをパーソナルで受け始めたんです。

日沖 3~4歳の頃からウチに通い始めるまで、ほとんど会っていなかったのでビックリしましたよ。急にデカくなっていて(笑)。

徳弘 アハハハ。その流れで柔術クラスに参加させてもらうようになりました。高校時代はサッカーを続けながら週2~3回、打撃とか柔術をやらせてもらっていて。サッカー部を引退したあとは毎日stArtに来て、練習していたらアマチュアMMAの試合に出るようになっていました。

――その間、日沖さんは徳弘選手がサッカーから離れてMMAをやるように仕向けていたのですね。

日沖 そんなことはしません(笑)。実際のところ、僕は無理に試合を勧めたりはしないんですよ。むしろ、ちゃんと練習しない子以外は試合に出ないほうが良いと思っているので。でも彼は試合に出るようになって、さらに一生懸命練習するようになりました。もちろん当時の実力はまだまだし、今も修行中の身です。でもMMAへの取り組み方を見て、彼は伸びていくだろうと思っていました。

――幼少期の徳弘選手にとって、日沖さんはどんな存在だったのですか。

徳弘 試合を観るたびに勝っていたので、凄い選手だなと思っていました。

日沖 本人の前で悪く言いませんよ(笑)。

徳弘 いえ、本当です! カッコイイ選手だと思っていました。

――では現在、日沖さんの悪いところや「ここは直してほしい」という部分はありますか。

日沖 これ、MMAPLANETさんに載るからね。

――圧力をかけてないでください(笑)。

徳弘 本当に無いです。人間的にも尊敬していますし、格闘技だけでなく人として在るべき姿を示してくださるので。それによって自分も成長できています。

日沖 ……これはカットで(苦笑)。

――何を照れているのですか(笑)。日沖さんとしては、幼少期から知っている徳弘選手から「MMAをやりたい」と聞いた時は、嬉しかったのではないですか。

日沖 その時はもちろん、何より練習していく中で『これは本気だな』と分かった時は嬉しかったです。こう言うのも何ですが、アライブでもstArtでも、いろんな人たちを見てきて――言うだけの人っているじゃないですか。「プロになりたいです!」「チャンピオンになりたいです!」と言うのは誰でもできるけど、実行するにはそれなりの覚悟が伴わないといけない。徳弘の場合は、ウチへ通ううちに取り組み方が変化していったんですよ。

――どのような時に、徳弘選手の変化を感じたのでしょうか。

日沖 具体的に「この時!」というよりは、とにかく毎回練習を休まない。隔週で日曜日の練習をやっていて、「疲れが溜まっていたら休んでいいよ」と言っても休みません。そういう姿勢を見ていると、いろいろ協力してあげたいなと思いますよね。

徳弘 ありがとうございます。サッカーを引退した直後は、そこまで「MMAのプロ選手になりたい」という気持ちはなかったです。ただ、やりからにはMMAを頑張りたい。強くなりたい。もともと運動神経が良いほうではないので、そんな僕が練習を休んではいけないと思っていました。

日沖 お父さんの勧めも大きいですね。お父さんは趣味で続けながら、柔術の黒帯を巻いていて。

徳弘 僕がMMAをやると言った時、父も嬉しそうでした。今もすごく協力的ですし。

――徳弘選手は2022年5月、HEATでプロデビューし、TKO負けを喫しています。

徳弘 あの試合でプロの厳しさを知り、もっと格闘技に懸けて練習しないといけないと思いました。今あの試合を振り返っても、当時はその気持ちが足りなかったです。負けた試合のことを思い出しながら、自分に活を入れるようにしています。

日沖 あのデビュー戦は、まだアマチュアでしたね。もともとHEATのニューエイジというセミプロ枠に出場する話が進んでいて、そのなかでプロキャリアのある選手とプロ枠で試合をしないかというお話を頂いたんです。彼にとってはチャンスではありましたが、やはり現実的には相手のほうがキャリアもあり、勝てませんでした。そのあとアマチュアで数戦し、アマチュアMMA全日本で優勝して昨年10月のグランチャン大阪大会に出ました。だから、前回の試合が本当のプロデビュー戦だったと考えています。

徳弘 アマチュアMMA全日本で優勝して、次はプロとして戦うとなった時、改めて「プロとしてどうあるべきか」ということを考えるようになりました。

「鈴木社長になるための練習」(by日沖)という三転倒立からの回転(C)SHOJIRO KAMEIKE

日沖 彼の一番の良さは、真面目なところです。センスが良い選手、身体能力が高い選手はたくさん見てきました。でも結局は練習を休んだり、試合で勝っているのに途中で諦めたりするケースもあって。そんななか、彼はコンディションを維持しながら練習し続けることができる。長い目で見たら、それが一番だと思うんですよね。目の前のことだけを見ていると、うまくいかないことだってあります。でも、この姿勢で続けていると強くなっていく。そう考えていますね。

――では次に対戦する南選手について印象を教えてください。

徳弘 思いっきり倒しに来る選手です。空手の実績もあって、スピードやタイミングの面で長けている相手だと思います。

日沖 ひとつは厳しい相手だということ。もうひとつは、まだプロとしては名前が知られていない徳弘が、注目されている選手を食うチャンスですよね。今の戦績だと、そういったチャンスも多いわけではないので。

徳弘 目標はまず今出ているグラチャンでチャンピオンになることです。ここで南選手に勝てば確実にベルトへ近づくと思うので、しっかり倒します。今年は何試合かできると思いますが、すべて勝って年内にベルトへ近づきたいです。

――同じ大阪大会ではターゲットであるバンタム級タイトルマッチが行われます。

徳弘 手塚選手もTSUNE選手も、本当に強いファイターです。客観的に今の自分の実力を考えると、厳しいとは感じます。でもMMAをやるからにはチャンピオンにならないといけないし、日々実力を上げていかないといけないと思っています。

――日沖さんとしては、現段階で「目標はUFCです」とは言わせませんか。

日沖 アハハハ、そんなことはないですよ。理想と現実を考えることは重要ですが、現実を見すぎている選手よりも、現実を理想に近づけるために頑張っているほうが良いです。徳弘の場合、今はベルト云々という実力はないですよ。でも「ベルトを目指して頑張っていくべき」という話はしていて。

透暉鷹もそうだったんです。最初にISHITSUNA MMAの林巧馬代表から「UFCを目指している。練習を見てほしい」と相談された時も「UFCって、そんなに甘いもんじゃないよ」とは思いました。実際に透暉鷹がウチに来てスパーリングした時も、その印象は変わりませんでした。でも考えたんです。「まだまだ若い選手に対して、そんなに現実を考えすぎるものではないな」って。透暉鷹も取り組み方がどんどん変わっていきましたし。

stArtの朝練にて、透暉鷹と打ち込み(C)SHOJIRO KAMEIKE

いろんな価値観があって良いです。有名になりたい、お金が欲しいという選手もいます。そこで透暉鷹が「UFCに行きたい」と言ってきた。UFCに行けるかどうかは分からないけど、その目標に向かって頑張っている姿に価値を感じて、ずっと協力させてもらっています。

――なるほど。

日沖 徳弘もそうなんですよ。どこの何を目指せ、とは僕が言うべきことではなくて。彼がベルトを目指し、上に行くために努力していれば周りも協力してくれる。僕も彼と一緒に頑張っていきたいです。現状の実力がかけ離れているからって、目標を口にしてはいけないというわけではなくて。ずっと高い目標を持って続けてほしいですね。

徳弘 僕も応援に来てくれる方、いつもジムで一緒に練習してくださる方々に勇気を与えたり、「また明日も頑張ろう」と思ってくれるような試合をしたいです。そのためにも次の試合は、しっかりとフィニッシュします。


■視聴方法(予定)
2月4日(日)
午後0時30分~ GRACHAN放送局

■ Grahan67対戦カード

<Grachanバンタム級選手権試合/5分3R>
[王者]手塚基伸(日本)
[挑戦者]TSUNE(日本)

<Grachanフライ級選手権試合/5分3R>
[王者]松場貴志(日本)
[挑戦者]御代川敏志(日本)

<ライト級/5分2R+Ex1R>
林”RICE”陽太(日本)
大道翔貴(日本)

<バンタム級/5分2R+Ex1R>
徳弘拓馬(日本)
南友之輔(日本)

<フェザー級/5分2R+Ex1R>
八木匠(日本)
櫻庭泰裕(日本)

<バンタム級/5分2R+Ex1R>
今村豊(日本)
堀之内蒼斗(日本)

<バンタム級/5分2R+Ex1R>
有田一貴(日本)
秋田良隆(日本)

<バンタム級/5分2R+Ex1R>
村上晴紀(日本)
木下竜馬(日本)

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Black Combat DEEP DEEP JEWELS DEEP115 DEEPフライ級GP KOMA MMA MMAPLANET NEXUS o RYO RYOGA YouTube   イ・ソンハ キム・ソンウン シン・スンミン チャンネル デメトリウス・ジョンソン パク・シユン マサト・ナカムラ ユ・スヨン 伊藤裕樹 佐藤将光 力也 大原樹理 大島沙緒里 木下尚祐 本田良介 杉山廣平 松場貴志 石司晃一 酒井リョウ 鈴木槙吾 青井人 風我 駒杵嵩大

【DEEP115】Black Combatとの対抗戦、フライ級DEEP代表=駒杵嵩大─01─「まず自分から組んでいく」

【写真】柔道だけで勝てなくなった時、柔道が生きる(C)SHOJIRO KAMEIKE

18日(月・祝)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP115 Impact 「DEEP vs BLACK COMBAT」。DEEPとBLACK COMBATの対抗戦で、駒杵嵩大がフライ級代表としてキム・ソンウンと対戦することとなった。
Text by Shojiro Kameike

2019年にNEXUSフライ級王座を獲得した駒杵は、ZSTで1試合行ったあと2021年よりDEEPに参戦する。新天地で2連敗を喫してから、3連勝と盛り返し今回の対抗戦を迎えた。ただ、その間に開催されたDEEPフライ級GPにエントリーしたものの、減量失敗で1回戦は欠場となってしまう。厳しい体験の中で駒杵が見つけ、さらに克服してきた課題とは。


――現在DEEPで3連勝を収めて、今回の対抗戦にフライ級代表として臨みます。ただ、次の試合に関する話の前に訊いておきたいのが……DEEPフライ級トーナメントに関して。トーナメント1回戦は松場貴志選手との対戦が予定されていましたが、駒杵選手は減量失敗で病院に搬送され、欠場となりました。それ以降、盛り上がるトーナメント戦をどのように見ていましたか。

「あのトーナメントで優勝できれば、MMAファイターとして何かしら形にできたと思います。だからこそ欠場になってしまったのは悔しくて。何より、いろんな方にご迷惑をおかけしてしまいました」

――1回戦から決勝までトーナメントの勝敗は予想していたものでしたか。

「正直、本田良介選手が伊藤裕樹選手に勝って、決勝に進んだのは意外でした。本田選手とは僕も一度対戦していて、負けましたけど――跳びヒザ蹴りで逆転KO負けという内容でした。僕は伊藤裕樹選手に注目してGPを視ていたんですよ。伊藤選手と本田選手の試合は『伊藤選手が捌いて勝つのかな』と予想していて。伊藤選手はグラップリングも強いじゃないですか。その伊藤選手に本田選手がグラップリングで勝ちましたよね。

とにかくMMAは柔道と違って、相手との相性という部分も大きいんだなと感じています。分かりやすく言えば、パンチを食らったら負ける。食らわなければ勝てる――という想いが強くなりました」

――本田選手のファイトスタイルは、相手が打撃を出してくる前に潰していくというものでした。柔道ベースの駒杵選手にとっても参考になったわけですね。

「そうなんです。相手のパンチを食らわないように、食らわないようにしながら組むよりも、まず自分から組んで行ったほうが良い。自分の中でもそういう意識が高まっていたなかで、本田選手の試合を視て改めて意識するようになっています」

――DEEPフライ級GP欠場からの復帰戦であった、昨年5月のRYOGA戦は速攻で腕十字を極めました。あの試合は『相手が何かしてくる前に自分から潰していこう』という気持ちが強かったのでしょうか。

「あの試合は少し違いますね。もともと風我選手と対戦する予定で、いろいろ対策を立てていたんです。でも風我選手が怪我で欠場になり、急きょRYOGA選手と試合することが決まったので対策は関係なくなりました。試合ではRYOGA選手から距離を詰めてきて。僕としては組んだら倒せる自信はありましたし、結果的にすぐ極めることができました」

――対して今年3月に風我選手とフルラウンド戦った試合内容はいかがでしたか。

「フィニッシュしたかったけど、まず完封することができました。GPの時から風我選手の評価も上がってきていて、その相手に何もさせずに勝てたので良かったと思います」

――その風我戦から6カ月、試合間隔が空いたのは何か理由があったのでしょうか。

「特に何もないです。体で不調なところもありましたし、技術的にも伸ばしたいところがあって、試合間隔が空いたのも調整期間になって良かったですね。僕は特に打撃に関して課題がありました。距離感や、しっかりと相手の動きを見ることとか――もっともっと丁寧に戦わないといけない。以前からずっと、そう思っていました。でも試合が続くと対策練習をすることが多くなるし、かといって新しいことをいきなり試合で試すことも難しいじゃないですか。

僕としても試合では勝つことを重視しているので、どうしてもグラップリングに重点を置きがちになります。そこで今回は試合間隔を空けさせてもらって、打撃面も含めて伸ばしてきました。そんな時に今回のBLACK COMBATとの対抗戦が、タイミング良く入ってきたような感じですね。僕としては、いつもと同じように日本人選手との試合でも良かったですが、対抗戦という良い話を頂けたなぁと思います」

――打撃面も含めた課題に取り組み始めたのは最近のことですか。

「ずっと課題ではありました。一番やらないといけないと思ったのは、DEEPに参戦して2連敗した時ですね。それまでは柔道時代の貯金で勝っていたような気がします。連敗してから課題に取り組みつつ、試合の準備もしながら――という状態でした。今回は試合間隔を空けて、しっかりと課題に取り組むことができて良かったです」

――駒杵選手は柔道の国際大会で優勝し、全日本強化指定選手になっています。それだけのベースがあれば、MMAという他競技でも柔道時代の貯金で、ある一定のレベルまでは勝ち進むことができますよね。しかし、必ずどこかで壁がやってくる。そういう柔道やレスリング出身のMMA選手が多いのも事実です。

「はい、勝てちゃうんです(苦笑)。MMAを始めた頃にアマチュアの試合を見ていても、レスリングや柔道出身の選手が勝つことのほうが多かったんですよ。打撃の経験が少なくても、ヘッドギアをしているのでパンチを食らっても耐えることができる。プロでも序盤は、相手の打撃がそれほど強くないから勝てる。

そこからワンランク上がると、打撃の壁に阻まれてしまいます。それに気づかせてもらったのは、佐藤将光さんと練習し始めてからです。将光さんと練習していたら、自分のボロしか出てこなくて(笑)。もちろん打撃以外も……全部できないといけない。今の僕の理想は、デメトリウス・ジョンソンです」

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
9月18日(日)
午後5時40分~DEEP チャンネル-YouTube、U-NEXT、サムライTV

■ DEEP115対戦カード

<ヘビー級/5分3R>
酒井リョウ(日本)
ヤン・へジュン(韓国)

<DEEP & Black Combatライト級選手権試合/5分3R>
大原樹理(日本)
イ・ソンハ(韓国)

<DEEP & Black Combatバンタム級選手権試合/5分3R>
石司晃一(日本)
ユ・スヨン(韓国)

<DEEP JEWELS & Black Combat女子級アトム級選手権試合/5分3R>
大島沙緒里(日本)
パク・シユン(韓国)

<ミドル級/5分3R>
鈴木槙吾(日本)
チェ・ジュンソ(韓国)

<フェザー級/5分3R>
青井人(日本)
シン・スンミン(韓国)

<フライ級/5分3R>
駒杵嵩大(日本)
キム・ソンウン(韓国)

<バンタム級/5分2R>
力也(日本)
木下尚祐(日本)

<フライ級/5分2R>
杉山廣平(日本)
KENTA(日本)

<ライト級/5分2R>
涌井忍(日本)
倉本大悟(日本)

<フライ級/5分2R>
マサト・ナカムラ(日本)
亀田一鶴(日本)

<アマ68キロ契約/3分2R>
安井飛馬(日本)
菅涼星(日本)

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Column Grachan Grachan63 MMA MMAPLANET o ONE   児玉勇也 古谷宗太郎 山田哲也 御代川敏志 松場貴志 植田豊 瓜田幸造

【Grachan63】試合結果 メインは痛み分け、御代川がフライ級チャレンジャーに。ビラル、勝つ

【写真】タイトルマッチ経験者の植田と、ONEベテランの山田。大会メインでもあり、この種の顔合わせは3R戦を強く要望したい(C)GRACHAN

6日(日)、東京都江東区のTFTホールでGrachan63が開催された。

メインの山田哲也×植田豊選手は痛み分け、もう1R見たかった。またコメインのフライ級挑戦者決定戦は御代川敏志が初回TKO勝ちし、松場貴志に挑戦することが決まった。

同大会のプロMMAマッチの試合結果は以下の通りだ。

Grachan63
<ライト級/5分2R>
△植田豊(日本)2R
判定
詳細はコチラ
△山田哲也(日本)
<フライ級挑戦者決定戦/5分3R>
○御代川敏志(日本)1R1分48秒
TKO
詳細はコチラ
×児玉勇也(日本)
<無差別級/5分2R>
○ダンカン・ヒロ(台湾)2R
判定
×瓜田幸造(日本)
<ライト級/5分2R>
○芳賀ビラル海(日本)2R
判定
×山下康一朗(日本)
<フライ級/5分2R>
○髙橋謙斗(日本)1R0分11秒
TKO
×原拓郎(日本)
<バンタム級/5分2R>
○佐藤洸杜(日本)2R0分36秒
TKO
×ロバ・モー(日本)
<フライ級/5分2R>
○水谷健人2R
判定
×三笠貴大(日本)
<ライト級/5分2R>
○古谷宗太郎(日本)2R1分54秒
DQ
×草訳駿介(日本)
<フェザー級/5分2R>
○松田征也(日本)2R1分12秒
TKO
×今村豊(日本)
<フライ級/5分2R>
○熊崎夏暉(日本)2R
判定
×二之宮徳昭(日本)
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Grachan Grachan63 MMA MMAPLANET o キック 児玉勇也 御代川敏志 松場貴志

【Grachan63】カーフを効かせてから右ストレート一閃! 御代川が児玉をKOしてフライ級王座挑戦へ

<フライ級次期挑戦者決定戦/5分3R>
御代川敏志(日本)
Def.1R1分48秒 by TKO
児玉勇也(日本)

御代川が距離を詰めると児玉はサークリング。ケージを背負った児玉に御代川の右カーフキックがヒットする。児玉の左フックをかわした御代川が、ジワリジワリと距離を詰めていく。左右に動く児玉に対し、御代川が両手を広げて挑発した。

児玉はローを当ててバックステップするが、御代川の右カーフが当たる。そして一気に距離を詰めた御代川の右ストレートが児玉の顔面を捉えた。児玉が腰を落としたのを見て御代川がパンチを連打すると、児玉が防戦一方となりレフェリーが試合をストップした。

挑戦者決定トーナメントを制した御代川が、松場貴志の持つフライ級王座への挑戦権を獲得した。


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DEEP DEEP OSAKA IMPACT2023#02 MMA MMAPLANET o 松場貴志 松岡ハヤト

【DEEP OSAKA IMPACT2023#02】宣言通り!? パンチで松岡を追い込んだ松場がRNCでフィニッシュ

【写真】試合後は松場劇場--レフェリーの目が死んでいる(C)SHOJIRO KAMEIKE

<フライ級/5分3R>
松場貴志(日本)
Def.2R3分00秒 by RNC
松岡ハヤト(日本)

松場がサウスポースタンスから、スリークォーターの右アッパーを突き上げる。松岡の左フックをかわした松場は、右で松岡を下がらせてから右ハイ。さらにローを当て、松岡の右をブロックしてから右ハイに繋げる。松岡にケージを背負わせた松場は左ストレートから右アッパーへ。ワンツーはかわされるも、距離が詰まるとケージへ押し込んだ。

ケージ中央に戻った両者のパンチが交錯したあと、松場が組みつきボディロックからグラウンドに持ち込んだ。すぐに立ち上がった松岡のバックに回った松場は、シングルレッグに切り替えてテイクダウンを狙うも、松岡も倒されるたびにすぐ立ち上がる。バックを奪った松場は倒し切ることができず、ラウンド終了間際には松岡の右ストレートをもらった。

2R、松場の右で松岡の顔が跳ね上がる。松岡はサウスポーにスイッチしたが、松場の右ジャブと右ローで距離を詰めることができず。反対に松場がニータップで組みついたが、これは松岡がカットした。スタンドに戻ると松場が右ジャブを突き刺し、さらに右フックで松岡をグラつかせる。

松岡をケージ際に追い込んだ松場が、ダブルレッグですくい上げて尻もちを着かせた。パスからマウントを奪った松場がパウンドとヒジを落とすと、松岡が背中を向けてしまう。すかさず松場は四の字フックからRNCでタップを奪った。

勝ち名乗りを受けた松場は雄たけびを挙げたあと、マイクを握り「緊張し増しました。私だって怖いんです! でも松岡選手が相手だったから良かったと思える。こんなに強くなったよ。こんなに大きくなったよ。もう子供扱いしないで!」と謎のセリフを吐きながら、歌とダンスを披露して拍手を浴びた。


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DEEP DEEP OSAKA IMPACT2023#02 MMA MMAPLANET o 上荷大夢 中本龍平 八尋大輝 古瀬美月 山﨑鼓大 松場貴志 松岡ハヤト 松田亜莉紗 濱口奏琉 瀧口脩生 牧野滉風 谷岡祐樹 飴山聖也

【DEEP OSAKA IMPACT2023#02】松岡ハヤト戦へ、松場貴志─02─「メインディッシュにふさわしい試合を」

【写真】このノリから試合になると変わる。やはりファイターだ(C)SHOJIRO KAMEIKE

30日(日)、大阪市住吉区の錦秀会住吉区民センター大ホールで開催されるDEEP OSAKA IMPACT2023#02のメインで、松岡ハヤトと対戦する松場貴志のインタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

これまで試合によってムラがあったという松場。インタビューでも答えにムラがないわけではない。話が進むにつて、相変わらずの松場ワールドが展開される。とはいえ初のメイン出場は本当に嬉しそうな松場の、次の試合へのムラムラ具合をお届けしたい。

<松場貴志インタビューPart.01はコチラから>


――リングアナウンサーさんの話はさておき、次の対戦相手である松岡ハヤト選手の印象を教えてください。

「ちゃんと研究していますよ」

――ですから、研究した結果を……。

「試合映像から研究して、キングジム神戸の小西さんとはハンバーグをこねるように対策を練ってきました。パラエストラ加古川の堂垣さんとは、つみれをこねるように作戦を練ってきましたよ」

――ハンバーグとつみれで、こね方がどう違うのか教えていただけますか。

「ハンバーグはいろいろと入れなきゃいけないんです。臭みを消すために。つみれは--どうなんだろう?」

――間違いなくハンバーグ、つみれを両方ともつくったことがなさそうですね。

「アハハハ」

――キングジムとパラエストラ加古川で練習している内容は異なるのでしょうか。

「どのジムでも練習している内容は変わらないと思います。大切なのは、チームメイトやセコンド陣とのコミュニケーションじゃないですか。どれだけ細かいコミュニケーションを取れているかであって」

――「そろそろ試合のムラがなくなりそう」と仰っていましたが、今はそれだけチームメイトやセコンド陣とコミュニケーションを取ることができている証ではないですか。

「そうですね。パラエストラ加古川に移籍した頃は、少しだけど緊張していたかもしれないです。でも、それよりワクワクしているほうが大きくて。楽しい環境だからこそ、今もしっかりとコミュニケーションが取れているんだと思います」

――ジム移籍とDEEP出場が重なりながら、大阪大会のメインまで昇りつめました。

「本当にありがたいことです。これからも大阪大会でメインに出続けることになれば、あのリングアナウンスを受けることができるんですねぇ」

――その話は、もう大丈夫です(苦笑)。

「こんな他の団体から来た僕をメインで使ってくれるなんて、DEEPに対して愛しかないですよ」

――急に真面目モードになっても困りますが、今後DEEPではどのような展開を考えていますか。やはりDEEPフライ級のベルトを目指すのでしょうか。

「今後のことはまだ分からないですけど……、いま考えているのは、とりあえず自分の武器を磨くことだけですね」

――では次の松岡戦は、どのような試合を見せて勝ちたいですか。

「これは相手どうこうではなく、自分の問題で。あとは大阪大会のメインということもあるので、コース料理のメインディッシュのような試合をしたいです。例えるなら――」

――例えるのですね(苦笑)。

「僕が学生の頃、部活で疲れて帰宅すると、晩ごはんがイワシフライと大根の煮物だったんです。僕は肉が食べたいのに――それこそ牛肉なんか出たことがなくて」

――……。

「そんなおかずでは、白ごはんが進むわけがないんです。お母さんには申し訳ないけど、僕は分厚いステーキを想像しながら唾液を出して、その唾液で白ごはんを食べていました。今回の大阪大会に来てくれる人たちには、そんな想いをさせたくない」

――その例えは、晩ごはんを用意してくれていたお母さんに失礼だと思います。個人的には、お母さんがつくってくれたイワシフライのほうが……。

「いやいやいや。冷凍ものを揚げただけのイワシフライじゃダメですよ。特に学生時代は無理! だから見ただけでヨダレが出るような、白ごはんをかきこみたくなるような試合を用意しておきます!」

――そこまで言っておきながら、試合当日はイワシフライを出さないですよね。イワシフライのような試合がどういうものかは分かりませんが。

「それは絶対にないです。ちゃんと400グラムの牛肉をご用意します」

――ありがとうございました。インタビューは以上です。

「え!? 次の試合への意気込みとかは聞かないんですか?」

――……では最後に、次の試合への意気込みをお願いします。

「ありがとうございます。7月30日は、メインディッシュにふさわしい試合をします。そして皆さんが大好きな分厚いステーキのような熱々の試合をして、松場貴志の勝利者インタビューというフライドポテトを添えさせていただきます」

――フライドポテトはメインディッシュの添え物であり、試合後ならデザートで良いのではないでしょうか。

「いや、完全に決まりましたね! 皆さん、次の試合はよろしくお願いします」

■視聴方法(予定)
7月30日(日)
午後2時00分~ツイキャス

■DEEP Osaka Impact2023#02対戦カード

<フライ級/5分3R>
松場貴志(日本)
松岡ハヤト(日本)

<バンタム級/5分3R>
中本龍平(日本)
谷岡祐樹(日本)

<フェザー級/5分3R>
瀧口脩生
前薗渓

<バンタム級/5分3R>
MG 眞介(日本)
牧野滉風(日本)

<フライ級/5分2R>
濱口奏琉(日本)
マルザヘンペーソク(日本)

<ストロー級/5分2R>
松田亜莉紗(日本)
谷山瞳(日本)

<アトム級/5分2R>
古瀬美月(日本)
浪速亭☆爆美(日本)

<バンタム級/5分2R>
中務太陽(日本)
上田祐樹(日本)

<メガトン級/5分2R>
江畑秀範(日本)
土井淳(日本)

<バンタム級/5分2R>
山﨑鼓大(日本)
上荷大夢(日本)

<ウェルター級/5分2R>
山田聖真(日本)
角野晃平(日本)

<バンタム級/5分2R>
八尋大輝(日本)
飴山聖也(日本)

<フライ級/5分2R>
加藤瑠偉(日本)
上谷章(日本)

<フライ級/5分2R>
松原聖也(日本)
綿谷誠(日本)

<フェザー級/5分2R>
田中壱季(日本)
今村滉(日本)

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【DEEP113】フライGP決勝=福田龍彌戦へ。福岡発、本田良介「自分のやりたいことで人に認めてもらたい」

【写真】ケージの外では、常に柔和な表情の本田(C)SHOJIRO KAMEIKE

7日(日)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP113 IMPACTで、本田良介×福田龍彌のDEEPフライ級GP決勝戦が行われる。
Text by Shojiro Kameike

昨年8月より実施されてきたフライ級GPで、本田は元DEEPストロー級王者の越智、現Grachanフライ級王者の松場貴志、そして元アウトサイダー王者の伊藤裕樹と、実績や知名度で上回る相手を下してきた。決勝の相手は、元修斗世界フライ級王者の福田だ。本田は今回のインタビューで、何度も「知名度」という言葉を口にした。強い者が勝つ。強い相手に勝つ。本田はこのGP決勝で、知名度を超えた格闘技の醍醐味を見せることができるか。


――昨年8月からDEEPフライ級GPが始まり、遂に決勝戦を迎えます。本田選手にとって、この9カ月はどのような期間でしたか。

「まずGPの話を聞いた時、勝てば次がある――ようやくプロらしい1年間を過ごすことができるんだなと思いました。『いつ試合があるかも分かっていない。それはプロと言えるのかどうか』とか、ずっと考えていたんです。別に専属の期間があったわけでもないので」

――本田選手が東京から故郷の福岡県に戻った頃、ちょうどコロナ禍が発生しました。そのなかで1年に1~2回試合のオファーがあるかどうかという生活は、ファイターとして不安が大きかったのでしょうか。

「そうですね。GPが始まる前は、『もっと試合がしたい』という気持ちでした。コロナ禍もありましたけど、もともとプロデビューしてから試合は年2回ぐらいのペースで。プロといっても、そんなものなのかな――と考えていましたね。ただ、他のチーム競技と比べて、コロナ禍でも自分なりの活動や練習はできていたと思うんです」

――コロナ禍に入った時、本田選手は30歳を迎えました。30歳といえば、自分の将来について考える時期でもあります。

「30歳になる前から、ずっと考えていましたよ。せっかちな性格なので(笑)。コロナ禍でも大会はあったわけじゃないですか。その中で試合に出られる選手と、出られない選手の線引きも分からなかったです。自分はどうなるのかな……、そう考えていた先に今回のGPがあって、僕もひと安心でした」

――コロナ禍の中でも試合に出られる選手と出られない選手の線引きについて、ご自身で考えたことはありますか。

「いやぁ、そこは深く考えませんでした。僕はそういう選手なんだろうな、って」

――……。

「呼ばれない選手っていうことですよね。この世界は結果が全てだから、その結果を受け入れないといけない。……うん、そういう感じです。ナメられている――というわけじゃないですけど、やっぱり東京との距離感はありますよね。地方にいると発言権もないというか」

――2021年からDEEPに出場して2連勝、しかし2022年に入って杉山廣平戦で敗れました。この時も『そこまでの選手なのかな……』と思ってしまったのではないですか。

「アハハハ、自分自身よりも周りにそう思わせちゃいました。僕自身は、あの試合で負けた要因を理解しています。だけど、やっぱり勝つしかないんですよね」

――その杉山戦の1カ月後にDEEPフライ級GPがスタートしました。わずか1カ月で立て直すことができていたのでしょうか。

「その要因以上に、越智(晴雄)さんとの試合前に大きな怪我しちゃって(苦笑)。正直、試合をキャンセルしても良かったと思います。でも負けたままでいるのが、すごく嫌で。相手は誰でも良い。とにかく勝ちたい。だから、やるしかないと思いました。福田選手もGPの途中で拳を骨折していたとインタビューで言っていましたよね。

『それでもやるしかない』という気持ちは、よく分かります。僕にとっては、何よりも勝ちたい。勝てば次がある。何だったら、負けた杉山選手とも再戦できる可能性が、GPにはあったじゃないですか。もともと『勝てば良い』というスタイルだったのが、その気持ちがより強くなりました」

――MMAがスポーツであるかぎり、勝利が最優先であることは当然です。だからこそ「勝たないと言えないこと」があるのも理解できます。

「もちろん試合ではフィニッシュを狙っていますよ。でも勝つために試合をするし、勝てば次があることで安心できますから。負けた選手はGPの途中で消えていく。勝った選手に注目度が集まる。フィニッシュはできなかったとしても、勝ちたいっていう自分の気持ちを乗せやすいスタイルで戦ってきたんじゃないかと思いますね」

――本田選手は自虐的に仰っていますが、そのスタイルで勝ち上がってきたことはインパクトが強いです。越智晴雄選手、松場貴志選手、そして伊藤裕樹選手を自分のスタイルにハメこんで勝利してきたわけですから。

「もちろん相手は全員スタイルが違うのでハメこむ方法も違いますけどね。ただ、同じ形に持って行って勝つというのは、まだ手を隠しているということなんですよ(笑)。もっと隠しているものがあるので」

――実は他のスタイルもあるのですか!

「それは次の試合を楽しみにしていてください。でも、ここに来ても僕はまだ知名度がないですよね。GPでも伏兵って呼ばれていたり(笑)。そんな僕が勝つことができて、『やったぁ!』という気持ちがあります。みんなは知名度ばかり求めているけど、僕は別に有名になりたいからMMAを始めたわけじゃなくて」

――では、何を目指してMMAを続けてきたのでしょうか。

「……そう言われると難しいですね(苦笑)。何を目指してきたんだろう? とにかく『やればできるんだぞ』というところを見せたかったです。証明というか、意地ですかね。

ずっと格闘技をやりたかった。でも『格闘技をやりたい』と口で言うだけのまま、年を食っちゃって。プロになっても試合数は少ないけど、だからといって格闘技を辞めるつもりはなかったです。ただ、知名度は……。勝つことで知名度が上がればいいと思っていました。勝って知名度も上がり、収入が増えれば良くて。

勝つことよりも先に知名度を求めるのではなく、自分のやりたいことで人に認められる。それを目指しているのかもしれないです。認められるためには、勝つしかないです。GPの試合も、勝ったことでは満足しています。『もっと、もっと』という気持ちは常に持っていますけど、1試合1試合『俺は頑張ったな』と自分で自分を褒めて――そういうセルフケアも大切です(笑)」

――アハハハ。『もっと、もっと』と考えるのは、どんな点ですか。

「試合が終わって『まだ体力が残っているなぁ』と感じた時に、だったらもっとラッシュの数を増やせばよかったなとは思いますね」

――えっ!? フルマラソンを走り切ったあとに、なおも体力が残っていることが驚きです。

「いやいや、全然です(苦笑)。でも相手にしてみれば嫌だとは思います。僕は知名度もなくて、GP前に負けているし、見た目も強そうではないじゃないですか。なのに試合では一つのミスを突かれて、そのまま持って行かれてしまうとか」

――ある意味、ギャップ萌えですね。

「ダハハハ! きっと相手も、試合が進んでいくにつれて『このままだとヤバイ』と焦っていくんですよね。たとえば越智さんは一緒に練習していたこともあって、焦っている時が分かります。松場戦ではスクランブルの時に、相手が嫌がることをしたんですよ。それに返してこなかったので『これは休みたくなっているんだな』と思いました。

僕は試合の時、常に0.5ポイントぐらいリードしていれば良いと考えていて。相手がミスをした時に削っていくと、0.5ポイントが貯まる。そのポイントが貯まっていくと、気づけば10ポイントぐらいに膨らんでいて、その結果勝つことができる。今は、一回削ると0.5ポイント貯まるところを、1ポイント以上に増やせるように練習しています。そうすれば、もっと明確に差をつけられるし、それだけ早く勝ちに繋がるので」

――なるほど。伊藤戦では、どのようなシーンで相手が嫌がったと感じましたか。

「最初に右ジャブを当てた時ですね。たぶん僕が打撃で行くとは思っていなかったんじゃないですか。右ジャブが当たって、そのあとは動きが固くなったので。僕としては『これはジャブが当たるんじゃないか』と考えていました。あんなに早く当たるとは予想していなかったけど、おかげで伊藤選手は組む前に焦っているように感じましたね。組んでポジションを取っていくと、さらに焦ってきて。

松場戦と伊藤戦で良かったのは、相手の得意なところで0.5ポイントの貯金を創ることができた点ですね。すると『ここで逆に自分が取られてしまうのか……』という焦りが生まれて、もっともっとポイントが貯まっていくという」

――次の福田戦では、同じ戦法が通用するでしょうか。

「そこを見てほしいです。福田選手の場合は、あのファイトスタイルにどんなテクニックを乗せて来るのか。それ次第で、僕が出すものも変わりますよね」

――それは本田選手も同じかと思います。本田選手も福田選手も、GPを通して毎回違うものを見せてきました。

「福田選手も試合のたびにスタンスや体の高さとか、いろいろ変えているじゃないですか。福田選手はパンチで削ってくるかもしれないけど、僕は全部を使って削りに行く。福田選手って、試合中に焦ることはない選手だと思うんですよ。今までいろんな試合をしてきて、どんな展開に対しても免疫を持っている。そこでお互い、どう削るのか。その幅が勝負を分けるような気がしています」

<この項、続く

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DEEP DEEP Osaka Impact2023#01 MMA MMAPLANET o 松場貴志

【DEEP OSAKA IMPACT2023#01】松場貴志、引き込む早坂優瑠を削り続け3-0の判定勝ち

【写真】この展開は絶対の松場、だ(C)SHOJIRO KAMEIKE

<フライ級/5分2R>
松場貴志(日本)
Def.3-0:20-18.20-18.20-18
早坂優瑠(日本)

鋭い左ローから左ハイを蹴った松場。この蹴り足を掴んだ早坂がバックからシングルへ。頭にエルボーを松場が連打し、さらにパンチへ切り替える。引き込むように下になった早坂はハーフバタフライから、バタフライガードで煽り、クローズドの中に松場を入れる。腰を起こし、鉄槌を落とす松葉がハイガードを担ぎ、バックを狙う。

ここでも早坂は引き込み、バタフライガードで浮かそうとする。松場はその動きに合わせ、足を抜くが、上でのバランスは決して良くない。やや乗り過ぎでも、ポスチャーは強く崩され切らない松場が、右のパンチを落とす。左目尻をカットしている早坂も下からパンチを見せるが、下の状態が長く続く。松場も足を抜いては戻される状態で鉄槌、左右のパウンドを落としたものの終盤はやや攻めあぐむ印象を残した。

最終回、テイクダウンのフェイクを見せた松場が、左ローを空振りする。早坂も右ローが届かず、続くシングルを切られバックを許す。足のフックの前にRNCをセットした松場は、背中をつけて防いだ早坂にパンチを入れる。レッスルアップも立ち切れず、引き込んだ早坂に対し、松場がハーフで左エルボー、上腕を打ちつけ攻勢を続ける。

早坂はハーフバタフライ、立ち上がった松場が足を捌きに掛かる。結果、クローズドの中に入った松場は勝負としては危なげない展開を続ける。さらに足を捌いてパウンドを落とし、シングルレッグにギロチンの松場。早川はここも引き込み、下から抱え込むような形へ。起き上ってパンチを落とした松場は、スコアとしては文句なし判定勝ちも苦笑い、満足できない様子だった。


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DEEP DEEP Osaka Impact2023#01 DEEPフライ級GP MMA MMAPLANET o ONE   サダエ☆マヌーフ ハンセン玲雄 パンクラス 中本龍平 山﨑鼓大 岩本達彦 平松翔 村上彩 松場貴志 松田亜莉紗 牧野滉風 谷岡祐樹

【DEEP OSAKA IMPACT2023#01】計量終了 ケツバット・パウンド=松田。再起の岩本& 松場も注目!!

【写真】この2回戦、2試合も要注目(C)DEEP

本日2日(日)、大阪市住吉区の住吉区民センターで開催されるDEEP OSAKA IMPACT2023#01の計量が、1日(土)に大阪市浪速区のパンクラス大阪で行われている。

メインで対戦する平松翔✖谷岡祐樹を始め、14試合=28選手が計量に臨み──多湖力翔が遅れて&木村総一郎が再計量となったが、全員が無事パスしている。


2022年はパンクラス・フェザー級挑戦者決定トーナメント決勝戦で敗れ、新天地DEEPでも一本負けと試練の1年だった岩本達彦。再起をかけて戦う相手は、活動停止したZSTから3年3カ月振りの実戦復帰の古根川充だ。

増田拓真✖牧野滉風が、後者の体調不良で中止となり、両者の一戦はコメインに昇格した。

DEEPフライ級GP準々決勝敗退、今や地元と言っても良い関西で再起戦を迎える松場貴志は、2回戦で早坂優瑠と対戦する。

同じく2回戦ではサダエ☆マヌーフ✖村上彩と共に組まれた女子マッチ=松田亜莉紗✖純玲──決して層が厚くないストロー級で、プロ3戦目ながら国内トップ級のパウンドを持つ松田とデビュー戦の純玲も要注目だ。

そんなDEEP大阪、春の陣は2時間後にスタートする。

■視聴方法(予定)
4月1日(日)
午後2時00分~ツイキャス

■ DEEP Osaka Impact2023#01計量結果

<バンタム級/5分3R>
平松翔:61.65キロ
谷岡祐樹:61.5キロ

<フェザー級/5分3R>
岩本達彦:66.2キロ
古根川充:66.05キロ

<バンタム級/5分3R>
中本龍平:61.4キロ
上荷大夢:61.4キロ

<フライ級/5分2R>
松場貴志:57.2キロ
早坂優瑠:56.8キロ

<バンタム級/5分2R>
MG 眞介:61.0キロ
山本哲也:61.7キロ

<女子アトム級/5分2R>
サダエ☆マヌーフ:48.1キロ
村上彩:47.9キロ

<女子ストロー級/5分2R>
松田亜莉紗:52.4キロ
純玲:51.6キロ

<バンタム級/5分2R>
瀧口脩生:66.2キロ
ハンセン玲雄:66.2キロ

<フェザー級/5分3R>
前薗渓:66.0キロ
佐藤勇駿:65.0キロ

<バンタム級/5分2R>
山﨑鼓大:61.5キロ
田中壱季:60.85キロ

<ストロー級/5分2R>
多湖力翔:52.55キロ
亮馬:52.55キロ

<バンタム級/5分2R>
キャプテン禎:61.25キロ
木村総一郎:62.25キロ→61.7キロ

<バンタム級/5分2R>
関本龍翔:61.15キロ
千種純平:60.9キロ

<フェザー級/5分2R>
森田敢流:65.5キロ
入江一輝:66.0キロ

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